(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065651
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】画像形成装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240508BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240508BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240508BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20240508BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
B41J29/38 202
H04N1/00 127A
B41J29/38 401
B41J29/38 301
B41J29/38 204
G03G21/00 396
G03G21/00 510
G03G21/18 178
G03G21/16 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174634
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】海川 真佑
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR03
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5C062AA05
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5C062AA29
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AF10
(57)【要約】
【課題】ユーザが現在使用している画像形成装置から、変更する画像形成装置への移行を、従来よりも容易に行える画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置(1)は、本体メモリ(62)と、通信インタフェース(63)と、コントローラ(61)と、を備え、本体メモリは、画像形成装置(1B)と前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置(1A)とを含む画像形成装置群(D1)を表す共通識別情報と、画像形成装置の動作に関する設定を含む設定情報と、を記憶可能である。コントローラは、本体メモリに共通識別情報を記憶していると判定した場合、共通識別情報に対応する画像形成装置群に含まれる他の画像形成装置の本体メモリに記憶されている設定情報を通信インタフェースを介して外部の装置から取得する取得処理と、取得処理により取得した設定情報を本体メモリに記憶させる第1記憶処理と、を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
消耗品メモリを備える消耗品と、
前記消耗品が装着可能な本体筐体と、
本体メモリと、
外部の装置と通信を行う通信インタフェースと、
コントローラと、
を備え、
前記本体メモリは、
前記画像形成装置と前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置とを含む画像形成装置群を表す共通識別情報と、
前記画像形成装置の動作に関する設定を含む設定情報と、
を記憶可能であり、
前記コントローラは、
前記本体メモリが前記共通識別情報を記憶しているかを判定する第1判定処理と、
前記第1判定処理により、前記本体メモリに前記共通識別情報を記憶していると判定した場合、前記共通識別情報に対応する前記画像形成装置群に含まれる前記他の画像形成装置の本体メモリに記憶されている前記設定情報を前記通信インタフェースを介して外部の装置から取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記設定情報を前記本体メモリに記憶させる第1記憶処理と、
を実行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記設定情報は、前記共通識別情報に対応づけられて前記外部の装置に登録されている、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記本体メモリは、
前記画像形成装置に故障が発生している状態であるかを表すステータス情報と、
前記画像形成装置を識別する装置識別情報と、
を記憶可能であり、
前記コントローラは、
前記ステータス情報に基づいて、前記画像形成装置を前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置へと置き換える必要があるかを判定する第2判定処理と、
前記第2判定処理により、前記画像形成装置を前記他の画像形成装置へと置き換える必要があると判定した場合、前記本体メモリに記憶する前記装置識別情報と前記設定情報と前記共通識別情報とを、前記通信インタフェースを介して前記外部の装置に送信する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記本体メモリは、前記画像形成装置を識別する装置識別情報を記憶可能であり、
前記コントローラは、
前記取得処理において、前記共通識別情報と前記装置識別情報とを前記通信インタフェースを介して前記外部の装置に送信した後、前記共通識別情報に対応する前記画像形成装置群に含まれる前記他の画像形成装置の前記本体メモリに記憶されている前記設定情報を前記通信インタフェースを介して前記外部の装置から取得する、
請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記消耗品メモリは、前記消耗品が前記画像形成装置を対象とする契約が締結されている場合に使用可能な専用の消耗品であるか、または、前記契約の締結に関わらず使用可能な通常の消耗品であるかを表す種別情報を記憶し、
前記コントローラは、
前記取得処理を実行した後、前記通信インタフェースを介して、前記外部の装置から前記共通識別情報と前記装置識別情報とを前記外部の装置に登録した旨の通知を受信したかを判定する第3判定処理と、
前記第3判定処理により、前記外部の装置から前記共通識別情報と前記装置識別情報とを登録した旨の通知を受信したと判定した場合に、前記専用の消耗品を使用可能に設定する設定処理と、を実行する、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定情報は、
片面印刷、長辺綴じの両面印刷、短辺綴じの両面印刷、全てのページを印刷、現在のページを印刷、指定範囲のページを印刷、1部単位で印刷、用紙の縦方向に印刷、用紙の横方向に印刷、A4用紙、A3用紙、標準余白設定、狭い余白設定、広い余白設定、1枚に1ページを印刷、および、1枚に2ページを印刷、からなる群より選択された少なくとも1つ含む、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置と前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置とを含む画像形成装置群と、
前記画像形成装置群を構成する前記画像形成装置および前記他の画像形成装置と通信ネットワークを介して通信する外部の装置と、
前記外部の装置と前記通信ネットワークを介して通信する管理端末と、を含むシステムであって、
前記画像形成装置は、前記画像形成装置を識別する装置識別情報を記憶する第1本体メモリと、第1コントローラと、を有し、
前記他の画像形成装置は、前記他の画像形成装置を識別する装置識別情報を記憶する第2本体メモリと、第2コントローラと、を有し、
前記外部の装置は、
前記画像形成装置および前記他の画像形成装置のそれぞれを識別する前記装置識別情報と、前記画像形成装置群を表す共通識別情報と、前記画像形成装置群を構成する前記画像形成装置および前記他の画像形成装置の動作に関する設定を含む設定情報と、を対応付けて記憶するサーバメモリと、
サーバ制御部と、
を有し、
前記第2本体メモリは、
前記他の画像形成装置を含む前記画像形成装置群を表す前記共通識別情報と、
前記他の画像形成装置の動作に関する設定を含む設定情報と、
を記憶可能であり、
前記サーバ制御部は、
前記通信ネットワークを介して、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報と、前記他の画像形成装置を前記画像形成装置へ置き換える置き換え要求の通知と、を受信したかを判定する第1受信判定処理と、
前記第1受信判定処理により、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報と、前記置き換え要求の通知と、を受信したと判定した場合は、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報に対応する前記共通識別情報を前記サーバメモリから読み出して、前記管理端末を介して前記画像形成装置の前記第1本体メモリに記憶させる第1情報記憶処理と、
前記通信ネットワークを介して、前記画像形成装置から前記第1情報記憶処理にて前記第1本体メモリに記憶させた前記共通識別情報を受信したかを判定する第2受信判定処理と、
前記第2受信判定処理により、前記画像形成装置から前記第1情報記憶処理にて前記第1本体メモリに記憶させた前記共通識別情報を受信したと判定した場合は、受信した前記共通識別情報に対応する前記設定情報を前記サーバメモリから読み出して、前記通信ネットワークを介して前記画像形成装置へ送信する送信処理と、
を実行し、
前記画像形成装置の前記第1コントローラは、前記送信処理により前記通信ネットワークを介して受信した前記設定情報を前記第1本体メモリに記憶させる第2情報記憶処理を実行する、
システム。
【請求項8】
前記設定情報は、前記共通識別情報に対応付けられて前記サーバメモリに記憶されている、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記サーバ制御部は、
前記第1受信判定処理において、前記通信ネットワークを介して、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報と、前記置き換え要求の通知と、前記第2本体メモリに記憶されている前記設定情報と、を受信したかを判定し、
前記第1受信判定処理により、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報と、前記置き換え要求の通知と、前記第2本体メモリに記憶されている前記設定情報と、を受信したと判定した場合は、前記第2本体メモリに記憶されている前記設定情報を前記サーバメモリに記憶すると共に、前記第1情報記憶処理を実行し、
前記第2受信判定処理により、前記画像形成装置から前記共通識別情報を受信したと判定した場合は、前記送信処理において、前記第2本体メモリに記憶されている前記設定情報を前記サーバメモリから読み出して、前記通信ネットワークを介して前記画像形成装置へ送信する、
請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置を利用するユーザに対して定額印刷サービスが広く提供されている。定額印刷サービスは、サブスクリプションサービスとも呼ばれ、画像形成装置ごとに加入できるサービスである。例えば、定額印刷サービスの利用に関する契約が締結された契約機である画像形成装置において、予め定められた期間中、予め設定された枚数までなら、一定の利用料金で印刷が許可されるというものである。例えば、特許文献1には、契約消耗品が特定の契約機において使用されるように、契約消耗品と契約機とを対応付けて管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開2018/0131831号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、契約消耗品と契約機とを対応付けて管理する技術に改善の余地がある。例えば、契約機を変更する際に、ユーザが行う動作が煩雑になるという問題があった。
【0005】
本開示は、ユーザが現在使用している画像形成装置から、変更する画像形成装置への移行を、従来よりも容易に行える画像形成装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示の第1態様の画像形成装置は、画像形成装置であって、消耗品メモリを備える消耗品と、前記消耗品が装着可能な本体筐体と、本体メモリと、外部の装置と通信を行う通信インタフェースと、コントローラと、を備え、前記本体メモリは、前記画像形成装置と前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置とを含む画像形成装置群を表す共通識別情報と、前記画像形成装置の動作に関する設定を含む設定情報と、を記憶可能であり、前記コントローラは、前記本体メモリが前記共通識別情報を記憶しているかを判定する第1判定処理と、前記第1判定処理により、前記本体メモリに前記共通識別情報を記憶していると判定した場合、前記共通識別情報に対応する前記画像形成装置群に含まれる前記他の画像形成装置の本体メモリに記憶されている前記設定情報を前記通信インタフェースを介して外部の装置から取得する取得処理と、前記取得処理により取得した前記設定情報を前記本体メモリに記憶させる第1記憶処理と、を実行するものである。
【0007】
第2態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記設定情報は、前記共通識別情報に対応づけられて前記外部の装置に登録されているようにしてもよい。
