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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065655
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
F16K31/06 305K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174640
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000133652
【氏名又は名称】株式会社テージーケー
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】利根川 正明
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA13
3H106DA23
3H106DA35
3H106DB32
3H106DC02
3H106DD03
3H106EE35
3H106GB01
3H106GB11
(57)【要約】
【課題】パイロット式電磁弁の製造コストを低減する。
【解決手段】電磁弁1は、ボディ5と、ボディ5に設けられた主弁孔16に接離して主弁を開閉する主弁体22と、主弁体22に設けられたパイロット弁孔28に背圧室36側から接離してパイロット弁を開閉するパイロット弁体84と、プランジャ48およびコア44を有するソレノイド6と、ボディ5とソレノイド6とを接続する筒状体であり、主弁体22の区画部24を摺動可能に挿通するガイド孔42を有するガイド部材7と、を備える。ガイド部材7は、コア44の端部を挿通するようにコア44に組み付けられる小径部13と、区画部24を挿通する大径部15とを有する。コア44、ガイド部材7および主弁体22に囲まれるように背圧室36が形成される。ガイド部材7が、コア44よりも被削性指数が大きい材料からなる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を導入する導入ポートと、流体を導出する導出ポートと、前記導入ポートと前記導出ポートとをつなぐ主通路に設けられた主弁孔と、を有するボディと、
前記導入ポートに連通する高圧室と背圧室とを区画する区画部を有し、前記導出ポートと前記背圧室とを連通させるパイロット通路が貫通形成され、前記主弁孔に接離して主弁を開閉する主弁体と、
前記パイロット通路の一端に設けられたパイロット弁孔に前記背圧室側から接離してパイロット弁を開閉するパイロット弁体と、
前記ボディに対して固定されるコアと、前記パイロット弁体が固定され前記コアと軸線方向に対向するプランジャと、前記コアおよび前記プランジャとともに磁気回路を形成する電磁コイルと、を有するソレノイドと、
前記ボディと前記ソレノイドとを接続する筒状体であり、前記区画部を摺動可能に挿通するガイド孔を有するガイド部材と、
を備え、
前記ガイド部材は、前記コアの端部を挿通するように前記コアに組み付けられる小径部と、前記区画部を挿通する大径部とを有し、
前記コア、前記ガイド部材および前記主弁体に囲まれるように前記背圧室が形成され、
前記ガイド部材が、前記コアよりも被削性指数が大きい材料からなることを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
前記ガイド部材が鍛造品であり、少なくとも前記小径部において前記コアが挿通される内周面と、前記大径部において前記主弁体が摺動する内周面とに切削による仕上面を有することを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記コアがステンレスからなる一方、前記ガイド部材がアルミニウム合金からなり、
前記ガイド部材にはアルマイト処理が施され、前記ガイド部材の内周面と前記コアの外周面との間に流体の漏洩を規制するシールリングが介装されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記ボディは、第1開口端部と第2開口端部を同軸状に有する筒状をなし、
前記第1開口端部が前記ガイド部材の前記大径部に同軸状に組み付けられ、
前記第2開口端部に前記主弁孔および前記導出ポートが形成され、
前記第1開口端部と前記第2開口端部との間に位置する前記ボディの側部に前記導入ポートが開口し、
前記ガイド部材および前記ボディからなる筒状連結体が、対象装置の取付孔に挿入可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁弁。
【請求項5】
流体を導入する導入ポートと、流体を導出する導出ポートと、前記導入ポートと前記導出ポートとをつなぐ主通路に設けられた主弁孔と、を有するボディと、
