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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024065976
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】敷板クリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/00 20240101AFI20240508BHJP
【FI】
B08B1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175129
(22)【出願日】2022-10-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月5~6日 関東グランドフェア2021 にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000107837
【氏名又は名称】株式会社サイト
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石津 眞人
(72)【発明者】
【氏名】益田 良男
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA02
3B116AA46
3B116AB03
3B116BA02
3B116BA03
3B116BA23
3B116BA35
(57)【要約】
【課題】高圧水を使用せずに、敷板に付着した泥等を取り除くことができる敷板クリーニング装置を提供する。
【解決手段】敷板クリーニング装置10は、敷板25を縦置可能な基台12と、基台12に設けられた長尺枠部材14Aと、長尺枠部材14Aに沿って、基台12に縦置きされた敷板25の両面を取り囲んで移動するクリーニングボックス16と、クリーニングボックス16の内側に設けられ、敷板25の両面に当るスクレーパユニット112と、クリーニングボックス16の内側に設けられ、敷板の両面に当るブラシ部材110と、を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷板を縦置可能な基台と、
前記基台に設けられたレールと、
前記レールに沿って、前記基台に縦置きされた前記敷板の両面を取り囲んで移動するクリーニングボックスと、
前記クリーニングボックスの内側に設けられ、前記敷板の両面に当るスクレーパー部材と、
前記クリーニングボックスの内側に設けられ、前記敷板の両面に当るブラシ部材と、
を有する敷板クリーニング装置。
【請求項2】
前記クリーニングボックスの移動方向の両側は立板で閉じられており、前記立板には前記敷板が通り抜け可能な縦スリットが形成されている、
請求項1に記載の敷板クリーニング装置。
【請求項3】
前記スクレーパー部材は、
前記敷板の表面に接触するスクレーパーと、
前記スクレーパーを回転可能に支持する支持部材と、
前記スクレーパーを前記敷板の表面に押しつけるバネ部材と、
前記スクレーパーを前記敷板の押し付け方向と反対方向に移動させるレバーと、
を備えている請求項1または請求項2に記載の敷板クリーニング装置。
【請求項4】
前記スクレーパーは、前記敷板の表面に対する傾斜方向が反対となるまで回転するように構成されている、請求項3に記載の敷板クリーニング装置。






















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷板をクリーニングする敷板クリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場等で資材搬入路の確保や足場の悪い軟弱地などに、重機、重量運搬機の足場を確保するために樹脂製や鉄製の敷板が地面に敷設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3181558号公報
【特許文献2】特開2015―80783号公報
【特許文献3】実用新案登録第3144668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、敷板をクリーニングする洗浄装置が提案されている(特許文献1~3参照)。
従来は、敷板に付着した泥等に高圧水を噴射して洗い流しており、水廻りの設備が必要なため、洗浄作業コストが増加していた。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、高圧水を使用せずに、敷板に付着した泥等を取り除くことができる敷板クリーニング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の敷板クリーニング装置は、敷板を縦置可能な基台と、前記基台に設けられたレールと、前記レールに沿って、前記基台に縦置きされた前記敷板の両面を取り囲んで移動するクリーニングボックスと、前記クリーニングボックスの内側に設けられ、前記敷板の両面に当るスクレーパー部材と、前記クリーニングボックスの内側に設けられ、前記敷板の両面に当るブラシ部材と、を有する。
