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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066060
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】ラベル被覆装置及びラベル装着装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/18 20060101AFI20240508BHJP
   B65B 53/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
B65C9/18
B65B53/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175305
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】595039900
【氏名又は名称】株式会社フジヤマ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】秋山 隆
(72)【発明者】
【氏名】野坂 尚広
(72)【発明者】
【氏名】藤林 万里夫
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA07
3E095BA10
3E095CA10
3E095DA03
3E095DA24
3E095DA44
3E095DA47
3E095DA59
3E095EA02
3E095EA09
3E095EA14
3E095EA22
3E095EA26
3E095EA34
3E095FA08
(57)【要約】
【課題】ラベル原反を送り出す際の慣性や摩擦を低減させることで、ラベルにかかる負荷を軽減し、ラベルの破れを防ぐ。
【解決手段】帯状のラベル原反Zを所定長さずつカットしながら、そのカットされてなるラベルLを容器Bに被覆させるラベル被覆装置100であって、ラベル原反Zの搬送路に設けられて、ラベル原反Zが架け渡される複数のガイドローラRを備え、複数のガイドローラRの少なくとも1つが、シャフト141と、シャフト141の軸方向に沿って間欠的に設けられるとともに、シャフト141を回転軸に回転可能な複数の回転体142とを有する多段ローラ12である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のラベル原反を所定長さずつカットしながら、そのカットされてなるラベルを容器に被覆させるラベル被覆装置であって、
前記ラベル原反の搬送路に設けられて、前記ラベル原反が架け渡される複数のガイドローラを備え、
前記複数のガイドローラの少なくとも1つが、シャフトと、前記シャフトの軸方向に沿って間欠的に設けられるとともに、前記シャフトを回転軸に回転可能な複数の回転体とを有する多段ローラであることを特徴とするラベル被覆装置。
【請求項2】
前記複数の回転体が、前記シャフトに対して互いに独立して回転することを特徴とする請求項1記載のラベル被覆装置。
【請求項3】
前記ラベル原反を所定長さずつ送り出す送りユニットを備え、
前記多段ローラが、前記送りユニットの上流に配置されていることを特徴とする請求項1記載のラベル被覆装置。
【請求項4】
前記送りユニットよりも上流に配置されるとともに、前記送りユニットと同期して前記ラベル原反を送り出す補正送りユニットをさらに備え、
前記多段ローラが、前記送りユニットと前記補正送りユニットとの間に配置されていることを特徴とする請求項3記載のラベル被覆装置。
【請求項5】
前記送りユニットから送り出される際の前記ラベル原反に加わるテンションを吸収するためのバッファユニットを備え、
前記多段ローラが、前記バッファユニットを構成していることを特徴とする請求項3記載のラベル被覆装置。
【請求項6】
前記バッファユニットが、
1又は複数の固定ローラと、
前記固定ローラに対して進退可能に設けられた1又は複数の可動ローラと、
前記可動ローラを前記固定ローラから離す方向に付勢する付勢部材とを有し、
前記多段ローラが、前記固定ローラと前記可動ローラとの一方又は両方に用いられていることを特徴とする請求項5記載のラベル被覆装置。
【請求項7】
前記バッファユニットが、前記可動ローラを複数有しており、それらの可動ローラが前記固定ローラに対して一体的に進退することを特徴とする請求項6記載のラベル被覆装置。
【請求項8】
前記バッファユニットが、前記可動ローラを複数有しており、それらの可動ローラが前記固定ローラに対して互いに独立して進退することを特徴とする請求項6記載のラベル被覆装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のうち何れか一項に記載のラベル被覆装置と、
