(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065823
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】整髪剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/25 20060101AFI20240508BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20240508BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A61K8/25
A61Q5/06
A61K8/92
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174874
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宍粟 政行
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA112
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB171
4C083AB172
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4C083AC582
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4C083AD021
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4C083AD151
4C083AD152
4C083AD642
4C083AD662
4C083BB13
4C083BB21
4C083DD22
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】比較的硬い性状とすることができるにもかかわらず、のびを良好にすることができる整髪剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明の整髪剤組成物は、動植物油、炭化水素油、及びエステル油からなる群より選ばれる25℃で固形の油性成分(成分A)と、25℃で液状の油性成分(成分B)と、粘土鉱物(成分C)と、水(成分D)とを含み、前記成分Aの含有量が、20.0質量%以上、45.0質量%以下であり、前記成分Bの含有量が、5.0質量%以上、20.0質量%以下であり、前記成分Cの含有量が、1.0質量%以上、10.0質量%以下であり、前記成分Dの含有量が、20.0質量%以上である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cと、下記成分Dとを含み、
前記成分Aの含有量が、20.0質量%以上、45.0質量%以下であり、
前記成分Bの含有量が、5.0質量%以上、20.0質量%以下であり、
前記成分Cの含有量が、1.0質量%以上、10.0質量%以下であり、
前記成分Dの含有量が、20.0質量%以上である、整髪剤組成物。
成分A:動植物油、炭化水素油、及びエステル油からなる群より選ばれる25℃で固形の油性成分
成分B:25℃で液状の油性成分
成分C:粘土鉱物
成分D:水
【請求項2】
下記成分Eを含み、
前記成分Eの含有量が、1.0質量%以上、10.0質量%以下である、請求項1に記載の整髪剤組成物。
成分E:粘土鉱物以外の粉体
【請求項3】
下記成分Fを含み、
前記成分Fの含有量が、0.3質量%以上、2.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の整髪剤組成物。
成分F:皮膜形成ポリマー
【請求項4】
下記成分Gを含み、
前記成分Gの含有量が、3.0質量%以上、10.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の整髪剤組成物。
成分G:アニオン界面活性剤
【請求項5】
前記成分Aの含有量の、前記成分Bの含有量に対する質量比が、1.0以上、4.0以下である、請求項1又は2に記載の整髪剤組成物。
【請求項6】
前記成分Aの含有量の、前記成分Dの含有量に対する質量比が、0.8以上、1.2以下である、請求項1又は2に記載の整髪剤組成物。
【請求項7】
25℃での圧縮強度が、200gf以上、500gf以下である、請求項1又は2に記載の整髪剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪を整える整髪剤に好適に用いられる整髪剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液状、ジェル状、グリース状及びワックス状等の様々な性状を有する整髪剤組成物が知られている。ワックス状の整髪剤組成物は、一般に、25℃で固形の油性成分を含み、この油性成分によって、整髪力が発揮される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クレイワックスなどの比較的硬い性状を有する整髪剤組成物が好んで使用されることがある。比較的硬い性状を有する従来の整髪剤組成物は、水を含まないか又は少量でしか含まず、かつ25℃で固形の油性成分を比較的多く含む。そのため、比較的硬い性状を有する従来の整髪剤組成物では、掌上及び毛髪上での整髪剤組成物ののびを良好にすることは困難である。
【0005】
本発明の目的は、比較的硬い性状とすることができるにもかかわらず、のびを良好にすることができる整髪剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記成分(A)と、下記成分(B)と、下記成分(C)と、下記成分(D)とを含み、前記成分(A)の含有量が、20.0質量%以上、45.0質量%以下であり、前記成分(B)の含有量が、5.0質量%以上、20.0質量%以下であり、前記成分(C)の含有量が、1.0質量%以上、10.0質量%以下であり、前記成分(D)の含有量が、20.0質量%以上である、整髪剤組成物を提供する。
【0007】
成分(A):動植物油、炭化水素油、及びエステル油からなる群より選ばれる25℃で固形の油性成分
成分(B):25℃で液状の油性成分
成分(C):粘土鉱物
成分(D):水
【0008】
本発明の整髪剤組成物は、下記成分(E)を含み、前記成分(E)の含有量が、1.0質量%以上、10.0質量%以下であることが好ましい。
【0009】
成分(E):粘土鉱物以外の粉体
【0010】
本発明の整髪剤組成物は、下記成分(F)を含み、前記成分(F)の含有量が、0.3質量%以上、2.0質量%以下であることが好ましい。
【0011】
成分(F):皮膜形成ポリマー
【0012】
本発明の整髪剤組成物は、下記成分(G)を含み、前記成分(G)の含有量が、3.0質量%以上、10.0質量%以下であることが好ましい。
【0013】
成分(G):アニオン界面活性剤
【0014】
本発明の整髪剤組成物では、前記成分(A)の含有量の、前記成分(B)の含有量に対する質量比が、1.0以上、4.0以下であることが好ましい。
【0015】
本発明の整髪剤組成物では、前記成分(A)の含有量の、前記成分(D)の含有量に対する質量比が、0.8以上、1.2以下であることが好ましい。
【0016】
本発明の整髪剤組成物では、25℃での圧縮強度が、200gf以上、500gf以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の整髪剤組成物は、比較的硬い性状とすることができるにもかかわらず、のびを良好にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明の整髪剤組成物は、動植物油、炭化水素油、及びエステル油からなる群より選ばれる25℃で固形の油性成分と、25℃で液状の油性成分と、粘土鉱物と、水とを含む。
