(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066085
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/86 20060101AFI20240508BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240508BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240508BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20240508BHJP
C11D 1/04 20060101ALI20240508BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A61K8/86
A61Q19/10
A61K8/60
C11D1/68
C11D1/04
C11D3/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175368
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 恵育
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA072
4C083AB332
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
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4C083AC712
4C083AC792
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD112
4C083AD132
4C083AD201
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4C083AD532
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4C083EE03
4C083EE06
4C083EE07
4H003AB02
4H003AB03
4H003AC05
4H003AD04
4H003DA02
4H003EA19
4H003EB04
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4H003EB17
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4H003ED02
4H003ED29
4H003FA17
4H003FA26
(57)【要約】
【課題】
泡立ちと泡質(弾力性)が良好でありながら、洗い流し時にきしみがなく、バルクの糸引きが少ない皮膚洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】
下記(A)及び(B)成分を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物により上記課題を解決する。好ましくは、(A)成分が、皮膚洗浄剤組成物全体質量中0.01質量%以下であり、さらに好ましくは、下記(C)成分を皮膚洗浄剤組成物中25質量%以下含有する。
(A)平均分子量200万~300万のポリエチレングリコール
(B)アルキルポリグルコシド
(C)脂肪酸およびその塩
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)及び(B)成分を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。
(A)平均分子量200万~300万のポリエチレングリコール
(B)アルキルポリグルコシド
【請求項2】
前記(A)成分が、皮膚洗浄剤組成物全体質量中0.01質量%以下である請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに下記(C)成分を皮膚洗浄剤組成物中25質量%以下含有する請求項1又は2に記載の皮膚洗浄剤組成物。
(C)脂肪酸およびその塩
【請求項4】
下記(A)成分に(B)成分を配合することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物の糸引き抑制方法。
(A)平均分子量200万~300万のポリエチレングリコール 全体質量中0.01質量%以下
(B)アルキルポリグルコシド
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関し、詳しくは、洗い流し時のきしみがなく、且つバルクの糸引きが少なく、泡立ちと泡質(弾力性)が良好な皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚洗浄剤組成物において、高重合ポリエチレングリコールは泡立ち、泡質改善剤として用いられている。脂肪酸塩と高重合ポリエチレングリコール、カチオン性ポリマーや多価アルコール等を組み合わせることにより、泡立ちや泡質の改善および、洗浄後の肌のなめらかさや、肌の水分蒸散量抑制効果などを向上させた皮膚洗浄剤組成物が開示されている。(例えば、特許文献1、2、3参照。)
【0003】
しかしながら、これらの組成物は泡立ち、泡質を担保するために、脂肪酸塩や高重合ポリエチレングリコールが多く配合されており、バルクに糸引きが生じてしまい、製造時においては容器充填時に糸引きによりサイクルタイムが低下し、使用時においては不快感を感じるといった問題が生じる。
【0004】
また、高重合ポリエチレングリコールを配合すると、泡立ち、泡質は改善するものの、一方で洗い流し時のきしみが強くなるという課題があった。洗い流し時のきしみの改善には、ポリクオタニウム-7や、カチオン化グアガムなどのカチオン性ポリマーの配合が有効であるが、これらを配合すると一層バルクの糸引きが強くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-180181公報
【特許文献2】特開2016-124803公報
【特許文献3】特開2010-209322公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような背景から、洗い流し時のきしみのなさと、バルクの糸引きの少なさを両立させた皮膚洗浄剤組成物が求められている。
【0007】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、高重合ポリエチレングリコールが配合されていても、洗い流し時の肌がきしまず、バルクの糸引きが少ない皮膚洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果、平均分子量200万~300万のポリエチレングリコールにアルキルグルコシドを組み合わせることにより、洗い流し時の肌がきしまず、バルクの糸引きが少ない皮膚洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗い流し時の肌がきしまず、バルクの糸引きが少ないだけでなく、泡立ち、泡質(弾力性)についても良好であった。
【0009】
第1の発明は次のとおりである。
