(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066159
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】電池の処理方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/54 20060101AFI20240508BHJP
H01M 6/52 20060101ALI20240508BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240508BHJP
H01M 50/103 20210101ALN20240508BHJP
H01M 50/15 20210101ALN20240508BHJP
H01M 50/645 20210101ALN20240508BHJP
H01M 50/586 20210101ALN20240508BHJP
H01M 50/588 20210101ALN20240508BHJP
H01M 50/593 20210101ALN20240508BHJP
【FI】
H01M10/54
H01M6/52
H01G11/78
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/645
H01M50/586
H01M50/588
H01M50/593
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175523
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 祐介
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H023
5H025
5H031
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA15
5E078AB06
5E078AB12
5E078HA05
5E078HA12
5E078HA24
5E078HA27
5H011CC06
5H011DD13
5H023AA03
5H023AS01
5H023CC11
5H023CC14
5H025BB05
5H025BB17
5H025MM09
5H031BB03
5H031BB09
5H031RR01
5H043BA19
5H043CA04
5H043GA22
5H043GA26
5H043HA04
5H043JA02
(57)【要約】
【課題】ケース本体の内部に異物が混入しにくい電池の処理方法を提供する。
【解決手段】本発明により、外装体10と、外装体10に収容される電極体と、を備える電池100の処理方法であって、外装体10は、底壁12aと、底壁12aに対向する開口と、底壁12aから上記開口に延びる側壁12b、12cと、を有するケース本体12と、ケース本体12の上記開口を封口する蓋体14と、を備え、蓋体14が鉛直方向の真上に位置しかつ側壁12b、12cが鉛直方向に沿う姿勢を通常姿勢としたときに、外装体10を、上記通常姿勢以外の姿勢で、上記開口に沿って切断する切断工程を含む、電池100の処理方法が提供される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装体と、前記外装体に収容される電極体と、を備える電池の処理方法であって、
前記外装体は、
底壁と、前記底壁に対向する開口と、前記底壁から前記開口に延びる側壁と、を有するケース本体と、
前記ケース本体の前記開口を封口する蓋体と、
を備え、
前記蓋体が鉛直方向の真上に位置しかつ前記側壁が鉛直方向に沿う姿勢を通常姿勢としたときに、
前記外装体を、前記通常姿勢以外の姿勢で、前記開口に沿って切断する切断工程を含む、電池の処理方法。
【請求項2】
前記切断工程において、前記電極体と前記蓋体との間に相当する位置を切断する、
請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記蓋体は、貫通孔を有し、
前記電池は、前記貫通孔を封止するブラインドリベットをさらに備える、
請求項2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記電池は、前記電極体と前記蓋体との間に設けられた絶縁部材をさらに備え、
前記絶縁部材は、
前記蓋体の内面に沿って延びるベース部と、
前記ベース部よりも前記電極体の側に突出する突出部と、
を有する、
請求項2に記載の処理方法。
【請求項5】
