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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066017
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/38 20060101AFI20240508BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G06F13/38 320A
G06F3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175195
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 茂樹
(57)【要約】
【課題】表示装置の表示異常の改善を図る。
【解決手段】情報処理装置1の制御部1aは、外部機器接続インタフェース3を介した表示装置2との接続有りを検出した場合、表示装置2から送信される映像表示コマンドを所定期間のうちに受信したか否かを判定する。制御部1aは、映像表示コマンドを所定期間のうちに受信した場合、表示装置2に映像信号を出力して表示装置2に映像を表示させる。制御部1aは、映像表示コマンドが所定期間のうちで未受信であることを検出した場合、映像表示コマンドの再発行コマンドを表示装置2に送信する。表示装置2は、再発行コマンドを受信すると、映像表示コマンドを情報処理装置1に送信する。制御部1aは、映像表示コマンドを受信した場合、表示装置2に映像信号を出力して表示装置2に映像を表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部の信号線の用途を切替可能な外部機器接続インタフェースを介した表示装置との接続有無の検出処理を行い、前記表示装置との接続有りを検出した場合、前記表示装置から送信される映像表示コマンドを所定期間のうちに受信したか否かを判定し、前記映像表示コマンドを受信した場合には前記表示装置に映像信号を出力し、前記映像表示コマンドが未受信の場合には前記映像表示コマンドの再発行コマンドを前記表示装置に送信して前記表示装置から前記映像表示コマンドを再送させ、前記表示装置に対して映像表示制御を開始させる制御部、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
運用中に前記表示装置の前記外部機器接続インタフェースにつながる通信ポートの第1の識別情報を取得して保持しておき、
運用停止状態から復帰して運用状態に移行した場合、前記外部機器接続インタフェースにつながる機器の通信ポートの第2の識別情報を取得し、
前記第2の識別情報が前記第1の識別情報に一致する場合、前記機器は前記外部機器接続インタフェースを有する前記表示装置であって前記表示装置との接続有りを検出する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記再発行コマンドを前記表示装置に所定回数送信しても前記映像表示コマンドが未受信の場合、前記表示装置を異常と判定する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記再発行コマンドの送信後に前記表示装置から前記映像表示コマンドを受信した場合、前記外部機器接続インタフェースの下位互換性にもとづいて下位の規格に合わせた前記映像信号を前記表示装置に送信する、
請求項1記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の情報処理装置に周辺機器を接続するためのシリアルバス通信規格の1つにUSB(Universal Serial Bus)がある。USBの通信インタフェースには、キーボードやマウスなどの接続に使われることが多いType-Aやプリンタ等の大型の周辺機器で使われることが多いType-Bの規格がある。さらに、データ高速転送が可能なType-Cの規格が存在しており、近年ではType-CインタフェースUSBが広く採用されている。
【0003】
Type-CインタフェースUSBは、プラグ方向やケーブル方向に関係なくコネクタ結合を行って、USB3.2(最大20Gps)に対応したデータ高速転送を行うことが可能である。
【0004】
また、Type-CインタフェースUSBでは、USB PD(USB Power Delivery)によりUSB規格で周辺機器に電力供給を行うことができる。さらに、USB規格以外の信号を流せるオルタネートモードを有しており、例えば、Type-CインタフェースのUSBケーブルを使用して、ディスプレイポート(DisplayPort)の規格の信号を流してディスプレイに映像を表示させることができる。
【0005】
関連技術としては、例えば、接続されたデバイスがType-CのUSBデバイスであるか否かを判定し、判定した結果と設定値とにもとづき、給電およびデータ通信の制御を実施する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-011935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、Type-CインタフェースUSBは、USB規格以外の映像信号をディスプレイに流して映像表示を行うことができるため、近年では、Type-CインタフェースUSBに準拠したディスプレイの開発が増加している。
