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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065771
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/04 20060101AFI20240508BHJP
   H04L 25/49 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H04L7/04 800
H04L7/04 200
H04L25/49 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174790
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】399011195
【氏名又は名称】ザインエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(72)【発明者】
【氏名】井手口 峻
(72)【発明者】
【氏名】落合 一夫
(72)【発明者】
【氏名】村田 雄介
【テーマコード(参考)】
5K029
5K047
【Fターム(参考)】
5K029EE13
5K029GG03
5K029HH24
5K047AA02
5K047HH12
5K047HH44
5K047LL15
(57)【要約】
【課題】 エラーが生じた後、正常なデータ信号に早期に復帰可能な受信装置が期待されている。
【解決手段】
この受信装置は、第1補正値DET-COMを出力する特殊コード検出回路2と、特殊コード検出回路2から出力された第1補正値DET-COMに応じて、バイトアライメントを実行するバイトアライメント回路3と、デコーダ4とを備えている。デコーダ4は、バイトアライメント回路3の出力信号から、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路41と、データ列生成回路41から出力された複数のデータ列のエラー判定をした複数のエラー信号が入力され、エラーの生じていないデータ列の情報を含む第2補正値θKを生成する補正値生成回路43とを備えている。特殊コードの受信前であっても、第2補正値θKに応じて、バイトアライメントを実行することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値を出力する特殊コード検出回路と、
前記第1補正値及び第2補正値が入力され、前記第1補正値及び前記第2補正値に応じて、前記データ信号のバイトアライメントを実行するバイトアライメント回路と、
前記バイトアライメント回路の出力信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路と、
前記データ列生成回路から出力された複数のデータ列のうち、特定のデータ列をデコードして出力し、且つ、前記特定のデータ列のエラー判定をするデコーダと、
前記データ列生成回路から出力された複数のデータ列のうち、前記特定のデータ列以外の残りのデータ列のそれぞれをエラー判定する複数のエラー検出器と、
前記デコーダ及び複数の前記エラー検出器から出力された、前記エラー判定の結果を示す複数のエラー信号が入力され、入力された複数のエラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む前記第2補正値を生成する補正値生成回路と、
を備える、
ことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値を出力する特殊コード検出回路と、
前記特殊コード検出回路から出力された前記第1補正値に応じて、前記データ信号のバイトアライメントを実行するバイトアライメント回路と、
前記バイトアライメント回路の出力信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路と、
前記データ列生成回路から出力された複数のデータ列を、それぞれデコードし、且つ、それぞれをエラー判定する複数のデコーダと、
複数の前記デコーダから出力された、前記エラー判定の結果を示す複数のエラー信号が入力され、入力された複数の前記エラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む第2補正値を生成する補正値生成回路と、
複数の前記デコーダから出力された複数のデータ列の中から、前記第2補正値に応じたデータ列を選択して出力する選択回路と、
を備える、
ことを特徴とする受信装置。
【請求項3】
シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値を出力する特殊コード検出回路と、
前記データ信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路と、
前記データ列生成回路から出力された複数のデータ列をそれぞれデコードし、且つ、それぞれをエラー判定する複数のデコーダと、
複数の前記デコーダから出力された、前記エラー判定の結果を示す複数のエラー信号が入力され、入力された複数の前記エラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む第2補正値を生成する補正値生成回路と、
複数の前記デコーダから出力された複数のデータ列の中から、前記第1補正値及び前記第2補正値に応じたデータ列を選択して出力するバイトアライメント回路と、
を備える、
ことを特徴とする受信装置。
【請求項4】
送信装置から送信されたシリアルデータ信号を受信し、パラレルデータ信号に変換し、前記データ信号として、前記特殊コード検出回路に入力するデシリアライザを更に備える、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の受信装置。
【請求項5】
前記バイトアライメント回路は、
バイトアライメントの実行完了の通知信号を出力し、
前記補正値生成回路に、前記通知信号が入力された場合には、
前記選択回路は、前記デコーダの中の既定設定のデコーダからのデータ列を選択して出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車内等の外来ノイズが多い環境下において、電磁両立性(EMC)を向上可能なデータ通信技術が求められている。特に、機器の高度化に伴い、データ通信量は、増大しており、EMC環境下において、画像データ信号等のデータ信号を高速に受信可能な受信装置が求められている。
【0003】
高速のデータ伝送を行うため、シリアルデータ通信が用いられる。従来、例えば、特許文献1のようなシリアルデータ通信技術が知られており、制御コードを用いたデータ受信が行われている。一般に、制御コード(Kコード)は、画像データ自身に関するコード(Dコード)とは異なるデータを示すコードとして用いられる。
【0004】
シンボルマッピング方式は、伝送符号化方式の一種であり、mビットのデータキャラクタをn(m<n)ビットにマッピングして、符号化シンボルとする符号化の方式のことである。このmビットをnビットに拡大マッピングすることによる冗長性を活かし、データを表すコードではない制御コードを生成することができる。制御コードのうち、シリアルデータの先頭を表す区切りシンボル、例えば8b/10b方式におけるコンマキャラクタを、特殊コードと呼ぶ。すなわち、シンボルマッピング方式の1つである8b10b符号化方式においては、特殊コードとして、コンマキャラクタ(K28.1、K28.5、K28.7)が知られている。この方式においては、画像データ受信装置は、定期的に(例えば、1画像に含まれる1ライン当たり、1画素分程度の割合で)、特殊コードを受信する。画像データ受信装置は、特殊コードの受信時において、受信した画像データ信号に対して、バイトアライメント(バイト境界アライメント)を行う。特許文献2は、バイトアライメントを行う方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2012/049815号
【特許文献2】米国特許8867683号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の家庭用の画像データ受信装置を、外来ノイズ等が多い環境下で用いた場合、画像が乱れる場合がある。ノイズ等の影響により、シリアルデータ信号に含まれる1個のデータが消失した場合、それ以降のデータ列(例:10ビット)のブロックを区分する位置(タイミング)が、正常値からずれるというエラーが発生し、画像が乱れることとなる。特殊コードの出現頻度が低いほど、単位時間当たりに受信可能な実質的な画像データ量を増加させることができるので、特殊コードの出現頻度は低い方が好ましい。しかしながら、特殊コードの受信に合わせて、バイトアライメントを行う場合、エラーが生じてから、正常なデータ信号(画像)へ復帰する時間が長くなる。そこで、正常なデータ信号に早期に復帰可能な受信装置が期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の受信装置は、シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値を出力する特殊コード検出回路と、前記第1補正値及び第2補正値が入力され、前記第1補正値及び前記第2補正値に応じて、前記データ信号のバイトアライメントを実行するバイトアライメント回路と、前記バイトアライメント回路の出力信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路と、前記データ列生成回路から出力された複数のデータ列のうち、特定のデータ列をデコードして出力し、且つ、前記特定のデータ列のエラー判定をするデコーダと、前記データ列生成回路から出力された複数のデータ列のうち、前記特定のデータ列以外の残りのデータ列のそれぞれをエラー判定する複数のエラー検出器と、前記デコーダ及び複数の前記エラー検出器から出力された、前記エラー判定の結果を示す複数のエラー信号が入力され、入力された複数のエラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む前記第2補正値を生成する補正値生成回路とを備える。
