IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 清水建設株式会社の特許一覧

特開2024-6607木製棒状部材、部材セットおよび構造物
<>
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図1
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図2
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図3
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図4
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図5
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図6
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図7
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図8
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図9
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図10
  • 特開-木製棒状部材、部材セットおよび構造物 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006607
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】木製棒状部材、部材セットおよび構造物
(51)【国際特許分類】
   B27M 1/00 20060101AFI20240110BHJP
   A47B 7/00 20060101ALI20240110BHJP
   A47B 47/04 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B27M1/00 D
A47B7/00
A47B47/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107667
(22)【出願日】2022-07-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)博覧会名:第50回国際ホテル・レストラン・ショー、開催日:令和4年2月15日~令和4年2月18日 (2)集会名:国産広葉樹活用プロジェクトセミナー 特別編 ~脱炭素社会における木材利用について~、開催日:令和4年2月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末森 憲義
(72)【発明者】
【氏名】井手 勇人
(72)【発明者】
【氏名】入部 寛
(72)【発明者】
【氏名】金坂 太一
(72)【発明者】
【氏名】樋澤 一道
【テーマコード(参考)】
2B250
3B054
【Fターム(参考)】
2B250AA13
2B250BA04
2B250CA02
2B250DA01
2B250EA04
2B250EA13
2B250FA02
2B250FA15
2B250GA06
3B054AA01
3B054BA06
3B054BA10
3B054BA13
3B054BB05
3B054BB09
3B054BB12
3B054BC04
3B054BC08
3B054BC14
3B054CA06
3B054CA08
3B054FA01
(57)【要約】
【課題】金物等を用いることなく、所望の形状の構造物(家具等)を自由に組み立てたり、形状を変更したり、解体したりすることが可能な、シンプルでフレキシブルな木製棒状部材を提供する。
【解決手段】木製棒状部材は、矩形の横断面を有する棒状の本体部を備える。本体部における長手方向の2つの端部のそれぞれに、本体部の小口面に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔により構成された小口面ほぞ孔群と、本体部の各側面に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔により構成された側面ほぞ孔群と、本体部の小口面において対角線上に配置され、小口面ほぞ孔群または側面ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つのほぞ孔に嵌合可能な2つのほぞにより構成されたほぞ群と、の少なくとも1つが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木製棒状部材であって、
矩形の横断面を有する棒状の本体部を備え、
前記本体部における長手方向の2つの端部のそれぞれに、
