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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065680
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】通報装置及び通報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
G08B25/00 510H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174672
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 英聖
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴臣
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 智絵
(72)【発明者】
【氏名】若林 良介
(72)【発明者】
【氏名】芝宮 靖明
【テーマコード(参考)】
5C087
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087DD03
5C087EE16
5C087FF01
5C087FF04
5C087FF05
5C087GG06
5C087GG17
5C087GG28
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】共通の通報装置を複数の用途で選択的に使用できるようにする。
【解決手段】通報装置1は、通報する操作を受け付ける押しボタンスイッチ20と、複数の用途に応じた複数の動作モードのうちいずれかの動作モードを選択する操作を受け付ける選択スイッチ45と、選択スイッチ45の操作により選択された動作モードに切り替える切替部411と、切替え後の動作モードに応じた通報を行う通報部412とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通報する操作を受け付ける第1操作子と、
複数の用途に応じた複数の動作モードのうちいずれかの動作モードを選択する操作を受け付ける第2操作子と、
前記第2操作子の操作により選択された前記動作モードに切り替える切替部と、
前記第1操作子への操作に基づき、切替え後の前記動作モードに応じた通報を行う通報部と
を備える通報装置。
【請求項2】
前記通報部は、前記動作モードによって異なる信号を送信する
請求項1に記載の通報装置。
【請求項3】
前記選択された動作モードが自装置に対して予め決められた動作モードと一致するか否か判定するサーバ装置に、前記選択された動作モードを通知する通知部をさらに備える
請求項1又は2記載の通報装置。
【請求項4】
前記選択された動作モードと自装置に対して予め決められた動作モードとが相違することを示す応答が前記サーバ装置から行われると、前記動作モードが相違することを報知する報知部をさらに備える
請求項3に記載の通報装置。
【請求項5】
前記切替部は、前記サーバ装置から前記応答が行われた場合には、前記選択された動作モードへの切替えを行わない
請求項4に記載の通報装置。
【請求項6】
開口部を有し、前記第1操作子及び前記第2操作子を収容する筐体と、
前記開口部を開閉する蓋と、
前記蓋の開閉を検知する開閉検知部とをさらに備え、
前記切替部は、前記第2操作子の操作後、前記開閉検知部により前記蓋が閉状態になったことが検知されたことを条件に前記動作モードの切替えを行う
請求項1又は2に記載の通報装置。
【請求項7】
1又は複数の通報装置と、前記通報装置と通信するサーバ装置とを含んで構成される通報システムにおいて、
前記通報装置は、
通報する操作を受け付ける第1操作子と、
複数の用途に応じた複数の動作モードのうちいずれかの動作モードを選択する操作を受け付ける第2操作子と、
前記第2操作子の操作により選択された前記動作モードに切り替える切替部と、
前記選択された動作モードを示す通知を前記サーバ装置に送信する通知部と、
前記第1操作子への操作に基づき、切替え後の前記動作モードに応じた通報を行う通報部とを備え、
前記サーバ装置は、
前記選択された動作モードを示す通知を受信する受信部と、
前記通報装置毎に、切替可能な前記動作モードを記憶する記憶部と、
前記通報装置から受信した前記通知に対し、当該通知が示す動作モードが当該通報装置が切替可能な動作モードと一致するか否か判定する判定部とを備える
ことを特徴とする通報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通報装置及び通報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