【0008】
この受信装置においては、第1補正値は、正常なタイミングを示す特殊コードの位置に対応しており、第1補正値を受信した場合には、バイトアライメント回路により、バイトアライメントを実行する。第2補正値は、複数のエラー信号に基づいて、エラーの生じていないデータ列の情報を有している。外来ノイズ等により、特殊コードの受信前に、エラーが生じた場合には、補正値生成回路により生成された第2補正値に応じて、データ信号のバイトアライメントを実行する。これにより、特殊コードの受信前であっても、正常なデータ信号に早期に復帰することができる。データ信号が、画像データ信号である場合は、画像の乱れを早期に解消することができる。この受信装置は、補正値生成回路で生成された第2補正値を、前段のバイトアライメント回路に、フィードバックして制御を行うものであり、多くの回路を必要としないため、比較的小さな回路規模で実現することができる。
【0009】
第2の受信装置は、シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値を出力する特殊コード検出回路と、前記特殊コード検出回路から出力された前記第1補正値に応じて、前記データ信号のバイトアライメントを実行するバイトアライメント回路と、前記バイトアライメント回路の出力信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路と、前記データ列生成回路から出力された複数のデータ列を、それぞれデコードし、且つ、それぞれをエラー判定する複数のデコーダと、複数の前記デコーダから出力された、前記エラー判定の結果を示す複数のエラー信号が入力され、入力された複数の前記エラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む第2補正値を生成する補正値生成回路と、複数の前記デコーダから出力された複数のデータ列の中から、前記第2補正値に応じたデータ列を選択して出力する選択回路とを備える。
【0010】
この受信装置においては、第1補正値は、正常なタイミングを示す特殊コードの位置に対応しており、第1補正値を受信した場合には、バイトアライメント回路により、バイトアライメントを実行する。第2補正値は、複数のエラー信号に基づいて、エラーの生じていないデータ列の情報を有している。外来ノイズ等により、特殊コードの受信前に、エラーが生じた場合には、補正値生成回路により生成された第2補正値に応じて、選択回路が、バイトアライメントズレの無いデータ列を選択して出力する。これにより、特殊コードの受信前であっても、正常なデータ信号に早期に復帰することができる。データ信号が、画像データ信号である場合は、画像の乱れを早期に解消することができる。
【0011】
第2の受信装置では、予め、複数のデコーダを用意している。正常データ信号は、データ列を正常なブロックの位置で区切って出力されるデータ信号であり、エラーデータ信号は、データ列をエラーが生じるブロックの位置で区切って出力されるデータ信号であるとする。複数のデコーダからは、正常データ信号と、エラーデータ信号群が、出力可能な状態である。この受信装置は、第2補正値によって、正常データ信号を選択することで、データ信号のバイトアライメントを実行する。この受信装置においては、バイトアライメント回路への第2補正値のフィードバックを必要としないので、回路構造が単純になり、保守性、ロバスト性に優れることとなる。
【0012】
また、第2の受信装置において、バイトアライメント回路は、バイトアライメントの実行完了の通知信号を出力し、補正値生成回路に、通知信号が入力された場合には、選択回路は、デコーダの中の既定設定のデコーダからのデータ列を選択して出力している。第2補正値に変更がない場合であっても、補正値生成回路が、第1補正値を受信することにより、選択回路は、正しい区切りのデータ列を出力することができる。
【0013】
第3の受信装置は、シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値を出力する特殊コード検出回路と、前記データ信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路と、前記データ列生成回路から出力された複数のデータ列をそれぞれデコードし、且つ、それぞれをエラー判定する複数のデコーダと、複数の前記デコーダから出力された、前記エラー判定の結果を示す複数のエラー信号が入力され、入力された複数の前記エラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む第2補正値を生成する補正値生成回路と、複数の前記デコーダから出力された複数のデータ列の中から、前記第1補正値及び前記第2補正値に応じたデータ列を選択して出力するとを備える。
【0014】
この受信装置においては、第1補正値は、正常なタイミングを示す特殊コードの位置に対応している。第2補正値は、複数のエラー信号に基づいて、エラーの生じていないデータ列の情報を有している。バイトアライメント回路は、複数のデコーダから出力された複数のデータ列の中から、第1補正値及び第2補正値に応じたデータ列を選択して出力する。外来ノイズ等により、特殊コードの受信前に、エラーが生じた場合には、補正値生成回路により生成された第2補正値に応じて、バイトアライメント回路が、バイトアライメントズレの無いデータ列を選択して出力する。これにより、特殊コードの受信前であっても、正常なデータ信号に早期に復帰することができる。データ信号が、画像データ信号である場合は、画像の乱れを早期に解消することができる。この受信装置は、バイトアライメントズレからの早期復帰を単純構成にて実現することができる。
【0015】
上述の受信装置は、送信装置から送信されたシリアルデータ信号を受信し、パラレルデータ信号に変換し、前記データ信号として、前記特殊コード検出回路に入力するデシリアライザを備えている。デシリアライザは、シリアルデータ信号をパラレルデータ信号に変換することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の受信装置によれば、データ信号にエラーが生じた場合でも、正常なデータ信号に早期に復帰することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、第1の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
図2図2は、特殊コード検出回路の回路構成を示す図である。
図3図3は、データ列生成回路及び特殊コード検出回路を示す図である。
図4図4は、データ列生成回路の一例を示す図である。
図5図5は、第1タイプのバイトアライメント回路を示す図である。
図6図6は、補正値生成機能付のデコーダの回路構成を示す図である。
図7図7は、第1の受信装置における画像データ信号の位相補正手順を説明するフローチャートである。
図8図8は、バイトアライメントのタイミングを説明するための図である。
図9図9は、複数のエラー信号の状態を説明するための図である。
図10図10は、第2の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
図11図11は、第2タイプのバイトアライメント回路を示す図である。
図12図12は、補正値生成機能付のデコーダの回路構成を示す図である。
図13図13は、第2の受信装置における画像データ信号の位相補正手順を説明するフローチャートである。
図14図14は、複数のエラー信号の状態を説明するための図である。
図15図15は、第1の受信装置におけるデータ送受信のタイミングの一例を説明するためのタイミング図である。
図16図16は、第2の受信装置におけるデータ送受信のタイミングの一例を説明するためのタイミング図である。
図17図17は、第3の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
図18図18は、補正値生成機能付のデコーダの回路構成を示す図である。
図19図19は、第3タイプのバイトアライメント回路を示す図である。
図20図20は、改良した第1の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
図21図21は、改良した第2の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
図22図22は、改良した第3の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0019】
図1は、第1の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
【0020】
送受信システムは、送信装置TXと受信装置RXとを備えている。
【0021】
送信装置TXは、エンコーダ201と、シリアライザ202とを備えている。エンコーダ201には、画像データ信号として、パラレルデータ信号DATA-P(IN)が入力されると共に、制御コード(8b10bにおけるKコード)に対応する信号FLAG-K(IN)が入力される。この信号FLAG-Kは、データの種類の識別子としても機能させることができる。エンコーダ201は、シンボルマッピング方式のエンコードを行う。本例では、8ビットのパラレルデータ信号が、エンコーダ201に入力される場合を示しており、エンコーダ201は、8b10b方式のエンコーダである。エンコーダ201は、エンコードされた10ビットのパラレルデータ信号DATA-P(EE)を出力する。パラレルデータ信号DATA-P(EE)は、シリアライザ202に入力される。シリアライザ202は、パラレルデータ信号DATA-P(EE)を、エンコードされたシリアルデータ信号DATA-S(E)に変換し、伝送ラインに出力する。エンコードされたシリアルデータ信号DATA-S(E)は、送信装置TXから送信され、伝送ラインを介して、受信装置RXが受信する。