前記本体部の小口面に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔により構成された小口面ほぞ孔群と、
前記本体部の各側面に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔により構成された側面ほぞ孔群と、
前記本体部の小口面において対角線上に配置され、前記小口面ほぞ孔群または前記側面ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つの前記ほぞ孔に嵌合可能な2つのほぞにより構成されたほぞ群と、
の少なくとも1つが形成されている、木製棒状部材。
【請求項2】
請求項1に記載の木製棒状部材であって、
前記本体部における長手方向の2つの端部の両方に、前記ほぞ群が形成されている、木製棒状部材。
【請求項3】
請求項2に記載の木製棒状部材であって、
前記本体部における長手方向の中央部に、前記側面ほぞ孔群が形成されている、木製棒状部材。
【請求項4】
請求項1に記載の木製棒状部材であって、
前記本体部における長手方向の一方の端部に、前記ほぞ群が形成されており、
前記本体部における長手方向の他方の端部に、前記小口面ほぞ孔群および前記側面ほぞ孔群が形成されている、木製棒状部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の木製棒状部材を複数備える部材セット。
【請求項6】
請求項5に記載の部材セットに含まれる複数の前記木製棒状部材を、前記木製棒状部材に形成された前記ほぞが他の前記木製棒状部材に形成された前記ほぞ孔に嵌合するように、組み立てることにより構成された、構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、木製棒状部材に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製の単管パイプを枠状に組み立てて家具の骨組みとするパイプ組立家具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、複数種類の木製ボックスと補助ダボやマグネット等の組み立て用部材とを用いて、家具を組み立てることができる家具組立セットが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3223847号公報
【特許文献2】登録実用新案第3176571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、金物等を用いることなく、所望の形状の構造物(家具等)を自由に組み立てたり、形状を変更したり、解体したりすることが可能な、シンプルでフレキシブルな木製棒状部材は知られていない。
【0005】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示される木製棒状部材は、矩形の横断面を有する棒状の本体部を備える。前記本体部における長手方向の2つの端部のそれぞれに、
前記本体部の小口面に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔により構成された小口面ほぞ孔群と、
前記本体部の各側面に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔により構成された側面ほぞ孔群と、
前記本体部の小口面において対角線上に配置され、前記小口面ほぞ孔群または前記側面ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つの前記ほぞ孔に嵌合可能な2つのほぞにより構成されたほぞ群と、
の少なくとも1つが形成されている。本木製棒状部材によれば、金物等を用いることなく、所望の形状の構造物(家具等)を自由に組み立てたり、形状を変更したり、解体したりすることが可能な、シンプルでフレキシブルな木製棒状部材を提供することができる。
【0008】
(2)上記木製棒状部材において、前記本体部における長手方向の2つの端部の両方に、前記ほぞ群が形成されている構成としてもよい。本木製棒状部材によれば、さらに多様な形状の構造物(家具等)を自由に組み立てることが可能な木製棒状部材を提供することができる。
【0009】
(3)上記木製棒状部材において、前記本体部における長手方向の中央部に、前記側面ほぞ孔群が形成されている構成としてもよい。本木製棒状部材によれば、さらに多様な形状の構造物(家具等)を自由に組み立てることが可能な木製棒状部材を提供することができる。
【0010】
(4)上記木製棒状部材において、前記本体部における長手方向の一方の端部に、前記ほぞ群が形成されており、前記本体部における長手方向の他方の端部に、前記小口面ほぞ孔群および前記側面ほぞ孔群が形成されている構成としてもよい。本木製棒状部材によれば、さらに多様な形状の構造物(家具等)を自由に組み立てることが可能な木製棒状部材を提供することができる。
