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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065654
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
   A47B 17/04 20060101AFI20240508BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A47B17/04
A47B13/00 Z
A47B13/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174639
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000140007
【氏名又は名称】株式会社稲葉製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 健太
(72)【発明者】
【氏名】今村 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】河手 遥
(72)【発明者】
【氏名】立川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 治宣
(72)【発明者】
【氏名】松井 香代子
(72)【発明者】
【氏名】高澤 彩香
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NN03
3B053NQ02
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減してコストダウンを図りつつ、配線の美観と簡便性とを保ち、テーブルとその下肢空間の有効利用を可能とすること。
【解決手段】幕板16を有するテーブル10であって、幕板16が天板12から垂下した第1位置と天板12の下面に沿う第2位置との間に回動可能に、幕板16を天板12にヒンジ結合するヒンジ18と、天板12に設けられた被係合用開口32及び幕板16が第2位置にあるときに被係合用開口32と選択的に係合するべく幕板16に設けられた係止爪部38を含むラッチ装置30とを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形の天板と、前記天板を支持する脚体と、前記天板の一側縁に沿うように延在して前記天板から垂下した幕板とを備えたテーブルであって、
前記幕板が前記天板から垂下した第1位置と前記天板の下面に沿う第2位置との間を回動可能なように前記幕板を前記天板にヒンジ結合するヒンジと、
前記天板に設けられた被係合部及び前記幕板が前記第2位置にあるときに前記被係合部と選択的に係合するべく前記幕板に設けられた係合部を含むラッチ装置とを更に有するテーブル。
【請求項2】
前記幕板は、前記ヒンジによって前記天板にヒンジ結合される第1縁部及び前記第1縁部から離反し且つ前記第1縁部と平行な第2縁部とを含む平板状の矩形の主部と、前記第2縁部に沿って延在し、前記幕板が前記第1位置にあるときに水平な底壁及び前記底壁から起立した側壁を画定する溝形部とを有する請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記幕板は前記第2位置において前記天板に対して略平行且つ水平に延在する請求項1又は2に記載のテーブル。
【請求項4】
前記被係合部は上向きの被係合面を画定する被係合用開口を有し、
前記係合部は、前記幕板が前記第2位置にあるときに前記被係合用開口に対して進入・離脱可能な方向に移動可能に前記幕板に設けられたブロック状の基部及び前記幕板が前記第2位置にあるときに前記被係合面と対向する下向きの係合面を画定するべく前記基部から前記被係合用開口に向けて突出し且つ前記被係合用開口に進入可能な係止爪部を有し、
前記ラッチ装置は前記係合部が前記被係合用開口に進入する方向に付勢するばねを更に有する請求項2に記載のテーブル。
【請求項5】
前記係止爪部は、前記基部から前記係合面の遊端に接続されるべく突出した傾斜面を含む請求項4に記載のテーブル。
【請求項6】
前記幕板は、前記第2位置にあるときに、前記第1縁部と前記天板との間、前記第1縁部と前記第2縁部との対応する各端部同志を接続すべく延在する第3縁部及び第4縁部と前記天板との間に、各々、ケーブルが通過可能な間隙を画定する請求項5に記載のテーブル。
【請求項7】
前記脚体は脚長方向に延在する中空部を構成する中空構造をなし、上部及び下部に、前記中空部に対するケーブルの引き出し、引き込みのための開口を有する請求項6に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルに関し、特に幕板を備えたテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板と、天板を支持する脚体と、天板に取り付けられた幕板と、天板と幕板との間に延在するべく天板に取り付けられた溝形断面形状等の配線ダクトとを有するテーブルが知られている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-153775号公報