【0020】
本明細書においては、上記「動植物油、炭化水素油、及びエステル油からなる群より選ばれる25℃で固形の油性成分」を「成分(A)」と称する場合がある。
【0021】
本明細書においては、上記「25℃で液状の油性成分」を「成分(B)」と称する場合がある。
【0022】
本明細書においては、上記「粘土鉱物」を「成分(C)」と称する場合がある。
【0023】
本明細書においては、上記「水」を「成分(D)」と称する場合がある。
【0024】
したがって、本発明の整髪剤組成物は、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)とを含む。
【0025】
本発明の整髪剤組成物では、成分(A)の含有量が、20.0質量%以上、45.0質量%以下であり、成分(B)の含有量が、5.0質量%以上、20.0質量%以下であり、成分(C)の含有量が、1.0質量%以上、10.0質量%以下であり、成分(D)の含有量が、20.0質量%以上である。
【0026】
本発明の整髪剤組成物では、上記の構成が備えられているので、比較的硬い性状とすることができるにもかかわらず、のびを良好にすることができる。
【0027】
また、本発明の整髪剤組成物では、毛髪への塗布時のなじみを良好にすることができる。
【0028】
さらに、本発明の整髪剤組成物では、艶が抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。
【0029】
またさらに、本発明の整髪剤組成物では、洗髪時の洗い落ち性を良好にすることができる。
【0030】
本発明の整髪剤組成物は、粘土鉱物以外の粉体を含んでいてもよい。
【0031】
本明細書においては、上記「粘土鉱物以外の粉体」を「成分(E)」と称する場合がある。
【0032】
本発明の整髪剤組成物は、皮膜形成ポリマーを含んでいてもよい。
【0033】
本明細書においては、上記「皮膜形成ポリマー」を「成分(F)」と称する場合がある。
【0034】
本発明の整髪剤組成物は、アニオン界面活性剤を含んでいてもよい。
【0035】
本明細書においては、上記「アニオン界面活性剤」を「成分(G)」と称する場合がある。
【0036】
本発明の整髪剤組成物は、成分(A)~(G)以外の他の成分を含んでいてもよい。
【0037】
上記の成分、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(E)、成分(F)、成分(G)や他の成分は、それぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0038】
なお、本明細書において、「25℃で固形」とは、25℃で流動性がない性状を意味し、「25℃で液状」とは、25℃で流動性がある性状を意味する。なお、固形には、半固形も含まれる。
【0039】
また、本明細書において、整髪剤組成物に含まれる各成分の含有量とは、整髪剤組成物中に含まれる全ての該成分の含有量の合計を意味する。例えば、成分(A)の含有量とは、整髪剤組成物中の全ての成分(A)の含有量の合計を意味する。
【0040】
以下、本発明の整髪剤組成物に用いられる各成分の詳細を説明する。
【0041】
(成分(A))
成分(A)は、動植物油、炭化水素油、及びエステル油からなる群より選ばれる25℃で固形の油性成分(少なくとも1の25℃で固形の油性成分)である。成分(A)を用いることにより、整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とすることができる。また、成分(A)を用いることにより、整髪力を高めることができる。成分(A)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0042】
上記動植物油(25℃で固形の動植物油)としては、カルナウバロウ、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、モクロウ、コメヌカロウ、ミツロウ、セラックロウ、及び鯨ロウ等の動植物ロウ;シア脂、カカオ脂、アストロカリウムムルムル種子脂、硬化ヒマシ油、マンゴーバター、及びパーム油等が挙げられる。
【0043】
上記炭化水素油(25℃で固形の炭化水素油)としては、ワセリン、セレシン、オゾケライト、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、及びフィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス)等が挙げられる。
【0044】
上記エステル油(25℃で固形のエステル油)としては、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ステアリン酸エチル、ミリスチン酸ミリスチル、イソステアリン酸コレステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、及びテトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル等が挙げられる。
【0045】
成分(A)は、カルナウバロウ、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、及びフィッシャー・トロプシュワックスからなる群より選ばれる25℃で固形の油性成分(少なくとも1の25℃で固形の油性成分)を含むことが好ましい。この場合には、整髪剤組成物の性状を硬い性状とすることができる。また、整髪力をより一層高めることができる。
【0046】
本明細書においては、上記「カルナウバロウ、ヒマワリ種子ロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、及びフィッシャー・トロプシュワックスからなる群より選ばれる25℃で固形の油性成分」を「成分(A1)」と称する場合がある。
【0047】
したがって、成分(A)は、成分(A1)を含むことが好ましい。成分(A)は、成分(A1)であることがより好ましい。本発明の整髪剤組成物は、成分(A1)を含むことが好ましい。
【0048】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(A1)の含有量は、好ましくは20.0質量%以上、より好ましくは25.0質量%以上、更に好ましくは29.0質量%以上、好ましくは45.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下、更に好ましくは35.0質量%以下である。成分(A1)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪剤組成物の性状を硬い性状とすることができる。また、整髪力をより一層高めることができる。
【0049】
整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とする観点及び整髪力を高める観点から、本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、20.0質量%以上、45.0質量%以下である。
【0050】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、好ましくは25.0質量%以上、より好ましくは29.0質量%以上、好ましくは40.0質量%以下である。成分(A)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪剤組成物の性状を硬い性状とすることができる。また、整髪力をより一層高めることができる。
【0051】
