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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065722
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】支援システム、支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/70 20180101AFI20240508BHJP
【FI】
G16H20/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174729
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】722012969
【氏名又は名称】森本 陽加里
(72)【発明者】
【氏名】森本 陽加里
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者において、被支援者の困難を具体的に正確に把握し、被支援者の要望を踏まえて適切な支援を実施するとともに、被支援者及び支援者間で情報を共有し、必要な支援を支援者と共有する支援システム及び支援プログラムを提供する。
【解決手段】発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者が操作する被支援者用端末2と、支援者が操作する支援者用端末3と、被支援者用端末2及び支援者用端末3と接続されるサーバ4とを備える支援システム1であって、サーバ4は、被支援者端末2から送信される被支援者が入力する自己評価情報、または被支援者の困難を軽減するために被支援者自身が工夫している手だてについて入力する自己支援情報の少なくとも一つを受け付ける受信部9と、自己評価情報または自己支援情報の少なくともいずれか1つを可視化する情報整理部11と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者が操作する被支援者用端末と、支援者が操作する支援者用端末と、前記被支援者用端末及び前記支援者用端末と有線または無線のネットワークを介して接続されるサーバとを備える支援システムであって、
前記サーバは、
前記被支援者端末から送信される前記被支援者が入力する自己評価情報、または前記被支援者の困難を軽減するために前記被支援者自身が工夫している手だてについて入力する自己支援情報の少なくとも一つを受け付ける受信部と、
前記自己評価情報または前記自己支援情報の少なくともいずれか1つを可視化する情報整理部と、を備えることを特徴とする支援システム。
【請求項2】
前記支援者用端末は、前記支援者が前記被支援者に対して行った支援について入力した支援記録情報を前記サーバへ送信し、
前記サーバは前記支援記録情報を受け付けて、該支援記録情報を前記被支援者端末へ送信し、
前記被支援者端末は、前記支援記録情報を受け付けて、前記支援記録情報に基づいて前記支援者が前記被支援者に対して行った支援に対するリアクションを示したフィードバック情報を生成するとともに、前記サーバへ該フィードバック情報を送信し、
前記サーバは、前記フィードバック情報及び前記支援記録情報に基づいて、前記支援者の支援を判定する判定部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の支援システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記被支援者を識別する識別情報に、前記自己評価情報、前記自己支援情報、前記支援記録情報、または、前記フィードバック情報の少なくともいずれか一つを紐づけて記録する記録部をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の支援システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記自己評価情報、前記自己支援情報及び前記フィードバック情報の少なくともいずれか一つを用いて、前記被支援者をあらわすキャラクターを制作するキャラクター制作部をさらに備えることを特徴とする請求項2または請求項3記載の支援システム。
【請求項5】
コンピュータを、
有線又は無線のネットワークを介して、発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者が操作する被支援者用端末及び支援者が操作する支援者用端末に接続され、前記被支援者端末から送信される前記被支援者が入力する自己評価情報、または前記被支援者の困難を軽減するために前記被支援者自身が工夫している手だてについて入力する自己支援情報の少なくとも一つを受け付ける第1のステップと、
前記自己評価情報または前記自己支援情報の少なくともいずれか1つを可視化する第2のステップとして動作させることを特徴とする支援プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者の支援に使用する支援システム、支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2000年以降、学校教育をはじめ教育分野において、障害のある子どもの教育については「障害の種類等に応じて特別の場で指導を行う」特殊教育から「障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う」特別支援教育への転換が進められ、発達障害をはじめ種々の障害や困難のある子どもへの理解と支援が進んできた。学校においても、医療や福祉との連携が進み、一人一人の子どもの障害や困難の理解にあたっては、医療関係者、心理関係者など専門家との面接や心理検査なども活用した評価や診断などを踏まえた理解が進み、具体的な支援にあたっては専門的な知見を踏まえた支援が実施され始めている。しかし、困難を抱えた子ども自身が感じている具体的な困難と何をどのように支援してほしいかという具体的な内容が本人と支援者で共有されているとは言い難い。