【0008】
一方、Type-CインタフェースUSBは、規格がアップグレードされて、新しい機能・仕様が追加されている。そのため、同じType-CインタフェースUSBであっても、サポートしている機能・仕様が情報処理装置とディスプレイとで同一でない場合がある。
【0009】
情報処理装置とディスプレイとの双方でType-CインタフェースUSBの機能・仕様が同一でない場合、USBには下位互換性があるため、通常は下位の規格に合わせた通信が実行される。
しかし、情報処理装置とディスプレイとが互いに機能・仕様が同一でないType-CインタフェースUSBを介して接続された場合、ディスプレイの動作が一時的に不安定状態になる場合がある。
【0010】
ディスプレイの動作が不安定状態になると、下位互換性が確保されないために下位の規格に合わせた通信が実行されず、ディスプレイ側で映像が正常に表示されない状態が発生しうる。
【0011】
このような状態になったときは、例えば、Type-CインタフェースUSBのコネクタを挿抜することにより、ディスプレイの動作不安定状態が解消されて映像が表示されることがある。
【0012】
しかし、Type-CインタフェースUSBの機能・仕様がアップデートされるまで、表示異常状態が起きる度にコネクタ挿抜操作の暫定対策を行うことはユーザに不便を強いることになる。また、Type-CインタフェースUSBのコネクタの挿抜操作は、USBコントローラにつながる他のUSBデバイスに影響が出てしまうという問題がある。
1つの側面では、本発明は、表示装置の表示異常状態の改善を図った情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、情報処理装置が提供される。情報処理装置は、一部の信号線の用途を切替可能な外部機器接続インタフェースを介した表示装置との接続有無の検出処理を行い、表示装置との接続有りを検出した場合、表示装置から送信される映像表示コマンドを所定期間のうちに受信したか否かを判定し、映像表示コマンドを受信した場合には表示装置に映像信号を出力し、映像表示コマンドが未受信の場合には映像表示コマンドの再発行コマンドを表示装置に送信して表示装置から映像表示コマンドを再送させ、表示装置に対して映像表示制御を開始させる制御部を有する。
【発明の効果】
【0014】
1側面によれば、表示装置の表示異常状態の改善を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】情報処理装置の一例を説明するための図である。
図2】情報処理システムの一例を示す図である。
図3】情報処理装置のハードウェアの一例を示す図である。
図4】ディスプレイが情報処理装置に接続されていることの確認動作の一例を示す図である。
図5】情報処理システムにおける通常動作の一例を示す図である。
図6】情報処理システムにおける異常状態リカバリ時の動作の一例を示す図である。
図7】情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は情報処理装置の一例を説明するための図である。情報処理装置1は、外部機器接続インタフェース3を介して表示装置2に接続される。外部機器接続インタフェース3は、一部の信号線の用途を切替可能な通信接続インタフェースであって、例えば、Type-CインタフェースUSBである。
【0017】
情報処理装置1は、制御部1aと記憶部1bを備える。制御部1aの機能は、例えば、情報処理装置1が備える図示しないプロセッサが、所定のプログラムを実行することによって実現することができる。記憶部1bは、情報処理装置1の運用制御に関する情報を記憶する。
【0018】
〔ステップS1〕制御部1aは、外部機器接続インタフェース3を通じて表示装置2との接続有無の検出処理を行う。
〔ステップS2〕制御部1aは、外部機器接続インタフェース3を介した表示装置2との接続有りを検出した場合、表示装置2から送信される映像表示コマンドを所定期間に受信したか否かの判定処理を行う。
【0019】
〔ステップS3a〕表示装置2は、映像表示コマンドを情報処理装置1に送信し、制御部1aは、映像表示コマンドを受信する。
〔ステップS3b〕制御部1aは、映像表示コマンドを所定期間のうちに受信した場合、表示装置2に映像信号を出力して表示装置2に映像を表示させる。
【0020】
〔ステップS4a〕制御部1aは、表示装置2からの映像表示コマンドが未到達であり、映像表示コマンドが所定期間のうちに未受信であることを検出する。
〔ステップS4b〕制御部1aは、映像表示コマンドの再発行コマンドを表示装置2に送信する。
【0021】
〔ステップS4c〕表示装置2は、再発行コマンドを受信すると、映像表示コマンドを情報処理装置1に送信する。
〔ステップS4d〕制御部1aは、映像表示コマンドを受信した場合、表示装置2に映像信号を出力して表示装置2に映像を表示させる。
【0022】
このように、情報処理装置1では、表示装置2から送信される映像表示コマンドを所定期間のうちに受信した場合には表示装置2に映像信号を出力する。また、情報処理装置1は、所定期間のうちに映像表示コマンドが未受信の場合には、映像表示コマンドの再発行コマンドを送信して、表示装置2から映像表示コマンドを再送させて、表示装置2に対して映像表示制御を開始させる。