接点の種類を変更可能な押しボタンスイッチが知られている(例えば特許文献1)。また、非常用スイッチと復旧用スイッチのオンオフを切り替える技術が知られている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-184973号公報
【特許文献2】特開2005-235602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通報装置は、様々な用途毎に別々に設けられている。しかし、通報装置は、用途は異なっていても共通の構造を有する場合があるため、共通の通報装置を複数の用途で選択的に使用できると有益である。
【0005】
本発明は、共通の通報装置を複数の用途で選択的に使用できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、通報する操作を受け付ける第1操作子と、複数の用途に応じた複数の動作モードのうちいずれかの動作モードを選択する操作を受け付ける第2操作子と、前記第2操作子の操作により選択された前記動作モードに切り替える切替部と、前記第1操作子への操作に基づき、切替え後の前記動作モードに応じた通報を行う通報部とを備える通報装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、共通の通報装置を複数の用途で選択的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る通報装置の一例を示す正面図である。
図2】通報装置の一例を示す左側面図である。
図3図2に示される通報装置の分解図である。
図4】基板上の構成の一例を示すブロック図である。
図5】蓋を開けた状態の通報装置の一例を示す正面図である。
図6】通報装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7】変形例に係る基板上の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。なお、図面においては、発明を理解し易いように、実際の寸法、形状、それらの比率とは異なる場合がある。
【0010】
1.構成
図1は、本実施形態に係る通報装置1の一例を示す正面図である。図2は、通報装置1の一例を示す左側面図である。図3は、図2に示される通報装置1の分解図である。通報装置1は、利用者の操作に応じて通報を行う。また、通報装置1は複数の用途で選択的に使用できる。この「用途」とは、通報装置1の使用の目的をいう。用途には、通報装置1の機能や種類、利用者の種類が含まれてもよい。ここでは、複数の用途には、非常通報ボタンとしての用途、救助ボタンとしての用途、及び火災通報ボタンとしての用途が含まれるものとする。非常通報ボタンは、異常な事象の発生時にその事象を通報するために使用される。救助ボタンは、救助が必要な場合に救助を求めるために使用される。火災通報ボタンは、火災の発生時に火災を通報するために使用される。
【0011】
図3に示されるように、通報装置1は、筐体10と、押しボタンスイッチ20と、蓋30と、基板40と、電源50とを備える。筐体10は、開口部11を有する箱形状をしており、押しボタンスイッチ20、基板40、及び電源50を収容する。押しボタンスイッチ20は、基板40上に設けられ、通報する操作を受け付けるボタンである。押しボタンスイッチ20は、利用者により押下されるとオンになり、操作信号を出力する。押しボタンスイッチ20は、本発明に係る「第1操作子」の一例である。
【0012】
蓋30は、筐体10の開口部11を開閉する。蓋30において押しボタンスイッチ20と重なる位置には、ボタン窓31が形成される。ボタン窓31は、押しボタンスイッチ20を外部に露出させるための孔である。ボタン窓31は、押しボタンスイッチ20が通る大きさを有し、蓋30を厚み方向に貫通する。図1及び図3に示されるように、押しボタンスイッチ20は、蓋30のボタン窓31を介して外部に露出する。これにより、利用者は、蓋30を開けなくても押しボタンスイッチ20を押下することができる。蓋30の裏面には、図1及び図3に示されるように、ボタン窓31と蓋30の左端との間に突起32が設けられる。なお、図1に示される突起32の位置は一例であり、これに限定されない。突起32は、必ずしもボタン窓31と隣り合う位置に設けられなくてもよく、押しボタンスイッチ20と干渉しない位置であれば、蓋30の裏面のどの位置に設けられてもよい。突起32は、中空の円筒形状を有し、蓋30の裏面から突出する。突起32には、磁石33が設けられる。磁石33を設ける方法は、突起32の先端に磁石33を接着するという方法であってもよいし、突起32内に磁石33を埋め込むという方法であってもよい。
【0013】
