(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065740
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】組立式物品棚
(51)【国際特許分類】
B65D 85/06 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B65D85/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174751
(22)【出願日】2022-10-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】593232402
【氏名又は名称】親和パッケージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】松縄 健太
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 昌宏
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA34
3E068AB08
3E068AC01
3E068BB08
3E068BB09
3E068BB12
3E068BB17
3E068CC11
3E068CD02
3E068DD40
3E068DE01
3E068EE06
3E068EE07
3E068EE14
3E068EE15
(57)【要約】
【課題】組立式物品棚を折畳み状態で段積み可能にしてコンテナ積載効率を高める。
【解決手段】本発明の組立式物品棚100は、パンタグラフ式に折畳み可能なフレーム状の棚部130、150を高さ方向で1段又は複数段で備え、1段目の棚部130の一対の脚部が一対の基礎フレーム111で支持されると共に、当該一対の基礎フレーム111の相互間隔が棚部130の折畳み動作と連動して拡縮可能に構成され、一対の基礎フレーム111を相互に連結する連結部材113が、基礎フレーム111に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンタグラフ式に折畳み可能なフレーム状の棚部を高さ方向で1段又は複数段で備え、1段目の前記棚部の一対の脚部が一対の基礎フレームで支持されると共に、当該一対の基礎フレームの相互間隔が前記棚部の折畳み動作と連動して拡縮可能に構成された組立式物品棚において、
前記一対の基礎フレームを相互に連結する連結部材が、前記基礎フレームに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする組立式物品棚。
【請求項2】
前記1段又は複数段の棚部が、扁平状に折畳み可能に構成されていることを特徴とする請求項1の組立式物品棚。
【請求項3】
前記棚部が扁平状に折畳まれた組立式物品棚が段積み可能に構成されていることを特徴とする請求項2の組立式物品棚。
【請求項4】
前記基礎フレームに、前記連結部材の収容部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の組立式物品棚。
【請求項5】
前記棚部を扁平状に折畳んで段積み可能にした状態で、前記収容部が組立式物品棚相互間の支持脚部として機能することを特徴とする請求項4の組立式物品棚。
【請求項6】
前記一対の基礎フレームが複数のキャスターを備え、当該複数のキャスターは前記棚部を扁平状に折畳んだ状態で横方向外側を向くことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項の組立式物品棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車タイヤなどを保管時に搭載するのに好適な組立式物品棚に関する。
【背景技術】
【0002】
物品としての例えば自動車タイヤは、倉庫に保管する場合は物品棚(例えば特許文献1のタイヤラック参照)に縦置きで搭載したり、横置きのまま段積みしたりする。倉庫から出荷されたタイヤは、国内生産の場合はエンドユーザまでトラックで輸送される。
【0003】
海外生産の場合は倉庫から輸出港まで、さらに輸入港からエンドユーザまで、それぞれトラックで輸送される。このようなトラック輸送では、ドライバや作業者が荷台へタイヤを手積み・手下ろしする重労働が発生している。
【0004】
そこで、倉庫で保管用に使用するタイヤラックを特許文献2(特開2021-066339号公報)の
