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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065701
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】通知管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240508BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 385
G06F3/12 336
B41J29/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174697
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕詞
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HK19
2C061HV01
2C061HV35
(57)【要約】
【課題】印刷権限の自動購入が行われる場合であってかつ印刷装置がオフラインの状態になった場合に、自動購入が可能なオンライン状態への復帰を促す。
【解決手段】通知管理プログラム131では、印刷権限の自動購入により印刷可能枚数を増加可能なオートチャージモードであるか否か、を判定するS40の手順と、複合機200が、ネットワークNTにより管理サーバ100からの指示を受信可能なオンライン状態であるか、ネットワークNTにより管理サーバ100からの指示を受信不可能なオフライン状態であるかを判定するS10の手順と、S40の手順でオートチャージモードであると判定され、かつ、S10の手順でオフライン状態であると判定されたことを契機に、オートチャージが実行されないことを表すオフライン通知を出力するS35の手順と、を実行する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ、印刷装置、及び端末装置を備えた印刷システムについて所定の通知の管理をする通知管理装置であって、
前記印刷システムは、
シート上に画像を印刷するときの上限となる許容印刷量を、ユーザの操作に応じた購入要求に基づき購入される第1印刷権限、若しくは、所定条件を満たすと自動購入される第2印刷権限、が保証する保証印刷量に応じて増加可能に構成され、
前記通知管理装置は、
前記印刷システムが、前記第2印刷権限の自動購入により前記許容印刷量を増加可能な自動モードであるか否か、を判定するモード判定処理と、
前記印刷装置が、第1通信により前記サーバからの指示を受信可能な通常状態であるか、第1通信により前記サーバからの指示を受信不可能な途絶状態であるかを判定する受信判定処理と、
前記モード判定処理で前記自動モードであると判定され、かつ、前記受信判定処理で前記途絶状態であると判定されたことを契機に、前記自動購入が実行されないことを表す警告通知を出力する通知出力処理と、
を実行する、ことを特徴とする通知管理装置。
【請求項2】
前記通知出力処理において、
前記警告通知を、前記第1通信とは異なる態様の第2通信により出力する、請求項1記載の通知管理装置。
【請求項3】
前記サーバは、前記通知管理装置を備え、
前記受信判定処理において、前記印刷装置が、前記第1通信により前記指示を受信可能な前記通常状態であるか、前記第1通信により前記指示を受信不可能な前記途絶状態であるかを判定し、
前記通知出力処理において、前記端末装置に対し前記警告通知を出力する、請求項1記載の通知管理装置。
【請求項4】
前記通知出力処理において、プッシュ通知である前記警告通知を前記端末装置に向けて出力する、請求項3記載の通知管理装置。
【請求項5】
前記通知出力処理において、前記モード判定処理で前記自動モードであると判定され、かつ、前記受信判定処理で前記途絶状態であると判定されてから所定期間が経過した場合に、前記警告通知を出力する、請求項1又は2記載の通知管理装置。
【請求項6】
前記印刷装置は、前記通知管理装置を備える、請求項1又は2記載の通知管理装置。
【請求項7】
前記通知出力処理において、前記ユーザの使用する端末装置に対し前記第2通信を介し前記警告通知を出力する、請求項2記載の通知管理装置。
【請求項8】
前記通知出力処理において、プッシュ通知である前記警告通知を前記端末装置に向けて出力する、請求項7記載の通知管理装置。
【請求項9】
前記端末装置は、
当該端末装置を前記通知管理装置として動作させるアプリケーションプログラムを備える、ことを特徴とする請求項1記載の通知管理装置。
【請求項10】
前記通知管理装置は、さらに、
前記印刷システムの前記許容印刷量を検知する許容印刷量検知処理を実行し、
前記通知出力処理において、前記モード判定処理で前記自動モードであると判定され、かつ、前記受信判定処理で前記途絶状態であると判定され、かつ、前記許容印刷量検知処理で検知された前記許容印刷量が所定値以下になった場合に、前記警告通知を出力する、請求項1又は2記載の通知管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷権限に基づき行われる印刷に関する通知を行う通知管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがプリペイド方式により料金を支払って印刷サービスの提供を受けるシステムが既に知られている。このようなシステムにおいて、従来、例えば特許文献1に記載のように、印刷装置と接続された管理サーバが、ユーザの手動操作による購入要求に基づき購入された印刷権限に対応した保証印刷量を印刷装置の許容印刷量に加算し、印刷装置はその加算後の許容印刷量を上限として印刷を実行する技術が知られている。
この従来技術では、印刷装置がオフライン状態となった場合に、残っている許容印刷量を管理サーバが把握できなくなることに対応し、オフライン時における印刷装置の許容印刷量に上限を設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-110477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、例えば所定条件が満たされたときにユーザの購入要求に基づかずに印刷権限が自動購入され、購入された印刷権限に対応した保証印刷量により印刷装置の許容印刷量が自動的に増加する設定が可能な場合、については考慮されていない。
【0005】
ここで新たに、上記の自動購入が行われる設定がなされた状態で、印刷装置がオフライン状態となった場合を考える。この場合、自動購入が失敗し印刷装置の許容印刷量が増えていないにもかかわらずユーザが気づかずにそのまま放置してしまい、ユーザが知らないうちにいつのまにか印刷できない状況に陥る、という不都合が生じる。
【0006】
