(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065688
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】監視カメラシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240508BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174681
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉置 俊平
(72)【発明者】
【氏名】尾形 英宣
(72)【発明者】
【氏名】田中 義久
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 萌
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FE02
5C054FE14
5C054GB02
5C054GB05
5C054GB11
5C054HA19
5C087AA09
5C087AA25
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG14
(57)【要約】
【課題】確認対象の画像に写る人物の次の移動先を容易に把握できるようにする。
【解決手段】監視カメラシステムは、複数の撮影装置を用いて監視領域に存在する人物を撮影する。識別部212は、複数の撮影装置が撮影した複数の画像データに含まれる人物を識別する。記憶部202は、監視領域における複数の撮影装置の設置場所を含む地図データと、複数の撮影装置により撮影された複数の画像データと、画像データに含まれる人物の識別結果及びこの画像データを撮影した撮影装置を紐づけた時系列のログデータとを記憶する。表示部205は、第1の撮影装置が人物を撮影した画像データを表示するとともに、第1の撮影装置の次にこの人物を撮影した他の撮影装置の設置場所に基づいて当該人物の移動先を地図データ上に表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮影装置を用いて監視領域に存在する人物を撮影する監視カメラシステムであって、
前記複数の撮影装置が撮影した複数の画像データに含まれる前記人物を識別する識別部と、
前記監視領域における前記複数の撮影装置の設置場所を含む地図データと、前記複数の撮影装置が撮影した前記複数の画像データと、前記画像データに含まれる人物の識別結果及び当該画像データを撮影した撮影装置を紐づけた時系列のログデータとを記憶する記憶部と、
前記複数の撮影装置に含まれる第1の撮影装置が前記人物を撮影した画像データを表示するとともに、前記第1の撮影装置の次に当該人物を撮影した第2の撮影装置の設置場所に基づいて当該人物の移動先を前記地図データ上に表示する表示部と、
を備える監視カメラシステム。
【請求項2】
前記表示部は、前記第1の撮影装置の設置場所と前記第2の撮影装置の設置場所との関係に応じて動きが異なるアイコンを前記地図データ上に表示することで、前記人物の移動先を表す
請求項1に記載の監視カメラシステム。
【請求項3】
前記表示部は、前記第1の撮影装置の撮影範囲から前記第2の撮影装置の撮影範囲に向かう方向に前記アイコンを直線移動させる
請求項2に記載の監視カメラシステム。
【請求項4】
前記地図データは、第1の監視領域の第1の地図データと、第2の監視領域の第2の地図データとを含み、
前記表示部は、
前記第1の撮影装置の設置場所と前記第2の撮影装置の設置場所とが同一の地図データに含まれる場合、前記第1の撮影装置と前記第2の撮影装置との設置場所の位置関係に応じた方向に移動する前記アイコンを前記地図データ上に表示し、
前記第1の撮影装置の設置場所と前記第2の撮影装置の設置場所とが異なる地図データに含まれる場合、前記第1の監視領域と前記第2の監視領域との位置関係に応じた方向に移動する前記アイコンを前記地図データ上に表示する
請求項2に記載の監視カメラシステム。
【請求項5】
前記表示部は、さらに前記人物が前記第1の撮影装置に撮影されてから前記第2の撮影装置に撮影されるまでに要する時間に応じて、表示する前記アイコンの動きを異ならせる
請求項2に記載の監視カメラシステム。
【請求項6】
前記表示部は、第1のアイコンを用いて前記人物の移動先を表示するとともに、前記複数の撮影装置の各々の設置場所を、第2のアイコンを用いて識別可能に表示し、前記人物を撮影した前記撮影装置の設置場所と、前記人物を撮影していない他の撮影装置の設置場所とを、前記第2のアイコンを用いて区別して表示する
請求項1に記載の監視カメラシステム。
【請求項7】
利用者による前記ログデータの選択を受け付ける操作部を、さらに備え、
前記表示部は、前記選択されたログデータに紐づいた前記第1の撮影装置の前記画像データを表示するとともに、当該ログデータに紐づいた前記人物を前記第1の撮影装置の次に撮影した前記第2の撮影装置を特定し、特定した第2の撮影装置の設置場所に基づいて前記人物の移動先を前記地図データ上に表示する
請求項1に記載の監視カメラシステム。
【請求項8】
複数の撮影装置を用いて監視領域に存在する人物を撮影するコンピュータに、
前記複数の撮影装置が撮影した複数の画像データに含まれる前記人物を識別するステップと、
前記監視領域における前記複数の撮影装置の設置場所を含む地図データと、前記複数の撮影装置が撮影した前記複数の画像データと、前記画像データに含まれる人物の識別結果及び当該画像データを撮影した撮影装置を紐づけた時系列のログデータとを記憶するステップと、
前記複数の撮影装置に含まれる第1の撮影装置が前記人物を撮影した画像データを表示するとともに、前記第1の撮影装置の次に当該人物を撮影した第2の撮影装置の設置場所に基づいて当該人物の移動先を前記地図データ上に表示するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
複数の撮影装置を用いて監視領域に存在する人物を撮影する監視カメラシステムであって、
前記複数の撮影装置が撮影した複数の画像データに含まれる前記人物を識別する識別部と、
前記監視領域における前記複数の撮影装置の設置場所を含む地図データと、前記画像データに含まれる人物の識別結果及び当該画像データを撮影した撮影装置を紐づけた時系列のログデータとを記憶する記憶部と、
利用者による前記ログデータの選択を受け付ける操作部と、
前記選択されたログデータに紐づいた第1の撮影装置の設置場所と、当該ログデータに紐づいた前記人物を前記第1の撮影装置の次に撮影した第2の撮影装置の設置場所とに基づいて、前記第1の撮影装置の撮影範囲から前記第2の撮影装置の撮影範囲に向かう方向に直線移動するアイコンを前記地図データ上に表示することで前記人物の移動先を表す表示部と、
を備える監視カメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域を監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラで撮影した映像を記録し、記録映像を再生可能な監視カメラシステムがある。また、記録映像に写っている人物の巡回経路をマップ上に表示する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録映像を再生することで撮影された人物の存在は確認できるが、その人物の移動先を再生映像から把握することは容易でない。また、特許文献1に記載の技術のように、人物の詳細な移動経路を示す動線を地図データ上に表示すると、人物の動きによっては動線が重なったり入り乱れたりするため、撮影装置により撮影された人物の次の移動先を把握し難いという問題があった。
【0005】
本発明は、確認対象の画像に写る人物の次の移動先を容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の撮影装置を用いて監視領域に存在する人物を撮影する監視カメラシステムであって、前記複数の撮影装置が撮影した複数の画像データに含まれる前記人物を識別する識別部と、前記監視領域における前記複数の撮影装置の設置場所を含む地図データと、前記複数の撮影装置が撮影した前記複数の画像データと、前記画像データに含まれる人物の識別結果及び当該画像データを撮影した撮影装置を紐づけた時系列のログデータとを記憶する記憶部と、前記複数の撮影装置に含まれる第1の撮影装置が前記人物を撮影した画像データを表示するとともに、前記第1の撮影装置の次に当該人物を撮影した第2の撮影装置の設置場所に基づいて当該人物の移動先を前記地図データ上に表示する表示部と、を備える監視カメラシステムを提供する。