図5のように、パンタグラフ式に折畳み可能にすることが提案されている。このようなタイヤラックであれば、複数のタイヤを搭載したままキャスターで水平移動し、トラックの荷台に対して積み下ろしが容易になる。
【0005】
特許文献2の折畳み式タイヤラックは、タイヤをエンドユーザに引き渡して空になったフレーム状の棚部を、支点ピンを中心として幅方向(左右方向)で縮小して縦長に折畳むことができる。この折りたたみ状態でバンニングして送り側にリターンすることで、積載率を向上し、タイヤラックの再利用により輸送コストを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62-157811号公報
【特許文献2】特開2021-066339号公報(
図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の折畳み式タイヤラックは
図2(a)のように扁平に折畳むことはできない。縦長に折畳んだタイヤラックでは、
図2(b)のように段積みができないのでコンテナ積載効率が悪い。特にタイヤラックを海外生産して国内に輸送する場合のバンニングとデバンニングにおいて、一度にハンドリングできるタイヤラックの数が少ないため作業効率が悪く、輸送コストが増大するという課題があった。また、需給バランスの変動により発生したタイヤラックの余剰在庫等の保管効率においても、縦長に畳むだけでは保管効率が悪いという課題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、組立式物品棚を折畳み状態で段積み可能にしてコンテナ積載効率を高めると共に、バンニングとデバンニングにおいてフォークリフトによるハンドリングを可能にして作業効率を高め、併せて組立式物品棚の在庫時の保管効率を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係る組立式物品棚は、パンタグラフ式に折畳み可能なフレーム状の棚部を高さ方向で1段又は複数段で備え、1段目の前記棚部の一対の脚部が一対の基礎フレームで支持されると共に、当該一対の基礎フレームの相互間隔が前記棚部の折畳み動作と連動して拡縮可能に構成された組立式物品棚において、前記一対の基礎フレームを相互に連結する連結部材が、前記基礎フレームに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1)組立式物品棚を折畳み状態で段積み可能にしてコンテナ積載効率を高め、2)組立式物品棚のバンニングとデバンニングにおいてフォークリフトによるハンドリングの作業効率を高め、3)組立式物品棚の在庫時の保管効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る組立式物品棚の斜視図である。
【
図2】扁平状に折り畳んだ組立式物品棚の(a)斜視図、(b)段積み状態の斜視図、(c)バンニングするコンテナの斜視図である。
【
図3】組立式物品棚のタイヤ積載形態の(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図および(d)タイヤ積載時の側面図である。
【
図4】組立式物品棚の仮収納形態の(a)斜視図、(b)側面図、(c)平面図である。
【
図5】組立式物品棚の基礎フレームに連結部材を連結する状態を示す図である。
【
図6】組立式物品棚を扁平化した状態の(a)斜視図、(b)正面図、(c)側面図である。
【
図7】組立式物品棚を扁平化する手順を示すもので、(a)は延長部材の取外し状態を示す斜視図、(b)(c)は基礎フレームから連結部材を取外す状態を示す斜視図、(d)は一対の基礎フレームを最大限離間させた状態の斜視図、(e)は基礎フレームに連結部材と延長部材を収容する状態の斜視図、(f)は基礎フレームの第2収容部に延長部材を収容する状態の斜視図、(g)は基礎フレームの第1収容部に連結部材を収容する状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、全図を通じて同一又は相当部分には同一符号を付することで、重複した説明を適宜省略することとする。
【0013】
(●組立式物品棚の概要)
図1に示すように、組立式物品棚100はパンタグラフ式に折畳み可能な複数のフレーム状棚部130、150、170を有する。すなわち、物品棚100は基礎部110と、第1段棚部130と、第2段棚部150と、第3段棚部を形成する延長部材170を有する。物品棚100の段数は3段以下に限定されるものではなく、4段或いは5段以上に増やすことも可能である。