【0008】
第3態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記本体メモリは、前記画像形成装置に故障が発生している状態であるかを表すステータス情報と、前記画像形成装置を識別する装置識別情報と、を記憶可能であり、前記コントローラは、前記ステータス情報に基づいて、前記画像形成装置を前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置へと置き換える必要があるかを判定する第2判定処理と、前記第2判定処理により、前記画像形成装置を前記他の画像形成装置へと置き換える必要があると判定した場合、前記本体メモリに記憶する前記装置識別情報と前記設定情報と前記共通識別情報とを、前記通信インタフェースを介して前記外部の装置に送信するようにしてもよい。
【0009】
第4態様は、第2の態様または第3の態様の画像形成装置であって、前記本体メモリは、前記画像形成装置を識別する装置識別情報を記憶可能であり、前記コントローラは、前記取得処理において、前記共通識別情報と前記装置識別情報とを前記通信インタフェースを介して前記外部の装置に送信した後、前記共通識別情報に対応する前記画像形成装置群に含まれる前記他の画像形成装置の前記本体メモリに記憶されている前記設定情報を前記通信インタフェースを介して前記外部の装置から取得するようにしてもよい。
【0010】
第5態様は、第4の態様の画像形成装置であって、前記消耗品メモリは、前記消耗品が前記画像形成装置を対象とする契約が締結されている場合に使用可能な専用の消耗品であるか、または、前記契約の締結に関わらず使用可能な通常の消耗品であるかを表す種別情報を記憶し、前記コントローラは、前記取得処理を実行した後、前記通信インタフェースを介して、前記外部の装置から前記共通識別情報と前記装置識別情報とを前記外部の装置に登録した旨の通知を受信したかを判定する第3判定処理と、前記第3判定処理により、前記外部の装置から前記共通識別情報と前記装置識別情報とを登録した旨の通知を受信したと判定した場合に、前記専用の消耗品を使用可能に設定する設定処理と、を実行するようにしてもよい。
【0011】
第6態様は、第4の態様の画像形成装置であって、前記設定情報は、片面印刷、長辺綴じの両面印刷、短辺綴じの両面印刷、全てのページを印刷、現在のページを印刷、指定範囲のページを印刷、1部単位で印刷、用紙の縦方向に印刷、用紙の横方向に印刷、A4用紙、A3用紙、標準余白設定、狭い余白設定、広い余白設定、1枚に1ページを印刷、および、1枚に2ページを印刷、からなる群より選択された少なくとも1つ含むようにしてもよい。
【0012】
第7態様のシステムは、画像形成装置と前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置とを含む画像形成装置群と、前記画像形成装置群を構成する前記画像形成装置および前記他の画像形成装置と通信ネットワークを介して通信する外部の装置と、前記外部の装置と前記通信ネットワークを介して通信する管理端末と、を含むシステムであって、前記画像形成装置は、前記画像形成装置を識別する装置識別情報を記憶する第1本体メモリと、第1コントローラと、を有し、前記他の画像形成装置は、前記他の画像形成装置を識別する装置識別情報を記憶する第2本体メモリと、第2コントローラと、を有し、前記外部の装置は、前記画像形成装置および前記他の画像形成装置のそれぞれを識別する前記装置識別情報と、前記画像形成装置群を表す共通識別情報と、前記画像形成装置群を構成する前記画像形成装置および前記他の画像形成装置の動作に関する設定を含む設定情報と、を対応付けて記憶するサーバメモリと、サーバ制御部と、を有し、前記第2本体メモリは、前記他の画像形成装置を含む前記画像形成装置群を表す前記共通識別情報と、前記他の画像形成装置の動作に関する設定を含む設定情報と、を記憶可能であり、前記サーバ制御部は、前記通信ネットワークを介して、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報と、前記他の画像形成装置を前記画像形成装置へ置き換える置き換え要求の通知と、を受信したかを判定する第1受信判定処理と、前記第1受信判定処理により、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報と、前記置き換え要求の通知と、を受信したと判定した場合は、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報に対応する前記共通識別情報を前記サーバメモリから読み出して、前記管理端末を介して前記画像形成装置の前記第1本体メモリに記憶させる第1情報記憶処理と、前記通信ネットワークを介して、前記画像形成装置から前記第1情報記憶処理にて前記第1本体メモリに記憶させた前記共通識別情報を受信したかを判定する第2受信判定処理と、前記第2受信判定処理により、前記画像形成装置から前記第1情報記憶処理にて前記第1本体メモリに記憶させた前記共通識別情報を受信したと判定した場合は、受信した前記共通識別情報に対応する前記設定情報を前記サーバメモリから読み出して、前記通信ネットワークを介して前記画像形成装置へ送信する送信処理と、を実行し、前記画像形成装置の前記第1コントローラは、前記送信処理により前記通信ネットワークを介して受信した前記設定情報を前記第1本体メモリに記憶させる第2情報記憶処理を実行するものである。
【0013】
第8態様は、第7の態様のシステムであって、前記設定情報は、前記共通識別情報に対応付けられて前記サーバメモリに記憶されていてもよい。
【0014】
第9態様は、第7の態様のシステムであって、前記サーバ制御部は、前記第1受信判定処理において、前記通信ネットワークを介して、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報と、前記置き換え要求の通知と、前記第2本体メモリに記憶されている前記設定情報と、を受信したかを判定し、前記第1受信判定処理により、前記他の画像形成装置の前記装置識別情報と、前記置き換え要求の通知と、前記第2本体メモリに記憶されている前記設定情報と、を受信したと判定した場合は、前記第2本体メモリに記憶されている前記設定情報を前記サーバメモリに記憶すると共に、前記第1情報記憶処理を実行し、前記第2受信判定処理により、前記画像形成装置から前記共通識別情報を受信したと判定した場合は、前記送信処理において、前記第2本体メモリに記憶されている前記設定情報を前記サーバメモリから読み出して、前記通信ネットワークを介して前記画像形成装置へ送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
第1の態様の画像形成装置によれば、第1判定処理により、画像形成装置(以下、「新装置」という。)の本体メモリに共通識別情報が記憶されているかを判定する。その後、第1判定処理により本体メモリに共通識別情報が記憶されていると判定すると、共通識別情報に対応付けされた画像形成装置群に含まれる他の画像形成装置(以下、旧装置という)の本体メモリに記憶されている設定情報を通信インタフェースを介して外部の装置(以下、サーバという)から取得し本体メモリに記憶する。これにより、旧装置の設定情報を自動的に新装置の本体メモリに記憶させることができる。よって、ユーザは、現在使用している旧装置から、変更する新装置への移行を、従来よりも容易に行うことが可能となる。
【0016】
第2の態様の画像形成装置によれば、共通識別情報に対応する画像形成装置群に含まれる旧装置の本体メモリに記憶されている設定情報は、共通識別情報に対応づけられてサーバに登録されている。これにより、新装置は、通信インタフェースを介してサーバに接続することによって、旧装置の設定情報をサーバから取得できる。よって、共通識別情報に対応する画像形成装置群に含まれる旧装置の設定情報を新装置の本体メモリに記憶させることが可能となる。
【0017】
第3の態様の画像形成装置によれば、旧装置から新装置へと置き換えが必要な場合に、旧装置の装置識別情報と設定情報と共通識別情報とをサーバに送信することができる。これにより、新装置は、通信インタフェースを介してサーバに接続することによって、装置識別情報に対応する旧装置の設定情報をサーバから取得できる。よって、共通識別情報に対応する画像形成装置群に含まれる画像形成装置のうち、置き換えが必要となった旧装置の設定情報を新装置に記憶させることが可能となる。
【0018】
第4の態様の画像形成装置によれば、コントローラは、共通識別情報と装置識別情報とをサーバに送信することによって、サーバは、置き換えられた新装置の装置識別情報と、サーバにて管理している共通識別情報および設定情報とを対応付けて記憶することが可能となる。
【0019】
第5の態様の画像形成装置によれば、共通識別情報と装置識別情報とがサーバに登録された後に、専用の消耗品の使用が可能となる。これにより、画像形成装置は、本体メモリに共通識別情報に対応する設定情報を記憶した後、専用の消耗品を使用した契約印刷が可能となるため、複数の画像形成装置群に対して設定されている設定情報に従って契約印刷を行うことができる。
【0020】
第6の態様の画像形成装置によれば、画像形成装置(新装置)の本体メモリに設定情報を記憶させることによって、置き換えられる他の画像形成装置(旧装置)の印刷仕様を設定することができる。
【0021】
第7態様のシステムによれば、ユーザは、新装置を通信ネットワークに接続することによって、画像形成装置群を構成する旧装置の設定情報を自動的に新装置の第1本体メモリに記憶させることができる。よって、ユーザは、現在使用している旧装置から、変更する新装置への移行を、従来よりも容易に行うことが可能となる。
【0022】
第8態様のシステムによれば、新装置の第1本体メモリに共通識別情報を記憶させて、通信ネットワークを介して外部の装置に接続することによって、新装置は、確実に旧装置の設定情報を外部の装置から取得することができる。よって、共通識別情報に対応する画像形成装置群に含まれる新装置の本体メモリに、旧装置の設定情報を記憶させることが可能となる。
【0023】
第9態様のシステムによれば、置き換える新装置の第1本体メモリに共通識別情報を記憶させて、通信ネットワークに接続することによって、新装置は、旧装置の設定情報を確実に取得することができる。よって、共通識別情報に対応する画像形成装置群に含まれる新装置の本体メモリに、旧装置の設定情報を記憶させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の実施形態1に係る画像形成システムの概要を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態1に係る画像形成装置の概略図である。
【
図3】本開示の実施形態1に係るドラムカートリッジ及びトナーカートリッジを含む画像形成装置と、サーバと、登録用端末と、管理端末との接続関係を示す図である。
【
図4】サーバメモリに記憶されている装置群登録テーブルの一例を示す図である。
【
図5】サーバメモリに記憶されている設定ファイル登録テーブルの一例を示す図である。
【
図6】旧プリンタのコントローラが実行する故障通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】サーバのサーバ制御部が、新プリンタの置き換え時に実行する置き換え処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】サーバのサーバ制御部が、新プリンタの置き換え時に実行する置き換え処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】ユーザに届けられた新プリンタのコントローラが、置き換え時に実行する設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態2に係るサーバメモリに記憶されているプリンタ置換テーブルの一例を示す図である。
【
図11】実施形態2に係る旧プリンタのコントローラが実行する第2故障通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施形態2に係るサーバのサーバ制御部が、新プリンタの置き換え時に実行する第2置き換え処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態2に係るサーバのサーバ制御部が、新プリンタの置き換え時に実行する第2置き換え処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】実施形態2に係るサーバのサーバ制御部が、新プリンタの置き換え時に実行する第2置き換え処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1について
図1~
図9を参照しつつ説明する。実施形態1では、一例として、画像形成装置がレーザープリンタであり、画像形成が印刷である場合について説明する。しかしながら、画像形成装置1は、レーザープリンタ以外のプリンタであってもよい。例えば、画像形成装置1は、インクジェットプリンタであってもよい。
【0026】
〔画像形成システムの概要〕
図1は、実施形態1に係る画像形成システム100の概要を示す図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、複数の画像形成装置1と、サーバ8と、管理端末7と、登録用端末6と、を含む。
図1に示す複数の画像形成装置1は、例えば、画像形成装置1と該画像形成装置1とは異なる他の画像形成装置1とにより構成される画像形成装置群D1、画像形成装置群D2等を構成している。画像形成装置群D1、D2は、それぞれ複数の画像形成装置1を含んでいる。各画像形成装置群D1、D2を構成する「1群の」画像形成装置1は、それぞれ同一のユーザによる契約の締結によって事業者から提供されている。