図4は、基板40上の構成の一例を示すブロック図である。基板40上には、上述した押しボタンスイッチ20に加えて、制御部41と、記憶部42と、入出力部43と、開閉検知部44と、選択スイッチ45とが設けられる。これらの構成要素は、バスを介して接続されている。制御部41は、通報装置1の各部の制御及び各種の処理を行う。制御部41は、CPU等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部41が行う制御及び処理は、プロセッサが記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部42は、通報装置1の機能を実現するためのプログラムを含む各種のデータを記憶する。記憶部42は、RAM、EEPROM等のメモリを含む。入出力部43は、各種の信号の入出力を行う。入出力部43は、有線又は無線で外部装置に接続されており、外部装置に信号を出力する。
【0014】
開閉検知部44は、蓋30の突起32に設けられた磁石33の検知により蓋30の開閉を検知する。開閉検知部44は、磁石33を検知した場合には蓋30の閉状態を検知する。一方、開閉検知部44は、磁石33を検知しない場合には蓋30の開状態を検知する。開閉検知部44としては、例えば磁気センサが用いられる。磁気センサには、例えばホールIC、マグネットスイッチ、及びリードスイッチが含まれる。ただし、磁気センサは、これらの例に限定されず、磁石33を検知するものであればどのようなものでもよい。
【0015】
図2に示されるように、開閉検知部44は、基板40の表面において、突起32に設けられた磁石33を検知し得る位置に設けられる。すなわち、開閉検知部44は、その検知範囲が突起32に設けられた磁石33を含む位置に設けられる。開閉検知部44が感度指向性を有する場合には、検知範囲の大きさは方向によって異なってもよい。例えば開閉検知部44は、図2に示されるように、その検知範囲が突起32の少なくとも先端を含み、突起32と対向する位置に設けられてもよい。或いは、開閉検知部44は、その検知範囲が突起32の少なくとも先端を含み、突起32と対向しない位置、例えば突起32と左右に隣り合う位置に設けられてもよい。
【0016】
図4に戻り、選択スイッチ45は、複数の用途に応じた複数の動作モードのうちいずれかの動作モードを選択する操作を受け付ける。ここでは、通報装置1は、非常通報ボタンとしての用途に応じた第1動作モードと、救助ボタンとしての用途に応じた第2動作モードと、火災通報ボタンとしての用途に応じた第3動作モードとを有するものとする。選択スイッチ45は、利用者の操作に応じて、通報装置1の動作モードの数だけ信号を切り替えて出力する。選択スイッチ45としては、例えば1回路3接点のスライドスイッチが用いられる。ただし、選択スイッチ45は、1回路3接点のスライドスイッチに限定されず、3回路1接点のスライドスイッチであってもよいし、スライドスイッチ以外のスイッチでもよい。要するに、選択スイッチ45は、通報装置1の動作モードを選択する操作を受け付けるものであればどのようなものでもよい。選択スイッチ45は、本発明に係る「第2操作子」の一例である。
【0017】
図5は、蓋30を開けた状態の通報装置1の一例を示す正面図である。選択スイッチ45は、基板40の表面上に設けられる。利用者は、蓋30を開けることにより、選択スイッチ45を操作することができる。
【0018】
図4に戻り、制御部41は、切替部411と、通報部412として機能する。これらの機能は、制御部41のプロセッサが記憶部42に記憶されたプログラムを実行して演算を行い又は自装置の各部を制御することにより実現される。
【0019】
切替部411は、通報装置1の動作モードを選択スイッチ45の操作により選択された動作モードに切り替える。また、切替部411は、蓋30を開いてから閉じるという、動作モードを切り替える処理のトリガとして予め定められた操作が行われたことを条件にこの動作モードの切替えを行う。
【0020】
通報部412は、押しボタンスイッチ20が押下されると、切替部411による切替え後の動作モードに応じた通報を行う。通報部412は、切替え後の動作モードによって異なる信号を外部装置に送信する。
【0021】
図3に戻り、電源50は、基板40上に設けられた各構成要素と電源線を介して接続されており、各構成要素に電力を供給する。電源50には、例えば電池が含まれる。
【0022】
2.動作
図6は、通報装置1の動作の一例を示すフローチャートである。利用者は、通報装置1の利用を開始する前に動作モードの切替えを行う。なお、初期状態において通報装置1は、例えば第1動作モードで動作してもよい。動作モードを切り替える際、利用者は、蓋30を開いた後、選択スイッチ45を用いて所望の用途に応じた動作モードを選択する操作を行ってから蓋30を閉じる。
【0023】