【0023】
ここで、情報処理装置1と表示装置2で外部機器接続インタフェース3の機能・仕様が同一でない場合において、表示装置2が一時的に動作不安定状態になって表示装置2から映像表示コマンドが送信されない場合がある。そのような場合であっても、上記の情報処理装置1によって送信される再発行コマンドにより、表示装置2の動作不安定状態を解消させることができ、表示装置2の表示異常状態を改善することが可能になる。
【0024】
次に情報処理装置1の構成および動作について以降詳しく説明する。なお、以降では、外部機器接続インタフェースをType-CインタフェースUSBとし、表示装置2をディスプレイ2と呼んで説明する。
【0025】
図2は情報処理システムの一例を示す図である。情報処理システムは、情報処理装置1と、ディスプレイ2とを有する。情報処理装置1およびディスプレイ2は、Type-CインタフェースUSBに準拠しており、Type-CインタフェースUSBのケーブル3aを介して互いに接続される。
【0026】
情報処理装置1は、ディスプレイ2に映像を表示させるコンピュータであり、ディスプレイ2は、情報処理装置1から送信された映像信号にもとづき映像表示を行う周辺装置である。なお、情報処理装置1とディスプレイ2間のコマンド等のデータ通信は、Type-CインタフェースUSBのCC(Configuration Channel)通信を用いて行われる。
【0027】
図3は情報処理装置のハードウェアの一例を示す図である。情報処理装置1は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現してもよい。
【0028】
メモリ102は、情報処理装置1の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0029】
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107、ネットワークインタフェース108およびUSBコントローラ110がある。
【0030】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、情報処理装置1の補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0031】
GPU104は、画像処理を行う演算装置であり、グラフィックコントローラとも呼ばれる。GPU104には、モニタ21が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をモニタ21の画面に表示させる。モニタ21としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0032】
入力インタフェース105には、キーボード22とマウス23とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード22やマウス23から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス23は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0033】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク24に記録されたデータの読み取り、または光ディスク24へのデータの書き込みを行う。光ディスク24は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク24には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(Re Writable)などがある。
【0034】
機器接続インタフェース107は、情報処理装置1に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置25やメモリリーダライタ26を接続することができる。メモリ装置25は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ26は、メモリカード27へのデータの書き込み、またはメモリカード27からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード27は、カード型の記録媒体である。
【0035】
ネットワークインタフェース108は、ネットワークN1に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワークN1を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。ネットワークインタフェース108は、例えばスイッチやルータなどの有線通信装置にケーブルで接続される有線通信インタフェースである。またネットワークインタフェース108は、基地局やアクセスポイントなどの無線通信装置に電波によって通信接続される無線通信インタフェースであってもよい。
【0036】
USBコントローラ110は、Type-CインタフェースUSBによる通信インタフェースを行い、ディスプレイ2が接続されて、ディスプレイ2とのコマンドの送受信や、ディスプレイ2への映像信号の送信を行う。USBコントローラ110は、プロセッサ101からの制御にもとづいて、コマンドや映像信号をディスプレイ2に送信し、ディスプレイ2から受信した信号をプロセッサ101に通知する。
