(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066079
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】計測装置、計測システム及び計測方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/70 20170101AFI20240508BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G06T7/70 Z
G01B11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175357
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】小倉 一峰
(72)【発明者】
【氏名】住谷 達哉
(72)【発明者】
【氏名】安倍 次朗
(72)【発明者】
【氏名】カーン ナグマ サムリーン
(72)【発明者】
【氏名】松本 侑也
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065FF04
2F065JJ26
2F065QQ24
2F065QQ31
2F065RR08
2F065SS02
5L096AA09
5L096CA02
5L096DA01
5L096DA02
5L096EA14
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】
【課題】3Dデータに含まれる点と画像を構成する画素との間で、正確な対応関係を構築する。
【解決手段】位置合わせ部1は、対象物を撮像して取得した画像データIMGと、対象物の3DデータDATと、を受け取り、画像データIMGと3DデータDATとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータDPAを出力する。画素選択部2は、画像データIMGに含まれる複数の画素から、注目画素を選択する。画素点対応付け部3は、位置合わせ後のデータDPAに含まれる3DデータDATの複数の点データから、注目画素近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、近傍点データに基づいて1つの面を推定し、1つの面における注目画素の、複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を撮像して取得した画像データと、前記対象物の3Dデータと、を受け取り、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力する位置合わせ部と、
前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択する画素選択部と、
前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素の近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う画素点対応付け部と、を備える、
計測装置。
【請求項2】
前記画素点対応付け部は、
前記画像データを取得した撮像装置が向く方向であって前記注目画素を通る視線方向と、前記複数の点データのそれぞれと、の間の垂線距離を算出し、
前記垂線距離が近い順に、前記近傍点データを選択する、
請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記視線方向は、前記注目画素の中央点を通る、
請求項2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記視線方向に沿って見たときに、前記視線方向を中心とする所定の半径の円の内部に位置する点データを、前記近傍点データとして選択する、
請求項2又は3に記載の計測装置。
【請求項5】
前記画素選択部は、前記注目画素を複数選択し、
前記画素点対応付け部は、選択された複数の前記注目画素のそれぞれについて、前記対応付けを行う、
請求項1又は2に記載の計測装置。
【請求項6】
前記複数の注目画素は、第1の注目画素及び第2の注目画素を含み、
前記画素選択部は、前記画像データにおける前記対象物の計測対象となる事象の一端に位置する画素を第1の注目画素として選択し、他端に位置する画素を第2の注目画素として選択する、
請求項5に記載の計測装置。
【請求項7】
前記複数の注目画素は、第1の注目画素及び第2の注目画素を含み、
前記画素選択部は、前記画像データにおける前記対象物の計測対象となる事象を包含する、複数の画素からなる矩形領域の1つの角に位置する画素を第1の注目画素として選択し、前記第1の注目画素に対して対角の位置の画素を第2の注目画素として選択する、
請求項5に記載の計測装置。
【請求項8】
前記画像データ又は前記3Dデータ上に、前記矩形領域を表示する表示部をさらに備える、
請求項7に記載の計測装置。
【請求項9】
対象物を撮像して取得した画像データを出力する撮像装置と、
前記対象物の3Dデータを取得する3Dデータ取得装置と、
前記画像データと前記対象物の3Dデータとの対応付ける計測装置と、を備え、
前記計測装置は、
前記画像データと前記3Dデータとを受け取り、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力する位置合わせ部と、
