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特開2024-66055容器、及び、内視鏡用フード及び内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせ
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  • 特開-容器、及び、内視鏡用フード及び内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせ 図1
  • 特開-容器、及び、内視鏡用フード及び内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせ 図2
  • 特開-容器、及び、内視鏡用フード及び内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせ 図3
  • 特開-容器、及び、内視鏡用フード及び内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066055
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】容器、及び、内視鏡用フード及び内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240508BHJP
   B65D 81/22 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A61B1/00 653
A61B1/00 651
B65D81/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175289
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000131245
【氏名又は名称】株式会社シード
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】尾形 聡
(72)【発明者】
【氏名】神田 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】金田 栞
(72)【発明者】
【氏名】高須 由佳
(72)【発明者】
【氏名】松永 透
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆郎
(72)【発明者】
【氏名】森田 圭紀
【テーマコード(参考)】
3E067
4C161
【Fターム(参考)】
3E067AA13
3E067AB83
3E067AC01
3E067BA01A
3E067BC07A
3E067EA32
3E067EB17
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA21
3E067GD10
4C161FF37
4C161GG13
(57)【要約】
【課題】湿潤状態を維持すると共に、移送中の破損を抑止することを可能にし、更には、取り出し性に優れる内視鏡用フードを収容する容器を提供すること。
【解決手段】内視鏡用フード30を収容する容器1であって、蓋部10と、収容部20と、を備え、蓋部10の天面の内側において、蓋部側凸部11が形成されており、収容部20の底面の内側において、収容部側凸部21が形成されており、蓋部10及び収容部20が組み合わされている状態において、蓋部側凸部11と収容部側凸部21との間の距離は、0.01mm~5.0mmである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡用フードを収容する容器であって、
蓋部と、
収容部と、を備え、
前記蓋部の天面の内側において、蓋部側凸部が形成されており、
前記収容部の底面の内側において、収容部側凸部が形成されており、
前記蓋部及び前記収容部が組み合わされている状態において、前記蓋部側凸部と前記収容部側凸部との間の距離は、0.01mm~5.0mmである、容器。
【請求項2】
前記蓋部側凸部の長さと前記収容部側凸部の長さとの比は、1:2~1:10である、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記収容部側凸部の長さと前記蓋部側凸部の長さとの比は、1:2~1:10である、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記蓋部側凸部及び前記収容部側凸部は、円柱形状又は円錐台形状である、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
内視鏡用フード及び前記内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせであって、
前記容器は、蓋部と、収容部と、を備え、
前記蓋部の天面の内側において、蓋部側凸部が形成されており、
前記収容部の底面の内側において、収容部側凸部が形成されており、
前記内視鏡用フードは、
筒形状の外装部と、
前記外装部の内側面に接して設けられた平面形状の円盤部とを具備しており、
少なくとも前記円盤部は、ハイドロゲル製であり、
前記容器は、前記内視鏡用フードと共に、保存液を収容する、組み合わせ。
【請求項6】
前記蓋部側凸部は、前記保存液に接触する、請求項5に記載の組み合わせ。
【請求項7】
前記蓋部側凸部の長さは、前記内視鏡用フードの挿入側端部の凹部の深さの101~175%であり、
前記収容部側凸部の長さは、前記内視鏡用フードの装着側端部の凹部の深さの101~175%である、請求項5に記載の組み合わせ。
【請求項8】
前記蓋部側凸部の内径は、前記内視鏡用フードの挿入側端部の凹部の直径の75~90%であり、
