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  • 特開-合成樹脂製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065865
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】合成樹脂製品
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/37 20060101AFI20240508BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
B29C45/37
B29C45/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022174935
(22)【出願日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】仁井田 一成
(72)【発明者】
【氏名】吉野 慶
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AA05
4F202AA08
4F202AA11
4F202AA17
4F202AA24
4F202AE10
4F202AF01
4F202AG05
4F202AH55
4F202AR12
4F202AR20
4F202CA11
4F202CB01
4F202CD18
4F202CD24
4F202CK12
4F206AA05
4F206AA08
4F206AA11
4F206AA17
4F206AA24
4F206AE10
4F206AF01
4F206AG05
4F206AH55
4F206AR12
4F206AR20
4F206JA07
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】撥液性がさらに高められた樹脂表面を有する合成樹脂製品を提供することである。
【解決手段】撥液性の樹脂表面2を有する合成樹脂製品1であって、樹脂表面2は、射出成形によって形成された微細な凹凸パターンを有し、凹凸パターンは、基底面4と、基底面4から垂直に突出するとともに所定間隔Dで互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径W及び所定高さHの円柱状をなす凸部3とによって形成されており、所定直径Wは、30μm~80μmであり、所定間隔Dは、30μm~90μmであり、凸部3の天面3aに干渉縞状の凹凸3bが形成されている、ことを特徴とする合成樹脂製品1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撥液性の樹脂表面を有する合成樹脂製品であって、
前記樹脂表面は、射出成形によって形成された微細な凹凸パターンを有し、
前記凹凸パターンは、基底面と、前記基底面から垂直に突出するとともに所定間隔で互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径及び所定高さの円柱状をなす凸部とによって形成されており、
前記所定直径は、30μm~80μmであり、
前記所定間隔は、30μm~90μmであり、
前記凸部の天面に干渉縞状の凹凸が形成されている、ことを特徴とする合成樹脂製品。
【請求項2】
前記所定高さは、20μm~160μmである、請求項1に記載の合成樹脂製品。
【請求項3】
前記所定高さは、20μm~100μmである、請求項1に記載の合成樹脂製品。
【請求項4】
食品用の容器又は容器構成部材である、請求項1~3の何れか1項に記載の合成樹脂製品。
【請求項5】
前記食品は、10~10mPa・sの粘度を有する、請求項4に記載の合成樹脂製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥液性の樹脂表面を有する合成樹脂製品に関する。
【背景技術】
【0002】
撥液性の樹脂表面を有する合成樹脂製品は、例えば、醤油、ソース、はちみつ、ケーキシロップ、つゆなどの液状食品を収容する食品容器やその構成部材であるキャップなどの種々の用途に用いられている。撥液性の樹脂表面を有する合成樹脂製品によれば、例えば、容器内面に撥液性の樹脂表面を設けることにより、当該内面に液状食品を付着し難くして使い残しを低減することができる。また、キャップの内面に撥液性の樹脂表面を設けることにより、当該内面に液状食品を付着し難くして、液垂れや汚れなどを抑制することができる。
【0003】