前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択する画素選択部と、
前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素の近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う画素点対応付け部と、を備える、
計測システム。
【請求項10】
対象物を撮像して取得した画像データと、前記対象物の3Dデータと、を受け取って、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力し、
前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択し、
前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素の近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う、計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計測装置、計測システム及び計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建物や橋梁などの各種の構造物及び物体を観測するために、様々な手法でこれらの構造物を計測する手法が知られている。こうした手法としては、例えば、構造物の3次元モデルに画像を投影して可視化する手法(特許文献1)、画像から構造物の経時変化を検出する手法(特許文献2)、自律運転車両のために前方を走行する車両の位置推定を行う手法(特許文献3)などが提案されている。
【0003】
また、近年、レーザ光によって構造物の3次元構造を示す3Dデータを取得する、いわゆるLiDAR(Light Detection and Ranging)技術が普及している。LiDARによって取得した3Dデータを、カメラ等で撮像して得られる構造物の画像データと組み合わせることで、構造物の精密解析が期待できる。これらの組み合わせ手法として、3Dデータにおいて構造物の各箇所の座標を示す点と画像を構成する画素との間の位置合わせを行う手法が提案さてれている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006-503379号公報
【特許文献2】特開2017-062776号公報
【特許文献3】特表2022-532695号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Jiaxin Li, Gim Hee Lee, ”DeepI2P: Image-to-Point Cloud Registration via Deep Classification”, arXiv, Internet, 2022年10月13日検索, <URL: https://arxiv.org/pdf/2104.03501.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1の手法においては、3Dデータと画像との間の位置合わせが行えるものの、3Dデータの点と画像の画素とではデータの粗密や配列が異なっており、正確な対応を取ることができない。つまり、3Dデータの点と画素との間で1対1の対応関係が構築できないため、位置合わせ後の定量性が担保できず、厳密な解析を行うことができない。
【0007】
よって、LiDARによる3Dデータの点と画像の画素との間で、正確な対応関係を構築できる計測手法の確立が望まれている。
【0008】
本開示は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、3Dデータに含まれる点と画像を構成する画素との間で、正確な対応関係を構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様である計測装置は、対象物を撮像して取得した画像データと、前記対象物の3Dデータと、を受け取り、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力する位置合わせ部と、前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択する画素選択部と、前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う画素点対応付け部と、を備えるものである。
【0010】
本開示の一態様である計測システムは、対象物を撮像して取得した画像データを出力する撮像装置と、前記対象物の3Dデータを取得する3Dデータ取得装置と、前記画像データと前記対象物の3Dデータとの対応付ける計測装置と、を備え、前記計測装置は、前記画像データと前記3Dデータとを受け取り、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力する位置合わせ部と、前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択する画素選択部と、前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う画素点対応付け部と、を備えるものである。
【0011】