前記収容部側凸部の内径は、前記内視鏡用フードの装着側端部の凹部の直径の75~90%である、請求項5に記載の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡用フードを収容する容器及び、内視鏡用フード及び内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡を用いた手術や検査においては、内視鏡の延出部(挿入側端部)から生体組織までの至適距離の確認及び視野の確保を目的として、内視鏡の延出部に透明なフード(内視鏡用フード)が装着される。ここで、かかる内視鏡用フードは、ABSやポリカーボネートや塩化ビニルやシリコーンゴム等の素材により形成されている。
【0003】
しかしながら、かかる内視鏡用フードは、内視鏡の延出部から生体組織までの至適距離の確認及び視野の確保を目的として装着されるものであり、カメラレンズや照明レンズの部分を被覆していないため、内視鏡用フードを装着した内視鏡を用いた検査や手術において、カメラレンズや照明レンズの部分に体液や油脂が付着し、視界が不鮮明になるという問題点があった。
【0004】
このような問題点を解決するために、特許文献1に示すようなハイドロゲル製の内視鏡用フードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2019/026743
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般的に用いられる内視鏡用フードは、上述のような素材により形成されていることから、市場に流通される際には、気相環境下において、フィルム状の封止材間やフィルムで封止された容器内等に密閉された状態で包装されているが、ハイドロゲル製の内視鏡用フードにおいては、湿潤状態を維持できない場合、品質の低下が懸念されるため、気相環境下における従来の包装形態では好ましくないという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、湿潤状態を維持すると共に、移送中の破損を抑止することを可能にし、更には、取り出し性に優れる内視鏡用フードを収容する容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る容器は、内視鏡用フードを収容する容器であって、蓋部と、収容部と、を備え、前記蓋部の天面の内側において、前記内視鏡用フードの挿入側端部の凹部の形状に対応する蓋部側凸部が形成されており、前記収容部の底面の内側において、前記内視鏡用フードの装着側端部の凹部の形状に対応する収容部側凸部が形成されており、前記蓋部及び前記収容部が組み合わされている状態において、前記蓋部側凸部と前記収容部側凸部との間の距離は、0.01mm~5.0mmであることを要旨とする。
【0009】
一態様に係る容器は、内視鏡用フード及び前記内視鏡用フードを収容する容器の組み合わせであって、前記容器は、蓋部と、収容部と、を備え、前記蓋部の天面の内側において、蓋部側凸部が形成されており、前記収容部の底面の内側において、収容部側凸部が形成されており、前記内視鏡用フードは、筒形状の外装部と、前記外装部の内側面に接して設けられた平面形状の円盤部とを具備しており、少なくとも前記円盤部は、ハイドロゲル製であり、前記容器は、前記内視鏡用フードと共に、保存液を収容することを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、湿潤状態を維持すると共に、移送中の破損を抑止することを可能にし、更には、取り出し性に優れる内視鏡用フードを収容する容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る内視鏡用フード30を収容する容器1の上方斜視図の一例である。
図2図2は、第1実施形態に係る内視鏡用フード30を収容する容器1の断面図の一例である。
図3図3は、第1実施形態に係る内視鏡用フード30を収容する容器1の蓋部10及び収容部20を開放した際の上方斜視図の一例である。
図4図4は、第1実施形態に係る内視鏡用フード30の上方斜視図の一例である。
図5図5は、第1実施形態に係る内視鏡用フード30の断面図の一例である。
図6図6は、第1実施形態に係る内視鏡用フード30及び容器1を組み合わせた状態の断面の一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0013】
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0014】
<第1実施形態>
図1図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る内視鏡用フード30を収容する容器1について説明する。図1は、本実施形態に係る内視鏡用フード30を収容する容器1の上方斜視図の一例を示し、図2は、本実施形態に係る内視鏡用フード30を収容する容器1の断面図の一例を示し、図3は、本実施形態に係る内視鏡用フード30を収容する容器1の蓋部10及び収容部20を開放した際の上方斜視図の一例を示し、図4は、本実施形態に係る内視鏡用フード30の上方斜視図の一例を示し、図5は、第1実施形態に係る内視鏡用フード30の断面図の一例を示し、図6は、第1実施形態に係る内視鏡用フード30及び容器1を組み合わせた状態の断面の一例について説明する図を示す。
【0015】
以下、本実施形態では、ハイドロゲル製の内視鏡用フード30を収容する容器1を例に挙げて説明するが、本発明の技術的範囲は、かかる例に限定されるものではなく、本発明は、その目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
【0016】
図1図3に示すように、本実施形態に係る内視鏡用フード30を収容する容器1は、蓋部10と、収容部20とを有している。
【0017】
ここで、蓋部10及び収容部20の材質としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられるが、成形性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましく、特に、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく用いられる。
