(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065761
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】ドラグレバーおよび魚釣用両軸受リール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/02 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
A01K89/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174777
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】大古瀬 広樹
(72)【発明者】
【氏名】生田 剛
(72)【発明者】
【氏名】武智 邦生
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108HC02
2B108HC07
2B108HC09
2B108HC12
(57)【要約】
【課題】魚釣り中の糸がらみを抑制でき、ドラグレバーの揺動範囲を調整することができる。
【解決手段】スプールの回転を制動するドラグ機構の制動力を調整するドラグレバー80であって、リール本体10に回転自在に装着される装着部と、装着部から揺動軸の径方向に延び、第1揺動範囲T1に揺動する操作部82と、操作部82に設けられ、操作部82の第1揺動範囲T1を第2揺動範囲T2に調整する揺動範囲調整部材83と、を有する構成のドラグレバーを提供する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプールの回転を制動するドラグ機構の制動力を調整するドラグレバーであって、
リール本体に回転自在に装着される装着部と、
前記装着部から揺動軸の径方向に延び、第1揺動範囲に揺動する操作部と、
前記装着部及び前記操作部のうち少なくとも一方に設けられ、前記操作部の前記第1揺動範囲を第2揺動範囲に調整する調整部と、
を有するドラグレバー。
【請求項2】
前記調整部は、前記装着部及び前記操作部のうち少なくとも一方に相対位置調整可能に装着される、請求項1に記載のドラグレバー。
【請求項3】
前記調整部は、前記装着部及び前記操作部のうち少なくとも一方に着脱可能に装着される、請求項1に記載のドラグレバー。
【請求項4】
前記調整部は、前記操作部に装着され、前記リール本体に当接することで、前記操作部の揺動範囲を変更する、請求項1に記載のドラグレバー。
【請求項5】
前記調整部は、前記操作部の前記リール本体と向き合う第1対向面に装着される、請求項1に記載のドラグレバー。
【請求項6】
前記操作部は、前記操作部の前記リール本体と向き合う第1対向面に第1位置決め部を有し、
前記リール本体は、前記操作部と向き合う第2対向面に、前記第1位置決め部と係合する第2位置決め部を有する、請求項1に記載のドラグレバー。
【請求項7】
前記第1位置決め部は、前記第2対向面に向けて進退自在の係合ピンと、前記係合ピンを保持する保持部と、を有し、
前記第2位置決め部は、前記装着部の揺動方向に沿って形成され、前記係合ピンと係合する凹凸部を有する、請求項6に記載のドラグレバー。
【請求項8】
前記調整部は、前記保持部と近接して設けられる、請求項6に記載のドラグレバー。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のドラグレバーを備えた魚釣用両軸受リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラグレバーおよび魚釣用両軸受リールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚釣用両軸受リールに設けられるドラグレバーでは、リール本体の側面から外方に突出する凸部を設け、この凸部に揺動するドラグレバーを当接させることでそのドラグレバーの揺動範囲を規定する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この場合には、リール本体の側面に凸部が突出しているので、魚釣り中において凸部に釣糸が絡まる糸がらみが生じるおそれがあった。そのため、魚釣り中における凸部による糸がらみを抑制でき、ドラグレバーの揺動範囲を調整可能なものが求められており、その点で改良の余地があった。