本発明の目的は、印刷権限の自動購入が行われる場合であってかつ印刷装置がオフラインの状態になった場合に、自動購入が可能なオンライン状態への復帰を促すことができる通知管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、サーバ、印刷装置、及び端末装置を備えた印刷システムについて所定の通知の管理をする通知管理装置であって、前記印刷システムは、シート上に画像を印刷するときの上限となる許容印刷量を、ユーザの操作に応じた購入要求に基づき購入される第1印刷権限、若しくは、所定条件を満たすと自動購入される第2印刷権限、が保証する保証印刷量に応じて増加可能に構成され、前記通知管理装置は、前記印刷システムが、前記第2印刷権限の自動購入により前記許容印刷量を増加可能な自動モードであるか否か、を判定するモード判定処理と、前記印刷装置が、第1通信により前記サーバからの指示を受信可能な通常状態であるか、第1通信により前記サーバからの指示を受信不可能な途絶状態であるかを判定する受信判定処理と、前記モード判定処理で前記自動モードであると判定され、かつ、前記受信判定処理で前記途絶状態であると判定されたことを契機に、前記自動購入が実行されないことを表す警告通知を出力する通知出力処理と、を実行する。
【0008】
本願発明においては、ユーザは、金銭的な負担を行って印刷権限を取得する、いわゆるプリペイド方式で印刷を実行可能である。印刷システムは、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成されており、ユーザの取得した印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じ、許容印刷量を増加することができる。印刷権限としては、ユーザの操作に応じた購入要求に基づき購入される第1印刷権限、及び、所定条件を満たすと自動購入される第2印刷権限、の2つが存在する。第1印刷権限の購入時にはユーザの操作が介在するため印刷装置がオフライン状態による不都合(印刷装置の許容印刷量を増加できない、印刷装置の現在の許容印刷量をサーバが認識できない等)に対応可能であるが、第2印刷権限の自動購入時にはユーザの不在等によりユーザが不都合に対応できるとは限らない。
【0009】
本願発明の通知管理装置では、上記自動購入がなされる設定において前述のオフライン時に起こり得る不都合を予め回避するために、モード判定処理、受信判定処理、通知出力処理が実行される。
【0010】
モード判定処理では、印刷システムの動作モードが第2印刷権限の購入に対応した自動モードであるか否か、が判定される。
【0011】
受信判定処理では、印刷装置が第1通信を介しサーバからの指示を受信可能な通常状態すなわちオンライン状態であるか、受信不可能な途絶状態すなわちオフライン状態であるか、が判定される。
【0012】
モード判定処理で自動モードと判定されかつ受信判定処理で上記途絶状態と判定されたことを契機に、通知出力処理において、警告通知が出力される。警告通知は、自動購入が実行されないことを表す通知である。
【0013】
本願発明によれば、印刷権限の自動購入が行われる場合でかつ印刷装置がオフラインの状態の場合に警告通知が行われるので、自動購入による印刷許容量の増加が可能なオンライン状態、すなわち第1通信を介したサーバからの指示を受信可能な状態への復帰を促すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印刷権限の自動購入が行われる場合であってかつ印刷装置がオフラインの状態になった場合に、自動購入が可能なオンライン状態への復帰を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態による印刷サービス提供システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
図2】モバイル端末の概略構成を表す機能ブロック図である。
図3】プリペイド印刷サービスについて説明する図である。
図4】印刷サービス提供システム全体のネットワークの接続構成を詳細に表す図である。
図5】モバイル端末のタッチパネル上において通信設定を行う場合の画面遷移の一例を表す図である。
図6】モバイル端末がEメールの形態のオフライン通知を受信した際のタッチパネル上での表示例を表す図である。
図7】モバイル端末がプッシュ通知の形態のオフライン通知を受信した際のタッチパネル上での表示例を表す図である。
図8】管理サーバのプロセッサが実行する通知管理プログラムの制御手順の一例を表すフローチャートである。
図9】本発明の第2実施形態による印刷サービス提供システムの全体概略構成を表す機能ブロック図である。
図10】複合機のプロセッサが実行する通知管理プログラムの制御手順の一例を表すフローチャートである。
図11】本発明の第3実施形態によるモバイル端末の概略構成を表す機能ブロック図である。
図12】モバイル端末のCPUが実行する通知管理プログラムの制御手順の一例を表すフローチャートである。
図13】汎用パーソナルコンピュータでオフライン通知をステータスモニタの形態で表示する場合の表示例を表す図である。
図14】汎用パーソナルコンピュータでオフライン通知をEメールの形態で表示する場合の表示例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0017】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態を図1図8により説明する。本実施形態に係る印刷サービス提供システムのシステム構成を図1に示す。本実施形態は、顧客であるユーザがあらかじめ料金を支払って複合機200の印刷機能を使用するプリペイド印刷サービスを提供可能な、印刷サービス提供システム1の実施形態である。
【0018】
<印刷サービス提供システムの概要>
図1において、この印刷サービス提供システム1は、管理サーバ100と、複合機200と、モバイル端末300と、通知サーバ400と、を含んでいる。これら管理サーバ100、複合機200、モバイル端末300、及び通知サーバ400は、後述するように携帯電話用無線通信回線及びインターネットを含むネットワークNTに接続されており、互いに通信可能である。なお、印刷サービス提供システム1が印刷システムの一例であり、管理サーバ100及び通知サーバ400がサーバの一例であり、複合機200が印刷装置の一例であり、モバイル端末300が端末装置の一例である。
【0019】
<管理サーバ>
管理サーバ100は、例えば複合機200のメーカーが設置及び管理するサーバであり、プロセッサ110と、記憶装置115と、通信インタフェース190と、を有している。これらプロセッサ110、記憶装置115、及び通信インタフェース190は、バス105を介して互いに接続されている。
【0020】
記憶装置115は、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、を備えている。揮発性記憶装置120は、例えば、DRAMであり、処理対象となる各種のプログラムやデータを記憶する。不揮発性記憶装置130は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、プログラム記憶領域131と、データ記憶領域132と、を有している。
