(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066158
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】遊技用装置及び管理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 332B
A63F7/02 333Z
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175521
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】520302936
【氏名又は名称】株式会社SUNTAC
(74)【代理人】
【識別番号】100122622
【弁理士】
【氏名又は名称】森 徳久
(72)【発明者】
【氏名】野村 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】直井 丈也
(72)【発明者】
【氏名】畑野 友摩
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雅彦
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA15
2C088BC25
2C088CA15
2C088CA27
2C088CA28
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】ユーザの確認負担が小さい新たな情報出力手法を開示する。
【解決手段】遊技用装置は、遊技機に対応して設置される遊技用装置であって、前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を入力する通信部と、制御部と、メモリと、を備える。前記制御部は、前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を取得し、前記遊技機における当日の累計セーフ数と当日の累計アウト数の差である差玉数を算出し、算出される当日の前記差玉数の最小値を前記メモリに記憶させ、現在の前記差玉数と前記メモリに記憶されている前記最小値の差であるコンプリート進捗値を算出し、前記コンプリート進捗値と、前記コンプリート進捗値が到達すると前記遊技機における遊技が停止する閾値であるコンプリート設定値であって前記メモリに記憶されている前記コンプリート設定値と、の関係に関連する関連情報を生成し、生成された前記関連情報を出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技内容に応じて遊技媒体を増減させる遊技機に対応して設置される遊技用装置であって、
前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を入力する通信部と、
制御部と、
メモリと、を備え、
前記制御部は、
前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を取得し、
前記遊技機における当日の累計セーフ数と当日の累計アウト数の差である差玉数を算出し、
算出される当日の前記差玉数の最小値を前記メモリに記憶させ、
現在の前記差玉数と前記メモリに記憶されている前記最小値の差であるコンプリート進捗値を算出し、
前記コンプリート進捗値と、前記コンプリート進捗値が到達すると前記遊技機における遊技が停止する閾値であるコンプリート設定値であって前記メモリに記憶されている前記コンプリート設定値と、の関係に関連する関連情報を生成し、
生成された前記関連情報を出力する、
遊技用装置。
【請求項2】
表示部をさらに備え、
前記関連情報の出力は、前記表示部に前記関連情報の少なくとも一部を表示させることを含む、請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
前記関連情報は、
前記コンプリート進捗値と、
前記コンプリート設定値と前記コンプリート進捗値の差であるコンプリート残数値と、
前記コンプリート設定値に対する前記コンプリート進捗値の割合であるコンプリート進捗率と、
前記コンプリート設定値に対する前記コンプリート残数値の割合であるコンプリート余裕率と、のうちの一以上を含む、請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項4】
表示部をさらに備え、
前記関連情報の出力は、前記表示部に、前記関連情報によって表されるグラフを表示させることを含む、請求項3に記載の遊技用装置。
【請求項5】
前記関連情報は、さらに、当日の前記コンプリート進捗値の最大値と、当日の前記コンプリート残数値の最小値と、当日の前記コンプリート進捗率の最大値と、当日の前記コンプリート余裕率の最小値と、のうちの一以上を含む、請求項3に記載の遊技用装置。
【請求項6】
前記関連情報は、さらに、前日以前の前記コンプリート進捗値の最大値と、前日以前の前記コンプリート残数値の最小値と、前日以前の前記コンプリート進捗率の最大値と、前日以前の前記コンプリート余裕率の最小値と、のうちの一以上を含む、請求項5に記載の遊技用装置。
【請求項7】
複数の発光態様で発光可能な報知部をさらに備え、
前記関連情報の出力は、前記関連情報の内容に応じて前記報知部の発光態様を変えることを含む、請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項8】
遊技店内の複数の遊技機に対応して設置される複数の遊技用装置と通信可能である管理装置であって、
複数の前記遊技用装置と通信するための通信部と、
制御部と、
メモリと、を備え、
複数の前記遊技用装置のそれぞれは、
対応する前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を取得し、
対応する前記遊技機における当日の累計セーフ数と当日の累計アウト数の差である差玉数を算出し、
算出される当日の前記差玉数の最小値を記憶し、
現在の前記差玉数と記憶している前記最小値の差であるコンプリート進捗値を算出し、
前記コンプリート進捗値と、前記コンプリート進捗値が到達すると前記遊技機における遊技が停止する閾値であるコンプリート設定値と、の関係に関連する関連情報を生成し、
生成された前記関連情報を出力し、
前記制御部は、
複数の前記遊技用装置から前記関連情報を取得し、
取得された複数の前記関連情報に基づいて、前記遊技店全体のコンプリート機能に関連する遊技店関連情報を生成し、
生成された前記遊技店関連情報を出力する、
管理装置。
【請求項9】
前記遊技店関連情報の出力は、前記遊技店関連情報の少なくとも一部を、複数の前記遊技用装置に送信することを含む、請求項8に記載の管理装置。
【請求項10】
前記制御部は、さらに、前記コンプリート設定値を前記遊技用装置に送信する、請求項8に記載の管理装置。
【請求項11】
遊技店内の複数の遊技機に対応して設置される複数の遊技用装置と通信可能である管理装置であって、
複数の前記遊技用装置と通信するための通信部と、
制御部と、
メモリと、を備え、
前記制御部は、
複数の前記遊技用装置のそれぞれから、対応する前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を取得し、
複数の前記遊技機のそれぞれについて、
当該遊技機における当日の累計セーフ数と当日の累計アウト数の差である差玉数を算出し、
算出される当日の前記差玉数の最小値を前記メモリに記憶させ、
現在の前記差玉数と前記メモリに記憶されている前記最小値の差であるコンプリート進捗値を算出し、
前記コンプリート進捗値と、前記コンプリート進捗値が到達すると前記遊技機における遊技が停止する閾値であるコンプリート設定値であって前記メモリに記憶されている前記コンプリート設定値と、の関係に関連する関連情報を生成し、
生成された複数の前記関連情報に基づいて、前記遊技店全体のコンプリート機能に関連する遊技店関連情報を生成し、
生成された前記遊技店関連情報を出力する、
管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される技術は、遊技機に対応して設置される遊技用装置又は遊技用装置と通信可能な管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、遊技機で発生する遊技データを遊技機の表示部に表示させることでユーザの利用に供する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、いわゆるスランプグラフを遊技機の表示部に表示させることもできる。ユーザは、表示部に表示されたスランプグラフを見ながら、遊技機の当日の出玉の最小値と現在値との差分を自身で算出することにより、当該遊技機がコンプリート(打ち止め)にどれだけ近づいているのか等を把握することができる。