また、ドラグレバーを共通化して、他の魚釣用両軸受リールに用いた際、ドラグレバーがリール本体に当接したりして、所望の揺動範囲を得ることができないなどあり、ドラグレバーの共通化の観点からも、改良の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、魚釣り中の糸がらみを抑制でき、ドラグレバーの揺動範囲を調整することができるドラグレバーおよび魚釣用両軸受リールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るドラグレバーの態様1は、スプールの回転を制動するドラグ機構の制動力を調整するドラグレバーであって、リール本体に回転自在に装着される装着部と、前記装着部から揺動軸の径方向に延び、第1揺動範囲に揺動する操作部と、前記装着部及び前記操作部のうち少なくとも一方に設けられ、前記操作部の前記第1揺動範囲を第2揺動範囲に調整する調整部と、を有することを特徴としている。
【0007】
本発明に係るドラグレバーの態様1によれば、装着部及び操作部のうち少なくとも一方に対して設けられる調整部によってドラグレバーの所定の揺動範囲を設定することができ、これによりドラグ機構の制動力を調整することができる。そのため、ドラグ解放位置であるフリー位置とドラグ機構の制動力が最大ドラグ状態となる最大位置との間の中間位置となるように調整部によって第1揺動範囲から第2揺動範囲に調整することが可能である。
また、本態様では、調整部がドラグレバーの装着部及び操作部のうちいずれか一方に設けられるので、ドラグレバーの揺動範囲を規定するための凸部がリール本体の側面から突出するような構成をなくすことができる。そのため、魚釣り中において、リール本体の側面に糸がらみすることを抑制できる。
さらに、本態様では、従来のように調整部がリール本体の側面に設けられていないので、調整部がリール本体に露出して外観が低下することがなく、意匠性が良好となる。
加えて、ドラグレバーを共通化させて、他のリールに取り付けた際には、他のリール形状に応じて、調整部で調整することにより、所望の揺動範囲に調整でき、ドラグラバーの共通化もできる。
【0008】
(2)本発明の態様2は、態様1のドラグレバーにおいて、前記調整部は、前記装着部及び前記操作部のうち少なくとも一方に相対位置調整可能に装着されることが好ましい。
【0009】
この場合には、操作部に対する調整部の相対位置を任意に変更することで、ドラグレバーの揺動範囲を任意に調整することができる。
【0010】
(3)本発明の態様3は、態様1のドラグレバーにおいて、前記調整部は、前記装着部及び前記操作部のうち少なくとも一方に着脱可能に装着されることが好ましい。
【0011】
この場合には、操作部に対して調整部が着脱可能であるので、例えば形状、寸法の異なる調整部から適宜な調整部を選択して装着部及び操作部のうち少なくとも一方に装着することで、ドラグレバーの揺動範囲を任意に調整することができる。
【0012】
(4)本発明の態様4は、態様1から態様3のいずれか一つのドラグレバーにおいて、前記調整部は、前記操作部に装着され、前記リール本体に当接することで、前記操作部の揺動範囲を変更することを特徴としてもよい。
【0013】
この場合には、ドラグレバーの揺動操作によってリール本体に対して相対変位する操作部に調整部が設けられ、所定の揺動位置で調整部をリール本体に当接するように調整することで、操作部の揺動範囲に設定することができる。
【0014】
(5)本発明の態様5は、態様1から態様4のいずれか一つのドラグレバーにおいて、前記調整部は、前記操作部の前記リール本体と向き合う第1対向面に装着されることを特徴としてもよい。
【0015】
この場合には、リール本体に向き合う第1対向面に調整部が設けられているので、調整部がリール外部に露出することを抑制でき、調整部に釣糸が絡まる糸がらみが生じることをより確実に抑制することができる。
【0016】
(6)本発明の態様6は、態様1から態様5のいずれか一つのドラグレバーにおいて、前記操作部は、前記操作部の前記リール本体と向き合う第1対向面に第1位置決め部を有し、前記リール本体は、前記操作部と向き合う第2対向面に、前記第1位置決め部と係合する第2位置決め部を有することを特徴としてもよい。
【0017】
この場合には、操作部の第1位置決め部をリール本体に設けられる第2位置決め部に位置決めすることで、ドラグレバーを例えばフリー位置と最大位置との間の中間位置となるように位置決めすることができる。
【0018】
(7)本発明の態様7は、態様6のドラグレバーにおいて、前記第1位置決め部は、前記第2対向面に向けて進退自在の係合ピンと、前記係合ピンを保持する保持部と、を有し、前記第2位置決め部は、前記装着部の揺動方向に沿って形成され、前記係合ピンと係合する凹凸部を有することを特徴としてもよい。
【0019】
この場合には、操作部の揺動とともに回動する係合ピンが進退自在な状態で保持部によって保持され、装着部の凹凸部に係合可能に設けられているので、揺動位置に応じて係合ピンが凹凸部に係合する。そのため凹凸部を揺動範囲の全域に配置することにより、揺動範囲においてドラグレバーを段階的に位置決めすることが可能となる。
【0020】
(8)本発明の態様8は、態様6のドラグレバーにおいて、前記調整部は、前記保持部と近接して設けられることを特徴としてもよい。