筒状の前記ラベルを加熱して収縮させることで前記容器に装着させる加熱トンネルとを備えることを特徴とするラベル装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル被覆装置、及び、ラベル装着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のラベル被覆装置としては、特許文献1に示すように、帯状のラベル原反を所定長さずつカッターに送り出してカットすることで、筒状のラベルにして容器に被せるものがある。
【0003】
この装置には、ラベル原反を挟み込む一対の送りローラが用いられており、これらの送りローラの回転及び停止を繰り返すことで、ラベル原反が間欠的に送り出されるように構成されている。
【0004】
上述した構成において、ラベル原反の搬送路には長尺状のガイドローラが複数箇所に設けられており、これらのガイドローラにラベル原反が巻き掛けられている。
【0005】
しかしながら、このような構成であると、ラベル原反を送り出すことで、ガイドローラが慣性により回転しようとするとともに、ラベル原反とガイドローラとの間に摩擦が生じてしまう。
【0006】
その結果、間欠的に送り出す際のラベル原反に負荷がかかり、フィルム製のラベルであれば、ミシン目が破れてしまうし、紙製のラベルであれば、やはり途中で破れてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-178420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決すべくなされたものであり、ラベル原反を送り出す際の慣性や摩擦を低減させることで、ラベルにかかる負荷を軽減し、ラベルの破れを防ぐことを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係るラベル被覆装置は、帯状のラベル原反を所定長さずつカットしながら、そのカットされてなるラベルを容器に被覆させるラベル被覆装置であって、前記ラベル原反の搬送路に設けられて、前記ラベル原反が架け渡される複数のガイドローラを備え、前記複数のガイドローラの少なくとも1つが、シャフトと、前記シャフトの軸方向に沿って間欠的に設けられるとともに、前記シャフトを回転軸に回転可能な複数の回転体とを有する多段ローラであることを特徴とするものである。
【0010】
このように構成されたラベル被覆装置によれば、ガイドローラとして、複数の回転体を間欠的に設けた多段ローラを用いているので、従来の長尺状のガイドローラと比べて、軽量化を図れるとともに、ラベル原反との接触面積を小さくすることができる。
これにより、ラベル原反を送り出す際の慣性や摩擦を低減させることができ、ラベルにかかる負荷が軽減されるので、ラベルの破れを防ぐことが可能となる。
【0011】
ラベル原反の幅寸法は様々であるから、本装置を幅広のラベル原反に適用できるようにするためには、1本のシャフトに対してある程度の数の回転体を設けておくことが望ましい。ところが、その装置を幅狭のラベル原反に適用すると、全ての回転体にラベル原反が架け渡されず、ラベル原反に接触しない回転体があらわれる。
また、ラベル原反が複数個の回転体に跨って架け渡されていても、全ての回転体に均等に接触しているわけではなく、殆ど接触していない回転体もある。
そこで、前記複数の回転体が、前記シャフトに対して互いに独立して回転することが好ましい。
このような構成であれば、ラベル原反が接触していない或いは殆ど接触していない回転体を回転させずに済むので、ラベル原反を送り出す際の慣性や摩擦をより確実に低減させることができる。
【0012】
前記ラベル原反を所定長さずつ送り出す送りユニットを備え、前記多段ローラが、前記送りユニットの上流に配置されていることが好ましい。
このような構成であれば、ラベル原反の搬送路のなかで、ラベル原反にテンションがかかる位置に多段ローラを設けることができ、多段ローラによる慣性や摩擦の低減効果を有効に発揮させることができる。
【0013】
前記送りユニットよりも上流に配置されるとともに、前記送りユニットと同期して前記ラベル原反を送り出す補正送りユニットをさらに備え、前記多段ローラが、前記送りユニットと前記補正送りユニットとの間に配置されていることが好ましい。
このような構成であれば、送り出される際のラベル原反に加わるテンションを補正送りユニットによって低減させることができる。また、テンションのかかる位置に設けられた多段ローラにより慣性や摩擦を効果的に低減させることができる。
【0014】
より具体的な態様としては、前記送りユニットから送り出される際の前記ラベル原反に加わるテンションを吸収するためのバッファユニットを備え、前記多段ローラが、前記バッファユニットを構成しているものを挙げることができる。
【0015】
前記バッファユニットが、1又は複数の固定ローラと、前記固定ローラに対して進退可能に設けられた1又は複数の可動ローラと、前記可動ローラを前記固定ローラから離す方向に付勢する付勢部材とを有し、前記多段ローラが、前記固定ローラと前記可動ローラとの一方又は両方に用いられていることが好ましい。
このような構成であれば、バッファユニットが、ラベル原反に加わるテンションに対するバッファ機能のみならず、ラベル原反を送り出す際の慣性や摩擦の低減機能をも発揮する。