【0021】
プログラム記憶領域131には各種プログラムが格納されている。各種プログラムには、後述の図8のフローチャート等に基づく本実施形態の印刷サービスに関するオフライン通知に係わる通知管理プログラム133が含まれる。データ記憶領域132には、例えば当該管理サーバ100の管理対象となっている多数の複合機200とユーザに関する情報、及びそれらにおける印刷サービスの契約状況などの各種情報が記憶されている。
【0022】
プロセッサ110は、データ処理を行う装置、例えばCPUであり、プログラム記憶領域131に格納された上記通知管理プログラム133を含む本実施形態のプリペイド印刷サービスに関する各種プログラムを実行する。プロセッサ110は、ネットワークNTに接続されたモバイル端末300、複合機200、及び通知サーバ400に対するデータ通信を含む各種の処理を行う。プロセッサ110は、本実施形態の印刷サービス提供システム1による印刷権限の購入を、モバイル端末300と協働して実行する。なお本実施形態の例において、プロセッサ110と上記プログラム記憶領域131に記憶された上記通知管理プログラム133とが、通知管理装置の一例である。
【0023】
通信インタフェース190は、他の装置と通信するための有線LANインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0024】
なお、上記記憶装置115は上述した装置要素での構成に限られず、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、モバイル端末300に着脱されるUSBメモリ等の可搬記録媒体、プロセッサ110が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成されてもよい。
【0025】
なお、記憶装置115は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。
後述する複合機200の記憶装置215についても同様である。
【0026】
<複合機>
複合機200は、例えば、上記プリペイド印刷サービスを提供する印刷サービス業者又はユーザによって保有されている。複合機200は、スキャナ部280と、印刷部290と、プロセッサ210と、記憶装置215と、表示部240と、操作部250と、通信部285と、通信インタフェース270と、を有している。これらスキャナ部280、印刷部290、プロセッサ210、記憶装置215、表示部240、操作部250、通信部285、及び通信インタフェース270は、バス205を介して互いに接続されている。
【0027】
記憶装置215は、揮発性記憶装置220と、不揮発性記憶装置230と、を備えている。揮発性記憶装置220は、例えば、DRAMであり、印刷対象の画像データを記憶する画像データ記憶領域222を備えている。不揮発性記憶装置230は、例えばフラッシュメモリであり、プログラム記憶領域232を備えている。プログラム記憶領域232には各種プログラムが例えばファームウェアとして格納されている。
【0028】
プロセッサ210は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。プロセッサ210は、プログラム記憶領域232に格納された各種プログラムを実行する。
【0029】
表示部240は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示可能である。操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部250を操作することによって、種々の指示を複合機200に入力可能である。通信インタフェース270は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。
【0030】
スキャナ部280は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に読取り対象物である原稿を読み取ることによって、読み取った画像を表すスキャンデータを生成する。
【0031】
印刷部290は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中のシート状の用紙を取り出して搬送しつつ、その搬送される用紙に対して所定の方式で画像を印刷する。印刷部290は、モバイル端末300から送信された印刷ジョブ、若しくは、操作部250での操作に基づき自ら生成した印刷ジョブに応じて、特に図示しないカートリッジホルダに着脱可能に装着されるインクカートリッジのインクを用いて用紙に対し画像の形成を行う。
【0032】
通信部285は、例えば端子などであり、カートリッジホルダに装着されたインクカートリッジが有するカートリッジメモリ(ICチップ)に電気的に接続される。
【0033】
<モバイル端末>
モバイル端末300のシステム構成を図2に示す。この図2において、モバイル端末300は、例えばユーザの所有するスマートフォン等の携帯端末であり、無線通信を介してネットワークNTに接続される。モバイル端末300は、CPU310と、メモリ320と、無線通信を介してネットワークNTに接続するための通信制御部330と、タッチパネル340と、大容量記憶装置350と、を有している。
【0034】
大容量記憶装置350は、例えばフラッシュメモリであり、プログラム記憶領域351と、データ記憶領域352と、を備えている。プログラム記憶領域351には各種プログラムが例えばファームウェアとして格納されている。CPU310は、プログラム記憶領域351に格納された本実施形態の印刷権限管理プログラムを実行する。CPU310は、ネットワークNTに接続された管理サーバ100に対するデータ通信を含む種々の処理を管理サーバ100と協働して実行する。データ記憶領域352には、上記プログラム又は上記印刷サービスに基づき発行されたユーザIDが、当該モバイル端末300に対応するユーザを識別可能な識別情報として記憶されている。
【0035】
モバイル端末300はまた、液晶ディスプレイとタッチパッドを一体的に組み合わせたタッチパネル340で各種の情報の表示と、ユーザによる各種の操作を受け付ける。ユーザは、タッチパネル340を操作することによって、種々の指示をモバイル端末300に入力可能である。タッチパネル340の表示内容の例については後述する。
なお、モバイル端末300に代えて、例えばタブレットコンピュータや汎用パーソナルコンピュータ等の他の情報端末を用いてもよい。以下適宜、それら情報端末を総称して、単に「モバイル端末」と称する。
【0036】
<通知サーバ>
通知サーバ400は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークNTに接続するための通信インタフェースと、を有している(図示省略)。この通知サーバ400は、管理サーバ100から指定されたモバイル端末300の個体に対して後述するオフライン通知を行うよう処理するものであり、本実施形態の例では当該指定されたモバイル端末300に対応するメールアドレスへ通知メールを送信するよう機能する。