【0021】
この場合には、調整部と保持部とが操作部内で集約されて設けられるので、操作部が複雑な構造にならず、かつ操作部から突出する部材をなくすことができ、魚釣り中に操作部や調整部に釣糸が絡まる糸がらみが生じることを防止できる。
【0022】
(9)本発明に係るドラグレバーを備えた魚釣用両軸受リールの態様9は、態様1から態様8のいずれか一つのドラグレバーを備えていることを特徴としてもよい。
【0023】
この場合には、上述したドラグレバーの効果を有する魚釣用両軸受リールを提供できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るドラグレバーおよび魚釣用両軸受リールによれば、魚釣り中の糸がらみを抑制でき、ドラグレバーの揺動範囲を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態を示す図であって、両軸受リールの斜視図である。
【
図2】
図1に示す両軸受リールをハンドル側から見た側面図である。
【
図5】両軸受リールを斜め前方から見た一部破断した斜視図である。
【
図6】両軸受リールを斜め前方から見た部分斜視図である。
【
図8】ドラグレバーをスプール軸方向の内側から見た破断側面図である。
【
図9】ドラグレバーの揺動範囲を示す破断側面図であって、スプール軸方向の外側から見た図である。
【
図10】ドラグレバーの一部破断した斜視図である。
【
図12】係合ピンと凹凸部の係合状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るドラグレバーおよび魚釣用両軸受リールの実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において、各構成部材を視認可能な大きさとするために必要に応じて各構成部材の縮尺を適宜変更している場合がある。本実施形態では、魚釣用両軸受リールとして、両軸受リールを例に挙げて説明する。
【0027】
(全体構成)
図1および
図2に示すように、本実施形態の魚釣用両軸受リール(以下、両軸受リール1という)は、釣り糸を巻取可能な中型のレバードラグリールである。両軸受リール1は、スプール3の回転を制動するドラグ機構6の制動力を調整するドラグレバー80を備えている。
【0028】
両軸受リール1は、筒状のリール本体10と、リール本体10の中心部に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されたスプール軸2と、スプール軸2に回転自在かつ軸方向移動不能に支持されたスプール3と、リール本体10の側方に配置されたハンドル4と、を備えている。また、両軸受リール1は、
図3に示すように、ハンドル4の回転をスプール3に伝達する回転伝達機構5と、スプール3の糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構6と、をリール本体10の内部に備えている。
【0029】
(リール本体)
リール本体10は、金属製の左右1対の皿状の右側板10A及び左側板10Bと、右側板10A及び左側板10Bを前後及び下部で連結する複数の連結部11と、右側板10Aの外方を覆う右カバー部材12Aと、左側板10Bの外方を覆うように左側板10Bと一体形成された左カバー部材12Bと、を備えている。
連結部11には、両軸受リール1を釣竿に装着するための竿装着部13が一体形成されている。右側板10A、左側板10B、連結部11及び左カバー部材12Bは、金属の切削加工により一体成形されている。
【0030】
右カバー部材12Aは、
図1に示すように、金属製をなし、右側板10Aの外方を覆う。また、右側板10A及び左側板10Bは、スプール3が通過可能な開口を有している。左カバー部材12Bの内部には、スプール軸2の左端を軸方向移動自在かつ回転不能に支持するボス部(図示省略)が形成されている。左カバー部材12Bの内部には、スプール3の回転に応じて発音するスプール発音機構(図示省略)が設けられている。
【0031】
ハンドル4側の右カバー部材12Aには、
図1及び
図2に示すように、径方向及び軸方向外方に突出する膨出部122が形成されている。膨出部122には、
図3に示すように、回転伝達機構5が設けられている。膨出部122には、ハンドル4のハンドル軸40を支持するための第1支持筒部123と、ドラグレバー80を支持するための第2支持筒部124と、が形成されている。第1支持筒部123及び第2支持筒部124は、それぞれ軸方向外方に突出して形成されている。
【0032】
(スプール軸)
スプール軸2は、
図3に示すように、左カバー部材12Bのボス部(図示省略)と、右カバー部材12Aにより軸方向移動自在かつ回転不能に支持されている。スプール軸2は、外周面に配置された2つの第1軸受221、第2軸受222によりスプール3を回転自在に支持している。第1軸受221は、皿ばねの等の付勢部材64により、軸方向内側(