前記切断工程において、前記外装体を、前記蓋体が水平方向を向く横倒し姿勢、前記蓋体が鉛直方向の斜め下方を向く下方傾斜姿勢、および前記蓋体が鉛直方向の真下を向く反転姿勢のうちのいずれかの姿勢とする、
請求項1から4のいずれか1つに記載の処理方法。
【請求項6】
前記切断工程において、前記外装体を、前記蓋体が鉛直方向の真下を向く反転姿勢とする、
請求項1から4のいずれか1つに記載の処理方法。
【請求項7】
前記側壁が、一対の短側壁と一対の長側壁とを有し、
前記切断工程において、前記外装体を、一対の前記長側壁が鉛直方向の上方および下方に位置し、かつ前記蓋体が水平方向を向く第1横倒し姿勢とする、
請求項1から4のいずれか1つに記載の処理方法。
【請求項8】
前記側壁が、一対の短側壁と一対の長側壁とを有し、
前記切断工程において、前記外装体を、一対の前記短側壁が鉛直方向の上方および下方に位置し、かつ前記蓋体が水平方向を向く第2横倒し姿勢とする、
請求項1から4のいずれか1つに記載の処理方法。
【請求項9】
前記切断工程よりも前に、前記外装体に穴を開ける穴加工工程と、前記外装体の内部に失活処理液を流入させる失活処理工程とを、この順に含む、
請求項1から4のいずれか1つに記載の処理方法。
【請求項10】
前記切断工程において、ウォータージェット切断機で前記外装体を切断する、
請求項1から4のいずれか1つに記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、典型的には、外装体と、外装体の内部に収容される電極体と、を備える。外装体は、底壁と、底壁に対向する開口と、底壁から開口に延びる側壁と、を有するケース本体と、ケース本体の開口を封口する蓋体と、を備える。外装体は、ケース本体の開口の周縁に蓋体が接合(例えば溶接接合)されることによって、一体化されている。
【0003】
従来、廃棄物を低減して資源を有効利用するために、使用済みの電池を回収し、再生資源化することが行われている。これに関連して、例えば特許文献1には、エンドミル加工やレーザ照射によってケース本体と蓋体との溶接接合部を切断して、ケース本体から電極体を取出し、Ni、Co等の有価金属を資源として回収することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、本発明者の検討によれば、エンドミル加工やレーザ照射で外装体を開封する際に、外装体を、蓋体が鉛直方向の真上に位置しかつ側壁が鉛直方向に沿う通常姿勢で、開口に沿って切断すると、切削屑等の異物が切断開口面からケース本体の内部に混入しやすくなる。その結果、電極体の正負極が短絡して発火することがありうる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、外装体を開封する際に、ケース本体の内部に異物が混入しにくい電池の処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明により、外装体と、上記外装体に収容される電極体と、を備える電池の処理方法であって、上記外装体は、底壁と、上記底壁に対向する開口と、上記底壁から上記開口に延びる側壁と、を有するケース本体と、上記ケース本体の上記開口を封口する蓋体と、を備え、上記蓋体が鉛直方向の真上に位置しかつ上記側壁が鉛直方向に沿う姿勢を通常姿勢としたときに、上記外装体を、上記通常姿勢以外の姿勢で、上記開口に沿って切断する切断工程を含む、電池の処理方法が提供される。
【0008】
外装体を通常姿勢のまま切断する従来の方法では、切断開口面が真上を向くため、ケース本体の内部に切削屑が混入しやすくなる。これに対して、外装体を、通常姿勢以外の姿勢で開口に沿って切断することにより、従来よりも切削屑等の異物が切断開口面からケース本体の内部に混入することを抑制できる。その結果、正負極の短絡を抑制でき、ひいては発火のリスクが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電池を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。
【
図3】
図3は、穴加工工程(ステップS3)における電池の模式図である。
【
図4】
図4は、排水工程(ステップS5)における電池の模式図である。
【
図5】
図5は、切断工程(ステップS6)における電池の模式図であり、(A)は、第1横倒し姿勢を、(B)は、第2横倒し姿勢を、(C)は、反転姿勢を、表している。
【
図7】
図7は、切断工程(ステップS6)における切断位置を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、ここで開示される技術のいくつかの好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0011】