利用者が蓋30を開くと、ステップS11において開閉検知部44は、磁石33を検知しなくなるため蓋30の開状態を検知する(ステップS11の判定がYES)。利用者は、蓋30を開けた後、ステップS12において選択スイッチ45を用いて所望の用途に応じた動作モードを選択する操作を行う。この操作に応じて、選択された動作モードを示す選択信号が切替部411に供給される。
【0024】
例えば通報装置1を非常通報ボタンとして利用する場合、利用者は選択スイッチ45を用いて非常通報ボタンの用途に応じた第1動作モードを選択する操作を行う。この場合、第1動作モードを示す第1選択信号が切替部411に供給される。通報装置1を救助ボタンとして利用する場合、利用者は、選択スイッチ45を用いて救助ボタンの用途に応じた第2動作モードを選択する操作を行う。この場合、第2動作モードを示す第2選択信号が切替部411に供給される。通報装置1を火災通報ボタンとして利用する場合、利用者は、選択スイッチ45を用いて火災通報ボタンの用途に応じた第3動作モードを選択する操作を行う。この場合、第3動作モードを示す第3選択信号が切替部411に供給される。
【0025】
利用者が蓋30を閉じると、ステップS13において開閉検知部44は、磁石33を検知するため蓋30の閉状態を検知する(ステップS13の判定がYES)。このように、蓋30が開状態になってから閉状態になったことが検知されると、ステップS14以降の動作モードを切り替える処理が開始される。なお、ステップS11の判定がNOの場合には、ステップS12以降の処理は行われない。ステップS13の判定がNOの場合には、ステップS13の判定がYESになるまでステップS13の判定を繰り返す。
【0026】
ステップS14において、切替部411は、選択信号により示される動作モードに切り替える。例えば第1動作モードを示す第1選択信号が供給された場合、切替部411は第1動作モードに切り替える。第2動作モードを示す第2選択信号が供給された場合、切替部411は第2動作モードに切り替える。第3動作モードを示す第3選択信号が供給された場合、切替部411は第3動作モードに切り替える。
【0027】
このようにして動作モードが切り替えられると、切替え後の動作モードが記憶部42に記憶される。記憶部42に記憶された動作モードは、電源50が再投入された際に、この動作モードに従って通報装置1が動作するために用いられる。
【0028】
利用者は、通報が必要な状況になると押しボタンスイッチ20を押下する。利用者により押しボタンスイッチ20が押下されると、押しボタンスイッチ20がオンになり、制御部41に操作信号が供給される。通報部412は、ステップS14において切り替えられた動作モードに応じた通報を行う。
【0029】
例えば切替え後の動作モードが第1動作モードである場合、通報部412は異常な事象を通報する非常信号を外部装置に送信する。切替え後の動作モードが第2動作モードである場合、通報部412は救助を求める救助信号を外部装置に送信する。切替え後の動作モードが第3動作モードである場合、通報部412は火災を通報する火災信号を外部装置に送信する。通報装置1から信号が送信されると、外部装置側では例えば担当者がこの信号に応じた対処を行う。
【0030】
以上説明した実施形態によれば、利用者が選択スイッチ45を用いて通報装置1の用途に応じた動作モードを選択する操作を行うことにより、共通の通報装置1を非常通報ボタンとしての用途、救助ボタンとしての用途、火災通報ボタンとしての用途等の複数の用途で選択的に使用することができる。また、動作モードを切り替える処理のトリガとなる明示的な操作が利用者により行われたことを条件に動作モードを切り替える処理が行われるため、動作モードを切り替える処理が誤って行われるのを防ぐことができる。
【0031】
3.変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態は、以下の変形例のように変形して実施されてもよい。また、以下の2以上の変形例は、組み合わせて用いられてもよい。実施形態と1以上の変形例とは、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。
【0032】
変形例1
上述した実施形態において、利用者により予め決められた通報装置1の用途に応じた動作モードと、選択スイッチ45の操作により選択された動作モードとが相違する場合には、通報装置1が利用者に警告を行ってもよい。この変形例では、通報装置1はインターネット等の通信回線を介してサーバ装置に接続されている。なお、通報装置1は通信回線に直接接続されてもよいし、外部装置を介して通信回線に接続されてもよい。よって、1又は複数の通報装置1とサーバ装置とにより通報システムが構成される。サーバ装置には、利用者により予め決められた通報装置1の用途に応じた動作モードを示す動作モード情報が通報装置1毎に記憶される。例えば利用者は通報装置1の所望の用途を事業者に知らせ、この事業者が利用者の所望の用途に応じた動作モードを示す動作モード情報をサーバ装置に入力し記憶させる。或いは、利用者がユーザ端末を用いて通報装置1の所望の用途に応じた動作モードを示す動作モード情報をサーバ装置に入力し記憶させてもよい。ユーザ端末としては、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、又はパーソナルコンピュータが用いられる。