【0007】
前記表示部は、前記第1の撮影装置の設置場所と前記第2の撮影装置の設置場所との関係に応じて動きが異なるアイコンを前記地図データ上に表示することで、前記人物の移動先を表してもよい。
【0008】
前記表示部は、前記第1の撮影装置の撮影範囲から前記第2の撮影装置の撮影範囲に向かう方向に前記アイコンを直線移動させてもよい。
【0009】
前記地図データは、第1の監視領域の第1の地図データと、第2の監視領域の第2の地図データとを含み、前記表示部は、前記第1の撮影装置の設置場所と前記第2の撮影装置の設置場所とが同一の地図データに含まれる場合、前記第1の撮影装置と前記第2の撮影装置との設置場所の位置関係に応じた方向に移動する前記アイコンを前記地図データ上に表示し、前記第1の撮影装置の設置場所と前記第2の撮影装置の設置場所とが異なる地図データに含まれる場合、前記第1の監視領域と前記第2の監視領域との位置関係に応じた方向に移動する前記アイコンを前記地図データ上に表示してもよい。
【0010】
前記表示部は、さらに前記人物が前記第1の撮影装置に撮影されてから前記第2の撮影装置に撮影されるまでに要する時間に応じて、表示する前記アイコンの動きを異ならせてもよい。
【0011】
前記表示部は、第1のアイコンを用いて前記人物の移動先を表示するとともに、前記複数の撮影装置の各々の設置場所を、第2のアイコンを用いて識別可能に表示し、前記人物を撮影した前記撮影装置の設置場所と、前記人物を撮影していない他の撮影装置の設置場所とを、前記第2のアイコンを用いて区別して表示してもよい。
【0012】
前記監視カメラシステムは、利用者による前記ログデータの選択を受け付ける操作部を、さらに備え、前記表示部は、前記選択されたログデータに紐づいた前記第1の撮影装置の前記画像データを表示するとともに、当該ログデータに紐づいた前記人物を前記第1の撮影装置の次に撮影した前記第2の撮影装置を特定し、特定した第2の撮影装置の設置場所に基づいて前記人物の移動先を前記地図データ上に表示してもよい。
【0013】
本発明の別の態様は、複数の撮影装置を用いて監視領域に存在する人物を撮影するコンピュータに、前記複数の撮影装置が撮影した複数の画像データに含まれる前記人物を識別するステップと、前記監視領域における前記複数の撮影装置の設置場所を含む地図データと、前記複数の撮影装置が撮影した前記複数の画像データと、前記画像データに含まれる人物の識別結果及び当該画像データを撮影した撮影装置を紐づけた時系列のログデータとを記憶するステップと、前記複数の撮影装置に含まれる第1の撮影装置が前記人物を撮影した画像データを表示するとともに、前記第1の撮影装置の次に当該人物を撮影した第2の撮影装置の設置場所に基づいて当該人物の移動先を前記地図データ上に表示するステップと、を実行させるためのプログラムを提供する。
【0014】
本発明のさらに別の態様は、複数の撮影装置を用いて監視領域に存在する人物を撮影する監視カメラシステムであって、前記複数の撮影装置が撮影した複数の画像データに含まれる前記人物を識別する識別部と、前記監視領域における前記複数の撮影装置の設置場所を含む地図データと、前記画像データに含まれる人物の識別結果及び当該画像データを撮影した撮影装置を紐づけた時系列のログデータとを記憶する記憶部と、利用者による前記ログデータの選択を受け付ける操作部と、前記選択されたログデータに紐づいた第1の撮影装置の設置場所と、当該ログデータに紐づいた前記人物を前記第1の撮影装置の次に撮影した第2の撮影装置の設置場所とに基づいて、前記第1の撮影装置の撮影範囲から前記第2の撮影装置の撮影範囲に向かう方向に直線移動するアイコンを前記地図データ上に表示することで前記人物の移動先を表す表示部と、を備える監視カメラシステムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、確認対象の画像に写る人物の次の移動先を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る監視カメラシステムの構成の一例を示す図である。
【
図4】監視装置の画像解析処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】監視装置の表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】変更後の対象撮影ログを示すログ表示画面の一例を示す図である。
【
図9】変更後の対象撮影ログを示すログ表示画面の一例を示す図である。
【
図10】変更後の対象撮影ログを示すログ表示画面の一例を示す図である。
【
図11】変更後の対象撮影ログを示すログ表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.構成
図1は、実施形態に係る監視カメラシステム1の構成の一例を示す図である。監視カメラシステム1は、複数の撮影装置10を用いて監視領域45に存在する人物を撮影し、不審者の侵入や従業員の動きなどを監視する。監視カメラシステム1は、複数の撮影装置10と、監視装置20とを備える。複数の撮影装置10と監視装置20とは、監視区画40に設置され、ネットワーク30を介して接続されている。監視区画40は、例えば監視対象の建物などの物件である。監視区画40は、複数の監視領域45を有する。複数の監視領域45は、例えば監視対象の建物における異なるフロア、又は異なる部屋である。各監視領域45には、少なくとも一つの複数の撮影装置10が設置される。監視装置20は、例えば監視対象の建物内の管理室に設置される。ネットワーク30は、例えば監視区画40内に構築されたLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークであり、複数の撮影装置10と監視装置20とをデータ通信可能に接続する。なお、監視装置20は監視区画40の外にあってもよく、複数の監視区画40に設置される複数の撮影装置10とデータ通信してもよい。
【0018】
撮影装置10は、監視領域45の画像データを撮影し、この画像データを監視装置20に送信する。撮影装置10は、例えば90度カメラや全方位カメラなどの広角レンズを搭載したネットワークカメラである。画像データは、例えば動画データである。ただし、画像データは、動画データに限定されず、静止画データであってもよい。撮影装置10は、例えば24時間撮影を行い、撮影した画像データを記憶する。そして、撮影装置10は、所定の契機に応じて、この画像データを監視装置20に送信する。
【0019】
監視装置20は、撮影装置10により撮影された画像データに基づいて利用者が監視領域45を監視するために用いられる。監視装置20は、例えば汎用のコンピュータである。監視装置20は、撮影装置10から受信した画像データを表示する。また、監視装置20は、この画像データとともに、この画像データに含まれる人物を撮影した撮影装置10の設置場所を地図データ上に識別可能に表示する。撮影装置10に人物が撮影されたということは、その撮影装置10の撮影範囲内にこの人物が存在していたことを示す。したがって、人物を撮影した撮影装置10の設置場所を地図データ上に識別可能に表示することにより、利用者は、監視領域45において人物がどのように移動したかを把握することができる。
【0020】
なお、
図1に示される例では、監視装置20は、一つの監視区画40内の複数の監視領域45を監視するために用いられているが、複数の監視区画40内の複数の監視領域45を監視するために用いられてもよい。この場合、監視装置20は、複数の監視区画40内の複数の監視領域45に設置された複数の撮影装置10に接続され、これらの撮影装置10により撮影された画像データを受信する。
【0021】
図2は、監視装置20の構成の一例を示す図である。監視装置20は、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、操作部204と、表示部205とを備える。監視装置20の各部は、バスを介して接続されている。
【0022】