本開示の一態様である計測方法は、対象物を撮像して取得した画像データと、前記対象物の3Dデータと、を受け取って、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力し、前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択し、前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行うものである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、3Dデータに含まれる点と画像を構成する画素との間で、正確な対応関係を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1にかかる計測システムの構成を模式的に示す図である。
【
図2】カメラによって計測対象物を撮像して得られた画像データの一例を示す図である。
【
図3】LiDAR装置によって取得した計測対象物の3Dデータの一例を示す図である。
【
図4】実施の形態1にかかる計測システムの変形例を示す図である。
【
図5】実施の形態1にかかる計測装置の構成を模式的に示す図である。
【
図6】実施の形態1にかかる計測装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】画像に含まれる注目画素と3Dデータに含まれる点群とを対応付ける処理(ステップS3)のフローチャートである。
【
図8】視線方向に沿って見たときの、各点と視線方向との間の垂線距離を示す図である。
【
図9】実施の形態2における注目画素の選択の概要を示す図である。
【
図10】実施の形態2にかかる計測装置の動作のフローチャートである。
【
図11】実施の形態2にかかる計測装置の他の構成を模式的に示す図である。
【
図12】実施の形態2にかかる計測装置において、事象の検出を行う場合の動作のフローチャートである。
【
図13】実施の形態2における注目画素の選択の第2の例を示す図である。
【
図14】実施の形態2における注目画素の選択の第3の例を示す図である。
【
図15】実施の形態3にかかる計測装置の構成を模式的に示す図である。
【
図16】矩形領域を設定する場合(第2の例)における画像データの表示例を示す図である。
【
図17】矩形領域を設定する場合(第2の例)における3Dデータの表示例を示す図である。
【
図18】計測装置を実現するためのハードウェア構成の一例であるコンピュータの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
実施の形態1
実施の形態1にかかる計測システム100について説明する。
図1に、実施の形態1にかかる計測システム100の構成を模式的に示す。計測システム100は、計測装置10、カメラ110及びLiDAR(Light Detection and Ranging)装置120を有する。
【0016】
カメラ110は、計測対象物OBJを特定の方向から撮像し、撮像した画像や動画のデータを計測装置10へ出力する。以下では、カメラ110は、画像データIMGを計測装置10へ出力する例について説明する。
図2に、カメラ110によって計測対象物OBJを撮像して得られた画像データIMGの一例を示す。
図2の例では、計測対象物OBJの右上部の一部を撮像した例を示している。
【0017】
LiDAR装置120は、レーザ光Lによって、計測対象物OBJの表面を方位角方向及び仰角方向に走査することで、計測対象物OBJの3次元形状を示す複数の点データからなる3Dデータを取得して、計測装置10へ出力する。
図3に、LiDAR装置120によって取得した計測対象物OBJの3DデータDATの一例を示す。
図3に示すように、3DデータDATは、LiDAR装置120によってレーザ光Lを照射して取得した点データが3次元空間に配列されたデータとして構成される。なお、
図3では、図を見やすくするため、計測対象物OBJの輪郭線を表示しているが、輪郭線は3DデータDATに含まれるものではない。
【0018】
なお、
図1では、カメラ110から画像データIMGを計測装置10へ出力し、LiDAR装置120から3DデータDATを計測装置10へ出力しているが、これは例示に過ぎない。例えば、画像データIMGや3DデータDATを他の記憶装置へ格納し、計測装置10が必要に応じて記憶装置から画像データIMG及び3DデータDATを読み込んでもよい。
【0019】
図4に、実施の形態1にかかる計測システムの変形例を示す。
図4の計測システム101は、
図1の計測システム100と比べて、画像データベース130及び3Dデータベース140が追加されている。画像データベース130及び3Dデータベース140は、各種の記憶装置として構成され、又は、各種の記憶装置に格納可能に構成される。画像データベース130には、カメラ110が撮像した画像データIMGが適宜格納される。3Dデータベース140には、LiDAR装置120が取得した3DデータDATが適宜格納される。計測装置10は、必要に応じて、画像データベース130から画像データIMGを読み込み、かつ、3Dデータベース140から3DデータDATを読み込む。
【0020】
なお、言うまでも無いが、画像データベース130は、カメラ110が複数の撮像機会に撮像した複数の画像データIMGを格納してもよい。また、3Dデータベース140は、LiDAR装置120が複数の計測機会に取得した複数の3DデータDATを格納してもよい。この場合、計測装置10は、必要に応じて、同じ計測対象物OBJ、又は、測定対象物OBJの同じ部位についての、対をなす1枚の画像データIMGと1つの3DデータDATとを読み込むことができる。
【0021】
