(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006613
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 75/32 20060101AFI20240110BHJP
B65D 85/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B65D75/32
B65D85/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107678
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】594063670
【氏名又は名称】株式会社SHIMADA
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】西堀 美智雄
【テーマコード(参考)】
3E067
3E068
【Fターム(参考)】
3E067AA12
3E067AB99
3E067AC01
3E067AC04
3E067BA34A
3E067BB14A
3E067CA11
3E067EA18
3E067EA32
3E067EB17
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
3E068AA40
3E068AB10
3E068AC07
3E068BB01
3E068BB03
3E068BB06
3E068BB11
3E068BB12
3E068CC03
3E068CC04
3E068CD02
3E068CE03
3E068DD06
3E068DD07
3E068DD28
3E068DE01
3E068DE14
3E068EE01
3E068EE31
(57)【要約】
【課題】被収容物が容器の内面に張り付いてしまうことを抑制でき、被収容物の状態を維持して収容できる容器を提供する。
【解決手段】容器1は、シート状の被収容物100を収容する容器であって、外側へ凹んだ第1凹部11を備える第1本体部10と、外側へ凹んだ第2凹部21を備える第2本体部20と、を備え、前記第1凹部11及び前記第2凹部21は、非収容状態において内側に開口しており、内側へ向けて突出する複数の突起部12、突起部22を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の被収容物を収容する容器であって、
外側へ凹んだ第1凹部を備える第1本体部と、
外側へ凹んだ第2凹部を備える第2本体部と、
を備え、
前記第1凹部及び前記第2凹部は、非収容状態において内側に開口しており、内側へ向けて突出する複数の突起部を備える、容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器において、
前記第1本体部は、前記第1凹部を挟んで前記第1凹部の一端側と他端側のそれぞれに配置され、収容状態において前記被収容物を把持する第1把持面を有し、
前記第1把持面を結ぶ仮想面は、前記第1凹部の内面から離間しており、
前記第2本体部は、前記第2凹部を挟んで前記第2凹部の一端側と他端側のそれぞれに配置され、収容状態において前記被収容物を把持する第2把持面を有し、
前記第2把持面を結ぶ仮想面は、前記第2凹部の内面から離間していること、
を特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の容器において、
前記第1凹部の内側と前記第2凹部の内側とが対向する形態で前記第1本体部と前記第2本体部とを着脱自在に仮固定する仮固定部を備えること、
を特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の容器において、
前記第1本体部と前記第2本体部とは、折り曲げ可能な折り曲げ線で接続されていること、
を特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の容器において、
前記第1本体部と前記第2本体部とは、折り曲げ可能な折り曲げ線で接続されており、
前記第1凹部の内側と前記第2凹部の内側とが対向する形態で前記第1本体部と前記第2本体部とを着脱自在に仮固定する仮固定部を備え、