前記導入ポートに連通する高圧室と背圧室とを区画する区画部を有し、前記導出ポートと前記背圧室とを連通させるパイロット通路が貫通形成され、前記主弁孔に接離して主弁を開閉する主弁体と、
前記パイロット通路の一端に設けられたパイロット弁孔に前記背圧室側から接離してパイロット弁を開閉するパイロット弁体と、
前記ボディに対して固定されるコアと、前記コアと同軸状に組み付けられるスリーブと、前記スリーブ内に収容されて前記コアと軸線方向に対向するとともに前記パイロット弁体が固定されるプランジャと、前記コアおよび前記プランジャとともに磁気回路を形成する電磁コイルと、を有するソレノイドと、
前記ボディと前記ソレノイドとを接続する筒状体であり、前記区画部を摺動可能に挿通するガイド孔を有するガイド部材と、
を備え、
前記ガイド部材は、前記スリーブの端部を挿通するように前記スリーブに組み付けられる小径部と、前記区画部を挿通する大径部とを有し、
前記スリーブ、前記プランジャ、前記ガイド部材および前記主弁体に囲まれるように前記背圧室が形成され、
前記ガイド部材が、前記スリーブよりも被削性指数が大きい材料からなることを特徴とする電磁弁。
【請求項6】
流体を導入する導入ポートと、流体を導出する導出ポートと、前記導入ポートと前記導出ポートとをつなぐ主通路に設けられた主弁孔と、を有するボディと、
前記導入ポートに連通する高圧室と背圧室とを区画する区画部を有し、前記導出ポートと前記背圧室とを連通させるパイロット通路が貫通形成され、前記主弁孔に接離して主弁を開閉する主弁体と、
前記パイロット通路の一端に設けられたパイロット弁孔に前記背圧室側から接離してパイロット弁を開閉するパイロット弁体と、
前記ボディに対して固定されるコアと、前記パイロット弁体が固定され前記コアと軸線方向に対向するプランジャと、前記コアおよび前記プランジャとともに磁気回路を形成する電磁コイルと、を有するソレノイドと、
前記ボディと前記ソレノイドとを接続する筒状体であり、前記区画部を摺動可能に挿通するガイド孔を有するガイド部材と、
を備え、
前記ガイド部材は、前記コアの端部を挿通するように前記コアに組み付けられる小径部と、前記区画部を挿通する大径部とを有し、
前記コア、前記ガイド部材および前記主弁体に囲まれるように前記背圧室が形成され、
前記ガイド部材が樹脂成形品であることを特徴とする電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイロット式電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
小口径のパイロット弁を開閉制御することで大口径の主弁を自律的に開閉させるパイロット式電磁弁が知られている(例えば特許文献1,2参照)。パイロット作動方式を採用することで、小さなソレノイドで大きな弁を開閉できるため、電磁弁の小型化および省電力化を図ることができる。
【0003】
このような電磁弁は、主弁を構成する相対的に大きな主弁体と、パイロット弁を構成する相対的に小さなパイロット弁体を備える。ソレノイドと主弁体との間に背圧室が形成される。主弁体を貫通するようにパイロット通路が設けられ、パイロット通路の一端にパイロット弁孔が設けられる。そして、パイロット弁体が背圧室側からパイロット弁孔に接離してパイロット弁を開閉することにより背圧室の圧力が変化し、主弁体が主弁の開閉方向に作動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-7572号公報
【特許文献2】特開2014-152850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような電磁弁は、主弁体を軸線方向に摺動可能に支持するためのガイド部が設けられる。このガイド部は、ソレノイドの構成部品(コアやスリーブなど)と一体に設けられることが多く、一般には電磁ステンレスからなる。
【0006】
しかしながら、電磁ステンレスは粘度が大きいために切削精度が出し難く、また切屑がつながりやすいために遂次その除去作業が必要になるなど、一般に難削材と認識されている。このため、単一の素材からソレノイドの構成部品とガイド部とを一体に切り出す場合、歩留まりが悪いだけでなく加工時間が長くなり、結果的に製造コストが高くなる。
【0007】
