(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065841
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】記録制御装置および記録制御方法
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20240508BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240508BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
H04N5/232 290
H04N5/232 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174902
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津端 大
(72)【発明者】
【氏名】池田 真弓
(72)【発明者】
【氏名】奥村 孝
(72)【発明者】
【氏名】富澤 克美
(72)【発明者】
【氏名】崔 丁珠
(72)【発明者】
【氏名】小俣 真悟
【テーマコード(参考)】
3E138
5C122
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BB05
3E138CC01
3E138MA10
3E138MB08
3E138MC20
3E138ME04
3E138MF05
5C122DA14
5C122EA07
5C122FH10
5C122FH14
5C122FH21
5C122GA23
5C122HA86
5C122HA88
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】車両の乗員を適切に撮影すること。
【解決手段】記録制御装置100Bは、車内カメラ210Bが撮影した映像データを取得する映像データ取得部120と、車両の乗員及び乗員の推定年齢を認識する人物認識部131Bと、乗員ごとに、乗員の推定年齢に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する設定部135Bと、乗員ごとに、設定部135Bによって設定された切出し条件を満たすか否かを判定する判定部136Bと、映像データから映像または画像を記録データとして切出す切出部139Bと、切出した記録データを記録する記録制御部138Bとを備え、切出部139Bは、切出し条件を満たすと判定された場合、映像データから切出し条件を満たすと判定された乗員の顔を認識可能に切出しし、切出し条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識不可能な状態で切出しする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内を撮影する車内カメラが撮影した映像データを取得する映像データ取得部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データから、車両の乗員及び前記乗員の推定年齢を認識する人物認識部と、
前記人物認識部の認識結果に基づいて、前記乗員ごとに、前記乗員の推定年齢に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する設定部と、
前記乗員ごとに、前記設定部によって設定された切出し条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データから映像または画像を記録データとして切出す切出部と、
前記切出部が切出した記録データを記録する記録制御部と、
を備え、
前記切出部は、前記判定部によって、前記映像データから前記切出し条件を満たすと判定された前記乗員の顔を認識可能に切出しし、前記切出し条件を満たしていないと判定された前記乗員の顔を認識不可能な状態で切出しする、
記録制御装置。
【請求項2】
車室内を撮影する車内カメラが撮影した映像データを取得する映像データ取得部と、
前記車内カメラによって撮影された記録データの開示先を示す開示先情報を取得する開示先情報取得部と、
前記開示先情報取得部が取得した前記開示先情報に基づいて、前記開示先および車両の乗員ごとに、前記開示先に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する設定部と、
前記開示先および車両の乗員ごとに、前記設定部によって設定された切出し条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記映像データ取得部が取得した前記映像データから映像または画像を記録データとして切出す切出部と、
前記切出部が切出した記録データを記録する記録制御部と、
を備え、
前記切出部は、前記判定部によって前記切出し条件を満たすと判定された場合、前記映像データから前記切出し条件を満たすと判定された前記乗員の顔を認識可能に切出しし、前記切出し条件を満たしていないと判定された前記乗員の顔を認識不可能な状態で切出する、
記録制御装置。
【請求項3】
前記切出し条件は、前記乗員の推定年齢が高くなるほど、推定年齢の高い乗員の切出しを制限するように設定される、
請求項1または2に記載の記録制御装置。
【請求項4】
車室内を撮影する車内カメラが撮影した映像データを取得する映像データ取得ステップと、
前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データから、車両の乗員及び前記乗員の推定年齢を認識する人物認識ステップと、
前記人物認識ステップの認識結果に基づいて、前記乗員ごとに、前記乗員の推定年齢に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する設定ステップと、
前記乗員ごとに、前記設定ステップによって設定された切出し条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データから映像または画像を記録データとして切出す切出ステップと、
前記切出ステップによって切出された記録データを記録する記録制御ステップと、
を含み、
前記切出ステップは、前記判定ステップによって前記切出し条件を満たすと判定された場合、前記映像データから前記切出し条件を満たすと判定された前記乗員の顔を認識可能に切出しし、前記切出し条件を満たしていないと判定された前記乗員の顔を認識不可能な状態で切出しする、
記録制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録制御装置および記録制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に乗車中に、車外に乗員が興味を示す対象物が現れた場合、複数の乗員の顔の向きが一致したと判定した場合、車外とともに乗員の顔を撮影する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の技術では、乗員の意思に反して乗員の顔が撮影されるおそれがある。例えば、乗員の年齢が高くなると、乗員は、意思に反する撮影に抵抗を感じることもある。また、例えば、撮影された映像または画像の開示先によって、乗員は、映像または画像の開示に抵抗を感じることもある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の乗員を適切に撮影することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る記録制御装置は、車室内を撮影する車内カメラが撮影した映像データを取得する映像データ取得部と、前記映像データ取得部が取得した前記映像データから、車両の乗員及び前記乗員の推定年齢を認識する人物認識部と、前記人物認識部の認識結果に基づいて、前記乗員ごとに、前記乗員の推定年齢に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する設定部と、前記乗員ごとに、前記設定部によって設定された切出し条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記映像データ取得部が取得した前記映像データから映像または画像を記録データとして切出す切出部と、前記切出部が切出した記録データを記録する記録制御部と、を備え、前記切出部は、前記判定部によって、前記映像データから前記切出し条件を満たすと判定された前記乗員の顔を認識可能に切出しし、前記切出し条件を満たしていないと判定された前記乗員の顔を認識不可能な状態で切出しする。