1つの当該容器を用いて、前記折り曲げ線で折り曲げて前記第1凹部の内側と前記第2凹部の内側とを対向させて、前記第1凹部と前記第2凹部との間に1つの被収容物を収容し、前記仮固定部によって仮固定する第1の収容形態と、
2つの当該容器を用いて、前記折り曲げ線で折り曲げずに一方の容器の前記第1凹部の内側と他方の容器の前記第2凹部の内側とを対向させて、一方の容器と他方の容器との間に2つの被収容物を収容し、前記仮固定部によって仮固定する第2の収容形態と、
の2つの収容形態を利用可能であること、
を特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の容器において、
前記突起部の頂点間の最短距離は、3mm以上5mm以下であること、
を特徴とする容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シート状の被収容物を収容する容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
開封後における被収容物の保管性に優れたブリスター包装容器が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているブリスター包装容器では、被収容物を収容したり取り出したりすることを自由に行うことができる。
【0003】
また、害虫駆除を目的として害虫のサンプリングやモニタリングのために粘着性を有する捕虫シートを一定期間設置し、これを回収して捕虫された害虫を調べることが行われている。従来は、害虫が捕虫された捕虫シートを回収した後、離型紙等で包んで搬送することが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されているブリスター包装容器では、被収容物が容器の内面と接触することによって被収容物が容器の内面に張り付いてしまうおそれがあった。したがって、特に、粘着性を有するシート状の被収容物を収容することはできなかった。
【0006】
また、捕虫シートを離型紙等で包んで搬送する場合、捕虫された虫が潰されてしまうおそれがあった。虫が潰されてしまうと虫の種類を特定することが困難になることから、より適切な搬送方法が求められていた。
【0007】
本開示の課題は、被収容物が容器の内面に張り付いてしまうことを抑制でき、被収容物の状態を維持して収容できる容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
第1の開示は、シート状の被収容物(100)を収容する容器(1)であって、外側へ凹んだ第1凹部(11)を備える第1本体部(10)と、外側へ凹んだ第2凹部(21)を備える第2本体部(20)と、を備え、前記第1凹部(11)及び前記第2凹部(21)は、非収容状態において内側に開口しており、内側へ向けて突出する複数の突起部(12、22)を備える、容器(1)である。
【0010】
第2の開示は、第1の開示に記載の容器(1)において、前記第1本体部(10)は、前記第1凹部(11)を挟んで前記第1凹部(11)の一端側と他端側のそれぞれに配置され、収容状態において前記被収容物(100)を把持する第1把持面(13a)を有し、前記第1把持面(13a)を結ぶ仮想面(S1)は、前記第1凹部(11)の内面から離間しており、前記第2本体部(20)は、前記第2凹部(21)を挟んで前記第2凹部(21)の一端側と他端側のそれぞれに配置され、収容状態において前記被収容物(100)を把持する第2把持面(23a)を有し、前記第2把持面(23a)を結ぶ仮想面(S2)は、前記第2凹部(21)の内面から離間していること、を特徴とする容器(1)である。
【0011】
第3の開示は、第1の開示又は第2の開示に記載の容器(1)において、前記第1凹部(11)の内側と前記第2凹部(21)の内側とが対向する形態で前記第1本体部(10)と前記第2本体部(20)とを着脱自在に仮固定する仮固定部(14、24)を備えること、を特徴とする容器(1)である。
【0012】
第4の開示は、第1の開示から第3の開示までのいずれかに記載の容器(1)において、前記第1本体部(10)と前記第2本体部(20)とは、折り曲げ可能な折り曲げ線(2)で接続されていること、を特徴とする容器(1)である。
【0013】