【0014】
第1段棚部130を支持する基礎部110は、一対の基礎フレーム111と、当該一対の基礎フレーム111を相互に連結する左右一対の連結部材113を有する。各基礎フレーム111は、後述する
図2の物品棚100の扁平化において、連結部材113と延長部材170を収容する収容部111a、111bを有する。
【0015】
一対の基礎フレーム111はそれぞれ3つのキャスター115を有する。基礎フレーム111の長手方向両端に2つのキャスター115が取付けられ、長手方向中央の収容部111bの下部に1つのキャスター115が取付けられている。キャスター115をフロア上で滑らせることで、組立式物品棚100を容易に移動することができる。
【0016】
なお、キャスター115の数は任意であって、1つの基礎フレーム111について3つに限られるものではない。キャスター115の数は組立式物品棚100の安定的自立を維持できる個数であればよい。したがって、キャスター115の数は4つ以上であってもよいし、基礎フレーム111の長手方向両端に各1つであってもよい。
【0017】
各キャスター115に、必要に応じてロックペダルとロック解除ペダルを設けることができる。ロックペダルを踏むことで、組立式物品棚100が自然に移動するのを阻止することができる。
【0018】
第1段棚部130と第2段棚部150は、それぞれ、一対の矩形フレーム(横長の長方形フレーム)をパンタグラフ式に折畳み可能にX字状に交差させたものである。一対の基礎フレーム111の最大間隔を連結部材113で規制することで、後述する
図3(d)のように、重量のある複数のタイヤT1、T2、T3を3段で積載しても安定的にタイヤを支持できるようになっている。
【0019】
本発明に係る物品棚100は、前記連結部材113を基礎フレーム111から取外し可能に構成することで、物品棚100を
図2(a)ないし
図6のように扁平状に折畳み可能にしたことに特徴がある。こうすることで、
図2(b)のように扁平状に折畳んだ物品棚100を段積みすることができ、
図2(c)のコンテナCにバンニングする際の積載効率を縦長状態よりも大幅に高めることができる。
【0020】
(●第1収容部と第2収容部)
物品棚100の基礎フレーム111は、2本の連結部材113を収容する第1収容部111bと、4本の延長部材170を収容する第2収容部111aを有する。
【0021】
第1収容部111bは、基礎フレーム111の長手方向中央に配設されている。第2収容部111aは、基礎フレーム111の長手方向両端部に配設されている。
【0022】
第1収容部111bは基礎フレーム111と一体であって、
図7(g)のように上向きに開口した断面コ字状の細長部材で構成されている。第1収容部111bの収容溝111b1に連結部材113を上方から収容することができる。
【0023】
第1収容部111bの長手方向両端部にピン孔111b2が形成されている。第1収容部111bに連結部材113を収容した状態で当該ピン孔111b2にストッパーピン113bを挿入する。これで連結部材113とストッパーピン113bの脱落や紛失を防止することができる。
【0024】
第2収容部111aは、
図7(f)のように基礎フレーム111と一体の角材で構成されている。第2収容部111aの一端部に形成された鍵孔形状の挿入孔111a1から延長部材170を挿入することで、当該延長部材170を第2収容部111a内に収容することができる。この延長部材170は、第2収容部111aに収容した後にその長手軸を中心に所定角だけ回転することにより第2収容部111aにロックすることができるようになっている。
【0025】
延長部材170の下端部(挿入側端部)には、延長部材170の長手方向と直角方向に突出した凸部170aが形成されている。この凸部170aを、第2収容部111aの前記鍵孔形状の挿入孔111a1の凹部に係合可能に構成されている。
【0026】
(●第1段棚部と第2段棚部)
第1段棚部130は、
図1に示すように、矩形状の外側フレーム131と内側フレーム133を長手方向両端において支点ピン135でX字状に連結したものである。外側フレーム131と内側フレーム133の下端部(脚部)は、基礎フレーム111の上面にヒンジ部111cで回転可能に連結されている。外側フレーム131と内側フレーム133の上端部には、左右一対でU字状の把手131c、133cが配設されている。
【0027】
このU字状の把手131c、133cに代えて、