従来、このような撥液性の樹脂表面を有する合成樹脂製品として、樹脂表面が射出成形によって形成された微細な凹凸パターンを有し、凹凸パターンが、略平滑な基底面と、基底面から垂直に突出するとともに所定間隔で互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径及び所定高さの円柱状をなす凸部とによって形成され、凸部の所定直径を30μm~80μmとし、所定間隔を30μm~90μmとしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-188616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の合成樹脂製品においても、液体の種類や粘度によっては十分な撥液性が得られない場合があり、さらなる撥液性の向上が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、撥液性がさらに高められた樹脂表面を有する合成樹脂製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の合成樹脂製品は、撥液性の樹脂表面を有する合成樹脂製品であって、前記樹脂表面は、射出成形によって形成された微細な凹凸パターンを有し、前記凹凸パターンは、基底面と、前記基底面から垂直に突出するとともに所定間隔で互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径及び所定高さの円柱状をなす凸部とによって形成されており、前記所定直径は、30μm~80μmであり、前記所定間隔は、30μm~90μmであり、前記凸部の天面に干渉縞状の凹凸が形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の合成樹脂製品は、上記構成において、前記所定高さは、20μm~160μmであるのが好ましい。
【0009】
本発明の合成樹脂製品は、上記構成において、前記所定高さは、20μm~100μmであるのが好ましい。
【0010】
本発明の合成樹脂製品は、上記構成において、食品用の容器又は容器構成部材であるのが好ましい。
【0011】
本発明の合成樹脂製品は、上記構成において、前記食品は、10~10mPa・sの粘度を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撥液性がさらに高められた樹脂表面を有する合成樹脂製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る合成樹脂製品における樹脂表面の凹凸パターンを示す平面図である。
図2図1におけるA-A線に沿う断面図である。
図3図1に示す凸部の天面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る合成樹脂製品について、図面を参照しつつ詳細に例示説明する。
【0015】
なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、X方向とは、樹脂表面の基底面と平行な第1直線に沿う方向を意味し、Y方向とは、第1直線に対して垂直であり且つ樹脂表面の基底面と平行な第2直線に沿う方向を意味するものとする。
【0016】
図1図2に示すように、本実施形態に係る合成樹脂製品1は、撥液性の樹脂表面2を有している。
【0017】
合成樹脂製品1は、金型を用いて合成樹脂材料を射出成形することによって形成された射出成形品である。樹脂表面2は、当該射出成形によって形成された、微細な凹凸パターン(微細な凹凸の周期構造)を有している。すなわち、樹脂表面2は、微細な凹凸パターンを有する射出成形面である。
【0018】
当該凹凸パターンは、凸部3と基底面4とによって形成されている。
【0019】
凸部3は、基底面4から垂直に突出するとともに所定間隔Dで互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径W及び所定高さHの円柱状となっている。凸部3の所定直径Wは30μm~80μmであり、凸部3の所定間隔Dは30μm~90μmである。なお、所定直径W/所定間隔Dは、0.88~1.40とするのが好ましい。基底面4は略平滑であり、平面であってもよいし、曲面であってもよい。このように、樹脂表面2は、基底面4と、基底面4からX方向及びY方向の両方に垂直なZ方向に所定高さHまで突出する多数の凸部3とによって構成されている。
【0020】
上記凹凸パターンを有する樹脂表面2は、液体に対して良好な撥液性を有するものとなっている。
【0021】
醤油、ソース、はちみつ、ケーキシロップ、つゆなどの液状食品に対して良好な撥液性を得るために、凸部3の所定高さHは、20μm~160μmとするのが好ましく、20μm~100μmとするのがより好ましい。
【0022】
樹脂表面2は、射出成形に用いる金型のキャビティ内の表面に、上記凹凸パターンを転写するための凹凸(微細周期構造)を設けておくことにより、容易に得ることができる。本実施形態では、無電解ニッケルリンメッキ処理をおこなったアルミ表面にダイヤモンド刃を用いた加工によって上記微細周期構造を形成した金型を使用した。金型本体の形成材としては特に限定されず、ダイス鋼、粉末ハイス鋼、超硬合金等を利用できる。上記微細周期構造を金型に設けるための加工は、フォトリソグラフィやレーザー加工等でもよいが、ダイヤモンド刃を用いた切削加工が高さ方向(Z方向)への加工が容易であり、曲面への加工も対応できるため、好ましい。