制御部201は、監視装置20の各部の制御及び各種の処理を行う。制御部201は、例えば1又は複数のCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。記憶部202は、制御部201により用いられる各種のプログラム及びデータを記憶する。記憶部202は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリと、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などのストレージとを含む。記憶部202には、監視装置20の機能を実現させるためのプログラムと、複数の地図データと、複数の撮影装置10の設置場所を示す位置情報とが記憶される。複数の地図データは、それぞれ異なる監視領域45における撮影装置10の設置場所を含む。
【0023】
通信部203は、監視装置20をネットワーク30に接続するための通信インターフェースである。通信部203は、ネットワーク30を介して複数の撮影装置10とデータ通信を行う。操作部204は、例えばキーボード及びマウスであり、利用者による操作を受け付ける。表示部205は、例えば液晶ディスプレイであり、記憶部202に記憶された地図データ上に、撮影装置10により撮影された画像データと、この画像データに含まれる人物を撮影した撮影装置10の設置場所とを表示する。
【0024】
制御部201は、取得部211と、識別部212と、作成部213と、表示制御部214として機能する。これらの機能は、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを実行して、制御部201が演算を行い又は監視装置20の各部を制御することにより実現されるソフトウェアモジュールである。ただし、これらの機能の少なくとも一部は、電子回路の組み合わせにより実現されるハードウェアモジュールであってもよい。
【0025】
取得部211は、複数の撮影装置10により撮影された複数の画像データを取得し、記憶部202に記憶させる。各画像データには、撮影装置IDと、撮影日時とが含まれる。撮影装置IDは、画像データを撮影した撮影装置10を一意に識別する情報である。撮影日時は、撮影装置10により画像データが撮影された日時である。撮影日時には撮影時刻が含まれる。
【0026】
識別部212は、取得部211により取得された複数の画像データに画像処理を施して、これらの画像データに含まれる人物を識別する。ここでいう「人物を識別」とは、人物を見分けることをいう。人物の識別は、一の人物と他の人物とを区別できればよく、必ずしもその人物が誰であるかまでは特定しなくてもよい。画像処理には、例えば人物検出処理と、人物識別処理と、人物追跡処理とが含まれる。
【0027】
人物検出処理は、画像データから人物を検出する処理である。人物検出処理は、例えば背景差分法などの既知の方法を用いて行われる。
【0028】
人物識別処理は、人物検出処理により検出された人物を識別する処理である。人物識別処理は、例えば顔画像認識技術を利用して行われる。他の例として、人物識別処理は、服装や歩き方などの外見的特徴を用いて行われてもよい。
【0029】
また、予め登録された人物については、さらに個人特定処理が行われてもよい。個人特定処理は、人物識別処理により識別された人物について個人を特定する処理である。個人特定処理は、例えば顔画像認識技術を利用して行われる。例えば監視装置20には、従業員などの既知の人物の顔画像データと、その人物のユーザ名のセットとが予め登録される。識別部212は、予め登録された顔画像データの中から人物識別処理により識別された人物の顔画像データとマッチングする顔画像データ及びそのユーザ名を抽出し、人物識別処理により識別された人物をこのユーザ名の人物として特定する。なお、予め登録された人物以外の人物については、未登録の利用者として認識される。他の例として、個人特定処理は、ユーザ認証システムと連携して行われてもよい。例えばユーザ認証システムは、指紋、虹彩などの生体情報、又はIC(Integrated Circuit)カードを用いて従業員などの既知の人物のユーザ認証を行う。撮影装置10は、ユーザ認証を行う人物を撮影する。識別部212は、ユーザ認証システムからユーザ認証の結果を取得する。このユーザ認証の結果には、認証された人物のユーザ名が含まれる。識別部212は、このユーザ認証の結果に基づいて、撮影装置10により撮影されたユーザ認証を行う人物を、ユーザ認証により認証されたユーザ名の人物として特定する。
【0030】
人物追跡処理は、人物識別処理により識別された人物を追跡する処理である。人物追跡処理は、例えば領域特徴追跡法、特徴点追跡法などの既知の方法を用いて行われる。上述した顔認識技術を利用した人物識別処理では、画像データに含まれる人物の顔が正面を向いていない場合には、人物を認識することができない。そのため、撮影装置10により撮影された人物の顔が横又は後ろを向いている期間においては、人物が認識されない。しかし、人物追跡処理を行うことにより、撮影装置10により撮影された人物の顔が横又は後ろを向いている期間であっても、撮影装置10により撮影された人物を認識することができる。ただし、人物追跡処理は必須ではない。例えば人物検出処理、並びに顔画像認識技術を利用した人物識別処理及び個人特定処理だけが行われてもよい。
【0031】
作成部213は、識別部212により識別された人物毎にログリスト221(本発明に係るログデータの一例)を作成し、記憶部202に記憶させる。ログリスト221は、識別部212により識別された各人物がいつ、どの撮影装置10により撮影されたかを示す撮影履歴である。なおログリスト221は人物毎ではなく、撮影装置10毎に作成してもよい。この場合、作成部213は、撮影装置10毎に、どの人物がいつ撮影されたかを示す撮影履歴を作成する。ログリスト221は、撮影日時に基づいて時系列に沿って作成される。すなわち、ログリスト221は、撮影装置10により撮影された画像データに含まれる人物の識別結果及び当該画像データを撮影した撮影装置10を紐づけた時系列のデータである。
【0032】
図3は、ログリスト221の一例を示す図である。
図3では、ユーザXのログリスト221が示される。ログリスト221には、複数の撮影ログが含まれる。各撮影ログには、撮影日時と、撮影装置IDと、ユーザ名と、画像データとが含まれる。撮影日時及び撮影装置IDは、画像データに含まれる。なお、
図3に示される例では、撮影日時は、日、時、及び分という単位により示されているが、さらに秒という単位を用いて示されてもよい。ユーザ名は、識別部212により特定された人物のユーザ名である。なお、識別部212により個人が特定されなかった人物のユーザ名については、未登録であることを示すユーザ名が用いられる。
【0033】
なお、ログリスト221には、必ずしも人物を撮影した履歴を示す全ての撮影ログが含まれなくてもよい。例えば或る期間において、同一人物が同一の撮影装置10により連続して撮影された場合、この期間の最初の撮影ログ及び最後の撮影ログについてはログリスト221に含まれる。一方、これらの間の撮影ログについては、30分などの所定の時間間隔の撮影ログだけが含まれ、その他の撮影ログについては削除されるか、所定の時間間隔の撮影ログに集約されてもよい。なお、最初及び最後のみを撮影ログとして残すのではなく、同一人物を撮影し続けた時間全てを撮影ログとして残し、ログリスト上でも9時10分~9時40分のように撮影し続けた時間を表示してもよい。
【0034】
図2に戻り、表示制御部214は、記憶部202に記憶された地図データ上に、作成部213により撮影されたログリスト221に含まれる表示対象となる対象撮影ログを重ねて、表示部205に表示させる。後述するが、対象撮影ログとは
図6の設定画面250にて利用者がログを確認するために選択した撮影ログである。地図データには、記憶部202に記憶された撮影装置10の位置情報に基づいて、その地図データにより示される監視領域45に設置された各撮影装置10の設置場所がカメラアイコン311を用いて識別可能に表示される。そのため、地図データが各撮影装置10の設置位置を示す位置情報として用いられても良い。なお、ここでいう「アイコン」とは、対象を記号化した図形をいい、操作の用に供される画像でなくてもよい。また、設定画面250にて利用者に選択された人物である対象人物を撮影した撮影装置10の設置場所と対象人物を撮影していない撮影装置10の設置場所とは、カメラアイコン311の外観を異ならせることにより区別して表示される。カメラアイコン311は、本発明に係る第2のアイコンの一例である。
【0035】