図1の上部に示すようにフレーム131、133を部分的に切欠いて構成した把手131c’にしてもよい。このような把手131c’であれば外側に張り出さないので他部材と干渉することがなく、物品棚100をよりコンパクトに折畳み可能になる。
【0028】
第2段棚部150は、矩形状の外側フレーム151と内側フレーム153を長手方向両端において支点ピン155でX字状に連結したものである。外側フレーム151と内側フレーム153の下端部は、第1段棚部130の外側フレーム131と内側フレーム133の上端部に配設された前後左右4か所のヒンジ部156で回転可能に連結されている。
【0029】
第2段棚部150の外側フレーム151と内側フレーム153の上端部に、第3段棚部を形成する延長部材170が着脱可能に連結されている。外側フレーム151と内側フレーム153の上端部には、延長部材170を長手方向から挿入するための短パイプ状の挿入部151a、153aが配設されている。
【0030】
挿入部151a、153aは、外側フレーム151と内側フレーム153の角部において、各フレーム151、153の短辺の延長方向に配設されている。挿入部151a、153aの側壁に沿って螺旋状の溝部151b、153bが形成されている。
【0031】
挿入部151a、153aの延長方向は、内側方向(挿入部151a、153aの上端が相互に接近する方向)に少し傾斜させてもよい。このように内側方向に傾斜させることで、
図3(d)のように第3段棚部に搭載されるタイヤT3の側面に対して延長部材170を当接させやすくなる。
【0032】
一方、延長部材170の下端部(挿入側端部)には、前述したように凸部170aが形成されている。延長部材170の下端部を挿入部151a、153aに挿入する際、前記凸部170aを螺旋状の溝部151b、153bに係合させる。こうすることで、延長部材170の上方への抜止め作用が得られる。
【0033】
第2段棚部150の外側フレーム151と内側フレーム153には、それぞれ、複数のU字状の把手151c、153cが設けられている。すなわち、外側フレーム151と内側フレーム153の各長辺の左右2箇所と各短辺の上下2箇所に、把手151c、153cが設けられている。
【0034】
第2段棚部150の把手151c、153cは、物品棚100を
図2(a)、
図6のように扁平状に折畳んだり、
図4(b)のように縦長に折畳んだり、或いは扁平状または縦長状から
図1のタイヤ載置形態に展開したりする際に、第1段棚部130と第2段棚部150のフレーム131、133、151、153を回動操作しやすくするためのものである。
【0035】
(●連結部材)
前述した連結部材113は、
図5のように基礎フレーム111に連結される。すなわち、一対の基礎フレーム111の長手方向両端部に、相手側基礎フレーム111と対向する側に開口した挿入孔111gを有するテールキャップ111fが配設されている。
【0036】
テールキャップ111fと反対側には、基礎フレーム111を構成する角パイプ材の角部に孔部111dが形成されている。この孔部111dの縁にストッパ片111eが形成されている。このストッパ片111eは、
図4に示す仮収納形態において連結部材113の後述のストッパーピン113bを受止めるためのものである。
【0037】
連結部材113の両端部には、ストッパーピン113bを着脱可能に挿入可能な孔部113aが径方向両側に貫通して形成されている。連結部材113の両端部は、ストッパーピン113bなしの状態でテールキャップ111fの挿入孔111gに挿入される。
【0038】
連結部材113の両端部を最後まで基礎フレーム111に挿入すると、基礎フレーム111の孔部111dから連結部材113の両端部が見える。この状態で連結部材113を適宜回転させてその孔部113aが基礎フレーム111の孔部111dから見えるようにする。
【0039】
すなわち、孔部113aが垂直から45度外側に傾斜した状態にする。この状態で連結部材113の孔部113aにストッパーピン113bを挿入する。
【0040】
この状態で、ストッパーピン113bはストッパ片111eよりも
図4(a)で右側に移動することはできないが、ストッパ片111eと反対方向には移動可能である。この反対方向の最大移動長さは、後述するようにテールキャップ111fで規制される。
【0041】
ストッパーピン113bの傾斜角(45度)は、連結部材113の両端部で同じ角度になるよう孔部113aが同じ位置に形成されている。ストッパーピン113bが45度傾斜した状態で、基礎フレーム111を相互に離間させる。