計測装置10は、受け取った画像データIMG及び3DデータDATに基づき、画像データIMGの画素と3Dデータに含まれる点データとを対応付けるものとして構成される。
【0022】
図5に、実施の形態1にかかる計測装置10の構成を模式的に示す。計測装置10は、位置合わせ部1、画素選択部2及び画素点対応付け部3を有する。
【0023】
位置合わせ部1は、画像データIMG及び3DデータDATを読み込んで両者の位置合わせを行い、位置合わせ後の画像データ及び点データからなるデータDPAを画素選択部2へ出力する。
【0024】
画素選択部2は、画像データIMGを読み込み、画像データIMG内の画素から、画素点対応付け部3での処理対象となる注目画素TRGを選択し、注目画素TRGを示す選択結果SELを画素点対応付け部3へ出力する。
【0025】
画素点対応付け部3は、位置合わせ部1から受け取ったデータDPAと、画素選択部2から受け取った選択結果SELとに基づいて、点データの座標空間内に、注目画素TRGを対応付ける。画素点対応付け部3は、点データと画素との対応付けの算出結果RESを出力する。
【0026】
以下、計測装置10の動作について説明する。
図6に、実施の形態1にかかる計測装置10の動作を示すフローチャートを示す。
【0027】
ステップS1
位置合わせ部1は、画像データIMG及び3DデータDATを読み込む。位置合わせ部1は、画像データIMGに基づいてカメラ110の位置(t)及び姿勢(R)を推定し、位置及び姿勢の推定結果に基づいて、画像データIMGと、3DデータDATに含まれる点データとの位置合わせを行う。カメラ110の位置及び姿勢の推定方法は、特定の手法に限定されるものではなく、各種の手法を適用することができる。また、姿勢及び位置を推定した後の画像データIMGと、3DデータDATとの位置合わせ手法についても特定の手法に限定されるものではなく、各種の手法を適用することができる。そして、位置合わせ後の画像データ及び点データからなるデータDPAを画素選択部2へ出力する。
【0028】
ステップS2
画素選択部2は、画像データIMGを読み込み、画像データIMG内の複数の画素から注目画素TRGを選択して、注目画素TRGを示す選択結果SELを画素点対応付け部3へ出力する。
【0029】
ステップS3
画素点対応付け部3は、以下の手順で、画像データIMGに含まれる注目画素TRGと、3DデータDATに含まれる点データとを対応付ける。
図7に、画像データIMGに含まれる注目画素TRGと3DデータDATに含まれる点データとを対応付ける処理(ステップS3)のフローチャートを示す。
【0030】
ステップS31
画素点対応付け部3は、位置合わせ後のデータDPAから、注目画素TRGの近傍に存在する点を3つ以上、近傍点として選択する。近傍点の選択は、例えば、以下の手順によって行うことができる。
【0031】
ステップS311
注目画素TRGを通過するカメラ110の視線方向Dを算出する。ステップS1においてカメラ110の位置及び姿勢を推定したので、この推定結果を用いて、カメラ110の視線方向を算出することが可能である。例えば、視線方向Dは、注目画素TRGの中央点を通過する方向として算出してもよい。
【0032】
ステップS312
位置合わせ後のデータDPAに含まれる各点と、視線方向Dとの間の垂線距離を算出する。
図8に、視線方向Dに沿って見たときの、各点と視線方向Dとの間の垂線距離を示す。言うまでも無いが、
図8の紙面は、視線方向Dに対して垂直な面となる。また、
図8では、画素をPIX、点データをPNTと表示している。
【0033】
ステップS313
垂線距離が小さな順に、3つ以上の点を選択する。このとき、算出した垂線距離が所定値よりも小さな点を近傍点として選択してもよく、例えば、視線方向Dを中心とする半径rの円を設定し、算出した垂線距離が半径rよりも小さな点を近傍点として選択してもよい。
【0034】
ステップS32
選択した3つ以上の点が同一の平面上にあるものとして、注目画素TRGが属する平面を推定する。例えば、3Dデータを取得した3次元直交座標系において、平面PLはax+by+cz+d=0を満たす座標群で表現されるので、選択した3つ以上の点に基づいて係数a、b、c及びdを算出することで、平面PLを推定することができる。また、平面PLの推定はこれに限らず、各種の手法を用いてもよい。
【0035】
ステップS33
算出した平面PLにおける注目画素TRGの3次元座標を算出する。具体的には、例えば、算出した平面PLと視線方向Dとの交点の座標を算出する。
【0036】
なお、ここでは、説明の簡略化のため、近傍点と注目画素TRGとが同じ平面上にあるものとしたが、これは例示に過ぎない。平面に限らず、近傍点をフィッティングして任意の曲面を推定してもよく、また、例えば複数の三角メッシュで構成された幾何メッシュモデルを推定してもよい。
【0037】
以上説明したように、本構成によれば、3Dデータに含まれる点データが属する座標空間において、注目画素の位置、すなわち注目画素の座標を算出することができる。これにより、画像データと3Dデータとの間の位置合わせを精密に行うことができ、両者を正確に対応付けることができる。
【0038】
実施の形態2
実施の形態1においては、1つの注目画素と点データとを対応付けるものとして説明した。しかし、計測対象物においては、単に位置のみならず、計測対象物の表面上の線や2次元領域などの計測対象となる事象が存在する場合がある。この場合、画像上の事象に関する画素を3Dデータと対応付けることが望ましい。そこで、本実施の形態では、画像上の事象に関する画素と3Dデータとの対応付けを行う計測装置について説明する。