本発明の目的は、パイロット式電磁弁の製造コストを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、パイロット式電磁弁である。この電磁弁は、流体を導入する導入ポートと、流体を導出する導出ポートと、導入ポートと導出ポートとをつなぐ主通路に設けられた主弁孔と、を有するボディと、導入ポートに連通する高圧室と背圧室とを区画する区画部を有し、導出ポートと背圧室とを連通させるパイロット通路が貫通形成され、主弁孔に接離して主弁を開閉する主弁体と、パイロット通路の一端に設けられたパイロット弁孔に背圧室側から接離してパイロット弁を開閉するパイロット弁体と、ボディに対して固定されるコアと、パイロット弁体が固定されコアと軸線方向に対向するプランジャと、コアおよびプランジャとともに磁気回路を形成する電磁コイルと、を有するソレノイドと、ボディとソレノイドとを接続する筒状体であり、区画部を摺動可能に挿通するガイド孔を有するガイド部材と、を備える。ガイド部材は、コアの端部を挿通するようにコアに組み付けられる小径部と、区画部を挿通する大径部とを有する。コア、ガイド部材および主弁体に囲まれるように背圧室が形成される。ガイド部材が、コアよりも被削性指数が大きい材料からなる。
【0009】
この態様によると、ガイド部材がコアよりも被削性指数が大きい材料からなる。すなわち、比較的大きなガイド部材が切削性に優れた材料を加工して得られるため、その加工時間を抑制できる。一方、コアの素材に難削材を採用したとしても、小径であるために切削に長時間を要することもない。さらに、形状差が大きいコアとガイド部材とを別々の素材から切り出せるため、材料歩留まりを高く維持できる。その結果、パイロット式電磁弁の製造コストを低減できる。
【0010】
本発明の別の態様もパイロット式電磁弁である。この電磁弁は、流体を導入する導入ポートと、流体を導出する導出ポートと、導入ポートと導出ポートとをつなぐ主通路に設けられた主弁孔と、を有するボディと、導入ポートに連通する高圧室と背圧室とを区画する区画部を有し、導出ポートと背圧室とを連通させるパイロット通路が貫通形成され、主弁孔に接離して主弁を開閉する主弁体と、パイロット通路の一端に設けられたパイロット弁孔に背圧室側から接離してパイロット弁を開閉するパイロット弁体と、ボディに対して固定されるコアと、コアと同軸状に組み付けられるスリーブと、スリーブ内に収容されてコアと軸線方向に対向するとともにパイロット弁体が固定されるプランジャと、コアおよびプランジャとともに磁気回路を形成する電磁コイルと、を有するソレノイドと、ボディとソレノイドとを接続する筒状体であり、区画部を摺動可能に挿通するガイド孔を有するガイド部材と、を備える。ガイド部材は、スリーブの端部を挿通するようにスリーブに組み付けられる小径部と、区画部を挿通する大径部とを有する。スリーブ、プランジャ、ガイド部材および主弁体に囲まれるように背圧室が形成される。ガイド部材が、スリーブよりも被削性指数が大きい材料からなる。
【0011】
この態様によると、ガイド部材がスリーブよりも被削性指数が大きい材料からなる。すなわち、比較的大きなガイド部材が切削性に優れた材料を加工して得られるため、その加工時間を抑制できる。一方、スリーブの素材に相対的に難削材を採用したとしても、小径であるために切削に長時間を要することもない。さらに、形状差が大きいスリーブとガイド部材とを別々の素材から切り出せるため、材料歩留まりを高く維持できる。その結果、パイロット式電磁弁の製造コストを低減できる。
【0012】
本発明のさらに別の態様もパイロット式電磁弁である。この電磁弁は、流体を導入する導入ポートと、流体を導出する導出ポートと、導入ポートと導出ポートとをつなぐ主通路に設けられた主弁孔と、を有するボディと、導入ポートに連通する高圧室と背圧室とを区画する区画部を有し、導出ポートと背圧室とを連通させるパイロット通路が貫通形成され、主弁孔に接離して主弁を開閉する主弁体と、パイロット通路の一端に設けられたパイロット弁孔に背圧室側から接離してパイロット弁を開閉するパイロット弁体と、ボディに対して固定されるコアと、パイロット弁体が固定されコアと軸線方向に対向するプランジャと、コアおよびプランジャとともに磁気回路を形成する電磁コイルと、を有するソレノイドと、ボディとソレノイドとを接続する筒状体であり、区画部を摺動可能に挿通するガイド孔を有するガイド部材と、を備える。ガイド部材は、コアの端部を挿通するようにコアに組み付けられる小径部と、区画部を挿通する大径部とを有する。コア、ガイド部材および主弁体に囲まれるように背圧室が形成され。ガイド部材が樹脂成形品である。
【0013】
この態様によると、ガイド部材が樹脂成形品である。すなわち、比較的大きなガイド部材が金型を用いた樹脂成形により得られるため、その加工時間を抑制できる。一方、コアの素材に難削材を採用したとしても、小径であるために切削に長時間を要することもない。その結果、パイロット式電磁弁の製造コストを低減できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、パイロット式電磁弁の製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電磁弁が取付対象に取り付けられた状態を表す断面図である。