【0033】
図7は、この変形例に係る通報装置1の基板40上の構成の一例を示すブロック図である。この変形例では、通報装置1の基板40上には、上述した実施形態において説明した構成に加えて、報知部46が設けられる。報知部46は、利用者に各種の情報を報知する。報知部46には、例えばLEDが含まれる。ただし、報知部46はLEDに限定されず、ディスプレイ、スピーカー等、利用者に情報を報知できるものであればどのようなものでもよい。また、通報装置1は、制御部41のプロセッサが記憶部42に記憶されたプログラムを実行して演算を行い又は自装置の各部を制御することにより、上述した実施形態において説明した機能に加え、通知部413と、報知制御部414として機能する。通知部413は、選択スイッチ45の操作により選択された動作モードをサーバ装置に通知する。サーバ装置は、複数ある通報装置1毎に、切替可能な一つ又は複数の動作モードを記憶しておき、通報装置1から通知された動作モードとその通報装置1に対して予め決められた動作モードとが相違する場合には、動作モードが相違することを示す応答を行う。報知制御部414は、サーバ装置からこの応答が行われると、動作モードが相違することを報知部46に報知させる。また、サーバ装置から動作モードが相違することを示す応答が行われた場合、切替部411は、選択スイッチ45の操作により選択された動作モードへの切替えを行わなくてもよい。さらに、サーバ装置から動作モードが相違することを示す応答が受信された場合、通報部412は、押しボタンスイッチ20が押下されても通報を行わなくてもよい。
【0034】
サーバ装置は、上述した制御部41と同様の制御部と、上述した記憶部42と同様の記憶部と、通報装置1と通信を行う通信部とを備える。サーバ装置は、制御部のプロセッサが記憶部に記憶されたプログラムを実行して演算を行い又は自装置の各部を制御することにより、受信部と、判定部と、送信部として機能する。例えば利用者により通報装置1の用途として非常通報ボタンとしての用途が予め決められた場合、サーバ装置の記憶部には非常通報ボタンの用途に応じた第1動作モードを示す動作モード情報が記憶される。利用者が選択スイッチ45を用いて救助ボタンの用途に応じた第2動作モードを選択する操作を行うと、通報装置1の通知部413は、第2動作モードを示す通知をサーバ装置に送信する。例えば、図6のステップS13の判定がYESの場合、選択された第2動作モードを示す通知を送信する。サーバ装置の受信部は、通報装置1からこの通知を受信する。サーバ装置の判定部は、この通知により示される第2動作モードが、動作モード情報により示される第1動作モードと一致するか否か判定する。この例では、これらの動作モードが相違するため、サーバ装置の送信部は、動作モードが相違することを示す応答を通報装置1に送信する。通報装置1の報知制御部414は、サーバ装置からこの応答を受信すると、動作モードが相違することを報知部46に報知させる。例えば報知制御部414は、動作モードが相違することを示す点灯パターンで報知部46のLEDを点灯させる。なお、ステップS13は省略し、ステップS12で動作モードの選択操作が行われたら、選択された動作モードを示す通知をサーバ装置に送信してステップS14に進んでもよい。
【0035】
また、サーバ装置から動作モードが相違することを示す応答が受信された場合、通報装置1の切替部411は、選択スイッチ45の操作により選択された第2動作モードへの切替えを行わなくてもよい。さらに、サーバ装置から動作モードが相違することを示す応答が受信された場合、通報装置1の通報部412は、押しボタンスイッチ20が押下されても通報を行わなくてもよい。これは、サーバ装置から動作モードが相違することを示す応答が受信された場合には、通報装置1が利用者の所望の用途に応じた動作モードに切り替えられていないことを意味するため、押しボタンスイッチ20の押下に応じて利用者が意図した通報を行うことができないためである。また、ステップS14で動作モードを切替えた通報装置1が、サーバ装置から動作モードが相違することを示す応答を受信した場合、動作モードの切替を取消してもよい(切替前の動作モードに戻る)。
【0036】