【0023】
微細周期構造の具体的な形成方法としては、例えば、まず、金型の加工面に無電解ニッケルリンメッキ処理を行い、厚さが数十~数百μmの被膜を形成した。次に平板溝加工機を用いてニッケルリン被膜を切削加工してメッキ部の上面に平面度十nmオーダーの平坦処理を行った。平板溝加工機としては、切削加工機の一種で、工具は刃先が鋭利で凹凸が少ない単結晶ダイヤモンド刃を用い、2次元平面上に溝加工を施せる装置を使用した。加工方法は、回転工具を用いたミリング加工であった。ミリング加工は、10μmオーダーの微細構造の加工でも切削反力が微小なため加工に適している。上記の平坦処理の後、金型加工面を固定した状態で平板溝加工機のバイトを交換して、加工面に切削によって微細周期構造を作製した。
【0024】
凸部3は、前述したように円柱状をなしているが、外周面に金型の抜き勾配を有していてもよい。すなわち、円柱状の凸部3の外周面は、基底面4に向けて徐々に拡径する若干の勾配を有していてもよい。この場合、所定直径Wとは、凸部3の天面3aにおける直径を意味するものとする。また、この場合、所定間隔Dとは、凸部3の天面3aにおける間隔を意味するものとする。
【0025】
合成樹脂製品1を形成するための合成樹脂材料は、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってよい。撥液性を高める観点から、合成樹脂製品1を形成するための合成樹脂材料は、例えば、PP、シリコーン樹脂、PTFE等の、表面自由エネルギーがPE以下(PEの表面自由エネルギーは32mN/m)のものであるのが好ましい。本実施形態では、合成樹脂材料として、ポリプロピレン(PP:例えば日本ポリプロ株式会社製「BC08F」)を用いるようにしている。なお、ポリプロピレンとしては、日本ポリプロ株式会社製「X1H」を用いてもよく、直鎖状低密度ポリエチレンとしては、株式会社プライムポリマー製「25200J」を用いてもよく、高密度ポリエチレンとしては、日本ポリプロ株式会社製「HJ362」を用いてもよいが、これらの材料に限定されない。
【0026】
見掛け上の表面自由エネルギーを小さくするために、金型の微細周期構造にフッ素含有コーティングや、シリコーンコーティングを施して当該コーティングを樹脂成形面に転写させたり、合成樹脂材料としてシリコーン含有PPを使用したりしてもよい。
【0027】
合成樹脂製品1は、食品用の容器またはキャップ等の容器構成部材であってもよい。あるいは、合成樹脂製品1は、食器等であってもよい。撥液性の樹脂表面2を容器の内側に設けた場合には、容器の内面への液状食品の付着を抑制して、使い切れない内容物の残量(内容物の使い残し)を低減することができる。また、撥液性の樹脂表面2を容器の外側に設けた場合には、容器の外面への液状食品の付着を抑制して、汚れの発生を抑制することができる。
【0028】
合成樹脂製品1を食品用の容器とした場合には、当該容器は、筒状の口部と口部の下方に連なる胴部と胴部の下端を閉塞する底部とを有する容器本体と、容器本体の口部に装着されるとともに液状食品を吐出可能な、例えば筒状の、吐出部を有するキャップとを備えたものであってよい。合成樹脂製品1は、このようなキャップであってもよく、撥液性の樹脂表面2は、このようなキャップの吐出部に設けられてもよい。撥液性の樹脂表面2をこのようなキャップの吐出部に設けた場合には、容器本体の胴部をスクイズ(押圧)して内容物としての醤油、ソース、はちみつ、ケーキシロップ、麺つゆ等の液状食品をキャップの吐出部を通じて外部に吐出する際に、吐出部における液状食品の液切れを良くするとともに吐出部への液状食品の付着を抑制することができる。これにより、吐出部での汚れの発生を抑制することができる。
【0029】
一般的に、液状食品は、20℃において10~10mPa・sの粘度を有する。例えば、ウスターソースの粘度は100.3mPa・s、グルコースシロップの粘度は105.3mPa・sである。合成樹脂製品1は、このような粘度の食品用の容器又は容器構成部材として好適に用いることができる。
【0030】
ここで、本実施形態に係る合成樹脂製品1では、図3に示すように、それぞれの凸部3の天面3a(基底面4と略平行で同一方向を向く面)には、干渉縞状の凹凸3bが形成されている。すなわち、基底面4が略平滑であるのに対し、凸部3の天面3aは平滑ではなく、干渉縞状の凹凸3bを有する形状となっている。
【0031】
干渉縞状の凹凸3bは、互いに同心状に並ぶ複数の円弧状の溝によって形成されている。円弧状の溝の数は、1本以上であればよい。干渉縞状の凹凸3bは、金型を用いて合成樹脂材料を射出成形することによって形成されている。すなわち、合成樹脂製品1を射出成形する金型として、凸部3を形成する円形の凹部の底面に、多光束加工によって干渉縞状の微細な凹凸が形成されたものを用いることで、成形後の凸部3の天面3aに金型の干渉縞状を転写させて干渉縞状の凹凸3bを形成するようにしている。