【0011】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、木製棒状部材、複数の木製棒状部材を備える部材セット、複数の木製棒状部材を組み立てることにより構成された家具等の構造物、複数の木製棒状部材を用いた家具等の構造物の製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態における部材セット100の構成を示す説明図
図2】第1木製棒状部材10の外観形状を示す説明図
図3】第2木製棒状部材20の外観形状を示す説明図
図4】第3木製棒状部材30の外観形状を示す説明図
図5】部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された家具102を示す説明図
図6】部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された家具102を示す説明図
図7】部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された他の家具104を示す説明図
図8】部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された他の家具104を示す説明図
図9】部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された他の家具106を示す説明図
図10】部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された他の家具106を示す説明図
図11】部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された他の家具104を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.実施形態:
A-1.部材セット100の構成:
図1は、本実施形態における部材セット100の構成を示す説明図である。図1には、部材セット100の外観構成を、互いに直交するXYZ軸と共に示している。以下の説明では、便宜上、X軸方向を「高さ方向」といい、Y軸方向を「幅方向」といい、Z軸方向を「長さ方向」という。
【0014】
図1に示すように、部材セット100は、複数の部材のセットである。具体的には、部材セット100は、第1木製棒状部材10と、第2木製棒状部材20と、第3木製棒状部材30とを含む。以下の説明では、第1木製棒状部材10、第2木製棒状部材20および第3木製棒状部材30を、まとめて木製棒状部材10,20,30ともいう。なお、図1には、第1木製棒状部材10、第2木製棒状部材20および第3木製棒状部材30が、それぞれ1つ示されているが、部材セット100は、第1木製棒状部材10と、第2木製棒状部材20と、第3木製棒状部材30との少なくとも1つを、複数備えていてもよい。
【0015】
木製棒状部材10,20,30は、長手方向(Z軸方向)に延伸する略棒状の部材であり、例えばスギ等の木材により形成されている。木製棒状部材10,20,30は、形状が互いに異なっている。第1木製棒状部材10、第2木製棒状部材20および第3木製棒状部材30は、特許請求の範囲における木製棒状部材の一例である。
【0016】
図2は、第1木製棒状部材10の外観形状を示す説明図である。図2のA欄には、第1木製棒状部材10の右側面の形状を示しており、図2のB欄には、第1木製棒状部材10の正面(一方の小口面)の形状を示しており、図2のC欄には、第1木製棒状部材10の背面(他方の小口面)の形状を示している。なお、第1木製棒状部材10の左側面、上面および下面の形状は、図2のA欄に示す右側面の形状と同一である。また、図3は、第2木製棒状部材20の外観形状を示す説明図である。図3のA欄には、第2木製棒状部材20の右側面の形状を示しており、図3のB欄には、第2木製棒状部材20の正面(一方の小口面)の形状を示しており、図3のC欄には、第2木製棒状部材20の背面(他方の小口面)の形状を示している。なお、第2木製棒状部材20の左側面、上面および下面の形状は、図3のA欄に示す右側面の形状と同一である。また、図4は、第3木製棒状部材30の外観形状を示す説明図である。図4のA欄には、第3木製棒状部材30の右側面の形状を示しており、図4のB欄には、第3木製棒状部材30の正面(一方の小口面)の形状を示しており、図4のC欄には、第3木製棒状部材30の背面(他方の小口面)の形状を示している。なお、第3木製棒状部材30の左側面、上面および下面の形状は、図4のA欄に示す右側面の形状と同一である。
【0017】
図1および図2に示すように、第1木製棒状部材10は、第1本体部14を備える。第1本体部14は、Z軸方向に延伸する棒状の部分である。第1本体部14の横断面(XY断面)の形状は、矩形であり、より具体的には正方形である。第1本体部14の幅a11(Y軸方向の寸法)は、例えば60mmであり、第1本体部14の高さa15(X軸方向の寸法)は、例えば60mmであり、第1本体部14の長さa2(Z軸方向の寸法)は、例えば720mmである。第1本体部14は、特許請求の範囲における本体部の一例である。