【0037】
情報処理装置1は、以上のようなハードウェアによって、本発明の処理機能を実現することができる。情報処理装置1は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、本発明の処理機能を実現する。情報処理装置1に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。
【0038】
例えば、情報処理装置1に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また情報処理装置1に実行させるプログラムを、光ディスク24、メモリ装置25、メモリカード27などの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0039】
図4はディスプレイが情報処理装置に接続されていることの確認動作の一例を示す図である。
〔ステップS11〕制御部1aは、情報処理装置1の運用時、ディスプレイ2のType-CインタフェースUSBにつながる通信ポート(USBのIOポート)のユニークな第1の識別情報を取得して保持する。
【0040】
〔ステップS12〕情報処理装置1が運用停止状態になる。運用停止状態は、例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で定められるS4(休止状態)やS5(OSをシャットダウンしての電源遮断(ソフトオフ)の状態)の電源管理状態、またはReboot状態などである。
〔ステップS13〕情報処理装置1が運用停止状態から復帰して運用状態に移行し、情報処理装置1が立ち上がる。
【0041】
〔ステップS14〕制御部1aは、Type-CインタフェースUSBにつながる機器の通信ポートの第2の識別情報を取得する。
〔ステップS15〕制御部1aは、取得した第2の識別情報が、すでに保持している第1の識別情報に一致する場合、Type-CインタフェースUSBに接続されている機器はディスプレイ2であり、ディスプレイ2の接続有りを検出する。
【0042】
図5は情報処理システムにおける通常動作の一例を示す図である。
〔ステップS21〕情報処理装置1が運用停止状態から復帰して運用状態になって情報処理装置1が立ち上がる。
〔ステップS22〕情報処理装置1の制御部1aは、Type-CインタフェースUSBを通じてのディスプレイ2との接続有りの検出後、所定期間のカウントを開始する。
【0043】
〔ステップS23〕ディスプレイ2は、Type-CインタフェースUSBケーブルを介して情報処理装置1から送信された電圧信号を検知する。
〔ステップS24〕ディスプレイ2は、情報処理装置1に対して、映像表示を行うための映像表示コマンドを送信する。
【0044】
〔ステップS25〕制御部1aは、所定期間のうちに映像表示コマンドを受信すると、例えば、ディスプレイポートの映像転送規格にもとづいて映像信号をディスプレイ2に送信して、ディスプレイ2に映像を表示させる。
【0045】
図6は情報処理システムにおける異常状態リカバリ時の動作の一例を示す図である。
〔ステップS31〕情報処理装置1が運用停止状態から復帰して運用状態になって情報処理装置1が立ち上がる。
【0046】
〔ステップS32〕情報処理装置1の制御部1aは、Type-CインタフェースUSBを通じてのディスプレイ2との接続有りの検出後、所定期間のカウントを開始する。
〔ステップS33〕ディスプレイ2は、Type-CインタフェースUSBケーブルを介して情報処理装置1から送信された電圧信号を検知する。
【0047】
〔ステップS34〕制御部1aは、所定期間のうちにディスプレイ2から送信されるべき映像表示コマンドが未受信であることを検出する。
〔ステップS35〕制御部1aは、ディスプレイ2に対して、映像表示コマンドの再発行を促すための再発行コマンドを送信する。
【0048】
〔ステップS36〕ディスプレイ2は、再発行コマンドを受信した場合、情報処理装置1に対して、映像表示を行うための映像表示コマンドを送信する。
〔ステップS37〕制御部1aは、再発行コマンドの送信後に映像表示コマンドを受信すると、Type-CインタフェースUSBの下位互換性にもとづいて下位の規格に合わせた映像信号をディスプレイ2に送信して、ディスプレイ2に映像を表示させる。
【0049】
このように、情報処理装置1では、再発行コマンドの送信後に、ディスプレイ2からの映像表示コマンドを受信した場合、Type-CインタフェースUSBの下位互換性にもとづいて下位の規格に合わせた映像信号をディスプレイ2に送信する。これにより、情報処理装置1とディスプレイ2とのType-CインタフェースUSBの機能・仕様が同一でない場合でも、ディスプレイ2に映像表示を実行させることができる。
【0050】
図7図8は情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
〔ステップS41〕制御部1aは、ディスプレイ2のType-CインタフェースUSBにつながる通信ポート(USBのIOポート)の第1の識別情報を取得して保持する。
〔ステップS42〕情報処理装置1は、運用停止状態になる。