【0005】
しかしながら、ユーザが遊技する遊技機を選択する際、各遊技機の表示部に表示されたスランプグラフを見て当日の出玉の最小値と現在値との差分を自身で算出することはユーザにとって煩わしい。ユーザの確認負担が大きい。そのため、ユーザの確認負担が小さい効果的な情報出力手法が望まれている。本明細書では、ユーザの確認負担が小さい新たな情報出力手法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される遊技用装置は、遊技内容に応じて遊技媒体を増減させる遊技機に対応して設置される遊技用装置であって、前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を入力する通信部と、制御部と、メモリと、を備える。前記制御部は、前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を取得し、前記遊技機における当日の累計セーフ数と当日の累計アウト数の差である差玉数を算出し、算出される当日の前記差玉数の最小値を前記メモリに記憶させ、現在の前記差玉数と前記メモリに記憶されている前記最小値の差であるコンプリート進捗値を算出し、前記コンプリート進捗値と、前記コンプリート進捗値が到達すると前記遊技機における遊技が停止する閾値であるコンプリート設定値であって前記メモリに記憶されている前記コンプリート設定値と、の関係に関連する関連情報を生成し、生成された前記関連情報を出力する。
【0007】
上記の「遊技用装置」は、遊技機に対応して設置される任意の装置を含む。例えば「遊技用装置」は、遊技機に対応して設けられるユニット(サンドユニット、カードユニット)、その他の情報収集装置(ホールコンボックス、台ユニット、島ユニット)、遊技機に対応して設けられる各台表示装置(台上ランプ、呼出ランプ、呼出装置、呼出用押しボタン等)、遊技店を管理する管理装置(ホールコンピュータ、会員サーバ等)、各種演出及び表示装置等、各種遊技場設備を含んでもよい。上記の「遊技機」は、主にパチンコ機であるが、スロットマシン等、任意の遊技機を含んでもよい。「遊技機」は、主にパチンコ玉やメダル等の遊技媒体の払い出しが行われないいわゆる封入式の管理遊技機であってもよい。「遊技媒体」は、遊技機での遊技に使用可能な状態の媒体である。「遊技媒体」のことを遊技玉、遊技メダル、遊技点、遊技用価値のように呼び換えることもできる。「アウト」は、遊技機に投入された遊技媒体のことである。「セーフ」は、遊技機から払い出された遊技媒体のことである。「関連情報の出力」は、所定の表示部に関連情報を表示させること、関連情報を含む電子メール等のメッセージを送信すること、関連情報を所定の用紙に印刷すること等を含む。
【0008】
上記の遊技用装置によると、遊技機におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係に関連する関連情報が生成され、出力される。そのため、ユーザは、出力された関連情報を確認することにより、当該遊技機におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。ユーザが、当日の遊技機の稼働情報に基づいて自身でコンプリート進捗値等を算出する必要がない。ユーザの確認負担が小さく済む。
【0009】
表示部をさらに備えてもよい。前記関連情報の出力は、前記表示部に前記関連情報の少なくとも一部を表示させることを含んでもよい。
【0010】
この構成によると、表示部に関連情報の少なくとも一部が表示される。ユーザは、表示部に表示されている関連情報を見ることで、当該遊技機におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。ユーザは表示部を見るだけでよいため、確認負担がさらに小さく済む。
【0011】
前記関連情報は、前記コンプリート進捗値と、前記コンプリート設定値と前記コンプリート進捗値の差であるコンプリート残数値と、前記コンプリート設定値に対する前記コンプリート進捗値の割合であるコンプリート進捗率と、前記コンプリート設定値に対する前記コンプリート残数値の割合であるコンプリート余裕率と、のうちの一以上を含んでもよい。
【0012】
この構成によると、関連情報はユーザが当該遊技機での出玉獲得の期待度を検討するために有益な情報を含み得る。ユーザは、出力された関連情報を確認することにより、ユーザが当該遊技機での出玉獲得の期待度を検討するために必要な情報を得ることができる。
【0013】
表示部をさらに備えてもよい。前記関連情報の出力は、前記表示部に、前記関連情報によって表されるグラフを表示させることを含んでもよい。
【0014】
この構成によると、ユーザは、表示部に表示されているグラフを見ることで、当該遊技機におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係をより直感的に把握し得る。ユーザは表示部に表示されたグラフを見るだけでよいため、確認負担がさらに小さく済む。
【0015】
前記関連情報は、さらに、当日の前記コンプリート進捗値の最大値と、当日の前記コンプリート残数値の最小値と、当日の前記コンプリート進捗率の最大値と、当日の前記コンプリート余裕率の最小値と、のうちの一以上を含んでもよい。
【0016】
この構成によると、ユーザは、出力された関連情報を確認することにより、ユーザが当該遊技機での出玉獲得の期待度を検討するために必要な情報を得ることができる。
【0017】
前記関連情報は、さらに、前日以前の前記コンプリート進捗値の最大値と、前日以前の前記コンプリート残数値の最小値と、前日以前の前記コンプリート進捗率の最大値と、前日以前の前記コンプリート余裕率の最小値と、のうちの一以上を含んでもよい。
【0018】
この構成によると、ユーザは、出力された関連情報を確認することにより、ユーザが当該遊技機での出玉獲得の期待度を検討するために必要な情報を得ることができる。
【0019】
複数の発光態様で発光可能な報知部をさらに備えてもよい。前記関連情報の出力は、前記関連情報の内容に応じて前記報知部の発光態様を変えることを含んでもよい。
【0020】
「報知部」は、例えば台上ランプやサンドユニットの発光報知部であってもよいし、表示部(ディスプレイ)と兼用であってもよい。上記の構成によると、報知部の発光態様を見ることで、周囲のユーザ及び遊技店の係員が当該遊技機におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。遊技店の係員がコンプリート間近の遊技機を把握することもできる。
【0021】
本明細書によって開示される一の管理装置は、遊技店内の複数の遊技機に対応して設置される複数の遊技用装置と通信可能である管理装置であって、複数の前記遊技用装置と通信するための通信部と、制御部と、メモリと、を備える。複数の前記遊技用装置のそれぞれは、対応する前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を取得し、対応する前記遊技機における当日の累計セーフ数と当日の累計アウト数の差である差玉数を算出し、算出される当日の前記差玉数の最小値を記憶し、現在の前記差玉数と記憶している前記最小値の差であるコンプリート進捗値を算出し、前記コンプリート進捗値と、前記コンプリート進捗値が到達すると前記遊技機における遊技が停止する閾値であるコンプリート設定値と、の関係に関連する関連情報を生成し、生成された前記関連情報を出力する。前記制御部は、複数の前記遊技用装置から前記関連情報を取得し、取得された複数の前記関連情報に基づいて、前記遊技店全体のコンプリート機能に関連する遊技店関連情報を生成し、生成された前記遊技店関連情報を出力する。
【0022】
ここで言う「管理装置」は、遊技店を管理する管理装置(ホールコンピュータ、会員サーバ等)である。「管理装置」は、遊技機に対応して設けられるユニット(サンドユニット、カードユニット)、その他の情報収集装置(ホールコンボックス、台ユニット、島ユニット)、遊技機に対応して設けられる各台表示装置(台上ランプ、呼出ランプ、呼出装置、呼出用押しボタン等)、各種演出及び表示装置等、各種遊技場設備を含んでもよい。
【0023】