図2】電磁弁の構成を表す断面図である。
図3】電磁弁の動作を表す図である。
図4】変形例1に係る電磁弁の構成を表す断面図である。
図5】変形例2に係る電磁弁の構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。
【0017】
図1は、電磁弁が取付対象に取り付けられた状態を表す断面図である。
電磁弁1は、図示しない自動車用空調装置の冷凍サイクルに適用される。この冷凍サイクルには、循環する冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器、凝縮された冷媒を絞り膨張させて霧状に送出する膨張装置、霧状の冷媒を蒸発させてその蒸発潜熱により車室内の空気を冷却する蒸発器等が設けられている。電磁弁1は、その冷凍サイクルを構成する対象装置に取り付けられ、冷媒の流れを制御する。
【0018】
電磁弁1は、パイロット式電磁弁であり、主弁2およびパイロット弁4を備える。電磁弁1は、円筒状のボディ5とソレノイド6とをガイド部材7を介して組み付けて構成される。ガイド部材7は、ボディ5とソレノイド6とを接続する筒状体である。ガイド部材7およびボディ5が筒状連結体9を構成し、筒状連結体9とソレノイド6とが軸線方向に組み付けられている。電磁弁1は、ソレノイド6がオフのときに主弁2が全開状態となる常開弁として構成されている。
【0019】
対象装置のハウジング200には、冷媒が流れる通路210と、その通路210に連通する取付孔212が設けられている。電磁弁1は、筒状連結体9が取付孔212に挿入されるようにしてハウジング200に組み付けられる。すなわち、電磁弁1は、筒状連結体9が取付孔212に挿抜されることで対象装置に着脱されるいわゆるカートリッジ構造を有する。ボディ5には、通路210の一部を構成する主通路11が設けられている。
【0020】
図2は、電磁弁1の構成を表す断面図である。
ボディ5は段付円筒状をなし、その一側面に冷媒を導入するための導入ポート10を有し、ボディ5の底部に冷媒を導出するための導出ポート12を有する。図1にも示したように、導入ポート10は通路210における上流側通路214に連通し、導出ポート12は通路210における下流側通路216に連通する。導入ポート10と導出ポート12とを直接つなぐ通路が主通路11を構成する。
【0021】
ボディ5の下部の内径が小径化されており、その内方に弁孔16が形成されている。弁孔16の上流側開口端に弁座18が形成され、弁孔16の下流側開口端に導出ポート12が形成されている。弁孔16は「主弁孔」として機能し、弁座18は「主弁座」として機能する。弁孔16の上流側に弁室20が形成されている。ボディ5は、アルミニウム合金からなる丸棒材(素材)を切削加工して得られるが、その外径がほぼ一定で下部がやや縮径された簡素な形状であるため、加工コストを抑えることができる。
【0022】
一方、ガイド部材7は、上部に内径が小さい小径部13を有し、下部に内径が大きい大径部15を有する段付円筒状をなす。ガイド部材7の下部外周面に雄ねじが設けられ、ボディ5の上部外周面に雌ねじが設けられている。これらのねじを螺合させることによりガイド部材7とボディ5とが軸線方向に締結され、筒状連結体9が構成される。
【0023】
ボディ5の上端部(第1開口端部)がガイド部材7の大径部15に同軸状に組み付けられ、ボディ5の下端部(第2開口端部)に弁孔16および導出ポート12が形成される。筒状連結体9の内方に弁体22が配設される。弁体22は「主弁体」として機能する。
【0024】
ガイド部材7とボディ5の外径は概ね等しく、ガイド部材7の上部外周面にはOリング62(シールリング)が設けられ、ボディ5の下部外周面にはOリング63(シールリング)が設けられている。図1に示したように、Oリング62により、電磁弁1とハウジング200との間隙を介した冷媒の漏洩や外部雰囲気に侵入が防止される。Oリング63により、主弁2の閉弁時における上流側通路214から下流側通路216への冷媒の漏洩が防止される。
【0025】
弁体22は段付円筒状をなし、上部がやや拡径されて区画部24を形成する。弁体22はアルミニウム合金からなる素材を切削加工し、硬質アルマイト処理(表面処理)をすることにより得られる。弁体22を軸線に沿って貫通するようにパイロット通路26が形成されている。パイロット通路26は、弁孔16に向けて開口する。パイロット通路26の上部が縮径されて弁孔28が形成され、その開口端に弁座30が形成されている。弁孔28は「パイロット弁孔」として機能し、弁座30は「パイロット弁座」として機能する。
【0026】