成分(A)の含有量の、成分(B)の含有量に対する質量比(成分(A)の含有量/成分(B)の含有量)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、好ましくは4.0以下である。上記質量比(成分(A)の含有量/成分(B)の含有量)が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
【0052】
成分(A)の含有量の、成分(D)の含有量に対する質量比(成分(A)の含有量/成分(D)の含有量)は、好ましくは0.8以上、好ましくは1.2以下である。上記質量比(成分(A)の含有量/成分(D)の含有量)が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
【0053】
(成分(B))
成分(B)は、25℃で液状の油性成分である。成分(B)を用いることにより、整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とすることができる。また、成分(B)を用いることにより、整髪剤組成物ののび及びなじみを良好にすることができる。成分(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0054】
成分(B)としては、炭化水素油、植物油、シリコーン油及びエステル油等が挙げられる。
【0055】
上記炭化水素油(25℃で液状の炭化水素油)としては、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン(合成スクワラン、植物性スクワラン)、スクワレン、流動イソパラフィン、流動パラフィン(ミネラルオイル)、(C13-15)アルカン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、軽質イソパラフィン(イソドデカン)、軽質流動イソパラフィン、及び流動イソパラフィン等が挙げられる。
【0056】
上記植物油(25℃で液状の植物油)としては、アボカド油、アルガンオイル、オリーブ油、コメヌカ油、ダイズ油、トウモロコシ油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ブドウ種子油、ククイナッツ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、クランベアビシニカ種子油、メドウフォーム油、及びヒマワリ油等が挙げられる。
【0057】
上記シリコーン油(25℃で液状のシリコーン油)としては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体、及びジメチコノール等が挙げられる。
【0058】
上記エステル油(25℃で液状のエステル油)としては、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、セバシン酸ジエチルヘキシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、及びデカイソステアリン酸ポリグリセリル-10等が挙げられる。
【0059】
成分(B)は、炭化水素油、植物油、シリコーン油、及びエステル油からなる群より選ばれる25℃で液状の油性成分(少なくとも1の25℃で液状の油性成分)を含むことが好ましい。この場合には、整髪剤組成物ののびをより一層良好にすることができる。
【0060】
本明細書においては、上記「炭化水素油、植物油、シリコーン油、及びエステル油からなる群より選ばれる25℃で液状の油性成分」を「成分(B1)」と称する場合がある。
【0061】
したがって、成分(B)は、成分(B1)を含むことが好ましい。成分(B)は、成分(B1)であることがより好ましい。本発明の整髪剤組成物は、成分(B1)を含むことが好ましい。
【0062】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(B1)の含有量は、好ましくは5.0質量%以上、より好ましくは7.0質量%以上、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは17.0質量%以下、更に好ましくは15.0質量%以下である。成分(B1)の含有量が上記下限以上であると、整髪剤組成物ののびをより一層良好にすることができる。成分(B1)の含有量が上記上限以下であると、整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とすることができる。
【0063】
整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とする観点及び整髪剤組成物ののび及びなじみを良好にする観点から、本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、5.0質量%以上、20.0質量%以下である。
【0064】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、好ましくは7.0質量%以上、好ましくは17.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。成分(B)の含有量が上記下限以上であると、整髪剤組成物ののび及びなじみをより一層良好にすることができる。成分(B)の含有量が上記上限以下であると、整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とすることができる。
【0065】
(成分(C))
成分(C)は、粘土鉱物である。成分(C)を用いることにより、整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とすることができる。また、成分(C)を用いることにより、整髪力を高めることができる。さらに、成分(C)を用いることにより、艶が抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。成分(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0066】
成分(C)は、天然物であってもよく、合成物であってもよい。
【0067】
成分(C)としては、カオリン族粘土鉱物、アンティゴライト族粘土鉱物、パイロフィライト族粘土鉱物、雲母族粘土鉱物、スメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト族粘土鉱物、緑泥石族粘土鉱物、及び有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0068】
上記カオリン族粘土鉱物としては、カオリン、ナクライト、ディッカイト、及びハロサイト等が挙げられる。
【0069】
上記アンティゴライト族粘土鉱物としては、アンティゴライト、アメサイト、及びクロンステダイト等が挙げられる。
【0070】
上記パイロフィライト族粘土鉱物としては、パイロフィライト、及びタルク(滑石)等が挙げられる。
【0071】
上記雲母族粘土鉱物としては、イライト、海緑石、セラドナイト、セリサイト、マイカ(雲母)、白雲母、クロム白雲母、及び黒雲母等が挙げられる。
【0072】
上記スメクタイト族粘土鉱物としては、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントナイト、サポナイト、ヘクトライト、及びルーセンタイト等が挙げられる。
【0073】
上記バーミキュライト族粘土鉱物としては、バーミキュライト等が挙げられる。
【0074】
上記緑泥石族粘土鉱物としては、緑泥石(クロライト)等が挙げられる。
【0075】