【0039】
図9に、実施の形態2における注目画素の選択の概要を示す。ここでは、説明の簡略化のため、計測対象物OBJの表面上にクラックなどの線状の事象PH1が存在しており、事象PH1の一端に対応する注目画素TRG1と、他端に対応する注目画素TRG2と、を選択するものとする。
【0040】
図10に、実施の形態2にかかる計測装置の動作のフローチャートを示す。
【0041】
ステップS1
ステップS1は、
図6と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0042】
ステップS4
画素選択部2は、画像データIMGを読み込み、画像データIMG内の画素から、事象を包含する領域を規定する注目画素TRGを複数個選択し、選択結果SELを画素点対応付け部3へ出力する。
【0043】
ステップS5
画素点対応付け部3は、各注目画素について、
図6のステップS3と同様に、3Dデータに含まれる点データとの対応付けを行う。各注目画素と3Dデータに含まれる点データの対応付け処理は、ステップS3と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0044】
なお、注目画素の選択に先立って、計測対象物OBJの表面上のクラックなどの特徴的な事象を検出し、その検出結果に応じて注目画素を選択してもよい。
図11に、実施の形態2にかかる計測装置の他の構成を模式的に示す。
図11の計測装置200は、計測装置10と比べて、事象検出部4を追加した構成を有する。
【0045】
図12に、実施の形態2にかかる計測装置において、事象の検出を行う場合の動作のフローチャートを示す。
図12においては、
図10と比較して、事象検出部4の処理を示すステップS6が、ステップS1とステップS4との間に挿入される。
【0046】
ステップS1
ステップS1は、
図6及び
図10と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0047】
ステップS6
事象検出部4は、画像データIMGを読み込み、計測対象物OBJの表面の線や2次元領域などの観測対象となる事象を検出する。このとき、検出する事象としては、計測対象物の表面のクラック、剥落部、変色部などの損傷ないしは劣化を示す部分でもよいし、突出部や凹部などの意図的に造られた構造など、任意の事象であってもよい。事象検出部4が事象を検出するにあたっては、一般的な画像認識技術などの各種の検出手法を適用することができる。
【0048】
事象検出部4は、検出した事象を示す検出結果DETを画素選択部2へ出力する。
【0049】
ステップS4
ステップS4は、
図10と同様である。なお、ここでは、画素選択部2は、検出結果DETに応じて、複数の注目画素を選択する。
【0050】
ステップS5
ステップS5は、
図10と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0051】
以上、本構成によれば、計測対象物OBJにおける事象を自動的に検出し、検出結果に応じて注目画素を選択して、対応付け処理を行うことができる。この場合、計測対象物OBJにおける事象の検出を自動化することで、検出を手動にて行う場合に比べて、対応付け処理に要する時間を短縮することが可能となる。また、検出すべき事象が複数有る場合、特に、自動化による処理時間の短縮効果が得られることが理解できる。
【0052】
上述においては、線状の事象の両端の2つの画素を注目画素として選択する第1の例について説明したが、これは例示に過ぎない。以下、注目画素の選択手法の他の例について説明する。
【0053】
図13に、実施の形態2における注目画素の選択の第2の例を示す。この例では、事象検出部4は、検出した事象PH2を包含する矩形領域SQを規定する画素をとして選択する。具体的には、事象検出部4は、矩形領域SQの対角点に位置する2つの画素を注目画素TRG1及びTRG2として選択する。
【0054】
図14に、実施の形態2における注目画素の選択の第3の例を示す。
図14では、簡略化のため、事象PH2とオーバーラップする画素のみを表示している。この例では、事象検出部4は事象PH2を検出し、画素選択部2は検出結果DETに応じて、事象PHが存在する各行において、事象PHの一端の画素を1つ目の注目画素として選択し、他端の画素を2つ目の注目画素として選択する。
図13では、6行分の画素が事象PHとオーバーラップしている。iを1以上6以下の整数とすると、上からi行目の左端の画素が注目画素TRGi_1として選択され、右端の画素が注目画素TRGi_2として選択される。
【0055】
この例では、
図13の第2の例と比べて、検出した事象PH2をより忠実にトレースすることができる。なお、言うまでも無いが、事象検出部4は、検出した事象が存在する各列において、事象の両端の画素を注目画素として選択してもよい。
【0056】
実施の形態3
本実施の形態では、対応付け処理の結果を表示する手法について説明する。実施の形態2では、線状の事象の場合である第1の例や、事象が占める領域の画素に着目する場合(第2及び第3の例)について説明した。このような場合には、表示部によって対応付け結果についての画像を表示するときに、注目画素等を表示することで、ユーザが結果を把握しやすくなることが想定される。
【0057】
図15に、実施の形態3にかかる計測装置30の構成を模式的に示す。計測装置30は、
図11の計測装置20に、表示部5を追加した構成を有する。