【0037】
<プリペイド印刷サービス>
本実施形態において印刷サービス提供システム1が提供する印刷サービスは、プリペイド印刷サービスである。プリペイド印刷サービスとは、図3に示すように、ユーザがあらかじめ購入した印刷権限に保証されるチャージ枚数が、対象となる複合機200の印刷可能枚数に加算され、当該印刷可能枚数を上限として当該複合機200における印刷処理を実行できるサービスである。チャージ枚数が保証印刷量の一例であり、印刷可能枚数が許容印刷量の一例である。
【0038】
印刷可能枚数の数値は、実際に複合機200にセットされている物理的な用紙の枚数とは関係なく、最低0枚から所定の最大チャージ可能枚数までの範囲で変動可能に複合機200の記憶装置215に格納されるデータ値である。ユーザは操作部250を介した直接操作、もしくはモバイル端末300を介した送信操作によって複合機200に印刷ジョブを与え、複合機200はその印刷ジョブに応じた用紙の印刷とその印刷により消費した枚数分で印刷可能枚数の値を減少するよう処理する。このときの印刷可能枚数の消費は、ユーザが任意のタイミングで、任意の消費量で行うユーザ任意消費印刷となる。そして複合機200は、その時点の印刷可能枚数より多い消費枚数で印刷することはない。
【0039】
以上の印刷可能枚数の消費に対して、本実施形態の印刷サービス提供システム1では、上記印刷権限の購入形態として、まず、ユーザの購入要求に基づく印刷権限の購入が実行可能となっている。
【0040】
ユーザの購入要求に基づく印刷権限の購入は、ユーザの操作に応じてモバイル端末300から管理サーバ100に上記印刷権限の購入申し込みが送信され、管理サーバ100によって受け付けられることにより、実行される。このとき、上記印刷権限の購入は、ユーザが所望する任意のタイミングで実行される。その際、ユーザは、例えばチャージ枚数10枚=100円、30枚=280円、50枚=450円、など、互いに価格及び購入単位の異なる複数のチャージサービスのうち、いずれかのチャージサービスを選択して、対応する印刷権限を購入する。
【0041】
なお、この例では、ユーザが購入したチャージサービスに対応する印刷権限はユーザが指定した複合機200に対応付けられる形で取得され、当該印刷権限に保証されたチャージ枚数が、当該複合機200ごとの印刷可能枚数に対し加算される。しかしながらこれに限られず、上記印刷権限がユーザ、具体的にはユーザIDに対応付けられる形で取得され、上記チャージ枚数がユーザIDごとの印刷可能枚数に、加算されてもよい。
【0042】
以上のようにユーザの購入要求に基づく印刷権限の購入態様を、以下適宜「ユーザ手動チャージモード」と称し、このユーザ手動チャージモードは、基本的にユーザが任意のタイミングで、任意のチャージ枚数で印刷可能枚数チャージできることになる。なお、上記のようなユーザの購入要求に基づく印刷権限が第1印刷権限の一例である。
【0043】
また本実施形態の印刷サービス提供システム1では、以上のようにユーザの購入要求に基づく印刷権限の購入態様としてのユーザ手動チャージモードの他にも、所定条件が満たされたときにユーザの購入要求に基づかずに印刷権限が自動購入される態様のオートチャージモードも併用可能となっている。この例において、オートチャージモードには「定期オートチャージモード」と「追加オートチャージモード」の2種類がある。なお、上記のように所定条件を満たすと自動購入される印刷権限が第2印刷権限の一例であり、オートチャージモードが自動モードの一例である。
【0044】
定期オートチャージモードは、複合機200におけるその時点の印刷可能枚数の値には関係なく、所定のタイミングが到来したことを条件として所定量分だけ自動的に印刷可能枚数をチャージするモードである。この所定のタイミングとしては、毎月、毎週の所定日や、ある印刷イベントからの所定経過タイミングや、その他所定の周期に設定された定期的なタイミングなど多様なタイミングが設定可能である。
【0045】
追加オートチャージモードは、対象となる複合機200の印刷可能枚数が所定の閾値以下となったことを条件として所定量分だけ自動的に印刷可能枚数をチャージするモードである。
【0046】
本実施形態の印刷サービス提供システム1の例では、上記3つのチャージモードはいずれも管理サーバ100から対象の複合機200に対するネットワークNTを介した遠隔操作によって実行される。すなわち管理サーバ100は、ユーザ手動チャージモードの場合に、ユーザのモバイル端末300から受信した購入要求で指定されたチャージ枚数分だけ印刷可能枚数をチャージするよう、インターネット等のネットワークNTを介して対象の複合機200にチャージ指令の指示を送信する。
【0047】
また定期オートチャージモードの場合には、管理サーバ100は常にネットワークNTを介して対象の複合機200におけるイベント有無等の状態を監視するとともに、当該管理サーバ100自体が記憶している実行タイミングの到達を契機にネットワークNTを介して対象の複合機200にチャージ指令の指示を送信する。
【0048】
また追加オートチャージモードの場合には、管理サーバ100は常にネットワークNTを介して対象の複合機200における印刷可能枚数と閾値枚数との大小関係を監視し、印刷可能枚数が閾値枚数を下回ったことを契機にネットワークNTを介して対象の複合機200にチャージ指令の指示を送信する。
【0049】
<複合機がオフライン状態となった場合の弊害>
ここで、本実施形態の印刷サービス提供システム1におけるネットワークNTの接続構成の詳細を図4に示す。この図4に示す例では、管理サーバ100、通知サーバ400、及び複合機200が例えばインターネット等の広域通信網であるネットワークNTに接続されていずれも相互にデジタル信号の各種情報を送受可能となっている。また同じネットワークNTには無線中継局500も接続されており、管理サーバ100と通知サーバ400がネットワークNTと無線中継局500を介して、一般無線通信回線によりユーザのモバイル端末300と相互にデジタル信号の各種情報を送受可能となっている。また複合機200は、ユーザのモバイル端末300に対して、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANやBluetooth(登録商標)といったローカルネットワークを介してデジタル信号の各種情報を送受可能となっている。なお、上記のネットワークNTが第1通信の一例であり、上記のローカルネットワークが第2通信の一例である。また、通知サーバ400を経由しないネットワークNTが第1通信の一例であり、上記通知サーバ400を経由するネットワークNTが第2通信の他の一例である。
【0050】
以上のように管理サーバ100、複合機200、及びモバイル端末300が常に互いの情報送受機能を維持していることで、印刷サービス提供システム1は上述したユーザ任意消費印刷、ユーザ手動チャージモード、定期オートチャージモード、及び追加オートチャージモードを連携させたプリペイド印刷サービスを円滑に実行できる。