第5の開示は、第1の開示から第3の開示までのいずれかに記載の容器(1)において、前記第1本体部(10)と前記第2本体部(20)とは、折り曲げ可能な折り曲げ線(2)で接続されており、前記第1凹部(11)の内側と前記第2凹部(21)の内側とが対向する形態で前記第1本体部(10)と前記第2本体部(20)とを着脱自在に仮固定する仮固定部(14、24)を備え、1つの当該容器(1)を用いて、前記折り曲げ線(2)で折り曲げて前記第1凹部(11)の内側と前記第2凹部(21)の内側とを対向させて、前記第1凹部(11)と前記第2凹部(21)との間に1つの被収容物(100)を収容し、前記仮固定部(14、24)によって仮固定する第1の収容形態と、2つの当該容器(1)を用いて、前記折り曲げ線(2)で折り曲げずに一方の容器(1)の前記第1凹部(11)の内側と他方の容器(1)の前記第2凹部(21)の内側とを対向させて、一方の容器(1)と他方の容器(1)との間に2つの被収容物(100)を収容し、前記仮固定部(14、24)によって仮固定する第2の収容形態と、の2つの収容形態を利用可能であること、を特徴とする容器(1)である。
【0014】
第6の開示は、第1の開示から第5の開示までのいずれかに記載の容器(1)において、前記突起部(12、22)の頂点間の最短距離は、3mm以上5mm以下であること、を特徴とする容器(1)である。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、被収容物が容器の内面に張り付いてしまうことを抑制でき、被収容物の状態を維持して収容できる容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示による容器1の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】容器1と被収容物100とを並べて示す平面図である。
【
図3】
図2中の矢印A-Aの位置で容器1を切断した断面図である。
【
図4】
図3と同様な断面を切断面のみで示す断面図である。
【
図5】第1本体部10上に被収容物100を載置した状態を示す平面図である。
【
図6】第1の収容形態とするために第1本体部10に被収容物100を置いた状態の容器1を示す図である。
【
図7】被収容物100を収容した第1の収容形態の容器1を示す図である。
【
図8】被収容物100を収容した第1の収容形態の容器1を
図3と同様な位置で切断した断面図である。
【
図9】第2の収容形態における2つの容器1と2枚の被収容物100との配置を説明する分解斜視図である。
【
図10】2枚の被収容物100を収容した第2の収容形態の容器1を示す図である。
【
図11】2枚の被収容物100を収容した第2の収容形態の容器1を
図3と同様な位置で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0018】
(実施形態)
図1は、本開示による容器1の実施形態を示す斜視図である。
図2は、容器1と被収容物100とを並べて示す平面図である。
図3は、
図2中の矢印A-Aの位置で容器1を切断した断面図である。
なお、
図1から
図3を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、以下の説明では、
図1の斜め上方、
図2の紙面手前側を「内側」と呼称し、その反対側を「外側」と呼称することとする(
図3参照)。
また、
図2における紙面上下方向に対応する方向を長手方向と呼称し、長手方向に直交する
図2における紙面左右方向を短手方向と呼称する。
また、以下の説明では、凹、凸、突出等の文言は、特に断りがない限り、内側から見た状態における形態を示すものとする。
【0019】
本実施形態の容器1は、第1本体部10と、第2本体部20とを有しており、例えば、透明なPET(polyethylene terephthalate)樹脂等の樹脂シート(又は、樹脂板)を用いた真空成型により作製することができる。本実施形態では、容器1は、厚さ0.4mmの透明なPET樹脂を用いて作製した。なお、容器1の厚さは、成形時に引き伸ばされる部分があることから、成型後の厚さは場所によって異なる。
また、容器1は、真空成型に限らず、射出成型等、他の製造方法によって作製してもよい。また、容器1を作製するための材料は、PET樹脂以外の他の樹脂を用いてもよいし、不透明な樹脂を用いてもよい。また、容器1の作製に用いる材料の厚さについても、適宜変更可能である。