【0003】
現在、「支援者側の目線でなく、障がい当事者本人を中心に、本人の望みや願いを第一に考え、本人の可能性を最大限引き出す(神奈川県HP)」という「当事者目線の支援」が重要視されつつあるが、支援に対する当事者の具体的な参加方法が確立していないこと、またそれが共有されていないことから、当事者が自身の支援してほしい具体的なポイントや支援に対する要望を出すことが難しい。
【0004】
被支援者に対して行われた支援は、支援者間でのみノウハウ共有されることがほとんどで、記録される際も、紙媒体で記録されることが多い。その結果、支援が進学、進級など環境が変わるタイミングで正確に共有されず、また記録として蓄積していくことも少ない。
【0005】
さらに、多くの支援は支援者間で完結し、当事者に支援の内容やねらいが共有されないことが多い。このように、当事者の自分について、またその支援について「知る機会」は極端に少なく、当事者の自己理解や支援を求める力を育てる場・機会が限られていることから、当事者自身が自身の特性とうまく付き合いかつ、周囲に支援を求めながらの「自立」をめざすことが難しい状況にある。
【0006】
近年では、その普及率の高さや利便性に着目して、スマートフォンやタブレット端末を利用して被支援者に対する支援の補助を行う技術が開発されている。例えば、特許文献1には、発達障害や知的障害を有する被支援者に対して、社会生活上の課題を正確に把握し、支援の方向性を的確に決定でき、支援者の支援スキルが共有化されるための技術として、被支援者自身の評価情報である当事者側評価情報と支援者から見た被支援者の評価である支援者側評価情報に基づいて、その差分をマッピングすることで、被支援者の自覚している評価事項と自覚できていない評価事項とを判別し、支援を実施できる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-128726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の現状は「当事者目線の支援」という方向性や被支援者の自己評価を可視化するにとどまっており、被支援者自身の意思が反映された支援や当事者発信の支援の実現とまでは至っていない。また、支援方針に関して、被支援者の自己評価情報が活用される技術はあるが、支援を行った後のフィードバックやその後の支援の試行錯誤の段階までは被支援者の参加が想定されていない点から、「当事者目線の支援」の実現とはいいがたい。
【0009】
支援者が被支援者の要望や困りごとを察したり、代行して言葉にする場合が大半だが、察した内容や言葉にした内容が被支援者の意図や感覚からずれていることが多い。そのため、被支援者からの具体的な困りごとや支援要望、感覚を言語化また可視化し、支援者間で共有可能な状態にすることが望まれている。また、被支援者の自己理解や支援を求める力を育てる場・機会が限られていることから、そのような被支援者からの発信や支援へのフィードバック等を通し、自立に向け、自己理解や支援を依頼する力を養っていくことが望まれる。
【0010】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者において、被支援者の困難を具体的に正確に把握することができ、被支援者の要望を踏まえて適切な支援を実施していくことを可能にするとともに、被支援者及び支援者間で支援情報を共有し、被支援者からのフィードバックを共有することで、支援計画作成・実行・修正のサイクルの中で被支援者が発信する情報が反映され、変化していく被支援者の具体的な支援ニーズを明確にし、その時点で必要な支援を支援者と共有することを可能とする支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の支援システムは、発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者が操作する被支援者用端末と、支援者が操作する支援者用端末と、前記被支援者用端末及び前記支援者用端末と有線または無線のネットワークを介して接続されるサーバとを備える支援システムであって、前記サーバは、前記被支援者端末から送信される前記被支援者が入力する自己評価情報、または前記被支援者の困難を軽減するために前記被支援者自身が工夫している手だてについて入力する自己支援情報の少なくとも一つを受け付ける受信部と、前記自己評価情報または前記自己支援情報の少なくともいずれか1つを可視化する情報整理部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の支援システムの具体的な一形態としては、前記支援者用端末は、前記支援者が前記被支援者に対して行った支援について入力する支援記録情報を前記サーバへ送信し、前記サーバは前記支援記録情報を受け付けて、該支援記録情報を前記被支援者端末へ送信し、前記被支援者端末は、前記支援記録情報を受け付けて、前記支援記録情報に基づいて前記支援者が前記被支援者に対して行った支援に対するリアクションを示したフィードバック情報を生成するとともに、前記サーバへ該フィードバック情報を送信し、前記サーバは、前記フィードバック情報及び前記支援記録情報に基づいて、前記支援者の支援を判定する判定部をさらに備えるものを挙げることができる。