【0007】
本発明に係る記録制御方法は、車室内を撮影する車内カメラが撮影した映像データを取得する映像データ取得ステップと、前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データから、車両の乗員及び前記乗員の推定年齢を認識する人物認識ステップと、前記人物認識ステップの認識結果に基づいて、前記乗員ごとに、前記乗員の推定年齢に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する設定ステップと、前記乗員ごとに、前記設定ステップによって設定された切出し条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記映像データ取得ステップによって取得された前記映像データから映像または画像を記録データとして切出す切出ステップと、前記切出ステップによって切出された記録データを記録する記録制御ステップと、を含み、前記切出ステップは、前記判定ステップによって前記切出し条件を満たすと判定された場合、前記映像データから前記切出し条件を満たすと判定された前記乗員の顔を認識可能に切出しし、前記切出し条件を満たしていないと判定された前記乗員の顔を認識不可能な状態で切出しする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の乗員を適切に撮影することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る記録制御装置を有する車両用記録装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係る記録制御装置における起動時処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第一実施形態に係る記録制御装置における記録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第二実施形態に係る記録制御装置を有する車両用記録装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第二実施形態に係る記録制御装置における起動時処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第三実施形態に係る記録制御装置を有する車両用記録装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第三実施形態に係る記録制御装置における記録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第四実施形態に係る記録制御装置を有する車両用記録装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る記録制御装置および記録制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[第一実施形態]
<車両用記録装置>
図1は、第一実施形態に係る記録制御装置100を有する車両用記録装置(記録装置)10の構成例を示すブロック図である。車両用記録装置10は、車両の乗員を撮影する。本実施形態では、車両用記録装置10は、車両の乗員ごとに設定された撮影条件を満たす場合、その乗員の顔を認識可能な状態で車室内を撮影して記録する。
【0012】
車両用記録装置10は、いわゆるドライブレコーダであり、車両に載置されているものに加えて、可搬型で車両において利用可能な装置であってもよい。本実施形態では、車両用記録装置10は、車両の乗員を撮影せず、ドライブレコーダとして動作する場合、いわゆるループ記録処理を行う。本実施形態では、車両用記録装置10は、車両の乗員を撮影する場合、ループ記録処理を行わない。ループ記録処理とは、車両のエンジンが始動してから停止するまでの間、つまり車両が動作している間、映像を常時撮影することである。車両用記録装置10は、車室内を撮影して記録する。車両用記録装置10は、車内カメラ210と、マイクロフォン215と、記録部220と、操作部230と、表示部240と、GPS(Global Positioning System)受信部250と、人物認識辞書記憶部260と、記録制御装置100とを有する。本実施形態では、操作部230およびGPS受信部250は、必須の構成ではない。本実施形態では、ドライブレコーダの基本的な機能である、例えば、ループ記録処理、衝突など検出するイベント検出処理、および、イベントが検出された際の映像データを記録するイベントデータ記録処理などについては説明を省略する。また、基本的な構成としてドライブレコーダが有する、車外カメラ、加速度センサなどの構成は説明を省略する。
【0013】
車内カメラ210は、車室内を撮影するカメラである。車内カメラ210は、車両のすべての乗員を撮影する。車内カメラ210は、例えば、車室内前方に後方を向いて配置されている。車内カメラ210は、360°の全方向を撮影可能なカメラで乗員を撮影しても良い。車内カメラ210は、車両の起動時、および、判定部136によって撮影条件を満たすと判定された場合、映像を撮影する。車内カメラ210は、撮影した映像データを記録制御装置100の映像データ取得部120へ出力する。映像データは、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画である。
【0014】
車内カメラ210を用いる利点は、以下の点が挙げられる。車内カメラ210は、車室内に設置され撮影範囲が限定されるので、車室内のすべての乗員の顔を撮影可能である。車内では乗員が座席に着座するので、乗員が子供であっても動き回らない。このため、車内カメラ210は、子供の撮影に適している。車室内はプライベート空間であり、第三者または周辺環境などの外部からの影響を受けにくいので、車内カメラ210は、子供の撮影に適している。乗員同士は家族など身近な人物であることが多いので、車内カメラ210は、プライバシーを保ちやすい。複数の乗員は家族など同じメンバーであることが多いので、車内カメラ210は、第三者が写り込む可能性が低い。乗員が家族である場合、乗員は、乗車時に決まった座席に着座するので、映像データから乗員を認識しやすい。車両は日常の様々なシチュエーションで使用され、使用頻度が高いことが多いので、車内カメラ210は、家族で過ごす様々なシチュエーション、および、日常の様子を映像または画像として記録することに適している。
【0015】
マイクロフォン215は、車室内の音声を収音するマイクロフォンである。マイクロフォン215は、車両のすべての乗員の音声を収音する。マイクロフォン215は、例えば、車室内前方に後方を向いて配置されている。マイクロフォン215は、車両の起動中、常時音声を収音する。マイクロフォン215は、例えば、指向性を有し、音声を発した乗員の座席を特定可能であることが好ましい。マイクロフォン215は、例えば、座席ごとに配置され、音声を発した乗員の座席を特定可能であることが好ましい。マイクロフォン215は、収音した音声データを記録制御装置100の音声データ取得部123へ出力する。
【0016】
記録部220は、車両用記録装置10におけるデータの一時記憶などに用いられる。記録部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記憶装置であってもよい。記録部220は、記録制御装置100の記録制御部138から出力された制御信号に基づいて、映像データ映像データを記録する。
【0017】