上記の管理装置は、遊技店内の各遊技用装置から集めた関連情報を集計して遊技店関連情報を生成することができる。上記の管理装置によると、ユーザは、出力された遊技店関連情報を確認することにより、各遊技機におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。ユーザが、当日の遊技情報に基づいて自身でコンプリート進捗値等を算出する必要がない。ユーザの確認負担が小さく済む。また、管理装置の管理者(例えば遊技店の管理者)は、遊技店内の各遊技機のコンプリート進捗度合などを把握することができる。
【0024】
前記遊技店関連情報の出力は、前記遊技店関連情報の少なくとも一部を、複数の前記遊技用装置に送信することを含んでもよい。
【0025】
この構成によると、ユーザは、各遊技用装置において、遊技店内の他の遊技機のコンプリート進捗度合などを把握することができる。例えば、ユーザは、遊技機の機種別のコンプリート進捗の傾向などを把握し得る。
【0026】
前記制御部は、さらに、前記コンプリート設定値を前記遊技用装置に送信してもよい。
【0027】
この構成によると、遊技店の係員が各遊技用装置にコンプリート設定値を設定する必要がない。遊技店の係員の作業負荷を軽減し得る。
【0028】
本明細書によって開示される他の管理装置は、遊技店内の複数の遊技機に対応して設置される複数の遊技用装置と通信可能である管理装置であって、複数の前記遊技用装置と通信するための通信部と、制御部と、メモリと、を備える。前記制御部は、複数の前記遊技用装置のそれぞれから、対応する前記遊技機のアウトとセーフに関する情報を取得し、複数の前記遊技機のそれぞれについて、当該遊技機における当日の累計セーフ数と当日の累計アウト数の差である差玉数を算出し、算出される当日の前記差玉数の最小値を前記メモリに記憶させ、現在の前記差玉数と前記メモリに記憶されている前記最小値の差であるコンプリート進捗値を算出し、前記コンプリート進捗値と、前記コンプリート進捗値が到達すると前記遊技機における遊技が停止する閾値であるコンプリート設定値であって前記メモリに記憶されている前記コンプリート設定値と、の関係に関連する関連情報を生成し、生成された複数の前記関連情報に基づいて、前記遊技店全体のコンプリート機能に関連する遊技店関連情報を生成し、生成された前記遊技店関連情報を出力する。
【0029】
上記の管理装置は、遊技店内の各遊技用装置から集めたアウトとセーフに関する情報に基づいて、遊技機ごとの関連情報を生成することができる。さらに、管理装置は、各関連情報を集計して遊技店関連情報を生成することができる。ユーザは、出力された遊技店関連情報を確認することにより、各遊技機におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。ユーザが、当日の遊技機の稼働情報に基づいて自身でコンプリート進捗値等を算出する必要がない。ユーザの確認負担が小さく済む。また、管理装置の管理者(例えば遊技店の管理者)は、出力された遊技店関連情報を確認することにより、遊技店内の各遊技機のコンプリート進捗度合などを把握することができる。
【0030】
上記の遊技用装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。上記の管理装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。上記の遊技用装置と管理装置を含む遊技システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図3】ホールコンボックス50のブロック図を示す。
【
図5】第1実施例の呼出ランプ60の制御部72が実行するコンプリート関連情報管理処理のフローチャートを示す。
【
図7】関連情報に基づいて表示部62に表示される各画面の例を示す。
【
図8】コンプリート管理テーブル114の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施例)
(システムの概要:
図1)
図1に示す遊技システム2は、パチンコ店等の遊技店において、各遊技機の稼働状況等を管理するためのシステムである。
図1に示すように、本実施例の遊技システム2は、管理装置100と、遊技店内に設けられている複数の遊技機類90A、90Bとを備えている。遊技機類90A、90Bは、それぞれ遊技機10と、ユニット20と、ホールコンボックス50と、呼出ランプ60とを備えている。以下では遊技機類90A、90Bを区別せず総称する場合は「遊技機類90」と呼ぶ。ユニット20は遊技機10及びホールコンボックス50と有線接続されており、互いに通信可能である。呼出ランプ60はホールコンボックス50と有線接続されており、互いに通信可能である。さらに、ホールコンボックス50と管理装置100はともにLAN(Local Area Network)4に接続されており、LAN4を介して互いに通信可能である。
図1の例では、遊技機類90A、90Bのみが図示されているが、実際の遊技店内にはこの他の遊技機類90も多数設置されている。
【0033】
遊技機類90Aには、遊技機類90Aを識別するための機器ID「D1」が割り当てられている。遊技機類90Bには機器ID「D2」が割り当てられている。本実施例では機器IDは呼出ランプ60、ユニット20、ホールコンボックス50に記憶されている。機器IDは、遊技機10、ユニット20、ホールコンボックス50、呼出ランプ60のうちの1以上のデバイスに記憶されていればよい。機器IDは台番号であってもよい。
【0034】
(遊技機10の構成)
遊技機10は封入循環式のパチンコ機である。遊技機10はいわゆる管理遊技機である。遊技機10は、遊技盤11と、打球ハンドル12と、遊技玉数表示部13と、計数ボタン14と、制御部15とを備える。遊技盤11には図柄表示領域や各種入賞口を含む遊技領域が形成されている。打球ハンドル12は、ユーザが遊技玉を打ち出して遊技を行うための操作ハンドルである。ユーザが打球ハンドル12を操作すると封入玉が一発ずつ遊技盤11内に打ち出される。封入玉が打ち出されると遊技玉が減算される。遊技玉数表示部13は、現在遊技機10に記憶されている遊技玉数をリアルタイム表示するディスプレイである。遊技玉数表示部13は例えば7セグメント式のディスプレイである。計数ボタン14は、遊技玉から持玉への変換(計数)処理を開始するための操作ボタンである。制御部15は遊技機10に内蔵されており、遊技機10の各構成要素の動作を制御する。
【0035】
遊技機10の動作の概要を説明する。ユニット20において持玉又は貯玉を所定数の遊技玉に変換する変換処理が行われると、遊技機10に記憶される遊技玉数が所定数加算される。「持玉」とはユーザが当日獲得した玉であり、遊技店に預けられていない玉のことである。「貯玉」とはユーザが当日以前に獲得し、遊技店に預けられている玉である。「遊技玉」とは遊技機10で投入可能な玉である。本実施例では、遊技機10がパチンコ機である場合を例示しているため、遊技玉、持玉、貯玉の各用語を用いているが、遊技玉、持玉、貯玉の各用語は、遊技媒体、持媒体、貯媒体のように一般的名称に呼び換えられてもよい。遊技機10での遊技中は遊技状況に応じて遊技玉が増減する。遊技玉の数は常時遊技玉数表示部13に表示される。アウト数(発射された遊技玉の数(発射数))、セーフ数(払い出された遊技玉の数(賞球数))、遊技玉数等は、定期的にユニット20に送信される。アウト数、セーフ数、遊技玉数等を「遊技情報」と呼んでもよい。遊技情報は随時ユニット20に送信されてもよい。
【0036】
また、ユーザが計数ボタン14を操作すると、遊技玉の数がユニット20に送信される。以下では、計数ボタン14を操作することを「計数操作」と呼ぶ。計数操作が行われると、遊技機10に記憶される遊技玉数は0になる(精算される)。
【0037】
さらに、本実施例の遊技機10にはコンプリート機能が搭載されている。「コンプリート」とはいわゆる打ち止めのことである。遊技機10におけるコンプリート進捗値が所定のコンプリート設定値に到達すると遊技機10における遊技が停止する。「コンプリート進捗値」とは、当日の差玉数(累計セーフ数-累計アウト数)の最小値から測定した現在の差玉数のことである。累計セーフ数とは当日のセーフ数(即ち賞球数)の累計値であり、累計アウト数とは当日のアウト数(即ち発射数)の累計値である。「コンプリート進捗値」のことを、現在MY値、MY値、等と呼ぶ場合もある。遊技機10におけるコンプリート進捗値及び差玉数の最小値は、遊技機10の当日の営業開始前に電源がONされる際にリセット(初期化)される。「コンプリート設定値」は、予め設定されているコンプリート発動のための閾値である。コンプリート設定値は、遊技機10がパチンコ機の場合、例えば95,000である。遊技機10がスロットマシンである変形例では、コンプリート設定値は例えば19,000である。コンプリート設定値は、予め遊技機10に設定されていてもよいし、管理装置100から供給された値が設定されていてもよい。以後本明細書における「コンプリート」「コンプリート進捗値」「コンプリート設定値」について同様である。