【0016】
前記バッファユニットの具体的な態様としては、前記可動ローラを複数有しており、それらの可動ローラが前記固定ローラに対して一体的に進退する態様を挙げることができる。
このような構成であれば、複数の可動ローラに対して共通の付勢部材を用いることができ、コストを抑えることができる。また、装置に組立等の簡素化を図れる。
【0017】
別の態様としては、前記バッファユニットが、前記可動ローラを複数有しており、それらの可動ローラが前記固定ローラに対して互いに独立して進退する態様を挙げることができる。
このような構成であれば、その時々で動かすべき可動ローラのみが動くので、その時々に応じた適切なバッファ効果を発揮させることができる。
【0018】
また、本発明に係るラベル装着装置は、上述したラベル被覆装置と、筒状の前記ラベルを加熱して収縮させることで前記容器に装着させる加熱トンネルとを備えることを特徴とするものである。
このように構成されたラベル装着装置であれば、上述したラベル被覆装置と同様の作用効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0019】
このように構成した本発明によれば、ラベル原反を送り出す際の負荷を低減させることができ、ラベルが破れてしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態のラベル装着装置の全体構成を示す模式図。
図2】同実施形態のラベル被覆装置の構成を示す模式図。
図3】同実施形態のバッファユニットの構成を示す模式図。
図4】同実施形態の多段ローラの構成を示す模式図。
図5】同実施形態の多段ローラの構成を示す模式図。
図6】その他の実施形態のラベル被覆装置の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係るラベル被覆装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
本実施形態のラベル装着装置300は、図1に示すように、容器Bに筒状ラベルLを被覆するラベル被覆装置100と、筒状ラベルLが被覆された容器Bを加熱して収縮させることで容器Bに装着させる加熱トンネル200とを備えるものである。なお、筒状ラベルLは、この実施形態ではシュリンクラベルと称されるフィルム製のラベルであるが、紙製のラベルであっても良い。
【0023】
加熱トンネル200は、例えば熱風、蒸気、又は過熱蒸気を用いて筒状ラベルLを熱収縮させるものなど、種々のタイプのものを挙げることができる。ただし、筒状ラベルLが紙製の場合など、ラベル装着装置300としては、必ずしも加熱トンネル200を備えている必要はない。
【0024】
ラベル被覆装置100は、図2に示すように、ラベル原反Zを所定長さずつカットして、そのカットされてなる筒状ラベルLを容器Bに被覆するものである。
【0025】
ラベル原反Zは、多数枚の筒状ラベルLが連なったものを例えばロール状にしたものであり、回転ドラムDなどにセットされる。ただし、ラベル原反Zは、必ずしもロール状である必要はなく、多数枚の筒状ラベルLが連なったものが折り重ねられたものであっても良い。
【0026】
具体的にこのラベル被覆装置100は、図2に示すように、ラベル原反Zを搬送する搬送機構10と、ラベル原反Zをカットするカッター20と、カットされた筒状ラベルLが通されて筒状に開く所謂マンドレル30とを備えている。
【0027】
本発明に係るラベル被覆装置100は、搬送機構10にポイントがあるので、以下に詳述する。
【0028】
搬送機構10は、図2に示すように、ラベル原反Zを所定長さずつカッターに送り出す送りユニット11と、送りユニット11よりも上流に設けられたバッファユニット12と、バッファユニット12の上流に設けられた補正送りユニット13とを備えている。
【0029】
送りユニット11は、ラベル原反Zを挟みながら回転する一対の送りローラ111を有している。
【0030】
これらの送りローラ111は、制御部(不図示)により制御されて、回転及びその回転の停止が交互に繰り返される。これにより、ラベル原反Zは、送りローラ111から所定長さずつカッターに向かって送り出される。
【0031】
バッファユニット12は、送りユニット11から送り出される際のラベル原反Zに加わるテンションを吸収するためのものである。
【0032】
このバッファユニット12は、図3に示すように、複数の固定ローラ121と、これらの固定ローラ121に対して進退可能に設けられた複数の可動ローラ122と、可動ローラ122を固定ローラ121から離す方向に付勢する付勢部材123とを有しており、ラベル原反Zは、固定ローラ121及び可動ローラ122に交互に架け渡されている。
【0033】
より具体的に説明すると、複数の固定ローラ121は、第1方向X(ここでは水平方向)に沿って配列されており、ここでは共通の固定側支持部材124に支持されて一体的に設けられている。
【0034】
一方、複数の可動ローラ122は、固定ローラ121から第1方向Xと直交する第2方向Y(ここでは鉛直方向)に離れた位置において、第1方向X(ここでは水平方向)に沿って配列されている。