操作部230は、車両用記録装置10に対する各種操作を受付可能である。例えば、操作部230は、記録部220に記録した映像データを選択する操作を受付可能である。例えば、操作部230は、記録部220に記録した映像データを再生する操作を受付可能である。例えば、操作部230は、記録部220に記録した映像データを消去する操作を受付可能である。操作部230は、操作情報を記録制御装置100の操作制御部125に出力する。
【0018】
表示部240は、一例としては、車両用記録装置10に固有の表示装置、または、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共用した表示装置などである。表示部240は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部240は、記録制御装置100の表示制御部126から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。表示部240は、映像データまたは映像データを表示する。
【0019】
GPS受信部250は、図示しないGPS衛星から電波を受信する。GPS受信部250は、受信した電波の信号を記録制御装置100の位置情報取得部127へ出力する。
【0020】
人物認識辞書記憶部260は、例えば、人物の各方向視の形状、大きさ、色などのパターンを照合可能な認識辞書データを記憶している。人物認識辞書記憶部260は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク、ネットワークを介した外部記憶装置などの記憶装置である。
【0021】
本実施形態では、人物認識辞書記憶部260は、車両の乗員を照合可能な認識辞書データを記憶している。人物認識辞書記憶部260は、例えば、車両の乗員が認識されるたびに認識辞書データが更新されてもよい。これより、認識辞書データは、例えば、車両に高い頻度で乗車する家族である乗員と、初めての乗車を含む低い頻度で乗車する家族以外の乗員とが区別可能に記憶される。認識辞書データは、初めて乗車する乗員は、初回の認識処理後に記憶される。
【0022】
<記録制御装置>
記録制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。記録制御装置100は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。記録制御装置100には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは記録制御装置100におけるプログラム等のデータの一時記憶などに用いられる。記録制御装置100は、バス100Xに接続された、映像データ取得部120と、音声データ取得部123と、再生制御部124と、操作制御部125と、表示制御部126と、位置情報取得部127と、人物認識部131と、設定部135と、判定部136と、撮影制御部137と、記録制御部138とを有する。本実施形態では、操作制御部125および位置情報取得部127は、必須の構成ではない。
【0023】
映像データ取得部120は、車室内を撮影した映像データを取得する。より詳しくは、映像データ取得部120は、車内カメラ210が出力した映像データを取得する。
【0024】
音声データ取得部123は、車室内の音声を収音した音声データを取得する。より詳しくは、音声データ取得部123は、マイクロフォン215が出力した音声データを取得する。
【0025】
再生制御部124は、操作制御部125から出力された再生操作の制御信号に基づいて、記録部220に記録された映像データを再生するよう制御する。
【0026】
操作制御部125は、操作部230が受け付けた操作の操作情報を取得する。例えば、操作制御部125は、映像データの選択操作を示す選択操作情報、映像データの再生操作を示す再生操作情報、または、映像データの消去操作を示す消去操作情報を取得して制御信号を出力する。
【0027】
表示制御部126は、表示部240における映像データの表示を制御する。表示制御部126は、映像データを表示部240に出力させる映像信号を出力する。より詳しくは、表示制御部126は、再生制御部124が再生した映像データを表示部240に表示させる。表示制御部126は、映像データの再生によって表示する映像信号を出力する。
【0028】
位置情報取得部127は、GPS受信部250が受信した電波に基づいて、車両の現在の位置情報を公知の方法によって算出する。位置情報取得部127が算出した位置情報は、映像データとともに記録されてもよい。
【0029】
人物認識部131は、車両用記録装置10の起動時に、言い換えると、起動時処理において、映像データ取得部120が取得した映像データから、車両の乗員及び乗員の推定年齢を認識する。人物認識部131は、車両のすべての乗員の顔を認識する。人物認識部131は、映像データにおいて、人物認識処理を行い、車室内のすべての乗員を検出する。より詳しくは、人物認識部131は、映像データに対して、人物認識辞書記憶部260が記憶している認識辞書データを用いたパターンマッチングを行い、人物の存在を検出する。人物認識部131は、認識した乗員の年齢を推定する。人物認識部131は、検出した人物を画像処理で追尾する。人物認識部131による人物の認識方法および年齢の推定方法は限定されず、公知の方法を用いればよい。
【0030】
設定部135は、起動時処理として、車両用記録装置10の起動時に、乗員ごとの撮影条件を設定する。より詳しくは、設定部135は、車両用記録装置10の起動時に、人物認識部131の認識結果に基づいて、乗員ごとに、乗員の推定年齢に応じた撮影の可否を示す撮影条件を設定する。設定部135は、車両用記録装置10の起動時に、人物認識部131の認識結果に基づいて、乗員ごとに、乗員の推定年齢に応じた乗員を含む車室内の映像または画像を撮影の制限を示す撮影条件を設定する。
【0031】
車両用記録装置10の起動時とは、例えば、車両用記録装置10を起動した直後、車両の走行開始直後などである。
【0032】
車室内の映像または画像を撮影する制限の条件は、乗員の推定年齢に応じて設定される。乗員の推定年齢は、一例として、6歳以下、7歳以上8歳以下、9歳以上12歳以下、13歳以上15歳以下、16歳以上のように分けられる。乗員の推定年齢の分け方はこれに限定されない。
【0033】
撮影条件は、乗員の推定年齢が高くなるほど、撮影を制限するように設定される。これは、乗員の推定年齢が高くなると、乗員は、意思に反する撮影に抵抗を感じるおそれがあるためである。
【0034】
設定部135は、例えば、乗員の推定年齢が8歳以下である場合には、乗員が機嫌よく笑っている、または、眠っているときに撮影することを撮影条件として設定する。
【0035】
設定部135は、例えば、乗員の推定年齢が9歳以上12歳以下である場合には、乗員が笑っているときに撮影することを撮影条件として設定する。これは、推定年齢が9歳程度になると自我が目覚めるため、撮影されることに抵抗感を持つ可能性が生じること、または、プライバシー保護の必要性が高まることによる。
【0036】
設定部135は、例えば、乗員の推定年齢が13歳以上15歳以下である場合には、乗員の視線がカメラを向いているとき、乗員が歓声をあげたとき、または、目的地に着いたときなど、乗員が楽しんでいると推測できるときに撮影することを撮影条件として設定する。
【0037】
設定部135は、例えば、乗員の推定年齢が16歳以上である場合には、乗員の視線がカメラを向いているときなど、乗員が撮影を許容していると推測できるときに撮影することを撮影条件として設定する。これは、推定年齢が16歳以上になると、プライバシー保護の必要性がより高まることによる。乗員がカメラを意識しているとき以外に、乗員が望まない撮影を行わないようにするためである。
【0038】
判定部136は、乗員ごとに、設定部135によって設定された撮影条件を満たすか否かを判定する。より詳しくは、判定部136は、ナビゲーションシステムから取得した経路情報、音声データ取得部123によって取得された乗員の音声データ、および、図示しない視線検出部の乗員の視線検出結果、の少なくともいずれかに基づいて、乗員ごとに設定された撮影条件を満たすか否かを判定する。判定部136は、乗員ごとに設定された撮影条件を満たす場合、撮影すると判定する。