【0007】
請求項1に記載の敷板クリーニング装置は、基台に縦置きされた敷板の両面を取り囲んで、基台に設けられたレールに沿ってクリーニングボックスが移動する。クリーニングボックスの内側では、スクレーパー部材とブラシ部材が敷板の両面に当り、敷板に付着した泥等をスクレーパー部材が掻き取り、ブラシ部材が掃き落とす。これらのクリーンニング作業は、クリーニングボックスの内側で行うので、土煙等は装置外で舞い上がらす、周辺の環境を悪化させない。
また、敷板の両面を同時にクリーニングするので、敷板を平置きしてクリーニング作業する形態と比較すると、敷板をひっくり返す必要がなく、作業時間を短縮できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の敷板クリーニング装置において、前記クリーニングボックスの移動方向の両側は立板で閉じられており、前記立板には前記敷板が通り抜け可能な縦スリットが形成されている。
【0009】
請求項2に記載の敷板クリーニング装置では、クリーニングボックスの移動方向の両側を縦スリットが形成された立板で閉じることで、クリーニングボックスからの土煙等の漏れを最小限に抑えることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の敷板クリーニング装置において、前記スクレーパー部材は、前記敷板の表面に接触するスクレーパーと、前記スクレーパーを回転可能に支持する支持部材と、前記スクレーパーを前記敷板の表面に押しつけるバネ部材と、前記スクレーパーを前記敷板の押し付け方向と反対方向に移動させるレバーと、を備えている。
【0011】
請求項3に記載の敷板クリーニング装置では、スクレーパーが、バネ部材によって敷板の表面に押しつけられるので、スクレーパーを敷板の表面形状に追従させて敷板の表面に付着した泥等を確実に掻き落とすことができる。
また、ブラシ部材だけでクリーニング作業が行える場合は、レバーを操作して、スクレーパーを敷板の表面から離して、スクレーパーの摩耗や損傷を抑えることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の敷板クリーニング装置において、前記スクレーパーは、前記敷板の表面に対する傾斜方向が反対となるまで回転するように構成されている。
【0013】
請求項4に記載の敷板クリーニング装置では、敷板の表面に残存した溶接部等の凸部にスクレーパーの先端部が引っ掛っても、スクレーパーが敷板の表面に対する傾斜方向が反対となるまで回転して凸部を乗り越えるので、スクレーパーの破損を回避できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明の敷板クリーニング装置によれば、高圧水を使用せずに、敷板に付着した泥等を取り除くことができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る敷板クリーニング装置を示す正面側から見た斜視図である。
図2】敷板クリーニング装置を示す背面側から見た斜視図である。
図3】敷板支持装置を示す斜視図である。
図4】ガイドレールとなる長尺枠部材と各ローラを示す装置外側から見た斜視図である。
図5】ガイドレールとなる長尺枠部材と各ローラを示す装置内側から見た斜視図である。
図6】駆動装置の要部を示す斜視図である。
図7】クリーニングボックスの外観を示す斜視図である。
図8】クリーニングボックスの内部を示す斜視図である。
図9】スクレーパー装置を示す斜視図である。
図10】スクレーパー装置を示す側面図である。
図11】敷板に付着した泥をスクレーパーで削り取っている状態を示すスクレーパー装置の側面図である。
図12】スクレーパーが凸部に引っ掛かって回転した状態を示すスクレーパー装置の側面図である。
図13】回転部品が凸部を乗り越えている状態を示すスクレーパー装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図13を用いて、本発明の一実施形態に係る敷板クリーニング装置10について説明する。図面に示す矢印Xは敷板クリーニング装置10の長手方向に沿った方向を示し、矢印Yは敷板クリーニング装置10の背面方向を示し、矢印Zは上下方向(鉛直方向)に沿った方向を示している。
図1に示すように、本実施形態の敷板クリーニング装置10は、一例として、地面Gに設置することができる。
【0017】