図3では右側)に付勢されている。第2軸受222は、コイルばね(図示省略)により軸方向内側(
図3では左側)に付勢されている。また、第1軸受221、第2軸受222の軸方向内側面は、スプール3及びスプール軸2により内側への移動が規制されている。これにより、スプール軸2とスプール3とは、軸方向に一体的に移動可能である。スプール軸2は、ドラグ機構6により軸方向にスプール3とともに移動する。
【0033】
(スプール)
スプール3は、
図3に示すように、糸巻胴部31と、糸巻胴部31の両端に一体形成されたフランジ部32と、を有している。右側のフランジ部32Aの端面には、ドラグ機構6を構成するドラグディスク61がねじにより固定されている。
【0034】
(ハンドル)
ハンドル4は、
図1及び
図2に示すように、スプール軸2の下方にスプール軸2と平行に配置された筒状のハンドル軸40の突出端に固定されている。ハンドル軸40は、リール本体10に回転自在に支持されている。ハンドル4は、長手方向と交差する方向に貫通孔(図示省略)が形成されたハンドルアーム41と、ハンドルアーム41の先端部に回転自在に装着されたハンドル把手42と、を有している。ハンドルアーム41は、金属製の板状部材であって、基端部に形成された非円形の前記貫通孔にハンドル軸40が一体回転可能に装着される。
【0035】
(回転伝達機構)
回転伝達機構5は、
図3に示すように、高低2速に切り換え可能な変速操作機構50を備えている。変速操作機構50は、ハンドル4のハンドル軸40に回転自在に支持された高速巻き取り用の第1メインギア(図示省略)及び低速巻き取り用の第2メインギア(図示省略)と、第1メインギア及び第2メインギアにそれぞれ噛み合う状態でスプール軸2に回転自在に装着された第1ピニオンギア53及び第2ピニオンギア54と、第1メインギア及び第2メインギアのいずれか一方とハンドル軸40とを結合し回転を伝達する係合片(図示省略)と、係合片の位置を第1メインギア51に係合する高速位置又は第2メインギア52に係合する低速位置の一方に設定する操作軸55と、を有している。操作軸55は、不図示のばね部材によって係合片を介して軸方向外側と第2メインギア52側に付勢されている。
【0036】
第1ピニオンギア53は、例えば非磁性のステンレス合金等の耐蝕性を有する金属製の筒状部材である。第1ピニオンギア53は、右端がスプール軸2の外側で膨出部122に装着された第4軸受531に回転自在に支持されている。また、第1ピニオンギア53の左端は、ドラグ機構6のピニオンギアカラー62に一体回転可能に係合している。第2ピニオンギア54は、第1ピニオンギア53と同様な材質の筒状部材であり、左端がドラグディスク61に一体回転可能に係合している。係合片は、ハンドル軸40のスリット内に回転不能に配置されている。
【0037】
操作軸55は、
図1に示すように、ハンドル軸40の貫通孔に挿通されている。操作軸55の
図2右側の端部は、ハンドルアーム41の軸方向外方(
図2右側)に突出しており、操作軸55を
図2左方向に押し込むことが可能である。操作軸55は、ハンドル軸40の突出端にねじ込まれたハンドル4をハンドル軸40に固定するための図示しないナット部材により軸方向に移動自在に支持されている。
【0038】
(ドラグ機構)
ドラグ機構6は、
図3に示すように、スプール3に回転不能に装着されるドラグディスク61と、ハンドル4からの回転が伝達され、ドラグディスク61のハンドル4側の第1面に対向して配置され、スプール軸方向に移動不能なピニオンギアカラー62と、ハンドル4からの回転が伝達され、ドラグディスク61の反ハンドル4側の第2面に対向して配置され、スプール軸2と連動してスプール軸方向に移動可能なドラグ受け63と、ドラグディスク61とドラグ受け63とを離反する方向に付勢する付勢部材64と、スプール軸2を軸方向に往復移動させるための移動機構65と、を備えている。
【0039】
ドラグディスク61は、ステンレス製の円盤状の制動ディスクであり、スプール3と共に回転する。ドラグディスク61は、スプール3のハンドル側(右側)のフランジ部32Aの外周部からスプール軸2の径方向内側に向けて延びる。スプール3の右側のフランジ部32Aとドラグディスク61との間には、ドラグディスク61を右側のフランジ部32Aとの間で離反させるコイルばね23が介在されている。コイルばね23は、ドラグレバー80をフリー位置P0から最大位置P2との間の中間位置P1となるまでは、スプール3における右側への移動とともにドラグディスク61を右側に押圧するように付勢する。このとき、ドラグディスク61は、ピニオンギアカラー62の第1摩擦板621(後述する)に接触することで摩擦力が生じてドラグ力が発生する。
【0040】