【0018】
第1木製棒状部材10の第1本体部14における長手方向(Z軸方向)の2つの端部の両方には、ほぞ群17が形成されている。ほぞ群17は、第1本体部14の矩形の小口面S12(正面および背面)において対角線上に配置された2つのほぞ16により構成されたほぞ16のグループである。ほぞ16は、小口面S12から第1本体部14の長手方向に突出しており、その横断面の形状は、例えば矩形(より具体的には正方形)である。ほぞ群17を構成する2つのほぞ16は、後述の各ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つのほぞ孔に嵌合可能に構成されている。なお、一方の小口面S12に正対したときの2つのほぞ16の配置は、他方の小口面S12に正対したときの2つのほぞ16の配置と同一である。
【0019】
ほぞ群17を構成する各ほぞ16について、ほぞ16の幅a12(Y軸方向の寸法)は、例えば15mmであり、ほぞ16の高さa16(X軸方向の寸法)は、例えば15mmである。また、ほぞ16の突出長さa3(Z軸方向の寸法)は、例えば25mmである。そのため、第1木製棒状部材10の全長a1は、例えば770mm(=720+25×2)である。また、幅方向(Y軸方向)および高さ方向(X軸方向)のそれぞれにおいて、ほぞ16間の間隔a13,a17は、例えば10mmであり、第1本体部14の縁からほぞ16の縁までの最短距離a14,a18は、例えば10mmである。
【0020】
第1木製棒状部材10の第1本体部14における長手方向(Z軸方向)の中央部には、側面ほぞ孔群19が形成されている。側面ほぞ孔群19は、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔18により構成されたほぞ孔18のグループであり、第1本体部14の各側面S11に配置されている。ほぞ孔18は、側面S11に面する開口から側面S11に垂直な方向に伸びており、その横断面の形状は、例えば矩形(より具体的には正方形)である。
【0021】
側面ほぞ孔群19を構成する各ほぞ孔18について、ほぞ孔18の長さa5(Z軸方向の寸法)は、例えば15mmであり、ほぞ孔18の高さa8(X軸方向の寸法)は、例えば15mmであり、ほぞ孔18の深さは、例えば25mm以上である。なお、ほぞ孔18は、他のほぞ孔と連通していてもよい。また、長さ方向(Z軸方向)および高さ方向(X軸方向)のそれぞれにおいて、ほぞ孔18間の間隔a6,a9は、例えば10mmである。また、長さ方向(Z軸方向)において、第1本体部14の縁からほぞ孔18の縁までの最短距離a4は、例えば340mmであり、高さ方向(X軸方向)において、第1本体部14の各縁からほぞ孔18の縁までの最短距離a10は、例えば10mmである。
【0022】
図1および図3に示すように、第2木製棒状部材20は、第2本体部24を備える。第2本体部24は、Z軸方向に延伸する棒状の部分である。第2本体部24の横断面(XY断面)の形状は、矩形であり、より具体的には正方形である。第2本体部24の幅b11および高さb15は、第1木製棒状部材10の第1本体部14の幅a11および高さa15と同一である。すなわち、第2本体部24の横断面形状は、第1本体部14の横断面形状と同一である。また、第2本体部24の長さb2(Z軸方向の寸法)は、例えば390mmである。すなわち、第2本体部24の長さb2は、第1本体部14の長さa2より短い。第2本体部24は、特許請求の範囲における本体部の一例である。
【0023】
第2木製棒状部材20の第2本体部24における長手方向(Z軸方向)の一方の端部(図3のA欄における左側の端部)には、ほぞ群27が形成されている。ほぞ群27は、第2本体部24の矩形の小口面S22(正面)において対角線上に配置された2つのほぞ26により構成されたほぞ26のグループである。ほぞ26は、小口面S22から第2本体部24の長手方向に突出しており、その横断面の形状は、例えば矩形(より具体的には正方形)である。ほぞ群27を構成する2つのほぞ26は、上述または後述の各ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つのほぞ孔に嵌合可能に構成されている。
【0024】
第2本体部24に形成されたほぞ群27を構成するほぞ26の幅b12、高さb16および突出長さb3は、それぞれ、第1木製棒状部材10の第1本体部14に形成されたほぞ16の幅a12、高さa16および突出長さa3と同一である。そのため、第2木製棒状部材20の全長b1は、例えば415mm(=390+25)である。また、幅方向(Y軸方向)および高さ方向(X軸方向)のそれぞれにおいて、ほぞ26間の間隔b13,b17および第2本体部24の縁からほぞ26の縁までの最短距離b14,b18は、それぞれ、第1木製棒状部材10の第1本体部14における間隔a13,a17および最短距離a14,a18と同一である。