下記(A)及び(B)成分を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物である。好ましくは、(A)成分が皮膚洗浄剤組成物全体質量中0.01質量%以下である。さらに好ましくは、下記(C)成分を皮膚洗浄剤組成物中25質量%以下含有する。
(A)平均分子量200万~300万のポリエチレングリコール
(B)アルキルポリグルコシド
(C)脂肪酸およびその塩
【0010】
第2の発明は次のとおりである。
下記(A)成分に(B)成分を配合することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物の糸引き抑制方法である。
(A)平均分子量200万~300万のポリエチレングリコール 全体質量中0.01質量%以下
(B)アルキルポリグルコシド
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗い流し時のきしみがなく、且つバルクの糸引きが少なく、泡立ちと泡質(弾力性)が良好な皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の皮膚洗浄剤組成物について詳細に説明する。
【0013】
本明細書において、「バルクの糸引き」とは、ポンプ容器からバルクを吐出したときに、バルクが途切れずに糸を引く状態をいう。
【0014】
<(A)成分>
本発明の皮膚洗浄剤組成物で用いられる(A)成分は、平均分子量が200万~300万の高重合ポリエチレングリコールである。一般的に、高重合ポリエチレングリコールは、皮膚洗浄剤組成物の泡立ち、泡質向上の目的で用いられ、本発明においては平均分子量が200万以上であれば洗い流し時の肌のきしみが低減され、300万以下であればバルクの糸引きが低減される。
【0015】
(A)成分を具体的に例示すれば、PEG-45M、PEG-65M等が挙げられる。これらポリエチレングリコールは市販品を使用することができ、具体的に例示すれば、ポリオックス WSR N60K(ダウ・ケミカル日本社製)、アルコックスE-100(明成化学工業社製)等が挙げられる。
【0016】
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、(A)成分の配合量は、好ましくは0.002~0.01質量%である。0.002質量%以上であれば良好な泡立ち、泡質(弾力性)を得られ、0.01質量%以下であればバルクの糸引きが抑制される。
【0017】
<(B)成分>
本発明の皮膚洗浄剤組成物で使用される(B)成分は、アルキルポリグルコシドである。(B)成分は、起泡・洗浄目的で用いられ、安全性に優れた非イオン界面活性剤であることが知られている。
【0018】
また、本願発明において(B)成分は、(A)成分と組み合わせることで(A)成分に起因する洗い流し時のきしみを低減することを見出し、必須の成分である。
【0019】
具体的に例示すれば、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ココイルグルコシド等が挙げられる。これらアルキルポリグルコシドは市販品を使用することができ、具体的に例示すれば、マイドール10、マイドール12(いずれも花王社製)、プランタケア2000UP、プランタケア1200UP、プランタケア818UP、プランタケア800UP等のプランタケアシリーズ(いずれもBASF社製)等が挙げ
られる。本発明の皮膚洗浄剤組成物には、これらアルキルポリグルコシドを1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、(C)成分の配合量は、1~7質量%が好ましい。1質量%以上であれば洗い流し時の肌のきしみが改善され、7質量%以下では泡質(弾力性)が良好である。
【0021】
<(C)成分>
本発明の皮膚洗浄剤組成物で用いられる(C)成分は、皮膚洗浄剤組成物の洗浄用基剤である。たとえば、脂肪酸およびその塩である。脂肪酸塩を構成する脂肪酸は、例えばミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの単一の脂肪酸や、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸などから誘導される脂肪酸、又はそれらの混合物が挙げられる。脂肪酸塩を構成する塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、低級アルカノールアミン塩などが挙げられるが、好ましくは、泡立ち、安定性の観点からナトリウム塩、カリウム塩である。
【0022】
本発明の皮膚洗浄剤組成物で用いられる成分(C)脂肪酸塩を具体的に例示すれば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウムミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、イソステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、ミリスチン酸トリエタノ―ルアミン、パルミチン酸トリエタノ―ルアミン、ステアリン酸トリエタノ―ルアミン、イソステアリン酸トリエタノ―ルアミン、オレイン酸トリエタノ―ルアミン、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ油脂肪酸ナトリウム、オリーブ油脂肪酸ナトリウム、パーム油脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸カリウム、ヒマシ油脂肪酸カリウム、オリーブ油脂肪酸カリウム、パーム油脂肪酸カリウム、牛脂脂肪酸トリエタノ―ルアミン、ヒマシ油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、オリーブ油脂肪酸トリエタノ―ルアミン、パーム油脂肪酸トリエタノ―ルアミン等が挙げられる。本発明の皮膚洗浄剤組成物には、これら高級脂肪酸塩を1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、成分(C)脂肪酸およびその塩の配合量は、10~25質量%であり、好ましくは15~20質量%である。脂肪酸およびその塩の配合量が10質量%以上であれば泡立ち・泡質が良好であり、25質量%以下であればバルクの糸引きは生じず、洗い流し時の肌のきしみも生じない。
【0024】
また、本発明の(C)成分を構成する脂肪酸は、ラウリン酸/ミリスチン酸の配合比率を2/3~1/1で含有することが好ましい。ラウリン酸/ミリスチン酸の比率が2/3以上であればバルクの糸引きが生じにくく、1/1以下であれば洗い流し時のきしみが少なくなる。
【0025】
<その他の成分>
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、粉体(顔料、色素、樹脂等)、生理活性成分、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、パール化剤、中和剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0026】
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸
アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜1種又は2種以上選択して用いればよい。
【0027】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β-アミノプロピオン酸ナトリウム、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜1種又は2種以上選択して用いればよい。
【0028】
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N-メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、適宜1種又は2種以上選択して用いればよい。
【0029】
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。
【0030】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0031】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、
ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0032】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l-メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0033】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗顔、クレンジング、ボディシャンプー、ハンドソープ、シェービング料、マッサージ料等の皮膚用洗浄剤として好適に使用できる。またそれぞれ、粘性液体、クリーム状等の形態として用いることができ、特に洗顔フォーム、液状ボディシャンプーとして好適に用いられる。
【0034】
次に本発明について実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0035】
(a)バルクの糸引きについての試験法
ボトルに実施例及び比較例のボディソープを充填し、3cc吐出のディスペンサー(吉野工業所社製)を取り付ける。ディスペンサーを押してボディソープを吐出し、ディスペンサーが元の位置に戻ったときをスタートとし、吐出されたバルクが伸びてちぎれるまでの時間(秒)を測定し、バルクの糸引き性の評価とした。測定は3回行い、平均時間を算出した。糸引きが強いものほど、ちぎれるまでの時間が長くなる。
(b)泡立ち、泡質(弾力性)、洗い流し時のきしみのなさについての試験法
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例のボディシャンプーを使用し、使用時の泡立ち、泡質(弾力性)、洗い流し時のきしみのなさの各項目について官能評価した。各項目を、5:極めて良好、4:良好、3:どちらでもない、2:やや悪い、1:非常に悪い、でスコア付けをする。10名の専門パネルのスコアの平均点を算出し、平均点を各項目の評価の指標とした。
【0036】
実施例1~14、比較例1~9
表1~2に示す組成のボディウォッシュを調整し、これらを使用した時の泡立ちと泡質(弾力性)、洗い流し時の肌のきしみのなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさについて調べた。結果を併せて表1~2に示す。
【0037】
【0038】
【0039】
表1~2より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~14のボディウォッシュ組成物は比較例1~9の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0040】
以下、本発明のボディウォッシュ、洗顔料のその他の処方例を実施例15、実施例16として挙げる。なお、これらの実施例のボディウォッシュ、洗顔料についても、バルクの糸引き性、泡立ち、泡質(弾力性)、洗い流し時の肌のきしみのなさについて調べた。
【0041】
実施例15 ボディウォッシュ (質量%)
(1)ラウリン酸K 4.7
(2)ミリスチン酸K 7.0
(3)パルミチン酸K 3.9
(4)ココイルメチルタウリンNa 3.0
(5)ラウロイルルアスパラギン酸Na 1.0
(6)ラウリルグルコシド 1.0
(7)ココアンホ酢酸Na 2.5
(8)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 0.3
(9)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.4
(10)ラウロイルヒドロキシエチル-β―アラニンNa 0.1 (11)コカミドMEA 0.4
(12)ジステアリン酸グリコール 1.5
(13)PEG-65M 0.01
(14)エデト酸二ナトリウム 0.1
(15)フェノキシエタノール 0.3
(16)乳酸桿菌/乳発酵液(牛乳) 0.001(17)ラクトフェリン(牛乳) 0.01
(18)グルコシルセラミド 0.0001(19)α-グルカン 0.0001(20)グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
(21)加水分解酵母 0.001(22)ポリソルベート20 0.1
(23)DPG 5.0
(24)グリセリン 2.0
(25)エタノール 0.5
(26)BG 0.5
(27)塩化カリウム 1.0
(28)塩化ナトリウム 0.5
(29)香料 0.8
(30)精製水 残余
【0042】
実施例16 洗顔料 (質量%)
(1)ラウリン酸K 2.4
(2)ミリスチン酸K 3.6
(3)パルミチン酸K 2.4
(4)ステアリン酸K 2.6
(5)ラウラミドプロピルベタイン 1.0
(6)ラウリルグルコシド 4.0
(7)ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン 3.5 (8)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 0.4
(9)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.0
(10)グリコシルトレハロース 1.0 (11)DPG 0.4
(12)ジステアリン酸グリコール 0.1
(13)PEG-65M 0.005(14)エデト酸二ナトリウム 0.1
(15)フェノキシエタノール 0.4
(16)乳酸桿菌/乳発酵液(牛乳) 0.001(17)ラクトフェリン(牛乳) 0.01
(18)グルコシルセラミド 0.0001(19)α-グルカン 0.0001(20)グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
(21)加水分解酵母 0.001(22)ポリソルベート20 0.1
(23)グリセリン 5.0
(24)エタノール 0.5
(25)BG 0.5
(26)香料 0.8
(27)精製水 残余
【0043】
常法により上記組成の皮膚洗浄剤組成物を調製し、バルクの糸引き性、洗い流し時の肌のきしみのなさ、泡立ち、泡質(弾力性)を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。