【0022】
受信装置RXは、デシリアライザ1と、特殊コード検出回路2と、バイトアライメント回路3と、補正値生成機能付のデコーダ4とを備えている。
【0023】
デシリアライザ1は、受信したシリアルデータ信号DATA-S(E)を、10ビットのパラレルデータ信号DATA-P(E*)に変換する。シリアルデータ信号を、パラレルデータ信号に変換する場合は、連続するシリアルデータを、等間隔の位置で区切り、データ列のブロックを生成する。デシリアライザ1は、連続するシリアルデータを、10ビット毎に区切り、仮のパラレルデータ信号DATA-P(E*)を出力する。このように、受信装置RXは、送信装置TXからのデータ信号をシリアルデータ信号として受信し、パラレルデータ信号に変換し、このパラレルデータ信号を、特殊コード検出回路2及びバイトアライメント回路3に入力するデシリアライザ1を備えている。デシリアライザ1は、シリアルデータ信号をパラレルデータ信号に変換することができる。
【0024】
特殊コード検出回路2には、パラレルデータ信号DATA-P(E*)が入力される。特殊コード検出回路2は、パラレルデータ信号DATA-P(E*)から、1ビットずつシフトした複数のデータ列(例えば、10個のデータ列)を生成し、それぞれのデータ列を特殊コード(コンマキャラクタ)の列と比較して、特殊コードに一致するデータ列を検出した場合は、特殊コードの位置(タイミング)の情報を有する第1補正値DET-COMを出力する。第1補正値DET-COMは、前述のデータの区切り位置(位相)を、補正するために用いられる。第1補正値DET-COMは、例えば、複数のデータ列が生成されている場合に、特殊コードが検出されたデータ列の位置(X番目のデータ列)の情報を有している。
【0025】
バイトアライメント回路3には、パラレルデータ信号DATA-P(E*)が入力される。バイトアライメント回路3は、第1補正値DET-COMに応じて、仮のパラレルデータ信号DATA-P(E*)の区切り位置の補正、すなわち、バイトアライメントを実行する。画像データ信号においては、特殊コードは、ブランキング期間のスタート時と、終了時に埋め込まれており、終了時の特殊コードを受信した時刻(t0)の次のビットから、実質的な画像データの受信がスタートする。バイトアライメント回路3は、特殊コード検出回路2と同様に、パラレルデータ信号DATA-P(E*)から、1ビットずつシフトした複数のデータ列(例えば、10個のデータ列)を生成しており、いずれかのデータ列は、正しい位置で区切られている。特殊コード検出回路2が、特殊コードを受信したデータ列の位置がX番目であれば、バイトアライメント回路3においても、X番目のデータ列は、特殊コードで正しく区切られている。第1補正値DET-COMは、X番目という位置情報を、バイトアライメント回路3に指示する。バイトアライメント回路3は、正しい区切り情報に基づいて、バイトアライメントが行われたパラレルデータ信号DATA-P(E)を出力する。
【0026】
バイトアライメントが実行された後、外来ノイズ等により、正しい区切り位置からずれた位置で、バイトアライメントが実行されることがある(「バイトアライメントずれ」という)。
【0027】
「バイトアライメントずれ」とは、受信装置において、正しいデータのブロックでシリアルパラレル変換が行われない状態である。データにノイズが乗る事で、クロックデータリカバリ(CDR)回路の復元クロックがずれ、受信装置のシリアルデータ取得タイミングがずれ、受信したデータ個数自体に増減が発生する。この際、送信装置と受信装置において、データ数のずれが発生し、データ境界位置がずれてしまう。なお、送信側の送出クロックと、受信側の復元クロックの周波数がずれる事を、復元クロックずれと言う。受信装置の復元クロックが、送信装置の送出クロックより遅くなれば、伝送されてきた(1ビットの)データをサンプリングできないことがある。また、逆に復元クロックが、送信装置の送出クロックより早くなると、伝送されてきた(1ビットの)データを複数回サンプリングしてしまうため、受信装置で受け取ったデータ数が増えてしまうことがある。このように、送信装置で送出したデータビット数と、受信装置で受信したデータビット数が異なると、「バイトアライメントずれ」が発生する原因となる。
【0028】
この受信装置では、次の特殊コードの受信の前に、再度、バイトアライメントを実行して、早期に正しいデータ信号に復帰させる。第1の受信装置においては、後段のデコーダ4において、第2補正値θKを生成する。第2補正値θKは、第1補正値DET-COMと同様に、正しい位置で区切られたデータ列の位置(Y番目のデータ列)の情報を有している。バイトアライメント回路3が、第2補正値θKを受信した場合、第1補正値DET-COMを受信した場合と同様に、バイトアライメントを実行し、正しい区切り情報に基づいて、バイトアライメントが行われたパラレルデータ信号DATA-P(E)を出力する。
【0029】
デコーダ4には、パラレルデータ信号DATA-P(E)が入力される。デコーダ4は、受信したパラレルデータ信号DATA-P(E)をデコードして、パラレルデータ信号DATA-P(OUT)と、制御コードとしてのKコードに対応した信号FLAG-K(OUT)を出力する。
【0030】
また、デコーダ4は、補正値生成機能を有しており、受信したパラレルデータ信号DATA-P(E)に基いて、第2補正値θKを生成する。デコーダ4も、バイトアライメント回路3と同様に、1ビットずつシフトさせた複数のデータ列を生成しており、各データ列をデコードする際に、エラーが発生しなかったデータ列の位置の情報(Y番目のデータ列にはエラーが発生していない)を特定している。バイトアライメント回路3は第2補正値θKを受信した場合、Y番目のデータ列が、正しい位置で区切られているものと判断して、Y番目に対応するZ番目のデータ列の信号を出力することで、バイトアライメントを実行する。なお、Z番目は、X+Y番目であり、Zが最大値の10を超えた場合は当該最大値を減じる。以下、各回路の構造について、詳説する。
【0031】
図2は、特殊コード検出回路2の回路構成を示す図である。
【0032】
特殊コード検出回路2は、データ列生成回路21と、複数の特殊コード検出部22と、補正値生成回路23とを備えている。データ列生成回路21には、パラレルデータ信号DATA-P(E*)が入力される。本例では、データ列生成回路21は、パラレルデータ信号DATA-P(E*)から、1ビットずつシフトした10個のデータ列を生成している。各データ列(DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9))は、それぞれ、対応する特殊コード検出部22(0)~特殊コード検出部22(9)に入力される。各特殊コード検出部22には、8b10bコードも入力されており、受信したデータ列が、特殊コードがどの位置にあるかを判定している。8b10bの特殊コードとしては、コンマキャラクタ(K28.1、K28.5、K28.7)が知られている。
【0033】
特殊コード検出部22(0)~特殊コード検出部22(9)は、それぞれ、受信したデータ列に、特殊コード(コンマキャラクタ)が含まれているかどうかを示す特殊コード検出信号COMMA-DET(0)~COMMA-DET(9)を出力する。10個の特殊コード検出信号COMMA-DET(0)~COMMA-DET(9)は、補正値生成回路23に入力される。X番目(X=5)の特殊コード検出信号が、特殊コードを検出した旨を示す場合は、例えば、特殊コード検出信号の列は、(0,0,0,0,1,0,0,0,0,0)となる。補正値生成回路23は、受信した特殊コード検出信号の列から、X番目に特殊コードがある旨を示す第1補正値DET-COMを生成する。第1補正値DET-COMは、バイトアライメント回路3の選択回路に入力されるので、バイトアライメント回路3へ入力されるパラレルデータ信号DATA-P(E*)に適切に同期した信号であれば、特殊コード検出信号のデータ列そのままでもよい。
【0034】
図3は、データ列生成回路及び特殊コード検出回路を示す図である。
【0035】
データ列生成回路21は、連続して入力された第1データ列(データD0~D9)と、第2データ列(D10~D19)とを結合させ、20個のデータ(D0~D19)からなるデータ列を生成する。更に、20個のデータ列から、10個のデータ(ビット)毎に区切った、データ列DATA-ARRAY(n)を取り出す(n=0~9)。n番目のデータ列と、n+1番目のデータ列は、1ビット(データ)だけずれている。特殊コード検出部22(n)は、入力されたデータ列(D(19-n)~D(10-n))と、コンマキャラクタのデータ列(C0~C9)とを比較する論理回路であり、これらが一致した場合には、特殊コード検出信号COMMA-DET(n)のレベルが上がり、特殊コードの位置(タイミング)を特定することができる。
【0036】
図4は、データ列生成回路の一例を示す図である。
【0037】
データ列生成回路21は、10ビットのデータのそれぞれが、D端子に入力される10個のDフリップフロップを備えている。第1データ列(データD0~D9)が入力された時に同期して、サンプリングクロック信号CLKφのライズエッジを、クロック端子に入力し、Q端子に第1データ列を出力し、下側の端子から出力される10ビットの第1データ列を維持する。次に、第2データ列(D10~D19)が、データ列生成回路21に入力された場合、サンプリングクロック信号CLKφは変化させず、上側の端子から10ビットの第2データ列が出力される。以上のようにして、20ビットのデータ列を生成し、以後、この生成工程を繰り返す。
【0038】
図5は、第1タイプのバイトアライメント回路3を示す図である。
【0039】