なお、本明細書において「電池」とは、電気エネルギーを取り出し可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、一次電池と二次電池とを包含する概念である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電が可能な蓄電デバイス全般を指す用語であって、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池(化学電池)と、リチウムイオンキャパシタ等の物理電池と、を包含する概念である。
【0012】
<電池100の構成>
図1は、ここで開示される処理の対象となる電池100の斜視図である。
図2は、
図1のII-II線に沿う模式的な縦断面図である。なお、以下の説明において、図面中の符号L、R、F、Rr、U、Dは、左、右、前、後、上、下を表す。また、図面中の符号X、Yは、電池100の長辺方向、短辺方向を示し、符号Zは、鉛直方向を示す。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
【0013】
図2に示すように、電池100は、外装体10と、ブラインドリベット16と、電極体20と、正極端子30と、負極端子40と、正極集電部50と、負極集電部60と、正極内部絶縁部材70と、負極内部絶縁部材80と、を備えている。図示は省略するが、電池100は、ここではさらに電解液を備えている。電池100は、ここでは非水電解液二次電池である。なお、電池100の構成については従来と同様でよく、特に限定されない。また、ブラインドリベット16と、正極内部絶縁部材70と、負極内部絶縁部材80と、は必須ではなく、他の実施形態において一部または全部を省略することもできる。
【0014】
外装体10は、電極体20を収容する筐体である。外装体10は、
図1に示すように、ここでは扁平かつ有底の直方体形状(角形)の外形を有する。外装体10の材質は、従来から使用されているものと同じでよく、特に制限はない。外装体10は、金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金等の軽量で熱伝導性の良い金属材料で構成されている。外装体10は、ここではアルミニウム製である。
【0015】
図2に示すように、外装体10は、開口12hを有するケース本体12と、開口12hを塞ぐ蓋体(封口板)14と、を備えている。外装体10は、ケース本体12の開口12hの周縁に蓋体14が接合(例えば溶接接合)されることによって、一体化されている。蓋体14の接合は、例えばレーザ溶接等の溶接によって行うことができる。ケース本体12の開口12hは、気密に封止(封口)されている。
【0016】
ケース本体12は、
図1に示すように、底壁12aと、底壁12aから延び相互に対向する一対の長側壁12bと、底壁12aから延び相互に対向する一対の短側壁12cと、底壁12aと対向する開口12h(
図2参照)と、を備えている。短側壁12cの面積は、長側壁12bの面積よりも小さい。底壁12aおよび開口12hは、略矩形状である。なお、本明細書において「略矩形状」とは、完全な矩形状(長方形状)に加えて、例えば、矩形状の長辺と短辺とを接続する角部がR状になっている形状や、角部に切り欠きを有する形状等をも包含する用語である。また、長側壁12bおよび短側壁12cは、底壁12aから開口12hに延びる側壁の一例である。
【0017】
蓋体14は、ケース本体12の開口12hを封口するプレート状の部材である。
図2に示すように、蓋体14は、開口12hを塞ぐようにケース本体12に取り付けられている。蓋体14は、平面視において略矩形状である。蓋体14は、開口12hに嵌め合わされ、ケース本体12の底壁12aと対向している。蓋体14には、ガス排出弁17と、2つの端子引出孔18、19と、注液孔15と、が設けられている。
【0018】
ガス排出弁17は、外装体10内の圧力が所定値以上になったときに破断して、外装体10内のガスを外部に排出するように構成されている。端子引出孔18、19は、蓋体14の長手方向Yの両端部にそれぞれ形成されている。端子引出孔18、19は、蓋体14を鉛直方向Zに貫通している。注液孔15は、ケース本体12に蓋体14を組み付けた後に電解液を注液するためのものである。
図2に示すように、注液孔15は、蓋体14を鉛直方向Zに貫通している。注液孔15は、ブラインドリベット16によって封口されている。注液孔15は、蓋体14に設けられた貫通孔の一例である。
【0019】