【0038】
(ユニット20の構成)
ユニット20は、遊技機10の側方に備えられている装置である。ユニット20のことを「サンドユニット(サンド)」又は「カードユニット」と呼ぶ場合もある。ユニット20は、紙幣の受付、遊技玉の払出(例えば残金からの変換、持玉からの変換、貯玉からの変換)、カード処理、遊技中断に伴う遊技機10の確保のための処理等、ユーザに様々なサービスを提供するための端末装置である。
【0039】
図2に示すように、ユニット20は、タッチパネル22と、紙幣処理部30と、カード処理部32と、ホールコンボックスインターフェース34と、遊技機インターフェース36と、制御部40と、メモリ42と、音声出力部44とを備える。以下ではインターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0040】
タッチパネル22は、種々の情報を表示するための表示部24としての機能と、ユーザがパネルに触れることによって種々の指示を入力することができる操作部26としての機能を有する。変形例では表示部24と操作部26が別個に設けられていてもよい。紙幣処理部30はユーザが投入した紙幣を受け付けて各種処理を実行する。カード処理部32は、ビジターカードの排出、読み取り、回収等、ビジターカードに関係する各種処理、及び、会員カードの発行、排出、読み取り、回収等、会員カードに関係する各種処理を実行する。
【0041】
ビジターカードは、ユニット20内に予め収納されている記録媒体である。ビジターカードには、カードを識別するためのビジターカードIDが記録されている。会員カードは、ユーザが、タッチパネル22を操作して所定の会員登録処理を行うことで発行されるカードである。会員カードには、会員であるユーザを識別するための識別情報である会員IDが記録されている。ビジターカードに記録されるビジターカードID、会員カードに記録される会員IDは、当該ユーザが所有する遊技用価値(持玉、貯玉、残金)と関連付けられる。管理装置100は、ビジターカードID、会員IDに関連付けられたユーザ毎の遊技用価値(持玉、貯玉、残金)を特定することができる。本実施例では、ユニット20が取り扱う記録媒体がカード型である場合の例を説明したが、これに限られず、ユニット20が取り扱う記録媒体はコイン型等、任意の形態の記録媒体であってもよい。
【0042】
ホールコンボックスI/F34は、対応するホールコンボックス50と通信を実行するためのI/Fである。遊技機I/F36は、対応する遊技機10と通信を実行するためのI/Fである。
【0043】
音声出力部44は、各種音声(音声メッセージ、メロディなど)を出力可能なユニットである。音声出力部44はスピーカ等を含む。
【0044】
制御部40は、メモリ42に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ42は、当該ユニット20を含む遊技機類90を示す機器ID(「D1」等)を記憶している。メモリ42はコンプリート設定値を記憶していてもよい。コンプリート設定値は、予めメモリ42に記憶されていてもよいし、管理装置100から供給されたものがメモリ42に記憶されていてもよい。メモリ42には、制御部40が各種処理を実行することによって得られる情報(例えば、遊技機10の遊技玉数、カード処理部32が受付中のカードのカードID、等)を記憶する情報記憶領域も設けられている。
【0045】
(ホールコンボックス50の構成)
図1に示すホールコンボックス50は、ユニット20と呼出ランプ60の間に備えられている装置である。ホールコンボックス50は、主に遊技機10の遊技に関する情報の収集、中継、集計などを行う装置である。
図3に示すように、ホールコンボックス50は、制御部52と、メモリ54と、呼出ランプI/F55と、ユニットI/F56と、外部I/F57とを備える。
【0046】
呼出ランプI/F55は、対応する呼出ランプ60と通信を実行するためのI/Fである。ユニットI/F56は、対応するユニット20と通信を実行するためのI/Fである。外部I/F57は、LAN4を介して外部機器(例えば管理装置100)と通信を実行するためのI/Fである。
【0047】
制御部52は、メモリ54に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ54は、当該ホールコンボックス50を含む遊技機類90を示す機器ID(「D1」等)を記憶している。メモリ54には、制御部52が各種処理を実行することによって得られる情報(例えば、セーフ数、アウト数、累計セーフ数、累計アウト数、コンプリート設計値、関連情報、遊技店関連情報、等)を記憶する情報記憶領域も設けられている。
【0048】
(呼出ランプ60の構成)
図1に示すように、呼出ランプ60は、遊技機10の上部に備えられている装置である。呼出ランプ60は、遊技機10に関する各種情報(例えば、スランプグラフ、コンプリート関連情報等)を表示したり、遊技店の係員を呼び出す呼出操作を行ったりするための装置である。
図4に示すように、呼出ランプ60は、表示部62と、操作部64と、発光報知部66と、音声出力部68と、ホールコンボックスI/F70と、制御部72と、メモリ74とを備えている。
【0049】
表示部62は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部64は、複数個のボタンを備える。ユーザは、ボタンを操作することで様々な指示を呼出ランプ60に入力することができる。変形例では、呼出ランプ60は、表示部62と操作部64とに代えて、表示部及び操作部として機能するタッチパネルを備えていてもよい。
【0050】
発光報知部66は複数の態様で発光可能である。発光報知部66はLEDランプを備える。音声出力部68は、各種音声(音声メッセージ、メロディなど)を出力可能なユニットである。音声出力部68はスピーカ等を含む。ホールコンボックスI/F70は、対応するホールコンボックス50と通信を実行するためのI/Fである。
【0051】
制御部72は、メモリ74に記憶されているプログラムに従って、後述のコンプリート関連情報管理処理(
図5、
図6)を含む様々な処理を実行する。メモリ74は、当該呼出ランプ60を含む遊技機類90を示す機器ID(「D1」等)を記憶している。メモリ74はコンプリート設定値も記憶している。コンプリート設定値は、予めメモリ74に記憶されていてもよいし、管理装置100から供給されたものがメモリ74に記憶されていてもよい。メモリ74には、制御部72が各種処理を実行することによって得られる情報(例えば、コンプリート関連情報)や、管理装置100から受信される情報(例えば、コンプリート設定値、遊技店関連情報等)を記憶する情報記憶領域も設けられている。
【0052】
ここで、「コンプリート関連情報」は、遊技機10のコンプリートに関連する情報である。以下ではコンプリート関連情報のことを「関連情報」と呼ぶ場合がある。関連情報は、差玉数(累計セーフ数-累計アウト数)、差玉数の最小値、累計アウト数、累計セーフ数、コンプリート進捗値、コンプリート残数値、コンプリート進捗率、コンプリート余裕率等を含む。コンプリート進捗値は、上述の通り、当日の差玉数(累計セーフ数-累計アウト数)の最小値から測定した現在の差玉数のことである。コンプリート残数値は、コンプリート設定値とコンプリート進捗値の差である。コンプリート進捗率は、コンプリート設定値に対するコンプリート進捗値の割合である。コンプリート余裕率は、コンプリート設定値に対するコンプリート残数値の割合である。また、関連情報は、当日のコンプリート進捗値の最大値と、当日のコンプリート残数値の最小値と、当日のコンプリート進捗率の最大値と、当日のコンプリート余裕率の最小値と、をさらに含む。以下、コンプリート進捗値の最大値を「最大進捗値」、コンプリート残数値の最小値を「最小残数値」、コンプリート進捗率の最大値を「最大進捗率」、コンプリート余裕率の最小値を「最小余裕率」、とそれぞれ呼ぶ場合がある。さらに、関連情報は、前日以前の最大進捗値と、前日以前の最小残数値と、前日以前の最大進捗率と、前日以前の最小余裕率と、をさらに含む。
【0053】
また、「遊技店関連情報」は、管理装置100が、各遊技機類90から収集した関連情報を集計することによって生成される遊技店全体のコンプリートに関連する情報である。