第1の受信装置に適用される第1タイプのバイトアライメント回路3は、データ列生成回路31と、選択回路32と、バイトアライメント判断回路33とを備えている。データ列生成回路31の構造は、上述のデータ列生成回路21の構造と同一であり、1ビットずつシフトした位相を有する10個のデータ列(DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9))を出力する。選択回路32は、入力された第1補正値DET-COM及び第2補正値θKの示す情報(正しい位置で区切られたデータ列の位置)に従い、これに対応するデータ列を出力することで、バイトアライメントを実行する。
【0040】
第1補正値DET-COMは、周期的に受信する特殊コード(コンマキャラクタ)の受信タイミングに依存して発生しており、これを受信した場合、バイトアライメント判断回路33は、第1補正値DET-COMの情報が示すエラーの無いデータ列を選択するような第1選択指示信号(例えば、第5のデータ列(DATA-ARRAY(4))を選択する選択指示信号)を、選択回路32に入力する。バイトアライメント判断回路33が、第2補正値θKを受信した場合、第2補正値θKの情報が示すエラーの無いデータ列を選択するような第2選択指示信号を、選択回路32に入力する。
【0041】
バイトアライメント判断回路33は、第2補正値θKの受信に応じて生成する第2選択指示信号よりも、第1補正値DET-COMの受信に応じて生成する第1選択指示信号を優先して、選択回路32に入力する。すなわち、バイトアライメント判断回路33は、第2補正値θKの受信後、第1補正値DET-COMを受信した場合、第2補正値θKによるバイトアライメントの実行を中止し、第1選択指示信号を出力する。
【0042】
第1の受信装置においては、第2補正値θKは、エラーが生じていないデータ列の位置を示しており、第2補正値θKをバイトアライメント回路3に入力し、第2補正値θKに応じて、これに入力されたデータ信号のバイトアライメントを実行している。第1の受信装置は、補正値生成回路で生成された第2補正値θKを、前段のバイトアライメント回路3に、フィードバックして制御を行うものであり、多くの回路を必要としないため、比較的小さな回路規模とすることができる。
【0043】
図6は、補正値生成機能付のデコーダ4の回路構成を示す図である。
【0044】
デコーダ4は、データ列生成回路41と、エラー検出付き8b10bデコーダ42(0)と、複数の8b10bエラー検出器42E(1)~42E(9)と、補正値生成回路43とを備えている。
【0045】
データ列生成回路41の構造は、上述のデータ列生成回路21の構造と同一であり、1ビットずつシフトした位相を有する10個のデータ列(DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9))を出力する。デコーダ4は、これらのデータ列が流れる10個のチャネルを有している。
【0046】
一般的な8b10bデコーダは、入力された信号のデコード機能と、8b10b変換時のエラー検出機能と、制御コード(Kコード)に対応した識別用の信号FLAG-K(OUT)の生成機能を有している。8b10bエラー検出器は、8b10bデコーダ機能の一部を使用することができるが、不要な部分を8b10bデコーダから取り除いて構成してもよい。エラー検出付き8b10bデコーダ又は8b10bエラー検出器からは、入力信号にエラーがあるかどうかを判定した判定結果であるエラー信号ERROR(n)が出力される(本例では、nは0~9の整数)。エラーがあると判定されるのは、コードエラーが検出された場合と、ランニングディスパリティにエラーが検出された場合である。一方の場合のみをエラー検出してもよいが、両方の場合でエラー検出してもよい。
【0047】
補正値生成回路43には、10個のエラー信号(ERROR(0)~ERROR(9))が、入力される。Y番目(Y=3)のエラー信号が、エラー無しとの判定結果を示す場合、例えば、エラー信号の列は、(1,1,0,1,1,1,1,1,1,1)となる。補正値生成回路43は、受信したエラー信号の列から、Y番目にエラーが無い旨を示す第2補正値θKを生成する。第2補正値θKは、例えば、エラー信号の列の論理を反転させ、正しい区切りが行われたデータ列が選択されるように、バイトアライメント回路3への入力に換算した分だけ位相をシフトさせた信号として、生成してもよい。
【0048】
なお、同図では、第1番目に、エラー検出付き8b10bデコーダ42(0)を配置しており、デコードしたパラレルデータ信号DATA-P(OUT)を出力すると共に、識別用の信号FLAG-K(OUT)を出力している。しかしながら、デコード出力を行う回路を、第1番目のエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)に設定する必要はなく、データアレイの別のチャネルに対応する位置に設定してもよい。例えば、第5番目の8b10bエラー検出器42E(4)又は第6番目の8b10bエラー検出器42E(5)を、8b10bデコーダとすることもできる。この場合、データアレイのチャネルの中央部に8b10bデコーダが位置するため、データ処理時の対称性が高くなるという利点がある。
【0049】
図7は、第1の受信装置における画像データ信号の位相補正手順を説明するフローチャートである。
【0050】
図6に示したデコーダ4は、10個のチャネル(データ列:DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9))において、現在、デコードを実行して、出力している特定のチャネル(エラー検出付き8b10bデコーダ42(0))において、エラーが発生したかどうかを検出する(ステップS1)。これはエラー信号のデータ列を検出することで、判別を行うことができる。特定のチャネルで、エラーが発生した場合には、エラーが発生していないチャネルが存在するので、そのチャネルを選択する(ステップS2)。現在、デコード中の対象チャネルで、エラーが発生した場合、このチャネルのデータ列の区切りが正しくないことを意味する。このチャネルから位相がシフトした位置で、データ区切りを行ったデータ列の中で正しいものが存在する。補正値生成回路43は、正しい区切りのデータ列を選択し、選択したチャネルに対応する第2補正値θKを生成して、出力する(ステップS3)。バイトアライメント回路3は、入力された第2補正値θKに従って、バイトアライメントを実行する(ステップS4)。このフローの実行中に、第1補正値DET-COMによるバイトアライメントが実行された場合、デコーダへの入力が、正しい区切りのデータ列となるので、デコーダでのエラーが解消し、第2補正値θKによるバイトアライメントの実行を中止し、再度、ステップS1の状態に戻る。
【0051】
図8は、バイトアライメントのタイミングを説明するための図である。
【0052】
エンコードされたパラレルデータ信号DATA-P(E)のタイミングが示されている。画像データ信号においては、ブランキング期間(Dコード)のスタート時に、ブランキングスタート信号BS(Kコードにおけるコンマキャラクタ)が含まれ、終了時に、ブランキング終了信号BE(Kコードにおけるコンマキャラクタ)が含まれている。ブランキング終了信号BEの次のビットから、画像データが送信されるアクティブ期間(Dコード)が始まる。ブランキング終了信号BEを受信した直後の時刻t0において、第1補正値DET-COMによるバイトアライメントを実行する。その後、外来ノイズ等により、時刻t1において、8b10bデコード時のエラーが検出された場合、時刻t2において、上述の第2補正値θKによるバイトアライメントを実行する。時刻t1がエラー発生後の次の第1補正値DET-COMによるバイトアライメントの時刻t3の直前でない限り、時刻t2は、エラー発生後の次の第1補正値DET-COMによるバイトアライメントの時刻t3よりも早い。したがって、この受信装置においては、特殊コードの受信前であっても、正常な画像データ信号に、早期に復帰することができる。
【0053】
図9は、複数のエラー信号の状態を説明するための図である。
【0054】
図6に示したデコーダ4においては、複数のエラー信号ERROR(0)~ERROR(9)を常時モニタする構成が示された。図6における第1番目のエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)が、時刻t1において、エラー無しの状態(No error)から、エラー有りの状態に切り替わったとする。この場合、例えば、第2番目の8b10bエラー検出器42E(1)から出力されるエラー信号ERROR(1)が、時刻t1直後から、エラー無しの状態(No error)に変化する。補正値生成回路43が、第2補正値θKを生成し、バイトアライメント回路3に入力し、時刻t2において、バイトアライメントが実行され、その後、第1番目のエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)が、エラー無しの状態(No error)に復帰する。なお、複数のチャネルの中で、エラーが生じないチャネルは、1つであり、その他のチャネルでは頻繁にエラーが生じている。
【0055】
図10は、第2の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
【0056】
この送受信システムは、図1に示した送受信システムと比較して、バイトアライメント回路3及びデコーダ4の構造が異なる。このバイトアライメント回路3(第2タイプ)は、第1タイプ(図5)のように、バイトアライメント回路3に、第2補正値θKが入力される構成ではなく、バイトアライメントの実行完了の通知信号DONEを出力し、これをデコーダ4に入力する。この送受信システムにおける、その他の構成は、図1に示した送受信システムと同一である。
【0057】
デコーダ4は、内部に複数のチャネルに対応した複数の(副)デコーダを備えており、いずれかの(副)デコーダの出力信号が、正しくデータ区切りが行われた出力信号である。したがって、いずれかの(副)デコーダにおいて、エラーが検出された場合には、エラーが発生していないデコーダの出力を選択して、パラレルデータ信号DATA-P(OUT)として、出力する。