弁体22の下部には、パッキン32が嵌着されている。パッキン32は、リング状の弾性体(本実施形態ではゴム)からなり、「シール部材」として機能する。弁体22の下端部が加締められることにより、パッキン32が弁体22に固定されている。弁体22が弁室20内を変位し、パッキン32が弁座18に着脱することにより主弁2を開閉する。弁体22とボディ5との間には、弁体22を上方に付勢するスプリング33(「付勢部材」として機能する)が介装されている。
【0027】
区画部24は、ボディ5とソレノイド6とに囲まれる空間を高圧室34と背圧室36とに区画する。高圧室34は、導入ポート10に連通する一方、弁体22に設けられたリーク通路38を介して背圧室36に連通する。リーク通路38はオリフィスとして機能する。背圧室36は、ソレノイド6の内部に連通する。弁孔16の下流側は低圧室40となり、導出ポート12に連通する。区画部24は、ガイド部材7の大径部15に設けられたガイド孔42に挿通されている(詳細後述)。弁体22は、区画部24がガイド孔42に摺動可能に支持されることで、主弁2の開閉方向に安定に動作する。
【0028】
一方、ソレノイド6は、ボディ5に固定される円筒状のコア44(固定鉄心)と、コア44の上端開口部を閉止する有底円筒状のスリーブ46と、スリーブ46の内方に収容された円筒状のプランジャ48(可動鉄心)と、スリーブ46に外挿されるボビン50と、ボビン50に巻回された電磁コイル52と、ボビン50および電磁コイル52を内包するケース53と、を有する。
【0029】
ケース53は、耐食性を有する樹脂材の射出成形(「インサート成形」又は「モールド成形」ともいう)により得られる。電磁コイル52は、その射出成形によるモールド樹脂によって被覆されている。ケース53は、そのモールド樹脂からなる。
【0030】
ケース53の外側から電磁コイル52を上下に挟むように断面U字状のヨーク55が設けられている。ヨーク55は、コア44およびプランジャ48とともに磁気回路を形成する磁性体である。ケース53からは電磁コイル52につながる端子57が延出している(図1参照)。本実施形態では、ボビン50、電磁コイル52、ケース53およびヨーク55が一体化されてコイルユニット70を構成している。
【0031】
スリーブ46は非磁性の金属材料(本実施形態ではステンレス)からなる。スリーブ46の下部がコア44の上部に外挿され、外周溶接により固定されている。スリーブ46は、コア44とともに内部の圧力室を閉止するキャンを構成する。プランジャ48は、電磁ステンレス(例えばSUS304S)からなる磁性体であり、コア44と同軸状に配置されている。スリーブ46の底部とプランジャ48との間には、背圧室54が形成される。コア44、スリーブ46およびプランジャ48により作動ユニット72が構成される。
【0032】
コア44は、電磁ステンレス(例えばSUS304S)からなる磁性体であり、電磁コイル52の内方に挿通されている。コア44は、その上端部がプランジャ48と軸線方向に対向し、下部がヨーク55の下方に突出している。コア44、ガイド部材7および弁体22に囲まれるように背圧室36が形成されている。
【0033】
コア44の軸線方向中央には、半径方向内向きに突出したばね受け部88が設けられている。プランジャ48とばね受け部88との間には、プランジャ48をコア44から離間させる方向に付勢するスプリング86(「付勢部材」として機能する)が介装されている。コア44とプランジャ48との対向面には相補形状のテーパ面が設けられており、プランジャ48のストロークを大きく確保しつつ、十分な磁気吸引力が得られるようにされている。
【0034】
ケース53の上端開口部には環状のシール収容部76が形成され、Oリング78(シールリング)が嵌着されている。また、ケース53の下端開口部にも環状のシール収容部80が形成され、Oリング82(シールリング)が嵌着されている。コイルユニット70と作動ユニット72との間にOリング78,82が介装されることで、両者の間隙を介した外気(水分)の侵入が防止される。
【0035】
プランジャ48の下端部からシャフト83が同軸状に延出している。シャフト83は、コア44の内方に延出してばね受け部88を貫通し、その先端部にパイロット弁体84が設けられている。パイロット弁体84は段付円筒状をなし、その上半部にシャフト83の下端部が同軸状に圧入されている。パイロット弁体84はステンレス鋼(SUS)からなり、その下端にシール部材90が固定されている。シール部材90はゴムからなる。
【0036】
パイロット弁体84は、背圧室36に配置される。パイロット弁体84のシール部材90が弁座30に着脱することにより、パイロット弁4を開閉する。背圧室36の圧力は、パイロット弁体84の外周面とコア44の内周面との間隙、およびプランジャ48の外周面とスリーブ46の内周面との間隙を介して背圧室54に導入される。