図1、及び図2に示すように、敷板クリーニング装置10は、長尺状の基台12を備えている。基台12は、一例として、複数本のH鋼で形成された梯子状の枠体14を備えている。枠体14は、基台12の長手方向に沿って配置される一対の長尺枠部材14Aと、一方の長尺枠部材14Aと他方の長尺枠部材14Aと連結する複数の短尺枠部材14Bとで形成されている。なお、長尺枠部材14Aは、後述するクリーニングボックス16をガイドしながら走行可能とさせるガイドレールとしての機能を有している。
【0018】
枠体14の上部には、一例として、鋼板等で形成された矩形の泥受板18が、枠体14の開口部を塞ぐように設けられている。
【0019】
基台12の長手方向両端部には、複数本のH鋼で形成されたフレーム20が建てられている。フレーム20は、基台12の幅方向両側に配置される一対の支柱20Aと、一方の支柱20Aの上端と他方の支柱20Aの上端とを連結する連結部材20Bとを含んで構成されている。
【0020】
一方のフレーム20の連結部材20Bと他方のフレーム20の連結部材20Bには、H鋼で形成された第1の梁部材22が掛け渡されている。
【0021】
基台12には、第1の梁部材22の下側に、一対の敷板下端支持部24が設けられている。敷板下端支持部24には、後述する敷板25の下端25Aを挿入する溝26が上端部に形成されており、溝26の装置背面側(矢印Y方向側)に、上端部よりも上方に突出したストッパ板28が設けられている。
【0022】
第1の梁部材22には、後述する敷板25の上端25Bを保持可能な敷板ロック装置30が設けられている。敷板ロック装置30は、敷板下端支持部24に縦に支持させた敷板25が倒れないように敷板25の上端部分を保持可能な装置である。
【0023】
本実施形態の敷板ロック装置30は、オルタネート動作が可能とされている。本実施形態の敷板ロック装置30は、立てた敷板25の上端25Bを矢印Y方向に向けて押し当てることで、上方に退避する爪30Aを備えており、敷板25の上端部が爪30Aの先端部を通り過ぎると爪30Aが下方へ移動し、爪30Aが敷板25の上端部に引っ掛かるように構成されている。
【0024】
また、この敷板25の取り外しは、以下のようにして行うことができる。フォークリフトのフォーク156等を用いて敷板25を持ち上げることで、爪30Aを上方に退避させることができ、これにより、敷板下端支持部24で下端縁を支持した状態の敷板25を、装置正面側(矢印Y方向とは反対方向)へ倒すことが可能となる。なお、敷板ロック装置30は敷板25の上端部を保持できればよく、その構成は、特に問わない。例えば、敷板25の上端部を挟むクランプ等の挟持部材を含んで構成されていてもよい。
【0025】
(敷板受装置)
図1に示すように、基台12の装置正面側(矢印Y方向とは反対側)には、敷板25を水平に受ける敷板支持装置32が、装置長手方向に沿って複数配置されている。これらの敷板支持装置32は、地面Gの上に敷設された板部材34に設けられている。
【0026】
図3に示すように、敷板支持装置32は、略L字形状に形成されたフレーム36、シリンダ状のダンパー(ショックアブソーバ)38、及び敷板受40を含んで構成されている。
敷板受40は、フレーム36の側面に設けられた軸42に揺動可能(矢印A方向)に支持されている。
フレーム36の側面には、ダンパー38が垂直に取り付けられており、ダンパー38の可動ロッド38Aの先端が、略水平に配置された敷板受40の長手方向中間部分に係止されている。ダンパー38は、敷板受40に敷板25が落下した際の衝撃を緩衝(吸収)することができる。
【0027】
(敷板用背面ストッパ)
図1、及び図2に示すように、一方のフレーム20の装置背面側の支柱20Aの上端部分の側面と他方のフレーム20の装置背面側の支柱20Aの上端部分の側面には、H鋼で形成された第2の梁部材44が掛け渡されている。
【0028】
この第2の梁部材44の側面には、敷板下端支持部24で支持した敷板25が装置背面側(矢印Y方向側)へ倒れないように、転倒防止ストッパ板46が設けられている。また、転倒防止ストッパ板46は、敷板25の転倒を防止し、敷板25が後述する第1チェーン49に当たることを抑制することができる。
【0029】
(クリーニングボックス)
図1に示すように、クリーニングボックス16は、下部に台車48を備えている。
台車48は、H鋼で形成された枠状のフレーム50を有している。
【0030】
図4、及び図5に示すように、フレーム50の両側部には、ガイドローラ取付板52が設けられており、装置背面側のガイドローラ取付板52に、走行ローラ54、浮き上がり防止ローラ56、第1ガイドローラ58、及び第2ガイドローラ60の4種類のローラが設けられている。なお、図示を省略するが、装置正面側のガイドローラ取付板52には、走行ローラ54、及び浮き上がり防止ローラ56が設けられている。
【0031】