【0020】
第1本体部10は、
図2に示す平面視において外形形状が略直方体形状に形成されており、長辺の一辺に沿って設けられた折り曲げ線2を介して第2本体部20と接続されている。
折り曲げ線2は、例えば、長さの短い切断線が間隔を空けて並んで構成されたいわゆるミシン目状(破線状)に構成したり、折り曲げ線2の部分だけ他の部分よりも厚さを薄く構成したりすることができる。このような構成によって、折り曲げ線2に沿って容易に折り曲げが可能となる。
第1本体部10は、第1凹部11と、突起部12と、フランジ部13と、第1把持面13aと、仮固定凹部14と、嵌合溝部15、16と、位置規制凸部17と、タグ位置規制凸部18とを備えている。
【0021】
第1凹部11は、
図2に示す平面視において外形形状が第1本体部10の外形形状よりもひとまわり小さな略直方体形状に形成されており、後述するフランジ部13よりも外側へ凹んでいる。第1凹部11の短手方向の幅は、後述する被収容物100の粘着シート103の短手方向の幅よりも広い。また、第1凹部11の長手方向の長さは、後述する被収容物100の粘着シート103の長手方向の長さと略等しい。
第1凹部11の突起部12を除くフランジ部13からの深さは、被収容物100に応じて適宜変更可能であるが、例えば、4mm以上、10mm以下を例示できる。本実施形態では、第1凹部11の突起部12を除くフランジ部13からの深さは、5mmとした。
図1及び
図3に示すように、第1凹部11は、被収容物100を収容しない非収容状態において内側に開口している。第1凹部11の凹形状の底部分(内面)は、後述する突起部12を除いて、平坦な平面となっている。
【0022】
突起部12は、第1凹部11の内面に設けられており、第1凹部11の内面から内側へ向けて略半球状に突出して複数設けられている。
突起部12の第1凹部11の内面からの突出量(半球形状の半径と略一致)は、被収容物100に応じて適宜変更可能であるが、例えば、3mm以上、10mm以下を例示できる。本実施形態では、突起部12の第1凹部11の内面からの突出量は、3.5mmとした。
【0023】
フランジ部13は、第1凹部11の周囲に設けられた鍔状の平面領域である。フランジ部13の一部は、第1把持面13aとも呼ぶこととする。
【0024】
第1把持面13aは、フランジ部13の内面側の面の一部であって、第1凹部11を挟んで第1凹部11の長手方向の一端側と他端側とのそれぞれに配置されている。第1把持面13aは、被収容物100を収容する収容状態において被収容物100の両端部を後述する第2把持面23aと共に把持する。
図4は、
図3と同様な断面を切断面のみで示す断面図である。
第1凹部11を挟んで第1凹部11の長手方向の一端側と他端側のそれぞれに配置されている第1把持面13aを結ぶ仮想面S1は、第1凹部11の内面から離間している。
【0025】
図1から
図3に戻って、仮固定凹部14は、フランジ部13に設けられており、外側へ向けて凹んで構成されている。具体的には、仮固定凹部14は、第1把持面13aの近傍に2カ所配置されているものが長手方向の両端部のそれぞれに設けられ、さらに、折り曲げ線2から遠い側のフランジ部13に2カ所の合計6カ所設けられている。仮固定凹部14は、
図2に示す平面視形状が略四角形に形成されている。仮固定凹部14は、後述する仮固定凸部24が嵌合して、第1本体部10と第2本体部20とを着脱自在に仮固定する仮固定部の一部を構成する。
【0026】
嵌合溝部15、16は、フランジ部13に設けられており、外側へ向けて凹んで構成されている。
嵌合溝部15は、折り曲げ線2から遠い側のフランジ部13に3カ所設けられている。嵌合溝部15は、後述する嵌合凸部25と嵌合する。
嵌合溝部16は、折り曲げ線2に近い側のフランジ部13に延在して1カ所設けられている。嵌合溝部16は、後述する嵌合凸部26と嵌合する。
嵌合溝部15、16は、それぞれ、嵌合凸部25、26と嵌合することにより、収容状態における隙間を低減する機能と、フランジ部13を補強する機能とを有している。
【0027】
位置規制凸部17は、第1凹部11の4隅に略四角柱形状で第1把持面13aよりも内側へ向けて突出して設けられている。