ブラインドリベット16は、蓋体14の注液孔15を封止する部材である。ブラインドリベット16は、典型的には金属製である。ブラインドリベット16の構成は、従来と同様であってよい。ブラインドリベット16は、ここでは、注液孔15よりも外径が小さく、注液孔15に挿通された挿通部と、挿通部の上端から上方に延び、注液孔15から外装体10の外部に突出している鍔部と、挿通部の下端から下方(挿通部と反対側)に延び、注液孔15よりも外径が大きい拡径部と、を有する。ブラインドリベット16は、鍔部と拡径部とによって、蓋体14にかしめ固定されている。ブラインドリベット16を備える電池100では、構造上、蓋体14と電極体20との間に、クリアランスが確保されている。
【0020】
電極体20は、正極と負極とを有する。電極体20は、ここでは帯状の正極と帯状の負極とが帯状のセパレータを介して積層され、捲回軸を中心として長手方向に捲回されてなる捲回電極体である。電極体20は、扁平形状の外形を有する。ただし、電極体20は、方形状の正極と方形状の負極とが絶縁された状態で積み重ねられてなる積層電極体であってもよい。電極体20は、ここでは、捲回軸が長辺方向Yと略平行になる向きで、外装体10の内部に収容されている。ただし、電極体20は、捲回軸が鉛直方向Zと略平行になる向きで、外装体10の内部に収容されていてもよい。外装体10に収容されている電極体20は、1つであってもよいし、2つ以上(複数)であってもよい。
【0021】
正極は、正極集電体と、正極集電体上に固着された正極合材層と、を有する。正極集電体は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。正極集電体は、ここではアルミニウム製である。正極合材層は、典型的には、電荷担体を可逆的に吸蔵及び放出可能な正極活物質(例えば、リチウム遷移金属複合酸化物)とバインダ(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF))とを含んでいる。
【0022】
負極は、負極集電体と、負極集電体上に固着された負極合材層と、を有する。負極集電体は、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっている。負極集電体は、ここでは銅製である。負極合材層は、典型的には、電荷担体を可逆的に吸蔵及び放出可能な負極活物質(例えば、黒鉛等の炭素材料)とバインダ(例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)やカルボキシメチルセルロース(CMC))とを含んでいる。
【0023】
電極体20の長辺方向Yの一方の端部(
図2の左端部)には、正極合材層の形成されていない正極集電体の一部分(正極タブ23)が露出している。正極タブ23には、正極集電部50の下端部が接続されている。また、電極体20の長辺方向Yの他方の端部(
図2の右端部)には、負極合材層の形成されていない負極集電体の一部分(負極タブ25)が露出している。負極タブ25には、負極集電部60の下端部が接続されている。
【0024】
電解液は、ここでは、非水溶媒と支持塩とを含む非水系の液状電解質(非水電解液)である。非水系溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等のカーボネート類を含んでいる。支持塩は、例えば、LiPF6等のフッ素含有リチウム塩である。ただし、電解液は固体状(固体電解質)で、電極体20と一体化されていてもよい。
【0025】
正極端子30は、
図1、
図2に示すように、蓋体14の長手方向Yの一方の端部(
図1、
図2の左端部)に配置されている。正極端子30は、
図2に示すように、外装体10の内部で正極集電部50を介して電極体20の正極と電気的に接続されている。正極端子30は、端子引出孔18を挿通して蓋体14の内部から外部へと延びている。正極端子30は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の金属製である。正極端子30は、ここではアルミニウム製である。正極端子30は、正極内部絶縁部材70およびガスケット90によって、蓋体14と絶縁されている。
【0026】
正極端子30の上には、板状の正極外部導電部材32が固定されている。正極外部導電部材32は、バスバー等を介して、他の電池や外部機器と接続される部材である。正極外部導電部材32は、外部絶縁部材92によって蓋体14と絶縁された状態で蓋体14に取り付けられている。正極外部導電部材32は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の金属製である。正極外部導電部材32は、ここではアルミニウム製である。