【0042】
すると、連結部材113のストッパーピン113bが
図5(c)のようにテールキャップ111fの内側に当接する。これにより、
図3(d)のタイヤ積載状態で第1段棚部130、第2段棚部150および延長部材170が荷重により水平方向に広がろうとする動きが、連結部材113とテールキャップ111fで規制される。
【0043】
(●物品棚の仮収納)
タイヤを下ろして空にした物品棚100を一時的収納(仮収納)のため折畳むには、
図4のように一対の基礎フレーム111を相互に最接近させる。この際、第2段棚部150のU字状の把手151c、153cを手で持って、各棚部130、150を縦長に折畳むように回動させる。
【0044】
そうすると、連結部材113の両端部が基礎フレーム111の中に押込まれていき、連結部材113の両端部のストッパーピン113bが一対の基礎フレーム111の孔部111dの縁のストッパ片111eに当接する。この状態から、第1段棚部130と第2段棚部150が
図1の状態に自然に展開することがないように、第1段棚部130又は第2段棚部150の一対の矩形フレーム間に、展開阻止用のフック等を必要に応じて設けることができる。また、当該フック等を設ける代わりに、ストッパーピン113bの軸回り回転(例えば45度)で一対の基礎フレーム111の相互離間を阻止可能に構成してもよい。
【0045】
(●物品棚のバンニング)
タイヤを下ろして空にした物品棚100をバンニングのため折畳むには、
図7(a)のようにまず4本の延長部材170を第2段棚部150の挿入部151a、153aから引抜く。次に、
図7(b)のように基礎フレーム111の孔部111d内に見えている連結部材113の端部の孔部113aから、ストッパーピン113bを引抜く。そして、
図7(c)のように一対の基礎フレーム111から連結部材113の両端部を引抜く。
【0046】
これで、左右一対の基礎フレーム111が相互に離間する方向に自由移動可能になる。次に、左右の基礎フレーム111を
図7(d)のように最大限に引離す。そうすると、第1段棚部130と第2段棚部150が支点ピン135、155を中心に回動してそれぞれ扁平化し、基礎部110上にコンパクトに重なる。
【0047】
また、左右の基礎フレーム111を、第1段棚部130とのヒンジ部111cを中心として上方に回動させる。これで第2収容部111aの横方向への張出しがなくなり、
図6の扁平化形態が上下方向にコンパクトになる。この状態では6つのキャスター115は全て横方向外側を向く。
【0048】
前記第2収容部111aは、
図2(a)ないし
図6の扁平化形態で各コーナにおいて上方を向く。したがって、
図2(b)のように扁平化形態で段積みする際に、第2収容部111aを各物品棚100間の支持脚部としても機能させることができる。
【0049】
この状態で、
図7(e)(f)のように左右の基礎フレーム111の4つの第2収容部111aに4本の延長部材170を差込む。この際、延長部材170の一端の凸部170aを、第2収容部111aの鍵孔形状の挿入孔111a1の凹部に係合させる。これで第2収容部111aから延長部材170が脱落するのを防止することができる。
【0050】
一方、基礎フレーム111から引抜いた連結部材113は、
図7(e)(g)のように基礎フレーム111の第1収容部111bに収容する。連結部材113を第1収容部111bに収容した後、ストッパーピン113bを第1収容部111bのピン孔111b2を通して連結部材113の孔部113aに垂直に差込む。これで連結部材113を第1収容部111bに固定することができる。
【0051】
図2(a)ないし
図6のようにして扁平化した物品棚100は、バンニングのために
図2(a)⇒(b)のように段積みすることができる。物品棚100の段積み数は任意であるが、
図2(b)は物品棚100を12台段積みしている。
【0052】
図2(b)の段積み状態において、基礎フレーム111の第2収容部111aが各物品棚100間の支持部として機能する。このため、各物品棚100間に形成された空間に扁平化した第1段棚部130と第2段棚部150を安全に収容することができる。
【0053】
また、
図2(b)の段積み状態において最下段の物品棚100の四隅のテールキャップ111fが接地する。当該テールキャップ111fによって、上方に段積みした複数の物品棚100の垂直荷重を支持する。テールキャップ111fは角パイプ材の端部に固定され、第2収容部111aとも一体的に構成されているので、大きな荷重でも安定的に支持することができる。