【0025】
第2木製棒状部材20の第2本体部24における長手方向(Z軸方向)の他方の端部(図3のA欄における右側の端部)には、側面ほぞ孔群29が形成されている。側面ほぞ孔群29は、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔28により構成されたほぞ孔28のグループであり、第2本体部24の各側面S21に配置されている。ほぞ孔28は、側面S21に面する開口から側面S21に垂直な方向に伸びており、その横断面の形状は、例えば矩形(より具体的には正方形)である。
【0026】
第2本体部24に形成された側面ほぞ孔群29を構成するほぞ孔28の長さb5、高さb8および深さは、それぞれ、第1木製棒状部材10の第1本体部14に形成されたほぞ孔18の長さa5、高さa8および深さと同一である。また、長さ方向(Z軸方向)および高さ方向(X軸方向)のそれぞれにおいて、ほぞ孔28間の間隔b6,b9は、それぞれ、第1木製棒状部材10の第1本体部14における間隔a6,a9と同一である。また、長さ方向(Z軸方向)において、第2本体部24の一方の縁(図3のA欄における左側の縁)からほぞ孔28の縁までの最短距離b41は、例えば340mmであり、第2本体部24の他方の縁(図3のA欄における右側の縁)からほぞ孔28の縁までの最短距離b42は、例えば10mmである。また、高さ方向(X軸方向)において、第2本体部24の縁からほぞ孔28の縁までの最短距離b10は、第1木製棒状部材10の第1本体部14における最短距離a10と同一である。
【0027】
第2木製棒状部材20の第2本体部24における長手方向(Z軸方向)の上記他方の端部(図3のA欄における右側の端部)には、さらに、小口面ほぞ孔群22が形成されている。小口面ほぞ孔群22は、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔21により構成されたほぞ孔21のグループであり、第2本体部24の小口面S22に配置されている。ほぞ孔21は、小口面S22に面する開口から第2本体部24の長手方向に伸びており、その横断面の形状は、例えば矩形(より具体的には正方形)である。
【0028】
小口面ほぞ孔群22における各部の寸法は、側面ほぞ孔群29における各部の寸法と同一である。すなわち、小口面ほぞ孔群22を構成するほぞ孔21の幅b22、高さb26および深さは、それぞれ、側面ほぞ孔群29を構成するほぞ孔28の長さb5、高さb8および深さと同一である。また、ほぞ孔21間の間隔b23,b27は、それぞれ、ほぞ孔28間の間隔b6,b9と同一である。なお、幅方向(Y軸方向)および高さ方向(X軸方向)のそれぞれにおいて、第2本体部24の縁からほぞ孔21の縁までの最短距離b24,b28は、例えば10mmである。
【0029】
図1および図4に示すように、第3木製棒状部材30は、第3本体部34を備える。第3本体部34は、Z軸方向に延伸する棒状の部分である。第3本体部34の横断面(XY断面)の形状は、矩形であり、より具体的には正方形である。第3本体部34の幅c11および高さc15は、第1木製棒状部材10の第1本体部14(および第2木製棒状部材20の第2本体部24)の幅a11(b11)および高さa15(b15)と同一である。すなわち、第3本体部34の横断面形状は、第1本体部14および第2本体部24の横断面形状と同一である。また、第3本体部34の長さc2(Z軸方向の寸法)は、例えば330mmである。すなわち、第3本体部34の長さc2は、第1本体部14の長さa2および第2本体部24の長さb2より短い。第3本体部34は、特許請求の範囲における本体部の一例である。
【0030】
第3木製棒状部材30の第3本体部34における長手方向(Z軸方向)の2つの端部の両方には、ほぞ群37が形成されている。ほぞ群37は、第3本体部34の矩形の小口面S32(正面および背面)において対角線上に配置された2つのほぞ36により構成されたほぞ36のグループである。ほぞ36は、小口面S32から第3本体部34の長手方向に突出しており、その横断面の形状は、例えば矩形(より具体的には正方形)である。ほぞ群37を構成する2つのほぞ36は、上述または後述の各ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つのほぞ孔に嵌合可能に構成されている。
【0031】
第3本体部34に形成されたほぞ群37を構成するほぞ36の幅c12、高さc16および突出長さc3は、それぞれ、第1木製棒状部材10の第1本体部14(および第2木製棒状部材20の第2本体部24)に形成されたほぞ16(26)の幅a12(b12)、高さa16(b16)および突出長さa3(b3)と同一である。そのため、第3木製棒状部材30の全長c1は、例えば380mm(=330+25×2)である。また、幅方向(Y軸方向)および高さ方向(X軸方向)のそれぞれにおいて、ほぞ36間の間隔c13,c17および第3本体部34の縁からほぞ36の縁までの最短距離c14,c18は、それぞれ、第1木製棒状部材10の第1本体部14(および第2木製棒状部材20の第2本体部24)における間隔a13(b13),a17(b17)および最短距離a14(b14),a18(b18)と同一である。