【0058】
表示部5は、算出結果RESに応じて、画素点対応付け部3における処理結果を視認可能に表示するものとして構成される。例えば、表示部5は、画素点対応付け部3が算出した複数の注目画素TRGの座標を表示する。また、例えば、表示部5は、複数の注目画素TRGで規定される矩形の領域を表示してもよい。
【0059】
以下、表示方法の例として、第2の例について表示手法を説明する。
図16に、矩形領域を設定する場合(第2の例)における画像データの表示例を示す。この表示例では、画像データ上に、検出した事象を包含する矩形領域と注目画素とが表示されている。これにより、ユーザは、特定の事象について、どのように注目画素が設定され、計測されたかを理解することができる。
【0060】
また、第1の表示例では、表示画面上における縮尺を示すスケールが表示されている。本構成では、画像データIMGの画素と3DデータDATの点データとが正確に対応しているため、3DデータDATにおける寸法を画像データIMGに投影することが可能である。これにより、
図16に示すように、スケールを表示することが可能になる。これにより、一般的な手法では不可能であった定量的な解析が可能となる。また、スケールを表示するのみならず、ユーザがマウス等の入力装置を操作して、2つの画素を指定することで、これらの2つの画素間の寸法を算出して表示してもよい。また、ユーザが特定の領域を指定することで、指定した領域の面積を算出して表示してもよい。
【0061】
次いで、
図17に、矩形領域を設定する場合(第2の例)における3Dデータの表示例を示す。
図17の左図に示すように、3Dデータの特定の領域の点データを表示している状態で、画像データIMGに含まれる事象PH2と、事象PH2を含む矩形領域SQと、を示す画素を表示してもよく、又は、これらの一方を示す画素を表示してもよい。この場合でも、画像データIMGに切り替えることなく、3Dデータ上において、ユーザが、特定の事象について、どのように注目画素が設定され、計測されたかを理解することができる。
【0062】
また、
図17の右図に示すように、3Dデータの特定の領域の点データを表示している状態で、画像データIMGに含まれる事象PH2を構成する各画素に対応する点データを表示してもよい。これにより、事象PH2を点データのみで表現することができる。
【0063】
さらに、この場合においても、
図16と同様に、スケールの表示、2つの画素間の寸法や特定の領域の面積の算出及び表示を行ってもよい。
【0064】
このように、表示部5における表示において、スケールの表示、2つの画素間の寸法や特定の領域の面積の算出及び表示を行うことで、ユーザは、表示された部位の定量的な解析が可能であることを認識し、必要な解析を行うことが可能となる。
【0065】
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の実施の形態にかかる計測装置が実行する処理は、コンピュータにプログラムを実行させることによって実現されてもよい。具体的には、これらの送信信号処理又は受信信号処理に関するアルゴリズムをコンピュータシステムに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータに供給すればよい。
【0066】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0067】
図18に、計測装置を実現するためのハードウェア構成の一例であるコンピュータ1000の構成を模式的に示す。コンピュータ1000は、専用コンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)などの各種のコンピュータとして構成される。但し、コンピュータは、物理的に単一である必要はなく、分散処理を実行する場合には、複数であってもよい。
図18に示すように、コンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002及びRAM(Random Access Memory)1003を有し、これらがバス1004を介して相互に接続されている。尚、コンピュータを動作させるためのOSソフトなどは、説明を省略するが、このコンピュータも当然有しているものとする。
【0068】
バス1004には、入出力インターフェイス1005が接続されている。入出力インターフェイス1005には、入力部1006、出力部1007、通信部1008及び記憶部1009が接続される。
【0069】
入力部1006は、例えば、キーボード、マウス、センサなどより構成される。出力部1007は、例えば、LCDなどのディスプレイ装置やヘッドフォン及びスピーカなどの音声出力装置により構成される。通信部1008は、例えば、ルータやターミナルアダプタなどにより構成される。記憶部1009は、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶装置により構成される。
【0070】