【0054】
これにより、
図2(c)のコンテナCに物品棚100をバンニングして海上輸送する間にコンテナCが横揺れ・傾斜しても、
図2(b)の段積み状態を安定的に維持することができる。したがって、段積み形態の荷崩れによる第1段棚部130や第2段棚部150等の損傷を防止することができる。また、物品棚100の段積み形態は、タイヤ生産工場における仮置き保管や在庫保管において、保管場所の削減(在庫時保管効率向上)やハンドリング容易性でも有利である。
【0055】
(●物品棚のデバンニング)
図2(c)のコンテナCが送り側にリターンされると、コンテナC内の
図2(b)の段積み状態の物品棚100をフォークリフトを使用してデバンニングする。その後、物品棚100を再利用するため前述と逆の手順で
図1のように展開する。
【0056】
物品棚100を再利用することで輸送コストを大幅に低減することができる。また、段積み形態から
図1のタイヤ搭載形態への展開・組立てに特別な工具が必要ないので、向け地を選ばず迅速に組立てが可能である。
【0057】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、前記実施形態では物品棚100をタイヤラックとして使用する場合を説明したが、本発明の物品棚100はタイヤラックに限らず棚置き可能な物品のすべてに使用可能である。また、連結部材113と延長部材170を収容する収容部111a、111bの位置は前述した位置に限られず、基礎フレーム111の任意の位置で構わない。
【0058】
また、2本の連結部材113と4本の延長部材170を共通部材で構成することも可能である。こうすることで、第1収容部111bと第2収容部111aを共通化することも可能となり、部品点数削減とコスト低減に加え、バンニングとデバンニングにおける作業効率向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0059】
100:組立式物品棚 110:基礎部
111:基礎フレーム 111a:第2収容部
111a1:挿入孔 111b:第1収容部
111b1:収容溝 111b2:ピン孔
111c:ヒンジ部 111d:孔部
111e:ストッパ片 111f:テールキャップ
111g:挿入孔 113:連結部材
113a:孔部 113b:ストッパーピン
115:キャスター 130:第1段棚部
131:外側フレーム 131c:把手
133:内側フレーム 133c:把手
135:支点ピン 150:第2段棚部
151:外側フレーム 151a:挿入部
151b:溝部 151c:把手
153:内側フレーム 153a:挿入部
153b:溝部 153c:把手
155:支点ピン 156:ヒンジ部
170:延長部材 170a:凸部
300:タイヤラック 310:基礎フレーム
C:コンテナ T1-T3:タイヤ
【手続補正書】
【提出日】2022-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンタグラフ式に折畳み可能なフレーム状の棚部を高さ方向で1段又は複数段で備え、1段目の前記棚部の一対の脚部が一対の基礎フレームで支持されると共に、当該一対の基礎フレームの相互間隔が前記棚部の折畳み動作と連動して拡縮可能に構成された組立式物品棚において、
前記一対の基礎フレームを相互に連結する連結部材が、前記基礎フレームに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする組立式物品棚。
【請求項2】
前記1段又は複数段の棚部が、扁平状に折畳み可能に構成されていることを特徴とする請求項1の組立式物品棚。
【請求項3】
前記棚部が扁平状に折畳まれた組立式物品棚が段積み可能に構成されていることを特徴とする請求項2の組立式物品棚。
【請求項4】
前記基礎フレームに、前記連結部材の収容部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の組立式物品棚。
【請求項5】
前記棚部を扁平状に折畳んで段積み可能にした状態で、前記収容部が組立式物品棚相互間の支持脚部として機能することを特徴とする請求項4の組立式物品棚。
【請求項6】
前記一対の基礎フレームが複数のキャスターを備え、当該複数のキャスターは前記棚部を扁平状に折畳んだ状態で横方向外側を向くことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の組立式物品棚。