【0027】
負極端子40は、
図1、
図2に示すように、蓋体14の長手方向Yの他方の端部(
図1、
図2の右端部)に配置されている。負極端子40は、
図2に示すように、外装体10の内部で負極集電部60を介して電極体20の負極と電気的に接続されている。負極端子40は、端子引出孔19を挿通して蓋体14の内部から外部へと延びている。負極端子40は、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の金属製である。負極端子40は、ここでは銅製である。負極端子40は、負極内部絶縁部材80およびガスケット90によって、蓋体14と絶縁されている。
【0028】
負極端子40の上には、板状の負極外部導電部材42が固定されている。負極外部導電部材42は、バスバー等を介して、他の電池や外部機器と接続される部材である。負極外部導電部材42は、外部絶縁部材92によって蓋体14と絶縁された状態で蓋体14に取り付けられている。負極外部導電部材42は、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の金属製である。負極外部導電部材42は、ここでは銅製である。
【0029】
正極集電部50は、正極タブ23と正極端子30とを電気的に接続する導通経路を構成している。正極集電部50は、正極集電体と同じ金属種、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。正極集電部50は、ここでは略L字状である。正極集電部50は、蓋体14の内面に沿って延び、正極端子30と接続される正極第1集電部と、ケース本体12の短側壁12cに沿って延び、正極タブ23に接続される正極第2集電部と、を有している。
【0030】
負極集電部60は、負極タブ25と負極端子40とを電気的に接続する導通経路を構成している。負極集電部60は、負極集電体と同じ金属種、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属からなっていてもよい。負極集電部60は、ここでは略L字状である。負極集電部60は、蓋体14の内面に沿って延び、負極端子40と接続される負極第1集電部と、ケース本体12の短側壁12cに沿って延び、負極タブ25に接続される負極第2集電部と、を有している。
【0031】
正極内部絶縁部材70は、蓋体14の内面と電極体20との間に設けられている。正極内部絶縁部材70は、外装体10の内部で、蓋体14と正極集電部50(詳しくは正極第1集電部)とを絶縁する部材である。正極内部絶縁部材70は、例えば、使用する電解液に対する耐性と電気絶縁性とを有し、弾性変形が可能な樹脂材料からなっている。正極内部絶縁部材70は、例えば、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)等のフッ素化樹脂や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等からなることが好ましい。正極内部絶縁部材70は、絶縁部材の一例である。
【0032】
図2に示すように、正極内部絶縁部材70は、ここではベース部70aと突出部70bとを有する。ベース部70aと突出部70bとは、ここでは一体成型されている。ベース部70aは、蓋体14と正極第1集電部との間に配置され、蓋体14の内面に沿って延びている。突出部70bは、ベース部70aよりも電極体20の側に突出している。
図2に示すように、長辺方向Yにおいて、突出部70bは、ベース部70aよりも蓋体14の中央側に設けられている。突出部70bを有する正極内部絶縁部材70を備える電池100では、構造上、蓋体14と電極体20との間に、クリアランスが確保されている。
【0033】
負極内部絶縁部材80は、
図2に示すように、電極体20の長辺方向Yに対して、正極内部絶縁部材70と対称に配置されている。負極内部絶縁部材80の具体的な構成は、正極内部絶縁部材70と同様であってよい。負極内部絶縁部材80は、外装体10の内部で、蓋体14と負極集電部60(詳しくは負極第1集電部)とを絶縁する部材である。負極内部絶縁部材80は、ここでは正極内部絶縁部材70と同様に、蓋体14と負極第1集電部との間に配置されるベース部80aと、ベース部80aよりも電極体20の側に突出した突出部80bと、を有する。
【0034】
<電池100の処理方法>
本実施形態の処理方法は、市場から回収された電池100の外装体10を開封する方法である。なお、回収された電池100は、未使用の状態であってもよいし、使用済みの状態であってもよい。回収された電池100は、過充電、過放電等によって使用不可となり、放電が不可能な状態であってもよい。