【0013】
本発明の支援システムの具体的な一形態としては、前記サーバは、前記被支援者を識別する識別情報に、前記自己評価情報、前記自己支援情報、前記支援記録情報、または、前記フィードバック情報の少なくともいずれか一つを紐づけて記録する記録部をさらに備えるものを挙げることができる。
【0014】
本発明の支援システムの具体的な一形態としては、前記サーバは、前記自己評価情報、前記自己支援情報及び前記フィードバック情報の少なくともいずれか一つを用いて、前記被支援者をあらわすキャラクターを制作するキャラクター制作部をさらに備えるものを挙げることができる。
【0015】
本発明の支援プログラムは、コンピュータを、有線又は無線のネットワークを介して、発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者が操作する被支援者用端末及び支援者が操作する支援者用端末に接続され、前記被支援者端末から送信される前記被支援者が入力する自己評価情報、または前記被支援者の困難を軽減するために前記被支援者自身が工夫している手だてについて入力する自己支援情報の少なくとも一つを受け付ける第1のステップと、前記自己評価情報または前記自己支援情報の少なくともいずれか1つを可視化する第2のステップとして動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、サーバに、被支援者用端末から被支援者が入力する自己評価情報、被支援者の困難を軽減するために被支援者自身が工夫している手だてについて入力する自己支援情報が送信されるので、支援される当事者から支援要望や思い、今困っていること等についての情報を発信することができ、支援において当事者が置いてきぼりになりがちだったところから、当事者目線での支援が可能になる。
【0017】
また、当事者の支援に関する要望や思いが明確に共有できることにより、納得した支援を実施することが可能になる。
【0018】
さらに、被支援者の変化していく支援要望及び被支援者の困りごとに対応した支援が可能になる。
【0019】
また、被支援者用端末から被支援者が入力する自己評価情報及び自己支援情報がサーバに送信され、情報整理部で整理されてグラフ等の形に可視化されることで、被支援者の情報や要望を周囲の支援者が理解しやすい形で共有することが可能になる。
【0020】
また、被支援者に対して行われた支援の記録である支援記録情報に基づいて被支援者が入力するフィードバック情報がサーバを介して支援者用端末に送信されることで、被支援者の自分に対して行われた支援に対するリアクションが支援者間で共有可能になり、当事者目線で支援を試行錯誤することが可能になる。
【0021】
さらに、フィードバック情報及び支援記録情報に基づいて前記支援者の支援を判定する判定部を備えることで、支援の傾向や被支援者のリアクションの傾向等を判断することが可能になる。これによって、データに基づいた支援の振り返りや発見が可能になる。
【0022】
また、サーバは、自己評価情報、支援記録情報及びフィードバック情報を紐づけて記録する記録部をさらに備えるので、被支援者の過去の記録と比較して現在の状況を把握することができ、被支援者の変化や成長を捉えることができる。
【0023】
また、キャラクター制作部にて、被支援者の入力する自己評価情報や自己支援情報に基づいて、キャラクターが制作され、動作していくことで、被支援者自身が自分自身について客観的に把握することを可能にする。さらに、発達障害の当事者が気づきにくい疲れ具合についても、キャラクターを通して可視化することで、気づきやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態の支援システムの全体像。
図2】第1実施形態の支援システムを示す概要図。
図3】第1実施形態の支援システムにおいて被支援者端末に表示される自己評価情報入力画面。
図4】第1実施形態の支援システムにおいて被支援者端末に表示される自己支援情報入力画面。
図5】第1実施形態の支援システムにおいて被支援者端末に表示される自己評価情報結果表示画面(グラフ)。
図6】第1実施形態の支援システムにおいて被支援者端末に表示される自己評価情報結果表示画面(要支援度の可視化)。
図7】第2実施形態の支援システムを示す概要図(判定部付属型)。
図8】第2実施形態の支援システムにおいて支援者端末に表示される支援記録情報入力画面。
図9】第2実施形態の支援システムにおいて被支援者端末に表示されるフィードバック情報入力画面。
図10】第3実施形態の支援システムの概要図(キャラクター制作部付属型)。
図11】第4実施形態の支援システムの概要図(行政閲覧型)。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の支援システムは、被支援者の困難を具体的に正確に把握することができ、被支援者の要望を踏まえて適切な支援を実施していくことを可能にするとともに、被支援者及び支援者間で支援情報を共有し、被支援者からのフィードバックを共有することで、支援計画作成・実行・修正のサイクルの中で被支援者が発信する情報が反映され、変化していく被支援者の具体的な支援ニーズを明確にし、その時点で必要な支援を支援者と共有することを可能とするものである。ここでいう被支援者は、発達障害など生活上または学習上の困難を有する人を指す。また、障害レベルではなくても同様の強い特性があって困難を抱えている人や愛着障害などのために発達障害と同様の困難を抱えている人、また、性的マイノリティ等のために困難を抱えている人、さらにヤングケアラー等の役割を果たしていて支援を必要としている人も本発明の被支援者に含まれる。以下、図面を用いて本発明の支援システムの実施形態について説明する。