図5は、第1本体部10上に被収容物100を載置した状態を示す平面図である。
位置規制凸部17の短手方向における間隔W17は、後述する被収容物100の粘着シート103の短手方向の幅W103よりも僅かに広い幅となっている。
また、位置規制凸部17の長手方向における端部間の長さL17は、後述する被収容物100のタグ部101とタグ部102との間隔L103よりも僅かに長い長さとなっている。
したがって、
図5に示すように、位置規制凸部17によって被収容物100の長手方向の位置、及び、短手方向の位置が規制され、適切な位置に被収容物100を置くことが簡単に行える。また、収容状態において、被収容物100が弛むことを防止できる。
【0028】
タグ位置規制凸部18は、被収容物100のタグ部101に設けられた貫通孔104に対応する位置に第1把持面13aから内側へ向けて突出して設けられている。
【0029】
第2本体部20は、
図2に示す平面視において外形形状が略直方体形状に形成されており、長辺の一辺に沿って設けられた折り曲げ線2を介して第1本体部10と接続されている。第2本体部20の平面視における外形形状は、切り欠き部28を除き、第1本体部10の外形形状とほぼ一致している。
第2本体部20は、第2凹部21と、突起部22と、フランジ部23と、第2把持面23aと、仮固定凸部24と、嵌合凸部25、26と、切り欠き部28とを備えている。
【0030】
第2凹部21は、
図2に示す平面視において外形形状が第2本体部20の外形形状よりもひとまわり小さな略直方体形状に形成されており、後述するフランジ部23よりも外側へ凹んでいる。第2凹部21の短手方向の幅は、後述する被収容物100の粘着シート103の短手方向の幅よりも広い。また、第2凹部21の長手方向の長さは、後述する被収容物100の粘着シート103の長手方向の長さと略等しい。本実施形態では、平面視において、第1凹部11の外形形状と第2凹部21の外形形状とは、略等しい。
第2凹部21の突起部22を除くフランジ部23からの深さは、被収容物100に応じて適宜変更可能であるが、例えば、4mm以上、10mm以下を例示できる。本実施形態では、第2凹部21の突起部22を除くフランジ部23からの深さは、第1凹部11の突起部12を除くフランジ部13からの深さと同じであり、5mmとした。したがって、被収容物100を収容した収容状態において、第1凹部11の突起部12を除く底面(内面)と第2凹部21の突起部22を除く底面(内面)との間の距離は、10mmである。
図1及び
図3に示すように、第2凹部21は、被収容物100を収容しない非収容状態において内側に開口している。第2凹部21の凹形状の底部分(内面)は、後述する突起部22を除いて、平坦な平面となっている。
【0031】
突起部22は、第2凹部21の内面に設けられており、第2凹部21の内面から内側へ向けて略半球状に突出して複数設けられている。
突起部22の第2凹部21の内面からの突出量(半球形状の半径と略一致)は、被収容物100に応じて適宜変更可能であるが、例えば、3mm以上、10mm以下を例示できる。本実施形態では、突起部12の第1凹部11の内面からの突出量は、3.5mmとした。したがって、本実施形態では、被収容物100を収容した収容状態において、突起部12と突起部22との間の距離は、3.0mmである。
【0032】
フランジ部23は、第2凹部21の周囲に設けられた鍔状の平面領域である。フランジ部23の一部は、第2把持面23aとも呼ぶこととする。
【0033】
第2把持面23aは、フランジ部23の内面側の面の一部であって、第2凹部21を挟んで第2凹部21の長手方向の一端側と他端側とのそれぞれに配置されている。第2把持面23aは、被収容物100を収容する収容状態において被収容物100の両端部を第1把持面13aと共に把持する。
図4に示すように、第2凹部21を挟んで第2凹部21の長手方向の一端側と他端側のそれぞれに配置されている第2把持面23aを結ぶ仮想面S2は、第2凹部21の内面から離間している。
【0034】
図1から
図3に戻って、仮固定凸部24は、フランジ部23に設けられており、内側へ向けて突出して仮固定凹部14に対応する位置に設けられている。具体的には、仮固定凸部24は、第2把持面23aの近傍に2カ所配置されているものが長手方向の両端部のそれぞれに設けられ、さらに、折り曲げ線2から遠い側のフランジ部23に2カ所の合計6カ所設けられている。仮固定凸部24は、