【0032】
多光束加工(DLIP:direct laser interference patterning)は、複数のレーザーパルスビームを、対象基材表面上で重ね合わせて(干渉させて)照射することで、基材上にナノ周期の凹凸構造を形成するものである。本実施形態では、それぞれ波長:515nm、フルエンス:43mJ/cm、周波数:10kHzの2つのレーザーパルスビームを、780nmのピッチで、金型に100ショット照射することで、金型の凸部3を形成する円形の凹部の底面に干渉縞状の微細な凹凸を形成するようにしている。
【0033】
なお、図3に示す場合には、1つの凸部3の天面3aに2つの干渉縞状の凹凸3bが形成されているが、少なくとも1つの干渉縞状の凹凸3bが形成されていればよい。また、多数の凸部3の全ての天面3aに干渉縞状の凹凸3bが形成されているのが好ましいが、多数の凸部3のうちの一部に、天面3aに干渉縞状の凹凸3bが形成されず、当該天面3aが略平滑に形成されたものがあってもよい。
【0034】
このように、本実施形態に係る合成樹脂製品1では、樹脂表面2の微細な凹凸パターンを構成する多数の凸部3のそれぞれの天面3aに、干渉縞状の凹凸3bを設けるようにしたので、凸部3の天面3aが略平滑である従来の合成樹脂製品に比べて、凸部3の天面3aの液体への接触面積を小さくして、液体、特に、醤油、ソース、はちみつ、ケーキシロップ、麺つゆなど液状食品に対する撥液性をより高めることができる。
【0035】
本発明の効果を検証するために、基材(合成樹脂材料)として、ポリプロピレン(PP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)を用い、これらを射出成形して、略平滑な基底面と、基底面から垂直に突出するとともに所定間隔で互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径及び所定高さの円柱状をなす凸部とによって形成された凹凸パターンを有するとともにそれぞれ凸部の天面に干渉縞状の凹凸が形成された(干渉縞状の凹凸が「有」)のサンプル表面と、略平滑な基底面と、基底面から垂直に突出するとともに所定間隔で互いに垂直なX方向とY方向との両方に配列された所定直径及び所定高さの円柱状をなす凸部とによって形成された凹凸パターンを有するとともにそれぞれ凸部の天面に干渉縞状の凹凸が形成されていない(干渉縞状の凹凸が「無」)のサンプル表面とを作成した。それぞれのサンプル表面について、凸部の直径を80μm、高さを100μmとし、互いの凸部の間隔を、60μm、90μm、145μm、205μmとした4種類を作成した。
【0036】
射出成形時の温度は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)については200℃、ポリプロピレン(PP)については240℃とした。また、ポリプロピレン(PP)として日本ポリプロ株式会社製の「X1H」を用い、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)としては株式会社プライムポリマー製の「25200J」を用い、高密度ポリエチレン(HDPE)としては日本ポリプロ株式会社製の「HJ362」を用いた。
【0037】
上記のそれぞれのサンプル表面について、サンプル表面に、水、ソース(ブルドックソース社「中農ソース」及び「ウスターソース」)、醤油(キッコーマン社「特選丸大豆しょうゆ」)の各液体を一滴付着させた際の当該液体に対する撥液性を評価した。評価は、水平に配置したサンプル表面において液体がその場に留まらずにコロコロ転がる場合には◎の評価とし、サンプル表面を傾けると液体が転がる場合には〇と評価し、サンプル表面を傾けると液体が一応転がるが引っ掛かりを生じる場合には△と評価し、サンプル表面に液体が付着する場合には×と評価した。表1に、評価結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】
上記の評価結果から、本実施形態に係る合成樹脂製品のように、凸部の直径が80μm、高さが100μmであるとともに間隔が60μmまたは90μmであり、且つ凸部の天面に干渉縞状の凹凸が形成されている構成とすれば、水、ソース、醤油の何れの液体に対しても、凸部の天面に干渉縞状の凹凸が形成されていないもの、あるいは凸部の天面に干渉縞状の凹凸が形成されているが凸部の間隔が90μmよりも大きなものに対して、より良好な撥液性が得られることが確認できた。
【0040】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0041】
例えば、合成樹脂製品1は、上記した食品用の容器又はキャップ等の容器構成部材に限らず、液体が接する種々の用途の容器ないし物品であってよい。
【符号の説明】
【0042】
1 合成樹脂製品
2 樹脂表面
3 凸部
3a 天面
3b 干渉縞状の凹凸
4 基底面
D 所定間隔
W 所定直径
H 所定高さ
図1
図2
図3