【0026】
<第1実施形態>
第1実施形態の支援システムは、被支援者独立型の支援システム1であって、図1に示すように、発達障害など生活上または学習上の困難を有する被支援者が操作する被支援者用端末2と、支援者が操作する支援者用端末3と、被支援者用端末2及び支援者用端末3と有線または無線のネットワークを介して接続されるサーバ4とを備える。ここで、有線または無線のネットワークとは、データの送受信可能な電子通信回線のことであり、有線LAN、無線LAN、インターネットなどを用いることができる。
【0027】
被支援者用端末2は、被支援者が使用する端末であって、図1及び図2に示すように、CPU2a、メモリ2b、ネットワーク通信モジュール2c、タッチパネル2d、ディスプレイ2eを備える。メモリ2bは、支援システムを試用するための支援アプリを予め記録する。この支援アプリはCPU2aに実行されるアプリケーションプログラムであって、被支援者の操作に応じて例えばインターネットを介して被支援者用端末2にダウンロードされ、メモリ2bに書き込まれている。CPU2aはメモリ2bに記憶された支援アプリを実行する。これにより、タッチパネル2dは、被支援者側入力手段6a(図2参照)、ディスプレイ2eは、被支援者側表示手段6b(図2参照)、ネットワーク通信モジュール2cは、サーバ4との間で情報の通信を行う被支援者側送信手段6c(図2参照)または被支援者側受信手段6d(図2参照)、メモリ2bは、被支援者側記録手段6e(図2参照)として機能する。このような構成を備える被支援者用端末2としては、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、PC等の情報処理装置が用いられる。
【0028】
被支援者側入力手段6aは、被支援者が、被支援者自身の情報を示す自己評価情報、被支援者の困難を軽減するために前記被支援者自身が工夫している手だてに関する自己支援情報を入力するためのものである。被支援者側入力手段6aは、被支援者側表示手段6bに例えば図3に示すような質問を表示して、被支援者がこれに回答することにより、自己評価情報が生成される。また、被支援者側入力手段6aは、被支援者側表示手段6bに例えば図4に示すように、自身の困り事やその対処法を入力する入力画面が表示される。被支援者がこれに回答することにより、自己支援情報が生成される。このとき、図示しない時間管理部から、被支援者が自己評価情報または自己支援情報を生成した時間情報を取得する。
また、被支援者が初めてアプリケーションプログラムを実行したときに、被支援者側入力手段6aは、被支援者を識別する情報(本実施形態ではメールアドレスとパスワード)を入力する画面を被支援者側表示手段6bに表示し、被支援者が入力することで識別情報を生成する。
【0029】
被支援者側表示手段6bは、被支援者側入力手段6aから送信された情報を表示するとともに、被支援者側受信手段6dが支援者用端末3またはサーバ4から受信した情報を主に表示するものである。また、被支援者側記録手段6eが記録した情報を表示するものでもある。
【0030】
被支援者側送信手段6cは、被支援者入力手段6aによって入力された自己評価情報、自己支援情報、時間情報及び識別情報をサーバ4へ送信する。
【0031】
被支援者側受信手段6dは、支援者用端末3またはサーバ4から送信された情報を受信するものである。
【0032】
被支援者側記録手段6eは、被支援者側入力手段6aを用いて入力された自己評価情報、自己支援情報、時間情報、識別情報及び被支援者側受信手段6dが受信した情報を記録する。このとき、自己評価情報、自己支援情報または被支援者側受信手段6dが受信した情報の少なくともいずれか一つは時間情報に紐づいている。なお、本実施形態では、被支援者側記録手段6eが被支援者用端末2に設けられているが、サーバ4に設けられていてもよい。この場合、被支援者側受信手段6dは、被支援者側表示手段6bが表示する情報をサーバ4から受信する。
【0033】
支援者用端末3は、支援者が使用する端末であって、図1及び図2で示すように、CPU3a、メモリ3b、ネットワーク通信モジュール3c、タッチパネル3d、ディスプレイ3eを備える。メモリ3bは、支援システムを使用するための支援アプリを予め記憶する。この支援アプリは、CPU3aに実行されるアプリケーションプログラムであって、支援者の操作に応じて例えばインターネットを介して支援者端末にダウンロードされ、メモリ3bに書き込まれている。CPU3aはメモリに記憶された支援アプリを実行する。これにより、タッチパネル3dは、支援者側入力手段7a(図2参照)、ディスプレイ3eは、支援者側表示手段7b(図2参照)、ネットワーク通信モジュール3cは、サーバ4との間で情報の通信を行う支援者側送信手段7c(図2参照)または支援者側受信手段7d(図2参照)、メモリ3bは、支援者側記録手段7e(図2参照)として機能する。このような構成を備える支援者用端末3としては、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、PC等の情報処理装置が用いられる。