装置背面側では、走行ローラ54と浮き上がり防止ローラ56とで、ガイドレールとして機能する長尺枠部材14A(H鋼)の上側のフランジ14Aaを挟み、第1ガイドローラ58をフランジ14Aaの端面に当接させ、第2ガイドローラ60を長尺枠部材14Aの上部に縦に設けたガイド板62の側面に当接させることで、クリーニングボックス16を長尺枠部材14Aに沿って移動するようにガイドしている。なお、図示を省略するが、装置正面側では、走行ローラ54と浮き上がり防止ローラ56とで長尺枠部材14A(H鋼)の上側のフランジ14Aaを挟んでいる。
【0032】
(クリーニングボックス駆動装置)
図1に示すように、敷板クリーニング装置10は、クリーニングボックス16を移動させる駆動装置64を備えている。
基台12の矢印X方向側の端部には、駆動装置64を構成する駆動モータ66が設けられている。
【0033】
図1の矢印X方向側のフレーム20には、図6に示すように、第1チェーン49が架け渡されたスプロケット68、70、72、74が回転自在に支持され、矢印X方向側とは反対側のフレーム20(図6では図示省略)には、第1チェーン49が架け渡されたスプロケット76、78が回転自在に支持されている。
【0034】
矢印X方向側のフレーム20では、スプロケット68を一端側に設けた回転軸80の他端側に、スプロケット82が取り付けられている。駆動モータ66の回転軸(図示せず)にはスプロケット84が取り付けられており、スプロケット82とスプロケット84とに第2チェーン86が掛け渡されている。
【0035】
以上の構成により、駆動装置64は、駆動モータ66を駆動することで、第1チェーン49を図6の矢印CW方向、及び矢印CW方向とは反対方向に駆動することができる。
この第1チェーン49は、上側の一部がクリーニングボックス16に固定されているため、第1チェーン49を矢印CW方向に駆動することで、クリーニングボックス16を矢印X方向とは反対方向に移動させることができ、第1チェーン49を矢印CW方向とは反対方向に駆動することで、クリーニングボックス16を矢印X方向に移動させることができる。
【0036】
図7に示すように、台車48の上には、下方が解放された縦長のボックスカバー88が取り付けられている。図7、及び図8に示すように、ボックスカバー88は、複数本の支柱90と、カバー92~100を備えている。
【0037】
図7に示すように、矢印X方向側とは反対方向側のカバー92には、縦長の矩形の開口(図示せず)が形成されており、カバー92の側面には、敷板下端支持部24、敷板25、第1の梁部材22、及び敷板ロック装置30等を通過可能とする幅狭のスリット102の形成されたゴム板104が配置されている。このゴム板104は、カバー92の側面に固定板106で固定されている。
【0038】
矢印X方向側のカバー94も、カバー92と同様の構成とされており、敷板25、第1の梁部材22、及び敷板ロック装置30を通過可能としている。
【0039】
なお、クリーニングボックス16のボックスカバー88の下端と泥受板18との間には、隙間が設けられている。
【0040】
(スクレーパー装置、ブラシ部材、)
図8に示すように、クリーニングボックス16の内部には、敷板25の表面に付着した泥の塊等を削り取る(こそげ取る)スクレーパー装置108と、敷板25の表面に付着している泥等を払い落とすブラシユニット110とが設けられている。
【0041】
クリーニングボックス16は、幅方向(矢印Y方向)中央部分で敷板25を通過可能とされている。スクレーパー装置108は、クリーニングボックス16の内部における敷板25の通過経路の両側に配置されている。
【0042】
スクレーパー装置108には、図9に示すスクレーパユニット112が、上下方向に複数個並べら れている。
【0043】
スクレーパユニット112は、コ字形状に形成された固定部品114を備えており、図8、及び図9に示すように、この固定部品114がスクレーパー取付柱116にボルト117を用いて固定されている。
【0044】
図9、及び図10に示すように、固定部品114には、一方の側板114Aと他方の側板114Aとを掛け渡すように第1支点軸118が取り付けられており、この第1支点軸118にコ字形状の回転部品120が回転自在に支持されている。
【0045】
図8に示すように、上下方向に複数個並べられたスクレーパユニット112は、各々の回転部品120が、縦長のフレーム121に取り付けられている。フレーム121は、スクレーパー取付柱116に支持された軸(図示省略)に回転自在に支持されている。
【0046】
図10に示すように、回転部品120には、凹部122が形成されており、この凹部122に圧縮コイルバネ124が配置されている。圧縮コイルバネ124は、第1支点軸118を中心として、回転部品120を図10の矢印CW1方向に付勢している(言い換えれば、後述するスクレーパー128が敷板25に当接する方向に付勢している。)
【0047】
回転部品120の矢印X方向側の先端部分には、一方の側板120Aと他方の側板120Aとを掛け渡すように第2支点軸126が取り付けられており、この第2支点軸126がスクレーパー128に取り付けられた支点軸取付部130を貫通している。これにより、スクレーパー128は、第2支点軸126回りに回転自在とされている。