【0058】
図11は、第2タイプのバイトアライメント回路を示す図である。
【0059】
第2の受信装置に適用される第2タイプのバイトアライメント回路3は、第1タイプのバイトアライメント回路3(図5)と比較して、バイトアライメント判断回路33の機能のみが異なり、他の構成は、同一である。第2タイプのバイトアライメント判断回路33は、第1タイプの場合と同様に、第1補正値DET-COMを受信した場合、これに対応するエラーの無いデータ列を選択する第1選択指示信号を、選択回路32に入力し、上記と同じバイトアライメントを実行する。
【0060】
第2タイプのバイトアライメント判断回路33は、第1選択指示信号を、選択回路32に入力した後、バイトアライメントの実行完了を示す通知信号(DONE)を出力する。通知信号(DONE)は、後段に配置された補正値生成機能付のデコーダ4に入力される。
【0061】
図12は、補正値生成機能付のデコーダ4の回路構成を示す図である。
【0062】
デコーダ4は、データ列生成回路41と、10個のエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)~42(9)と、補正値生成回路43Aと、第1選択回路44と、第2選択回路45とを備えている。
【0063】
データ列生成回路41の構造は、上述の通りであり、1ビットずつシフトした位相を有する10個のデータ列(DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9))を出力する。デコーダ4は、これらのデータ列が流れる10個のチャネルを有している。
【0064】
10個のエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)~42(9)は、一般的な8b10bデコーダであり、それぞれ、入力された信号のデコード機能と、8b10b変換時のエラー検出機能と、制御コード(Kコード)に対応した識別用の信号FLAG-K(0)~FLAG-K(9)の生成機能を有している。
【0065】
それぞれのエラー検出付き8b10bデコーダ42(n)は(nは0~9の整数)、入力されたデータ列をデコードした出力信号DATA(n)と、エラーの有無を判定するエラー信号ERROR(n)と、制御コード(Kコード)に対応した識別用の信号のFLAG-K(n)とを出力する。エラー検出付き8b10bデコーダ42(n)からは、入力信号にエラーがあるかどうかを判定した判定結果であるエラー信号ERROR(n)が出力される(本例では、nは0~9の整数)。エラーがあると判定されるのは、コードエラーが検出された場合と、ランニングディスパリティにエラーが検出された場合である。一方の場合のみをエラー検出してもよいが、両方の場合のエラー検出してもよい。
【0066】
補正値生成回路43Aには、10個のエラー信号(ERROR(0)~ERROR(9))が、入力される。Y番目(Y=3)のエラー信号が、エラー無しとの判定結果を示す場合、例えば、エラー信号のデータ列は、(1,1,0,1,1,1,1,1,1,1)となる。補正値生成回路43Aは、受信したエラー信号の列から、Y番目にエラーが無い旨を示す第2補正値θK*を生成する。第2補正値θK*は、例えば、エラー信号のデータ列の論理を反転させたものとする。
【0067】
第1選択回路44には、デコードされた10個の出力信号DATA(n)が入力される。第1選択回路44は、補正値生成回路43Aから出力された第2補正値θK*の示すY番目のデータ列の出力信号DATA(n)を選択して出力する。
【0068】
第2選択回路45には、10個の識別用の信号のFLAG-K(n)が入力される。第2選択回路45は、補正値生成回路43Aから出力された第2補正値θK*の示すY番目のデータ列の識別用の信号のFLAG-K(n)を選択して、FLAG-K(OUT)として出力する。
【0069】
以上、説明したように、この受信装置RXは、複数のデータ列をそれぞれデコードする複数の8b10bデコーダ42(n)を備え、第2補正値θK*は、エラーが生じていないデータ列を示し、第2補正値θK*の示すデータ列をデコードしたデータ信号を選択して、パラレルデータ信号DATA-P(OUT)として、出力することで、データ信号のバイトアライメントを実行している。受信装置では、予め、複数のデコーダを用意している。
【0070】
正常データ信号は、データ列を正常なブロックの位置で区切って出力されるデータ信号であり、エラーデータ信号は、データ列をエラーが生じるブロックの位置で区切って出力されるデータ信号であるとする。複数の8b10bデコーダ42(n)からは、正常データ信号と、エラーデータ信号群が、出力可能な状態である。この受信装置は、第2補正値θK*によって、正常データ信号を選択することで、データ信号のバイトアライメントを実行している。この受信装置においては、バイトアライメント回路3への第2補正値のフィードバックを必要としないので、回路構造が単純になり、保守性、ロバスト性に優れることとなる。
【0071】
また、バイトアライメント回路3は、特殊コード検出に同期して生成された第1補正値DET-COMによって、バイトアライメントを実行した場合、バイトアライメントの実行完了の通知信号DONEをデコーダ4の補正値生成回路43Aに入力する。第1選択回路44は、当該バイトアライメント実行後、正しいタイミングで区切られたパラレルデータ信号DATA-P(OUT)を選択して出力する。補正値生成回路43Aに、バイトアライメントの実行完了の通知信号DONEが入力された場合、既定アライメント状態(特殊コード検出に同期した通常のバイトアライメントが実行され、正しい区切りが行われた状態)にあると判断できる。初期設定において、この状態の場合に、正しいパラレルデータ信号DATA-P(OUT)を出力するように設定されている既定設定の特定チャネル(DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9)いずれか)がある場合は、その特定チャネルを選択すればよい。すなわち、この場合、第2補正値θK*は、特定チャネルに対応した8b10bデコーダ42から出力されたデータ信号を選択するように、第1選択回路44及び第2選択回路45に指示する信号である。
【0072】
図13は、第2の受信装置における画像データ信号の位相補正手順を説明するフローチャートである。
【0073】
図12に示したデコーダ4は、10個のチャネル(データ列:DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9))において、現在、デコードを実行して、出力している特定のチャネル(例:エラー検出付き8b10bデコーダ42(0))において、エラーが発生したかどうかを検出する(ステップS11)。これはエラー信号のデータ列を検出することで、判別を行うことができる。特定のチャネルで、エラーが発生した場合には、エラーが発生していないチャネルが存在する。現在、デコード中の対象チャネルで、エラーが発生した場合、このチャネルのデータ列の区切りが正しくなく、位相がずれた位置の区切りを行ったデータ列が正しいことを意味するので、補正値生成回路43Aは、エラーが無いチャネルを示す第2補正値θK*を生成して、出力する(ステップS12)。第1選択回路44は、入力された第2補正値θK*に従って、エラーの無いデータ信号を選択して出力することで、バイトアライメントを実行する(ステップS13)。なお、第1補正値DET-COMによるバイトアライメントが実行された際は、補正値生成回路43Aは、バイトアライメント実行完了の通知信号DONEを受信し、どのステップにいても、初期に選択されていたデコーダ(データ信号DATA-P(E)が、正しいデータ区切りとなっている場合に、エラーが無いとして、選択される既定設定のデコーダ)が選択され、ステップS11に遷移する。
【0074】
図14は、複数のエラー信号の状態を説明するための図である。
【0075】
図12に示したデコーダ4においては、複数のエラー信号ERROR(0)~ERROR(9)を常時モニタする構成が示された。図12における第1番目のエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)が、時刻t1において、エラー無しの状態(No error)から、エラー有りの状態(error)に切り替わったとする。この場合、例えば、第2番目の8b10bデコーダ42(1)から出力されるエラー信号ERROR(1)が、時刻t1直後から、エラー無しの状態(No error)に変化する。補正値生成回路43Aが、第2補正値θK*を生成し、時刻t2において、バイトアライメントが実行され、その後、第2番目の8b10bデコーダ42(1)の出力信号が、エラー無しの状態(No error)の出力信号として、選択され、出力される。なお、複数のチャネルの中で、エラーが生じないチャネルは、1つであり、その他のチャネルでは頻繁にエラーが生じている。
【0076】
図15は、第1の受信装置におけるデータ送受信のタイミングの一例を説明するためのタイミング図である。
【0077】
送信装置TX側においては、8ビットのパラレルデータ信号DATA-P(IN)hex(16進数表記)或いはDATA-P(IN)bin(2進数表記)が入力され、これが10ビットにエンコードされたパラレルデータ信号DATA-P(EE)に変換された後、シリアライズしたシリアルデータ信号DATA-S(E)として、送信される。
【0078】
受信装置RX側においては、シリアルデータ信号DATA-S(E)を受信し、これをデシリアライズして、パラレルデータ信号DATA-P(E*)に変換し、バイトアライメントを行ったパラレルデータ信号DATA-P(E)が生成される。その後、10個のチャネルを流れるデータ列DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9)が生成される。パラレルデータ信号DATA-P(OUT)bin(2進数表記)或いはDATA-P(OUT)hex(16進数表記)がデコーダから出力される。