【特許文献2】特開2015-92963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来のテーブルでは、配線ダクトと幕板とが別部品により構成されており、部品点数が多くなる。また、従来のテーブルでは、配線ダクトは、天板と幕板との間に設けられ、外部に露出しているため、美観上、ケーブル等の収容スペース(ダクトスペース)を大きい容積のものにすることが難しい。また、従来のテーブルでは、幕板が天板に対して略垂直に固定されているので、テーブルの両側からの利用等、天板下方の下肢空間を自由に使用することが困難であった。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑み、部品点数を削減してコストダウンを図りつつ、配線の美観と簡便性とを保ち、テーブルとその下肢空間の有効利用を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、天板(12)と、前記天板を支持する脚体(14)と、前記天板の一側縁に沿うように延在して前記天板から垂下した幕板(16)とを備えたテーブル(10)であって、前記幕板が前記天板から垂下した第1位置と前記天板の下面に沿う第2位置との間に回動可能なように前記幕板を前記天板にヒンジ結合するヒンジ(18)と、前記天板に設けられた被係合部(32)及び前記幕板が前記第2位置にあるときに前記被係合部と選択的に係合するべく前記幕板に設けられた係合部(38)を含むラッチ装置(30)とを更に有する。
【0007】
この態様によれば、配線ダクトと幕板とが一体型であることにより、部品点数を削減しコストダウンを図りつつ、幕板が天板に対して略垂直と水平とに設置可能であることにより、配線の美観と簡便性とが保たれ、テーブルとその下肢空間の有効利用も可能になる。また、この態様のテーブルは、幕板は必要であるが配線ダクトは必要でない場合や、配線ダクトは必要であるが幕板は必要でない場合等、様々なテーブルの使用方法に対して最適に対応することが可能になる。
【0008】
上記の態様において、前記幕板は、前記ヒンジによって前記天板にヒンジ結合される第1縁部(20A)及び前記第1縁部から離反し且つ前記第1縁部と平行な第2縁部(20B)とを含む平板状の矩形の主部(20)と、前記第2縁部に沿って延在し、前記幕板が前記第1位置にあるときに水平な底壁(22A)及び前記底壁から起立した側壁(22B)を画定する溝形部(22)とを有する。
【0009】
この態様によれば、溝形部は、幕板が第1位置にあるときにはケーブル受け溝として用いられ、幕板が第2位置にあるときには幕板上からのケーブルの脱落を防止する障壁になる。
【0010】
上記の態様において、前記幕板は前記第2位置において前記天板に対して略平行且つ水平に延在していてもよい。
【0011】
この態様によれば、テーブルの下肢空間が全方向から開放されるので、テーブルを両側から使用することやワゴン等との併用が可能となる。また、ケーブルが天板と幕板の間に配置されて見えなくなるので、外観上も好ましい。
【0012】
上記の態様において、前記被係合部は上向きの被係合面(32A)を画定する開口(32)を有し、前記係合部は、前記幕板が前記第2位置にあるときに前記開口に対して進入・離脱可能な方向に移動可能に前記幕板に設けられたブロック状の基部(36)及び前記幕板が前記第2位置にあるときに前記被係合面に対向する下向きの係合面(38A)を画定するべく前記基部から前記開口に向けて突出し且つ前記開口に進入可能な係止爪部(38)を有し、前記ラッチ装置は前記係合部が前記開口に進入する方向に付勢するばね(42)を更に有していてもよい。
【0013】
この態様によれば、幕板が第2位置に確実に安定して保持される。
【0014】
上記の態様において、前記係合爪部は、前記基部から前記係合面の遊端に接続されるべく突出した傾斜面(38B)を含んでいてもよい。
【0015】
この態様によれば、幕板が第2位置に位置することにより、係合爪部が必然的に開口に進入し、幕板が第2位置に保持される。
【0016】
上記の態様において、前記幕板は、前記第2位置にあるときに、前記第1縁部と前記天板との間、前記第1縁部と前記第2縁部との対応する各端部同志を接続すべく延在する第3縁部(20C)及び第4縁部(20D)と前記天板との間に、各々、ケーブルが通過可能な間隙(23、27)を画定していてもよい。
【0017】
この態様によれば、間隙により、幕板が第2位置にあるときに、天板と幕板との画定されるケーブルダクトに対するケーブルの引き出し、引き込みの利便性が、ケーブルの美観が保たれつつ、よくなる。
【0018】