【0051】
しかしながら、複合機200側で発生した不具合により当該複合機200がネットワークNTから通信が途絶する状態、すなわち複合機200のオフライン状態となる場合がある。具体的な原因としては、例えば複合機200自体が備える通信インタフェース270の故障や、複合機200周辺の通信配線環境の不具合、もしくは契約しているプロバイダや回線業者で生じた事故、などが想定される。なお、複合機200がネットワークNTを介して管理サーバ100からの指示を受信可能なオンライン状態が通常状態の一例であり、上記オフライン状態が途絶状態の一例である。
【0052】
このような複合機200のオフライン状態が生じた場合には、印刷サービス提供システム1におけるプリペイド印刷サービスのうち、特にオートチャージの各モードの実行に大きな弊害が生じてしまう。すなわち上述したように、いずれのオートチャージモードも対象の複合機200に対してネットワークNTを介した管理サーバ100の状態監視と遠隔操作により実行されるものであるため、複合機200がオフライン状態である場合には何らオートチャージが実行されなくなる。
【0053】
これに対し、あらかじめユーザがいずれかのオートチャージモードの実行を設定してその正常な機能が確保されている場合には、ユーザが特に意識せずとも複合機200において常に印刷可能枚数が適切にチャージされて決して0枚に欠乏しないことが前提として扱われる。このため、ユーザが複合機200のオフライン状態に気付かずに印刷可能枚数の消費を続けた場合には、オートチャージの実行設定をしていながら意図しない0枚欠乏となり印刷できない事態に遭遇してしまうといった不都合が生じる。
【0054】
これに対して本実施形態の印刷サービス提供システム1では、あらかじめオートチャージの実行が設定されており、かつ、対象複合機200のオフライン状態が検知された場合に、管理サーバ100が通知サーバ400に指令して、オフライン状態の発生とその改善を促すオフライン通知をユーザのモバイル端末300に送信させる。
【0055】
<オフライン状態に対する通知設定と通知内容の例について>
図5は、ユーザが複合機200のオフライン状態に対する通知処理について設定する際のモバイル端末300のタッチパネル340上における画面表示の遷移内容を表してる。まずあらかじめインストールされている複合機管理アプリを起動した際には図5(a)に示すトップ画面が表示され、その表示画面中のコンフィグ遷移ボタン341を押下操作することで図5(b)に示すコンフィグ画面に表示が遷移する。そしてコンフィグ画面中でリストアップされている中の通知設定ボタン342を押下操作することで、図5(c)に示すような通知設定画面が表示される。
【0056】
図5(c)に示す例の通知設定画面の上方部では、複合機200のオフライン状態が検知された場合に当該モバイル端末300へ通知する形態としてEメールで通知するか、SMS(ショートメッセージサービス)で通知するかをラジオボックスでの選択操作によって設定可能となっている。また通知設定画面の下方部では、ユーザへ通知する条件の設定が可能となっている。そして、図5(c)に示す例の通知設定画面の下方部では、複合機200のオフライン状態が検知された場合を条件とすることと、さらに追加オートチャージモードの実行が設定されている場合を条件とすることの2つの条件を、それぞれラジオボックスでの選択操作によって設定可能となっている。つまり、オフライン状態が検知されている場合にその旨を通知するか、さらにオートチャージモードの実行が設定されている場合に通知するかの選択が可能となっている。
【0057】
本実施形態の印刷サービス提供システム1の例においては、ユーザがモバイル端末300に対して行った上記操作による通知設定の内容が管理サーバ100へ送信されて記憶装置115に記憶され、後述する通知管理プログラム133の実行時に参照される。管理サーバ100がその通知管理プログラム133の実行時に対象の複合機200のオフライン状態を検知した場合には、通知設定の内容に従って当該対象の複合機200に対応するユーザのモバイル端末300に対してオフライン通知を送信するよう通知サーバ400に指令を送信する。
【0058】
図6は、モバイル端末300が通知サーバ400からEメールの形態のオフライン通知を受信した際のタッチパネル340上での表示例である。その通知内容としては、複合機200(図中では「プリンタ」と表記)がオフラインの状態にあることと、その場合にオートチャージが有効に機能しないことなどの弊害と、そのためにオフライン状態の解除を促す内容のメッセージが含まれる。なお、このようなオフライン通知が警告通知の一例である。また、モバイル端末300及びそのOS(Operating System)の仕様として可能であれば、オフライン通知の形態として図7に示すように通常時の待ち受け画面上で複合機200のオフライン状態を警告表示するいわゆるプッシュ通知で通知してもよい。この場合、プッシュ通知でオフライン通知を行うように図5(c)の表示例において「プッシュ通知で通知する」を選択肢に追加してもよい。
【0059】
<制御手順>
本実施形態における上記手法を実現するために、管理サーバ100のプロセッサ110が実行する通知管理プログラム133での制御手順の一例を図8のフローチャートにより説明する。プロセッサ110は、例えば特に図示しないタイマなどで計時した所定の時間周期で下記のフローを呼び出し、実行を開始する。
【0060】
まずS5において、プロセッサ110により、例えばPingを利用するなどの手法によって、対象の複合機200との間のネットワークNTを介した通信接続状態を確認する。
【0061】
S10において、プロセッサ110により、上記S5での確認結果から対象の複合機200がオフライン状態であったか否かが判定される。複合機200がオンライン状態であった場合にはNO判定となり、S15へ移行する。なお、このS10の手順が受信判定処理の一例である。S15では、最終接続確認日のパラメータをその時点の日付に更新し、このフローを終了する。
【0062】
一方、上記S10において、複合機200がオフライン状態であった場合にはYES判定となり、S20へ移行する。
【0063】
S20では、プロセッサ110により、通知サーバ400が有効に機能するか否かが判定される。通知サーバ400自体に不具合が生じていたり、通知サーバ400に対してもオフライン状態が検知された場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、通知サーバ400が有効に機能する場合にはYES判定となり、S25へ移行する。
【0064】