上記有機変性粘土鉱物としては、スメクタイト族粘土鉱物又はバーミキュライト族粘土鉱物などが有機変性処理された有機変性粘土鉱物等が挙げられる。有機変性処理には、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が好適に用いられる。上記第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム及び塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
【0076】
成分(C)は、タルク、カオリン、及びベントナイトからなる群より選ばれる粘土鉱物(少なくとも1の粘土鉱物)を含むことが好ましい。この場合には、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。また、艶がより一層抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。
【0077】
本明細書においては、上記「タルク、カオリン、及びベントナイトからなる群より選ばれる粘土鉱物」を「成分(C1)」と称する場合がある。
【0078】
したがって、成分(C)は、成分(C1)を含むことが好ましい。成分(C)は、成分(C1)であることがより好ましい。本発明の整髪剤組成物は、成分(C1)を含むことが好ましい。
【0079】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C1)の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下である。成分(C1)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。また、艶がより一層抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。
【0080】
本発明の効果を発揮する観点から、本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C)の含有量は、1.0質量%以上、10.0質量%以下である。
【0081】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(C)の含有量は、好ましくは8.0質量%以下である。成分(C)の含有量が上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。また、艶がより一層抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。
【0082】
(成分(D))
成分(D)は、水である。成分(D)は、精製水であることが好ましい。成分(D)を用いることにより、整髪剤組成物ののびを良好にすることができる。また、成分(D)を用いることにより、洗髪時の洗い落ち性を良好にすることができる。
【0083】
整髪剤組成物ののびを良好にする観点及び洗髪時の洗い落ち性を良好にする観点から、本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(D)の含有量は、20.0質量%以上である。
【0084】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(D)の含有量は、好ましくは45.0質量%以下、より好ましくは40.0質量%以下である。成分(D)の含有量が上記上限以下であると、整髪剤組成物ののびをより一層良好にすることができる。また、洗髪時の洗い落ち性を良好にすることができる。
【0085】
(成分(E))
成分(E)は、粘土鉱物以外の粉体である。本発明の整髪剤組成物は、成分(E)を含むことが好ましい。成分(E)を用いることにより、艶が抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。成分(E)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0086】
成分(E)としては、シリカ(無水ケイ酸)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、紺青、カーボンブラック、酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、セルロース末、トウモロコシデンプン、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウム、及び珪藻土等が挙げられる。
【0087】
成分(E)は、シリカ、及び珪藻土からなる群より選ばれる粉体(少なくとも1の粉体)を含むことが好ましい。この場合には、艶がより一層抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。また、整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とすることができる。
【0088】
本明細書においては、上記「シリカ、及び珪藻土からなる群より選ばれる粉体」を「成分(E1)」と称する場合がある。
【0089】
したがって、成分(E)は、成分(E1)を含むことが好ましい。成分(E)は、成分(E1)であることがより好ましい。本発明の整髪剤組成物は、成分(E1)を含むことが好ましい。
【0090】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(E)の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下である。成分(E)の含有量が上記下限以上であると、艶がより一層抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。また、整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とすることができる。
【0091】
(成分(F))
成分(F)は、皮膜形成ポリマーである。本発明の整髪剤組成物は、成分(F)を含むことが好ましい。成分(F)を用いることにより、整髪力をより一層高めることができる。成分(F)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0092】
成分(F)としては、アニオン性皮膜形成ポリマー、カチオン性皮膜形成ポリマー、両性皮膜形成ポリマー、及びノニオン性皮膜形成ポリマー等が挙げられる。
【0093】
上記アニオン性皮膜形成ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、メチルビニルエーテル/マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸モノブチルエステル/イソボロリルアクリレート共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、(スチレン/アクリル酸アルキル)共重合体、(スチレン/アクリル酸アミド)共重合体、ウレタン-アクリル系共重合体、及びポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」と「メタクリル」との双方を意味する。
【0094】