また、表示制御部214は、記憶部202に記憶された複数の画像データのうち、撮影装置10が対象人物を撮影した画像データを地図データ上に表示させる。本実施例では、動画データから切り出したサムネイル画像312を地図データ上に表示させる例を説明する。表示制御部214は、まずはこの画像データのサムネイル画像312を表示させ、利用者の操作に応じてこの画像データを再生させる。画像データ及びサムネイル画像312はいずれも、本発明に係る撮影装置10により撮影された画像データの一例である。
【0036】
さらに、表示制御部214は、記憶部202に記憶された複数の撮影装置10の位置情報及びログリスト221に含まれる撮影日時に基づいて、上述した撮影装置10が対象人物を撮影した画像データとともに、この撮影装置10の次に対象人物を撮影した撮影装置10の設置場所に基づいて、人物アイコン313を用いて対象人物の移動先を地図データ上に表示させる。画像データと人物アイコン313とは、同一の画面において同一の地図データ上に併せて表示される。人物アイコン313は、人物を示すアイコンである。人物アイコン313は、本発明に係る第1のアイコンの一例である。表示制御部214は、表示対象となる画像データを撮影した撮影装置10の設置場所と、この画像データに含まれる対象人物を次に撮影した撮影装置10の設置場所との関係に応じて人物アイコン313の動きを異ならせたアニメーションの表示を行う。
【0037】
例えばこれらの撮影装置10が異なる撮影装置10であり、且つこれらの撮影装置10の設置場所が同一の地図データにより示される場合、対象人物は表示中の地図データにより示される監視領域45において一の撮影装置10の撮影範囲から他の撮影装置10の撮影範囲に移動したことを示す。この場合、表示制御部214は、表示中の地図データにより示される監視領域45において、対象人物が一の撮影装置10の撮影範囲から他の撮影装置10の撮影範囲に向かう方向に移動したことを示す人物アイコン313を動かすアニメーションを表示させる。
【0038】
また、これらの撮影装置10が同一の撮影装置10である場合、対象人物はこの撮影装置10の撮影範囲に滞在していることを示す。この場合、表示制御部214は、対象人物がこの撮影装置10の撮影範囲に滞在していることを示す人物アイコン313を動かすアニメーションを表示させる。
【0039】
さらに、これらの撮影装置10が異なる撮影装置10であり、且つこれらの撮影装置10の設置場所が異なる地図データにより示される場合、対象人物は一の撮影装置10の撮影範囲から表示中の地図データにより示される監視領域45とは異なる監視領域45に移動したことを示す。この場合、表示制御部214は、対象人物が一の撮影装置10の撮影範囲から表示中の地図データにより示される監視領域45とは異なる監視領域45の方に移動したことを示す人物アイコン313を動かすアニメーションを表示させる。
【0040】
2.動作
2.1 画像解析処理
図4は、監視装置20の画像解析処理の一例を示すフローチャートである。画像解析処理では、撮影装置10により撮影された人物が識別され、人物毎に撮影ログが作成される。画像解析処理は、操作部204を用いた利用者の操作に応じて開始されてもよいし、所定のタイミングで開始されてもよい。
【0041】
ステップS11において、取得部211は、複数の撮影装置10により撮影された複数の画像データを取得し、これらの画像データを記憶部202に記憶させる。例えば取得部211は、操作部204を用いた利用者の操作に応じて、複数の撮影装置10に画像データの取得要求を送信する。この取得要求に応じて複数の撮影装置10から複数の画像データが送信されると、取得部211はこれらの画像データを受信し、記憶部202に記憶させる。
【0042】
ステップS12において、識別部212は、ステップS11において受信された複数の画像データに画像処理を施して、これらの画像データに含まれる人物を識別する。まず、識別部212は、複数の画像データから人物を検出する人物検出処理を行う。続いて、識別部212は、人物検出処理により検出された人物を識別する人物識別処理を行う。また、識別部212は、予め登録された人物については、人物識別処理により識別された人物について個人を特定する個人特定処理を行う。さらに、識別部212は、人物識別処理により識別された人物を追跡する人物追跡処理を行う。これにより、複数の撮影装置10により撮影された人物が識別される。
【0043】
ステップS13において、作成部213は、ステップS12において行われた画像処理の結果を用いてログリスト221を作成し、記憶部202に記憶させる。例えば2022年10月1日9時00分に撮影装置10Aにより撮影された画像データからユーザXが認識された場合、
図3に示されるように、ログリスト221には、撮影日時「2022年10月1日9時00分」と、撮影装置ID「撮影装置10A」と、ユーザ名「ユーザX」と、この画像データとを含む撮影ログが追加される。また、2022年10月1日9時10分に撮影装置10Bにより撮影された画像データからユーザXが認識された場合、ログリスト221には、撮影日時「2022年10月1日9時10分」と、撮影装置ID「撮影装置10B」と、ユーザ名「ユーザX」と、その画像データとを含む撮影ログが追加される。
【0044】
2.2 表示処理
図5は、監視装置20の表示処理の一例を示すフローチャートである。表示処理では、上述した画像解析処理において作成された撮影ログが地図データ上に表示される。表示処理は、例えば利用者が操作部204を用いて表示処理の実行を指示する操作を行うと、この操作に応じて開始される。
【0045】
ステップS21において、表示制御部214は、表示処理の実行を指示する操作が行われると、まず表示処理の各種条件を設定するための設定画面250を表示部205に表示させる。
図6は、設定画面250の一例を示す図である。
図6(a)に示されるように、設定画面250は、人物選択領域260と、期間指定領域270と、リスト表示領域280とが含まれる。人物選択領域260は、監視対象となる対象人物を選択する操作を受け付ける。期間指定領域270は、表示対象となる対象期間を指定する操作を受け付ける。リスト表示領域280には、対象期間における対象人物の撮影ログのログリスト281が表示される。
【0046】
ステップS22において、利用者が操作部204を用いて監視対象となる対象人物を選択する操作を行うと、操作部204はこの操作を受け付ける。
図6(a)に示されるように、設定画面250の人物選択領域260には、選択画面ボタン261が含まれる。利用者が操作部204を用いて選択画面ボタン261を押すと、表示部205には
図6(b)に示される選択画面262が表示される。この選択画面262は、
図6(a)に示される設定画面250の上に重ねて表示されてもよいし、設定画面250に代えて又は設定画面250と並べて表示されてもよい。なお、設定画面250は、複数ユーザが混在する全ログリストを時系列に沿って表示し、ログリスト281にユーザ名とセットで顔画像を表示してもよい。この場合、ログリスト281上に表示された撮影ログを選択する操作を行うと、選択された撮影ログが対象撮影ログとなりステップS24へ進む。
【0047】
選択画面262には、人物リスト263と、決定ボタン264とが含まれる。人物リスト263は、上述した画像解析処理において識別された人物の一覧である。人物リスト263には、人物の顔画像と、その人物のユーザ名とのセットが複数含まれる。なお、上述した画像解析処理において個人が特定されなかった人物のユーザ名については、その人物の特徴から同一人物であると識別された未登録ユーザ毎に区別して「未登録ユーザ#1」などの未登録であることを示すユーザ名が用いられ、付与される。決定ボタン264は、人物の選択を決定する操作を受け付ける。利用者は、人物リスト263の中から監視対象となる対象人物を選択する操作を行った後、決定ボタン264を押す。例えば対象人物がユーザXである場合、利用者は、操作部204を用いて人物リスト263の中からユーザXを選択し、決定ボタン264を押す。これにより、ユーザXが対象人物として選択される。
【0048】
ステップS23において、利用者が操作部204を用いて表示対象となる対象期間を指定する操作を行うと、操作部204はこの操作を受け付ける。