S25では、プロセッサ110により、その時点の日付が最終接続確認日から所定期間以上経過したか否かが判定される。その時点の日付が最終接続確認日からまだ所定期間以上経過していない場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、その時点の日付が最終接続確認日から所定期間(一例として2日)以上経過している場合にはYES判定となり、S30へ移行する。尚、最終接続確認日に代えて最終接続確認日時を管理し、当該所定期間を短い期間(例えば4時間)としてもよい。また、複合機200より周期的に所定のデータ(一例として印刷可能枚数)の現在値を受けるようにして、そのデータを所定期間以上受けていないかにより判定するようにしてもよい。
【0065】
S30では、プロセッサ110により、記憶装置115に記憶されている通知設定において、オートチャージモードの実行が設定されている場合のみ通知する設定内容となっているか否かが判定される。具体的には、上記図5(c)の設定画面における通知条件として「オフラインのとき」と「オートチャージモードの場合だけ通知する」の両方が選択された組み合わせの設定内容であるか否かが判定される。「オフラインのとき」だけが選択されて「オートチャージモードの場合だけ通知する」が選択されていない組み合わせの設定内容である場合にはNO判定となり、S35へ移行する。
【0066】
S35では、プロセッサ110により、通知サーバ400に対して対象の複合機200を指定し、対応するモバイル端末300へオフライン通知を通知するよう指令を送信する。そして、このフローを終了する。なお、このS35の手順が通知出力処理の一例である。
【0067】
一方、上記S30において、「オフラインのとき」と「オートチャージモードの場合だけ通知する」の両方が選択されている組み合わせの設定内容である場合にはYES判定となり、S40へ移行する。
【0068】
S40では、プロセッサ110により、記憶装置115に記憶されているチャージモードの設定において、特に図示しないユーザの設定操作によって定期オートチャージと追加オートチャージのうちいずれかのオートチャージモードの実行が設定されているか否かが判定される。いずれのオートチャージモードの実行も設定されていない場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、いずれか1つでもオートチャージモードの実行が設定されている場合にはYES判定となり、S35へ移行する。なお、このS40の手順がモード判定処理の一例である。
【0069】
<第1実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷サービス提供システム1は、ユーザ手動チャージモードでの印刷権限の購入時にはユーザの操作が介在するため複合機200がオフライン状態による不都合(複合機200の印刷可能枚数を増加できない、複合機200の現在の印刷可能枚数を管理サーバ100が認識できない等)に対応可能であるが、オートチャージモードでの印刷権限の自動購入時にはユーザの不在等によりユーザが不都合に対応できるとは限らない。
【0070】
本実施形態において管理サーバ100のプロセッサ110が実行する通知管理プログラム133での制御手順では、上記オートチャージモードで自動購入がなされる設定において前述のオフライン時に起こり得る不都合を予め回避するために、S40、S10、S35の手順が実行される。
【0071】
S40の手順では、印刷サービス提供システム1の動作モードがオートチャージモードであるか否か、が判定される。S10の手順では、複合機200がネットワークNTを介し管理サーバ100からの指示を受信可能なオンライン状態であるか、受信不可能なオフライン状態であるか、が判定される。S40の手順でオートチャージモードと判定されかつS10の手順で上記オフライン状態と判定されたことを契機に、S35の手順において、オフライン通知が出力される。オフライン通知は、自動購入が実行されないことを表す通知である。
【0072】
本実施形態によれば、オートチャージモードによる印刷権限の自動購入が行われる場合でかつ複合機200がオフラインの状態の場合にオフライン通知が行われるので、自動購入による印刷可能枚数の増加が可能なオンライン状態、すなわちネットワークNTを介した管理サーバ100からの指示を受信可能な状態への復帰を促すことができる。
【0073】
また、本実施形態では特に、複合機200がオフライン状態になり例えばインターネットネットワークであるネットワークNTを介した管理サーバ100からの指示を受信不可能になったことを契機に、管理サーバ100のプロセッサ110が実行する通知管理プログラム133での制御手順で通知サーバ400からモバイル端末300にオフライン通知が出力される。
【0074】
本実施形態によれば、複合機200がオフライン状態になったときに、モバイル端末300へのオフライン通知により当該オフライン状態になったことをユーザに報知し、オンライン状態への復帰を促すことができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、モバイル端末300へプッシュ通知によりオフラインの警告を行うこともできるので、オフライン状態のため自動購入による印刷可能枚数の増加(オートチャージ)ができない状態であることをユーザに対し確実に報知することができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、S40の手順でオートチャージモードであると判定され、かつ、S10及びS25の手順でオフライン状態であると判定されてから所定期間が経過した場合に、S35の手順でオフライン通知を出力する。これにより、複合機200のオフライン状態がある程度経過した場合にオフライン通知が出力されるので、電波環境等により一時的に短時間だけオフライン状態になった場合等において無駄に警告が行われるのを抑制することができる。
【0077】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図9図10により説明する。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0078】
上記第1実施形態では、複合機200のオフライン状態の検知と、オートチャージモードの実行設定の有無を判定し、それに基づいてオフライン通知の出力を指令する通知管理プログラム133を管理サーバ100のプロセッサ110が実行していた。これに対し第2実施形態では、図9に示すように複合機200の不揮発性記憶装置230に通知管理プログラム233が格納されており、そのプロセッサ210が当該通知管理プログラム233を実行する。
【0079】
<第2実施形態の制御手順>
本実施形態において、複合機200のプロセッサ210が実行する通知管理プログラム233での制御手順の一例を図10のフローチャートにより説明する。プロセッサ210は、例えば特に図示しないタイマなどで計時した所定の時間周期で下記のフローを呼び出し、実行を開始する。なお、本実施形態の例においては、ユーザがあらかじめモバイル端末300に対して行ったオートチャージモードの実行の設定、及び通知設定の内容があらかじめ複合機200に送信されて複合機200の記憶装置215に記憶されているものとする。
【0080】