【0048】
本実施形態のスクレーパー128は、鋼板等で矩形に形成されており、後述する敷板25と接する側の先端がテーパー状(鋭利な刃状)に形成されている。
【0049】
第2支点軸126には、ねじりバネ132が取り付けられており、ねじりバネ132の一端はスクレーパー128に当接し、ねじりバネ132の他端は回転部品120の側板120Aに螺子134等を用いて係止されている。図10に示すように、このねじりバネ132は、スクレーパー128の先端が敷板25に接するように、図10の矢印CW2方向に付勢している。
【0050】
なお、スクレーパー128は、ねじりバネ132の付勢力に対向して第2支点軸126を中心として矢印CW2とは反対方向に回転させることができる。
【0051】
(スクレーパユニットの退避構造)
図8に示すように、フレーム121には、棒部材を曲げて形成したレバー136が取り付けられており、このレバー136を回動させることで、スクレーパー装置108の各回転部品120を回動させ、スクレーパー128の先端が敷板25に接触しないように、スクレーパー128を敷板25の通過経路から離間する方向に退避させることができる。例えば、スクレーパー128を使用しない場合等に、レバー136を回動させてスクレーパー128を退避させることができる。
【0052】
(ブラシユニット)
図8に示すように、クリーニングボックス16の内部には、スクレーパー装置108の矢印X方向側に、敷板25の表面に付着した泥を払い落とすブラシユニット110が設けられている。
【0053】
ブラシユニット110は、敷板25の通過経路の両面側に配置されている。ブラシユニット110では、複数のブラシ110Aが縦方向に並べられている。ブラシ110Aは、敷板25の表面に摺動可能に配置されている。なお、バネを用いてブラシ110Aを敷板25の表面に押し付けるようにしてもよい。図8において、装置正面側(矢印Y方向とは反対方向側)の一部のブラシ110Aについて、図示を省略している。
【0054】
また、クリーニングボックス16の台車48には、ガイドローラ取付板52の矢印X方向側、及び矢印X方向側とは反対側に、レールクリーニングブラシ138が設けられている。レールクリーニングブラシ138は、クリーニングボックス16が移動する際に長尺枠部材14Aの上面に摺動し、長尺枠部材14Aの上面に付着した泥等の異物を除去する。
【0055】
(制御装備)
図6に示すように、本実施形態の敷板クリーニング装置10は、クリーニングボックス16の動作を制御する制御装置140を備えている。制御装置140には、駆動モータ66が接続されている。
【0056】
図1に示すように、第2の梁部材44には、クリーニングボックス16の位置を検出するセンサー142、144、146が設けられており、図6に示すように、これらのセンサー142、144、146も制御装置140に接続されている。センサー142、144、146は、一例として、クリーニングボックス16を所定の位置で停止させるためのリミットスイッチとしての役目を有している。
【0057】
図6に示すように、制御装置140は、本体側送受信機140Aを備えている。本体側送受信機140Aは、一例として、敷板クリーニング装置10から離れた位置に居るオペレータ(図示せず。例えば、フォークリフトに乗車している。)が操作する外部端末(リモコン本体)150に備えられた端末側送受信機150Aとの間で、制御信号、その他の信号を送受信可能となっている。したがって、オペレータは、敷板クリーニング装置10から離れた位置で外部端末150を操作して、クリーニングボックス16を移動させることができる。なお、敷板クリーニング装置10に、外部端末150と同様に、敷板クリーニング装置10を操作する操作パネルを設けてもよい。
【0058】
(作用、効果)
次に、本実施形態の敷板クリーニング装置10を用いた敷板25のクリーニング手順を説明する。
【0059】
(1) 図1に示すように、予め、クリーニングボックス16を敷板クリーニング装置10の矢印X方向側の端部に移動しておく。
【0060】
(2) 一例として、図1に示すように、フォークリフト(図示せず)のフォーク156で水平に支持した敷板25を敷板クリーニング装置10の正面側に搬送し、この敷板25の装置側(矢印Y方向側)の先端を敷板下端支持部24のストッパ板28に突き当て、フォーク156を下げて敷板25を敷板下端支持部24と敷板支持装置32に載せる。
(3) 次に、フォークリフトを後退させ、フォーク156の先端を敷板25の手前側の端部付近下側に配置する。
(4) 次に、フォーク156を上昇させつつ、フォークリフトを前進させ、フォーク156の先端で敷板25の手前側を持ち上げながら敷板25を縦にし、敷板25の下端25Aを敷板下端支持部24の溝26に嵌め込む。
【0061】