ピニオンギアカラー62は、ハンドル4の回転と共に回転するギア部(第1ピニオンギア53)からスプール軸2の径方向外側に向けて延びる円盤状の円盤部を形成している。ピニオンギアカラー62は、ドラグディスク61の第1面61aに対向する第1摩擦板621を有する。ピニオンギアカラー62には、スプール軸方向でドラグ受け63に向けて延びる凸部(図示省略)を有している。
【0041】
ドラグ受け63は、スプール軸2と共にスプール軸方向に移動可能であり、スプール軸2の径方向外側に向けて延びる円盤状の円盤部を形成している。ドラグ受け63は、スプール軸2に対して第3軸受632を介して回転可能に設けられている。ドラグ受け63は、ドラグディスク61に対向する第2摩擦板631を有する。ドラグ受け63には、ピニオンギアカラー62の凸部に沿って移動可能に係合する孔部(図示省略)を有し、ピニオンギアカラー62と共に回転する。
【0042】
ピニオンギアカラー62の第1摩擦板621及びドラグ受け63の第2摩擦板631は、例えばカーボングラファイトや繊維強化樹脂等の耐摩耗性材製のワッシャ状の円板部材であり、周方向に間隔を隔てて配置された複数本の取付ボルトにより、外側面に固定されている。
【0043】
付勢部材64は、皿バネに比して高負荷下において線形性を有し、安定したドラグカーブが得られる特性を有する多層巻き型の波型円環状コイルスプリングが採用されている。
【0044】
付勢部材64は、ドラグレバー80を中間位置P1から最大位置P2に向けて揺動操作することで、付勢部材64の付勢力によってドラグ受け63を右側に押圧する。これにより、ドラグ受け63の第2摩擦板631は、先にピニオンギアカラー62の第1摩擦板621に接触しているドラグディスク61に対して左側から接触する。つまり、ドラグディスク61は、第1摩擦板621と第2摩擦板631とによって挟持されて摩擦力が生じて、より大きなドラグ力が発生する。
【0045】
なお、コイルばね23の付勢力は、付勢部材64よりも小さく、付勢部材64の付勢力が作用する前(フリー位置P0から中間位置P1の間)に作用する。そのため、ドラグ機構6では、フリー位置P0から中間位置P1の間ではコイルばね23のみの付勢力でドラグ力が作用し、中間位置P1から最大位置P2までの間ではコイルばね23の付勢力に加えて付勢部材64の付勢力でドラグ力が作用する構成となっている。
【0046】
移動機構65は、
図3に示すように、ドラグレバー80の最大位置P2側からフリー位置P0側への移動に応じて、ドラグディスク61、ピニオンギアカラー62、及びドラグ受け63がそれぞれスプール軸方向に離間するように、スプール軸2を反ハンドル側(左側)へ移動させ、ドラグレバー80のフリー位置P0側から最大位置P2側への移動に応じて、ピニオンギアカラー62及びドラグ受け63でドラグディスク61を挟持するように、スプール軸2をハンドル4側(右側)へ移動させる。
【0047】
このようにドラグ機構6では、ドラグレバー80のフリー位置P0から最大位置P2側への移動に応じて、ピニオンギアカラー62及びドラグ受け63でドラグディスク61を挟持するように、スプール軸2をハンドル4側(右側)へ移動させ、スプール3の糸繰出し方向への回転を制動する。
【0048】
具体的に移動機構65は、
図4~
図6に示すように、右カバー部材12Aの第2支持筒部124の外周面124a(第2対向面)に揺動自在に設けられたドラグレバー80と、ドラグレバー80の
図2に示す時計回りの揺動に応じてスプール軸2を引っ張って右方に移動させる引張機構(図示省略)と、スプール軸2を左方に付勢してドラグレバー80の反時計回りの移動に応じてスプール軸2を左方に移動させるための前記付勢部材64と、第2支持筒部124に支持されるスプール軸2の端部に装着されドラグレバー80の制動力を調整するためのドラグ調整つまみ84と、を有している。
【0049】
(ドラグレバー)
ドラグレバー80は、
図7~
図10に示すように、スプール3(
図3参照)が自由回転可能なドラグフリー状態に対応したフリー位置P0とドラグ機構の最大ドラグ状態に対応した最大位置P2との間で右カバー部材12Aの第2支持筒部124の外周部(第2対向面124a)に揺動自在に装着されており、フリー位置P0と最大位置P2との間で揺動するように第1揺動範囲T1が規制されている。
ここで、ドラグレバー80において、ドラグレバー80の揺動中心Cに直交する方向を径方向とし、径方向で揺動中心C側を径方向内方、その反対側(後述する操作部82の突出先端側)を径方向外方として以下説明する。
【0050】
ドラグレバー80は、スプール軸2の径方向外方に延び右カバー部材12Aの側面に突出した第2支持筒部124の外周部に揺動自在(回転自在)に装着された装着部81と、装着部81の上面から先端部(径方向外方)に向かって延び前後方向に揺動操作可能な操作部82と、操作部82に設けられ、操作部82の第1揺動範囲T1(フリー位置P0から最大位置P2までの揺動範囲)を第2揺動範囲T2(フリー位置P0から中間位置P1までの揺動範囲)に調整する揺動範囲調整部材83(調整部)と、を有している。なお、中間位置P1は、フリー位置P0と最大位置P2の間の位置である。