図6(a)に示されるように、設定画面250の期間指定領域270には、入力領域271と、決定ボタン272とが含まれる。入力領域271は、対象期間を入力する操作を受け付ける。決定ボタン272は、対象期間を決定する操作を受け付ける。例えば対象期間が2022年10月1日7時00分から2022年10月1日19時00分である場合、利用者は、操作部204を用いて入力領域271にこれらの日時を入力し、決定ボタン272を押す。これにより、2022年10月1日7時00分から2022年10月1日19時00分までの期間が対象期間に指定される。
【0049】
ステップS24において、表示制御部214は、設定画面250のリスト表示領域280に、対象期間における対象人物の撮影ログのログリスト281を表示する。ここでは、対象人物がユーザXであり、対象期間が2022年10月1日7時00分から2022年10月1日19時00分までの期間である場合を例に挙げて説明する。この場合、
図3に示されるユーザXのログリスト221から、撮影日時が2022年10月1日7時00分から2022年10月1日19時00分までの期間に含まれる撮影ログが抽出される。ログリスト281は、抽出された撮影ログに含まれる撮影日時、撮影装置ID、及びユーザ名のセットを時系列に沿って並べることにより構成され、複数の撮影装置10が対象人物を撮影した順番を示す。
【0050】
ステップS25において、利用者が操作部204を用いて表示対象となる対象撮影ログを選択する操作を行うと、操作部204はこの操作を受け付ける。
図6(a)に示されるように、設定画面250のリスト表示領域280には、表示ボタン291が含まれる。表示ボタン291は、対象撮影ログの表示を指示する操作を受け付ける。例えば2022年10月1日9時00分に撮影装置10AがユーザXを撮影した撮影ログを閲覧したい場合、利用者は、操作部204を用いて、該当するNo.1の撮影ログを選択し、表示ボタン291を押す。これにより、No.1の撮影ログが対象撮影ログとして選択される。
【0051】
ステップS26において、表示制御部214は、表示ボタン291が押されると、ステップS25において選択された対象撮影ログを示すログ表示画面300を表示部205に表示させる。
図7は、ログ表示画面300の一例を示す図である。ここでは、対象撮影ログが
図6に示されるNo.1の撮影ログである例を挙げて説明する。この場合、ログ表示画面300には、記憶部202に記憶された複数の地図データのうち、No.1の撮影ログに対応する撮影装置10Aの設置場所を示す地図データが表示される。例えば撮影装置10Aが1階に設置されている場合、ログ表示画面300には1階の地図データが表示される。
【0052】
この地図データ上には、記憶部202に記憶された複数の撮影装置10の位置情報に基づいて、複数の撮影装置10の設置場所を示す複数のカメラアイコン311が表示される。ここで、複数の撮影装置10のうち、
図6に示されるログリスト281に含まれるNo.1~No.5の撮影ログに対応する撮影装置10A~10Cは、対象期間において対象人物であるユーザXを撮影している。したがって、撮影装置10A~10Cのカメラアイコン311A~311Cは不透明な濃色で表示される。さらに、対象撮影ログであるNo.1の撮影ログに対応する撮影装置10Aのカメラアイコン311Aは、他のカメラアイコン311とは異なる色で強調表示される。
図7に示される例においては、撮影装置10A、10B、及び10Cは、それぞれ、本発明に係る第1の撮影装置、第2の撮影装置、及び第3の撮影装置の一例である。一方、複数の撮影装置10のうち撮影装置10A~10C以外の撮影装置10は、対象期間において対象人物であるユーザXを撮影していない。したがって、撮影装置10A~10C以外の撮影装置10の設置場所を示す、カメラアイコン311A~311C以外のカメラアイコン311は半透明色で表示される。このように、対象人物であるユーザXを撮影した撮影装置10A~10Cのカメラアイコン311A~311Cと、ユーザXを撮影していない他の撮影装置10のカメラアイコン311とは、区別して表示される。
【0053】
また、カメラアイコン311Aの近傍には、NO.1の撮影ログに対応する画像データ、すなわち撮影装置10Aにより2022年10月1日9時00分に撮影された画像データのサムネイル画像312-1が表示される。この画像データには、ユーザXが含まれる。なお、ここでいう「近傍」とは、対象の位置からの距離が所定値より小さい範囲をいう。「近傍」は、対象と関連することが認識できる範囲であればよく、例えば撮影装置10の撮影範囲であってもよい。サムネイル画像312-1は、例えば画像データに含まれる開始位置の静止画である。画像データを全て閲覧したい場合、利用者は、操作部204を用いて画像データの再生を指示する操作を行う。この操作が行われると、例えば大きな画面で画像データを閲覧できるように、ログ表示画面300とは別の画面において画像データが再生される。他の例として、サムネイル画像312-1の中で画像データが再生されてもよい。
【0054】
さらに、カメラアイコン311Aの近傍には、人物アイコン313が表示される。人物アイコン313は、対象撮影ログであるNo.1の撮影ログに対応する撮影装置10Aの設置場所と、その次のNo.2の撮影ログに対応する撮影装置10Bの設置場所との位置関係に応じた方向に移動するアニメーションを行う。次の撮影ログは、ログリスト281に含まれる対象期間において対象人物を撮影した複数の撮影ログのうち、対象撮影ログの撮影日時よりも後の期間において最も早い撮影日時を含む撮影ログである。次の撮影ログは、ログリスト281に含まれる撮影日時に基づいて決定される。また、ログリスト281に含まれる撮影装置IDに基づいて、対象撮影ログに対応する撮影装置10の次に対象人物を撮影した撮影装置10、すなわち対象撮影ログの次の撮影ログに対応する撮影装置10が特定される。次の撮影装置10の特定は、例えば表示制御部214又は表示部205により行われる。撮影装置10Aと撮影装置10Bとはいずれも例えば1階に設置されており、同一の地図データにより示される。この場合、表示制御部214は、
図7に示されるように、No.1の撮影ログに対応する撮影装置10Aの撮影範囲から次のNo.2の撮影ログに対応する撮影装置10Bの撮影範囲に向かう方向に人物アイコン313を直線移動させる。例えば、表示制御部214は、カメラアイコン311Aとカメラアイコン311Bを直線で結んだ地図データ上に表示しない線分上を、地図データに表示された障害物(ドア、壁など)を無視して人物アイコン313を直線移動させる。対象人物を撮影した撮影装置10の設置場所によって人物アイコン313に異なる動きをさせるため、利用者は、この人物アイコン313のアニメーションを見ることにより、対象人物が、撮影装置10Aの撮影範囲から撮影装置10Bの撮影範囲に移動したことが分かる。
【0055】
図5に戻り、ステップS27において、表示制御部214は、対象撮影ログが変更されたか否かを判定する。
図7に示されるように、ログ表示画面300には、「次へ」ボタン321と、「前へ」ボタン322と、「最初へ」ボタン323と、「最後へ」ボタン324とが含まれる。「次へ」ボタン321は、対象撮影ログを現在選択されている撮影ログの次の撮影ログに変更する操作を受け付ける。「前へ」ボタン322は、対象撮影ログを現在選択されている撮影ログの前の撮影ログに変更する操作を受け付ける。「最初へ」ボタン323は、対象撮影ログをログリスト281に含まれる最初の撮影ログに変更する操作を受け付ける。「最後へ」ボタン324は、対象撮影ログをログリスト281に含まれる最後の撮影ログに変更する操作を受け付ける。例えば次の撮影ログを閲覧したい場合、利用者は、操作部204を用いて「次へ」ボタン321を押す。「次へ」ボタン321が押されると、表示制御部214は、対象撮影ログが次の撮影ログに変更されたと判定し(ステップS27の判定がYES)、ステップS26に戻り、変更後の対象撮影ログに基づいてステップS26の処理を行う。
【0056】
図8は、変更後の対象撮影ログを示すログ表示画面301の一例を示す図である。ここでは、対象撮影ログが
図6に示されるNo.2の撮影ログに変更された場合を例に挙げて説明する。なお、
図7に示されるログ表示画面300と同じ構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。ログ表示画面301には、No.2の撮影ログに対応する撮影装置10Bの設置場所を示す地図データが表示される。ただし、上述したように撮影装置10Aの設置場所と撮影装置10Bの設置場所とは同一の地図データにより示されるため、ログ表示画面301に含まれる地図データは、