報知部46により動作モードが相違することが報知されると、利用者は、選択スイッチ45の操作に誤りがあったことに気づき、再び上述した実施形態において説明した操作を行うことにより、非常通報ボタンの用途に応じた第1動作モードを選択し直すことができる。この場合、通報装置1から受信された通知により示される第1動作モードが、動作モード情報により示される第1動作モードと同じであるため、動作モードが一致することを示す応答がサーバ装置から通報装置1に送信される。サーバ装置からこの応答が受信された場合には、上述した実施形態と同様に、選択スイッチ45の操作により選択された非常通報ボタンの用途に応じた第1動作モードへの切り替えが行われる。第1動作モードへの切り替えが行われると、通報部412は、押しボタンスイッチ20の押下により通報を行う正常な動作に戻る。なお、選択スイッチ45の操作により選択された動作モードを示す通知をサーバ装置に送信するタイミングは、選択スイッチ45が操作されたタイミング以外でもよい。例えば、決まった時刻に送信してもよいし、他の情報(充電量、蓋30の開閉履歴、押しボタンスイッチ20の操作履歴等)と併せて送信してもよい。サーバ装置は、通知を受信したタイミングで、動作モードが予め決められた動作モードであるか判定する。
【0037】
この変形例によれば、利用者の操作により選択された動作モードと利用者により予め決められた用途に応じた動作モードとが相違する場合には、利用者の誤操作により誤った動作モードが選択された可能性があるため、利用者に警告が行われる。このような警告が行われると、利用者は動作モードを選択し直すことができる。また、この場合に利用者の操作により選択された動作モードへの切替えが行われないようにすると、利用者の誤操作により通報装置1の動作モードが利用者の意図しない用途に応じた動作モードに切り替えられることが防止される。その結果、通報装置1の用途が誤って選択されたまま運用され、実際に押しボタンスイッチ20が押下されたときに、利用者が意図しない信号が送信されることを防ぐことができる。
【0038】
変形例2
上述した実施形態において、利用者により予め決められた通報装置1の用途に応じた動作モードと、選択スイッチ45の操作により選択された動作モードとが相違する場合には、通報装置1と異なる装置が利用者に警告を行ってもよい。この変形例では、上述した変形例1と同様に、通報装置1はインターネット等の通信回線を介してサーバ装置に接続されている。通報装置1は、制御部41のプロセッサが記憶部42に記憶されたプログラムを実行して演算を行い又は自装置の各部を制御することにより、上述した実施形態において説明した機能に加え、上述した変形例1において説明した通知部413として機能する。サーバ装置は、動作モードが相違することを示す警告情報を出力する出力部を備える。出力部には、例えばディスプレイ等の表示部や通信部が含まれる。
【0039】
例えば利用者により通報装置1の用途として非常通報ボタンとしての用途が予め決められた場合、サーバ装置には非常通報ボタンの用途に応じた第1動作モードを示す動作モード情報が記憶される。利用者が選択スイッチ45を用いて救助ボタンの用途に応じた第2動作モードを選択する操作を行うと、通報装置1の通知部413は、第2動作モードを示す通知をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、通報装置1から受信された通知により示される第2動作モードと動作モード情報により示される第1動作モードとが相違するため、動作モードが相違することを示す警告情報を出力部から出力する。例えばサーバ装置は、動作モードが相違することを示す警告情報を表示部に表示させる。警告情報が表示されると、例えばサーバ装置を管理する事業者から利用者に動作モードが相違する旨の連絡が行われる。或いは、サーバ装置は、通報装置1の利用者が使用するユーザ端末に動作モードが相違することを示す警告情報を通信部から送信する。この警告情報は、電子メールを利用して送信されてもよい。ユーザ端末としては、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、又はパーソナルコンピュータが用いられる。ユーザ端末は、サーバ装置から警告情報を受信すると、受信した警告情報を表示する。
【0040】
事業者からの連絡又はユーザ端末の表示により、利用者は、選択スイッチ45の操作に誤りがあったことに気づき、再び上述した実施形態において説明した操作を行うことにより、非常通報ボタンの用途に応じた第1動作モードを選択し直すことができる。この場合、通報装置1から受信された通知により示される第1動作モードが、動作モード情報により示される第1動作モードと同じであるため、動作モードが一致することを示す応答がサーバ装置から通報装置1に送信される。サーバ装置からこの応答が受信された場合には、上述した実施形態と同様に、選択スイッチ45の操作により選択された非常通報ボタンの用途に応じた第1動作モードへの切り替えが行われる。
【0041】