上記カチオン性皮膜形成ポリマーとしては、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ポリクオタニウム-11)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/メタクリロイルアミノプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリド共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-7)、アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム-22)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、メタクリル酸ブチル/メタクリル酸2-エトキシエチル/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体、及び(ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)共重合体等が挙げられる。
【0095】
上記両性皮膜形成ポリマーとしては、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、N,Nジメチル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)アミン=N-オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体、ジアルキルアミノエチルメタクリレート/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のモノクロル酢酸両性化物、及び(イソブチレン/ジエチルアミノプロピルマレイミド/マレイン酸)共重合体等が挙げられる。
【0096】
上記ノニオン性皮膜形成ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体、及びポリビニルカプロラクタム等が挙げられる。
【0097】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(F)の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、好ましくは2.0質量%以下である。成分(F)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪力をより一層高めることができる。
【0098】
(成分(G))
成分(G)は、アニオン界面活性剤である。本発明の整髪剤組成物は、成分(G)を含むことが好ましい。成分(G)を用いることにより、洗髪時の洗い落ち性を良好にすることができる。また、成分(G)を用いることにより、乳化特性を高めることができる。成分(G)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0099】
成分(G)としては、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン等の高級脂肪酸塩(高級脂肪酸石鹸);ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、及びセチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のα-オレフィンスルホン酸塩;ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等のN-アシルメチルタウリン塩;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、及びスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸アルキル塩;スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸ポリオキシエチレンアルキル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ナトリウム、及びセチルリン酸ジエタノールアミン等のモノアルキルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ミリストイルサルコシンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム等のN-アシル-N-メチル-β-アラニン塩;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、及びヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン等のN-アシルグルタミン酸塩;ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、及びヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム等のN-アシルグリシン塩;ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(ドデカン-1,2-ジオール酢酸ナトリウム)、ラウリルグリコール酢酸カリウム、ミリスチルグリコール酢酸ナトリウム、ミリスチルグリコール酢酸カリウム、パルミチルグリコール酢酸ナトリウム、パルミチルグリコール酢酸カリウム、ステアリルグリコール酢酸ナトリウム、ステアリルグリコール酢酸カリウム、ベヘニルグリコール酢酸ナトリウム、及びベヘニルグリコール酢酸カリウム等のアルキルエーテルグリコール酢酸塩等が挙げられる。
【0100】
乳化特性を特により一層良好にする観点からは、成分(G)は、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩、炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するリン酸系界面活性剤、及び炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するアミノ酸系界面活性剤からなる群より選ばれるアニオン界面活性剤(少なくとも1のアニオン界面活性剤)であることが好ましい。
【0101】
本明細書において、上記「炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩」を「成分(G1)」と称する場合がある。
【0102】
本明細書において、上記「炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するリン酸系界面活性剤」を「成分(G2)」と称する場合がある。
【0103】
本明細書において、上記「炭素数が13以上、22以下の直鎖アルキル基を有するアミノ酸系界面活性剤」を「成分(G3)」と称する場合がある。
【0104】
したがって、成分(G)は、成分(G1)、成分(G2)及び成分(G3)からなる群より選ばれるアニオン界面活性剤であることが好ましい。成分(G1)、成分(G2)及び成分(G3)において、直鎖アルキル基の炭素数が13以上、22以下である。
【0105】
洗髪時の洗い落ち性をより一層良好にする観点から、成分(G)は、成分(G1)及び/又は成分(G2)を含むことが好ましい。
【0106】
成分(G1)は、炭素数が15以上、22以下の直鎖アルキル基を有する高級脂肪酸塩であることが好ましい。
【0107】
成分(G1)における脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びベヘン酸等が挙げられる。成分(G1)における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。上記高級脂肪酸塩は、予め塩に調製された高級脂肪酸塩が配合されたものであってもよく、脂肪酸及び塩基としてそれぞれ配合され、整髪剤組成物を製造する過程で脂肪酸及び塩基から形成されたものであってもよい。
【0108】
成分(G2)としては、アルキルリン酸塩、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩が挙げられる。