【0034】
支援者は、被支援者を特定して支援を行うために、例えば該特定の被支援者の被支援者用端末2の被支援者側表示手段6bに表示されるパスワードを支援者用端末3の支援者側入力手段7aを用いて入力することで、支援者用端末3が特定の被支援者用端末2とサーバ4を介して接続される。
【0035】
支援者側入力手段7aは、上述した特定の被支援者に接続するためのパスワードや支援者が、支援者から見た被支援者の情報を示す支援者側評価情報を入力するためのものである。支援者側入力手段7aは、支援者側表示手段7bに被支援者用端末2に表示されるものと同種の、例えば図3に示すような質問を表示して、支援者がこれに回答することにより、支援者側評価情報が生成される。このとき、図示しない時間管理部から、支援者が支援者側評価情報を生成した時間情報を取得する。
【0036】
支援者側表示手段7bは、支援者側入力手段7aが送信した情報に加えて、支援者側受信手段7dが受信した情報を表示する。
【0037】
支援者側送信手段7cは、支援者入力手段7aによって入力された支援者側評価情報、時間情報及び被支援者を特定した際に得られる識別情報をサーバ4へ送信する。
【0038】
支援者側受信手段7dは、サーバ4から送信された情報を受信する。
【0039】
支援者側記録手段7eは、支援者側入力手段7aを用いて入力された情報を記録する。なお、本実施形態では、支援者側記録手段7eが支援者用端末3に設けられているが、サーバ4に設けられていてもよい。この場合、支援者側受信手段7dは、支援者側表示手段7bが表示する情報をサーバ4から受信する。
【0040】
サーバ4は、被支援者用端末2や支援者用端末3から送信される情報(本実施形態では、被支援者用端末2から送信される自己評価情報及び自己支援情報、支援者用端末3から送信される支援者側評価情報)を受け付けて、その管理・編集等を行うものであって、図1及び図2に示すように、CPU4a、メモリ4b、ネットワーク通信モジュール4cを備える。CPU4aはメモリ4bに記憶されたプログラムを実行する。これにより、ネットワーク通信モジュール4cは、被支援者用端末2、支援者用端末3との間で情報の通信を行う受信部9/送信部10(図2参照)として機能する。また、CPU4aは、自己評価情報及び自己支援情報を可視化する情報整理部11(図2参照)として機能する。さらに、メモリ4bは、記録部12(図2参照)として機能する。
【0041】
受信部9は、被支援者用端末2または支援者用端末3から送信された情報を受け付けるものであって、本実施形態では、被支援者用端末2から送信された自己評価情報、自己支援情報、時間情報、及び識別情報を受信するとともに、支援者用端末3から送信された支援者側評価情報、時間情報及び識別情報を受信して、情報整理部11と記録部12へ送信する。
【0042】
情報整理部11は、被支援者用端末2から送信される自己評価情報または自己支援情報の少なくともいずれか1つを可視化するものであって、本実施形態では、自己評価情報及び自己支援情報の可視化を行う。具体的には、受信部9から送信された被支援者用端末2で入力された自己評価情報を受け付けて、自己評価情報に含まれる数値や回答内容に応じて自己評価情報を整理し、グラフや表などに可視化した第1結果情報Aを作成する。また、受信部9から送信された自己支援情報を受け付けて、自己支援情報に含まれる数値や回答内容に応じて自己支援情報を整理し、グラフや表などに可視化した第1結果情報Bを作成する。さらに、受信部9から送信された支援者用端末3で入力された支援者側評価情報を受け付けて、支援者側評価情報に含まれる数値や回答内容に応じて支援者側評価情報を整理し、グラフや表などに可視化した第2結果情報を作成する。
【0043】
記録部12は、受信部9が受信した情報や情報整理部11で生成された情報を記録するものであって、本実施形態では、受信部9で受信した自己評価情報、自己支援情報及び支援者側評価情報を受け付けて記録するとともに、情報整理部11で作成された第1結果情報A、第1結果情報B及び第2結果情報を記録する。このとき、識別情報に、自己評価情報、自己支援情報、支援者側評価情報、第1結果情報A、第1結果情報B、第2結果情報及び時間情報を紐づけて記録する。
【0044】
送信部10は、被支援者用端末2または支援者用端末3に情報を送信するものであって、第1結果情報A及び第1結果情報Bを被支援者用端末2及び支援者用端末3に送信する。また、第2結果情報を支援者用端末3へ送信する。このとき、第2結果情報を被支援者用端末2へ送信してもよい。
【0045】
上述した構成を備える第1実施形態の支援システムの動作について、以下説明する。
【0046】
自己評価情報及び支援者側評価情報について説明する。
<自己評価情報>
まず、被支援者用端末2において、被支援者の操作に応じて支援アプリが実行されると、被支援者側表示手段6bは、図3に示すように、被支援者が自身の特性や困りごとを入力する自己評価情報入力画面を表示する。例えば、自己評価情報入力画面に表示される情報は、発達障害の特性を中心とした質問事項であって、日常行動やそのときの感情等を関するものである。被支援者が被支援者側入力手段6aを用いて被支援者側表示手段6bに表示された質問事項に対して入力を行う。被支援者が入力した情報は自己評価情報として、被支援者を示す識別情報及び自己評価情報が生成された時間を示す時間情報とともに被支援者側送信手段6cを介してサーバ4へ送信される。
【0047】