【0037】
ガイド部材7は、アルミニウム合金からなる素材を切削加工し、硬質アルマイト処理(表面処理)をすることで得られ、耐食性に優れている。ガイド部材7の上部外周面に環状溝58が形成され、Oリング62が嵌着されている。ガイド部材7の小径部13がコア44の下部を挿通する。小径部13の下端開口部がやや拡径されて段部を形成する一方、コア44の下端部には半径方向外向きに突出するフランジ部47が設けられる。フランジ部47がその段部に係止されることにより、コア44とガイド部材7との軸線方向の相対的な位置関係が設計どおりに担保される。小径部13の開口端が内方に加締められることにより(図示略)、ガイド部材7がコア44に対して固定されている。
【0038】
コア44の下部外周面に環状溝59が形成され、Oリング65(シールリング)が嵌着されている。コア44の下部外周面と小径部13の内周面との間にOリング65が介装されることにより、両者の間隙を介した冷媒の漏洩を防止している。
【0039】
弁体22における区画部24の外周面には環状溝100が設けられ、ピストンリング102が嵌着されている。ピストンリング102はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる。区画部24は、ピストンリング102の位置にてガイド孔42に摺動可能に支持される。
【0040】
このような構成において、導入ポート10に導入された圧力P1(「上流側圧力P1」という)は、主通路11において主弁2を経ることで圧力P2(「下流側圧力P2」という)となる(図1参照)。また、高圧室34に導入された上流側圧力P1は、リーク通路38を通過することで背圧室36にて中間圧力Ppとなり、さらにパイロット弁4を経ることで下流側圧力P2となる。
【0041】
次に、電磁弁1の動作について詳細に説明する。図3は、電磁弁1の動作を表す図であり、ソレノイド6がオンにされた通電状態を表している。既に説明した図2は、ソレノイド6がオフにされた非通電状態を表している。
【0042】
図2に示すように、ソレノイド6がオフにされた状態ではソレノイド力が作用しないため、スプリング86によってプランジャ48が上方に付勢され、パイロット弁4が開弁状態となる。このとき、背圧室36の冷媒がパイロット通路26を介して下流側に導出されて中間圧力Ppが低下するため、弁体22が上流側圧力P1と中間圧力Ppとの差圧(P1-Pp)により上方に付勢される。それにより、主弁2が全開状態となる。その結果、図示のように主通路が開放される。すなわち、導入ポート10から導入された冷媒は、主に主通路11を通って導出ポート12から導出される。
【0043】
一方、図3に示すように、ソレノイド6がオンにされると、コア44とプランジャ48との間に吸引力(ソレノイド力)が作用するため、プランジャ48が下方に付勢され、パイロット弁4が閉弁状態となる。このとき、上流側からの冷媒がリーク通路38を介して背圧室36に導入されるため、中間圧力Ppは上流側圧力P1となる。その結果、弁体22が中間圧力Ppと下流側圧力P2の差圧(Pp-P2)により下方に付勢される。それにより主弁2が閉弁状態となり、主通路11が遮断された状態となる。
【0044】
以上に説明したように、本実施形態では、コア44とガイド部材7とを別部材として分離し、ガイド部材7の材料としてコア44よりも切削性に優れるもの(高精度な切削が相対的に短時間で行えるもの)を採用した。すなわち、ガイド部材7の材料はアルミニウム合金であり、コア44の材料である電磁ステンレスよりも被削性指数が大きい。
【0045】
ここで、「被削性指数」とは、金属材料の切削加工性のし易さ又はし難さを表す指標であり、具体的には硫黄快削鋼(AISI‐B1112)に対する材質の切削加工性のしやすさを示す値をいう(例えば特開2005-335091号公報参照)。被削性指数の大きい材質ほど切削し易い。
【0046】
コア44はパイロット弁体84を収容できる程度の小さな円筒状の部材であり、軸線方向に沿った形状差(内外径の変化)も小さいため切削量が少ない。このため、一般に難削材とされている電磁ステンレスの加工に長時間を要することもない。一方、ガイド部材7は弁体22を収容できる程度に大きな段付円筒状の部材であり、軸線方向に沿った形状差も大きいため切削量が多い。しかし、相対的に被削性指数が大きいアルミニウム合金(つまり切削性に優れる材料)を採用するため、切削速度(工具の送り速度)を大きくしても加工精度を維持できる。すなわち、本実施形態によれば、コア44およびガイド部材7からなる段付構造のトータルの切削時間を短縮でき、加工コストを低減できる。
【0047】