【0035】
これらの可動ローラ122は、第2方向Yに沿って移動可能なものであり、ここでは共通の可動側支持部材125に支持されて一体的に設けられている。これにより、複数の可動ローラ122は、固定ローラ121に対して一体的に進退する。
【0036】
付勢部材123は、複数の可動ローラ122を固定ローラ121から離す方向に付勢することで、可動ローラ122を固定ローラ121から第2方向Yに離間した静止位置に保持しようとするものである。なお、付勢部材123としては、種々の弾性部材を用いて構わないが、ここでは伸び量によらず一定の張力を与える渦巻きばね(コンストンスプリングとも称する)である。
【0037】
本実施形態では、上述したように、複数の可動ローラ122が一体的に設けられていることから、1つの共通の付勢部材123を用いて、複数の可動ローラ122を静止位置に付勢している。
【0038】
上述した構成により、ラベル原反Zが送りユニット11から送り出されるタイミングで、静止位置にある可動ローラ122が瞬間的に固定ローラ121に近づき、これにより固定ローラ121と可動ローラ122との距離が縮むので、ラベル原反Zに加わるテンションが吸収される。なお、可動ローラ122は、瞬間的に固定ローラ121に近づいた後、付勢部材123の付勢力により再び静止位置に戻る。
【0039】
図2に戻り、補正送りユニット13は、送りユニット11から送られる際のラベル原反Zに加わるテンションを低減させるためのものであり、言い換えれば、上述した可動ローラ122の動きを小さくするためのものである。
【0040】
この補正送りユニット13は、ラベル原反Zを挟みながら回転する一対の補正送りローラ131を有している。
【0041】
これらの補正送りローラ131は、制御部(不図示)により制御されて、送りローラ111と同期するように、回転及びその回転の停止が交互に繰り返される。これにより、補正送りユニット13からは、送りユニット11と同じ所定長さ又はやや短い長さのラベル原反Zが送り出される。
【0042】
上述した構成において、ラベル被覆装置100は、図2に示すように、ラベル原反Zの搬送路の複数個所に配置されてラベル原反Zが架け渡され、そのラベル原反Zの搬送をガイドするガイドローラRを備えている。
【0043】
そして、このガイドローラRの一部又は全部は、図4及び図5に示すように、シャフト141と、シャフト141の軸方向に沿って間欠的に設けられた複数の回転体142とを有する多段ローラ14である。
【0044】
シャフト141は、ラベル原反Zの幅方向に沿って延びる長尺状のものである。
【0045】
回転体142は、シャフト141を回転軸に回転可能なものであり、回転軸受又は滑り軸受を介してシャフト141に設けられるものである。この実施形態の回転体142は、例えば軽量な樹脂製のボールベアリングを介してシャフト141に設けられている。ただし、ボールベアリングの材質は樹脂に限らず、金属製のものであっても構わない。
【0046】
これらの回転体142は、シャフト141に対して互いに独立して回転するように構成されており、さらには、シャフト141に沿った軸方向の位置を互いに独立して変更可能である。
【0047】
各回転体142は、例えばポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンなどの滑り性に富む樹脂からなる。ただし、回転体142としては、アルミニウムなどの金属を用いても良く、この場合は、金属表面をテクノマイト処理等の表面処理により滑り性を付与しても良い。
【0048】
このように構成された多段ローラ14は、図2に示すように、送りユニット11の上流側に少なくとも1つは設けられており、この実施形態では、送りユニット11と補正送りユニット13との間の複数箇所に設けられている。
【0049】
より詳細に説明すると、送りユニット11と補正送りユニット13との間にあるガイドローラRのうち、制御部(不図示)により制御されるもの以外の全てが多段ローラ14である。
【0050】
すなわち、上述したバッファユニット12も、多段ローラ14を用いて構成されており、ここでは、複数の固定ローラ121及び複数の可動ローラ122のそれぞれに多段ローラ14が用いられている。
【0051】
さらに、本実施形態では、図2に示すように、上述した補正送りユニット13のさらに上流に第2の補正送りユニット15が設けられており、補正送りユニット13と第2の補正送りユニット15との間にも多段ローラ14が設けられている。なお、第2の補正送りユニット15は、上述した補正送りユニット13と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0052】
具体的には、補正送りユニット13と第2の補正送りユニット15との間には、第2のバッファユニット16が設けられており、この第2のバッファユニット16を構成する固定ローラ121及び可動ローラ122に多段ローラ14が用いられている。なお、第2のバッファユニット16は、上述したバッファユニット12と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0053】