【0054】
(管理装置100の構成)
図1に示す管理装置100は、遊技店が設置する管理用サーバである。管理装置100は、遊技店内の各種情報を管理する。管理装置100は、遊技客が視認できないエリアに設置され、主に遊技店の管理者等によって操作される。
図1では図示しないが、管理装置100は、実際には、ホールコンピュータ、会員サーバ、貯玉サーバ、持玉サーバの各装置に分かれて構成されている。ホールコンピュータ、会員サーバ、貯玉サーバ、持玉サーバは、互いに通信可能である。以下では、ホールコンピュータ、会員サーバ、貯玉サーバ、持玉サーバによって構成されている管理装置100全体を想定して、管理装置100の構成及び動作を説明する。
【0055】
管理装置100は、表示部102と、操作部104と、通信I/F106と、制御部110と、メモリ112とを備えている。表示部102は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部104は、マウス及びキーボードを含む。ユーザ(主に遊技店の管理者等)は、操作部104を操作することで様々な指示を管理装置100に入力することができる。通信I/F106は、LAN4に接続されている。通信I/F106は、LAN4を介して外部機器(例えば各ホールコンボックス50)と通信を実行するためのI/Fである。
【0056】
制御部110は、メモリ112に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。また、メモリ112は、制御部110が各種処理を実行することによって得られる情報を記憶するための記憶領域も備えている。メモリ112は、遊技店内の各遊技機10及びホールコンボックス50が出力した各種信号及び情報を、機器IDごとに格納して記憶するための記憶領域(データベース領域と呼んでもよい)も備えている。メモリ112は、機器IDごとのコンプリート関連情報に基づいて生成される遊技店関連情報の一部であるコンプリート管理テーブル114(
図8参照。後述)も記憶している。
【0057】
(各機器間の情報の伝送経路)
遊技システム2の各機器間の情報の伝送経路について説明する。遊技機10の制御部15は、遊技機10の稼働内容の変化(例えば、遊技の進行、扉の開閉等)に応じて、遊技機10の稼働内容を示す各種信号(アウト信号、セーフ信号、特賞信号、図柄変動信号、確率変動信号、時短信号、扉開閉信号等)を生成し、自機が接続されているユニット20に送信する。以下では、遊技機10の稼働内容を示す上記各種信号(アウト信号、セーフ信号、特賞信号、図柄変動信号、確率変動信号、時短信号、扉開閉信号等)のことを総称して「稼働情報」と呼ぶ場合がある。
【0058】
ユニット20の制御部40は、遊技機10から上記の稼働情報を受信する。制御部40は、遊技機10から取得した稼働情報をホールコンボックス50に送信する。ホールコンボックス50の制御部52は、ユニット20から稼働情報を受信する。制御部52は、ユニット20から稼働情報を受信すると、稼働情報に含まれるアウト信号、セーフ信号に基づいて、累計アウト数、累計セーフ数を算出する。制御部52は、算出した累計アウト数、累計セーフ数を含む稼働情報を新たに生成する(更新する)。制御部52は、更新後の稼働情報を呼出ランプ60に送信する。さらに、制御部52は、更新後の稼働情報を自機の機器IDとともに管理装置100にも送信する。
【0059】
呼出ランプ60の制御部72は、ホールコンボックス50から上記の稼働情報を受信する。なお他の例では、呼出ランプ60の制御部72は、ホールコンボックス50を介さず、ユニット20や図示しない周辺機器(アウトメータ等)から、アウト信号、セーフ信号等を受信してもよい。制御部72は、コンプリート関連情報管理処理(
図5、
図6)を実行している。制御部72は、コンプリート関連情報管理処理を実行する間に、稼働情報に基づいてコンプリート関連情報(関連情報)を生成する。関連情報については上述の通りである。
【0060】
制御部72は、生成した関連情報を自機の機器IDとともにホールコンボックス50に送信する。その一方で、制御部72は、生成した関連情報を、ユーザの要求に応じて表示部62に表示させることができる(
図7(a)~(e)参照)。
【0061】
ホールコンボックス50の制御部52は、呼出ランプ60から関連情報を受信する。制御部52は、受信した関連情報を管理装置100に送信する。
【0062】
管理装置100の制御部110は、各遊技機10に対応するホールコンボックス50から稼働情報および関連情報を受信する。制御部110は、稼働情報を集計し、機器IDごとの稼働内容を表す集計データを生成する。また、制御部110は、関連情報を集計し、遊技店全体の関連情報を含む遊技店関連情報を生成する。制御部110は、遊技店関連情報を用いてコンプリート管理テーブル114(
図1、
図8参照)を生成する。制御部110は、管理装置100のユーザ(主に遊技店の管理者等)の要求に応じて、遊技店関連情報の少なくとも一部を表示部102に表示させることができる。その際、制御部110は、コンプリート管理テーブル114を表示部102に表示させてもよい。
【0063】
制御部110は、生成した遊技店関連情報を、各ホールコンボックス50を介して各呼出ランプ60に送信する。呼出ランプ60の制御部72は、ホールコンボックス50を介して遊技店関連情報を受信する。制御部72は、受信した遊技店関連情報の少なくとも一部を、ユーザの要求に応じて表示部62に表示させることができる。
【0064】
(コンプリート関連情報管理処理:
図5、
図6)
図5、
図6を参照して、呼出ランプ60の制御部72によって実行されるコンプリート関連情報管理処理について説明する。コンプリート関連情報管理処理は、制御部72が、稼働情報に基づいて関連情報を生成するための処理である。
【0065】
遊技店の営業開始前に、呼出ランプ60を含む遊技機類90の電源がオンされると、呼出ランプ60の制御部72は、
図5、
図6のコンプリート関連情報管理処理を開始する。コンプリート関連情報管理処理が開始されると、制御部72は、
図5のS10、S14、S18の監視を開始する。
【0066】
S10では、制御部72は、対応する遊技機10が初期化(リセット)されることを監視する。上記の通り、遊技機10の当日の営業開始前に遊技機10の電源がONされると、遊技機10がリセットされる。その際、遊技機10におけるコンプリート進捗値及び差玉数の最小値もリセットされる。遊技機10の電源がONされ、遊技機10が初期化されると、遊技機10は初期化信号(即ち初期化信号を含む稼働情報)をユニット20に送信する。初期化信号は、ユニット20とホールコンボックス50を介して呼出ランプ60に送信される。制御部72は、ホールコンボックス50から初期化信号を受信すると、S10でYESと判断し、S12に進む。
【0067】
S12では、制御部72は、メモリ74に記憶されている各数値を初期化する。即ち、制御部72は、メモリ74に記憶されている差玉数の最小値、累計アウト数、累計セーフ数、最大進捗値、最小残数値、最大進捗率、最小余裕率等の数値を初期化(リセット)する。制御部72はメモリ74に記憶されている上記各数値をいずれも0にする。
【0068】
S14では、制御部72は、遊技機10で発射球が生じることを監視する。遊技機10の遊技盤11内に遊技媒体(遊技玉)が発射されると、遊技機10はアウト信号(即ちアウト信号を含む稼働情報)をユニット20に送信する。アウト信号は、ユニット20を介してホールコンボックス50に送信される。ホールコンボックス50は、アウト信号を受信すると、累計アウト数を算出する。ホールコンボックス50は、算出した累計アウト数を含む稼働情報を生成し、呼出ランプ60に送信する。制御部72は、ホールコンボックス50から累計アウト数を含む稼働情報を受信すると、S14でYESと判断し、S16に進む。
【0069】
S16では、制御部72は、メモリ74に記憶されている累計アウト数を更新する。制御部72は、メモリ74に記憶されている累計アウト数の値を稼働情報に含まれる値に更新する。他の例では、制御部72はホールコンボックス50を介さず他の機器(例えばユニット20)から稼働情報を受信してもよい。そのような例において、稼働情報が累計アウト数を含まない場合(即ち稼働情報がアウト信号のみを含む場合)には、S16において、制御部72は、稼働情報に含まれるアウト信号の数を累計アウト数に加算してもよい。S16を終えると、制御部72はS22に進む。
【0070】