【0051】
装着部81は、移動機構65(
図5及び
図6参照)を構成する図示しないカム部材に回転不能に係止されており、操作部82の揺動操作に応じて、スプール軸2及びスプール3をスプール軸方向に移動させるようになっている。装着部81は、外形が略円形の筒状の部分である。装着部81の側面中央部には、スプール軸2が装着されており、スプール軸2の端部には、キャップ状のドラグ調整つまみ84が装着されている。装着部81には、操作部82が一体成形されている。
【0052】
操作部82は、前後方向(前方向は
図9で時計回りの方向、後方向は
図9で反時計回りの方向)に第1揺動範囲T1で揺動操作可能に設けられている。操作部82は、
図5及び
図6に示すように、右カバー部材12Aの膨出部122の側面122aと、第2支持筒部124の外周面124a(第2対向面)とのそれぞれに対して僅かな隙間をあけて対向する位置に揺動自在に配置されている。第2対向面124aは、円弧状に延在する部分である。
【0053】
操作部82は、第2支持筒部124の周方向に延在する外周面124aに対して径方向に一体の間隔をあけて向き合う内端面82aを有している。内端面82aには、スプール軸方向の内側に揺動範囲調整部材83が固定され、揺動範囲調整部材83におけるスプール軸方向の外側に後述する係合ピン85が設けられている。
【0054】
ここで、第2支持筒部124は、右カバー部材12Aの膨出部122の側面122aより突出するように配置されている。第2支持筒部124の外周面124aには、操作部82に設けられる揺動範囲調整部材83の接触面83a(後述する)が接触することにより、ドラグレバー80を中間位置P1で位置決めする。
【0055】
(揺動範囲調整部材)
図7~
図10に示すように、揺動範囲調整部材83は、ブロック状のスペーサ部材である。揺動範囲調整部材83は、操作部82の内端面82aに設けられ、操作部82における取り付け位置が相対的に調整可能で、かつ着脱自在に装着されている。揺動範囲調整部材83は、操作部82における右カバー部材12Aの外周面124a側を向く内端面82aに装着され、後述する押さえプレート86と近接して設けられている。
【0056】
揺動範囲調整部材83は、第2支持筒部124の外周面124aに対して径方向に向き合うとともに、操作部82の揺動位置に応じて外周面124aに接触可能な接触面83a(第1対向面)を有している。揺動範囲調整部材83は、接触面83aの一部が外周面124aに接触してドラグレバー80をフリー位置P0と最大位置P2との間の中間位置P1で位置決め可能な部材である。接触面83aは、フリー位置P0から最大位置P2側に操作部82を揺動させるに従い外周面124aに近接、接触する。具体的には、中間位置P1において接触面83aの一部が外周面124aに対して接触し始め、中間位置P1から最大位置P2に向けて揺動されるに従い接触面積が大きくなる。このように、揺動範囲調整部材83の接触面83aにおける外周面124aとの接触位置を変更することにより、操作部82による第1揺動範囲T1を第2揺動範囲T2に変更することが可能である。
【0057】
このように、揺動範囲調整部材83は、
図9に示すように、ドラグレバー80をフリー位置P0から中間位置P1に向けて揺動操作したときに、揺動範囲調整部材83の接触面83aの一部が右カバー部材12Aにおける第2支持筒部124の外周面124aに接触してドラグレバー80を中間位置P1で位置決め可能である。ドラグレバー80の中間位置P1は、通常は釣り糸の引っ張り強度の1/3程度を目安に設定されている。
【0058】
図7及び
図8に示すように、右カバー部材12Aは、操作部82と向き合う第2支持筒部124に、係合ピン85と係合する凹凸部14a(第2位置決め部)を有する。凹凸部14aは、第2支持筒部124の外周面124aに回転不能に支持され、スプール軸2と同軸に形成されるリング状の発音部材14の外周縁の一部に形成されている。凹凸部14aは、装着部81の揺動方向に沿って形成され、後述する係合ピン85と係合する。
【0059】
また、揺動範囲調整部83の接触面83aには、係合ピン85(第1位置決め部)と、係合ピン85を操作部82に保持する押さえプレート86(保持部)と、を有している。これら係合ピン85及び押さえプレート86は、揺動範囲調整部材83と操作部82の基端部との間に位置している。係合ピン85は、ドラグレバー80を回動操作することにより、節度感のあるクリック音を発生させるものである。
【0060】