図2に示す平面視形状が略円形に形成されている。
【0035】
仮固定凸部24は、仮固定凹部14に挿入されて仮固定凹部14と嵌合して、第1本体部10と第2本体部20とを着脱自在に仮固定する仮固定部の一部を構成する。ここで、仮固定凸部24の凸形状は略円柱(円筒)形状であり、仮固定凹部14の凹形状は略四角柱(四角筒)形状であり、仮固定凸部24の直径は、仮固定凹部14の幅よりも僅かに大きく形成されている。したがって仮固定凸部24を仮固定凹部14へ嵌合させるときには、両者が適度に弾性変形することによって嵌合される。これにより、仮固定凸部24と仮固定凹部14との嵌合が不用意に外れない適度な力で仮固定された状態となる。また、この嵌合を外すことは手作業によって容易に行うことができる。
なお、仮固定凹部14及び仮固定凸部24の数や形状は適宜変更可能である。また、仮固定部の具体的な構成は、凸部と凹部とによって仮固定を行う形態に限らず、フック状の形状同士を組み合わせて係合させることにより仮固定を行う形態としてもよく、適宜変更可能である。
【0036】
嵌合凸部25、26は、フランジ部23に設けられており、内側へ向けて突出して構成されている。
嵌合凸部25は、折り曲げ線2から遠い側のフランジ部23に3カ所設けられている。嵌合凸部25は、嵌合溝部15と嵌合する。
嵌合凸部26は、折り曲げ線2に近い側のフランジ部23に延在して1カ所設けられている。嵌合凸部26は、嵌合溝部16と嵌合する。
嵌合凸部25、26は、それぞれ、嵌合溝部15、16と嵌合することにより、収容状態における隙間を低減する機能と、フランジ部23を補強する機能とを有している。
【0037】
切り欠き部28は、フランジ部23の長手方向の一端側に設けられており、収容状態から第1本体部10と第2本体部20とを引き離すときの作業性を良好にするために設けられている。
【0038】
本実施形態の被収容物100は、害虫駆除を目的として害虫のサンプリングやモニタリングのために用いられる粘着性を有する捕虫シートである。
図2に示すように、被収容物100は、粘着シート103と、タグ部101、102を有している。
粘着シート103は、害虫等を捕虫するために両面に粘着性を有しており、平面視において長方形形状に形成されている。
【0039】
タグ部101、102は、それぞれが粘着シート103の一端と他端に取り付けられており、粘着性を有しておらず、例えば、ボール紙や樹脂板等により構成することができる。したがって、タグ部101、102を手で掴むことができ、粘着シート103に触れないで被収容物100を取り扱うことが可能である。また、タグ部101、102が第1把持面13aと第2把持面23aとの間に挟まれるので、第1把持面13a及び第2把持面23aに粘着シート103が貼り付いてしまうことがない。
また、粘着シート103の短手方向の幅よりもタグ部101、102の同方向の幅が長くなっている。したがって、タグ部101、102のそれぞれを位置規制凸部17に引っ掛けるようにして位置決めすることができ、収容時の作業性が良好である。また、タグ部101、102のそれぞれを位置規制凸部17に引っ掛けるようにして位置決めすることにより、粘着シート103が弛むことなく第1凹部11と第2凹部21との間で浮いた状態で収容することができる。
【0040】
次に、容器1に被収容物100を収容する収容状態について説明する。
本実施形態の容器1では、1つの容器1を用いて1枚の被収容物100を収容する第1の収容形態と、2つの容器1を用いて2枚の被収容物100を収容する第2の収容形態との2つの収容形態を利用可能である。以下、これら2つの収容形態を説明する。
【0041】
(第1の収容形態)
図6は、第1の収容形態とするために第1本体部10に被収容物100を置いた状態の容器1を示す図である。
図7は、被収容物100を収容した第1の収容形態の容器1を示す図である。
図8は、被収容物100を収容した第1の収容形態の容器1を
図3と同様な位置で切断した断面図である。
第1の収容形態では、1つの容器1を用いて、
図3中の矢印Rで示すように折り曲げ線2で折り曲げて第1凹部11の内側と第2凹部21の内側とを対向させる。そして、第1凹部11と第2凹部21との間に1つの被収容物100を収容し、仮固定部(仮固定凹部14、仮固定凸部24)によって仮固定する。