【0018】
また、蓋部10及び収容部20の成型方法としては、射出成形や中空成形や熱成形等の一般に用いられる方法を取り得るが、成形性の観点から、射出成形が好ましい。
【0019】
さらに、蓋部10及び収容部20を組み合わせるための構造としては、ねじ式(図1図3参照)や嵌合式等の一般に用いられる形状を取り得るが、密閉性の観点から、ねじ式が好ましい。 図1図3に示すように、蓋部10の天面の内側において、蓋部側凸部11が形成されている。同様に、収容部20の底面の内側において、収容部側凸部21が形成されている。
【0020】
ここで、蓋部側凸部11は、内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部の形状(図6参照)に対応している。すなわち、内視鏡用フード30が、容器1に収容される場合、蓋部側凸部11は、内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部に嵌入するように構成されている。
【0021】
また、収容部側凸部21は、内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部の形状(図6参照)に対応している。すなわち、内視鏡用フード30が、容器1に収容される場合、収容部側凸部21は、内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部に嵌入するように構成されている。
【0022】
なお、蓋部側凸部11は、内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部の形状(図6参照)に対応していてもよい。すなわち、内視鏡用フード30が、容器1に収容される場合、蓋部側凸部11は、内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部に嵌入するように構成されていてもよい。
【0023】
また、収容部側凸部21は、内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部の形状(図6参照)に対応していてもよい。すなわち、内視鏡用フード30が、容器1に収容される場合、収容部側凸部21は、内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部に嵌入するように構成されていてもよい。
【0024】
なお、内視鏡用フード30が、容器1に収容される場合、容器1には、保存液も収容されている。
【0025】
かかる構成によれば、内視鏡用フード30を容器1に収容する場合に、保存液によって容器1内を湿潤状態に保ちつつ、容器1内において内視鏡用フード30を係止できるため、移送中の破損を抑制することが可能にすることができる。
【0026】
図4及び図5に示すように、内視鏡用フード30は、筒形状(例えば、略円筒形状)の外装部31と、外装部31の内側面に接して設けられた平面形状(例えば、円盤形状)の円盤部32とを備えている。
【0027】
なお、本実施形態において、内視鏡用フード30において、少なくとも円盤部32は、ハイドロゲル製である。
【0028】
図4及び図5に示すように、外装部31は、内視鏡用フード30の装着側端部E2に連接する装着部31Aと、内視鏡用フード30の挿入側端部E1に連接する先端部31Bとを備えている。
【0029】
ここで、外装部31は、内側面において内視鏡の外側面に接するように構成されており、内視鏡用フード30を内視鏡に固定するように構成されている。
【0030】
図4に示すように、円盤部32は、鉗子の出入り口となる鉗子口33と、洗浄水の出口となる送水口34とを備えている。円盤部32は、鉗子口33及び送水口34以外の部分で、内視鏡の挿入側端部を覆うことで、特に、カメラレンズが汚染されることを防ぐことができる。
【0031】
先端部31Bは、外装部31の内径及び外径と略同一の寸法で形成される円筒形状を有し、外装部31の挿入側端部E1に連接して設けられる。
【0032】
図5に示すように、先端部31Bの深さaは、至適距離及び視野を確保できる長さであれば特に限定されず、1~10mmが好ましく、2~5mmがより好ましい。ここで、先端部31Bの深さaは、10mmを超過すると、カメラレンズへの先端部31Bの写り込みが大きくなり、視野が狭まるため好ましくない。
【0033】
図5に示すように、装着部31Aの深さbは、内視鏡用フード30を内視鏡に固定するのに十分な長さであれば特に限定されず、5~20mmが好ましく、10~15mmがより好ましい。
【0034】
図5に示すように、先端部31Bの内径c及び装着部31Aの内径dは、使用する内視鏡に合わせて適宜設計される。
【0035】
図5に示すように、先端部31Bの厚みe及び装着部31Aの厚みfは、0.1~1.0mmが好ましく、0.3~0.5mmがより好ましい。
【0036】
円盤部32の厚みgは、0.01~1.0mmが好ましく、0.05~0.7mmがより好ましく、0.1~0.5mmが最も好ましい。ここで、円盤部32の厚みが1.0mmを超過すると、カメラレンズを介して得られる視野に悪影響を及ぼし、0.01mmよりも小さい場合は、強度が低くなり、使用時の破損が生じることが懸念されるため好ましくない。
【0037】
したがって、内視鏡用フード30の外径X及び長さYは、a~gの値に従って決定されることとなる。
【0038】
また、図1及び図2に示すように、蓋部側凸部11及び収容部側凸部21は、円柱形状又は円錐台形状であってもよい。
【0039】
図6に示すように、蓋部側凸部11の長さ(高さ)a’は、容器1内に収容する内視鏡用フード30の先端部31Bの深さ(すなわち、内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部の深さ)aに対応し、先端部31Bの深さaに対して、101%~175%であることが好ましく、105%~150%がより好ましく、110~150%であることが最も好ましい。
【0040】