【0027】
画像形成装置1は、画像形成装置1に対する契約の締結により提供されるサービスを実現するための装置である。また、各画像形成装置群D1、D2を構成する「1群の」画像形成装置1は、各グループ内でのみ、特定のサービスが提供される。例えば、画像形成装置群D1に属する画像形成装置1の間に限り、契約専用の消耗品を継続して使用することが可能となるサービスが提供される。
【0028】
サーバ8は画像形成装置1と通信ネットワークNTを介して通信する外部の装置の一例であって、画像形成装置1を管理する管理装置(管理サーバ)の一例である。サーバ8および登録用端末6は通信ネットワークNTを介して通信可能であり、事業者が管理する。管理端末7は、事業者の工場などに配置され、通信ネットワークNTを介してサーバ8と通信可能であり、事業者が管理する。
【0029】
実施形態1における「契約」とは、ユーザと事業者との間で締結される契約であって、事業者が、ユーザによって指定された複数の画像形成装置1または事業者からユーザに提供された複数の画像形成装置1を介して特定のサービスを提供する契約である。換言すると、ユーザは各画像形成装置群D1、D2等に対する契約を締結するといえる。また、各画像形成装置群D1、D2等は、契約の対象となる「1群の」画像形成装置1であるともいえる。以下では、ユーザが指定した、または、事業者からユーザに提供された、契約の対象となる画像形成装置1を「契約対象機」と称する。
【0030】
各画像形成装置群D1、D2を構成する「1群の」画像形成装置1のそれぞれは、ユーザが事業者と契約することによって、事業者から提供されて、例えば、毎月定額で使用することができる。また、「1群の」画像形成装置1のそれぞれは、ユーザが事業者と契約することによって、契約専用の消耗品を、例えば、毎月定額で使用することができる。契約は、一例として、契約サービスを提供する事業者と、ユーザとの間で、サービスの利用期間、利用料金などが取り決められた上で、事業者がユーザにサービスを提供することを双方が了承することである。
【0031】
すなわち、実施形態1の画像形成装置1は、サービスの契約が締結された後、締結した契約の内容に基づく画像形成装置1の使用と、締結した契約の内容に基づく契約専用の消耗品を使用した印刷である契約印刷を実行することが可能になる画像形成装置である。あるいは、画像形成装置1は、サービスの契約が締結された後、契約専用の消耗品を使用した印刷である契約印刷を実行することが可能になる画像形成装置1であってもよい。
【0032】
ユーザは画像形成装置1を任意のタイミングで契約対象機として登録、または変更することができる。ここで言う「登録」とは、新規登録であっても、以前登録しており、契約を解除した画像形成装置1を再登録することであってもよい。また、ユーザは複数の画像形成装置1を「1群の」契約対象機、例えば、各画像形成装置群D1、D2等として登録することもできる。
【0033】
すなわち、ユーザは複数の画像形成装置1を契約対象機として同時に用いることも可能であるし、「1群の」契約対象機として用いる複数の画像形成装置1のうち、ある画像形成装置1から別の画像形成装置1に変更することもできる。また、契約対象機である画像形成装置1が故障などした場合には、事業者から同じグループの代替の契約対象機として登録された新たな画像形成装置1(新装置)がユーザへ送付されて、故障した画像形成装置1(旧装置)から新装置へと置き換えることができる。新装置は、故障した画像形成装置1とは異なる他の画像形成装置1の一例である。
【0034】
事業者が利用する登録用端末6は、サーバ8と通信して、契約対象機として用いる画像形成装置1を識別するための固有の識別情報を表す「装置ID」と、この画像形成装置1が属する画像形成装置群を表す「装置群ID(共通識別情報)」とを対応付けて登録するための装置である。登録用端末6としては、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン等、標準的な通信機能を備えた情報処理端末が採用され得る。
【0035】
事業者が利用する管理端末7は、事業者の工場などに配置されて、通信ネットワークNTを介して、サーバ8と通信可能に構成されている。管理端末7は、通信ネットワークNTを介して、サーバ8から新装置に付与する画像形成装置群を表す「装置群ID(共通識別情報)」を受信する。そして、事業者は、管理端末7が受信した「装置群ID」を、管理端末7を介して、新装置の本体メモリ62(
図2参照)に記憶させた後、ユーザへ発送する。また、管理端末7は、通信ネットワークNTを介して、新装置の固有の識別情報を表す「装置ID」と、「装置群ID」とをサーバ8へ送信してもよい。
【0036】
〔画像形成装置1の構造概要〕
図2は、画像形成装置1の概略図である。
図3は、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4を含む画像形成装置1と、サーバ8と、登録用端末6と、管理端末7との接続関係を示す図である。なお、
図3には画像形成装置1が2つ含まれているが、いずれの画像形成装置1も同様の構成を有している。
【0037】
図2に示すように、画像形成装置1は、本体筐体10と、カバー11と、トナーカートリッジ4と、ドラムカートリッジ20と、コントローラ61と、本体メモリ62と、通信部63とを備える。なお、画像形成装置1には、図示されていないが、液晶ディスプレイまたはランプなどの表示部と、ボタンなどの入力部とが設けられていてもよい。また、液晶ディスプレイは、タッチパネルと一体に構成されることにより、入力部として機能するように構成されてもよい。
【0038】
〔本体筐体10〕
画像形成装置1の本体筐体10には、トナーカートリッジ4が装着可能である。詳しくは後述するが、トナーカートリッジ4は、ドラムカートリッジ20に装着されることで、ドラムカートリッジ20と一体となる。つまり、トナーカートリッジ4は、ドラムカートリッジ20に装着された状態で、ドラムカートリッジ20とともに、本体筐体10へ装着可能である。これにより、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4を含む画像形成装置1が実現する。
【0039】
なお、本実施形態の画像形成装置1では、印刷を行うために4個のトナーカートリッジ4の装着が必要であることとする。すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、4個のドラムカートリッジ20と、4個のトナーカートリッジ4とが装着可能に構成されている。しかしながら、画像形成装置1に装着されるドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4の個数は、
図2の例に限定されない。例えば、画像形成装置1は、1個のドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4が装着可能なモノクロプリンタであってもよい。
【0040】
トナーカートリッジ4は、画像形成装置1が印刷の際に消費するトナーを収容する。すなわち、トナーカートリッジ4は画像形成装置1にとっての消耗品の一例である。また、ドラムカートリッジ20は、画像形成装置1の印刷の際に用いる感光体ドラム21を含んでいる。ドラムカートリッジ20も、画像形成装置1にとっての消耗品の一例である。
【0041】
本体筐体10は、例えば矩形の箱状である。4つのドラムカートリッジ20、4つのトナーカートリッジ4、転写ベルト70、コントローラ61、本体メモリ62、及び通信部63は、本体筐体10に収容される。本体筐体10は、4つのカートリッジ保持部13を有する。カートリッジ保持部13は、凹状に形成されており、開口を有する。ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4は、カートリッジ保持部13のそれぞれに保持されることで本体筐体10に装着される。
【0042】
〔カバー11〕
画像形成装置1のカバー11には、各ドラムカートリッジ20に対応した光源ユニット50が備えられている。つまり、画像形成装置1は、4つの光源ユニット50を備える。カバー11は、
図1において実線で示す開口10Aを開ける開位置と、
図1において二点鎖線で示す開口10Aを閉じる閉位置との間で、第1方向に延びる回動軸11Aを中心に回動可能(移動可能)である。カバー11の回動によって、本体筐体10の上端に設けられた開口10Aが開閉される。
【0043】
なお、「第1方向」とは、トナーカートリッジ4における現像ローラ41の回転中心軸(現像軸)が延びる方向を示す。カバー11が開位置に配置されたときには、カートリッジ保持部13のそれぞれの開口が開放される。カバー11が閉位置に配置されたときには、カートリッジ保持部13のそれぞれの開口が、カバー11により覆われる。
【0044】
本体筐体10には、開口10Aに図示しない閉センサが設けられていてもよい。閉センサは、カバー11が閉位置にあることを検知するセンサである。閉センサは、例えば、接触型のセンサであってもよいし、光学型のセンサであってもよい。
【0045】
〔トナーカートリッジ4〕
トナーカートリッジ4は、現像ローラ41と、印刷材の一例としての現像剤(例えばトナー)とを収容可能なカートリッジ筐体を有する。カートリッジ筐体は、本体筐体10に装着可能である。4つのトナーカートリッジ4は、画像形成を行うために使用される材料として、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各色)の現像剤を収容する。
【0046】
現像材は、使用に伴ってなくなる消耗品である。現像ローラ41は、第1方向に延びる円筒状の部材であり、第1方向に延びる現像軸を中心に回転可能である。トナーカートリッジ4がドラムカートリッジ20に装着されると、感光体ドラム21の外周面は、現像ローラ41の外周面と接触する。
【0047】
また、トナーカートリッジ4は、消耗品メモリの一例としてのトナーメモリ42を有する。トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4の第1方向における一方側の外表面に配置される。トナーメモリ42は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリ、例えば、フラッシュROM(Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標)(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。
【0048】
図3に示すように、トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4に関する情報を記憶するために、第1領域421と、第2領域422と、第3領域423と、第4領域424と、第5領域425とを有している。トナーメモリ42は第1領域421にトナーIDを記憶している。トナーメモリ42は、第2領域422にトナー種別情報を記憶している。トナーメモリ42は第3領域423にトナー残量情報を記憶している。トナーメモリ42は第4領域424に新品フラグを記憶している。トナーメモリ42は、第5領域425に装置群ID(共通識別情報)を記憶している。なお、第3領域423及び第4領域424は、データの書き替えが可能であってもよい。
【0049】
トナーIDは、個々のトナーカートリッジ4を識別するための固有の識別情報を表す情報の一例である。トナーIDは、各トナーカートリッジ4に固有のシリアルナンバーであってもよい。なお、トナーIDには、各トナーカートリッジ4の色を示す情報が含まれていてもよい。
【0050】
トナー種別情報は、種別情報の一例であり、トナーカートリッジ4の種別を示す情報である。本実施形態において、トナーカートリッジ4の種別は2種類存在する。1つは、契約対象機でのみ使用可能な「専用カートリッジ」である。換言すれば、専用カートリッジは、画像形成装置1を対象とする契約が締結されている場合に使用可能な専用の消耗品の一例である。
【0051】
もう1つは、契約対象機でない画像形成装置1でも使用可能な「通常カートリッジ」である。換言すれば、通常カートリッジは、契約の締結に関わらず使用可能な通常の消耗品の一例である。なお、トナー種別情報は、トナーIDに含まれていてもよい。すなわち、トナーIDは、個々のトナーカートリッジ4を識別する情報であると同時に、個々のトナーカートリッジ4の種別が何であるかを示す情報であってもよい。
【0052】
トナー残量情報は、トナーカートリッジ4のトナーの残量を示す情報である。トナーの残量は、一例として、満杯から空までの複数の段階に対応する値で構成される。満杯から空までの複数の段階に対応する値は、第3領域423に記憶されている。トナーメモリ42が記憶するトナーの残量の各段階は、上述の値に基づいて、値が高い順に「FULL」、「HIGH」、「LOW」及び「EMPTY」等の文字列であってもよい。また、トナーメモリ42が記憶するトナーの残量の各段階は、「100%」~「0%」などの数値であってもよいし、文字列と数値を組み合わせた情報であってもよい。
【0053】
第4領域424に記憶される新品フラグは、トナーカートリッジ4が、新品であること、または、使用済みの製品を表す旧品であることを表す情報の一例である。例えば、新品フラグの「1」の値は、トナーカートリッジ4が新品であることを意味し、新品フラグの「0」の値は、トナーカートリッジ4が旧品であることを意味してもよい。なお、「使用済みの製品」とは、画像形成装置1に一度装着されている消耗品である。
【0054】