上記の態様において、前記脚体は脚長方向に延在する中空部(14A)を構成する中空構造をなし、上部及び下部に、前記中空部に対するケーブルの引き出し、引き込みのための開口(46、48)を有していてもよい。
【0019】
この態様によれば、幕板が第2位置にあるときに、天板と幕板との画定されるケーブルダクトから引き出される或いは同ケーブルダクトに引き込まれるケーブルの床面に対する取り回しが見栄えよく行われる。
【発明の効果】
【0020】
以上の態様によれば、部品点数を削減してコストダウンを図りつつ配線の美観と簡便性とが保たれ、テーブルとその下肢空間の有効利用も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明によるテーブルの幕板が第1位置にある状態を後方から見た斜視図
図2】本発明によるテーブルの幕板が第2位置にある状態を後方から見た斜視図
図3】本発明によるテーブルの幕板が第1位置にある状態を前方から見た斜視図
図4】本発明によるテーブルの幕板が第2位置にある状態を前方から見た斜視図
図5】本発明によるテーブルの側面図
図6】本発明によるテーブルの幕板が第2位置にある状態を下方から見た要部の斜視図
図7】本発明によるテーブルに用いられるラッチ装置の詳細を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係るテーブルの実施形態について説明する。尚、以下の説明における前後左右を図示のように意義する。
【0023】
図1図4に示されているように、テーブル10は、略矩形の天板12と、天板12の4個の各角部に設けられて天板12を略水平に支持する4個の脚体14とを有する。
【0024】
ここで、テーブル10に対して椅子(不図示)が配置される側を前側、椅子が配置される側とは反対側を後側と定義する。
【0025】
各脚体14は中空部14Aを構成する中空構造をなしている。脚体14の上部及び下部には中空部14Aに連通する上部開口46及び下部開口48が形成されている。上部開口46及び下部開口48は中空部14Aに対する各種ケーブルの引き込み、引き出しのための開口である。
【0026】
天板12は、鋼板製で、略矩形の平板状の主部13と、主部13の後縁に沿って左右方向に存在すべく主部13の底部に溶接された溝形プレス成形品による後部補強部材15(図3参照)及び主部13の前後方向の中間部を左右方向に存在すべく主部13の底部に溶接された溝形プレス成形品による中間補強部材17(図5図7参照)とを含む。尚、天板12は、鋼板製に限られることはなく、木材や樹脂等の別の材料により構成されていてもよい。
【0027】
テーブル10は天板12の後側の一側縁(後縁)に沿って延在する矩形の幕板16を有する。幕板16は、後述の第1縁部20Aの左右2箇所に設けられたヒンジ18により、天板12に水平軸線周りに回動可能にヒンジ結合されている。幕板16は、このヒンジ結合により、図5に実線によって示されているように、天板12から鉛直に垂下して幕板として使用される第1位置(図1及び図3参照)と、図5に仮想線によって示されているように、天板12の下面に沿って略水平に延在してケーブルダクトとして使用される第2位置(図2及び図4参照)との間を回動可能である。尚、これより以降、第1位置を幕板兼ダクト使用位置、第2位置を幕板収納時ダクト使用位置と呼ぶことがある。
【0028】
ヒンジ18は、図5に示されているように、天板12の後部補強部材15に取り付けられたブラケット18Aと、ブラケット18Aに左右方向に略水平に延在すべく取り付けられたヒンジ軸18Bと、幕板16の後述する補強部材21に左右方向に貫通すべく形成されたヒンジ軸孔18Cとを含み、ヒンジ軸孔18Cにヒンジ軸18Bが回動可能に嵌合している。
【0029】
幕板16は、鋼板のプレス成形品等により構成され、図1図4に示されているように、左右方向に延在し且つ左右のヒンジ18によって天板12にヒンジ結合される第1縁部20A及び第1縁部20Aから前後方向に離反し且つ第1縁部20Aと平行に延在する第2縁部(遊端部)20Bとを含む平板状の主部20と、主部20の一方の面(幕板16が幕板兼ダクト使用位置にあるときに前面)に溶接されて幕板収納時ダクト使用位置において前後方向に延在する溝形の左右2個の補強部材21と、第2縁部20Bに沿って延在し、幕板16が幕板兼ダクト使用位置(第1位置)にあるときに水平な底壁22A及び底壁22Aから起立する側壁22Bを画定する溝形部22とを一体に有する。主部20は、更に、第1縁部20Aと第2縁部20Bとの対応する各端部同志を接続すべく前後方向に延在する左右の第3縁部20C及び第4縁部20Dを有し、矩形をなす。尚、幕板16はプレス成形品に限られることはなく、主部20等は木製や樹脂製等であってもよい。
【0030】
主部20の左右方向の寸法は天板12の主部13の同方向の寸法よりも少し小さい。主部20の、後述する第2位置にあるときの前後方向の寸法は、天板12の主部13の同方向の寸法の1/2程度である。
【0031】