まずS105において、プロセッサ210により、例えばPingを利用するなどの手法によって、管理サーバ100との間のネットワークNTを介した通信接続状態を確認する。
【0081】
S110において、プロセッサ210により、上記S105での確認結果から自複合機200がオフライン状態であったか否かが判定される。自複合機200がオンライン状態であった場合にはNO判定となり、S115へ移行する。なお、このS110の手順が受信判定処理の一例である。S115では、最終接続確認日のパラメータをその時点の日付に更新し、このフローを終了する。
【0082】
一方、上記S110において、自複合機200がオフライン状態であった場合にはYES判定となり、S117へ移行する。
【0083】
S117において、プロセッサ210により、その時点の印刷可能枚数を検知する。なお、このS117の手順が許容印刷量検知処理の一例である。
【0084】
S120へ移行し、プロセッサ210により、上記S117で検知した印刷可能枚数が判定閾値枚数以下であるか否かが判定される。印刷可能枚数が判定閾値枚数より多い場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、印刷可能枚数が判定閾値枚数以下である場合にはYES判定となり、S125へ移行する。
【0085】
S125では、プロセッサ210により、その時点の日付が最終接続確認日から所定期間以上経過したか否かが判定される。その時点の日付が最終接続確認日からまだ所定期間以上経過していない場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、その時点の日付が最終接続確認日から所定期間以上経過している場合にはYES判定となり、S130へ移行する。
【0086】
S130では、プロセッサ210により、記憶装置215に記憶されている通知設定において、オートチャージモードの実行が設定されている場合のみ通知する設定内容となっているか否かが判定される。具体的には、上記図5(c)の設定画面における通知条件として「オフラインのとき」と「オートチャージモードの場合だけ通知する」の両方が選択された組み合わせの設定内容であるか否かが判定される。「オフラインのとき」だけが選択されて「オートチャージモードの場合だけ通知する」が選択されていない組み合わせの設定内容である場合にはNO判定となり、S135へ移行する。
【0087】
S135では、プロセッサ210により、登録されているモバイル端末300へローカルネットワークを介してオフライン通知を送信する。そして、このフローを終了する。なお、このS135の手順が通知出力処理の一例である。
【0088】
一方、上記S130において、「オフラインのとき」と「オートチャージモードの場合だけ通知する」の両方が選択されている組み合わせの設定内容である場合にはYES判定となり、S140へ移行する。
【0089】
S140では、プロセッサ210により、記憶装置215に記憶されているチャージモードの設定において、特に図示しないユーザの設定操作によって定期オートチャージと追加オートチャージのうちいずれかのオートチャージモードの実行が設定されているか否かが判定される。いずれのオートチャージモードの実行も設定されていない場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、いずれか1つでもオートチャージモードの実行が設定されている場合にはYES判定となり、S135へ移行する。なお、このS140の手順がモード判定処理の一例である。
【0090】
<第2実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷サービス提供システム1は、本来ネットワークNTにより接続される複合機200が外部の管理サーバ100等とオフライン状態となったことを契機に、複合機200自体が格納している通知管理プログラム233を実行してオフライン通知を出力する。本実施形態によれば、ネットワークNTによる複合機200と管理サーバ100等とのオフライン状態が生じた場合に、その旨を、ユーザに報知することができる。
【0091】
また、本実施形態では特に、複合機200がオフライン状態になりネットワークNTを介した管理サーバ100からの指示を受信不可能になったことを契機に、ネットワークNTとは異なる態様のローカルネットワークにより複合機200からモバイル端末300にオフライン通知が出力される。
【0092】
本実施形態によれば、複合機200がオフライン状態になったときに、ローカルネットワークを介したモバイル端末300へのオフライン通知により当該オフライン状態になったことをユーザに報知し、オンライン状態への復帰を促すことができる。
【0093】
また、本実施形態においても、モバイル端末300へのプッシュ通知によりオフライン通知を行ってもよい。これにより、オフライン状態のため自動購入による印刷可能枚数の増加(オートチャージ)ができない状態であることをユーザに対し確実に報知することができる。
【0094】
また、本実施形態では特に、ネットワークNTによる管理サーバ100との通信が不可能なオフライン状態であっても、S135の手順でネットワークNTとは異なる態様のローカルネットワークによりオフライン通知を出力することで、自動購入が実行できない状態であることをユーザに対し確実に報知することができる。
【0095】
また、本実施形態では特に、S140の手順でオートチャージモードであると判定され、かつ、S110の手順でオフライン状態であると判定され、かつ、S117の手順で検知された印刷可能枚数が所定値以下になった場合に、S135の手順でオフライン通知を出力する。これにより、複合機200がオフライン状態になりかつオートチャージモードでありかつ印刷可能枚数がある程度減少している場合にオフライン通知が出力される。本実施形態によれば、オフライン状態であっても複合機200自体が検知可能な印刷可能枚数があまり減少しておらず、印刷不可能になる不都合が生じない場合等において、無駄に警告が行われるのを抑制することができる。
【0096】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を図11図12により説明する。上記第1、第2実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0097】
第3実施形態では、図11に示すようにモバイル端末300の大容量記憶装置350に通知管理プログラム353が格納されており、そのCPU310が上述の複合機管理アプリの起動中に当該通知管理プログラム353を実行する。なお、この場合の複合機管理アプリがアプリケーションプログラムの一例である。
【0098】
<第3実施形態の制御手順>
本実施形態において、モバイル端末300のCPU310が実行する通知管理プログラム353での制御手順の一例を図12のフローチャートにより説明する。CPU310は、例えば特に図示しないタイマなどで計時した所定の時間周期で下記のフローを呼び出し、実行を開始する。なお、本実施形態の例においては、ユーザがあらかじめモバイル端末300に対して行ったオートチャージモードの実行の設定、及び通知設定の内容がそのままモバイル端末300の大容量記憶装置350に記憶されているものとする。