第5領域425に記憶される装置群IDは、複数の画像形成装置1が属する画像形成装置群を表す情報である。そして、画像形成装置1のコントローラ61は、画像形成措置1が属する画像形成装置群の装置群IDを記憶するトナーカートリッジ4のみの使用を許可すると共に、新品フラグが旧品を表していても、トナーカートリッジ4の使用を許可する。
【0055】
〔ドラムカートリッジ20〕
ドラムカートリッジ20は、本体筐体10に装着可能なカートリッジ筐体を有している。カートリッジ筐体は、画像形成を行うために使用される部品として、感光体ドラム21を含む。感光体ドラム21は、使用に伴って、表面の磨耗などの劣化が生じるために交換が必要となる消耗品である。感光体ドラム21は、第1方向に延びる円筒状の感光体である。感光体ドラム21は、第1方向に延びるドラム軸を中心に回転可能である。感光体ドラム21の外周面は、感光材料に覆われている。
【0056】
また、ドラムカートリッジ20は、消耗品メモリの一例としてのドラムメモリ22を有していてもよい。ドラムメモリ22は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリである。ドラムメモリ22は、例えばフラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。
【0057】
図3に示すように、ドラムメモリ22は、ドラムカートリッジ20の感光体ドラム21に関する情報を記憶するために、第1領域221と、第2領域222と、第3領域223と、第4領域224と、第5領域225とを有している。ドラムメモリ22は第1領域221にドラムIDを記憶している。ドラムメモリ22は第2領域222にドラム種別情報を記憶している。ドラムメモリ22は第3領域223にドラム寿命情報を記憶している。ドラムメモリ22は第4領域224に新品フラグを記憶している。ドラムメモリ22は、第5領域225に装置群ID(共通識別情報)を記憶している。なお、第3領域223及び第4領域224は、データの書き替えが可能であってもよい。
【0058】
ドラムIDは、個々のドラムカートリッジ20を識別するための固有の識別情報を表す情報の一例である。ドラムIDは、各ドラムカートリッジ20に固有のシリアルナンバーであってもよい。ドラム種別情報は、種別情報の一例であり、ドラムカートリッジ20の種別を示す情報である。本実施形態において、ドラムカートリッジ20の種別は、「専用カートリッジ」及び「通常カートリッジ」の2種類存在する。ドラム寿命情報は、感光体ドラム21の寿命を示す情報である。
【0059】
第4領域224に記憶される新品フラグは、ドラムカートリッジ20が、新品であること、または、使用済みの製品を表す旧品であることを表す情報の一例である。例えば、新品フラグの「1」の値は、ドラムカートリッジ20が新品であることを意味し、新品フラグの「0」の値は、ドラムカートリッジ20が旧品であることを意味してもよい。
【0060】
第5領域225に記憶される装置群IDは、複数の画像形成装置1が属する画像形成装置群を表す情報である。そして、画像形成装置1のコントローラ61は、画像形成措置1が属する画像形成装置群の装置群IDを記憶するドラムカートリッジ20のみの使用を許可する。また、画像形成装置1のコントローラ61は、装着されたドラムカートリッジ20の新品フラグが旧品を表していても、画像形成措置1が属する画像形成装置群の装置群IDを記憶するドラムカートリッジ20の継続使用を許可する。
【0061】
〔カートリッジの装着と印刷機構〕
図2に示すように、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4は、カバー11が開位置に配置された状態で、本体筐体10に装着される。この状態で、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4は、開口10Aからカートリッジ保持部13に挿入される。
【0062】
本体筐体10は、コネクタ101及びコネクタ102を有する。ドラムカートリッジ20がカートリッジ保持部13に挿入された状態で、コネクタ101がドラムメモリ22と電気的に接続されることより、本体筐体10のコントローラ61がドラムカートリッジ20のドラムメモリ22と通信可能になる。また、トナーカートリッジ4が本体筐体10に装着された状態で、コネクタ102がトナーメモリ42と電気的に接続されることにより、本体筐体10のコントローラ61がトナーカートリッジ4のトナーメモリ42と通信可能になる。
【0063】
4つの光源ユニット50は、カバー11の内表面に取り付けられている。光源ユニット50は、本体筐体10にドラムカートリッジ20が装着されて、カバー11が閉位置にある状態で、感光体ドラム21の表面と向かい合って配置されている。また、光源ユニット50は、第1方向に配列された複数の光源を有する。光源は、感光体ドラム21の外周面に、光を照射可能である。光源は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)である。
【0064】
光源ユニット50は、コントローラ61と電気的に接続されている。コントローラ61は、入力された画像データに応じて、光源ユニット50の複数の光源を発光させる。光源は、感光体ドラム21の外周面に向けて光を照射する。その結果、感光体ドラム21の外周面の感光材料が、画像データに応じて露光される。
【0065】
転写ベルト70は、感光体ドラムの表面にある現像剤を、印刷用紙へ転写する部品である。転写ベルト70は、使用に伴って、表面の磨耗などの劣化が生じるために交換が必要となる消耗品の一例である。転写ベルト70は、感光体ドラム21と接触可能なベルトであって、環状(無端帯)である。感光体ドラム21の外周面は、転写ベルト70の外周面と接触可能である。印刷処理時には、印刷用紙が、転写ベルト70と感光体ドラム21との間へ搬送される。
【0066】
転写ベルト70は、駆動ローラ71と従動ローラ72との間に掛け渡されている。駆動ローラ71は、転写ベルト70を駆動する。コントローラ61は、駆動ローラ71を回転させる。従動ローラ72は、駆動ローラ71の駆動に伴う転写ベルト70の移動に従い、回転する。
【0067】
〔本体筐体の内部構造〕
コントローラ61は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を有する。コントローラ61は、本体筐体10に設けられた本体メモリ62及び通信部63と電気的に接続されている。コントローラ61は、種々の処理を実行することによって、画像形成装置1に印刷処理及びそれに付随する処理を行わせる。
【0068】
なお、コントローラ61は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ62に印刷制御方法を実現する制御プログラムが記憶されていてもよい。そして、コントローラ61のプロセッサが、本体メモリ62が記憶する制御プログラムにしたがって動作することにより、画像形成装置1における印刷処理が実行されてもよい。
【0069】
また、コントローラ61自体が、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていてもよい。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを用いてもよい。
【0070】
また、制御プログラムは、制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介してコンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0071】
ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4が本体筐体10のカートリッジ保持部13に装着されると、
図3に示すように、ドラムメモリ22及びトナーメモリ42は、各コネクタ101、102を介して、コントローラ61と電気的に接続される。コントローラ61は、接続されたドラムメモリ22及びトナーメモリ42からの情報の読出処理と、ドラムメモリ22及びトナーメモリ42への情報の書き込み処理及び/または書き替え処理を実行することが可能となる。
【0072】
本体メモリ62は、情報の読み出し及び書き込みが可能なメモリである。本体メモリ62は、例えばフラッシュROM、EEPROM(登録商標)またはNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)である。本体メモリ62は、トナー情報を記憶する第1領域621と、装置IDを記憶する第2領域622と、モード情報を記憶する第3領域623と、ステータス情報を記憶する第4領域624と、を有する。また、本体メモリ62は、第1枚数カウンタを記憶する第5領域625と、第2枚数カウンタを記憶する第6領域626と、を有する。また、本体メモリ62は、装置群ID(共通識別情報)を記憶する第7領域627と、設定情報を記憶する第8領域628と、を有する。
【0073】
トナー情報は、画像形成装置1に装着された個々のトナーカートリッジ4に関する情報である。例えば、トナー情報は、あるトナーメモリ42から読み出されたトナーIDに、同一のトナーメモリ42から読み出されたトナー種別情報及びトナー残量情報を対応付けたデータであってもよい。そして、本体メモリ62は第1領域621に、このように対応付けたデータをトナーカートリッジ4毎に記憶してもよい。装置IDは、個々の画像形成装置1を識別するための固有の識別情報を表す情報の一例である。装置IDは、各画像形成装置1に固有のシリアルナンバーであってもよい。
【0074】
モード情報は、画像形成装置1の動作モードを示す情報である。本実施形態では、モード情報は、画像形成装置1が契約対象機として登録されたことを意味する「契約モード」と、画像形成装置1が契約対象機として登録されていないか、契約が解除済であることを意味する「通常モード」との2種類のモードのいずれかであることとする。
【0075】
換言すれば、「契約モード」は、画像形成装置1が画像形成システム100上で、契約が締結された契約対象機として動作することを意味する。「通常モード」は、画像形成装置1が契約対象機ではなく、契約が締結されていない通常の画像形成装置として動作することを意味する。画像形成装置1の出荷時には、第3領域623には初期値として、通常モードに対応する値が記憶されている。コントローラ61はモード情報を適宜書き替える。なお、画像形成装置1が故障した契約対象機の代替え機として工場などからユーザへ発送される場合には、第3領域623には初期値として、契約モードに対応する値が記憶されている。
【0076】
ステータス情報は、画像形成装置1に故障が発生している状態であるかを表す情報である。本実施形態では、一例として、ステータス情報は、画像形成装置1が、正常であるか、異常であるかを示す異常フラグとともに、異常フラグが異常であることを示す場合には、その異常の内容を示す異常情報を含んでいてもよい。コントローラ61は、ステータス情報を参照することにより、画像形成装置1に故障が発生しているか否かを判定することができる。
【0077】
第1枚数カウンタは、画像形成装置1における印刷枚数の累計である。第2枚数カウンタは、画像形成装置1が契約印刷で印刷した印刷物の枚数を示す。第2枚数カウンタは、画像形成装置1が契約モードから通常モードに移行する度に0にカウントリセットされてもよいし、今まで画像形成装置1において契約に基づく印刷で印刷された印刷物の枚数の累計であってもよい。
【0078】
装置群IDは、画像形成装置1と他の画像形成装置1とを含む複数の画像形成装置群を表す共通識別情報の一例である。本体メモリ62が装置群IDを記憶しているため、画像形成装置1の事業者は、複数の画像形成装置群をまとめて管理することができる。また、ユーザは、複数の画像形成装置1を共通の装置群IDで利用可能となる。
【0079】
設定情報は、画像形成装置1の動作に関する設定を表す情報である。例えば、設定情報は、片面印刷、長辺綴じの両面印刷、短辺綴じの両面印刷、全てのページを印刷、現在のページを印刷、指定範囲のページを印刷、1部単位で印刷、用紙の縦方向に印刷、用紙の横方向に印刷、A4用紙、A3用紙、標準余白設定、狭い余白設定、広い余白設定、1枚に1ページを印刷、および、1枚に2ページを印刷、からなる群より選択された少なくとも1つ含む。
【0080】
通信部63は、通信ネットワークNTを介して、サーバ8と通信を行う通信インタフェースである。通信部63は、サーバ8から受信した各種データ、通知、及び要求をコントローラ61に出力する。通信部63は、コントローラ61から入力された各種データ、通知、及び要求をサーバ8へ送信する。
【0081】
[登録用端末6]
登録用端末6は、画像形成装置1を識別する「装置ID」と、画像形成装置1が属する画像形成装置群を表す「装置群ID」との入力操作を受け付ける。そして、登録用端末6は、通信ネットワークNTを介して、受け付けた「装置ID」と「装置群ID」とを対応付けてサーバ8へ送信して、契約対象機として登録する。
【0082】
また、登録用端末6は、画像形成装置群に属する画像形成装置1の動作に関する設定を表す「設定情報」のデータを含む「設定ファイル」と、「装置群ID」との入力を受け付ける。そして、登録用端末6は、通信ネットワークNTを介して、受け付けた「設定ファイル」と「装置群ID」とを「設定ファイル登録要求」としてサーバ8へ送信する。その結果、後述のように、サーバ8は、受信した「設定ファイル」と「装置群ID」とを設定ファイル登録テーブル822(
図5参照)に登録する。
【0083】
[管理端末7]
事業者の工場などにある管理端末7は、管理端末通信部を介してサーバ8からの通知を受信する。事業者は、管理端末7を介して故障などした旧装置(以下、「旧プリンタ1A」という。)の交換の通知と、旧プリンタ1Aが属する「装置群ID」とを受信すると、旧プリンタ1Aと交換するための新装置(以下、「新プリンタ1B」という。)を用意する。そして、事業者は、工場などにある管理端末7を介して、用意した新プリンタ1Bの「装置ID」、例えば、シリアルナンバー、型番等の交換プリンタ情報を新しい契約機の情報としてサーバ8へ送信する。また、事業者は、管理端末7を介して、新プリンタ1Bに、受信した「装置群ID」を記憶させた後、ユーザへ発送する。