図7に示されるログ表示画面300に含まれる地図データと同一である。
【0057】
また、No.2の撮影ログに対応する撮影装置10Bのカメラアイコン311Bが他のカメラアイコン311とは異なる色で強調表示される。なお、カメラアイコン311Aを含む他のカメラアイコン311は強調表示されない。さらに、カメラアイコン311Bの近傍には、No.2の撮影ログに含まれる画像データ、すなわち撮影装置10Bにより2022年10月1日9時10分に撮影された画像データのサムネイル画像312-2が表示される。この画像データには、ユーザXが含まれる。
【0058】
さらに、カメラアイコン311Bの近傍には、人物アイコン313が表示される。
図6に示される例では、対象撮影ログであるNo.2の撮影ログの次の撮影ログはNo.3の撮影ログである。
図6に示されるように、No.2の撮影ログに対応する撮影装置10Bと、その次のNo.3の撮影ログに対応する撮影装置10Bとは、同一の撮影装置10である。この場合、表示制御部214は、
図8に示されるように人物アイコン313をジャンプさせるアニメーションを表示させる。利用者は、この人物アイコン313のアニメーションを見ることにより、対象人物が撮影装置10Bの撮影範囲に滞在していたことが分かる。
【0059】
図5に戻り、ステップS27において利用者が操作部204を用いて再び「次へ」ボタン321を押すと、表示制御部214は、対象撮影ログが次の撮影ログに変更されたと判定し(ステップS27の判定がYES)、ステップS26に戻り、変更後の対象撮影ログに基づいてステップS26の処理を行う。
【0060】
図9は、変更後の対象撮影ログを示すログ表示画面302の一例を示す図である。ここでは、対象撮影ログが
図6に示されるNo.3の撮影ログに変更された場合を例に挙げて説明する。なお、
図8に示されるログ表示画面301と同じ構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。ログ表示画面302には、No.3の撮影ログに対応する撮影装置10Bの設置場所を示す地図データが表示される。ログ表示画面302に含まれる地図データは、
図8に示されるログ表示画面301に含まれる地図データと同一である。
【0061】
また、No.3の撮影ログに対応する撮影装置10Bのカメラアイコン311Bが他のカメラアイコン311とは異なる色で強調表示される。なお、カメラアイコン311B以外のカメラアイコン311は強調表示されない。さらに、カメラアイコン311Bの近傍には、No.3の撮影ログに含まれる画像データ、すなわち2022年10月1日9時40分に撮影装置10Bにより撮影された画像データのサムネイル画像312-3が表示される。この画像データには、ユーザXが含まれる。
【0062】
さらに、カメラアイコン311Bの近傍には、人物アイコン313が表示される。
図6に示される例では、対象撮影ログであるNo.3の撮影ログの次の撮影ログはNo.4である。No.3の撮影ログに対応する撮影装置10Bと、その次のNo.4の撮影ログに対応する撮影装置10Cとはいずれも1階に設置されているため、撮影装置10Bの設置場所と撮影装置10Cの設置場所とは同一の地図データにより示される。この場合、表示制御部214は、
図9に示されるように、No.3の撮影ログに対応する撮影装置10Bの撮影範囲から次のNo.4の撮影ログに対応する撮影装置10Cの撮影範囲に向かう方向に人物アイコン313を直線移動させる。
図9に示される例においては、撮影装置10B及び10Cは、それぞれ、本発明に係る第1の撮影装置及び第2の撮影装置の一例である。利用者は、この人物アイコン313のアニメーションを見ることにより、対象人物が、撮影装置10Bの撮影範囲から撮影装置10Cの撮影範囲に移動したことが分かる。
【0063】
図5に戻り、ステップS27において利用者により再び「次へ」ボタン321が押されると、表示制御部214は、対象撮影ログが次の撮影ログに変更されたと判定し(ステップS27の判定がYES)、ステップS26に戻り、変更後の対象撮影ログに基づいてステップS26の処理を行う。
【0064】
図10は、変更後の対象撮影ログを示すログ表示画面303の一例を示す図である。ここでは、対象撮影ログが
図6に示されるNo.4の撮影ログに変更された場合を例に挙げて説明する。なお、
図9に示されるログ表示画面302と同じ構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。ログ表示画面303には、No.4の撮影ログに対応する撮影装置10Cの設置場所を示す地図データが表示される。ただし、上述したように、撮影装置10Bと撮影装置10Cとは同一の地図データにより示されるため、ログ表示画面303に含まれる地図データは、
図9に示されるログ表示画面302に含まれる地図データと同一である。
【0065】
また、No.4の撮影ログに対応する撮影装置10Cのカメラアイコン311Cが他のカメラアイコン311とは異なる色で強調表示される。なお、カメラアイコン311Bを含む他のカメラアイコン311は強調表示されない。さらに、カメラアイコン311Cの近傍には、No.4の撮影ログに含まれる画像データ、すなわち2022年10月1日10時00分に撮影装置10Cにより撮影された画像データのサムネイル画像312-4が表示される。この画像データには、ユーザXが含まれる。
【0066】
さらに、カメラアイコン311Cの近傍には、人物アイコン313が表示される。
図6に示される例では、対象撮影ログであるNo.4の撮影ログの次の撮影ログはNo.5である。No.4の撮影ログに対応する撮影装置10Cは例えば1階に設置されているのに対し、その次のNo.5の撮影ログに対応する撮影装置10Dは例えば2階に設置されている。そのため、撮影装置10Cの設置場所は1階の地図データにより示され、撮影装置10Dの設置場所は2階の地図データにより示される。1階の地図データ及び2階の地図データは、それぞれ、第1の地図データ及び第2の地図データの一例である。1階の監視領域45及び2階の監視領域45は、それぞれ、本発明に係る第1の監視領域及び第2の監視領域の一例である。このように、撮影装置10Cの設置場所と撮影装置10Dの設置場所とが異なる地図データにより示される場合、表示制御部214は、これらの地図データにより示される監視領域45の位置関係に応じた方向に人物アイコン313が移動するアニメーションを表示させる。2階の監視領域45は、1階の監視領域45の上方に位置する。したがって、表示制御部214は、
図10に示されるように、撮影装置10Cの設置範囲から上方に移動した後、人物アイコン313が徐々に小さくなったり、消えていくといったフェードアウトするアニメーションを表示させる。
図10に示される例においては、撮影装置10C及び10Dは、それぞれ、本発明に係る第1の撮影装置及び第2の撮影装置の一例である。利用者は、この人物アイコン313のアニメーションを見ることにより、対象人物が、撮影装置10Cの撮影範囲から、表示中の地図データにより示される監視領域45より上方に位置する他の監視領域45に移動したことが分かる。
【0067】
図5に戻り、ステップS27において利用者により再び「次へ」ボタン321が押されると、表示制御部214は、対象撮影ログが次の撮影ログに変更されたと判定し(ステップS27の判定がYES)、ステップS26に戻り、変更後の対象撮影ログに基づいてステップS26の処理を行う。
【0068】
図11は、変更後の対象撮影ログを示すログ表示画面304の一例を示す図である。ここでは、対象撮影ログが
図6に示されるNo.5の撮影ログに変更された場合を例に挙げて説明する。なお、
図10に示されるログ表示画面303と同じ構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。ログ表示画面304には、No.5の撮影ログに対応する撮影装置10Dの設置場所を示す地図データが表示される。例えば撮影装置10Dが2階に設置されている場合には、2階の地図データが表示される。上述したように、撮影装置10Cと撮影装置10Dとは異なる地図データにより示されるため、ログ表示画面304には、
図10に示されるログ表示画面303に含まれる地図データとは異なる地図データが表示される。
【0069】