〔ステップS43〕情報処理装置1は、運用停止状態から復帰して運用状態に移行する。
【0051】
〔ステップS44〕制御部1aは、Type-CインタフェースUSBにつながる機器の通信ポートの第2の識別情報を取得する。
〔ステップS45〕制御部1aは、第1の識別情報と第2の識別情報とを比較する。第1の識別情報と第2の識別情報とが不一致の場合は処理を終了する。第1の識別情報と第2の識別情報とが一致する場合は、ディスプレイ2が情報処理装置1に接続されていると認識してステップS46の処理に進む。
【0052】
〔ステップS46〕制御部1aは、Type-CインタフェースUSBを通じてのディスプレイ2との接続有りの検出後、所定期間をカウントするタイマを駆動する。
〔ステップS47〕制御部1aは、ディスプレイ2からの映像表示コマンドを受信したか否かを検出する。映像表示コマンドを受信した場合はステップS48の処理に進み、映像表示コマンドを受信しない場合はステップS49の処理に進む。
【0053】
〔ステップS48〕制御部1aは、映像信号をディスプレイ2に送信してディスプレイ2に映像を表示させる。例えば、ディスプレイポートの規格の映像信号をディスプレイ2に送信する。
〔ステップS49〕制御部1aは、所定期間経過したか否かを判定する。所定期間経過していない場合はステップS47の処理に戻り、所定期間経過した場合はステップS50の処理に進む。
【0054】
〔ステップS50〕制御部1aは、映像表示コマンドの再発行を促す再発行コマンドをディスプレイ2に送信する。
〔ステップS51〕制御部1aは、再発行コマンドの送信回数をカウントする。
【0055】
〔ステップS52〕制御部1aは、再発行コマンドの送信回数が所定回数以内のときに映像表示コマンドを受信したか否かを判定する。再発行コマンドを所定回数送信してもディスプレイ2から映像表示コマンドが送信されず、映像表示コマンドが未受信の場合はステップS53の処理に進む。送信回数が所定回数以内の再発行コマンドでディスプレイ2から映像表示コマンドが送信されて、映像表示コマンドを受信した場合はステップS54の処理に進む。
【0056】
〔ステップS53〕制御部1aは、ディスプレイ2の異常と判定する。この場合、制御部1aは、例えば、情報処理装置1のモニタ21上にアラームを表示する。
〔ステップS54〕制御部1aは、再発行コマンドの送信後に映像表示コマンドを受信すると、Type-CインタフェースUSBの下位互換性にもとづいて下位の規格に合わせて映像信号をディスプレイ2に送信して、ディスプレイ2に映像を表示させる。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、情報処理装置1とディスプレイ2でType-CインタフェースUSBの機能・仕様が同一でない場合にディスプレイ2が一時的に動作不安定状態になっても、情報処理装置1によって送信される再発行コマンドにより、ディスプレイ2の動作不安定状態を解消させて、下位互換性にもとづく映像信号を送信するので、表示異常状態を改善することが可能になる。
【0058】
また、従来行われていたようなコネクタ挿抜の暫定対策が不要になるので、ユーザの操作の利便性を高めることができ、さらにUSBコントローラにつながる他のUSBデバイスに影響を与えることを抑制することができる。
【0059】
上記で説明した本発明の情報処理装置1の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。この場合、情報処理装置1が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0060】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶部、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶部には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、CD-ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)等がある。
【0061】
プログラムを流通させる場合、例えば、そのプログラムが記録されたCD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶部に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0062】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶部に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶部からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0063】
また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。
【0064】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 情報処理装置
1a 制御部
1b 記憶部
2 表示装置
3 外部機器接続インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8