図10に示すように、右カバー部材12Aの外周面124aには、スプール軸2を回転可能に支持する軸受15を内周側で支持する円筒状の発音部材14が設けられている。発音部材14は、右カバー部材12Aに対して回転不能に固定されている。発音部材14の外周面には、係合ピン85と係合して発音させる凹凸部14aが周方向に沿って連続形成されている。凹凸部14aは、リング状の発音部材14の外周面の一定の円弧領域(すなわち、操作部82の揺動範囲に相当)に形成しても良いし、全周にわたって形成されていてもよい。
【0061】
図11及び
図12に示すように、係合ピン85は、操作部82の装着部81寄りの基部に設けられている。係合ピン85は、発音部材14の凹凸部14aに向けて進退自在に設けられている。係合ピン85のピン先端部851は、操作部82の内端面82aから径方向内方(揺動中心C側)に突出している。係合ピン85は、円筒状のピン先端部851と、ピン先端部851の基端側に一体に設けられピン先端部851よりも大径の大径筒部852と、ピン先端部851を外周面124a側(突出方向)に付勢するばね部材853と、を備えている。
【0062】
ばね部材853は、操作部82の内端面82aに形成される不図示の穴部に組み込まれ、ばね部材853の一端853aが大径筒部852のピン先端側とは反対側の外端面852aに当接している。これにより係合ピン85は、発音部材14の凹凸部14aに対して弾性付勢された状態となり、ドラグレバー80を回動操作することで、凹凸部14aと係合ピン85の弾発係合関係によってクリック音が発生するようになる。発音部材14の構成材料や凹凸部14aの深さ、ピッチとの組み合わせによって、音質や音量を変えることが可能である。
【0063】
押さえプレート86は、ピン軸方向から見て係合ピン85の両側に一対で設けられ、それぞれが操作部82に固定されている。一対の押さえプレート86同士の対向先端部86aは、ピン軸方向から見て大径筒部852の内端面852bに重なった状態で操作部82に取り付けられている。これにより、係合ピン85は、押さえプレート86によってばね部材853によって付勢されて突出する方向(径方向内側)への移動が規制され、抜け止め規制された状態となる。
【0064】
このように構成された両軸受けリール1において、
図9に示すように、ドラグ機構6のドラグ力を強弱調整する場合には、ドラグレバー80を揺動させる。ドラグレバー80を
図1において最も手前側の揺動位置であるドラグ解放位置(フリー位置P0)に配置すると、
図3に示すように、ドラグ機構6において、ドラグディスク61からピニオンギアカラー62及びドラグ受け63が離反してドラグ開放状態になり、スプール3が自由回転可能になる。これにより、キャスティングを行える。そこから、
図9に示す時計回りにドラグレバー80を揺動操作するとスプール軸方向外方(
図3の右側)に徐々に移動しスプール軸2及びスプール3が徐々に右側に移動する。この結果、ピニオンギアカラー62及びドラグ受け63のドラグディスク61への圧接力が強くなり、ドラグ力が強くなる。
【0065】
そして、
図9に示すように、ドラグレバー80をフリー位置P0から中間位置P1に向けて揺動操作したときに、揺動範囲調整部材83の接触面83aの一部が右カバー部材12Aにおける第2支持筒部124の外周面124aに接触して、ドラグレバー80が中間位置P1で位置決めされる。さらに、中間位置P1よりも前方にドラグレバー80を揺動させると、接触面83aと外周面124aとの接触面積が大きくなり、接触面83aのほぼ全体が外周面124aに接触した位置で最大位置P2となってドラグレバー80の揺動が停止され、ドラグ機構6の最大ドラグ状態となる。
【0066】
次に、このように構成されるドラグレバー80および両軸受リール1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態によるドラグレバー80は、スプール3の回転を制動するドラグ機構6の制動力を調整する。ドラグレバー80は、リール本体10に回転自在に装着される装着部81と、装着部81から揺動軸の径方向に延び、第1揺動範囲T1に揺動する操作部82と、操作部82に設けられ、操作部82の第1揺動範囲T1を第2揺動範囲T2に調整する揺動範囲調整部材83と、を有する。
【0067】
この場合には、操作部82に対して設けられる揺動範囲調整部材83によってドラグレバー80の所定の揺動範囲を設定することができ、これによりドラグ機構6の制動力を調整することができる。そのため、ドラグ解放位置であるフリー位置P0とドラグ機構6の制動力が最大ドラグ状態となる最大位置P2との間の中間位置P1となるように揺動範囲調整部材83によって第1揺動範囲T1から第2揺動範囲T2に調整することが可能である。
【0068】
また、本実施形態では、揺動範囲調整部材83がドラグレバー80の操作部82に設けられるので、ドラグレバー80の揺動範囲を規定するための凸部がリール本体10の側面から突出するような構成をなくすことができる。そのため、魚釣り中において、リール本体10の側面に糸がらみすることを抑制できる。