S18では、制御部72は、遊技機10で賞球が生じることを監視する。遊技機10から遊技媒体が払い出されると、遊技機10はセーフ信号(即ちセーフ信号を含む稼働情報)をユニット20に送信する。セーフ信号は、ユニット20を介してホールコンボックス50に送信される。ホールコンボックス50は、セーフ信号を受信すると、累計セーフ数を算出する。ホールコンボックス50は、算出した累計セーフ数を含む稼働情報を生成し、呼出ランプ60に送信する。制御部72は、ホールコンボックス50から累計セーフ数を含む稼働情報を受信すると、S18でYESと判断し、S20に進む。
【0071】
S20では、制御部72は、メモリ74に記憶されている累計セーフ数を更新する。制御部72は、メモリ74に記憶されている累計セーフ数の値を稼働情報に含まれる値に更新する。他の例では、制御部72はホールコンボックス50を介さず他の機器(例えばユニット20)から稼働情報を受信してもよい。そのような例において、稼働情報が累計セーフ数を含まない場合(即ち稼働情報がセーフ信号のみを含む場合)には、S16において、制御部72は、稼働情報に含まれるセーフ信号の数を累計セーフ数に加算してもよい。
【0072】
S22では、制御部72は、現時点の差玉数を算出する。即ち、制御部72は、現時点の累計セーフ数と累計アウト数の差を計算し、差玉数を算出する。制御部72は、メモリ74に記憶されている差玉数を新たに算出された値に更新する。
【0073】
続くS24では、制御部72は、S22で算出された差玉数が、メモリ74に記憶されている差玉数の最小値より小さいか否かを判断する。S22で算出された差玉数が、メモリ74に記憶されている差玉数の最小値より小さい場合、制御部72はS24でYESと判断してS26に進む。一方、S22で算出された差玉数が、メモリ74に記憶されている差玉数の最小値以上である場合、制御部72はS24でNOと判断し、S26をスキップしてS28に進む。
【0074】
S26では、制御部72は、メモリ74に記憶されている差玉数の最小値を、S22で算出された最小数の値に更新する。
【0075】
S28では、制御部72は、コンプリート進捗値、コンプリート残数値、コンプリート進捗率、コンプリート余裕率をそれぞれ算出する。コンプリート進捗値は、メモリ74に記憶されている差玉数と差玉数の最小値との差である。コンプリート残数値は、メモリ74に記憶されているコンプリート設定値とコンプリート進捗値の差である。コンプリート進捗率は、コンプリート設定値に対するコンプリート進捗値の割合である。コンプリート進捗率は百分率[%]で算出される。コンプリート余裕率は、コンプリート設定値に対するコンプリート残数値の割合である。コンプリート余裕率は百分率[%]で算出される。
【0076】
続く
図6のS30では、制御部72は、S28で算出されたコンプリート進捗値が、メモリ74に記憶されている最大進捗値より大きいか否かを判断する。S28で算出されたコンプリート進捗値が最大進捗値より大きい場合、制御部72はS30でYESと判断し、S32に進む。
【0077】
S32では、制御部72は、メモリ74に記憶されている最大進捗値をS28で算出されたコンプリート進捗値の値に更新する。また、S30でYESと判断される場合は、その日最もコンプリート達成に近づいている状態である。そのため、S28で算出されたコンプリート進捗率もメモリ74に記憶されている最大進捗率より大きいと言える。同様に、S28で算出されたコンプリート残数値、コンプリート余裕率も、それぞれ、メモリ74に記憶されている最小残数値、最小余裕率より小さいと言える。そのため、S32では、制御部72は、メモリ74に記憶されている最大進捗率、最小残数値、最小余裕率も、S28で算出されたコンプリート進捗率、コンプリート残数値、コンプリート余裕率の値にそれぞれ更新する。また、制御部72は、メモリ74に記憶されている最大進捗値、最大進捗率、最小残数値、最小余裕率の更新の際に、各値に更新日時を対応付けて記憶させる。
【0078】
続くS34では、制御部72は、メモリ74に記憶されている各情報に基づいて、この時点の遊技機10の関連情報を生成する。関連情報は、差玉数、差玉数の最小値、累計アウト数、累計セーフ数、コンプリート進捗値、コンプリート残数値、コンプリート進捗率、コンプリート余裕率、最大進捗値、最小残数値、最大進捗率、最小余裕率、前日以前(例えば過去7日分)の最大進捗値、前日以前の最小残数値、前日以前の最大進捗率、前日以前の最小余裕率、等を含む。制御部72は、生成した関連情報をメモリ74に記憶させる。
【0079】
続くS36では、制御部72は、S34で生成された関連情報の内容に応じて、発光報知部66の発光態様を変更する。例えば、制御部72は、コンプリート進捗率が60%未満の場合と60%以上80%未満の場合と80%以上の場合の各場合で発光報知部66の発光態様を異ならせることができる。これにより、例えばコンプリートの達成が近づいていることを、ユーザに加えて遊技店の係員にも知らせることができる。
【0080】
S38では、制御部72は、S34で生成された関連情報を、自機の機器IDとともに、ホールコンボックス50を介して管理装置100に送信する。上記の通り、管理装置100の制御部110は、関連情報を受信すると、受信した関連情報を集計し、遊技店全体の関連情報を含む遊技店関連情報を生成することができる。管理装置100の制御部110は、遊技店関連情報を用いてコンプリート管理テーブル114(
図1、
図8参照)を生成することができる。
【0081】
S40では、制御部72は、
図5のS28で算出されたコンプリート進捗値が、コンプリート設定値以上であるか否かを判断する。コンプリート進捗値がコンプリート設定値以上である場合(即ち、遊技機10においてコンプリートを達成している場合)、制御部72は、S40でYESと判断し、S42に進む。一方、コンプリート進捗値がコンプリート設定値未満である場合(即ち、遊技機10においてコンプリートが未達成である場合)、制御部72は、S40でNOと判断し、S42をスキップして、
図5のS10、S14、S18の監視に戻る。
【0082】
S42では、制御部72は、コンプリートを報知するコンプリート報知動作を行う。具体的には、制御部72は、発光報知部66をコンプリート発生時の発光態様で発光させる。また、制御部72は、音声出力部68からコンプリート発生を報知する音声(メッセージ、メロディ等)を出力させる。また、制御部72は、表示部62にコンプリート達成を報知するメッセージ(
図7の(f)参照)を表示させる。S42を終えると、制御部72は、
図5のS10、S14、S18の監視に戻る。ただし、コンプリート達成により遊技機10ではその日の遊技が停止されるため、以後は次営業日に遊技機10が初期化されるまでS10、S14、S18のいずれかでYESと判断されることはない。即ち、S42を終えると、実質的に当日のコンプリート関連情報管理処理(
図5、
図6)が終了する。
【0083】
(関連情報の表示例:
図7)
上記の通り、呼出ランプ60の制御部72がコンプリート関連情報管理処理(
図5、
図6)を実行することで、常に最新の関連情報が生成され、メモリ74に記憶されることになる。ユーザが操作部64を操作して関連情報の表示指示を入力すると、制御部72は、メモリ74に記憶されている関連情報の一部を表示部62に表示させることができる(
図7の(a)~(e)参照)。
【0084】
図7の(a)~(f)は、コンプリートに関して表示部62に表示される画面の一例を示す。
【0085】
(a)は、コンプリート進捗値を表す。(a)の画面では、コンプリート設定値(95,000)とコンプリート進捗値(77,000)が数値とグラフで表されている。コンプリート進捗値の値に応じて棒グラフや数値や背景の表示色が変化する。
【0086】
(b)は、コンプリート残数値を表す。(b)の画面では、コンプリート残数値(18,000)が数値で表示されるとともに、コンプリート設定値(95,000)と、コンプリート進捗値(77,000)が数値とグラフで表されている。コンプリート残数値の値に応じて棒グラフや数値や背景の表示色が変化する。
【0087】
(c)は、コンプリート進捗率を表す。(c)の画面では、コンプリート設定値を100%とした場合におけるコンプリート進捗率(81%)が数値とグラフで表されている。コンプリート進捗率の値に応じて棒グラフや数値や背景の表示色が変化する。
【0088】
(d)は、コンプリート余裕率を表す。(d)の画面では、コンプリート余裕率(19%)が数値で表示されるとともに、コンプリート設定値を100%とした場合におけるコンプリート進捗率(81%)が数値とグラフで表されている。コンプリート余裕率の値に応じて棒グラフや数値や背景の表示色が変化する。