【0109】
上記アルキルリン酸塩としては、セチルリン酸塩等が挙げられる。
【0110】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩におけるポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸は、ポリオキシアルキレン残基と1価の飽和脂肪族アルコール残基とから構成されるエーテル(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)のリン酸エステルである。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルにおけるポリオキシアルキレン残基を構成するオキシアルキレンとしては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン等の炭素数2~4のオキシアルキレン等が挙げられる。ポリオキシアルキレンは、ポリオキシエチレンであることが好ましい。上記ポリオキシアルキレンは、1種のみのオキシアルキレンを含んでいてもよいし、2種以上のオキシアルキレンを含んでいてもよい。また、ポリオキシアルキレンにおけるオキシアルキレンの平均付加モル数は、好ましくは2以上、25以下であり、より好ましくは2以上、20以下である。
【0111】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを構成する1価の飽和脂肪族アルコール残基は、1価の飽和脂肪族炭化水素基を含む。1価の飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、セチル基、ステアリル基等の炭素数13以上、22以下(好ましくは炭素数15以上、22以下)の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。上記1価の飽和脂肪族炭化水素基は直鎖状である。
【0112】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸は、モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体のいずれであってもよく、これらのうちの2以上の混合物であってもよい。
【0113】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩としては、例えば、無機塩、有機アミン塩、及び塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。無機塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アルミニウム塩;亜鉛塩等が挙げられる。有機アミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、及びトリエタノールアミン塩等が挙げられる。塩基性アミノ酸塩としては、例えば、アルギニン塩、及びリジン塩等が挙げられる。
【0114】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩としては、例えば、セテス-10リン酸、セテス-20リン酸等のポリオキシアルキレンセチルエーテルリン酸の塩;ステアレス-2リン酸、ステアレス-3リン酸等のポリオキシアルキレンステアリルエーテルリン酸;トリセテアレス-4リン酸等のポリオキシアルキレンセテアリルエーテルリン酸の塩等が挙げられる。
【0115】
成分(G3)は、N-アシルアミノ酸塩であることが好ましい。
【0116】
上記N-アシルアミノ酸塩におけるアシル基としては、特に限定されないが、炭素数13~22(好ましくは炭素数15~22)の直鎖アルキル基を含む脂肪族アシル基が挙げられ、例えば、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、及びベヘニル基等が挙げられる。
【0117】
上記N-アシルアミノ酸塩におけるアミノ酸としては、例えば、グリシン、ジメチルグリシン、トリメチルグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、ヒスチギン、リジン、及びサルコシン等が挙げられる。乳化安定性をより一層良好にする観点から、グルタミン酸が好ましい。
【0118】
上記N-アシルアミノ酸塩は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等である。
【0119】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、成分(G)の含有量は、好ましくは3.0質量%以上、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下である。成分(G)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、洗髪時の洗い落ち性をより一層良好にすることができる。
【0120】
(他の成分)
本発明の整髪剤組成物は、上述した成分(A)~(G)以外の成分(他の成分)を含んでいてもよい。上記他の成分としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール(糖アルコールを含む)、増粘剤、保湿剤(ヒアルロン酸、コラーゲン、パントテニルアルコール等)、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、及びフェノキシエタノール等)、中和剤、pH調整剤、香料、紫外線吸収剤、色素、無機顔料、酸化防止剤、ビタミン類、動物性抽出物、及び金属イオン封鎖剤(キレート剤)等が挙げられる。上記他の成分は、それぞれ1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0121】
<ノニオン界面活性剤>
上記ノニオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル)、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、並びにポリオキシエチレンヒマシ油等が挙げられる。
【0122】
上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、及びヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
【0123】
上記ソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、及びトリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。
【0124】
上記グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステルであってもよく、ポリグリセリン脂肪酸エステルであってもよい。
【0125】
上記モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、及びジアラキン酸グリセリル等が挙げられる。
【0126】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4~10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2~10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6~10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、及びトリステアリン酸ポリ(10)グリセリル等の上記モノグリセリン脂肪酸エステルの重合度2~10のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0127】