【0079】
8b10bのエンコードが行われた後、パラレルデータ信号DATA-P(OUT)hex(16進数表記)にエラー(NG)が検出された場合、例えば、コードエラーにより、この出力信号は不定値となる。なお、コードエラーは、エラー検出付き8b10bデコーダにより検出する。例えば、第1番目のデータ列(DATA-ARRAY(0))において、エラー(ERROR)が発生し、第2番目のデータ列(DATA-ARRAY(1))が正常(OK)となった場合、上述のように、時刻t2において、第2補正値θKによるバイトアライメントを実行する。この場合、その後の第1番目のデータ列(DATA-ARRAY(0))のエラーが解消し、正常(OK)の状態に復帰することができる。
【0080】
図16は、第2の受信装置におけるデータ送受信のタイミングの一例を説明するためのタイミング図である。
【0081】
送信装置TX側においては、8ビットのパラレルデータ信号DATA-P(IN)hex(16進数表記)或いはDATA-P(IN)bin(2進数表記)が入力され、これが10ビットにエンコードされたパラレルデータ信号DATA-P(EE)に変換された後、シリアライズしたシリアルデータ信号DATA-S(E)として、送信される。
【0082】
受信装置RX側においては、シリアルデータ信号DATA-S(E)を受信し、これをデシリアライズして、パラレルデータ信号DATA-P(E*)に変換し、バイトアライメントを行ったパラレルデータ信号DATA-P(E)が生成される。その後、10個のチャネルを流れるデータ列DATA-ARRAY(0)~DATA-ARRAY(9)が生成される。パラレルデータ信号DATA-P(OUT)bin(2進数表記)或いはDATA-P(OUT)hex(16進数表記)がデコーダから出力される。
【0083】
8b10bのエンコードが行われた後、パラレルデータ信号DATA-P(OUT)hex(16進数表記)にエラー(NG)が検出された場合、例えば、コードエラーにより、この出力信号は不定値となる。現在、選択されているデータ列が、第1番目のデータ列(DATA-ARRAY(0))の場合(選択デコーダ出力:DATA(0))、このデータ列において、エラー(ERROR)が発生し、第2番目のデータ列(DATA-ARRAY(1))が正常(OK)であると判定される場合、上述のように、時刻t2において、第2補正値θK*によるバイトアライメントを実行する。この場合、その後の第2番目のデータ列(DATA-ARRAY(1))の出力(選択デコーダ出力:DATA(1))が選択されることで、正常(OK)の状態に復帰することができる。
【0084】
図17は、第3の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
【0085】
この送受信システムは、図1に示した送受信システムと比較して、デコーダ4及びバイトアライメント回路3の構造と配置が異なる。この送受信システムにおける、その他の構成は、図1に示した送受信システムと同一である。
【0086】
デコーダ4は、内部に複数のチャネルに対応した複数の(副)デコーダを備えており、いずれかの(副)デコーダの出力信号が、正しくデータ区切りが行われた出力信号である。したがって、いずれかの(副)デコーダにおいて、エラーが検出された場合には、エラーが発生していないデコーダの出力を選択する第2補正値θK*を出力する。また、デコーダ4は、入力信号をデコードした複数のパラレルデータ信号DATA-P(M)と、複数の識別用の信号FLAG-K(M)を出力する。
【0087】
バイトアライメント回路3(第3タイプ)は、デコーダ4の後段に配置されており、バイトアライメント回路3には、デコーダ4から出力された複数のパラレルデータ信号DATA-P(M)(例:8ビットのデータ列×10個)と、複数の識別用の信号FLAG-K(M)(例:10ビット)が入力される。それぞれの入力信号は、第1補正値DET-COMと、第2補正値θKとを用いて、正しいデータ区切りが行われた信号が選択され、パラレルデータ信号DATA-P(OUT)及び識別用の信号FLAG-K(OUT)として出力され、結果的に、入力されたパラレルデータ信号のバイトアライメントが行われる。
【0088】
図18は、補正値生成機能付のデコーダ4の回路構成を示す図である。
【0089】
デコーダ4は、データ列生成回路41と、10個のエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)~42(9)と、補正値生成回路43Aとを備えている。本例のデコーダ4は、デシリアライザ1の直後の後段に位置しているので、バイトアライメント実行前のパラレルデータ信号DATA-P(E*)が入力される。
【0090】
データ列生成回路41及びエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)~42(9)の構造及び機能は、第2の受信装置のデコーダ4(図12参照)における対応回路と同一である。
【0091】
10個のエラー検出付き8b10bデコーダ42(0)~42(9)は、一般的な8b10bデコーダであり、それぞれ、入力された信号のデコード機能と、8b10b変換時のエラー検出機能と、識別用の信号FLAG-K(0)~FLAG-K(9)の生成機能を有している。
【0092】
それぞれのエラー検出付き8b10bデコーダ42(n)は(nは0~9の整数)、入力されたデータ列をデコードした出力信号DATA(n)と、エラーの有無を判定するエラー信号ERROR(n)と、制御コード(Kコード)に対応した識別用の信号のFLAG-K(n)とを出力する。エラー検出付き8b10bデコーダ42(n)からは、入力信号にエラーがあるかどうかを判定した判定結果であるエラー信号ERROR(n)が出力される(本例では、nは0~9の整数)。エラーがあると判定されるのは、コードエラーが検出された場合と、ランニングディスパリティにエラーが検出された場合である。一方の場合のみをエラー検出してもよいが、両方の場合のエラー検出してもよい。
【0093】
補正値生成回路43Aには、10個のエラー信号(ERROR(0)~ERROR(9))が、入力される。例えば、Y番目(Y=3)のエラー信号が、エラー無しとの判定結果を示す場合、例えば、エラー信号のデータ列は、(1,1,0,1,1,1,1,1,1,1)となる。補正値生成回路43Aは、受信したエラー信号の列から、Y番目にエラーが無い旨を示す第2補正値θK*を生成する。第2補正値θK*は、例えば、エラー信号のデータ列の論理を反転させたものとする。
【0094】
図19は、第3タイプのバイトアライメント回路3を示す図である。
【0095】
このバイトアライメント回路3は、バイトアライメント判断回路33と、第1選択回路34と、第2選択回路35とを備えている。
【0096】
バイトアライメント判断回路33は、第1補正値DET-COM、及び、第2補正値θK*を受信する。バイトアライメント判断回路33が、第1補正値DET-COMを受信した場合、エラーの無いデータ列(例:X番目)を選択する第1選択指示信号を生成し、これを第1選択回路34及び第2選択回路35に入力する。バイトアライメント判断回路33が、第2補正値θK*を受信した場合、エラーの無いデータ列(例:Y番目)を選択する第2選択指示信号を生成し、これを第1選択回路34及び第2選択回路35に入力する。バイトアライメント判断回路33は、第2補正値θK*の受信に応じて生成する第2選択指示信号よりも、第1補正値DET-COMの受信に応じて生成する第1選択指示信号を優先して、第1選択回路34及び第2選択回路35に入力する。すなわち、バイトアライメント判断回路33は、第2補正値θK*の受信後、第1補正値DET-COMを受信した場合、第2補正値θK*によるバイトアライメントの実行(エラーの無いデータ信号の選択)を中止し、第1補正値DET-COMによるバイトアライメントの実行(エラーの無いデータ信号の選択)を行う。
【0097】
第1選択回路34には、前段のデコーダ4により、デコードされた10個の出力信号DATA(n)が入力される。第1選択回路34は、第1補正値DET-COMから生成された第1選択指示信号、又は、第2補正値θK*から生成された第2選択指示信号に従って、エラーの無いデータ列DATA(n)を選択し、パラレルデータ信号DATA-P(OUT)として、出力する。
【0098】
第2選択回路35には、前段のデコーダ4により、デコードされた10個の識別用の信号FLAG-K(n)が入力される。第2選択回路35は、第1補正値DET-COMから生成された第1選択指示信号、又は、第2補正値θK*から生成された第2選択指示信号に従って、エラーの無いチャネルに対応した信号FLAG-K(n)を選択し、識別用の信号FLAG-K(OUT)として、出力する。
【0099】
なお、送信装置TXのシリアライザ202は、伝送信号の高周波成分を増幅するプリエンファシス回路(増幅器)を備えることができる。受信装置RXのデシリアライザ1は、伝送路の特性に応じて減衰する高周波成分を自動増幅するアダプティブ型イコライザを備えることができる。これにより、信号伝送における信号品質低下を抑制し、シンボルマッピング方式のデータの伝送速度を、好適には、1ペアの差動ラインで4Gビット/秒以上、伝送可能距離を10m以上にすることもできる。また、シリアルデータ信号の伝送ラインには、フレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)を用いることもできる。
【0100】
次に、上述の第1~第3の受信装置を改良した受信装置を備えた送受信システムについて説明する。
【0101】
図20は、改良した第1の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
【0102】
同図に示す送信装置TXは、図1に示した第1の受信装置に加えて、パッカーPC(Packer)、シンボル生成回路SG、及び、マルチプレクサMUXを備えている。