【0042】
第1の収容形態では、
図8に示すように粘着シート103が弛むことなく第1凹部11と第2凹部21との間で浮いた状態で収容することができる。また、仮に粘着シート103が弛んでしまったとしても、突起部12又は突起部22が粘着シート103に点接触することとなる。したがって、粘着シート103が容器1の内面の平坦面に張り付いてしまって剥がしにくくなることを防止できる。また、捕虫された虫が潰されることを抑制でき、被収容物100の状態を維持して収容できる。
ここで、突起部12及び突起部22は、隣り合う突起部12(又は突起部22)の頂点間の最短距離は、40mm以下であることが、粘着シート103が容器1の内面の平坦面に張り付くことを防止するために望ましい。
【0043】
(第2の収容形態)
図9は、第2の収容形態における2つの容器1と2枚の被収容物100との配置を説明する分解斜視図である。
図10は、2枚の被収容物100を収容した第2の収容形態の容器1を示す図である。
図11は、2枚の被収容物100を収容した第2の収容形態の容器1を
図3と同様な位置で切断した断面図である。
第2の収容形態では、2つの容器1を用いて、折り曲げ線2で折り曲げずに一方の容器1の第1凹部11の内側と他方の容器1の第2凹部21の内側とが対向させる。そして、一方の容器1と他方の容器1との間に2つの被収容物100を収容し、仮固定部(仮固定凹部14、仮固定凸部24)によって仮固定する。
【0044】
第2の収容形態においても、
図11に示すように粘着シート103が弛むことなく第1凹部11と第2凹部21との間で浮いた状態で収容することができる。また、仮に粘着シート103が弛んでしまったとしても、突起部12又は突起部22が粘着シート103に点接触することとなる。したがって、粘着シート103が容器1の内部に張り付いてしまって剥がしにくくなることを防止できる。また、捕虫された虫が潰されることを抑制でき、被収容物100の状態を維持して収容できる。
また、第2の収容形態であれば、2枚の被収容物100をひとまとめにすることができるので、2枚の被収容物100をまとめた状態で取り扱いたい場合にばらばらになることがなく使い勝手がよい。
【0045】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の範囲内である。
【0046】
(1)例えば、実施形態において、被収容物100は、捕虫シートである例を挙げて説明したが、被収容物100は、フィルム状、シート状、板状等の形態の物であれば、どのようなものであってもよい。
【0047】
(2)実施形態において、突起部12、22は、略半球状に突出している例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、平面視で直線や曲線となるリブ状に突出した突起部としてもよい。
【0048】
(3)実施形態において、第1本体部10と第2本体部20とは、折り曲げ線2を介して繋がっている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、第1本体部10と第2本体部20とが繋がっておらず、それぞれが独立した部材として構成されていてもよい。
【0049】
(4)実施形態において、突起部12、22によって、粘着シート103の貼り付きを抑制する例を挙げて説明した。これに限らず、突起部12、22の表面を含めて第1凹部11及び第2凹部21の内面の表面状態を微細な凹凸形状を有する形態としたり、易剥離剤でコートしたりして、粘着シート103の貼り付きを抑制する効果をさらに高めてもよい。
【0050】
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0051】
1 容器
2 折り曲げ線
10 第1本体部
12 突起部
13 フランジ部
13a 第1把持面
14 仮固定凹部
15 嵌合溝部
16 嵌合溝部
17 位置規制凸部
18 タグ位置規制凸部
20 第2本体部
21 第2凹部
22 突起部
23 フランジ部
23a 第2把持面
24 仮固定凸部
25 嵌合凸部
26 嵌合凸部
28 切り欠き部
100 被収容物
101 タグ部
102 タグ部
103 粘着シート
104 貫通孔