CPU1001は、ROM1002に記憶されている各種プログラム、又は記憶部1009からRAM1003にロードされた各種プログラムに従って各種の処理を行うことが可能である。本実施の形態においては、CPU1001は、例えば計測装置が行う処理を実行する。CPU1001とは別にGPU(Graphics Processing Unit)を設け、CPU1001と同様に、ROM1002に記憶されている各種プログラム、又は記憶部1009からRAM1003にロードされた各種プログラムに従って各種の処理、本実施の形態においては、例えば計測装置が行う処理を実行してもよい。なお、GPUは、定型的な処理を並列的に行う用途に適しており、後述するニューラルネットワークにおける処理などに適用することで、CPU1001に比べて処理速度を向上させることも可能である。RAM1003には又、CPU1001及びGPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0071】
通信部1008は、ネットワーク1020を介して、サーバ1030と双方向の通信を行うことが可能である。通信部1008は、CPU1001から提供されたデータをサーバ1030へ送信したり、サーバ1030から受信したデータをCPU1001、RAM1003及び記憶部1009などへ出力することができる。通信部1008は、他の装置との間で、アナログ信号又はディジタル信号による通信を行ってもよい。記憶部1009はCPU1001との間でデータのやり取りが可能であり、情報の保存及び消去を行う。
【0072】
入出力インターフェイス1005には、必要に応じてドライブ1010が接続されてもよい。ドライブ1010には、例えば、磁気ディスク1011、光ディスク1012、フレキシブルディスク1013又は半導体メモリ1014などの記憶媒体が適宜装着可能である。各記憶媒体から読み出されたコンピュータプログラムは、必要に応じて記憶部1009にインストールされてもよい。また、必要に応じて、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータや、CPU1001の処理の結果として得られたデータなどを各記憶媒体に記憶してもよい。
【0073】
カメラ110及びLiDAR装置120は、撮像又は計測に先立って、本体の水平を確認した上で設置することが望ましい。これにより、カメラ110の位置姿勢の検出精度を担保でき、かつ、3Dデータと画像データとの位置合わせを高精度に行うことができる。また、カメラ110及びLiDAR装置120に加速度センサを設けて重力方向を検出してもよい。この場合、重力方向を基準としてカメラ110の姿勢を検出可能であり、重力方向を基準として3Dデータと画像データとの位置合わせを高精度に行うことができる。
【0074】
上述の実施の形態では、画像データや動画データがカメラによって取得されると説明したが、これは例示に過ぎない。画像データや動画データは、各種の任意の撮像装置によって取得することができる。
【0075】
上述の実施の形態では、注目画素から近い順に3つ以上の近傍点を選択するものとしたが、これは例示に過ぎない。一般に、画素は色相、彩度及び明度の情報を有しているので、例えば、注目画素から近い順に、かつ、注目画素の色相に対して一定範囲内の色相を有する画素にオーバーラップする点データを、近傍点として選択してもよい。同一平面にかかる画素は概ね同じ色相を有していることが想定されるので、これにより、より確実に注目画素と同一平面に存在すると考え得る点データを近傍点として選択することができる。この場合、色相に代えて彩度又は明度を用いてもよいし、色相、彩度及び明度の一部又は全部を組み合わせて用いてもよい。
【0076】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0077】
(付記1)対象物を撮像して取得した画像データと、前記対象物の3Dデータと、を受け取り、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力する位置合わせ部と、前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択する画素選択部と、前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素の近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う画素点対応付け部と、を備える、計測装置。
【0078】
(付記2)前記画素点対応付け部は、前記画像データを取得した撮像装置が向く方向であって前記注目画素を通る視線方向と、前記複数の点データのそれぞれと、の間の垂線距離を算出し、前記垂線距離が近い順に、前記近傍点データを選択する、付記1に記載の計測装置。
【0079】
(付記3)前記視線方向は、前記注目画素の中央点を通る、付記2に記載の計測装置。
【0080】
(付記4)前記視線方向に沿って見たときに、前記視線方向を中心とする所定の半径の円の内部に位置する点データを、前記近傍点データとして選択する、付記2又は3に記載の計測装置。
【0081】
(付記5)前記画素選択部は、前記注目画素を複数選択し、前記画素点対応付け部は、選択された複数の前記注目画素のそれぞれについて、前記対応付けを行う、付記1乃至4のいずれか一つに記載の計測装置。
【0082】
(付記6)前記複数の注目画素は、第1の注目画素及び第2の注目画素を含み、前記画素選択部は、前記画像データにおける前記対象物の計測対象となる事象の一端に位置する画素を第1の注目画素として選択し、他端に位置する画素を第2の注目画素として選択する、付記5に記載の計測装置。
【0083】
(付記7)前記複数の注目画素は、第1の注目画素及び第2の注目画素を含み、前記画素選択部は、前記画像データにおける前記対象物の計測対象となる事象を包含する、複数の画素からなる矩形領域の1つの角に位置する画素を第1の注目画素として選択し、前記第1の注目画素に対して対角の位置の画素を第2の注目画素として選択する、付記5に記載の計測装置。