【0035】
本実施形態の処理方法は、電圧確認工程(ステップS1)と、放電処理工程(ステップS2)と、穴加工工程(ステップS3)と、失活処理工程(ステップS4)と、排水工程(ステップS5)と、切断工程(ステップS6)とを、この順で含む。また、任意の段階でさらに他の工程を含んでもよい。なお、
図3は、穴加工工程(ステップS3)における電池100の模式図であり、
図4は、排水工程(ステップS5)における電池100の模式図であり、
図5(A)~(C)は、切断工程(ステップS6)における電池100の模式図である。
【0036】
電圧確認工程(ステップS1)では、回収された電池100を充放電装置に接続して、電圧(回収時電圧)を確認する。なお、本工程において、電池100(詳しくは外装体10)は、典型的には、蓋体14が鉛直方向Zの真上に位置し、かつ長側壁12bおよび短側壁12cが鉛直方向Zに沿う通常姿勢である。ただし、通常姿勢以外、例えば後述する横倒し姿勢等であってもよい。
【0037】
回収された電池100は、電圧を有する状態であることが多い。回収された電池100が電圧を有している場合、切断工程(ステップS5)に先立って、放電処理を行うことが好ましい。そのため、ステップS2に進む。ただし、回収された電池100が電圧を有していない場合や、放電が不可能な状態である場合等には、放電処理を省略することができる。そのため、ステップS2を省略して、ステップS3、あるいはステップS2~S5を省略して、ステップS6に進んでもよい。
【0038】
放電処理工程(ステップS2)では、電池100を強制的に放電させて、電池100の電圧を低下させる。これにより、次工程以後の作業の安全性を高められる。詳しくは、失活処理工程(ステップS4)で大量のガスが発生したり、切断工程(ステップS5)で正負極が短絡して発火したりするリスクを低減できる。なお、本工程において、電池100(詳しくは外装体10)は、典型的には通常姿勢である。ただし、通常姿勢以外、例えば後述する横倒し姿勢等であってもよい。
【0039】
放電処理は、従来と同様に行うことができる。回収された電池100は、充電状態(SOC:State Of Charge)がバラついていることが多い。そのため、本工程における放電条件、例えばCC放電(定電流放電)での放電レートないし到達電圧、CV放電(定電圧放電)での保持電圧ないし保持時間は、電池100の回収時電圧によって適宜調整することが好ましい。次工程以後の作業の安全性を高める観点から、残留電圧は、可能な限り小さくすることが好ましい。そのため、放電処理は、電池100の残留電圧が、概ね0.5V以下、例えば略0Vになるまで行うことが好ましい。そして、ステップS3に進む。
【0040】
穴加工工程(ステップS3)では、
図3に示すように、外装体10に液体を流入させるための穴hを開ける。穴hは、典型的には、液体が流入可能であるが、電極体20は取出し不可能な大きさである。穴hの数は、1つであってもよく、2つ以上(複数)であってもよい。ただし、回収された電池100にすでに穴が開いている場合(例えば、ガス排出弁17が破断している場合)等には、本工程を省略して、ステップS4に進んでもよい。
【0041】
外装体10に穴hを開ける作業は、例えばドリルや錐等の工具で行うことができる。また、穴hを開ける際の雰囲気は、不活性ガス雰囲気が好ましい。なお、本工程において、電池100(詳しくは外装体10)は、典型的には通常姿勢である。ただし、通常姿勢以外、例えば後述する横倒し姿勢等であってもよい。
【0042】
特に限定されるものではないが、電池100が液状電解質(非水電解液)を備えている場合、穴hは、外装体10の鉛直方向Zの上方に位置する部分に開けることが好ましい。例えば電池100(詳しくは外装体10)を通常姿勢とする場合は、蓋体14に穴hを開けることが好ましい。これにより、穴hを開けた際に非水電解液が外装体10からこぼれ出ることを防止できる。
【0043】
また、穴hは、正極端子30および負極端子40から離れた部分、例えば、
図3に示すように、蓋体14に設けられたガス排出弁17の個所に開けることが好ましい。上述の通り、ガス排出弁17は、外装体10内の圧力が所定値以上になったときに破断するように構成されている。このため、ガス排出弁17は、外装体10のなかで最も脆弱で、穴hを開けやすい部分である。したがって、比較的小さな力で穴hを開けることができる。穴hのサイズは、例えば、
図3に示すように、ガス排出弁17よりも大きくてもよい。また、穴hを開ける部分は、外装体10の他の部分、例えば、蓋体14のガス排出弁17以外の部分や、ケース本体12の底壁12aや長側壁12b、短側壁12c等であってもよい。そして、ステップS4に進む。