【0103】
パッカーPCは、例えば、RGB毎の映像信号DATA-INと、シンク信号SYNC-INとを受信する。パッカーPCは、映像信号のピクセルクロック信号から、バイトクロック信号を生成し、バイトクロック信号を用いて映像信号のパケット処理を行い、アクティブ期間(ACTIVE)内の映像信号となるパケット信号を生成する。パッカーPCは、シンク信号SYNC-INから、ブランクスタート(BS)期間、ブランクエンド(BE)期間、及び、ブランク(BP)期間に対応する信号のパケット処理を行い、それぞれの期間に対応するパケット信号を生成する。各パケット信号は、8ビットのパラレルデータ信号であるが、8ビットのパラレルデータ信号のN倍(Nは自然数)を処理することもできる。
【0104】
シンボル生成回路SGは、データイネーブル信号DE-INを受信し、データイネーブル信号DE-INから、制御コード(Kコード)に対応した識別用の信号FLAG-K(IN)を生成し、出力する。信号FLAG-K(IN)は、BS期間、BE期間、BP期間を示す情報を含んでいる。例えば、BS期間は、データイネーブル信号DE-INの立下りエッジの直後に設定し、ブランクエンドBE期間は、立上りエッジの直前に設定することができる。
【0105】
マルチプレクサMUXは、パッカーPCから出力された複数の信号と、識別用の信号FLAG-K(IN)を受信し、これらの信号を合成した8×Nビットのパラレルデータ信号をエンコーダ201に出力する。マルチプレクサMUXは、BS期間、BE期間、BP期間の情報を有する識別用の信号FLAG-K(IN)も受信しており、当該信号を利用して、動作を行うことができる。例えば、マルチプレクサMUXは、アクティブ期間内においては、画像情報を有する映像信号を出力し、BS期間、BE期間、BP期間内においては、それぞれの期間に対応してシンク信号SYNC-INから生成された信号を出力することができる。
【0106】
エンコーダ201は、8b10bエンコーダであり、マルチプレクサMUXから出力された8ビットのパラレルデータ信号PATA-P(IN)を受信し、10ビットのパラレルデータ信号に、エンコードして出力する。このパラレルデータ信号は、10ビットのパラレルデータ信号のN倍のパラレルデータ信号として処理することもできる。なお、エンコーダ201は、シンボル生成回路SGから出力された、制御コード(Kコード)に対応した識別用の信号FLAG-K(IN)も受信しており、信号の種類に応じて、エンコード動作を最適化することができる。エンコーダ201の後段には、シリアライザ202が配置されており、シリアルデータ信号DATA-S(E)を出力する。また、シリアライザ202は、高周波成分を増幅するプリエンファシス回路(増幅器)を備えていてもよい。
【0107】
同図に示す第1の受信装置RXは、図1に示した第1の受信装置に加えて、シンボル検出回路SD、デマルチプレクサDMUX、アンパッカーUP、及び、データイネーブル信号生成回路DEを備えている。
【0108】
受信装置RXのデシリアライザ1は、シリアルデータ信号DATA-D(E)を受信する。デシリアライザ1は、アダプティブ型イコライザを備えることができる。デシリアライザ1の後段には、特殊コード検出回路2、バイトアライメント回路3、デコーダ4が配置されている。これらの構造及び動作は、第1の受信装置(図1)に関して、説明した通りであるが、これらの回路から出力されるパラレルデータ信号は、10ビットのパラレルデータ信号のN倍のパラレルデータ信号とすることもできる。
【0109】
デコーダ4の後段には、シンボル検出回路SDが配置されており、その後段に、データイネーブル信号生成回路DEが配置されている。また、デコーダ4の後段には、デマルチプレクサDMUXが配置されている。シンボル検出回路SDは、パラレルデータ信号DATA-P(OUT)と、識別用の信号FLAG-K(OUT)を受信する。シンボル検出回路SDは、受信した信号から、BS期間、BE期間、BP期間に対応する情報を検出し、検出された情報を含むシンボル検出信号を、デマルチプレクサDMUX及びデータイネーブル信号生成回路DEに入力する。
【0110】
デマルチプレクサDMUXの後段には、アンパッカーUP(Un-packer)が配置されている。デマルチプレクサDMUXは、受信したパラレルデータ信号DATA-P(OUT)から、RGB毎の映像信号と、シンク信号を復元する機能を有する。シンク信号を復元するため、シンボル検出回路SDから出力されたシンボル検出信号の示す各期間(BS期間、BE期間、BP期間)に応じて、入力されたパラレルデータ信号の出力端子を切り替えることができる。各出力端子から、アクティブ期間、BS期間、BE期間、BP期間に対応して分離されたパラレルデータ信号は、アンパッカーUPに入力される。
【0111】
アンパッカーUPは、デマルチプレクサDEMUXから受信したパラレルデータ信号から、ピクセルクロック信号を生成し、ピクセルクロック信号を用いて、8バイトのパケット信号をアンパケット処理し、RGB毎の映像信号DATA-OUTと、シンク信号SYNC-OUTを再生して、出力する。
【0112】
データイネーブル信号生成回路DEは、シンボル検出回路SDから出力されたシンボル検出信号の示す各期間(BS期間、BE期間、BP期間)に応じて、データイネーブル信号DE-OUTを生成して出力する。なお、デコーダ4、デマルチプレクサDMUX、アンパッカーUPから出力されるパラレルデータ信号は、8ビットのパラレルデータ信号のN倍のパラレルデータ信号とすることもできる。
【0113】
図21は、改良した第2の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
【0114】
同図に示す送信装置TXは、図20に示した送信装置と同一である。同図に示す第2の受信装置RXは、図10に示した第2の受信装置に、シンボル検出回路SD、デマルチプレクサDMUX、アンパッカーUP、及び、データイネーブル信号生成回路DEを加えた回路である。
【0115】
受信装置RXのデシリアライザ1は、シリアルデータ信号DATA-D(E)を受信する。デシリアライザ1は、アダプティブ型イコライザを備えることができる。デシリアライザ1の後段には、特殊コード検出回路2、バイトアライメント回路3、デコーダ4が配置されている。これらの構造及び動作は、第2の受信装置(図10)に関して、説明した通りである。デシリアライザ1、バイトアライメント回路3から出力されるパラレルデータ信号は、10ビットのパラレルデータ信号のN倍とすることもできる。デコーダ4から出力されるパラレルデータ信号は、8ビットのパラレルデータ信号のN倍とすることもできる。
【0116】
デコーダ4の後段には、シンボル検出回路SD、データイネーブル信号生成回路DE、デマルチプレクサDMUX、アンパッカーUPが配置されているが、これらの構造及び動作は、図20に示したものと同一である。
【0117】
図22は、改良した第3の受信装置を備えた送受信システムの回路構成を示す図である。
【0118】
同図に示す送信装置TXは、図20に示した送信装置と同一である。同図に示す第2の受信装置RXは、図17に示した第3の受信装置に、シンボル検出回路SD、デマルチプレクサDMUX、アンパッカーUP、及び、データイネーブル信号生成回路DEを加えた回路である。
【0119】
受信装置RXのデシリアライザ1は、シリアルデータ信号DATA-D(E)を受信する。デシリアライザ1は、アダプティブ型イコライザを備えることができる。デシリアライザ1の後段には、特殊コード検出回路2、デコーダ4、バイトアライメント回路3が配置されている。これらの構造及び動作は、第3の受信装置(図17)に関して、説明した通りである。デコーダ4から出力されるパラレルデータ信号は、8×nビット(図19では、n=10)である。バイトアライメント回路3から出力されるパラレルデータ信号DATA-P(OUT)は、8ビットのパラレルデータ信号のN倍のパラレルデータ信号とすることもできる。
【0120】
デコーダ4の後段には、シンボル検出回路SD、データイネーブル信号生成回路DE、デマルチプレクサDMUX、アンパッカーUPが配置されているが、これらの構造及び動作は、図20に示したものと同一である。
【0121】
以上、説明したように、上述の第1の受信装置は、シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号DATA-P(E*)を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値DET-COMを出力する特殊コード検出回路2と、第1補正値DET-COM及び第2補正値θKが入力され、第1補正値及び第2補正値に応じて、データ信号のバイトアライメントを実行するバイトアライメント回路3と、バイトアライメント回路3の出力信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路41と、データ列生成回路41から出力された複数のデータ列のうち、特定のデータ列をデコードして出力し、且つ、特定のデータ列のエラー判定をするデコーダ42(0)と、データ列生成回路41から出力された複数のデータ列のうち、特定のデータ列以外の残りのデータ列のそれぞれをエラー判定する複数のエラー検出器42E(1)~42E(9)と、デコーダ42(0)及び複数のエラー検出器42E(1)~42E(9)から出力された、エラー判定の結果を示す複数のエラー信号ERROR(0)~(9)が入力され、入力された複数のエラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む第2補正値θKを生成する補正値生成回路43とを備える。
【0122】