(5) フォーク156の先端で敷板25の上端25B付近を装置背面側(矢印Y方向側)へ押し、敷板25の上端25Bを敷板ロック装置30へ向けて押し付け、敷板25の上端25Bを敷板ロック装置30に保持させる。これにより、敷板25を縦にした状態で保持することができる。
【0062】
(6) 次に、フォークリフトを後退させ、フォーク156を敷板25から離す。そして、外部端末150を操作して駆動モータ66を駆動させ、クリーニングボックス16を矢印X方向とは反対方向に移動する。
【0063】
(7) クリーニングボックス16が移動し、敷板25がクリーニングボックス16の内部に進入し、スクレーパユニット112の正面を通過すると、図10に示すように、圧縮コイルバネ124で矢印CW1方向に付勢された回転部品120が敷板25の表面を摺動しつつ、ねじりバネ132で矢印CW2方向に付勢されたスクレーパー128の先端が敷板25の表面を摺動する。
【0064】
(8) そして、図11に示すように、敷板25の表面に付着した泥(土)154の塊は、スクレーパー128の先端で削り取られて装置下方の泥受板18の上に落下する。
スクレーパー128は、先端が敷板25の表面に押しつけられるように付勢されているので、スクレーパー128の先端を敷板25の表面形状に追従させて表面に付着した泥154の塊を確実に掻き落とすことができる。
【0065】
(9) そして、スクレーパー128を通過した敷板25は、その後、ブラシユニット110の正面を通過した際に、表面に残った細かい泥154がブラシユニット110で擦られて払い落とされる。ブラシユニット110で払い落された泥154も装置下方の泥受板18の上に落下する。
【0066】
ここで、敷板25の表面に付着した泥154がスクレーパー128で削り落されたり、ブラシユニット110で払い落とされた際に、クリーニングボックス16内で土煙が発生する場合があるが、スクレーパー128やブラシユニット110は、クリーニングボックス16のボックスカバー88で側方、及び上側が囲まれており、しかも、ボックスカバー88の側部には幅狭のスリット102しか開いていないので、クリーニングボックス16の内部で発生した土煙の外部への漏れは最小限に抑えることができる。
【0067】
なお、クリーニングボックス16が敷板25を通過すると、センサー142等でクリーニングボックス16が検知され、制御装置140が駆動モータ66の駆動を停止し、クリーニングボックス16の移動が自動で停止する。
【0068】
以上のようにして、敷板25の表面に付着した泥154が除去され、敷板25のクリーニングが行われる。
このように、本実施形態の敷板クリーニング装置10では、高圧水を使用せずに、敷板25に付着した泥等を取り除くことができる。このため、水廻りの設備を必要とせず、クリーニングの作業コストを低減することができる。
【0069】
なお、図11に示すように、敷板25の表面に、鉄板などからなる凸部25C等が固着(溶接など)されている場合がある。凸部25Cが固着されている部分をスクレーパユニット112が通過する際には、図12に示すように、スクレーパー128の先端が凸部25Cに当たり、ねじりバネ132の付勢力に対向して矢印CW2方向とは反対方向に回転して凸部25Cの表面を摺動する。これにより、スクレーパー128の変形や破損を抑制することができる。
【0070】
また、図13に示すように、敷板25の凸部25Cに回転部品120が当たる場合があるが、この場合は、回転部品120が矢印CW1方向とは反対方向に回転し、回転部品120の端部が凸部25Cの表面を摺動する。これにより、回転部品120の変形や破損を抑制することができる。
【0071】
また、スクレーパー128を使用しない場合には、レバー136を回動させてスクレーパー128の先端が敷板25に接触しないように、スクレーパー128を敷板25の通過経路から離間する方向に退避させる。これにより、スクレーパー128の摩耗や損傷を抑えることができる。
【0072】
図1に示すように、クリーニングボックス16の側部には、スクレーパー128の向きを保持する溝160、162が形成されたレバー保持金具164が設けられている。一例として、溝160はスクレーパー128の使用時にスクレーパー128を保持し、溝162はスクレーパー128を使用しない場合にスクレーパー128を保持する。
【0073】
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0074】
10 敷板クリーニング装置
12 基台
14A 長尺枠部材(レール)
16 クリーニングボックス
25 敷板
102 スリット(縦スリット)
104 ゴム板(立板)
110 ブラシユニット(ブラシ部材)
112 スクレーパユニット(スクレーパー部材)
120 回転部品(支持部材)
126 第2支点軸(支持部材)
128 スクレーパー
132 ねじりバネ(バネ部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13