さらに、本実施形態では、従来のように揺動範囲調整部材83がリール本体10の側面に設けられていないので、揺動範囲調整部材83がリール本体10に露出して外観が低下することがなく、意匠性が良好となる。
【0069】
また、本実施形態では、揺動範囲調整部材83は、操作部82に相対位置調整可能に装着されているため、操作部82に対する揺動範囲調整部材83の相対位置を任意に変更することで、ドラグレバー80の揺動範囲を任意に調整することができる。
【0070】
また、本実施形態では、揺動範囲調整部材83は、操作部82に着脱可能に装着されている。
この場合には、操作部82に対して揺動範囲調整部材83が着脱可能であるので、例えば形状、寸法の異なる揺動範囲調整部材83から適宜な揺動範囲調整部材83を選択して装着部及び操作部82のうち少なくとも一方に装着することで、ドラグレバー80の揺動範囲を任意に調整することができる。
【0071】
また、本実施形態では、揺動範囲調整部材83は、操作部82に装着され、リール本体10に当接することで、操作部82の揺動範囲を変更する構成となっている。
そのため、ドラグレバー80の揺動操作によってリール本体10に対して相対変位する操作部82に揺動範囲調整部材83が設けられ、所定の揺動位置で揺動範囲調整部材83をリール本体10に当接するように調整することで、操作部82の揺動範囲に設定することができる。
【0072】
また、本実施形態では、揺動範囲調整部材83は、操作部82のリール本体10と向き合う接触面83aに装着されることが好ましい。
そのため、リール本体10に向き合う接触面83aに揺動範囲調整部材83が設けられているので、揺動範囲調整部材83がリール外部に露出することを抑制でき、揺動範囲調整部材83に釣糸が絡まる糸がらみが生じることをより確実に抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態では、揺動範囲調整部材83が押さえプレート86と近接して設けられるため、揺動範囲調整部材83と押さえプレート86とが操作部82内で集約されて設けられるので、操作部82が複雑な構造にならず、かつ操作部82から突出する部材をなくすことができ、魚釣り中に操作部82や揺動範囲調整部材83に釣糸が絡まる糸がらみが生じることを防止できる。
【0074】
上述のように構成された本実施形態によるドラグレバー80および両軸受リール1では、魚釣り中の糸がらみを抑制でき、ドラグレバー80の揺動範囲を調整することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
【0076】
例えば、上記実施形態では、中型のレバードラグリールを例にあげて説明したが、これに限られるものではなく、ドラグレバー80を有する両軸受リール1であれば、あらゆる両軸受リールに本発明を適用できる。
【0077】
また、本実施形態では、揺動範囲調整部材83(調整部)が操作部82に設けられた構成を一例としているが、装着部81に調整部が設けられていてもよいし、装着部81及び操作部82の両方に調整部が設けられていてもよい。
なお、調整部としては、上記の実施形態のような揺動範囲調整部材83に限定されることはなく、他の構成であってもよい。要は、調整部がリール本体10ではなく、装着部81及び操作部82のうち少なくとも一方に設けられていればよいのである。
【0078】
さらに、本実施形態の係合ピン85と発音部材14の凹凸部14aとは、発音機能を有するものとして例示しているが、これらを操作部82の位置決めの機能をもたせることも可能である。
この場合には、操作部82の係合ピン85をリール本体10に設けられる凹凸部14aに位置決めすることで、ドラグレバー80を例えばフリー位置P0と最大位置P2との間の中間位置P1となるように位置決めすることができる。また、この場合には、操作部82の揺動とともに回動する係合ピン85が進退自在な状態で押さえプレート86によって保持され、装着部81の凹凸部14aに係合可能に設けられているので、揺動位置に応じて係合ピン85が凹凸部14aに係合する。そのため凹凸部14aを揺動範囲の全域に配置することにより、揺動範囲においてドラグレバー80を段階的に位置決めすることが可能となる。
【符号の説明】
【0079】
1 両軸受リール(魚釣用両軸受リール)
2 スプール軸
3 スプール
4 ハンドル
6 ドラグ機構
10 リール本体
12A 右カバー部材
14 発音部材
14a 凹凸部(第2位置決め部)
80 ドラグレバー
81 装着部
82 操作部
82a 内端面
83 揺動範囲調整部材(調整部)
83a 接触面(第1対向面)
85 係合ピン(第1位置決め部)
86 押さえプレート(保持部)
124 第2支持筒部
124a 外周面(第2対向面)
P0 フリー位置
P1 中間位置
P2 最大位置
T1 第1揺動範囲
T2 第2揺動範囲