なお、被支援者が入力した自己評価情報は、被支援者側送信手段6cを介してサーバ4へ送信されるとともに、被支援者側記録手段6eに記録される。
【0048】
<支援者側評価情報>
また、支援者用端末3において、支援者の操作に応じて支援アプリが実行されると、支援者側表示手段7bは、支援者が支援者から見た被支援者の特性や困りごとを入力する支援者側評価情報入力画面を表示する。この支援者側評価情報入力画面は、被支援者が自身の特性や困りごとを記入する自己評価情報入力画面と同種のものである。支援者が支援者側入力手段7aを用いて支援者側表示手段7bに表示された質問事項に対して入力を行う。入力された支援者が入力した支援者側評価情報は、被支援者を示す識別情報及び支援者側評価情報が生成された時間を示す時間情報とともに支援者側送信手段7cを介してサーバ4へ送信される。
【0049】
なお、支援者が入力した支援者側評価情報は、支援者側送信手段7cを介してサーバ4へ送信されるとともに、支援者側記録手段7eに記録される。
【0050】
サーバ4の受信部9は、被支援者用端末2から送信された自己評価情報、時間情報及び識別情報または支援者用端末3から送信された支援者側評価情報、時間情報及び識別情報を受信する。受信部9は、自己評価情報、支援者側評価情報、時間情報及び識別情報を情報整理部11及び記録部12に送信する。
【0051】
情報整理部11は、自己評価情報または支援者側評価情報を受け付けて、自己評価情報に含まれる数値や結果を整理し、グラフ及び要支援度を可視化できる状態のデータにした第1結果情報Aを作成する。また、支援者側評価情報に含まれる数値や結果を整理し、グラフ及び要支援度を可視化できる状態のデータにした第2結果情報を作成する。そして、第1結果情報Aまたは第2結果情報を送信部10および記録部12へ送信する。
【0052】
送信部10は、第1結果情報Aまたは第2結果情報及び識別情報を被支援者用端末2または支援者用端末3に送信する。また、記録部12は、識別情報に紐づけて自己評価情報または支援者側評価情報、第1結果情報A及び第2結果情報を記録する。
【0053】
次に、被支援者用端末2において、被支援者側受信手段6dは、サーバ4から送信された第1結果情報Aまたは第2結果情報を受信する。被支援者側表示手段6bが、第1結果情報Aまたは第2結果情報を表示すると、例えば図5及び図6に示すように、被支援者が入力した自己評価情報が整理され、グラフ化及び要支援度の可視化されたものが表示される。
【0054】
支援者側受信手段7dは、サーバ4から送信された第1結果情報Aまたは第2結果情報を受信する。支援者側表示手段7bが、第1結果情報Aまたは第2結果情報を表示すると、例えば図5及び図6に示すように、グラフ化及び要支援度の可視化されたものが表示される。なお、この表示されるものは、被支援者用端末2で表示されるものと同種のものである。なお、被支援者が希望しない場合には、支援者側受信手段7dが、第1結果情報Aを受信しないように構成することもできる。
【0055】
自己支援情報について説明する。
<自己支援情報>
被支援者側表示手段6bは、図4に示すように、被支援者自身が工夫している手だてについて入力する自己支援情報入力画面を表示する。被支援者側記録手段6eまたはサーバ4の記録部12は記録された自己評価情報または第1結果情報Aを呼び出し、被支援者側表示手段6bで表示する。記録された自己評価情報または第1結果情報Aを参照しながら、被支援者が被支援者側入力手段6aを用いて入力を行う。入力された被支援者自身が工夫している手だてに関する自己支援情報は、識別情報及び自己支援情報が生成された時間を示す時間情報とともに被支援者側送信手段6cを介してサーバ4へ送信される。なお、被支援者は、自己評価情報とは独立して、自己支援情報を生成してもよい。
【0056】
サーバ4の受信部9は、被支援者用端末2から送信された自己支援情報、時間情報及び識別情報を受信する。この自己支援記録は、識別情報や時間情報等のデータに紐づけられ、情報整理部11に送信されるとともに、記録部12に記録される。さらに、送信部10を通して、支援者用端末3へ送信される。なお、支援者用端末3への送信の有無や送信先は、被支援者用端末2から選択できるようにすることが好ましい。
【0057】
上述した構成を備える第1実施形態の支援システム1では、自己評価情報及び自己支援情報を用いて、被支援者自身からの要望や思い、感覚を支援者が支援に用いることができる。これによって、支援者主導で行われていた支援が、被支援者発信のものになり、被支援者自身の要望を踏まえながら、当事者込みの支援を実現してくことが可能になる。
【0058】
また、被支援者が入力した自己評価情報が情報整理部によって可視化され、第1結果情報Aとして被支援者用端末2及び支援者用端末3に送信されることで、被支援者自身の感覚に基づいて入力した感覚に関する言語化や困り事が、第三者にとってより容易に理解できる形で共有することができる。これによって、被支援者自身も言葉で許容しにくく、また第三者に伝わりづらい困り事が、第三者にとって、より分かりやすい形に可視化され、支援を行うにあたり、当事者の意見を支援者間で共有しながら進めることができる。
【0059】
さらに、自己評価情報または自己支援情報、支援者側評価情報、時間情報、識別情報を紐づけて記録手段または記録部に記録することで、被支援者の特性や困り事を一元管理することができる。これにより、引継ぎ不足や後任の支援者の混乱を抑制することができる。
【0060】
加えて、被支援者の困り事や特性の変化や経過、成長を追うことが可能になる。
【0061】