【0032】
なお、本実施形態では、第3木製棒状部材30の第3本体部34の側面S31には、側面ほぞ孔群は形成されていない。
【0033】
A-2.木製棒状部材10,20,30を用いて組み立てられた家具:
部材セット100に含まれる木製棒状部材10,20,30は上記構成であるため、ある木製棒状部材10,20,30に形成されたほぞ群17,27,37を構成する2つのほぞ16,26,36を、他の木製棒状部材10,20,30に形成されたほぞ孔群(側面ほぞ孔群19,29または小口面ほぞ孔群22)を構成する2つのほぞ孔18,28,21に嵌合させることにより、当該2つの木製棒状部材10,20,30を接合することができる。このような接合を行うことにより、部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材10,20,30を用いて、例えば家具等の構造物を組み立てることができる。なお、木製棒状部材10,20,30を用いた家具の組立(ほぞとほぞ孔との嵌合)は、例えばゴムハンマーを用いて行うことができる。また、組み立てた家具を木製棒状部材10,20,30単位に解体することも可能である。家具は、特許請求の範囲における構造物の一例である。
【0034】
図5および図6は、部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された家具102を示す説明図である。図5のA欄には、組み立てに使用する木製棒状部材を示しており、図5のB欄には、組み立てられた家具102の外観構成を示しており、図6には、組み立てられた家具102の使用例を示している。
【0035】
図5および図6に示す家具102の組立には、8本の第2木製棒状部材20と、4本の第3木製棒状部材30とが使用される。具体的には、4本の第2木製棒状部材20を用いて、1スパン×1スパンのフレーム状の下段構造102aを作成する。また、4本の第2木製棒状部材20を用いて、1スパン×1スパンのフレーム状の上段構造102bを作成する。そして、下段構造102aと上段構造102bとを、4本の第3木製棒状部材30を柱として使用して互いに連結することにより、縦1スパン×横1スパン×高さ1スパンの立方体状の家具102を組み立てる。
【0036】
このように組み立てられた家具102は、図6に示すように、別途用意した平板と組み合わせて、例えばローテーブルとして使用することができる。なお、家具102の寸法は、例えば、縦450mm×横450mm×高さ450mmである。
【0037】
図7および図8は、部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された他の家具104を示す説明図である。図7のA欄には、組み立てに使用する木製棒状部材を示しており、図7のB欄には、組み立てられた家具104の外観構成を示しており、図8には、組み立てられた家具104の使用例を示している。
【0038】
図7および図8に示す家具104の組立には、2本の第1木製棒状部材10と、10本の第2木製棒状部材20と、6本の第3木製棒状部材30とが使用される。具体的には、5本の第2木製棒状部材20と1本の第3木製棒状部材30とを用いて、1スパン×1スパンのフレームの2箇所の頂点から柱が上方に立設された下段構造104aを作成する。また、5本の第2木製棒状部材20と1本の第3木製棒状部材30とを用いて、1スパン×1スパンのフレームの2箇所の頂点から柱が下方に立設された下段構造104cを作成する。さらに、2本の第1木製棒状部材10と4本の第3木製棒状部材30とを用いて、1スパン×1スパンのフレームの2箇所の頂点から柱が上方および下方に立設された中段構造104bを作成する。そして、下段構造104a、中段構造104bおよび下段構造104cを上下方向に重ねて互いに連結することにより、縦1スパン×横1スパン×高さ2スパンの直方体状の家具104を組み立てる。
【0039】
このように組み立てられた家具104は、図8に示すように、別途用意した複数の平板と組み合わせて、例えば2段のスタンドテーブルとして使用することができる。なお、家具104の寸法は、例えば、縦450mm×横450mm×高さ840mmである。
【0040】
図9および図10は、部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された他の家具106を示す説明図である。図9のA欄には、組み立てに使用する木製棒状部材を示しており、図9のB欄には、組み立てられた家具106の外観構成を示しており、図10には、組み立てられた家具106の使用例を示している。
【0041】