【0039】
判定部136は、例えば、乗員の推定年齢が8歳以下の撮影条件を満たしている場合には、乗員が笑っている、または、眠っているときに撮影すると判定する。
【0040】
判定部136は、例えば、乗員の推定年齢が9歳以上12歳以下の撮影条件を満たしている場合には、乗員が笑っているときに撮影すると判定する。
【0041】
判定部136は、例えば、乗員の推定年齢が13歳以上15歳以下の撮影条件を満たしている場合には、乗員の視線がカメラを向いているとき、乗員が歓声をあげたとき、または、目的地に着いたときなど、楽しんでいると推測できるときに撮影すると判定する。
【0042】
判定部136は、例えば、乗員の推定年齢が16歳以上の撮影条件を満たしている場合には、乗員の視線がカメラを向いているときなど、撮影を許容していると推測できるときに撮影すると判定する。
【0043】
判定部136は、例えば、音声データ取得部123によって取得された音声データから、乗員の笑い声、歓声または明るい声を認識して、笑っていることを判定してもよい。
【0044】
音声データから乗員を特定する方法は、限定されない。例えば、マイクロフォン215の指向性、または、マイクロフォン215が設置されている座席の位置から、音声を発した乗員を特定してもよい。または、乗員の声紋を認識する辞書データを記憶した、図示しない音声認識辞書を用いて、乗員を特定してもよい。
【0045】
判定部136は、例えば、ナビゲーションシステムから取得した経路情報と音声データ取得部123によって取得された乗員の音声データとに基づいて、旅行先から自宅への帰路であって、乗員の寝息または寝言などを認識して、眠っていることを判定してもよい。
【0046】
判定部136は、例えば、図示しない視線検出部によって検出された乗員の視線の検出データから、乗員の視線がカメラを向いていることを判定してもよい。
【0047】
判定部136は、例えば、ナビゲーションシステムから取得した経路情報に基づいて、目的地に着いたことを判定してもよい。
【0048】
撮影制御部137は、撮影条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識不可能に撮影する。より詳しくは、撮影制御部137は、判定部136によって撮影条件を満たすと判定された場合、撮影条件を満たすと判定された乗員の顔を認識可能に撮影し、撮影条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識可能な状態で撮影しない。
【0049】
乗員の顔を認識可能に撮影するとは、例えば、乗員の顔をアイコン画像などで隠さない状態で撮影することである。
【0050】
乗員の顔を認識不可能に撮影するとは、乗員の顔を認識可能な状態で撮影しないことである。乗員の顔を認識不可能に撮影するとは、例えば、乗員の顔をアイコン画像などを重畳して隠した状態で撮影することである。
【0051】
撮影制御部137は、乗員が複数であり、乗員の少なくとも一人が撮影条件を満たすと判定部136が判定した場合、撮影条件を満たす乗員のみを含み、その他の乗員を含まないような範囲を撮影してもよい。
【0052】
撮影制御部137は、乗員が複数であり、乗員の少なくとも一人が撮影条件を満たすと判定部136が判定した場合、すべての乗員を含む範囲を撮影してもよい。その際には、撮影制御部137は、認識可能に切出しする乗員はアイコン画像を重畳し、認識可能な状態で切出ししない乗員はアイコン画像を重畳して撮影する。
【0053】
撮影制御部137は、乗員が複数であり、すべての乗員が撮影条件を満たすと判定部136が判定した場合のみ、撮影してもよい。
【0054】
撮影制御部137は、映像を撮影する場合、撮影条件を満たすと判定された時点から所定期間後までを映像として撮影する。撮影制御部137は、画像を撮影する場合、撮影条件を満たすと判定された時点を画像として撮影する。
【0055】
記録制御部138は、撮影制御部137によって撮影された映像または画像を映像データとして記録部220に記録させる制御を行う。記録制御部138は、映像データを、上書き不可として、記録部220に記録する。
【0056】
<記録制御装置における処理>
次に、
図2、
図3を用いて、記録制御装置100における記録処理の流れについて説明する。
図2は、第一実施形態に係る記録制御装置100における起動時処理の流れを示すフローチャートである。
図3は、第一実施形態に係る記録制御装置100における記録処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
<起動時処理>
図2を用いて、起動時処理について説明する。起動時処理は、車両用記録装置10の起動時に実行される。起動時処理は、記録処理を実行する前に実行される。
【0058】
記録制御装置100は、車内カメラ210によって車室内を撮影する(ステップS101)。より詳しくは、記録制御装置100は、車内カメラ210によって、すべての乗員を撮影する。記録制御装置100は、ステップS102へ進む。
【0059】
記録制御装置100は、乗員を認識する(ステップS102)。より詳しくは、記録制御装置100は、人物認識部131によって、映像データ取得部120が取得した映像データから、車両のすべての乗員を認識する。そして、記録制御装置100は、人物認識部131によって、認識した乗員の推定年齢を推定する。記録制御装置100は、ステップS103へ進む。
【0060】
記録制御装置100は、乗員ごとの撮影条件を設定する(ステップS103)。より詳しくは、記録制御装置100は、設定部135によって、人物認識部131の認識結果に基づいて、乗員ごとに、乗員の推定年齢に応じた撮影の可否を示す撮影条件を設定する。記録制御装置100は、本処理を終了する。
【0061】
<記録処理>
図3を用いて、記録処理について説明する。記録処理は、
図2に示すフローチャートの実行後、車両用記録装置10の起動中に実行される。
【0062】
記録制御装置100は、判定部136によって、乗員の少なくとも一人の撮影条件を満たすか否かを判定する(ステップS111)。より詳しくは、記録制御装置100は、判定部136によって、すべての乗員について、その乗員の撮影条件を満たすか否かを判定する。言い換えると、記録制御装置100は、判定部136によって、すべての乗員について、その乗員の撮影条件を満たすか否かを判定する。記録制御装置100は、判定部136によって、乗員の少なくとも一人の撮影条件を満たすと判定する場合(ステップS111でYes)、ステップS112へ進む。記録制御装置100は、判定部136によって、乗員の少なくとも一人の撮影条件を満たすと判定されない場合(ステップS111でNo)、ステップS113に進む。
【0063】
乗員の少なくとも一人の撮影条件を満たすと判定する場合(ステップS111でYes)、撮影条件を満たす乗員の顔は認識可能に、撮影条件を満たさない乗員の顔は認識不可として撮影し、記録する(ステップS112)。より詳しくは、記録制御装置100は、撮影制御部137によって、車内カメラ210により車室内を撮影する。記録制御装置100は、撮影制御部137によって、撮影条件を満たすと判定された乗員の顔をアイコン画像などで隠さない状態で認識可能にし、撮影条件を満たしていないと判定された乗員の顔にアイコン画像を重畳して認識不可能な状態にして撮影する。そして、記録制御装置100は、記録制御部138によって、映像データを記録部220に記録する。記録制御装置100は、ステップS113に進む。
【0064】
記録制御装置100は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS113)。より詳しくは、記録制御装置100は、例えば、車室内の撮影を終了する操作がされた場合、処理を終了すると判定する。記録制御装置100は、処理を終了すると判定された場合(ステップS113でYes)、本処理を終了する。記録制御装置100は、処理を終了すると判定されていない場合(ステップS113でNo)、ステップS111に戻って処理を再度実行する。