仮に電磁ステンレスの丸棒材(単一素材)を用いてコア44とガイド部材7とを切削加工のみで一体成形すると、難削材を大きく切削しなければならない。このため、加工速度(切削送り速度)を低速にして慎重に削る必要が生じ、加工時間が長くなる。軸線方向に沿った形状差(内外径の変化)が大きいために切屑が大量に発生し、材料歩留まりが相当低くなる。この点、本実施形態によれば、形状差が大きいコア44とガイド部材7とを別々の素材から切り出せるため、材料歩留まりを高く維持できる。難削材の切削量を少なく抑えることができる。その結果、電磁弁1の製造コストを低減できる。
【0048】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0049】
[変形例]
図4は、変形例1に係る電磁弁の構成を表す断面図である。
本変形例の電磁弁101は、筒状連結体によるカートリッジ構造を有しない点で上記実施形態と異なる。電磁弁101は、ブロック状(角柱状)の大きなボディ105にソレノイド6を組み付けて構成される。
【0050】
ボディ105はアルミニウム合金からなり、その上部中央に取付孔112が設けられている。ソレノイド6は、ガイド部材7を介してボディ105に組み付けられている。ボディ105の一側面に導入ポート10が設けられ、その反対側面に導出ポート12が設けられている。
【0051】
ボディ105における導入ポート10と導出ポート12との連通部には、円ボス状の弁座形成部114が設けられている。弁座形成部114の内方に弁孔16が形成されている。弁座形成部114の開口端に弁座18が形成されている。弁体22とボディ105との間にスプリング33が介装されている。コア44が電磁ステンレスからなり、ガイド部材7の材料はアルミニウム合金からなることは上記実施形態と同様である。
【0052】
本変形例においてもコア44とガイド部材7とを別部材として分離し、ガイド部材7がコア44よりも被削性指数が大きい金属材料からなる。このため、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0053】
図5は、変形例2に係る電磁弁の構成を表す断面図である。
電磁弁201は、ソレノイド206がオフのときに主弁2が閉弁状態となる常閉弁として構成される点で上記実施形態と異なる。一方、電磁弁201は、ガイド部材207およびボディ205が筒状連結体209を構成し、対象装置に着脱されるいわゆるカートリッジ構造を有する点で上記実施形態と共通する。
【0054】
ボディ205およびガイド部材207は、それぞれ上記実施形態のボディ5、ガイド部材7とほぼ同様の構成を有するが、筒状連結体を構成するための接合構造が異なる。ボディ205の上部にガイド部材207の下部が挿通され、ボディ205の上端部を内方に加締めることにより両者が固定されている。
【0055】
ソレノイド206は、ガイド部材207を介してボディ205に組み付けられるスリーブ246と、スリーブ246と同軸状に組み付けられるコア244と、スリーブ246内でコア244に対向配置されたプランジャ248と、スリーブ246およびコア244に外挿嵌合されたボビン50と、ボビン50に巻回された電磁コイル52と、ボビン50および電磁コイル52を内包するケース53を含む。なお、図示のソレノイド206の断面構造は、図2に示したソレノイド6の縦断面と直交する断面に対応する。ヨーク55の底部が複数のボルト220を介してハウジング200に締結されることで、電磁弁201が対象装置に固定されている。
【0056】
プランジャ248は、コア244と弁体22との間に配設されている。プランジャ248の下端部中央にパイロット弁体284が固定されている。パイロット弁体284は、リング状の弾性体(本実施形態ではゴム)からなり、「シール部材」として機能する。
【0057】
スリーブ246は円筒状をなし、その下部がヨーク55の下方に突出している。スリーブ246の下端に半径方向外向きに突出するフランジ部247が設けられている。スリーブ246の下端部がガイド部材207の小径部13に挿通され、フランジ部247が小径部13の段部に係止されることにより、スリーブ246とガイド部材207との軸線方向の相対的な位置関係が設計どおりに担保される。小径部13の開口端が内方に加締められることにより、ガイド部材207がスリーブ246に対して固定されている。
【0058】
スリーブ246の下部外周面と小径部13の内周面との間にOリング65(シールリング)が介装され、スリーブ246とガイド部材207との間隙を介した冷媒の漏洩が防止されている。スリーブ246、プランジャ248、ガイド部材207および主弁体22に囲まれるように背圧室36が形成されている。
【0059】