上記グリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、及びモノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等が挙げられる。
【0128】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、及びポリオキシプロピレンオレイルエーテル等が挙げられる。
【0129】
上記ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、及びモノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、及びモノオレイン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0130】
<カチオン界面活性剤>
上記カチオン界面活性剤としては、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩、アルキルアミン、及び脂肪酸アミドアミン塩等が挙げられる。
【0131】
<両性界面活性剤>
上記両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタイン型両性界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、及びN-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸塩、及びアルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びアルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤;アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウム型両性界面活性剤;N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-プロピルスルホン酸塩;N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩;N-脂肪酸アミドプロピル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩等が挙げられる。
【0132】
<低級アルコール>
上記低級アルコールとしては、エタノール等が挙げられる。
【0133】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記低級アルコールの含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。
【0134】
<高級アルコール>
上記高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、及びセトステアリルアルコール等が挙げられる。
【0135】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記高級アルコールの含有量は、好ましくは1.0質量%以上、好ましくは5.0質量%以下である。
【0136】
<多価アルコール>
上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、及び1,2-オクタンジオール等が挙げられる。
【0137】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記多価アルコールの含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。
【0138】
<中和剤及びpH調整剤>
上記中和剤及びpH調整剤としては、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸、リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウム塩等)、クエン酸、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム塩)、乳酸、乳酸塩、リンゴ酸、及びリンゴ酸塩等が挙げられる。
【0139】
本発明の整髪剤組成物100質量%中、上記中和剤の含有量と上記pH調整剤の含有量との合計は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下である。
【0140】
(整髪剤組成物の他の詳細)
本発明の整髪剤組成物は、乳化整髪剤組成物であることが好ましく、油性成分と水性成分とが乳化されていることが好ましい。本発明の整髪剤組成物は、水中油(O/W)型の乳化整髪剤組成物であることが好ましい。
【0141】
本発明の整髪剤組成物の性状は、ワックス状であることが好ましい。本発明の整髪剤組成物は、ワックス状整髪剤組成物(所謂、ヘアワックス又はクレイワックス)であることが好ましい。
【0142】
本発明の整髪剤組成物の製造方法としては、例えば、各成分を用いて、混合及び乳化を行う方法等が挙げられる。混合及び乳化には、ホモミキサー等が用いられる。乳化は、転相乳化であってもよい。上記各成分を混合した後に乳化が行われてもよく、各成分の混合時に乳化が行われてもよい。
【0143】
本発明の整髪剤組成物は、例えば、容器に充填された形態で用いることができる。上記容器としては、ジャー容器等が挙げられる。
【0144】
本発明の整髪剤組成物の25℃での圧縮強度は、好ましくは200gf以上、より好ましくは250gf以上であり、好ましくは500gf以下、より好ましくは450gf以下である。上記圧縮強度が上記下限以上であると、整髪剤組成物の性状を比較的硬い性状とすることができている。上記圧縮強度が上記下限以上及び上記上限以下であると、取扱い性を高めることができる。
【0145】
上記圧縮強度は以下のようにして測定される。直径30mm以上の容器(例えばビーカー及び広口ジャー容器等)に、該容器の底から22mm以上の高さまで整髪剤組成物を充填する。整髪剤組成物が充填された上記容器を25℃で静置する。この静置状態で10φ球型アダプターを、スピード60mm/分の条件で、整髪剤組成物の上方から整髪剤組成物の上面に対して垂直に進入させる。上記アダプターの先端は、整髪剤組成物の上面から20mmの深度まで進入させる。この際の最大強度が上記圧縮強度である。上記圧縮強度が小さいほど整髪剤組成物が柔らかいことを意味し、上記圧縮強度が大きいほど整髪剤組成物が硬いことを意味する。
【0146】
上記圧縮強度は、上記深度における応力測定が可能な応力測定装置を用いて測定することができる。上記応力測定装置としては、サン科学社製「レオメーター シリーズ」等が挙げられる。
【実施例0147】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0148】
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0149】
(成分(A))
パラフィン:融点74℃
マイクロクリスタリンワックス:融点74~80℃
ワセリン:融点50℃
ポリエチレンワックス:融点83~90℃
フィッシャー・トロプシュワックス(合成ワックス):融点80~85℃
カルナウバロウ:融点80~86℃
キャンデリラロウ:融点71℃
ミツロウ:融点60~67℃
シア脂:融点30~38℃
トリベヘニン:融点83℃
【0150】
(成分(B))
流動パラフィン:Sonneborn社製「CARNATION」