また、第1実施形態の支援システム1では、被支援者の今困っていることや特性を具体的かつタイムリーに把握することができる。さらに、被支援者の困っていることを支援者に伝えるだけでなく、被支援者自身での工夫や自己支援を示した自己支援情報が情報整理部11で可視化されて第1結果情報Bが生成されることで、被支援者の気づかれにくい努力や工夫を適切に認めてもらうことができ、被支援者及びその支援者がチームで円滑に支援を行うことを可能にする。
【0062】
第1実施形態の支援システムにおいて、自己支援情報に被支援者の感情を示す情報が含まれていてもよい。この場合、情報整理部は、自己支援情報に含まれる感情を示す情報に基づいて、被支援者の精神状態を可視化した第1結果情報Bを作成し、これを被支援者端末2に送信することで、被支援者自身が自身の精神状態をより容易に把握することができる。
【0063】
第1実施形態では、被支援者用端末2に被支援者側記録手段6eが設けられ、支援者側端末3に支援者側記録手段7eが設けられていたが、これらを設けずに、記録部12が記録を行うように構成してもよい。この場合、被支援者用端末2または支援者用端末3から要求があった場合に、識別情報に基づいて、記録部から要求された情報を取り出して被支援者用端2または支援者用端末3に送信される。
【0064】
<第2実施形態>
第2実施形態の支援システムは、支援者が行った支援に対して被支援者がフィードバックを行ったり、フィードバック情報に基づいて分析を行ったりする支援システム15である。第1実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0065】
支援者用端末3において、支援者側表示手段7bは、図8に示すように、支援者が被支援者に対して行った支援について入力する支援記録情報入力画面を表示する。支援者側記録手段7eまたは記録部12は、記録された第1結果情報Aまたは第2結果情報を呼び出し、支援者側表示手段7bで表示する。表示された第1結果情報Aまたは第2結果情報を参照しながら、支援者が支援者側入力手段7aを用いて入力を行う。入力された支援者が行った支援に関する支援記録情報は、識別情報及び支援記録情報が生成された時間を示す時間情報とともに支援者側送信手段7cを介して被支援者用端末2またはサーバ4へ送信される。
【0066】
被支援者端末2において、被支援者側受信手段6dは、支援者用端末3またはサーバ4から送信された支援者用端末3において入力された被支援者に対する支援記録情報を受信する。被支援者側表示手段6bは、支援記録情報を表示する。被支援者は図9に示すように、被支援者側入力手段6aを用いて、支援記録情報に対するリアクション(評価や感想等)を入力する。被支援者が支援記録情報に基づいて入力したフィードバック情報は、識別情報及びフィードバック情報が生成された時間を示す時間情報とともに被支援者側送信手段6cを介してサーバ4へ送信される。
【0067】
サーバ4において、受信部9は、支援者用端末3から送信された支援記録情報及び被支援者用端末2から送信されたフィードバック情報を受信する。このとき、支援記録情報やフィードバック情報とともに送信された識別情報及び時間情報も受信する。受信した支援記録情報及びフィードバック情報、時間情報、識別情報は、記録部12に送信される。なお、フィードバック情報の支援者用端末3への送信の有無や送信先は、被支援者用端末2から選択できるようにすることが好ましい。また、記録部12は、被支援者用端末2から送信されたフィードバック情報及び支援者用端末3から送信された支援記録情報を識別情報及び時間情報に紐づけて記録する。
【0068】
ここで、第2実施形態のサーバ16は、判定部17をさらに備える。
【0069】
判定部17は、特定の識別情報に紐づけられた自己評価情報または支援者側評価情報、自己支援情報、第1結果情報A、第1結果情報B、第2結果情報、支援記録情報、フィードバック情報が記録部12に一定期間または一定量が蓄積されると、該特定の識別情報に紐づけられた自己評価情報または支援者側評価情報、自己支援情報、第1結果情報A、第1結果情報B、第2結果情報、支援記録情報、フィードバック情報の少なくともいずれか1つを時間情報とともに呼び出して、これらの情報に対し、支援等の傾向や結果のデータの分析、また、時間経過に伴う変化の分析を行う。判定部17にて作成された判定情報は、送信部10を通して被支援者用端末2または支援者用端末3へ送信される。さらに、この判定情報は、特定の識別情報に紐づけられて記録部12にて記録される。
【0070】
被支援者用端末2の被支援者側受信手段6d及び支援者用端末3の支援者側受信手段7dは、サーバ4から判定部17で作成された判定情報を受信する。被支援者側表示手段6b及び支援者側表示手段7bは判定部で作成された判定情報を表示する。
【0071】
第2実施形態の支援システム15では、支援者側からの支援を被支援者に共有し、被支援者からのリアクションを共有することで、支援に対する被支援者からの意見やフィードバックを取り入れながら、当事者込みの支援を実現することができる。さらに、入力されたデータから、支援等の傾向・結果を分析することで、支援の試行錯誤をしやすくする。
【0072】
第2実施形態のシステム15では、支援者端末3において、支援者側受信手段7dは、被支援者用端末2にて入力されたフィードバック情報を受信する。支援者側表示手段7bは、被支援者用端末2からのフィードバック情報を表示する。そのため、支援者は被支援者が支援に対してどのように感じているのかを確認することができる。
【0073】