【0065】
<効果>
上述したように、本実施形態では、撮影条件を満たすと判定された場合、撮影条件を満たすと判定された乗員の顔を認識可能に撮影し、撮影条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識可能な状態で撮影しないように制御する。このようにして、本実施形態は、乗員を適切に撮影することができる。
【0066】
本実施形態では、撮影条件は、乗員の推定年齢が高くなるほど、年齢の高い乗員の撮影を制限するように設定される。本実施形態によれば、乗員の推定年齢に応じて、乗員の意思に反する撮影を抑えることができる。
【0067】
[第二実施形態]
図4、
図5を参照しながら、本実施形態に係る車両用記録装置10Aについて説明する。
図4は、第二実施形態に係る記録制御装置100Aを有する車両用記録装置10Aの構成例を示すブロック図である。
図5は、第二実施形態に係る記録制御装置100Aにおける起動時処理の流れを示すフローチャートである。車両用記録装置10Aは、基本的な構成は第一実施形態の車両用記録装置10と同様である。以下の説明においては、車両用記録装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。車両用記録装置10Aは、開示先に応じて車両の乗員ごとに設定された撮影条件を満たす場合、その乗員の顔を認識可能な状態で車室内を撮影して記録する。開示先情報取得部134Aを有する点と、設定部135A、および、判定部136Aにおける処理とが、第一実施形態と異なる。
【0068】
開示先情報取得部134Aは、起動時処理として、映像データの開示先を示す開示先情報を取得する。開示先情報取得部134Aは、例えば、操作制御部125を介して取得された操作部230における操作情報などから、映像データの開示先を示す情報を取得する。
【0069】
開示先は、例えば、乗員を含む家族、乗員本人、乗員以外の親族、友人、または、SNS(Social Networking Service)での公開を想定した第三者などである。乗員を含む家族とは、例えば、乗員が4人家族であれば乗員4人のことである。乗員本人とは、例えば、乗員が4人家族であれば、そのうちの1人のことである。乗員以外の親族とは、例えば、乗員が両親と子供2人の4人家族であれば、子供の祖父母のことである。
【0070】
設定部135Aは、開示先情報取得部134Aが取得した開示先情報に基づいて、開示先および乗員ごとに、開示先に応じた撮影の可否を示す撮影条件を設定する。
【0071】
撮影条件は、開示先に応じて、年齢の高い乗員の撮影を制限するように設定される。
【0072】
設定部135Aは、例えば、開示先が乗員本人である場合、乗員本人のSNSなどへの投稿用である可能性があるため、投稿に適した撮影条件を設定する。設定部135Aは、例えば、開示先が乗員本人である場合、乗員本人の視線がカメラを向いているとき、または、乗員本人が笑顔であるときなど、撮影に肯定的であるときに撮影することを撮影条件として設定する。
【0073】
設定部135Aは、例えば、開示先が乗員以外の親族である場合、乗員が笑っているときに撮影することを撮影条件として設定する。設定部135Aは、例えば、開示先が乗員以外の親族である場合、乗員の推定年齢が8歳以下である場合には、眠っているときに撮影することを撮影条件として設定してもよい。開示先が親族である場合、乗員の推定年齢が低い場合、笑っているとき以外に、眠っているときも、好ましい状態であると推測されるためである。開示先が親族である場合であっても、乗員の推定年齢が高い場合、眠っているときは乗員本人が撮影されることに抵抗感を持つ可能性が高いため、撮影を制限する。
【0074】
設定部135Aは、例えば、開示先が乗員本人であって運転者である場合、激しいハンドリングさばきを見せたときなど、運転技術を披露できるときに撮影することを撮影条件として設定する。設定部135Aは、例えば、開示先が乗員本人であって運転者である場合、朝の乗車時と帰りの乗車時など、日々の健康管理を目的とできるときに撮影することを撮影条件として設定する。
【0075】
設定部135Aは、例えば、開示先が乗員本人であって子供である場合、乗員本人が変顔をしたときなど、記念写真となるときに撮影することを撮影条件として設定する。
【0076】
設定部135Aは、例えば、開示先が乗員本人であって子供の親である場合、乗員である子供が笑っている、または、眠っているときなど、子供が様々な表情をしたときに撮影することを撮影条件として設定する。設定部135Aは、例えば、開示先が乗員本人であって子供の親である場合、乗員である子供が喧嘩を始めたとき、暴れたときなど、身体の動きがあったときに撮影することを撮影条件として設定する。これは、後から、子供の身体の動きがあったときの原因の追究に利用したり、記念としたりするためである。
【0077】
判定部136Aは、開示先および乗員ごとに設定された撮影条件を満たす場合、撮影すると判定する。
【0078】
判定部136Aは、例えば、開示先が乗員本人である場合、乗員本人の視線がカメラを向いているとき、または、乗員本人が笑顔であるときなど、撮影に肯定的であるときに撮影すると判定する。判定部136Aは、例えば、開示先が乗員本人である場合、開示先以外の乗員は、アイコン画像を重畳するなどしてマスキングしてもよい。
【0079】
判定部136Aは、例えば、開示先が乗員以外の親族である場合、乗員が笑っているときに撮影すると判定する。判定部136Aは、例えば、開示先が乗員以外の親族である場合、乗員の推定年齢が8歳以下である場合には、眠っているときに撮影するとの判定を加えてもよい。
【0080】
判定部136Aは、例えば、開示先が乗員本人であって運転者である場合、激しいハンドリングさばきを見せたときなど、運転技術を披露できるときをに撮影すると判定する。判定部136Aは、例えば、開示先が乗員本人であって運転者である場合、朝の乗車時と帰りの乗車時など、日々の健康管理を目的とできるときを撮影タイミングとして判定する。
【0081】
判定部136Aは、例えば、開示先が乗員本人であって子供である場合、変顔をしたときなど、記念写真となるときを撮影タイミングとして判定する。
【0082】
判定部136Aは、例えば、開示先が乗員本人であって子供の親である場合、乗員である子供が笑っている、または、眠っているときなど、子供が様々な表情をしたときを撮影タイミングとして判定する。判定部136Aは、例えば、開示先が乗員本人であって子供の親である場合、乗員である子供が喧嘩を始めたとき、暴れたときなど、身体の動きがあったときを撮影タイミングとして判定する。
【0083】
<記録制御装置における処理>
次に、
図5を用いて、記録制御装置100Aにおける起動時処理の流れについて説明する。記録処理は、第一実施形態と同様に実行する。
【0084】
記録制御装置100Aは、開示先を取得する(ステップS121)。より詳しくは、記録制御装置100Aは、開示先情報取得部134Aによって、映像データの開示先を示す開示先情報を取得する。記録制御装置100Aは、ステップS122へ進む。
【0085】
記録制御装置100Aは、開示先に応じて、乗員ごとの撮影条件を設定する(ステップS122)。より詳しくは、記録制御装置100Aは、設定部135Aによって、開示先情報取得部134Aが取得した開示先情報に基づいて、開示先および乗員ごとに、開示先に応じた撮影の可否を示す撮影条件を設定する。記録制御装置100Aは、本処理を終了する。
【0086】
<効果>
上述したように、本実施形態では、開示先に応じて、撮影条件を満たすと判定された場合、撮影条件を満たすと判定された乗員の顔を認識可能に撮影し、撮影条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識可能な状態で撮影しないように制御する。このようにして、本実施形態は、開示先に応じて、乗員を適切に撮影することができる。
【0087】
本実施形態では、撮影条件は、開示先に応じて、年齢の高い乗員の撮影を制限するように設定される。本実施形態によれば、開示先に応じて、乗員の意思に反する撮影を抑えることができる。