テーブル10は、図3図7に示されているように、幕板16を幕板収納時ダクト使用位置に選択的に保持するラッチ装置30を左右2箇所に有する。尚、これより以降のラッチ装置30の説明は、図4に示されているように、幕板16が、天板12の下方に平行に配置される幕板収納時ダクト使用位置にあるときの説明である。
【0032】
各ラッチ装置30は、天板12の中間補強部材17の後向きの竪壁17Aに貫通形成されて被係合部をなす四角形の被係合用開口32と、幕板16の遊端部、詳しくは溝形部22の底部側に設けられた係合部材34とを含む。被係合用開口32は下縁に上向きの被係合面32Aを画定する。
【0033】
係合部材34は、樹脂成形品であり、ブロック状の基部36と、基部36から下向きの係合面38Aを画定するべく被係合用開口32に向けて突出し且つ被係合用開口32に進入可能な係止爪部38とを有する。係合面38Aは、係止爪部38が被係合用開口32に進入することにより、被係合用開口32の被係合面32Aに上側から対向する。係止爪部38は、更に、基部36から係合面38Aの遊端に接続されるべく突出した傾斜面38Bを含み、横断面形状が略三角形状(逆止形状)をなす。
【0034】
基部36は前方に向けて突出した押しボタン部36Aを含む。基部36の押しボタン部36Aの部分には基部36を前後方向に貫通する段付きの貫通孔36Bが形成されている。幕板16には溝形部22の底壁22Aから前方に突出した頭付きの支持ピン40が固定されている。支持ピン40は、貫通孔36Bに嵌挿され、係合部材34を、前後方向、換言すると、被係合用開口32に対して進入・離脱する方向に移動可能に支持している。
【0035】
溝形部22の底壁22Aと係合部材34の基部36との間には支持ピン40を取り囲むように圧縮コイルばね42が取り付けられている。圧縮コイルばね42は係合部材34を被係合用開口32に進入する方向に付勢している。
【0036】
圧縮コイルばね42のばね力により係止爪部38が被係合用開口32に進入している状態(ラッチ状態)では、図4(A)に示されているように、係止爪部38の係合面38Aが被係合用開口32の被係合面32Aに当接することにより、幕板16の、ヒンジ18を回動中心とした、図5で見て反時計廻り方向の回動が阻止され、幕板16がほぼ水平な姿勢による幕板収納時ダクト使用位置に保持される。これにより、幕板16は幕板収納時ダクト使用位置に確実に安定して保持される。
【0037】
幕板16は、図5に仮想線により示されているように、幕板収納時ダクト使用位置では、天板12の主部13との間に、ケーブルを載置可能なダクト空間50(図5参照)を画定する。これにより、幕板16は、幕板収納時ダクト使用位置では、ケーブル等を収容するケーブルダクトを構成する部材として作用する。幕板16は幕板収納時ダクト使用位置において天板12に対して略平行且つ水平に延在するから、ケーブルが幕板16上に安定して載置される。ダクト空間50は幕板16の面積に応じた大きい容積のものになる。
【0038】
ダクト空間(ケーブルダクト)50は天板12の下方にあってテーブル10の外部に露出しないから、美観を損ねることなく収容スペース(ダクトスペース)が大きいダクト空間50を設定することができる。
【0039】
溝形部22の底壁22Aは、幕板16が幕板収納時ダクト使用位置にあるときには、ダクト空間50の前側(椅子配置側)の障壁として作用し、ダクト空間50に配置されたケーブル(不図示)がダクト空間50から椅子配置側に脱落したり、はみ出すことを防止する。
【0040】
幕板16の溝形部22には、図5に仮想線によって示されているように、テーブルタップ25が配置されてよい。
【0041】
幕板16は、幕板収納時ダクト使用位置にあるときに、第1縁部(後縁部)20Aと天板12の間にケーブルが通過可能な間隙23(図2参照)を、右側の第3縁部20Cと天板12との間及び左側の第4縁部20Dと天板12との間にケーブルが通過可能な間隙27(図5参照)を各々画定する。間隙23、27は、各々、ダクト空間50を外方に向けて開放し、外部からのダクト空間50に対するケーブルの引き込み、引き出しのための空間をなす。
【0042】
後側の間隙23は、専ら、天板12上に載置されたパーソナルコンピュータやディスプレイの電力ケーブルや信号ケーブルのダクト空間50に対する出し入れに用いられる。尚、図示はされていないが、天板12にケーブル通しのための開口が形成されている場合には、この開口によってダクト空間50に対する電力ケーブルや信号ケーブルの出し入れが行われてよい。
【0043】
左右の間隙27は、専ら、テーブルタップ25の電力ケーブルを含む各種ケーブルをダクト空間50から外部に取り出すこと及び各種ケーブルを外部からダクト空間50に取り込むことや、複数台のテーブル10が横に並んで配置された際に、天板下面に沿って横方向に通線される際等に使用される。
【0044】
これらのことにより、ダクト空間50(ケーブルダクト)に対するケーブルの引き出し、引き込みが、高い汎用性をもって利便性よく行われる。
【0045】