この受信装置においては、第1補正値DET-COMは、正常なタイミングを示す特殊コードの位置に対応しており、第1補正値DET-COMを受信した場合には、バイトアライメント回路3により、バイトアライメントを実行する。第2補正値θKは、複数のエラー信号に基づいて、エラーの生じていないデータ列の情報を有している。外来ノイズ等により、特殊コードの受信前に、エラーが生じた場合には、補正値生成回路43により生成された第2補正値に応じて、データ信号のバイトアライメントを実行する。これにより、特殊コードの受信前であっても、正常なデータ信号に早期に復帰することができる。データ信号が、画像データ信号である場合は、画像の乱れを早期に解消することができる。この受信装置は、補正値生成回路で生成された第2補正値を、前段のバイトアライメント回路に、フィードバックして制御を行うものであり、多くの回路を必要としないため、比較的小さな回路規模で実現することができる。
【0123】
第2の受信装置は、シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号DATA-P(E*)を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値DET-COMを出力する特殊コード検出回路2と、特殊コード検出回路2から出力された第1補正値DET-COMに応じて、データ信号のバイトアライメントを実行するバイトアライメント回路3と、バイトアライメント回路3の出力信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路41と、データ列生成回路41から出力された複数のデータ列を、それぞれデコードし、且つ、それぞれをエラー判定する複数のデコーダ42(0)~42(9)と、複数のデコーダ42(0)~42(9)から出力された、エラー判定の結果を示す複数のエラー信号ERROR(0)~(9)が入力され、入力された複数のエラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む第2補正値θK*を生成する補正値生成回路43Aと、複数のデコーダ42(0)~42(9)から出力された複数のデータ列の中から、第2補正値θK*に応じたデータ列を選択して出力する選択回路(44)と、を備える。
【0124】
この受信装置においては、第1補正値DET-COMは、正常なタイミングを示す特殊コードの位置に対応しており、第1補正値DET-COMを受信した場合には、バイトアライメント回路3により、バイトアライメントを実行する。第2補正値θK*は、複数のエラー信号に基づいて、エラーの生じていないデータ列の情報を有している。外来ノイズ等により、特殊コードの受信前に、エラーが生じた場合には、補正値生成回路43Aにより生成された第2補正値θK*に応じて、選択回路44が、バイトアライメントズレの無いデータ列を選択して出力する。これにより、特殊コードの受信前であっても、正常なデータ信号に早期に復帰することができる。データ信号が、画像データ信号である場合は、画像の乱れを早期に解消することができる。また、この受信装置は、バイトアライメントズレからの早期復帰を既存技術からの単純変更で実現させることができる。
【0125】
第2の受信装置では、予め、複数のデコーダを用意している。正常データ信号は、データ列を正常なブロックの位置で区切って出力されるデータ信号であり、エラーデータ信号は、データ列をエラーが生じるブロックの位置で区切って出力されるデータ信号であるとする。複数のデコーダからは、正常データ信号と、エラーデータ信号群が、出力可能な状態である。この受信装置は、第2補正値によって、正常データ信号を選択することで、データ信号のバイトアライメントを実行する。この受信装置においては、バイトアライメント回路への第2補正値のフィードバックを必要としないので、回路構造が単純になり、保守性、ロバスト性に優れることとなる。
【0126】
また、第2の受信装置において、バイトアライメント回路は、バイトアライメントの実行完了の通知信号DONEを出力し、補正値生成回路43に、通知信号DONEが入力された場合には、選択回路44は、デコーダの中の既定設定のデコーダからのデータ列を選択して出力している。第2補正値θK*に変更がない場合であっても、補正値生成回路43が、第1補正値DET-COMを受信することにより、選択回路44は、正しい区切りのデータ列を出力することができる。
【0127】
第3の受信装置は、シンボルマッピング方式でエンコードされた、特殊コードを含むデータ信号DATA-P(E*)を受信し、このデータ信号に含まれる特殊コードの位置に対応する第1補正値DET-COMを出力する特殊コード検出回路2と、データ信号から、そのデータ列における区切り位置が異なる、複数のデータ列を生成するデータ列生成回路41と、データ列生成回路41から出力された複数のデータ列をそれぞれデコードし、且つ、それぞれをエラー判定する複数のデコーダ42(0)~42(9)と、複数のデコーダ42(0)~42(9)から出力された、エラー判定の結果を示す複数のエラー信号ERROR(0)~(9)が入力され、入力された複数のエラー信号に応じて、エラーの生じていないデータ列の情報を含む第2補正値θKを生成する補正値生成回路43Aと、複数のデコーダ42(0)~42(9)から出力された複数のデータ列DATA(0)~DATA(9)の中から、第1補正値DET-COM及び第2補正値θK*に応じたデータ列を選択して出力するバイトアライメント回路3とを備える。
【0128】
この受信装置においては、第1補正値DET-COMは、正常なタイミングを示す特殊コードの位置に対応している。第2補正値θK*は、複数のエラー信号に基づいて、エラーの生じていないデータ列の情報を有している。バイトアライメント回路3は、複数のデコーダから出力された複数のデータ列の中から、第1補正値DET-COM及び第2補正値θK*に応じたデータ列を選択して出力する。外来ノイズ等により、特殊コードの受信前に、エラーが生じた場合には、補正値生成回路43Aにより生成された第2補正値θK*に応じて、バイトアライメント回路が、バイトアライメントズレの無いデータ列を選択して出力する。これにより、特殊コードの受信前であっても、正常なデータ信号に早期に復帰することができる。データ信号が、画像データ信号である場合は、画像の乱れを早期に解消することができる。この受信装置は、バイトアライメントズレからの早期復帰を単純構成にて実現することができる。
【0129】
上述の受信装置は、送信装置から送信されたシリアルデータ信号DATA-Sを受信し、パラレルデータ信号に変換し、データ信号DATA-P(E*)として、特殊コード検出回路2に入力するデシリアライザ1を備えている。デシリアライザは、シリアルデータ信号をパラレルデータ信号に変換することができる。
【0130】
上述の受信装置においては、特殊コードのみに頼らず、伝送符号エラーも用いてバイトアライメントを行っている。シンボルマッピング方式の冗長な特性を活かし、受信側で伝送符号エラーを検知している。デシリアライズしたデータが、誤ったデータのブロックの場合、DCバランスやランレングスのルールから逸脱する可能性が高くなるので、バイトアライメントズレが発生した場合、エラーを検知することができる。伝送符号エラー検出器をコード長以上並べ、パラレル変換時に、取りうるすべてのパラレルデータのブロックを全て監視する事で、正しいデータの区切りを検出し、特殊コードの受信前に、再度バイトアライメントを行うことができる。
【0131】
なお、上述の構成では、同時に観測するデータ列を10個用意したが、2個以上で検出する構成も可能である。上述の構成では、データ幅(コード長)が10ビットの場合、20ビットのデータ結合を行ってデータ列を生成したが、11ビット幅(コード長+同時に観測するデータ列-1)以上のデータ幅で検出を行うこともできる。エラー検出においては、1度のエラーが検出された場合に、エラー発生と判断してもよいが、数回のエラーが連続して発生した場合に、エラーが発生していると判断して、バイトアライメントを実行してもよい。また、上記では、エラーが無いとされたチャネルを特定したが、各チャネルの中で、エラーの発生頻度が一番少ないと判断されるチャネルを、エラーの発生が無いと判断してもよい。なお、上述の構成では、ビットシフトを前後の一方向にしか、第2補正値θK(又はθK*)による調整が出来ない。しかしながら、バイトアライメント回路の出力であるパラレルデータ信号DATA-Pをずらしたり、データ幅(コード長)が10ビットの場合、20ビットのデータ結合を行ってデータ列を生成していたのを、21ビット以上にしてやることで、第2補正値θK(又はθK*)によって、前後の双方向に、バイトアライメントの調整が可能になる。
【0132】
また、第1の受信装置においては、8b10bデコーダの出力は固定なので、出力につながっていないデコーダはエラー検知部のみの構成が取れる。フィードバック回路があるが、第2受信装置と比較すると、比較的回路面積小さくすることができる。一方、第2の受信装置においては、8b10bデコーダの出力に選択回路を配置しており、バイトアライメントへのフィードバック回路を省略できるので、単純な構成となり、保守性、ロバスト性に優れることとなる。外来ノイズによる影響で発生した、バイトアライメントズレを特殊コード(コンマキャラクタ)を待たずに復帰させれるようになる。そのため、画素単位のノイズに抑えることができ、映像表示を改善することができ、特に、画像データ信号を自動車等の移動装置の表示装置に送信する場合には、運転者の利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0133】
1…デシリアライザ、2…特殊コード検出回路、3…バイトアライメント回路、4…デコーダ、21…データ列生成回路、22…特殊コード検出部、23…補正値生成回路、31…データ列生成回路、32…選択回路、41…データ列生成回路、42…8b10bデコーダ、42E…8b10bエラー検出器、43,43A…補正値生成回路、44…第1選択回路、45…第2選択回路、201…エンコーダ、202…シリアライザ、ERROR…エラー信号、RX…受信装置、TX…送信装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22