【0088】
[第三実施形態]
<車両用記録装置>
図6、
図7を参照しながら、本実施形態に係る車両用記録装置10Bについて説明する。
図6は、第三実施形態に係る記録制御装置100Bを有する車両用記録装置10Bの構成例を示すブロック図である。
図7は、第三実施形態に係る記録制御装置100Bにおける記録処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、車両用記録装置10Bは、ループ記録処理を行う。車両用記録装置10Bは、車両の乗員ごとに設定された切出し条件を満たす場合、常時撮影している映像データから、その乗員の顔を認識可能な状態で映像または画像を切出して記録する。常時撮影している映像データから切出された映像または画像は、例えば、SNSで公開するなどして利用するためのものである。
【0089】
車内カメラ210Bは、エンジンが始動してから停止するまでの間、つまり車両が動作している間は、映像を常時撮影する。本実施形態では、車内カメラ210Bは、車両のアクセサリ電源がONである間、映像を常時撮影する。
【0090】
記録部220Bは、記録制御装置100Bの記録制御部138Bから出力された制御信号に基づいて、ループ記録データおよび記録データを記録する。本実施形態では、記録データは、例えば、記録用の映像データまたは画像データであり、車内カメラ210Bによって撮影されたデータである。
【0091】
<記録制御装置>
記録制御装置100Bは、バス100Xに接続された、映像データ取得部120と、バッファメモリ121Bと、映像データ処理部122Bと、音声データ取得部123と、再生制御部124と、操作制御部125と、表示制御部126と、位置情報取得部127と、人物認識部131Bと、設定部135Bと、判定部136Bと、記録制御部138Bと、切出部139Bとを有する。
【0092】
バッファメモリ121Bは、記録制御装置100Bが備える内部メモリの一つであり、映像データ取得部120が取得した一定時間分の映像データを、更新しながら一時的に記録するメモリである。
【0093】
映像データ処理部122Bは、バッファメモリ121Bが一時的に記憶している映像データを、例えばH.264やMPEG-4(Moving Picture Experts Group)などの任意の方式のコーデックで符号化された、例えばMP4形式などの任意のファイル形式に変換する。映像データ処理部122Bは、バッファメモリ121Bが一時的に記憶している映像データから、一定時間分のファイルとした映像データを生成する。具体例として、映像データ処理部122Bは、バッファメモリ121Bが一時的に記憶している映像データを、記録順に60秒間の映像データを1ファイルとして生成する。映像データ処理部122Bは、生成した映像データを記録制御部138Bへ出力する。また、映像データ処理部122Bは、生成した映像データを表示制御部126へ出力する。ファイルとして生成される映像データの期間は、一例として60秒としたが、これには限定されない。
【0094】
人物認識部131Bは、起動時処理および記録処理において、映像データ取得部120が取得した映像データから、車両の乗員を認識する。
【0095】
人物認識部131Bは、記録処理において、認識した乗員の表情を認識してもよい。人物認識部131Bは、例えば、乗員の笑顔、寝顔などを認識してもよい。人物認識部131Bによる表情の認識方法は限定されず、公知の方法を用いればよい。
【0096】
設定部135Bは、車両用記録装置10Bの起動時に、人物認識部131Bの認識結果に基づいて、乗員ごとに、乗員の推定年齢に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する。
【0097】
本実施形態では、車両用記録装置10Bの起動中、乗員の顔は常時撮影されている。このため、設定部135Bは、常時撮影されている映像データからの映像または画像の切出しの可否を切出し条件として設定する。
【0098】
切出し条件は、乗員の推定年齢が高くなるほど、切出しを制限するように設定される。
【0099】
設定部135Bは、例えば、乗員の推定年齢が8歳以下の切出し条件を満たしている場合には、乗員が笑っている、または、眠っているときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0100】
設定部135Bは、例えば、乗員の推定年齢が9歳以上12歳以下の切出し条件を満たしているで場合には、乗員が笑っているときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0101】
設定部135Bは、例えば、乗員の推定年齢が13歳以上15歳以下の切出し条件を満たしている場合には、乗員の視線がカメラを向いているとき、乗員が歓声をあげたとき、または、目的地に着いたときなど、楽しんでいると推測できるときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0102】
設定部135Bは、例えば、乗員の推定年齢が16歳以上の切出し条件を満たしている場合には、乗員の視線がカメラを向いているときなど、撮影を許容していると推測できるときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0103】
判定部136Bは、人物認識部131Bの認識結果、ナビゲーションシステムから取得した経路情報、音声データ取得部123によって取得された音声データ、および、図示しない視線検出部の検出結果、の少なくともいずれかに基づいて、乗員ごとに設定された切出し条件を満たすか否かを判定する。判定部136Bは、乗員の少なくとも一人に設定された切出し条件を満たす場合、切出しタイミングであるとして判定する。判定部136Bは、いずれの乗員に設定された切出し条件も満たされない場合、切出しタイミングではない、言い換えると、切出しをしないと判定する。
【0104】
判定部136Bは、例えば、乗員の推定年齢が8歳以下の切出し条件を満たしている場合には、乗員が笑っている、または、眠っているときを切出しタイミングとして判定する。
【0105】
判定部136Bは、例えば、乗員の推定年齢が9歳以上12歳以下の切出し条件を満たしている場合には、乗員が笑っているときを切出しタイミングとして判定する。
【0106】
判定部136Bは、例えば、乗員の推定年齢が13歳以上15歳以下の切出し条件を満たしている場合には、乗員の視線がカメラを向いているとき、乗員が歓声をあげたとき、または、目的地に着いたときなど、楽しんでいると推測できるときを切出しタイミングとして判定する。
【0107】
判定部136Bは、例えば、乗員の推定年齢が16歳以上の切出し条件を満たしている場合には、乗員の視線がカメラを向いているときなど、撮影を許容していると推測できるときを切出しタイミングとして判定する。
【0108】
切出部139Bは、常時撮影している映像データから映像または画像を記録用の記録データである映像データとして切出しする。より詳しくは、切出部139Bは、ループ記録している映像データであるループ映像データから映像または画像を記録用の記録データである映像データまたは画像データとして切出しする。切出部139Bは、判定部136Bによって、映像データから切出し条件を満たすと判定された乗員の顔を認識可能に切出しし、切出し条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識不可能な状態で切出しする。言い換えると、切出部139Bは、判定部136Bによって切出し条件を満たすと判定された場合、切出し条件を満たすと判定された乗員の顔を認識可能に切出しし、切出し条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識可能な状態で切出ししない。
【0109】
乗員の顔を認識可能に切出すとは、例えば、乗員の顔をアイコン画像などで隠さない状態で切出しすることである。
【0110】