【0084】
〔サーバ8〕
サーバ8は、画像形成装置1の稼働状態を管理する管理装置である。サーバ8は、サーバ通信部83と、サーバメモリ82と、サーバ制御部81とを備えている。サーバ制御部81は、サーバ8を統括的に制御するCPUである。サーバメモリ82は、サーバ8の動作に必要なデータを記憶する記憶装置である。
【0085】
例えば、
図4に示す装置群登録テーブル821がサーバメモリ82に記憶されている。装置群登録テーブル821は、「装置ID」と、「装置群ID」とから構成されている。例えば、装置IDである「SN003~005」は、共通する装置群IDである「FL01A」で管理されているため、「SN003~005」の装置IDを有する画像形成装置1は、一群の画像形成装置群となる。
【0086】
また、例えば、
図5に示す設定ファイル登録テーブル822がサーバメモリ82に記憶されている。設定ファイル登録テーブル822は、「装置群ID」と、「設定ファイル」とから構成されている。例えば、装置群ID「FL01A」に対応する設定ファイルは「20220630_XXX」で管理されている。より詳細には、設定ファイル「20220630_XXX」では、例えば、短辺綴じの両面印刷が設定情報として設定されている場合、装置群ID「FL01A」を有する画像形成装置1は、短辺綴じの両面印刷が設定される。
【0087】
サーバ通信部83は、通信ネットワークNTを介して、画像形成装置1、登録用端末6及び管理端末7と通信を行う通信インタフェースである。サーバ通信部83は、画像形成装置1、登録用端末6及び管理端末7から受信した各種データ、通知、及び要求をサーバ制御部81に出力する。サーバ通信部83は、サーバ制御部81から入力された各種データ、通知、及び要求を、画像形成装置1、登録用端末6及び管理端末7へ送信する。
【0088】
例えば、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、登録用端末6から「装置ID」と「装置群ID」とを受信すると、
図4に示す装置群登録テーブル821をサーバメモリ82から読み出す。そして、サーバ制御部81は、受信した「装置ID」と「装置群ID」とを対応付けて装置群登録テーブル821に登録(記憶)する。その後、サーバ性制御部81は、更新した装置群登録テーブル821を再度、サーバメモリ82に記憶する。
【0089】
また、例えば、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、登録用端末6から「装置群ID」と、設定情報のデータを含む「設定ファイル」とを受信する。その後、サーバ制御部81は、
図5に示す設定ファイル登録テーブル822をサーバメモリ82から読み出す。そして、サーバ制御部81は、受信した「装置群ID」と「設定ファイル」とを対応付けて設定ファイル登録テーブル822に登録(記憶)する。その後、サーバ性制御部81は、更新した設定ファイル登録テーブル822を再度、サーバメモリ82に記憶する。
【0090】
[画像形成装置1の置き換え時の処理]
次に、契約対象機として登録されている画像形成装置1を故障などにより置き換えるときの、画像形成システム100における各種装置の処理の流れについて、
図6~
図9に基づいて説明する。
【0091】
なお、以下において、既に契約が締結されている画像形成装置1であって、故障などした画像形成装置1を「旧プリンタ1A」(
図1参照)と称する。また、旧プリンタ1Aのコントローラ61を「コントローラ61A」とも称する。また、旧プリンタ1Aと置き換えられる画像形成装置1であって、新たに契約の対象となる画像形成装置1を「新プリンタ1B」(
図1参照)と称する。また、新プリンタ1Bのコントローラ61を「コントローラ61B」とも称する。また、例えば、
図1に示すように、旧プリンタ1Aは、画像形成装置群D1に属している。
【0092】
[旧プリンタ1Aが実行する故障通知処理]
先ず、旧プリンタ1Aのコントローラ61Aが実行する故障通知処理の流れについて
図6に基づいて説明する。
図6は、旧プリンタ1Aのコントローラ61Aが実行する故障通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6にフローチャートで示されるプログラムは、本体メモリ62に記憶されている。
図6に示す処理は、旧プリンタ1Aのコントローラ61Aが所定時間毎に、例えば、数ミリ秒~数十ミリ秒間隔で実行する処理である。
【0093】
図6に示すように、S11において、コントローラ61Aは、本体メモリ62の第4領域624からステータス情報を読み出し、旧プリンタ1Aに故障が発生した部品があり、新プリンタ1Bと置き換える必要があるか否かを判定する(S11)。コントローラ61Aは、旧プリンタ1Aに故障が発生した部品があり、新プリンタ1Bと置き換える必要があると判定した場合は(S11:YES)、S12の処理に進む。
【0094】
S12において、コントローラ61Aは、故障した部品を特定する情報を含む故障通知をサーバ8へ通知済みか否かを判定する(S12)。そして、コントローラ61Aは、故障した部品を特定する情報を含む故障通知をサーバ8へ通知済みであると判定した場合は(S12:YES)、後述のS14の処理に進む。一方、コントローラ61Aは、故障した部品を特定する情報を含む故障通知をサーバ8へ通知していないと判定した場合は(S12:NO)、S13の処理に進む。
【0095】
S13において、コントローラ61Aは、本体メモリ62の第2領域622から装置IDを読み出す。そして、コントローラ61Aは、旧プリンタ1Aの装置IDと、故障した部品を特定する情報を含む故障通知とを、通信部63を介してサーバ8へ通知する(S13)。続いて、S14において、コントローラ61Aは、故障した部品を特定する情報を含む故障通知の通知済み状態を本体メモリ62に記憶した後、再度S11以降の処理を実行する。
【0096】
他方、S11で、コントローラ61Aは、旧プリンタ1Aに故障が発生した部品が無いと判定した場合は(S11:NO)、S15の処理に進む。S15において、コントローラ61Aは、各部品のうち、寿命が近い部品があるかを判定する。例えば、各部品の寿命に達する最大累計印刷枚数が、本体メモリ62に記憶されており、コントローラ61Aは、第5領域625に記憶される第1枚数カウンタと各部品の最大累計印刷枚数とを比較して、寿命が近い部品があるかを判定する。
【0097】
そして、コントローラ61Aは、寿命が近い部品が無いと判定した場合は(S15:NO)、再度S11以降の処理を実行する。一方、コントローラ61Aは、寿命が近い部品があると判定した場合は(S15:YES)、S16の処理に進む。S16において、コントローラ61Aは、寿命が近い部品を特定する情報を含む故障予知通知をサーバ8へ通知済みか否かを判定する(S16)。そして、コントローラ61Aは、寿命が近い部品を特定する情報を含む故障予知通知をサーバ8へ通知済みであると判定した場合は(S16:YES)、S14の処理に進む。
【0098】
一方、コントローラ61Aは、寿命が近い部品を特定する情報を含む故障予知通知をサーバ8へ通知していないと判定した場合は(S16:NO)、S17の処理に進む。S17において、コントローラ61Aは、本体メモリ62の第2領域622から装置IDを読み出す。そして、コントローラ61Aは、旧プリンタ1Aの装置IDと、寿命が近い部品の部品を特定する情報を含む故障予知通知とを、サーバ8へ通知した後(S17)、S14の処理に進む。
【0099】
S14において、コントローラ61Aは、寿命が近い部品を特定する情報を含む故障予知通知の通知済み状態を本体メモリ62に記憶した後、再度S11以降の処理を実行する。これにより、旧プリンタ1Aのコントローラ61Aは、故障などにより新プリンタ1Bに置き換える必要がある場合は、その旨をサーバ8へ通知することができる。
【0100】
[サーバ8が実行する置き換え処理]
次に、サーバ8のサーバ制御部81が実行する置き換え処理の流れについて
図7および
図8に基づいて説明する。
図7および
図8は、サーバ8のサーバ制御部81が、新プリンタ1Bの置き換え時に実行する置き換え処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7および
図8にフローチャートで示されるプログラムは、サーバメモリ82に記憶されている。
図7および
図8に示す処理は、サーバ制御部81が所定時間毎に、例えば、数ミリ秒~数十ミリ秒間隔で実行する処理である。
【0101】
図7に示すように、S21において、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1A、新プリンタ1B、または、登録用端末6から処理要求の通知を受信したか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1A、新プリンタ1B、または、登録用端末6から処理要求の通知を受信していないと判定した場合は(S21:NO)、再度S21の処理を実行する。一方、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1A、新プリンタ1B、または、登録用端末6から処理要求の通知を受信したと判定した場合は(S21:YES)、S22の処理に進む。
【0102】
S22において、サーバ制御部81は、受信した処理要求の通知が、旧プリンタ1Aからの故障通知または故障予知通知のいずれかであるか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、受信した処理要求の通知が故障通知または故障予知通知のいずれかであると判定した場合は(S22:YES)、故障通知または故障予知通知と、通知とともに受信した旧プリンタ1Aの「装置ID」とをサーバメモリ82に記憶する。その後、サーバ制御部81は、S23の処理に進む。S23において、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶する装置群登録テーブル821(
図4参照)の「装置ID」の欄から、故障通知または故障予知通知と共に受信した旧プリンタ1Aの「装置ID」を検索した後、S24の処理に進む。
【0103】
S24において、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄から、旧プリンタ1Aの「装置ID」が見つかったか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄から、旧プリンタ1Aの「装置ID」が見つからなかったと判定した場合は(S24:NO)、旧プリンタ1Aは、いずれの画像形成装置群にも属していないと判断する。そして、サーバ制御部81は、再度S21以降の処理を実行する。
【0104】
一方、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄から、旧プリンタ1Aの「装置ID」が見つかったと判定した場合は(S24:YES)、旧プリンタ1Aは、いずれかの画像形成装置群に属していると判断する。そして、サーバ制御部81は、S25の処理に進む。
【0105】
S25において、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821から旧プリンタ1Aの装置IDに対応する「装置群ID」を、旧プリンタ1Aが属する画像形成装置群を識別する装置群IDとして読み出す。そして、サーバ制御部81は、旧プリンタ1Aに対応する装置群IDと、旧プリンタ1Aの交換が必要であることを示す情報と、をサーバ通信部83を介して、管理端末7に通知した後、再度S21以降の処理を実行する。
【0106】
これにより、上述の通り、事業者は、管理端末7を介して旧プリンタ1Aの交換の通知と、旧プリンタ1Aが属する「装置群ID」とを受信すると、旧プリンタ1Aと交換するための新プリンタ1Bを用意する。そして、事業者は、工場などにある管理端末7を介して、用意した新プリンタ1Bの本体メモリ62の第2領域622に記憶する「装置ID」、例えば、シリアルナンバー、型番等の交換プリンタ情報を新しい契約機の情報としてサーバ8へ送信する。また、事業者は、管理端末7を介して、新プリンタ1Bの本体メモリ62の第7領域627に、受信した「装置群ID」を記憶させた後、ユーザへ発送する。
【0107】
他方、上記S22で、サーバ制御部81は、受信した通知が故障通知または故障予知通知のいずれでもないと判定した場合は(S22:NO)、S31の処理に進む。
【0108】
S31において、サーバ制御部81は、受信した通知が、新プリンタ1Bを識別する「装置ID」と、新プリンタ1Bが属する画像形成装置群を識別する「装置群ID」とを含む「装置群登録要求」の通知であるか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、受信した通知が、新プリンタ1Bからの「装置群登録要求」の通知であると判定した場合は(S31:YES)、S32の処理に進む。
【0109】
S32において、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄から、受信した「装置群登録要求」に含まれる新プリンタ1Bの「装置ID」を検索した後、S33の処理に進む。S33において、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄から、新プリンタ1Bの「装置ID」が見つかったか否かを判定する。
【0110】