また、No.5の撮影ログに対応する撮影装置10Dのカメラアイコン311Dが他のカメラアイコン311とは異なる色で強調表示される。なお、ログ表示画面304に含まれるカメラアイコン311D以外のカメラアイコン311は、対象人物であるユーザXを撮影していない撮影装置10の設置場所を示すため、半透明色で表示される。さらに、カメラアイコン311Dの近傍には、No.5の撮影ログに含まれる画像データ、すなわち2022年10月1日10時10分に撮影装置10Dにより撮影された画像データのサムネイル画像312-5が表示される。この画像データには、ユーザXが含まれる。
【0070】
さらに、カメラアイコン311Dの近傍には、人物アイコン313が表示される。
図6に示される例では、対象撮影ログであるNo.5の撮影ログはログリスト281に含まれる最後の撮影ログである。この場合、表示制御部214は、撮影装置10Dの撮影範囲において停止する人物アイコン313を表示させる。利用者は、この停止する人物アイコン313を見ることにより、対象期間における最後の撮影ログが表示されたことが分かる。
【0071】
図11に示されるように、ログ表示画面304には閉じるボタン325が含まれる。閉じるボタン325は、ログ表示画面304を閉じる操作を受け付ける。利用者が操作部204を用いてこの閉じるボタン325を押すと、表示制御部214は、
図5に示されるステップS27において対象撮影ログが変更されていないと判定するとともに(ステップS27の判定がNO)、ステップS28において撮影ログの表示を終了すると判定し(ステップS28の判定がYES)、ログ表示画面300を閉じてこの表示処理を終了する。
【0072】
以上説明した実施形態によれば、地図データ上に一の撮影装置10が対象人物を撮影した画像データとともに、一の撮影装置10の撮影範囲から、その次に対象人物を撮影した他の撮影装置10の撮影範囲へと向かう方向に移動する人物アイコン313が表示されるため、利用者は一の撮影装置10により撮影された対象人物の画像データを確認すると同時に次の移動先を容易に把握できる。また、対象人物の実際の移動経路を示す動線を表示するのではなく、対象人物を撮影した撮影装置10の設置場所に基づいて対象人物の移動が表現されるため、利用者は対象人物の移動先を容易に視認することができる。さらに、一の撮影装置10の撮影範囲から他の撮影装置10の撮影範囲へと向かう方向に人物アイコン313が直線移動するアニメーションが表示されるため、対象人物の詳細な移動経路を示す動線が地図データ上に表示される構成に比べて、利用者は対象人物の移動先を容易に視認することができる。
【0073】
さらに、対象人物を撮影した一の撮影装置10の設置場所とその次に対象人物を撮影した他の撮影装置10の設置場所とが同一の地図データにより示されるか否かによって人物アイコン313が異なる動きを行うアニメーションが表示されるため、利用者はこれらの撮影装置10の設置場所の関係を直感的に把握することができる。さらに、対象人物を撮影した一の撮影装置10の設置場所と次に対象人物を撮影した他の撮影装置10の設置場所とが異なる地図データにより示される場合には、これらの地図データにより示される監視領域45の位置関係に応じた方向に人物アイコン313が移動するアニメーションが表示されるため、利用者は対象人物の次の移動先を直感的に把握することができる。さらに、地図データ上において、対象人物を撮影した撮影装置10のカメラアイコン311と対象人物を撮影していない撮影装置10のカメラアイコン311とが区別して表示されるため、利用者は対象人物がどのように移動したかを容易に把握することができる。
【0074】
3.変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態は、以下の例のように変形して実施されてもよい。このとき、以下の2以上の変形例が組み合わせて用いられてもよい。
【0075】
上述した実施形態において、表示制御部214は、地図データ上に対象人物の滞在時間又は移動時間を表示させてもよい。滞在時間は、対象人物が一の撮影装置10の撮影範囲内に滞在している時間である。一例として、滞在時間は、或る撮影装置10に対応する対象撮影ログの撮影日時から、この撮影装置10に対応する次の撮影ログの撮影日時までの時間を計数することにより求められる。
図6に示される例では、No.2の撮影ログに対応する撮影装置10Bと、No.3の撮影ログに対応する撮影装置10Bとは同一である。この場合、No.2の撮影ログの撮影日時である2022年10月1日9時10分からNo.3の撮影ログの撮影日時である2022年10月1日9時40分までの30分が滞在時間となる。そして、
図8に示されるログ表示画面301において、カメラアイコン311Bの近傍又はサムネイル画像312-2の近傍に30分という滞在時間が表示される。他の例として、滞在時間は、対象人物が同一の撮影装置10により連続して撮影された時間でもよい。例えば対象人物であるユーザXが13時00分から16時00分まで連続して同一の撮影装置10により撮影された場合、滞在時間は3時間となる。滞在時間は、例えば対象撮影ログに対応する撮影装置10のカメラアイコン311の近傍又はサムネイル画像312の近傍に表示される。
【0076】
移動時間は、対象人物が一の撮影装置10に撮影されてから他の撮影装置10に撮影されるまでに要する時間である。移動時間は、一の撮影装置10に対応する対象撮影ログの撮影日時から他の撮影装置10に対応する次の撮影ログの撮影日時までの時間を計数することにより求められる。
図6に示される例では、NO.1の撮影ログに対応する撮影装置10Aと、No.2の撮影ログに対応する撮影装置10Bとは異なる。この場合、No.1の撮影ログの撮影日時である2022年10月1日9時00分からNo.2の撮影ログの撮影日時である2022年10月1日9時10分までの10分が移動時間となる。そして、
図7に示されるログ表示画面300において、カメラアイコン311Aの近傍又はサムネイル画像312-1の近傍に10分という移動時間が表示される。また、滞在時間又は移動時間は、5分などの所定時間以上の場合に限り、表示されてもよい。この変形例によれば、利用者は対象人物の滞在時間又は移動時間を容易に把握することができる。
【0077】
上述した実施形態において、表示制御部214は、対象人物の移動時間に応じて、表示する人物アイコン313の動きを異ならせてもよい。移動時間は、上述したように、対象人物が一の撮影装置10に撮影されてから他の撮影装置10に撮影されるまでに要する時間である。例えば移動時間が長いほど、表示制御部214は人物アイコン313の移動速度を遅くしてもよい。この変形例によれば、利用者は対象人物の移動時間を直感的に把握することができる。
【0078】
上述した実施形態において、人物アイコン313のアニメーションは上述した例に限定されず、対象人物の次の移動先が識別可能なアニメーションであればよい。例えば対象撮影ログに対応する一の撮影装置10の設置場所と次の撮影ログに対応する他の撮影装置10の設置場所とが同一の地図データにより示される場合、人物アイコン313のアニメーションは、一の撮影装置10の設置場所から他の撮影装置10の設置場所の方に移動したことを示す動きを行うアニメーションであれば、どのようなアニメーションでもよい。また、対象撮影ログに対応する撮影装置10と次の撮影ログに対応する撮影装置10とが同一である場合、人物アイコン313のアニメーションは、その撮影装置10の撮影範囲に滞在していることを示す動きを行うアニメーションであれば、どのようなアニメーションでもよい。例えば人物アイコン313が座る動きをするアニメーションでもよいし、撮影装置10の設置場所をぐるぐる回る動きをするアニメーションでもよい。さらに、対象撮影ログに対応する一の撮影装置10の設置場所と次の撮影ログに対応する他の撮影装置10の設置場所とが異なる地図データにより示される場合、人物アイコン313のアニメーションは、対象人物が表示中の地図データにより示される監視領域45とは異なる監視領域45の方に移動したことを示す動きを行うアニメーションであれば、どのようなアニメーションでもよい。例えば人物アイコン313のアニメーションは、異なる地図データにより示される監視領域45の位置関係に拘わらず、所定の方向に移動した後、フェードアウトするアニメーションでもよい。この変形例に係る構成であっても、利用者は、撮影装置10により撮影された人物の次の移動先を容易に把握することができる。
【0079】