乗員の顔を認識不可能な状態で切出しするとは、乗員の顔を認識可能な状態で切出ししないことである。乗員の顔を認識不可能な状態で切出しするとは、例えば、乗員の顔をアイコン画像などを重畳して隠した状態で切出しすることである。乗員の顔を認識可能な状態で切出ししないとは、例えば、その乗員を含まない範囲を切出しすることでもよい。乗員の顔を認識可能な状態で切出ししないとは、例えば、切出しをしないことでもよい。
【0111】
切出部139Bは、乗員が複数であり、乗員の少なくとも一人が切出し条件を満たすと判定された場合、切出し条件を満たす乗員のみを含み、その他の乗員を含まないような範囲を切出してもよい。
【0112】
切出部139Bは、乗員が複数であり、乗員の少なくとも一人が切出し条件を満たすと判定された場合、すべての乗員を含む範囲を切出してもよい。その際には、切出部139Bは、認識可能に切出しする乗員はアイコン画像を重畳し、認識可能な状態で切出ししない乗員はアイコン画像を重畳して、記録用の記録データである映像データまたは画像データを切出しする。
【0113】
切出部139Bは、映像を切出しする場合、切出し条件を満たすと判定された時点を含む所定期間の映像データを映像として切出して映像データまたは画像データとして記録する。
【0114】
切出部139Bは、画像を切出しする場合、切出し条件を満たすと判定された時点の映像データを画像として切出して映像データまたは画像データとして記録する。
【0115】
記録制御部138Bは、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、記録部220に記録させる制御を行う。記録制御部138Bは、車両のアクセサリ電源がONであるときなど、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122Bでファイル化された映像データを、上書き可能な映像データとして、記録部220Bに記録する。より詳しくは、記録制御部138Bは、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122Bが生成した映像データを記録部220Bに記録し続け、記録部220Bの容量が一杯になった場合、最も古い映像データに新しい映像データを上書きして記録する。
【0116】
記録制御部138Bは、切出部139Bによって切出しされた映像データまたは画像データを、記録部220Bに記録させる制御を行う。記録制御部138Bは、映像データまたは画像データを、上書き不可な映像データとして、記録部220Bに記録する。
【0117】
<記録制御装置における処理>
次に、
図7を用いて、記録制御装置100Bにおける記録処理の流れについて説明する。起動時処理は、第一実施形態と同様に実行する。起動時処理は、第一実施形態において説明した、
図2に示すフローチャートの処理の「撮影条件」を「切出し条件」と読み替えて適用する。
【0118】
図2に示すフローチャートのステップS103においては、記録制御装置100Bは、設定部135Bによって、人物認識部131Bの認識結果に基づいて、乗員ごとに、乗員の推定年齢に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する。
【0119】
図7を用いて、記録処理について説明する。
図7に示す例では、画像を切出しするものとして説明する。ステップS132における処理は、
図3のフローチャートのステップS111と同様の処理を行う。一例として、常時撮影している映像データから画像を切出すものとして説明する。
【0120】
記録制御装置100Bは、記録制御部138Bによって、ループ記録を開始する(ステップS131)。より詳しくは、記録制御装置100Bは、記録制御部138によって、車内カメラ210が撮影した映像データをバッファメモリ121に送信し、例えば、60秒ごとのような所定期間の映像ごとに映像ファイルを生成し、記録部220に記録させる。記録制御装置100Bは、ステップS132に進む。
【0121】
乗員の少なくとも一人の切出し条件を満たすと判定する場合(ステップS132でYes)、切出し条件を満たす乗員の顔は認識可能に、切出し条件を満たさない乗員の顔は認識不可として、車室内の映像データから画像を切出し、記録する(ステップS133)。より詳しくは、記録制御装置100Bは、切出部139Bによって、ループ記録されている映像データであるループ映像データから、切出し条件を満たすと判定された乗員の顔をアイコン画像などで隠さない状態で認識可能に切出しし、切出し条件を満たしていないと判定された乗員の顔にアイコン画像を重畳して認識不可能な状態で切出しする。そして、記録制御部138Bによって、切出部139Bにより切出した映像データまたは画像データを記録部220Bに記録する。記録制御装置100Bは、ステップS134に進む。
【0122】
記録制御装置100Bは、ループ記録を終了するか否かを判定する(ステップS134)。より詳しくは、記録制御装置100Bは、映像データの記録を停止する操作がされた場合、または、記録制御部138Bから記録を停止する制御信号を受信した場合(ステップS134でYes)、ループ記録を終了して処理を終了する。記録制御装置100Bは、映像データの記録を停止する操作がされていない場合、かつ、記録制御部138Bから記録を停止する制御信号を受信していない場合(ステップS134でNo)、ステップS132に戻って処理を再度実行する。
【0123】
<効果>
上述したように、本実施形態では、切出し条件を満たすと判定された場合、常時撮影している映像データから、切出し条件を満たすと判定された乗員の顔を認識可能に切出しし、切出し条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識可能な状態で切出ししないように制御する。このようにして、本実施形態は、乗員を適切に撮影することができる。
【0124】
本実施形態では、切出し条件は、乗員の推定年齢が高くなるほど、切出しを制限するように設定される。本実施形態によれば、乗員の推定年齢に応じて、乗員の意思に反する撮影を抑えることができる。
【0125】
[第四実施形態]
図8を参照しながら、本実施形態に係る車両用記録装置10Cについて説明する。
図8は、第四実施形態に係る記録制御装置100Cを有する車両用記録装置10Cの構成例を示すブロック図である。車両用記録装置10Cは、基本的な構成は第二実施形態および第三実施形態の車両用記録装置10Aおよび車両用記録装置10Bと同様である。車両用記録装置10Cは、開示先に応じて車両の乗員ごとに設定された切出し条件を満たす場合、その乗員の顔を認識可能な状態で映像データから映像または画像を切出して記録する。開示先情報取得部134Cを有する点が第三実施形態と異なる。設定部135C、判定部136C、切出部139C、および、記録制御部138Cにおける処理が、第二実施形態または第三実施形態と異なる。
【0126】
開示先情報取得部134Cは、第二実施形態と同様の処理を行う。
【0127】
設定部135Cは、開示先情報取得部134Cが取得した開示先情報に基づいて、開示先および乗員ごとに、開示先に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する。
【0128】
切出し条件は、開示先に応じて、切出しを制限するように設定される。
【0129】
設定部135Cは、例えば、開示先が乗員本人である場合、SNSなどへの投稿用である可能性があるため、投稿に適した切出し条件を設定する。設定部135Cは、例えば、開示先が乗員本人である場合、乗員本人の視線がカメラを向いているとき、または、乗員が笑顔であるときなど、撮影に肯定的であるときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0130】
設定部135Cは、例えば、開示先が乗員以外の親族である場合、乗員が笑っている、または、乗員のうちの子供が眠っているときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0131】