ここで、蓋部側凸部11の長さa’が、先端部31Bの深さaに対して、101%未満の場合、移送時の振動により、蓋部側凸部11が円盤部32に接触することにより円盤部32を傷つける危険性があるため好ましくなく、175%を超過する場合、内視鏡用フード30の係止性が低下するため好ましくない。
【0041】
図6に示すように、収容部側凸部21の長さ(高さ)b’は、容器1内に収容する内視鏡用フード30の装着部31Aの深さ(すなわち、内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部の深さ)bに対応し、装着部31Aの深さbに対して、101%~175%であることが好ましく、105%~150%がより好ましく、110~150%であることが最も好ましい。
【0042】
ここで、収容部側凸部21の長さb’が、装着部31Aの深さbに対して、101%未満の場合、移送時の振動により、蓋部側凸部が円盤部に接触することにより円盤部32を傷つける危険性があるため好ましくなく、175%を超過する場合、内視鏡用フード30の係止性が低下するため好ましくない。
【0043】
なお、上述のように、蓋部側凸部11を内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部に対応させ、収容部側凸部21を内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部に対応させる場合、蓋部側凸部11の長さa’は、内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部の深さbに対応し、収容部側凸部21の長さb’は、内視鏡用フード30の先端部31Bの凹部の深さaに対応する。
【0044】
かかる場合、蓋部側凸部11の長さa’は、装着部31Aの深さbに対して、101%~175%であることが好ましく、105%~150%がより好ましく、110~150%であることが最も好ましい。
【0045】
同様に、収容部側凸部21の長さb’は、先端部31Bの深さaに対して、101%~175%であることが好ましく、105%~150%がより好ましく、110~150%であることが最も好ましい。
【0046】
ここで、蓋部10及び収容部20が組み合わされている状態において、蓋部側凸部11と収容部側凸部21との間の距離Dは、0.01mm~5.0mmである。
【0047】
なお、蓋部側凸部11と収容部側凸部21との間の距離Dは、円盤部32の厚みgよりも大きくなるように構成されている。
【0048】
また、蓋部側凸部11が内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部に対応し、収容部側凸部21が内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部に対応する場合、蓋部側凸部11の長さa’と収容部側凸部21の長さb’との比は、1:2~1:10であってもよい。
【0049】
一方、蓋部側凸部11が内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部に対応し、収容部側凸部21が内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部に対応する場合、収容部側凸部21の長さb’と蓋部側凸部11の長さa’との比は、1:2~1:10であってもよい。
【0050】
同様に、蓋部側凸部11の直径c’は、容器1内に収容する内視鏡用フード30の先端部31Bの内径(すなわち、内視鏡用フード30の挿入側端部E1の凹部の内径)cに対応し、先端部31Bの内径cに対して、50%~99%であることが好ましく、75%~95%がより好ましく、75~90%であることが最も好ましい。
【0051】
ここで、蓋部側凸部11の直径c’が、先端部31Bの内径cに対して、50%未満の場合、内視鏡用フード30の係止性が低下するため好ましくなく、99%を超過する場合、移送時の振動により先端部31Bの内壁面を傷つける恐れがあるため好ましくない。
【0052】
同様に、収容部側凸部21の直径d’は、容器1内に収容する内視鏡用フード30の装着部31Aの内径(すなわち、内視鏡用フード30の装着側端部E2の凹部の内径)dに対応し、装着部31Aの内径dに対して、50%~99%であることが好ましく、75%~95%がより好ましく、75~90%であることが最も好ましい。
【0053】
ここで、収容部側凸部21の直径d’が、装着部31Aの内径dに対して、50%未満の場合、内視鏡用フード30の係止性が低下するため好ましくなく、99%を超過する場合、移送時の振動により先端部31Bの内壁面を傷つける恐れがあるため好ましくない。
【0054】
すなわち、本実施形態では、蓋部側凸部11の直径c’は、収容部側凸部21の直径d’と同程度のサイズであってもよい。
【0055】
このようなサイズで容器1を構成することで、容器1内に収容されている内視鏡用フード30の取り出し性を向上させることができる。
【0056】
また、内視鏡用フード30が、容器1に収容される場合、保存液は、内視鏡用フード30の全体を浸すことができる量だけ収容される。その際、少なくとも蓋部側凸部11の一部は、保存液の液面に接触する。
【0057】
本実施形態に係る容器1によれば、湿潤状態を維持すると共に、移送中の破損を抑止することを可能にし、更には、取り出し性を向上させることができる。
【0058】
上述のように、本発明について、上述した実施形態によって説明したが、かかる実施形態における開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。かかる開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0059】
1…容器
10…蓋部
11…蓋部側凸部
20…収容部
21…収容部側凸部
30…内視鏡用フード
31…外装部
31A…装着部
31B…先端部
32…円盤部
33…鉗子口
34…送水口
図1
図2
図3
図4
図5
図6