スクワラン:日本サーファクタント工業社製「スクワラン」
軽質イソパラフィン:日油社製「パールリーム3」
ジメチコン:ダウ・東レ社製「Dowsil(TM)SH200CFluid20cs」
ホホバ油:日本サーファクタント工業社製「NIKKOL ホホバ油S」
ミリスチン酸イソプロピル
パルミチン酸2-エチルヘキシル
2-エチルヘキサン酸セチル
【0151】
(成分(C))
タルク:日本タルク社製「タルクMS」
カオリン:竹原化学工業社製「カオリンJP-100」
ベントナイト:日本有機粘土社製「ベンゲル」
【0152】
(成分(D))
精製水
【0153】
(成分(E))
シリカ(無水ケイ酸):平均粒径5~15μm、比表面積150~330m2/g
珪藻土:平均粒径11μm
【0154】
(成分(F))
N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-a-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体液:大阪有機化学工業社製「ユカフォーマー301」
アクリル樹脂アルカノールアミン液:互応化学工業社製「プラスサイズL-6330」
【0155】
(成分(G))
ステアリン酸
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム:日本サーファクタント工業社製「NIKKOL DOP-8NV」
【0156】
(他の成分)
ステアリルアルコール(高級アルコール)
セチルアルコール(高級アルコール)
セテス-20:HLB17.0(ノニオン界面活性剤)
セテス-15:HLB15.0~16.0(ノニオン界面活性剤)
ステアリン酸ソルビタン:HLB5.0(ノニオン界面活性剤)
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:HLB13.0~15.0(ノニオン界面活性剤)
ポリソルベート-60:HLB14.0~15.0(ノニオン界面活性剤)
1,3-ブチレングリコール(多価アルコール)
カルボマー(増粘剤)
トリエタノールアミン(中和剤)
【0157】
(実施例1~5及び比較例1~6)
下記の表1,2に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、ホモミキサーを用いて混合及び乳化し、整髪剤組成物を調製した。表中の配合量(整髪剤組成物100質量%中の配合量)は、純分の配合量(単位:質量%)で示した。
【0158】
実施例1~5で得られた整髪剤組成物の性状はいずれもワックス状であった。
【0159】
(評価)
(試験例1:整髪剤組成物の硬さ(圧縮強度))
得られた整髪剤組成物の圧縮強度を、上述した方法に従って測定した。なお、測定装置としては、サン科学社製「レオメーター シリーズ」を用いた。本評価では、圧縮強度が200gf以上、500gf以下の場合に、整髪剤組成物が比較的硬い性状を有していると判定した。
【0160】
(試験例2:整髪剤組成物ののび)
得られた整髪剤組成物0.2gをガラス板の上に乗せた。フッ素樹脂製撹拌棒(円柱状、直径10mm)を側面がガラス板の表面に接するように設置した。フッ素樹脂製撹拌棒を20cm/秒の速度で水平に移動させて、整髪剤組成物をのばした。整髪剤組成物が均一にのびた距離(途切れずにのびた距離)を測定し、下記の基準で評価した。
【0161】
<整髪剤組成物ののびの評価基準>
〇(良好):整髪剤組成物が均一にのびた距離が15cm以上
△(使用可能):整髪剤組成物が均一にのびた距離が8cm以上、15cm未満
×(不良):整髪剤組成物が均一にのびた距離が8cm未満
【0162】
(試験例3:整髪力)
得られた整髪剤組成物約1gを掌にとり、掌上でのばした後、ミディアムヘアのヘアウィッグ(ユーカリジャパン社製)の毛髪上に均一に塗布し、毛髪全体を上方に立ち上げるように整髪を施した。整髪直後のウィッグの毛髪を目視で観察し、下記の基準で評価した。なお、専門パネル3名が評価を行った。
【0163】
<整髪力の評価基準>
○(良好):立ち上げた毛髪が維持できている。
△(使用可能):立ち上げた毛髪が完全に維持できていないものの、水平以上に立ち上がっている。
×(不良):毛髪が水平以下に下がり、毛髪が立ち上がらない。
【0164】
(試験例4:洗い落ち性)
上記試験例3で評価した後のウィッグを、流水(約40℃の温水)で洗い流して洗髪し、タオルドライした後に、自然乾燥した。乾燥後のウィッグを触ったところ、実施例で得られた整髪剤組成物を用いて整髪したウィッグでは、べたつきやごわつきがなく、整髪剤組成物の洗い落ち性が良好であった。なお、専門パネル3名が評価を行った。
【0165】
組成及び結果を下記の表1,2に示す。
【0166】
【0167】
【0168】
以下に、本発明の整髪剤組成物の処方例を示す。
【0169】
(処方例1)ヘアワックス
パラフィン 6.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 6.0質量%
ワセリン 6.0質量%
ポリエチレンワックス 2.0質量%
キャンデリラロウ 5.0質量%
ミツロウ 5.0質量%
流動パラフィン 5.0質量%
ミリスチン酸イソプロピル 5.0質量%
カオリン 6.0質量%
ベントナイト 1.0質量%
シリカ(無水ケイ酸) 3.0質量%
アクリレーツコポリマーAMP 1.0質量%
ステアリン酸 3.0質量%
ステアリルアルコール 1.5質量%
セテス-20 3.5質量%
ステアリン酸ソルビタン 2.0質量%
カルボマー 0.1質量%
トリエタノールアミン 2.0質量%
精製水 34.8質量%
アスコルビン酸ナトリウム 0.2質量%
パンテノール 0.2質量%
dl-酢酸トコフェロール 0.2質量%
アミノ酸 0.5質量%
フェノキシエタノール 0.5質量%
香料 0.5質量%
合計 100.0質量%
【0170】
(処方例2)ヘアワックス
パラフィン 1.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 5.0質量%
ワセリン 2.0質量%
合成ワックス 0.5質量%
カルナウバロウ 3.0質量%
キャンデリラロウ 15.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
トリベヘニン 0.5質量%
流動パラフィン 2.0質量%
軽質イソパラフィン 1.0質量%
ジメチコン 1.0質量%
アルガニアスピノサ核油 0.5質量%
ククイナッツ油 0.5質量%
オリーブ油 0.5質量%
パルミチン酸2-エチルヘキシル 5.0質量%
マイカ 5.0質量%
ケイ酸アルミニウムマグネシウム 1.0質量%
オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウム 0.5質量%
ポリビニルアルコール 1.0質量%
酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体 1.0質量%
ステアリン酸 2.0質量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム 6.0質量%
セチルアルコール 1.5質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 3.5質量%
ステアリ酸ソルビタン 1.5質量%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2質量%
トリエタノールアミン 1.5質量%
精製水 34.2質量%
カンゾウ抽出末 0.1質量%
ハマメリスエキス 0.1質量%
ローズマリーエキス 0.1質量%
チャエキス 0.1質量%
メチルパラベン 0.2質量%
香料 1.0質量%
合計 100.0質量%