設定部135Cは、例えば、開示先が乗員本人であって運転者である場合、激しいハンドリングさばきを見せたときなど、運転技術を披露できるときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。設定部135Cは、例えば、開示先が乗員本人であって運転者である場合、朝一の乗車時と帰りの乗車時など、日々の健康管理を目的とできるときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0132】
設定部135Cは、例えば、開示先が乗員本人であって子供子供である場合、変顔をしたときなど、記念写真となるときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0133】
設定部135Cは、例えば、開示先が乗員本人であって子供の親である場合、乗員である子供が笑っている、または、眠っているときなど、子供が様々な表情をしたときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。設定部135Cは、例えば、開示先が乗員本人であって子供の親である場合、乗員である子供が喧嘩を始めたとき、暴れたときなど、身体の動きがあったときを切出しタイミングとすることを切出し条件として設定する。
【0134】
判定部136Cは、例えば、開示先が乗員本人である場合、乗員の視線がカメラを向いているとき、または、乗員本人が笑顔であるときなど、撮影に肯定的であるときを切出しタイミングとして判定する。判定部136Cは、例えば、開示先が乗員本人である場合、開示先以外の乗員は、アイコン画像を重畳するなどしてマスキングしてもよい。
【0135】
判定部136Cは、例えば、開示先が乗員以外の親族である場合、乗員が笑っているときを切出しタイミングとして判定する。判定部136Cは、例えば、開示先が乗員以外の親族である場合、乗員の推定年齢が8歳以下である場合には、眠っているときを切出しタイミングとして判定する。
【0136】
判定部136Cは、例えば、開示先が乗員本人であって運転者である場合、激しいハンドリングさばきを見せたときなど、運転技術を披露できるときを切出しタイミングとして判定する。判定部136Cは、例えば、開示先が乗員本人であって運転者である場合、朝の乗車時と帰りの乗車時など、日々の健康管理を目的とできるときを切出しタイミングとして判定する。
【0137】
判定部136Cは、例えば、開示先が乗員本人であって子供子供である場合、変顔をしたときなど、記念写真となるときを切出しタイミングとして判定する。
【0138】
判定部136Cは、例えば、開示先が乗員本人であって子供の親である場合、乗員である子供が笑っている、または、眠っているときなど、子供が様々な表情をしたときを切出しタイミングとして判定する。判定部136Cは、例えば、開示先が乗員本人であって子供の親である場合、乗員である子供が喧嘩を始めたとき、暴れたときなど、身体の動きがあったときを切出しタイミングとして判定する。
【0139】
切出部139Bは、第三実施形態と同様の処理を行う。
【0140】
記録制御部138Aは、第三実施形態と同様の処理を行う。
【0141】
<記録制御装置における処理>
本実施形態では、起動時処理は、第二実施形態と同様に実行する。記録処理は、第三実施形態と同様に実行する。起動時処理は、第二実施形態において説明した、
図5に示すフローチャートの処理の「撮影条件」を「切出し条件」と読み替えて適用する。
【0142】
図5に示すフローチャートのS122においては、記録制御装置100Cは、設定部135Cによって、開示先情報取得部134Cが取得した開示先情報に基づいて、開示先および乗員ごとに、開示先に応じた切出しの可否を示す切出し条件を設定する。
【0143】
<効果>
上述したように、本実施形態では、開示先に応じて、切出し条件を満たすと判定された場合、切出し条件を満たすと判定された乗員の顔を認識可能に切出しし、切出し条件を満たしていないと判定された乗員の顔を認識可能な状態で切出ししないように制御する。このようにして、本実施形態は、開示先に応じて、乗員を適切に撮影することができる。
【0144】
本実施形態では、切出し条件は、開示先に応じて、切出しを制限するように設定される。本実施形態によれば、開示先に応じて、乗員の意思に反する切出しを抑えることができる。
【0145】
これまで本発明に係る車両用記録装置の記録制御装置について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0146】
図示した記録制御装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0147】
記録制御装置の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0148】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0149】
<変形例>
上記では、認識辞書データは、例えば、車両に高い頻度で乗車する家族である乗員と、初めての乗車を含む低い頻度で乗車する家族以外の乗員とが区別可能に記憶されるものとして説明した。例えば、5回など所定回数以上、乗車して、認識辞書データに記憶された乗員は、家族とみなして扱うようにしてもよい。この認識辞書データを用いて、次のような処理を行ってもよい。
【0150】
第一実施形態および第二実施形態の撮影制御部は、判定部によって切出し条件を満たすと判定された場合、家族である乗員の顔を認識可能に撮影し、家族以外の乗員の顔を認識可能な状態で撮影しないように制御してもよい。家族以外の乗員は、所定回数以上、乗車することにより、家族とみなされるようになり、顔が認識可能に撮影されるようになる。
【0151】
第三実施形態および第四実施形態の切出部は、判定部によって切出し条件を満たすと判定された場合、家族である乗員の顔を認識可能に切出しし、家族以外の乗員の顔を認識可能な状態で切出ししないように制御してもよい。家族以外の乗員は、所定回数以上、乗車することにより、家族とみなされるようになり、顔が認識可能に切出しされるようになる。
【0152】
<その他の変形例>
第一実施形態および第二実施形態では、撮影すると判定された時に、切出し条件を満たしていないと判定された乗員の顔にアイコン画像を重畳して撮影して映像データとして記録するものとして説明したがこれに限定されない。撮影すると判定された時に、切出し条件を満たしていないと判定された乗員の顔にアイコン画像を重畳して撮影した映像データとともに、アイコン画像を重畳しない映像データまたは画像データをバックアップ用の元データとして記録部に記録してもよい。
【0153】
第三実施形態および第四実施形態では、常時撮影しながら記録処理を行うものとして説明したが、これに限定されない。例えば、走行時は、ループ記録処理を行って、撮影した映像データを元データとして記録部に記録する。そして、例えば、走行終了後などの任意のタイミングで、
図7に示すフローチャートのステップS132ないしステップS133の記録処理を行って、記録部に記録された映像データである元データから映像または画像の切出しを行って映像データを記録してもよい。
【0154】
第二実施形態および第四実施形態では、記録制御部が映像データまたは画像データを記録する際に、開示先ごとに設定されたフォルダに映像データまたは画像データを記録するようにしてもよい。これにより、SNSで公開するなどして利用する際に、利用しやすくなる。
【0155】
上記の車両用記録装置は、さらに、映像データまたは画像データをSNSなどで公開するために、外部のサーバ装置と通信可能な通信部を有してもよい。
【符号の説明】
【0156】
10B 車両用記録装置(記録装置)
100B 記録制御装置
100X バス
120 映像データ取得部
121B バッファメモリ
122B 映像データ処理部
123 音声データ取得部
124 再生制御部
125 操作制御部
126 表示制御部
127 位置情報取得部
131B 人物認識部
135B 設定部
136B 判定部
138B 記録制御部
210B 車内カメラ
215 マイクロフォン
220B 記録部
230 操作部
240 表示部
250 GPS受信部
260 人物認識辞書記憶部