この変形例によれば、利用者の操作により選択された動作モードと利用者により予め決められた用途に応じた動作モードとが相違する場合には、利用者の誤操作により誤った動作モードが選択された可能性があるため、利用者に警告が行われる。このような警告が行われると、利用者は動作モードを選択し直すことができる。そのため、利用者の誤操作により通報装置1の動作モードが利用者の意図しない用途に応じた動作モードに切り替えられることが抑制される。その結果、通報装置1の用途が誤って選択されたまま運用され、実際に押しボタンスイッチ20が押下されたときに、利用者が意図しない信号が送信されることを防ぐことができる。
【0042】
変形例3
上述した実施形態において、開閉検知部44は、磁気を利用して蓋30を開閉するものに限定されない。例えば開閉検知部44は、蓋30が閉状態になると突起32により押されるスイッチであってもよい。或いは、開閉検知部44は、光を利用して蓋30の開閉を検知する光センサであってもよい。この変形例に係る構成でも、蓋30の開閉を検知することができる。
【0043】
変形例4
上述した実施形態において、通報部412は、動作モードによって異なる信号を送信するものに限定されない。例えば通報部412は、動作モードによって種類の異なる信号を送信してもよいし、内容の異なる信号を送信してもよい。或いは、通報部412は、動作モードによって異なる通報先に信号を送信してもよいし、動作モードによって異なるタイミングで信号を送信してもよい。この変形例に係る構成でも、動作モードによって異なる通報を行うことができる。
【0044】
変形例5
上述した実施形態において、通報装置1の用途は、非常通報ボタンとしての用途、救助ボタンとしての用途、及び火災通報ボタンとしての用途に限定されない。例えばカメラを使った見守りや通報装置1の位置情報を使った見守りの要請を行う要請ボタンとしての用途などであってもよい。さらに、通報装置1の動作モードは、送信する信号の発信間隔(5秒又は15秒毎など)や発信回数(1回又は複数回など)などを変える信号制御のモード切替えを対象としてもよい。
【0045】
変形例6
上述した実施形態において、通報装置1の用途の数は、3つに限定されず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。選択スイッチ45は、利用者の操作に応じて、通報装置1の用途の数だけ信号を切り替えて出力するものであればよい。
【0046】
変形例7
上述した実施形態において、押しボタンスイッチ20に代えて、検出スイッチ、ロッカースイッチ、又はタッチパネルに表示された操作画像が用いられてもよい。この検出スイッチ、ロッカースイッチ、及び操作画像も本発明に係る「第1操作子」の一例である。要するに、本発明に係る操作子は、通報する操作を受け付けるものであればどのようなものでもよい。この変形例に係る構成でも、利用者の操作に応じて通報することができる。
【0047】
変形例8
上述した実施形態において、通報装置1の構成、構造、及び配置は上述した例に限定されない。通報装置1は、上述した構成を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の構成を含まずに構成されてもよい。通報装置1は、上述した構造と異なる構造を有してもよい。通報装置1の各部は、上述した配置と異なる配置であってもよい。
【0048】
変形例9
上述した実施形態において、通報装置1の制御部41は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等の回路を含み、通報装置1の機能の少なくとも一部はこの回路により実現されてもよい。
【0049】
変形例10
上述した実施形態において、通報装置1の動作は上述した例に限定されない。通報装置1の処理手順は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。また、通報装置1の一部の処理手順が省略されてもよい。
【0050】
変形例11
本発明の別の形態は、通報装置1において行われる処理のステップを有する方法を提供してもよい。本発明のさらに別の形態は、通報装置1において実行されるプログラムを提供してもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等を介したダウンロードによって提供されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1:通報装置、10:筐体、11:開口部、20:押しボタンスイッチ、30:蓋、31:ボタン窓、32:突起、33:磁石、40:基板、41:制御部、42:記憶部、43:入出力部、44:開閉検知部、45:選択スイッチ、46:報知部、50:電源、411:切替部、412:通報部、413:通知部、414:報知制御部
図1
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図7