コア244は段付円柱状をなし、その下半部がスリーブ246の上端部に嵌合し、スリーブ246の上端開口部を閉止する。プランジャ248とコア244との間には、プランジャ248をパイロット弁4の閉弁方向に付勢するスプリング86が介装されている。背圧室36は、プランジャ248の外周面に形成された連通溝249およびコア244の内部通路を介して背圧室54と連通している。
【0060】
本変形例においては、スリーブ246は非磁性のステンレスからなり、ガイド部材207はアルミニウム合金からなる。すなわち、スリーブ246とガイド部材207とを別部材として分離し、ガイド部材207がスリーブ246よりも被削性指数が大きい金属材料からなる。このため、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0061】
[他の変形例]
上記実施形態では、電磁弁1として、冷凍サイクルに適用されて冷媒の流れを制御する制御弁を例示した。変形例においては、給湯システムにおいて湯水の流れを制御する制御弁など、その他の装置において流体の流れを制御する弁としてもよい。
【0062】
上記実施形態では、アルミニウム合金からなる丸棒材を切削加工してガイド部材7を得る例を示した。変形例においては、アルミニウム合金からなる素材を用いた鍛造によりガイド部材7の一次成形品を作製してもよい。そして、その一次成形品において精度を要する面を切削加工により仕上げてもよい。すなわち、ガイド部材が、少なくとも小径部においてコアが挿通される内周面と、大径部において主弁体が摺動する内周面とに切削による仕上面を有するものでもよい。
【0063】
上記実施形態では、ガイド部材7の材料としてアルミニウム合金を採用する例を示したが、快削鋼や真鍮など、電磁ステンレスよりも被削性指数が大きい金属材料を採用してもよい。ガイド部材がコアやスリーブよりも被削性指数の大きい材料からなるものであればよい。
【0064】
上記実施形態では、アルミニウム合金製のガイド部材7に硬質アルマイト処理を施す例を示したが、無電解ニッケルめっき処理その他の表面処理を施すことによりガイド部材の耐食性および硬度(耐摩耗性)を確保してもよい。
【0065】
上記実施形態では、ガイド部材7および弁体22の双方にアルマイト処理を施す例を示した。変形例においては、ガイド部材7側にのみアルマイト処理を施してもよい。ガイド部材7とコア44との間の電位差腐食を防止する観点からも、ガイド部材7にはアルマイト処理を施しておくのが好ましい。
【0066】
上記実施形態および変形例では、金属素材を切削してガイド部材7,207を得る例を示した。他の変形例においては、ガイド部材をポリフェニレンサルファイド(PPS)などの樹脂材料で構成した樹脂成形品としてもよい。ガイド部材は非磁性でよいため、樹脂材料の射出成形など金型を用いた樹脂成形により得てもよい。それによりガイド部材の加工時間をさらに短縮でき、加工コストを低減できる。また、ピストンリング102の摺動性が高まる点でも好ましい。PPS樹脂としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含有するものを使用すると、その摺動性をさらに向上させることができる。
【0067】
また、上記実施形態および変形例では、ボディ5,205をアルミニウム合金からなるものとしたが、PPSなどの樹脂材料で構成してもよい。それにより、弁体22のシール部材(ゴム)の接触部の面精度を高くでき、そのシール部材の耐久性を向上させることができる。
【0068】
上記実施形態および変形例では、プランジャ48,248を電磁ステンレスからなるものとしたが、快削鋼その他の鉄系材料で構成してもよい。また、パイロット弁体84をステンレス鋼からなるものとしたが、真鍮その他の金属材料で構成してもよい。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 電磁弁、2 主弁、4 パイロット弁、5 ボディ、6 ソレノイド、7 ガイド部材、9 筒状連結体、10 導入ポート、11 主通路、12 導出ポート、13 小径部、15 大径部、16 弁孔、18 弁座、22 弁体、22 主弁体、24 区画部、26 パイロット通路、28 弁孔、30 弁座、34 高圧室、36 背圧室、38 リーク通路、40 低圧室、42 ガイド孔、44 コア、46 スリーブ、48 プランジャ、52 電磁コイル、55 ヨーク、56 小径部、70 コイルユニット、72 作動ユニット、83 シャフト、84 パイロット弁体、90 シール部材、101 電磁弁、102 ピストンリング、105 ボディ、200 ハウジング、201 電磁弁、205 ボディ、206 ソレノイド、207 ガイド部材、209 筒状連結体、210 通路、212 取付孔、214 上流側通路、216 下流側通路、220 ボルト、244 コア、246 スリーブ、248 プランジャ、249 連通溝、284 パイロット弁体。
図1
図2
図3
図4
図5