【0089】
(e)は、最大進捗値および最大進捗率を表す。(e)の画面では、当日の最大進捗値(80,000)と最大進捗率(84%)が数値で表示されている。また、最大進捗値及び最大進捗率の到達日時(10/07 17:15)も併せて表示されている。到達日時は、最大進捗値が更新された際に記憶される更新日時である(
図6のS32参照)。さらに(e)の画面では、コンプリート設定値(95,000)とコンプリート進捗値(77,000)が数値とグラフで表されている。コンプリート進捗値(もしくは最大進捗値)の値に応じて棒グラフや数値や背景の表示色が変化する。
【0090】
(f)は、遊技機10でコンプリートが達成された場合に表示される画面である(
図6のS42参照)。(f)の画面ではコンプリート達成を祝福するメッセージが表示されている。
【0091】
図7の各画面のうち、(a)~(e)の表示はユーザの指示に従って切り替えられる。
図7に示した各画面はあくまで一例であり、実際には、
図7に例示されていない態様の画面が表示されてもよい。例えば、前日以前の最大進捗値および最大進捗率を表す画面や、現在の差玉数、差玉数の最小値、累計アウト数、累計セーフ数等を表す画面などが表示されてもよい。さらに、管理装置100から受信される遊技店関連情報に基づいて、機種ごとの関連情報(機種ごとの平均のコンプリート進捗値等)を表す画面や、他の遊技機10の関連情報を表す画面や、遊技店全体の平均のコンプリート進捗値等を表す画面などが表示されてもよい。
【0092】
(コンプリート管理テーブル114の例:
図8)
上記の通り、管理装置100の制御部110は、各遊技機類90から関連情報を集計し、遊技店全体の関連情報を含む遊技店関連情報を生成する。制御部110は、遊技店関連情報を用いてコンプリート管理テーブル114(
図1、
図8参照)を生成する。制御部110は、管理装置100のユーザ(主に遊技店の管理者等)の要求に応じて、遊技店関連情報を表示部102に表示させることができる。その際、制御部110は、コンプリート管理テーブル114を表示部102に表示させてもよい。
【0093】
図8は、コンプリート管理テーブル114の一例である。
図8に示されるように、コンプリート管理テーブル114は、機器IDごとの組合せ情報120a~120gを含む。
図8の例では組合せ情報120a~120gのみを示しているが、実際にはコンプリート管理テーブル114はこれら以外の組合せ情報を含んでいてもよい。組合せ情報120a~120gのそれぞれは、各遊技機類90から受信した関連情報に基づいて生成されている。
【0094】
各組合せ情報120a~120gは、機器ID、機種名、差玉数の最小値、累計アウト数、累計セーフ数、当日の差玉数、コンプリート進捗値、コンプリート残数値、コンプリート進捗率、コンプリート余裕率、最大進捗値、最大進捗率を含む。
図8の例で各組合せ情報120a~120gに含まれる情報はあくまで一例である。実際には、組合せ情報には、
図8で例示した情報の一部が省かれたり、
図8で例示した情報以外の情報が含まれたりしていてもよい。
【0095】
例えば組合せ情報120aは、機器ID「D1」、機種名「A」に対応する遊技機10の情報を表す。差玉の最小値が「-50,000」、累計アウト数が「200,000」、累計セーフ数が「227,000」、差玉数が「27,000」である。そして、コンプリート進捗値が「77,000」、コンプリート残数値が「18,000」、コンプリート進捗率「81%」、コンプリート余裕率「19%」、最大進捗値「80,000」、最大進捗率「84%」である。
【0096】
制御部110は、コンプリート管理テーブル114(
図8)に限られず、遊技店関連情報を様々な条件ごとに編集して表示部102に表示させることもできる。例えば、制御部110は、機種ごとのコンプリート進捗値等の平均値を算出して表示部102に表示させることもできる。他の例では、制御部110は、日時別、曜日別などの平均値を算出して表示部102に表示させることもできる。
【0097】
(管理装置100のその他の動作)
管理装置100の制御部110は、生成した遊技店関連情報を各呼出ランプ60に送信することもできる。各呼出ランプ60は、ユーザの指示に従って、受信した遊技店関連情報の一部を表示部62に表示させることができる。例えば、各呼出ランプ60は、他の遊技機10の関連情報や、機種ごとの関連情報の平均値等を表示部62に表示させることができる。
【0098】
管理装置100の制御部110は、コンプリート設定値を各呼出ランプ60に送信することもできる。各呼出ランプ60は、受信したコンプリート設定値をメモリ74に記憶させることができる。
【0099】
以上、遊技システム2の構成と動作について説明した。本実施例の呼出ランプ60は、遊技機10における関連情報を生成し、出力することができる。そのため、ユーザは、出力された関連情報を確認することにより、当該遊技機におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。ユーザが、遊技機10の当日の稼働情報に基づいて自身でコンプリート進捗値等を算出する必要がない。ユーザの確認負担が小さく済む。また、遊技店の管理者等が関連情報を確認することにより、当該遊技機のコンプリート進捗傾向等を把握し得る。遊技店の管理者等にとっても、遊技機の特性などを適切に把握し得る。
【0100】
また、呼出ランプ60の制御部72は、表示部62に関連情報を表示させることができる(
図7参照)。その際、表示部62には、関連情報によって表されるグラフが表示される。そのため、ユーザは、表示部62に表示されている関連情報を見ることで、当該遊技機10におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。特に、グラフによって表示されることで、ユーザはコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を把握し易くなる。ユーザは表示部62を見るだけでよいため、確認負担がさらに小さく済む。
【0101】
本実施例では、制御部72によって生成される関連情報は、コンプリート進捗値と、コンプリート残数値と、コンプリート進捗率と、コンプリート余裕率とを含む。さらに、関連情報は、最大進捗値と、最小残数値と、最大進捗率と、最小余裕率とを含む。さらに、関連情報は、前日以前の最大進捗値と、前日以前の最小残数値と、前日以前の最大進捗率と、前日以前の最小余裕率とを含む。即ち、関連情報はユーザが当該遊技機10での出玉獲得の期待度を検討するために有益な情報を含む。ユーザは、出力された関連情報を確認することにより、ユーザが当該遊技機10での出玉獲得の期待度を検討するために必要な情報を得ることができる。
【0102】
本実施例では、呼出ランプ60は発光報知部66を備えている。制御部72は、生成された関連情報の内容に応じて、発光報知部66の発光態様を変更することができる(
図6のS36)。即ち、発光報知部66の発光態様を見ることで、周囲のユーザ及び遊技店の係員が当該遊技機10におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。係員がコンプリート間近の遊技機を把握することもできる。
【0103】
また、本実施例の管理装置100は、遊技店内の各呼出ランプ60から集めた関連情報を集計して遊技店関連情報を生成することができる。管理装置100は、生成した遊技店関連情報を表示部102に表示させたり、各呼出ランプ60に送信したりすることができる。そのため、遊技機10のユーザは、各呼出ランプ60において遊技店関連情報を確認することにより、各遊技機10におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。ユーザが、当日の遊技情報に基づいて自身でコンプリート進捗値等を算出する必要がない。ユーザは、各遊技用装置において、遊技店内の他の遊技機のコンプリート進捗度合などを把握することができる。例えば、ユーザは、遊技機の機種別のコンプリート進捗の傾向などを把握し得る。ユーザの確認負担が小さく済む。また、管理装置100の管理者(例えば遊技店の管理者)は、表示部102に表示された遊技店関連情報を見ることで、遊技店内の各遊技機10のコンプリート進捗度合などを把握することができる。
【0104】
また、本実施例の管理装置100は、コンプリート設定値を各呼出ランプ60に送信することができる。即ち、遊技店の係員が各呼出ランプ60にコンプリート設定値を設定する必要がない。遊技店の係員の作業負荷を軽減し得る。
【0105】