【0084】
(付記8)前記画像データ又は前記3Dデータ上に、前記矩形領域を表示する表示部をさらに備える、付記7に記載の計測装置。
【0085】
(付記9)前記複数の注目画素は、第1の注目画素及び第2の注目画素を含み、前記画素選択部は、前記画像データにおける前記対象物の計測対象となる事象とオーバーラップする画素のうち、各行の一端の画素を第1の注目画素として選択し、かつ、他端の画素を第2の注目画素として選択し、又は、各列の一端の画素を第1の注目画素として選択し、かつ、他端の画素を第2の注目画素として選択する、付記5に記載の計測装置。
【0086】
(付記10)前記画像データ又は前記3Dデータ上に、事象とオーバーラップする画素を表示する表示部をさらに備える、付記9に記載の計測装置。
【0087】
(付記11)前記画像データ又は前記3Dデータ上に、事象とオーバーラップする画素に対応する点データを表示する表示部をさらに備える、付記9に記載の計測装置。
【0088】
(付記12)前記表示部は、前記画像データ又は前記3Dデータ上に、前記第1及び第2の注目画素を表示する、付記8、10及び11のいずれか一つに記載の計測装置。
【0089】
(付記13)前記表示部は、前記画像データ又は前記3Dデータ上に、表示した前記画像データ又は前記3Dデータの縮尺に応じたスケールを表示する、付記8、10乃至12のいずれか一つに記載の計測装置。
【0090】
(付記14)前記表示部は、前記算出結果を、前記画像データ又は前記3Dデータ上に表示する、付記8及び10乃至及び13のいずれか一つに記載の計測装置。
【0091】
(付記15)前記画像データにおける前記対象物の計測対象となる事象を検出する事象検出部をさらに備え、前記画素選択部は、前記事象検出部が検出した前記事象に基づいて、前記第1及び第2の注目画素を選択する、付記6乃至13のいずれか一つに記載の計測装置。
【0092】
(付記16)前記1つの面は、前記近傍点データに基づいて算出した平面又は曲面である、付記1乃至15のいずれか一つに記載の計測装置。
【0093】
(付記17)前記3Dデータは、レーザ光によって前記測定対象物を走査することで前記3Dデータを取得するLiDAR装置として構成される、付記1乃至16のいずれか一つに記載の計測装置。
【0094】
(付記18)対象物を撮像して取得した画像データを出力する撮像装置と、前記対象物の3Dデータを取得する3Dデータ取得装置と、前記画像データと前記対象物の3Dデータとの対応付ける計測装置と、を備え、前記計測装置は、前記画像データと前記3Dデータとを受け取り、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力する位置合わせ部と、前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択する画素選択部と、前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素の近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う画素点対応付け部と、を備える、計測システム。
【0095】
(付記19)対象物を撮像して取得した画像データと、前記対象物の3Dデータと、を受け取って、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力し、前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択し、前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素の近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う、計測方法。
【0096】
(付記20)対象物を撮像して取得した画像データと、前記対象物の3Dデータと、を受け取って、前記画像データと前記3Dデータとの位置合わせを行い、位置合わせ後のデータを出力する処理と、前記画像データに含まれる複数の画素から、注目画素を選択する処理と、前記位置合わせ後のデータに含まれる前記3Dデータの複数の点データから、前記注目画素の近傍の3つ以上の点データを近傍点データとして選択し、前記近傍点データに基づいて1つの面を推定し、前記1つの面における前記注目画素の、前記複数の点データが属する空間における位置を算出する対応付けを行う処理と、をコンピュータに行わせる、計測プログラム。
【符号の説明】
【0097】
1 位置合わせ部
2 画素選択部
3 画素点対応付け部
4 事象検出部
5 表示部
10、20、30 計測装置
100 計測システム
110 カメラ
120 LiDAR装置
130 画像データベース
140 3Dデータベース
1000 コンピュータ
1001 CPU
1002 ROM
1003 RAM
1004 バス
1005 入出力インターフェイス
1006 入力部
1007 出力部
1008 通信部
1009 記憶部
1010 ドライブ
1011 磁気ディスク
1012 光ディスク
1013 フレキシブルディスク
1014 半導体メモリ
1020 ネットワーク
1030 サーバ
OBJ 計測対象物
IMG 画像データ
D 視線方向
DAT 3Dデータ
DET 検出結果
DPA データ
RES 算出結果
PH1、PH2 事象
SEL 選択結果
TRG、TRG1、TRG2、TRG1_1~TRG6_1、TRG1_2~TRG6_2 注目画素