図9および図10に示す家具106の組立には、15本の第1木製棒状部材10と、12本の第2木製棒状部材20と、12本の第3木製棒状部材30とが使用される。具体的には、3本の第1木製棒状部材10と6本の第2木製棒状部材20と5本の第3木製棒状部材30とを用いて、2スパン×2スパンの格子状フレームの5箇所の頂点(四隅以外の頂点)から柱が上方に立設された下段構造106aを作成する。また、3本の第1木製棒状部材10と6本の第2木製棒状部材20と5本の第3木製棒状部材30とを用いて、2スパン×2スパンの格子状フレームの5箇所の頂点(四隅以外の頂点)から柱が下方に立設された上段構造106cを作成する。さらに、9本の第1木製棒状部材10と2本の第3木製棒状部材30とを用いて、2スパン×2スパンの格子状フレームの四隅の頂点から柱が上方および下方に立設された中段構造106bを作成する。そして、下段構造106a、中段構造106bおよび上段構造106cを上下方向に重ねて互いに連結することにより、縦2スパン×横2スパン×高さ2スパンの立方体状の家具106を組み立てる。
【0042】
このように組み立てられた家具106は、図10に示すように、別途用意した複数の平板と組み合わせて、例えば2段の展示台および/または本棚として使用することができる。なお、家具106の寸法は、例えば、縦840mm×横840mm×高さ840mmである。
【0043】
なお、部材セット100では、同じ形の家具を、異なる組み合わせの複数の木製棒状部材10,20,30を用いて組み立てることができる。図11は、部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材を組み立てることより構成された他の家具104を示す説明図である。図11のA欄およびB欄には、図7に示す他の家具104と同じ形の家具を、異なる組み合わせの複数の木製棒状部材10,20,30を用いて組み立てた例を示している。
【0044】
すなわち、上述したように、図7に示す家具104は、2本の第1木製棒状部材10と、10本の第2木製棒状部材20と、6本の第3木製棒状部材30とを用いて組み立てられている。一方、図11のA欄に示す他の家具104Xは、図7に示す家具104と同じ形であるが、12本の第2木製棒状部材20と、8本の第3木製棒状部材30とを用いて組み立てられている。同様に、図11のB欄に示す他の家具104Yは、図7に示す家具104と同じ形であるが、4本の第1木製棒状部材10と、8本の第2木製棒状部材20と、4本の第3木製棒状部材30とを用いて組み立てられている。
【0045】
このように、本実施形態の部材セット100を用いれば、同じ形の家具を、異なる組み合わせの複数の木製棒状部材10,20,30を用いて組み立てることができる。反対に、同じ組み合わせの複数の木製棒状部材10,20,30を用いて、異なる形の家具を組み立てることもできる。
【0046】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の第1木製棒状部材10は、矩形の横断面を有する棒状の第1本体部14を備える。第1本体部14における長手方向の2つの端部の両方には、第1本体部14の小口面S12において対角線上に配置され、ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つのほぞ孔に嵌合可能な2つのほぞ16により構成されたほぞ群17が形成されている。そのため、本実施形態の第1木製棒状部材10によれば、金物等を用いることなく、所望の形状の構造物(家具等)を自由に組み立てたり、形状を変更したり、解体したりすることが可能な、シンプルでフレキシブルな木製棒状部材を提供することができる。
【0047】
また、第1木製棒状部材10の第1本体部14における長手方向の中央部には、第1本体部14の各側面に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔18により構成された側面ほぞ孔群19が形成されている。そのため、本実施形態の第1木製棒状部材10によれば、さらに多様な形状の構造物(家具等)を自由に組み立てたり、形状を変更したり、解体したりすることが可能な木製棒状部材を提供することができる。
【0048】
また、本実施形態の第2木製棒状部材20は、矩形の横断面を有する棒状の第2本体部24を備える。第2本体部24における長手方向の2つの端部の一方には、第2本体部24の小口面S22において対角線上に配置され、ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つのほぞ孔に嵌合可能な2つのほぞ26により構成されたほぞ群27が形成されている。第2本体部24における長手方向の2つの端部の他方には、第2本体部24の小口面S22に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔21により構成された小口面ほぞ孔群22と、第2本体部24の各側面に配置され、2列×2行に並べられた4つのほぞ孔28により構成された側面ほぞ孔群29とが形成されている。そのため、本実施形態の第2木製棒状部材20によれば、金物等を用いることなく、所望の形状の構造物(家具等)を自由に組み立てたり、形状を変更したり、解体したりすることが可能な、シンプルでフレキシブルな木製棒状部材を提供することができる。