そして、サーバ制御部81は、受信した「装置群登録要求」に含まれる新プリンタ1Bの「装置ID」が見つかったと判定した場合は(S33:YES)、S34の処理に進む。S34において、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821の新プリンタ1Bの「装置ID」に対応する「装置群ID」を、受信した「装置群登録要求」に含まれる「装置群ID」に書き換えて、更新した後、後述のS36の処理に進む。
【0111】
これにより、新プリンタ1Bが他のユーザから工場などに返送されたものである場合は、新プリンタ1Bの「装置ID」と他の画像形成装置群を表す「装置群ID」とが装置群登録テーブル821に既に登録されている。そして、新プリンタ1Bの故障または耐久寿命に近い部品が新品の部品に交換されて、代替え機として工場から発送された場合に、サーバ8は、新プリンタ1Bを新たな画像形成装置群に属した画像形成装置1として管理することが可能となる。
【0112】
一方、サーバ制御部81は、受信した「装置群登録要求」に含まれる新プリンタ1Bの「装置ID」が見つからなかったと判定した場合は(S33:NO)、S35の処理に進む。S35において、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶する装置群登録テーブル821に、受信した「装置群登録要求」に含まれる新プリンタ1Bの「装置ID」と「装置群ID」とを対応付けて記憶させて、新規登録を行う。そして、サーバ制御部81は、S36の処理に進む。
【0113】
S36において、サーバ制御部81は、新プリンタ1Bに対して、装置群登録テーブル821に新規登録された旨を表す登録成功通知をサーバ通信部83を介して、送信した後、S37の処理に進む。S37において、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶する設定ファイル登録テーブル822(
図5参照)の「装置群ID」の欄から、新プリンタ1Bの「装置群ID」を検索した後、S38の処理に進む。
【0114】
S38において、サーバ制御部81は、設定ファイル登録テーブル822の「装置群ID」の欄から、新プリンタ1Bの「装置群ID」が見つかったか否かを判定する。つまり、サーバ制御部81は、設定ファイル登録テーブル822の「設定ファイル」の欄から、新プリンタ1Bの「装置群ID」に対応する「設定ファイル」が見つかったか否かを判定する。
【0115】
そして、サーバ制御部81は、設定ファイル登録テーブル822の「設定ファイル」の欄から、新プリンタ1Bの「装置群ID」に対応する「設定ファイル」が見つかったと判定した場合は(S38:YES)、S39の処理に進む。S39において、サーバ制御部81は、新プリンタ1Bの「装置群ID」に対応する「設定ファイル」に含まれる「設定情報」のデータを設定ファイル登録テーブル822から読み出す。そして、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、この設定情報のデータを含む設定ファイルを新プリンタ1Bに送信した後、再度S21以降の処理を実行する。
【0116】
一方、サーバ制御部81は、設定ファイル登録テーブル822の「設定ファイル」の欄から、新プリンタ1Bの「装置群ID」に対応する「設定ファイル」が見つからなかったと判定した場合は(S38:NO)、再度S21以降の処理を実行する。
【0117】
他方、S31で、サーバ制御部81は、受信した通知が、新プリンタ1Bからの「装置群登録要求」の通知でないと判定した場合は(S31:NO)、
図8に示すS51の処理に進む。
【0118】
図8に示すように、S51において、サーバ制御部81は、受信した通知が、「装置群ID」と「設定ファイル」とを含む「設定ファイル登録要求」の通知であるか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、受信した通知が、登録用端末6からの「設定ファイル登録要求」の通知でないと判定した場合は(S51:NO)、再度、
図7に示すS21以降の処理を実行する。
【0119】
一方、サーバ制御部81は、受信した通知が、登録用端末6からの「設定ファイル登録要求」の通知であると判定した場合は(S51:YES)、S52の処理に進む。S52において、サーバ制御部81は、受信した「設定ファイル登録要求」の通知に含まれる「装置群ID」と「設定ファイル」とをサーバメモリ82に記憶した後、S53の処理に進む。
【0120】
S53において、サーバ制御部81は、受信した「設定ファイル登録要求」の通知に含まれる「装置群ID」と「設定ファイル」とを対応付けて、サーバメモリ82に記憶される設定ファイル登録テーブル822に登録(記憶)した後、S54の処理に進む。S54において、サーバ制御部81は、登録用端末6に対して、設定ファイル登録テーブル822に「装置群ID」と「設定ファイル」が新規登録された旨を表す登録成功通知をサーバ通信部83を介して、新プリンタ1Bに送信する。その後、サーバ制御部81は、再度、
図7に示すS21以降の処理を実行する。
【0121】
[新プリンタ1Bが実行する設定処理]
次に、ユーザに届けられた新プリンタ1Bの処理の流れについて
図9に基づいて説明する。
図9は、ユーザに届けられた新プリンタ1Bのコントローラ61Bが、置き換え時に実行する設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9にフローチャートで示されるプログラムは、本体メモリ62に記憶されている。
図9に示す処理は、新プリンタ1Bのコントローラ61Bが所定時間毎に、例えば、数ミリ秒~数十ミリ秒間隔で実行する処理である。
【0122】
図9に示すように、S61において、コントローラ61Bは、通信部63を介して、通信ネットワークNTに接続されたか否かを判定する。そして、コントローラ61Bは、通信部63を介して、通信ネットワークNTに接続されていないと判定した場合は(S61:NO)、再度S61の処理を実行する。一方、コントローラ61Bは、通信部63を介して、通信ネットワークNTに接続されたと判定した場合は(S61:YES)、S62の処理に進む。
【0123】
S62において、コントローラ61Bは、通信部63を介して、新プリンタ1Bの動作に関する設定を表す「設定情報」のデータを含む「設定ファイル」をサーバ8から受信したか否かを判定する。そして、コントローラ61Bは、通信部63を介して、新プリンタ1Bの動作に関する設定を表す「設定情報」のデータを含む「設定ファイル」をサーバ8から受信していないと判定した場合は(S62:NO)、S63の処理に進む。
【0124】
S63において、コントローラ61Bは、専用カートリッジ4を使用した契約印刷を許可する旨を表す「サービス開始フラグ」を本体メモリ62から読み出し、「サービス開始フラグ」がOFFに設定されているか否かを判定する。なお、新プリンタ1Bの工場などからの出荷時には、「サービス開始フラグ」はOFFに設定されて、本体メモリ62に記憶されている。「サービス開始フラグ」がOFFに設定されている場合は、専用カートリッジ4を使用した契約印刷は禁止される。一方、「サービス開始フラグ」がONに設定されている場合は、専用カートリッジ4を使用した契約印刷が許可される。
【0125】
そして、コントローラ61Bは、「サービス開始フラグ」がONに設定されていると判定した場合は(S63:NO)、再度S61以降の処理を実行する。一方、コントローラ61Bは、「サービス開始フラグ」がOFFに設定されていると判定した場合は(S63:YES)、S64の処理に進む。
【0126】
S64において、コントローラ61Bは、本体メモリ62の第7領域627に装置群IDが設定されているか否かを判定する。尚、新プリンタ1Bは、工場などから出荷される際に、本体メモリ62の第3領域623に、新プリンタ1Bが契約対象機として登録されたことを意味する「契約モード」が記憶されている。また、新プリンタ1Bは、工場などから出荷される際に、本体メモリ62の第7領域に新プリンタ1Bが属する画像形成装置群を識別する「装置群ID」が設定(記憶)されている。
【0127】
そして、コントローラ61Bは、本体メモリ62の第7領域627に装置群IDが設定されていないと判定した場合は(S64:NO)、再度S61以降の処理を実行する。一方、コントローラ61Bは、本体メモリ62の第7領域627に装置群IDが設定されていると判定した場合は(S64:YES)、S65の処理に進む。
【0128】
S65において、コントローラ61Bは、本体メモリ62にサーバ8の通信ネットワークNTにおけるURLが記憶(設定)されているか否かを判定する。そして、コントローラ61Bは、本体メモリ62にサーバ8のURLが設定されていないと判定した場合は(S65:NO)、再度S61以降の処理を実行する。一方、コントローラ61Bは、本体メモリ62にサーバ8のURLが設定されていると判定した場合は(S65:YES)、S66の処理に進む。
【0129】
S66において、コントローラ61Bは、本体メモリ62の第2領域622から装置IDを読み出す。また、コントローラ61Bは、第7領域627から装置群IDを読み出す。そして、コントローラ61Bは、この読み出した装置IDと装置群IDとを含む装置群登録要求をサーバ8へ通信部63を介して、通知して、S67の処理に進む。
【0130】
S67において、コントローラ61Bは、新プリンタ1Bの装置IDと装置群IDとが、装置群登録テーブル821に新規登録された旨を表す登録成功通知を、サーバ8から通信部63を介して受信したか否かを判定する。コントローラ61Bは、登録成功通知を受信していないと判定した場合(S67:NO)、再度、S67において、登録成功通知を受信したか否かの判定を繰り返し実行する。一方、コントローラ61Bは、登録成功通知をサーバ8から通信部63を介して、受信したと判定した場合は(S67:YES)、S68の処理に進む。
【0131】
S68において、コントローラ61Bは、専用カートリッジ4を使用した契約印刷を許可する旨を表す「サービス開始フラグ」を本体メモリ62から読み出し、読み出した「サービス開始フラグ」をONに設定して再度、本体メモリ62に記憶する。その後、コントローラ61Bは、再度S61以降の処理を実行する。これにより、新プリンタ1Bは、専用カートリッジ4を使用した契約印刷が許可される。
【0132】
他方、S62で、コントローラ61Bは、通信部63を介して、新プリンタ1Bの動作に関する設定を表す「設定情報」のデータを含む「設定ファイル」をサーバ8から受信したと判定した場合は(S62:YES)、S69の処理に進む。S69において、コントローラ61Bは、受信した「設定ファイル」のデータを本体メモリ62の第8領域628に新プリンタ1Bの動作に関する設定を表す設定情報として記憶する。
【0133】
これにより、新プリンタ1Bの本体メモリ62に記憶される「設定情報」を、旧プリンタ1Aの本体メモリ62に記憶される「設定情報」に自動で設定することができる。よって、ユーザは、旧プリンタ1Aから、新プリンタ1Bへの移行を、容易に行うことが可能となる。新プリンタ1Bが属する画像形成装置群に属する他の画像形成装置1の本体メモリ62に記憶される「設定情報」を新プリンタ1Bに適用することができる。
【0134】
[実施形態2]
本開示の実施形態2について、
図10~
図14に基づき以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0135】
実施形態2に係る旧プリンタ1Aのコントローラ61Aは、
図6に示すS11~S17の故障通知処理に替えて、
図11に示す第2故障通知処理を実行する。また、実施形態2に係るサーバ8のサーバ制御部81は、
図7および
図8に示すS21~S25、S31~S39、およびS51~S54の置き換え処理に替えて、
図12~
図14に示す第2置き換え処理を実行する。また、実施形態2に係るサーバ8のサーバメモリ82には、
図5に示す設定ファイル登録テーブル822に替えて、
図10に示すプリンタ置換テーブル823が記憶されている。なお、実施形態2に係る新プリンタ1Bのコントローラ61Bは、実施形態1に係る新プリンタ1Bと同様に、
図9に示すS61~S69の設定処理を実行する。
【0136】
[プリンタ置換テーブル823]
まず、実施形態2に係るサーバ8のサーバメモリ82に記憶されるプリンタ置換テーブル823について
図10に基づいて説明する。
図10は、実施形態2に係るサーバメモリ82に記憶されているプリンタ置換テーブル823の一例を示す図である。
図10に示すように、プリンタ置換テーブル823は、「旧プリンタの装置ID」と、「新プリンタの装置ID」と、「装置群ID」と、「旧プリンタの設定ファイル」とから構成されている。「旧プリンタの装置ID」の欄には、故障などした画像形成装置1(旧プリンタ1A)の装置IDが格納される。
【0137】
「新プリンタの装置ID」の欄には、旧プリンタ1Aと置き換えられる画像形成装置1(新プリンタ1B)の装置IDが、旧プリンタ1Aの装置IDに対応づけられて格納される。「装置群ID」の欄には、旧プリンタ1Aおよび新プリンタ1Bが属する画像形成装置群を識別する装置群IDが格納される。「旧プリンタの設定ファイル」の欄には、旧プリンタ1Aの本体メモリ62の第8領域628に記憶される「設定情報」のデータを含む設定ファイルが格納される。
【0138】
[旧プリンタ1Aが実行する第2故障通知処理]
次に、実施形態2に係る旧プリンタ1Aのコントローラ61Aが実行する第2故障通知処理の流れについて
図11に基づいて説明する。
図11は、実施形態2に係る旧プリンタ1Aのコントローラ61Aが実行する第2故障通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11にフローチャートで示されるプログラムは、本体メモリ62に記憶されている。