【0099】
まずS205において、CPU310により、複合機200に対して例えばPingを利用するなどの手法により、管理サーバ100との間のネットワークNTを介した通信接続状態を確認させるようローカルネットワークを介して指令する。
【0100】
S210において、CPU310により、上記S205での確認結果から複合機200がオフライン状態であったか否かが判定される。複合機200がオンライン状態であった場合にはNO判定となり、S215へ移行する。なお、このS210の手順が受信判定処理の一例である。S215では、最終接続確認日のパラメータをその時点の日付に更新し、このフローを終了する。
【0101】
一方、上記S210において、複合機200がオフライン状態であった場合にはYES判定となり、S217へ移行する。
【0102】
S217において、CPU310により、複合機200に対してその時点の印刷可能枚数を検知するよう指令する。なお、このS217の手順が許容印刷量検知処理の一例である。
【0103】
S220へ移行し、CPU310により、上記S217で検知した印刷可能枚数が判定閾値枚数以下であるか否かが判定される。印刷可能枚数が判定閾値枚数より多い場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、印刷可能枚数が判定閾値枚数以下である場合にはYES判定となり、S225へ移行する。
【0104】
S225では、CPU310により、その時点の日付が最終接続確認日から所定期間以上経過したか否かが判定される。その時点の日付が最終接続確認日からまだ所定期間以上経過していない場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、その時点の日付が最終接続確認日から所定期間以上経過している場合にはYES判定となり、S230へ移行する。
【0105】
S230では、CPU310により、大容量記憶装置350に記憶されている通知設定において、オートチャージモードの実行が設定されている場合のみ通知する設定内容となっているか否かが判定される。具体的には、上記図5(c)の設定画面における通知条件として「オフラインのとき」と「オートチャージモードの場合だけ通知する」の両方が選択された組み合わせの設定内容であるか否かが判定される。「オフラインのとき」だけが選択されて「オートチャージモードの場合だけ通知する」が選択されていない組み合わせの設定内容である場合にはNO判定となり、S235へ移行する。
【0106】
S235では、CPU310により、タッチパネル340上に直接オフライン通知を表示する。そして、このフローを終了する。なお、このS235の手順が通知出力処理の一例である。
【0107】
一方、上記S230において、「オフラインのとき」と「オートチャージモードの場合だけ通知する」の両方が選択されている組み合わせの設定内容である場合にはYES判定となり、S240へ移行する。
【0108】
S240では、CPU310により、大容量記憶装置350に記憶されているチャージ設定において、特に図示しないユーザの設定操作によって定期オートチャージと追加オートチャージのうちいずれかのオートチャージモードの実行が設定されているか否かが判定される。いずれのオートチャージモードの実行も設定されていない場合にはNO判定となり、このフローを終了する。一方、いずれか1つでもオートチャージモードの実行が設定されている場合にはYES判定となり、S235へ移行する。なお、このS240の手順がモード判定処理の一例である。
【0109】
<第3実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の印刷サービス提供システム1は、複合機200がオフライン状態になり例えばインターネットネットワークであるネットワークNTを介した管理サーバ100からの指示を受信不可能になったことを契機に、モバイル端末300自体が通知管理プログラム353を実行してオフライン通知を行う。
【0110】
本実施形態によれば、複合機200がオフライン状態になったときに、モバイル端末300のオフライン通知により当該オフライン状態になったことをユーザに報知し、オンライン状態への復帰を促すことができる。
【0111】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。そのような変形例を順を追って説明する。上記実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜、説明を省略又は簡略化する。
【0112】
<端末装置が汎用パーソナルコンピュータである場合>
上記の各実施形態では、ユーザがオフライン通知を受信する端末装置としてモバイル端末300を使用した場合について説明したが、これに限られない。他にも、ユーザが汎用パーソナルコンピュータ(以下、「汎用PC」という)を端末装置として使用し、オフライン通知を受信してもよい。
【0113】
この場合には、図13に示すように、デスクトップ画面中において専用のポップアップウィンドウの形態で表示するステータスモニタ241でオフライン通知を表示してもよい。これにより、受信時にリアルタイムで、または当該汎用PCの起動時毎にオフライン通知を表示させることができ、またオフライン状態が改善されるまでその表示を維持することができる。また、端末装置として汎用PCを使用した場合には、Eメールの形態で受信したオフライン通知の内容を図14に示すようにフル画面表示してユーザに対し強く警告することができる。また、特に図示しないが、上記各態様のオフライン通知を複合機200の表示部240に表示させてもよい。
【0114】
また、以上において、図8図10図12等に示すフローチャートは本発明を当該フローチャートに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0115】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0116】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0117】
1 印刷サービス提供システム(印刷システムの一例)
100 管理サーバ(サーバの一例)
110 プロセッサ(通知管理装置の一例)
133 通知管理プログラム(通知管理装置の一例)
200 複合機(印刷装置の一例)
210 プロセッサ(通知管理装置の一例)
233 通知管理プログラム(通知管理装置の一例)
300 モバイル端末(端末装置の一例)
310 CPU(通知管理装置の一例)
340 タッチパネル
353 通知管理プログラム(通知管理装置の一例)
400 通知サーバ(サーバの一例)
NT ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14