本実施例と請求項の対応関係を説明しておく。呼出ランプ60が「遊技用装置」の一例である。ホールコンボックスI/F70が「(遊技用装置の)通信部」の一例である。管理装置100が「管理装置」の一例である。通信I/F106が「(管理装置の)通信部」の一例である。
【0106】
(第2実施例)
第2実施例の遊技システム2について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例の遊技システム2も、その基本的な構成及び各構成要素の基本的な動作は第1実施例と共通する。
【0107】
第1実施例では、呼出ランプ60の制御部72がコンプリート関連情報管理処理(
図5、
図6)を実行し、関連情報を生成している。これに対し、本実施例では関連情報の生成主体は管理装置100の制御部110である。本実施例では、管理装置100の制御部110が、コンプリート関連情報管理処理(
図5、
図6)を実行し、関連情報および遊技店関連情報を生成する。本実施例のコンプリート関連情報管理処理(
図5、
図6)の内容も基本的に第1実施例と同様であるが、一部の処理が第1実施例とは異なる。
【0108】
本実施例では、制御部110は、いずれかの遊技機類90(具体的にはホールコンボックス50)から稼働情報を受信すると(
図5のS14又はS18でYES)、受信した稼働情報を用いて、稼働情報の送信元の遊技機類90(以下「特定の遊技機類90」と呼ぶ場合がある)に含まれる遊技機10(以下「特定の遊技機10」と呼ぶ場合がある)の関連情報を生成する(
図5のS22~
図6のS34)。制御部110は、特定の遊技機10の関連情報を生成する過程で算出される各値(累計アウト数、累計セーフ数、差玉数、差玉数の最小値、コンプリート進捗値、コンプリート残数値、コンプリート進捗率、コンプリート余裕率、最大進捗値、最小残数値、最大進捗率、最小余裕率、等)をメモリ112に記憶させる。また以下では、特定の遊技機類90に含まれる呼出ランプ60のことも「特定の呼出ランプ60」と呼ぶ場合がある。
【0109】
本実施例では、制御部110は、S34の後、S50に進む。S50では、制御部110は、S34で生成した特定の遊技機10の関連情報を含む遊技店の各遊技機10の関連情報を用いて遊技店関連情報も併せて生成(更新)する。続くS52では、制御部110は、S50で生成(更新)した遊技店関連情報を、遊技店内の全遊技機類90に送信する。制御部110は、S52を終えると、
図5のS10、S14、S18の監視に戻る。
【0110】
特定の呼出ランプ60を含む遊技店内の各呼出ランプ60は、ホールコンボックス50を介して、管理装置100から遊技店関連情報を受信する。各呼出ランプ60の制御部72は、受信した遊技店関連情報をメモリ74に記憶させる。第1実施例と同様に、ユーザが操作部64を操作して当該遊技機10の関連情報の表示指示を入力すると、制御部72は、メモリ74に記憶されている遊技店関連情報に含まれる当該遊技機10の関連情報の一部を表示部62に表示させることができる(
図7の(a)~(e)参照)。また、例えば、ユーザが操作部64を操作して、他の遊技機10の関連情報の表示指示を入力すると、制御部72は、メモリ74に記憶されている遊技店関連情報に含まれる他の遊技機10の関連情報の一部を表示部62に表示させることもできる。
【0111】
また、制御部72は、遊技店関連情報に含まれる当該遊技機10の関連情報に応じて、発光報知部66の発光態様を変更することができる。発光態様の変更の内容は
図6のS36と同様である。さらに、制御部72は、当該遊技機10の関連情報に含まれるコンプリート進捗値がコンプリート設定値以上である場合(即ち遊技機10でコンプリートが達成されたことを示す場合)、コンプリートを報知するコンプリート報知動作を行うことができる。コンプリート報知動作の内容は
図6のS42と同様である。
【0112】
また、本実施例でも、管理装置100の制御部110は、生成した遊技店関連情報を表示部102に表示させることもできる。その際、制御部110は、コンプリート管理テーブル114(
図8参照)を表示部102に表示させてもよい。
【0113】
以上、本実施例の遊技システム2について説明した。上記の通り、本実施例では、管理装置100は、遊技店内の各遊技機類90から集めた稼働情報に基づいて、遊技機10ごとの関連情報を生成することができる。さらに、管理装置100は、各関連情報を集計して遊技店関連情報を生成することができる。ユーザは、出力された遊技店関連情報を確認することにより、各遊技機10におけるコンプリート進捗値とコンプリート設定値との関係を直感的に把握し得る。ユーザが、当日の遊技機10の稼働情報に基づいて自身でコンプリート進捗値等を算出する必要がない。ユーザの確認負担が小さく済む。また、管理装置100の管理者(例えば遊技店の管理者)は、出力された遊技店関連情報を確認することにより、遊技店内の各遊技機10のコンプリート進捗度合などを把握することができる。
【0114】
本実施例と請求項の対応関係を説明しておく。遊技機類90が「遊技用装置」の一例である。管理装置100が「管理装置」の一例である。通信I/F106が「(管理装置の)通信部」の一例である。
【0115】
以上、実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0116】
(変形例1)第1実施例では、呼出ランプ60の制御部72が関連情報を生成し、出力している。これに限らず、関連情報の生成及び出力主体は、ユニット20の制御部40であってもよいし、ホールコンボックス50の制御部52であってもよい。その場合、ユニット20の制御部40又はホールコンボックス50の制御部52がコンプリート関連情報管理処理(
図5、
図6)を実行してもよい。この変形例におけるユニット20又はホールコンボックス50が「遊技用装置」の一例である。
【0117】
(変形例2)
図7の(a)~(e)に示すように、第1実施例では、関連情報が表示部62に表示される際、関連情報によって表されるグラフが表示される。これに限らず、関連情報が表示部62に表示される際にグラフが省略されてもよい。その場合、グラフに代えて、数値のみが表示されてもよいし、コンプリート進捗率(コンプリート余裕率)に応じて数値の表示色や画面の背景色などが切り替えられてもよい。
【0118】
(変形例3)第1実施例では、呼出ランプ60の制御部72は、生成した関連情報を管理装置100に送信したり(
図6のS38)、ユーザの指示に従って表示部62に表示させたりしている(
図7の(a)~(e))。関連情報の出力手法はこれに限られず、関連情報は他の任意の手法で出力されてもよい。従って、例えば、制御部72は、関連情報を含む電子メール等のメッセージを送信してもよい。制御部72は、関連情報を用紙に印刷して出力してもよい。
【0119】
(変形例4)第1実施例では、呼出ランプ60の制御部72は、生成した関連情報の内容に応じて発光報知部66の態様を変えている(
図6のS36)。これに限らず、制御部72は、生成した関連情報の内容に応じて表示部62のバックライトの表示色(発光色)を変えてもよい。この場合、表示部62が「報知部」の一例である。
【0120】
(変形例5)関連情報は、コンプリート進捗値と、コンプリート残数値と、コンプリート進捗率と、コンプリート余裕率のうちいずれか1個から3個が省略されてもよい。関連情報は、コンプリート進捗値と、コンプリート残数値と、コンプリート進捗率と、コンプリート余裕率のうちの一以上を含めばよい。また、関連情報は、最大進捗値と、最小残数値と、最大進捗率と、最小余裕率のうちいずれか1個から3個が省略されてもよい。関連情報は、最大進捗値と、最小残数値と、最大進捗率と、最小余裕率のうちの一以上を含めばよい。同様に、関連情報は、前日以前の最大進捗値と、前日以前の最小残数値と、前日以前の最大進捗率と、前日以前の最小余裕率のうちいずれか1個から3個が省略されてもよい。関連情報は、前日以前の最大進捗値と、前日以前の最小残数値と、前日以前の最大進捗率と、前日以前の最小余裕率のうちの一以上を含めばよい。
【0121】
(変形例6)遊技機10は、スロットマシンであってもよい。
【0122】
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0123】
2:遊技システム
10:遊技機
20:ユニット
50:ホールコンボックス
60:呼出ランプ
62:表示部
64:操作部
66:発光報知部
68:音声出力部
70:ホールコンボックスI/F
72:制御部
74:メモリ
100:管理装置
102:表示部
104:操作部
106:通信I/F
110:制御部
112:メモリ
114:コンプリート管理テーブル