図11に示す処理は、旧プリンタ1Aのコントローラ61Aが所定時間毎に、例えば、数ミリ秒~数十ミリ秒間隔で実行する処理である。
【0139】
図11に示すように、コントローラ61Aは、上記S11~S12の処理を実行する(
図6参照)。そして、コントローラ61Aは、故障した部品の部品名と故障内容をサーバ8へ通知済みであると判定した場合は(S12:YES)、後述のS14の処理に進む。一方、コントローラ61Aは、故障した部品の部品名と故障内容をサーバ8へ通知していないと判定した場合は(S12:NO)、S105の処理に進む。
【0140】
S105において、コントローラ61Aは、本体メモリ62の第2領域622から装置IDを読み出す。また、コントローラ61Aは、本体メモリ62の第7領域627から装置群IDを読み出す。そして、コントローラ61Aは、本体メモリ62から読み出した装置IDと、装置群IDと、故障した部品を特定する情報を含む故障通知と、設定ファイルの登録を要求する設定ファイル登録要求とを、通信部63を介してサーバ8へ通知する(S105)。
【0141】
続いて、コントローラ61Aは、上記S14の処理を実行した後、S111の処理に進む。S111において、コントローラ61Aは、設定ファイルをサーバ8へ送信するように指示する「設定ファイル送信開始指示」を通信部63を介して、受信したか否かを判定する。そして、コントローラ61Aは、「設定ファイル送信開始指示」を通信部63を介して受信していないと判定した場合は(S111:NO)、再度S11以降の処理を実行する。
【0142】
一方、コントローラ61Aは、「設定ファイル送信開始指示」を通信部63を介して受信したと判定した場合は(S111:YES)、S112の処理に進む。S112において、コントローラ61Aは、本体メモリ62の第8領域628に記憶される設定情報を読み出し、設定情報のデータを含む「設定ファイル」を作成して、本体メモリ62に記憶した後、S113の処理に進む。S113において、コントローラ61Aは、本体メモリ62から「設定ファイル」を読み出し、通信部63を介して、サーバ8へ送信した後、再度S11以降の処理を実行する。
【0143】
他方、上記S11で、コントローラ61Aは、旧プリンタ1Aに故障が発生した部品が無いと判定した場合は(S11:NO)、上記S15~S16の処理を実行する。そして、S16において、寿命が近い部品を特定する情報を含む故障予知通知をサーバ8へ送信していないと判定した場合は(S16:NO)、S107の処理に進む。S107において、コントローラ61Aは、本体メモリ62の第2領域622から装置IDを読み出す。また、コントローラ61Aは、本体メモリ62の第7領域627から装置群IDを読み出す。
【0144】
そして、コントローラ61Aは、本体メモリ62から読み出した装置IDと、装置群IDと、故障した部品の部品を特定する情報を含む故障通知と、設定ファイルの登録を要求する設定ファイル登録要求とを、通信部63を介してサーバ8へ送信する(S107)。その後、コントローラ61Aは、S14以降の処理を実行する。
【0145】
これにより、旧プリンタ1Aのコントローラ61Aは、故障などにより新プリンタ1Bに置き換える必要がある場合は、その旨をサーバ8へ通知することができる。また、コントローラ61Aは、旧プリンタ1Aの装置IDと、旧プリンタ1Aが属する画像形成装置群を識別する装置群IDと、をサーバ8へ通知することができる。
【0146】
[サーバ8が実行する第2置き換え処理]
次に、サーバ8のサーバ制御部81が実行する第2置き換え処理の流れについて
図12~
図14に基づいて説明する。
図12~
図14は、実施形態2に係るサーバ8のサーバ制御部81が、新プリンタ1Bの置き換え時に実行する第2置き換え処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12~
図14にフローチャートで示されるプログラムは、サーバメモリ82に記憶されている。
図12~
図14に示す処理は、サーバ制御部81が所定時間毎に、例えば、数ミリ秒~数十ミリ秒間隔で実行する処理である。
【0147】
図12に示すように、サーバ制御部81は、上記S21~S25の処理(
図7参照)を実行した後、S120の処理に進む。S120において、サーバ制御部81は、上記S22で故障通知または故障予知通知と共に受信した旧プリンタ1Aの装置IDをサーバメモリ82に記憶するプリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの装置ID」(
図10参照)に登録(記憶)する。また、サーバ制御部81は、上記S22で故障通知または故障予知通知と共に受信した旧プリンタ1Aの装置群IDをプリンタ置換テーブル823の「装置群ID」(
図10参照)に、旧プリンタ1Aの装置IDに対応させて登録(記憶)する。その後、サーバ制御部81は、S121の処理に進む。
【0148】
S121において、サーバ制御部81は、旧プリンタ1Aの装置IDと装置群IDとをプリンタ置換テーブル823に登録した旨を表す「登録成功通知」を、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1Aに送信した後、再度S21以降の処理を実行する。
【0149】
他方、上記S22で、サーバ制御部81は、受信した通知が故障通知または故障予知通知のいずれでもないと判定した場合は(S22:NO)、S31の処理に進む。そして、サーバ制御部81は、上記S31~S33の処理を実行する。そして、サーバ制御部81は、受信した「装置群登録要求」に含まれる新プリンタ1Bの「装置ID」が見つかったと判定した場合は(S33:YES)、再度S21以降の処理を実行する。
【0150】
一方、サーバ制御部81は、受信した「装置群登録要求」に含まれる新プリンタ1Bの「装置ID」が見つからなかったと判定した場合は(S33:NO)、S122の処理に進む。S122において、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶するプリンタ置換テーブル823の「新プリンタの装置ID」の欄に記憶されている装置IDから、受信した「装置群登録要求」に含まれる新プリンタ1Bの「装置ID」を検索する。その後、サーバ制御部81は、S123の処理に進む。
【0151】
S123において、サーバ制御部81は、新プリンタ1Bの「装置ID」が、プリンタ置換テーブル823の「新プリンタの装置ID」の欄から見つかったか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、新プリンタ1Bの「装置ID」が、プリンタ置換テーブル823の「新プリンタの装置ID」の欄から見つからなかったと判定した場合は(S123:NO)、上記S35~S36の処理を実行した後、再度S21以降の処理を実行する。
【0152】
一方、サーバ制御部81は、新プリンタ1Bの「装置ID」が、プリンタ置換テーブル823の「新プリンタの装置ID」の欄から見つかったと判定した場合は(S123:YES)、
図13に示すS124の処理に進む。
【0153】
図13に示すように、S124において、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の「新プリンタの装置ID」の欄から見つかった新プリンタの装置IDに対応づけられている「旧プリンタの装置ID」の欄の旧プリンタ1Aの装置IDを特定する。その後、サーバ制御部81は、S125の処理に進む。
【0154】
S125において、サーバ制御部81は、S124で特定した旧プリンタ1Aの装置IDを、サーバメモリ82に記憶する装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄に記憶されている装置IDから検索した後、S126の処理に進む。S126において、サーバ制御部81は、S124で特定した旧プリンタ1Aの装置IDが、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄から見つかったか否かを判定する。
【0155】
そして、サーバ制御部81は、S124で特定した旧プリンタ1Aの装置IDが、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄から見つからなかったと判定した場合は(S126:NO)、再度、
図12に示すS21以降の処理を実行する。
【0156】
一方、サーバ制御部81は、S124で特定した旧プリンタ1Aの装置IDが、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄から見つかったと判定した場合は(S126:YES)、S127の処理に進む。
【0157】
S127において、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821の「装置群ID」の欄から、S124で特定した旧プリンタ1Aの装置IDに対応する装置群IDを読み出す。そして、装置群登録テーブル821から読み出した装置群IDと、新プリンタ1Bからの「装置群登録要求」の通知に含まれる新プリンタ1Bが属する画像形成装置群を識別する「装置群ID」とを比較する(S127)。
【0158】
そして、S128において、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821から読み出した装置群IDと、「装置群登録要求」の通知に含まれる装置群IDとが一致するか否かを判定する。サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821から読み出した装置群IDと、「装置群登録要求」の通知に含まれる装置群IDとが一致しないと判定した場合は(S128:NO)、再度、
図12に示すS21以降の処理を実行する。
【0159】
一方、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821から読み出した装置群IDと、「装置群登録要求」の通知に含まれる装置群IDとが一致すると判定した場合は(S128:YES)、S129の処理に進む。S129において、サーバ制御部81は、装置群登録テーブル821の「装置ID」の欄に記憶される旧プリンタ1Aの装置IDを、「装置群登録要求」の通知に含まれる新プリンタ1Bの装置IDに置換した後、S130の処理に進む。
【0160】
S130において、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶されるプリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの装置ID」の欄の新プリンタ1Bの装置IDに対応づけられた旧プリンタ1Aの装置IDを削除した後、S131の処理に進む。S131において、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、新プリンタ1Bに対して装置IDと装置群IDとを装置群登録テーブル821に登録した旨を表す登録成功通知を送信した後、S132の処理に進む。
【0161】
S132において、サーバ制御部81は、「装置群登録要求」の通知に含まれる新プリンタ1Bの装置群IDを読み出す。続いて、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶されるプリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの設定ファイル」の欄に、新プリンタ1Bの装置群IDに対応する設定ファイルが記憶されているか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの設定ファイル」の欄に、新プリンタ1Bの装置群IDに対応する設定ファイルが記憶されていないと判定した場合は(S132:NO)、再度、
図12に示すS21以降の処理を実行する。
【0162】
一方、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの設定ファイル」の欄に、新プリンタ1Bの装置群IDに対応する設定ファイルが記憶されていると判定した場合は(S132:YES)、S133の処理に進む。S133において、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの設定ファイル」の欄から、新プリンタ1Bの装置群IDに対応する設定ファイルに含まれる「設定情報」のデータを読み出す。そして、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、この設定情報のデータを含む設定ファイルを新プリンタ1Bに送信した後、再度S21以降の処理を実行する。
【0163】
他方、
図12に示すS31で、サーバ制御部81は、受信した通知が、新プリンタ1Bからの「装置群登録要求」の通知でないと判定した場合は(S31:NO)、
図14に示すS51の処理に進む。
【0164】
図14に示すように、S51において、サーバ制御部81は、受信した通知が、「装置ID」と「装置群ID」と「設定ファイル」とを含む「設定ファイル登録要求」の通知であるか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、旧プリンタ1Aからの「設定ファイル登録要求」の通知であると判定した場合は(S51:YES)、S135の処理に進む。S135において、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶されるプリンタ置換テーブル823から旧プリンタ1Aの「装置ID」と「装置群ID」と一致するレコード(組み合わせデータ)を検索した後、S136の処理に進む。
【0165】