上述した実施形態において、複数の撮影装置10の撮影範囲が重複する場合には、同一の撮影日時において対象人物が複数の撮影装置10により撮影される場合がある。ここでは、撮影装置10Aの撮影範囲と撮影装置10Bの撮影範囲とが重複する場合を例に挙げて説明する。例えば撮影装置10Aは、2022年10月2日9時00分から2022年10月2日9時11分までの期間、ユーザXを撮影する。撮影装置10Bは、2022年10月2日9時10分から2022年10月2日9時15分までの期間、ユーザXを撮影する。この場合、2022年10月2日9時10分から2022年10月1日9時11分までの期間、ユーザXは撮影装置10Aと撮影装置10Bの両方に撮影されていたことになるが、ログリスト281に含まれる2022年10月2日9時10分の撮影ログは、撮影装置10BがユーザXを撮影したことを示すものであってもよい。他の例として、ログリスト281に含まれる2022年10月2日9時10分の撮影ログは、撮影装置10AがユーザXを撮影したことを示すものであってもよい。この変形例によれば、同一の撮影日時において対象人物が複数の撮影装置10により撮影された場合でも、適切な撮影ログを表示することができる。
【0080】
上述した実施形態において、狭い空間に複数台の撮影装置10が設置された場合において、対象人物がこれらの撮影装置10により撮影されたときに、これらの撮影装置10の設置場所間の移動を示す人物アイコン313のアニメーションは表示されなくてもよい。これは、狭い空間内の撮影装置10の設置場所の移動を示す人物アイコン313のアニメーションを表示すると、表示が煩雑になるためである。この変形例によれば、狭い空間に複数台の撮影装置10が設置された場合において、対象人物がこれらの撮影装置10により撮影されたときに、表示が煩雑になるのを防ぐことができる。
【0081】
上述した実施形態において、対象人物は複数選択されてもよい。この場合、対象人物によって色や形などの外観が異なる人物アイコン313が表示されてもよい。この変形例によれば、利用者は、撮影装置10により撮影された複数の人物について次の移動先を容易に把握することができる。
【0082】
上述した実施形態において、対象人物の移動先を表す表示は、人物アイコン313を用いた表示に限定されない。人物アイコン313に代えて、対象人物が対象撮影ログに対応する一の撮影装置10の撮影範囲から次の撮影ログに対応する他の撮影装置10の撮影範囲に向かう方向に移動したことを示す線や矢印等のオブジェクトが用いられてもよい。この変形例に係る構成であっても、利用者は、撮影装置10により撮影された人物の次の移動先を容易に把握することができる。
【0083】
上述した実施形態において、人物アイコン313は必ずしも表示されなくてもよい。対象人物の移動先を表す表示は、人物アイコン313に代えて、撮影装置10のカメラアイコン311を用いて行われてもよい。例えば対象撮影ログに対応する一の撮影装置10の設置場所と次の撮影ログに対応する他の撮影装置10の設置場所とが同一の地図データにより示される場合、他の撮影装置10の設置場所を示すカメラアイコン311は、点滅表示されてもよい。また、対象撮影ログに対応する一の撮影装置10の設置場所と次の撮影ログに対応する他の撮影装置10の設置場所とが異なる地図データにより示される場合、一の撮影装置10の設置場所を示すカメラアイコン311が点滅表示されてもよい。この変形例に係る構成であっても、利用者は、撮影装置10により撮影された人物の次の移動先を容易に把握することができる。
【0084】
上述した実施形態において、対象撮影ログに対応する撮影装置10のカメラアイコン311を強調表示する方法は、色の変更に限定されない。例えばカメラアイコン311の形や大きさを変更してもよいし、カメラアイコン311に付加情報を付加してもよい。この変形例に係る構成であっても、利用者は、対象撮影ログに対応する撮影装置10の設置場所を容易に把握することができる。
【0085】
上述した実施形態において、対象期間に撮影された人物の中から対象人物を選択する操作が行われてもよい。例えば利用者は、まず操作部204を用いて対象期間を指定する操作を行う。続いて、対象期間において複数の撮影装置10により撮影された画像データに含まれる人物について
図6(b)に示されるような人物リストが表示部205に表示される。利用者は、操作部204を用いて、この人物リストの中から対象人物を選択する操作を行う。この変形例によれば、利用者は、対象期間において複数の撮影装置10により撮影された人物の中から対象人物を選択することができる。他の例として、対象人物を選択する操作は行われなくてもよい。例えば利用者は、操作部204を用いて撮影日時と撮影装置10を指定する操作を行う。この操作により指定された撮影日時において指定された撮影装置10により撮影された画像データに含まれる人物が対象人物となってもよい。画像データに複数の人物が含まれる場合、複数の人物が対象人物となってもよい。この変形例によれば、対象人物を選択する利用者の操作の負担を軽減することができる。
【0086】
上述した実施形態において、対象期間を指定する操作は必ずしも行われなくてもよい。例えば撮影日時が最も古い撮影ログが対象撮影ログとなってもよい。この変形例によれば、対象期間を指定する利用者の操作の負担を軽減することができる。
【0087】
上述した実施形態において、ログリスト281は必ずしも表示されなくてもよい。例えば対象期間において対象人物が撮影された複数の撮影ログのうち、撮影日時が最も古い撮影ログが対象撮影ログとなってもよい。この変形例によれば、対象撮影ログを指定する利用者の操作の負担を軽減することができる。
【0088】
上述した実施形態において、対象期間において対象人物が撮影された複数の撮影ログが、利用者の操作を介さずに順番に表示されてもよい。例えば対象期間において対象人物が撮影された複数の撮影ログのうち、撮影日時が最も古い撮影ログが表示される。この撮影ログが表示される際、この撮影ログに含まれる画像データが自動的に再生される。そして、この画像データの再生が終了すると、次の撮影ログが表示される。このように、対象期間において対象人物が撮影された複数の撮影ログが、利用者の操作を介さずに順番に表示される。この変形例によれば、対象撮影ログを変更する利用者の操作の負担を軽減することができる。
【0089】
上述した実施形態において、対象人物を撮影した画像データは必ずしも表示されなくてもよい。例えば地図データ上に、カメラアイコン311と人物アイコン313だけが表示されてもよい。この変形例に係る構成であっても、利用者は、撮影装置10により撮影された人物の次の移動先を容易に把握することができる。
【0090】
上述した実施形態において、地図データは二次元の地図データであってもよいし、三次元の地図データであってもよい。また、地図データは、監視領域を模した簡単な線図などであってもよい。この変形例に係る構成であっても、利用者は、対象撮影ログに対応する撮影装置10の設置場所を容易に把握することができる。
【0091】
上述した実施形態において、監視カメラシステム1において各機能の主体は例示であり、この例に限定されない。監視装置20の少なくとも一部の機能をクラウドサーバなどの外部装置が有してもよい。例えば外部装置は、監視装置20からログリスト221を受信して記憶し、監視装置20において撮影ログを表示する際に、対象撮影ログを監視装置20に送信してもよい。
【0092】
上述した実施形態において、監視カメラシステム1の動作は上述した例に限定されない。監視カメラシステム1の処理手順は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。また、監視カメラシステム1の一部の処理手順が省略されてもよい。
【0093】
本発明の別の形態は、監視カメラシステム1、撮影装置10、及び監視装置20のうち少なくともいずれかにおいて行われる処理のステップを有する方法を提供してもよい。また、本発明のさらに別の形態は、撮影装置10又は監視装置20において実行されるプログラムを提供してもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネットなどを介したダウンロードによって提供されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1:監視カメラシステム、10:撮影装置、20:監視装置、201:制御部、202:記憶部、203:通信部、204:操作部、205:表示部、211:取得部、212:識別部、213:作成部、214:表示制御部