また、被支援者端末2において、被支援者側表示手段6bは、被支援者側入力手段6aを用いて入力されたフィードバック情報及び支援記録情報を表示する。支援記録情報は、フィードバック情報の入力の有無にかかわらず、被支援者側表示手段6bを用いて表示することが可能である。そのため、被支援者は支援者によって、自身に対して行われた支援の内容を確認することができる。
【0074】
自己評価情報、自己支援情報、第1結果情報A、第1結果情報B、第2結果情報及びフィードバック情報は、被支援者側記録手段6eに記録されるように構成されていてもよい。さらに、支援者側評価情報、支援記録情報、第1結果情報A、第1結果情報B、第2結果情報は、支援者側記録手段7eに記録されるように構成されていてもよい。
【0075】
<第3実施形態>
第3実施形態の支援システムは、キャラクターを用いて被支援者の情報を表示する支援システム20である。第1実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0076】
第3実施形態のサーバ21は、キャラクター制作部22をさらに備える。
【0077】
サーバ21の受信部9は、被支援者用端末2から自己評価情報及び識別情報、時間情報を受信する。受信部9は、キャラクター制作部に、自己評価情報及び識別情報、時間情報を送信する。キャラクター制作部22は、自己評価情報に対応したオリジナルキャラクターを作成する。キャラクターについての情報は、識別情報に紐づけられ、記録部12で記録されるとともに、送信部10を通して被支援者用端末2へ送信される。なお、初回の自己評価情報の入力内容によって、キャラクターが作成され、その後の自己評価情報、自己支援情報またはフィードバック情報の入力内容に応じてキャラクターの見た目等が変化していくことが好ましい。
【0078】
被支援者端末2において、被支援者側受信手段6dは、サーバ21のキャラクター制作部22にて作成されたキャラクター情報を受信し、被支援者側表示手段6bを通して、被支援者用端末2上で動作させる。また、キャラクター情報は、被支援者側記録手段6eに記録される。
【0079】
キャラクター制作部22を通したキャラクターの作成は、被支援者用端末2のみならず支援者用端末3に対して行ってもよい。
【0080】
第3実施形態の支援システム20では、被支援者の今困っていることや特性を踏まえてオリジナルキャラクターが作成され、さらに被支援者の日々の入力内容に応じてキャラクターの見た目や様子が変化することから、被支援者自身が自分自身の状況を客観的に把握することが可能になる。発達障害等の当事者が気づきにくい自分自身の疲れ具合についてもキャラクターを通して可視化することで、気づきやすくすることができる。
【0081】
<第4実施形態>
第4実施形態の支援システム30は、サーバ16に接続された行政用端末31をさらに備える。第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0082】
第4実施形態の支援システム30は、自治体等行政が被支援者及び支援者にアカウントやサービス利用環境を付与する場合を想定したものである。
【0083】
行政用端末31は、行政側受信手段31a及び行政側表示手段31b、行政側記録手段31cを備える。
【0084】
行政側受信手段31aは、サーバ16から送信される第1結果情報A、第1結果情報B、第2結果情報または判定情報の少なくともいずれか一つを受信する。受信した情報は、行政側表示手段31bを通して、表示される。さらに、行政側記録手段31cによって記録される。なお、第1結果情報A、第1結果情報B、第2結果情報または判定情報は、本支援システムに入力および記録された個人が特定されない匿名の情報とし、行政用端末31が関わる地域住民の範囲で情報を閲覧することが可能であることが好ましい。
【0085】
第4実施形態の支援システム30では、行政用端末31に被支援者及び支援者情報が共有されることで、地域のニーズや支援の在り方について行政が継続的なモニタリングを行うことを可能にする。これにより、地域の現状の把握やそれを踏まえて他サービス・制度を改善していくことが可能になる。さらに、被支援者及び支援者間での情報共有だけでなく、生活する地域にも情報共有を行うため、地域全体でのチーム支援も可能になる。
【0086】
本発明の支援システムは上述の実施形態に限定されるものではない。
【0087】
被支援者が年少の場合や障害等の事情で入力が難しい場合は、保護者が被支援者用端末の入力を代行することができる。この際、被支援者用端末と保護者が使用する支援者用端末とがペアリングされる。これによって、自分自身で情報の入力が難しい被支援者にとっても意思表示や自分自身の支援について参加することを可能にする。さらに、代行者である家庭内支援者が被支援者とともに入力を行うことで、入力内容の正確さが高まり、家庭内での理解も促進される。
【0088】
被支援者用端末と支援者用端末は、サーバを介さず直接情報を送受信してもよい。
【0089】
例えば、第1結果情報の表示方法はグラフ以外でもよい。
【0090】
例えば、情報整理部で整理する自己支援情報は、感情についての情報以外でもよい。
【符号の説明】
【0091】
1、15、20、30・・・支援システム
2・・・被支援者端末
3・・・支援者端末
4、16、21・・・サーバ
9・・・受信部
11・・・情報整理部
17・・・判定部
12・・・記録部
22・・・キャラクター制作部

図1
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