S136において、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823から旧プリンタ1Aの「装置ID」と「装置群ID」と一致するレコードが見つかったか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823から旧プリンタ1Aの「装置ID」と「装置群ID」と一致するレコードが見つからなかったと判定した場合は(S136:NO)、再度、
図12に示すS21以降の処理を実行する。
【0166】
一方、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823から旧プリンタ1Aの「装置ID」と「装置群ID」と一致するレコードが見つかったと判定した場合は(S136:YES)、S137の処理に進む。S137において、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1Aに対して、「設定ファイル送信開始指示」を送信した後、S138の処理に進む。この「設定ファイル送信開始指示」は、本体メモリ62の第8領域628に記憶する設定情報のデータを含む設定ファイルを送信するように指示する通知である。
【0167】
S138において、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1Aから設定情報のデータを含む設定ファイルの受信が完了したか否かを判定する。サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1Aから設定情報のデータを含む設定ファイルの受信が完了していないと判定した場合(S138:NO)、再度、S138において、受信が完了したか否かの判定を繰り返し実行する。
【0168】
一方、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1Aから設定情報のデータを含む設定ファイルの受信が完了したと判定した場合(S138:YES)、S139の処理に進む。S139において、サーバ制御部81は、受信した設定情報のデータを含む設定ファイルをサーバメモリ82に記憶した後、S140の処理に進む。
【0169】
S140において、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の旧プリンタ1Aの装置IDおよび装置群IDが一致するレコードに対応する「旧プリンタの設定ファイル」の欄に、受信した設定情報のデータを含む設定ファイルを登録(記憶)する。その後、サーバ制御部81は、S141の処理に進む。S141において、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、旧プリンタ1Aに対して、設定情報のデータを含む設定ファイルを登録(記憶)が成功した旨を表す「登録成功通知」を送信した後、再度、
図12に示すS21以降の処理を実行する。
【0170】
他方、S51で、サーバ制御部81は、旧プリンタ1Aからの「設定ファイル登録要求」の通知でないと判定した場合は(S51:NO)、S151の処理に進む。S151において、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して受信した通知が、管理端末7からの新プリンタ1Bの装置IDを含む「登録要求」の通知であるか否かを判定する。この「登録要求」の通知は、新プリンタ1Bの装置IDをプリンタ置換テーブル823に登録(記憶)することを要求する通知である。
【0171】
そして、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して受信した通知が、管理端末7からの新プリンタ1Bの装置IDを含む「登録要求」の通知でないと判定した場合は(S151:NO)、再度、
図12に示すS21以降の処理を実行する。
【0172】
一方、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して受信した通知が、管理端末7からの新プリンタ1Bの装置IDを含む「登録要求」の通知であると判定した場合は(S151:YES)、S152の処理に進む。S152において、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶するプリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの設定ファイル」の欄から、故障通知または故障予知通知を受けた旧プリンタ1Aの装置IDを検索した後、S153の処理に進む。
【0173】
S153において、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの装置ID」の欄から、旧プリンタ1Aの装置IDと一致する装置IDが見つかったか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの装置ID」の欄から、旧プリンタ1Aの装置IDと一致する装置IDが見つからなかったと判定した場合は(S153:NO)、再度、
図12に示すS21以降の処理を実行する。
【0174】
一方、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の「旧プリンタの装置ID」の欄から、旧プリンタ1Aの装置IDと一致する装置IDが見つかったと判定した場合は(S153:YES)、S154の処理に進む。S154において、サーバ制御部81は、プリンタ置換テーブル823の旧プリンタ1Aの装置IDと一致する装置IDに対応づけて「新プリンタの装置ID」の欄に「登録要求」の通知に含まれていた新プリンタ1Bの装置IDを登録(記憶)した後、S155の処理に進む。
【0175】
S155において、サーバ制御部81は、サーバ通信部83を介して、管理端末7へ、新プリンタ1Bの装置IDを登録した旨を表す「登録成功通知」を送信した後、再度、
図12に示すS21以降の処理を実行する。
【0176】
〔各種変形例〕
〔変形例1〕
4つのトナーカートリッジ4は、共通のドラムカートリッジ20に装着されてもよい。この場合、カートリッジ保持部13は、1つのドラムカートリッジ20を保持できる形状であればよい。
【0177】
〔変形例2〕
ドラムカートリッジ20は、感光体ドラム21と、カートリッジ筐体と、ドラムメモリ22と、帯電器と、に加えて、現像ローラ41を有してもよい。カートリッジ筐体には、感光体ドラム21、ドラムメモリ22、帯電器及び現像ローラ41が設けられる。また、トナーカートリッジ4は、カートリッジ筐体及びトナーメモリ42を有するが、現像ローラ41を有しない。カートリッジ筐体はトナーを収容する。現像ローラ41の外周面は、ドラムカートリッジ20の内部で感光体ドラム21の外周面と接触する。
【0178】
〔変形例3〕
トナーカートリッジ4は、図示しない2つのカートリッジから構成されていてもよい。トナーカートリッジ4を構成する2つのカートリッジのうち1つ目のカートリッジは、現像ローラ41を有する。トナーカートリッジ4を構成する2つのカートリッジのうち2つ目のカートリッジは、カートリッジ筐体と、トナーメモリ42と、を有する。カートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0179】
〔変形例4〕
画像形成装置1は、ドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4に代えて、図示しない1つのカートリッジを備えてもよい。1つのカートリッジは、感光体ドラム21と、カートリッジ筐体と、メモリと、帯電器と、現像ローラ41と、を有する。現像ローラ41の外周面は、1つのカートリッジの内部で感光体ドラム21の外周面と接触する。1つのカートリッジのカートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0180】
〔変形例5〕
また、画像形成装置1では、ドラムカートリッジ20とトナーカートリッジ4とが本体筐体10に対して互いに独立して着脱可能であってもよい。
【0181】
〔変形例6〕
また、画像形成装置1は、スキャナまたはファクシミリなどの他の機能を併せて備えるMFP(Multi Function Printer)であってもよい。画像形成装置1がMFPである場合でも、画像形成装置1は、上記実施形態で説明した各種処理を上記実施形態の画像形成装置1と同様に実行してもよい。本変形例の画像形成装置1は上記実施形態の画像形成装置1と同様の効果を奏する。
【0182】
また、画像形成装置1がMFPである場合、本体メモリ62の第8領域628に記憶される設定情報は、MFPの動作に関する設定を表す情報である。例えば、設定情報は、MFPの設置場所の情報、連絡先の情報、IPアドレス、メールサーバのIPアドレス、スキャン設定、コピー設定などの情報である。具体的には、例えば、スキャン設定として、スキャンした画像データの送信先のIPアドレス、スキャン時の解像度、片面または両面のスキャンする面の設定、モノクロまたはカラースキャンの設定などを行うことができる。
【0183】
〔変形例7〕
画像形成装置1の印刷機材は印刷用紙に限られない。例えば、印刷基材はテープであってもよい。印刷基材がテープである場合、画像形成装置1にはテープを供給するテープカセットが装着される。画像形成装置1は、テープカセットから搬送されるテープに対し印刷を行う。なお、この場合、画像形成装置1はレーザープリンタであってもよいし、インクジェットプリンタであってもよい。
【0184】
〔変形例8〕
画像形成装置1は、インクジェットプリンタであってもよい。画像形成装置1がインクジェットプリンタである場合、画像形成装置1のカートリッジ保持部13には、上記実施形態において説明したドラムカートリッジ20及びトナーカートリッジ4ではなく、インクカートリッジが装着される。
【0185】
なお、画像形成装置1に装着されるインクカートリッジの個数は、特に限定されない。例えば、画像形成装置1には、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色それぞれに対応する、合計4個のインクカートリッジが装着されてもよいし、ブラック1色に対応するインクカートリッジのみが装着されてもよい。
【0186】
インクカートリッジは、消耗品であるインクが充填されたカートリッジ筐体と、インクカートリッジ情報が記憶されているインクメモリと、を含む。インクカートリッジ情報は、例えば、インクIDと、インク種別情報と、インク残量情報と、新品フラグと、装置群IDと、を含んでもよい。
【0187】
インクIDはインクカートリッジの識別情報であり、上記実施形態のトナーIDに代えてインクカートリッジ情報に含まれる情報である。インク種別情報は、インクカートリッジの種別を示す情報であり、上記実施形態のトナー種別情報に代えてインクカートリッジ情報に含まれる情報である。インク残量情報はインクカートリッジ内のインクの残量を示す情報であり、上記実施形態のトナー残量情報に代えてインクカートリッジ情報に含まれる情報である。新品フラグは、上記実施形態のトナーカートリッジ4に関する情報における同名の情報に相当する情報であり、トナーカートリッジ4に関する情報における「トナー」が「インク」に、「トナーカートリッジ」が「インクカートリッジ」に置き換わったものである。
【0188】
なお、インクカートリッジのカートリッジ筐体には、インクを撹拌するためのアジテータが備えられていてもよい。アジテータは、インクカートリッジが画像形成装置1に装着された状態のとき、コントローラ61からの指示に応じて動作する。
【0189】
画像形成装置1がインクジェットプリンタである場合でも、上記実施形態で説明した各フローチャートに示される各処理の流れは同様である。具体的には、画像形成装置1がインクジェットプリンタである場合、上記実施形態の「トナーカートリッジ4」及び「トナーメモリ42」をそれぞれ、インクカートリッジ及びインクメモリに読み替えればよい。
【0190】
同様に、上記実施形態の「ドラムカートリッジ20」及び「ドラムメモリ22」を、消耗品及び消耗品メモリと読み替えればよい。また、上記実施形態のトナーカートリッジ4に関する情報に含まれる各種情報はそれぞれ、インクカートリッジ情報において相当する情報に読み替えればよい。本変形例の画像形成装置1は上記実施形態の画像形成装置1と同様の効果を奏する。
【0191】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像形成装置1の機能は、画像形成装置1としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、画像形成装置1のコントローラ61としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0192】
この場合、画像形成装置1は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0193】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、画像形成装置1が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して画像形成装置1に供給されてもよい。
【0194】
また、コントローラ61の機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。
【0195】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0196】
1 画像形成装置、1A 旧プリンタ、1B 新プリンタ、4 トナーカートリッジ、7 管理端末、8 サーバ、10 本体筐体、42 トナーメモリ、61 コントローラ、62 本体メモリ、63 通信部、81 サーバ制御部、82 サーバメモリ、83 サーバ通信部、D1、D2 画像形成装置群、NT 通信ネットワーク、