<本実施形態の効果>
このように構成したラベル被覆装置100によれば、ガイドローラRとして、複数の回転体142をシャフト141の軸方向に沿って間欠的に設けた多段ローラ14を用いているので、従来の長尺状のガイドローラと比べて、軽量化を図れるとともに、ラベル原反Zとの接触面積を小さくすることができる。
これにより、ラベル原反Zを送り出す際の慣性や摩擦を低減させることができ、ラベルにかかる負荷が軽減されるので、ラベルの破れを防ぐことが可能となる。
【0054】
また、複数の回転体142が、シャフト141に対して互いに独立して回転するので、ラベル原反Zが接触していない或いは殆ど接触していない回転体142を回転させずに済み、ラベル原反Zを送り出す際の慣性や摩擦をより確実に低減させることができる。
【0055】
さらに、多段ローラ14が、送りユニット11と補正送りユニット13との間に配置されているので、ラベル原反Zの搬送路のなかで、ラベル原反Zにテンションがかかる位置に多段ローラ14を設けることができ、多段ローラ14による慣性や摩擦の低減効果を有効に発揮させることができる。
【0056】
加えて、バッファユニット12を構成する複数の可動ローラ122が固定ローラ121に対して一体的に進退するので、複数の可動ローラ122に対して共通の付勢部材123を用いることができ、コストを抑えることができる。
【0057】
ここで、バッファユニット12によるバッファ機能の向上を図るには、固定ローラ121や可動ローラ122の個数を増やす対応が考えられるが、この場合、可動ローラ122や固定ローラ121に従来の長尺状のガイドローラを用いられていると、ローラの個数を増やす分だけ、慣性や摩擦が増大する。
すなわち、従来の構成であると、バッファ機能の向上と慣性や摩擦の低減とはトレードオフの関係にある。
【0058】
これに対して、本実施形態では、バッファユニット12を構成する複数の可動ローラ122及び複数の固定ローラ121に多段ローラ14を用いているので、バッファユニット12が、ラベル原反Zに加わるテンションに対するバッファ機能のみならず、慣性や摩擦の低減機能をも発揮する。すなわち、本実施形態のバッファユニット12によれば、従来であればトレードオフの関係にあるバッファ機能の向上と慣性や摩擦の低減との両立を図ることができる。
【0059】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記各実施形態に限られるものではない。
【0060】
例えば、前記実施形態では、ガイドローラRのうち、制御部(不図示)により制御されるもの以外の全てが多段ローラ14であったが、一部が例えば従来の長尺状のガイドローラであっても構わない。
【0061】
また、バッファユニット12を構成する固定ローラ121や可動ローラ122に関しても、一部又は全部が例えば従来の長尺状のガイドローラであっても構わない。
【0062】
さらに、複数の可動ローラ122は、前記実施形態では固定ローラ121に対して一体的に進退するものであったが、固定ローラ121に対して互いに独立して進退するものであっても良い。この場合、図6に示すように、例えば複数の可動ローラ122のそれぞれに対応して引張ばね等の付勢部材123が設けられていても良い。
このような構成であれば、その時々で動かすべき可動ローラ122のみが動くので、その時々に応じた適切なバッファ効果を発揮させることができる。
【0063】
そのうえ、固定ローラ121又は可動ローラ122は、必ずしも複数設けられている必要はなく、1つであっても良い。
【0064】
また、前記実施形態では、送りローラ111や補正送りローラ131をサーボモータで制御する態様を述べたが、必ずしもサーボモータを用いる必要はなく、この場合は、送りローラ111や補正送りローラ131の回転角度をエンコーダ等により検出し、その検出信号を用いて送りローラ111や補正送りローラ131の回転を制御する態様が考えられる。
【0065】
さらに、本発明に係るラベル被覆装置100は、筒状のシュリンクラベルを容器Bに被せるものとして説明したが、例えばシール状の紙ラベルや、搬送途中で糊付けされる紙ラベルを容器Bに被覆する(すなわち、貼り付ける)ものであっても良い。この場合のラベル原反Zは、複数枚の紙ラベルが連なったものである。
【0066】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0067】
X ・・・ラベル装着装置
100・・・ラベル被覆装置
200・・・加熱トンネル
L ・・・筒状ラベル
B ・・・容器
Z ・・・ラベル原反
R ・・・ガイドローラ
10 ・・・搬送機構
11 ・・・送りユニット
12 ・・・バッファユニット
121・・・固定ローラ
122・・・可動ローラ
123・・・付勢部材
13 ・・・補正送りユニット
14 ・・・多段ローラ
141・・・シャフト
142・・・回転体
20 ・・・カッター
30 ・・・マンドレル
図1
図2
図3
図4
図5
図6