【0049】
また、本実施形態の第3木製棒状部材30は、矩形の横断面を有する棒状の第3本体部34を備える。第3本体部34における長手方向の2つの端部の両方には、第3本体部34の小口面S32において対角線上に配置され、ほぞ孔群における、はす向かいの関係にある2つのほぞ孔に嵌合可能な2つのほぞ36により構成されたほぞ群37が形成されている。そのため、本実施形態の第3木製棒状部材30によれば、金物等を用いることなく、所望の形状の構造物(家具等)を自由に組み立てたり、形状を変更したり、解体したりすることが可能な、シンプルでフレキシブルな木製棒状部材を提供することができる。
【0050】
また、本実施形態の部材セット100は、複数の木製棒状部材10,20,30を備える。そのため、本実施形態の部材セット100によれば、複数の木製棒状部材10,20,30を用いて、金物等を用いることなく、所望の形状の構造物(家具等)を自由に組み立てたり、形状を変更したり、解体したりすることができる。
【0051】
また、本実施形態の家具102,104,106は、部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材10,20,30を、木製棒状部材10,20,30に形成されたほぞが他の木製棒状部材10,20,30に形成されたほぞ孔に嵌合するように、組み立てることにより構成されている。そのため、本実施形態の家具102,104,106によれば、所望の形状の家具102,104,106を得ることができると共に、家具102,104,106の形状を自由に変更したり、解体したりすることができる。
【0052】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0053】
上記実施形態における部材セット100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、部材セット100は、3種類の木製棒状部材10,20,30を含んでいるが、部材セット100に含まれる木製棒状部材の種類は、2種類以下であってもよいし、4種類以上であってもよい。また、部材セット100に含まれる各種の木製棒状部材の個数は、任意に設定可能である。
【0054】
上記実施形態における木製棒状部材10,20,30の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、第1木製棒状部材10の第1本体部14や第3木製棒状部材30の第3本体部34における長手方向の2つの端部の少なくとも一方に、第2木製棒状部材20の側面ほぞ孔群29と同様の側面ほぞ孔群が形成されていてもよい。また、第2木製棒状部材20の第2本体部24や第3木製棒状部材30の第3本体部34における長手方向の中央部に、第1木製棒状部材10の側面ほぞ孔群19と同様の側面ほぞ孔群が形成されていてもよい。また、木製棒状部材10,20,30の本体部14,24,34における長手方向の端部において、ほぞ群の代わりに小口面ほぞ孔群が形成されていてもよいし、反対に、小口面ほぞ孔群の代わりにほぞ群が形成されていてもよい。
【0055】
木製棒状部材10,20,30の本体部14,24,34に形成されるほぞ群を構成するほぞの個数や各ほぞの形状は、任意に変更可能である。例えば、ほぞ群が2列×2行に並べられた4つのほぞから構成されてもよい。また、ほぞ孔群が、対角線上に並べられた2つのほぞ孔から構成されてもよい。
【0056】
上記実施形態では、部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材10,20,30を用いて家具を組み立てているが、部材セット100に含まれる複数の木製棒状部材10,20,30を用いて家具以外の構造物を組み立ててもよい。
【符号の説明】
【0057】
10:第1木製棒状部材 14:第1本体部 16:ほぞ 17:ほぞ群 18:ほぞ孔 19:側面ほぞ孔群 20:第2木製棒状部材 21:ほぞ孔 22:小口面ほぞ孔群 24:第2本体部 26:ほぞ 27:ほぞ群 28:ほぞ孔 29:側面ほぞ孔群 30:第3木製棒状部材 34:第3本体部 36:ほぞ 37:ほぞ群 100:部材セット 102:家具 102a:下段構造 102b:上段構造 104:家具 104a:下段構造 104b:中段構造 104c:下段構造 106:家具 106a:下段構造 106b:中段構造 106c:上段構造 S11:側面 S12:小口面 S21:側面 S22:小口面 S31:側面 S32:小口面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11