左右の間隙27から取り出された各種ケーブルは後側の脚体14の上部開口46から中空部14Aに通され、床面に近い下部開口48から外部に取り出される。また、これとは反対の各種ケーブルの取り回しが行われる。これにより、ダクト空間50から引き出される或いは同ダクト空間50に引き込まれる各種ケーブルの床面に対する取り回しが美観を保ちつつ行われる。
【0046】
また、脚体14の中空部14Aにケーブルが通され、床面からダクト空間50に対する配線処理が脚体14において行われることにより、断線の防止や配線時の外観性向上を高めることができる。
【0047】
図7(A)に示されているラッチにより幕板16が収納された状態時に、左右のラッチ装置の各係合部材34の圧縮コイルばね42のばね力に抗して押しボタン部36Aが押されると、図7(B)に示されているように、係合部材34が圧縮コイルばね42ばね力に抗して後側に移動し、係止爪部38が被係合用開口32から抜け出すように離脱する。
【0048】
これにより、ラッチ解除になり、幕板16の、ヒンジ18を回動中心とした、図5で見て反時計廻り方向の回動が許容される。幕板16は、自重により図3に実線によって示されているように、鉛直姿勢となる幕板兼ダクト使用位置に回動する。
【0049】
これにより、幕板16は、幕板兼ダクト使用位置では、テーブル10の後部に鉛直に延在する目隠し板として作用しつつケーブルの収容が可能になる。幕板16が幕板兼ダクト使用位置にあるときには、溝形部22は上方開口のケーブル受け溝として用いられる。
【0050】
使用者により、幕板兼ダクト使用位置にある幕板16が、ヒンジ18を回動中心として、図5で見て時計廻り方向に回動されたことにより、幕板兼ダクト使用位置から幕板収納時ダクト使用位置に移動した際には、左右の各係合部材34の係止爪部38の傾斜面38Bが中間補強部材17の竪壁17Aに当接し、傾斜面38Bにより案内されつつ係合部材34が圧縮コイルばね42のばね力に抗して後側に変位する。
【0051】
幕板16が幕板収納時ダクト使用位置に移動すると、係止爪部38が必然的に被係合用開口32に進入し、ボタン操作等を必要とすることなく幕板16が収納された状態になり、幕板16が幕板収納時ダクト使用位置に保持される。
【0052】
上述したように、幕板16は、幕板兼ダクト使用位置(第1位置)では目隠し板(幕板)として使用され、幕板収納時ダクト使用位置(第2位置)では大きい容積のダクト空間50を画定する配線ダクトとして使用されるから、配線ダクトと幕板とを個別の部品により構成する必要がなくなり、部品点数が削減される。テーブル10は、幕板は必要であるが配線ダクトは必要でない場合や、配線ダクトは必要であるが幕板は必要でない場合に対応できる。
【0053】
上述したように、本実施形態のテーブル10は、配線ダクトと幕板を一体型(兼用)として部品点数を削減し、コストダウンを図りつつ、天板12に対して略垂直と水平に設置することを可能とすることで、配線の美観と簡便性を保ちつつ、テーブル10の下肢空間が有効利用される。また、ケーブルが天板12の下方に天板12と幕板16との間に配置されて見えなくなるので、外観上も好ましい。
【0054】
また、幕板16は、幕板収納時ダクト使用位置では、天板12の下方にあって外部に露出しないから、美観を損ねることなく、且つ嵩張ることなく幕板16の大きさに応じたダクトスペースが大きい容積の配線ダクトが得られる。幕板16が幕板収納時ダクト使用位置に位置しているときには、ケーブル等は、天板12と幕板16の間に配置され、外部から見えなくなるので、外観上も好ましい。また、天板12の下方の下肢空間が全方向に開放されるので、テーブル10を前後両側から使用することやワゴン等との併用が可能となる。
【0055】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。
【0056】
例えば、ラッチ装置30の係合部材34は、樹脂成形品に限られることなく、アルミニウム等の金属製であってもよい。ラッチ装置30は、係止爪によるものに限られることなく、かんぬき式等、他の構造のものであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
10 :テーブル
12 :天板
13 :主部
14 :脚体
14A :中空部
15 :後部補強部材
16 :幕板
17 :中間補強部材
17A :竪壁
18 :ヒンジ
18A :ブラケット
18B :ヒンジ軸
18C :ヒンジ軸孔
20 :主部
20A :第1縁部
20B :第2縁部
20C :第3縁部
20D :第4縁部
21 :補強部材
22 :溝形部
22A :底壁
22B :側壁
23 :間隙
25 :テーブルタップ
27 :間隙
30 :ラッチ装置
32 :被係合用開口(被係合部)
32A :被係合面
34 :係合部材(係合部)
36 :基部
36A :押しボタン部
36B :貫通孔
38 :係止爪部
38A :係合面
38B :傾斜面
40 :支持ピン
42 :圧縮コイルばね
46 :上部開口
48 :下部開口
50 :ダクト空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7