【0044】
失活処理工程(ステップS4)では、外装体10の穴hから、外装体10の内部に食塩水等の導電性の液体(失活処理液)を流入させて、電池100を失活させる。外装体10の内部に失活処理液を流入させる方法は、例えば、穴hから外装体10の内部に失活処理液を注入してもよいし、外装体10ごと失活処理液中に浸漬させてもよい。なお、本工程において、電池100(詳しくは外装体10)は、典型的には通常姿勢である。ただし、例えば外装体10ごと失活処理液中に浸漬させるような場合には、通常姿勢以外、例えば後述する横倒し姿勢等であってもよい。
【0045】
失活処理(典型的には塩水処理)は、従来と同様に行うことができる。失活処理の条件、例えば処理時間、処理剤(食塩(塩化ナトリウム)等)の濃度、失活処理液の電気伝導率等は、電池100の残留電圧によって適宜調整するとよい。これにより、電池100を完全放電させ、失活させることができる。そして、ステップS5に進む。
【0046】
排水工程(ステップS5)では、失活処理工程(ステップS4)で外装体10の内部に流入させた失活処理液を排水する。本実施形態では、例えば
図4に示すように、外装体10を、穴hないし蓋体14が鉛直方向Zの真下を向くように電池100(詳しくは外装体10)をひっくり返して、反転姿勢とする。これにより、
図4に矢印で示すように、穴hから素早く失活処理液を排水して、本工程を短時間で効率よく行うことができる。ただし、例えば穴hの位置等によっては、反転姿勢以外、例えば後述する横倒し姿勢等としてもよい。そして、ステップS6に進む。
【0047】
切断工程(ステップS6)では、外装体10を、開口12hに沿って切断する。このとき、本実施形態では、電池100(詳しくは外装体10)を、通常姿勢以外の姿勢とする。なお、本明細書において「通常姿勢以外の姿勢」とは、蓋体14が鉛直方向Zの真上を向く姿勢を除き、蓋体14が鉛直方向Zの斜め上方を向く上方傾斜姿勢(図示せず)、蓋体14が水平方向を向く横倒し姿勢(
図5(A)、(B)参照)、蓋体14が鉛直方向Zの斜め下方を向く下方傾斜姿勢(図示せず)、および蓋体14が鉛直方向Zの真下を向く反転姿勢(
図5(C)参照)を包含する概念である。これにより、電池100を通常姿勢として本工程を行う場合に比べて、相対的に切削屑等の異物が切断開口面CSからケース本体12の内部に混入することを抑制できる。なかでも、電池100(詳しくは外装体10)を、横倒し姿勢、下方傾斜姿勢、および反転姿勢のうちのいずれかの姿勢とすることが好ましい。これにより、電池100(詳しくは外装体10)を上方傾斜姿勢とする場合に比べて、相対的に高いレベルで異物混入を抑制できる。
【0048】
好適な一態様では、
図5(A)に示すように、電池100(詳しくは外装体10)を、一対の長側壁12bが鉛直方向Zの上方および下方に位置し、かつ蓋体14が水平方向を向く第1横倒し姿勢とする。好適な他の一態様では、
図5(B)に示すように、電池100(詳しくは外装体10)を、一対の短側壁12cが鉛直方向Zの上方および下方に位置し、かつ蓋体14が水平方向を向く第2横倒し姿勢とする。これにより、開口12hに沿う切断開口面CSが水平方向を向くため、切削屑等の異物は鉛直方向に落下して、切断開口面CSからケース本体12の内部への異物混入を、より高いレベルで抑制できる。
【0049】
好適な他の一態様では、
図5(C)に示すように、電池100(詳しくは外装体10)を、蓋体14が鉛直方向Zの真下を向く反転姿勢とする。これにより、開口12hに沿う切断開口面CSが鉛直方向Zの真下を向くため、切削屑等の異物は鉛直方向に落下して、切断開口面CSからケース本体12の内部への異物混入を、さらに高いレベルで抑制できる。また、排水工程(ステップS5)で反転姿勢とした場合は、そのまま本工程に移行できるので、作業効率を向上できる。
【0050】
外装体10を切断する作業は、従来公知の加工機で行うことができる。なかでも、セラミック刃を有する加工機や、ウォータージェット切断機を用いることが好ましい。これにより、導電性部材(例えば、正極集電体、負極集電体、正極集電部50、負極集電部60等)が蓋体14と導通して、短絡により火花が発生することを防止できる。したがって、作業の安全性を高められる。また、ウォータージェット切断機を用いることにより、熱影響なく外装体10を切断できると共に、冷却効果も得られ、発火のリスクが抑えられる。
【0051】
なお、本明細書において「ウォータージェット切断機」とは、高圧のエネルギーをもった高速・高密度な細い水流(ウォータージェット)を利用して外装体10を切断する装置全般をいい、水等の流体だけで切断を行うウォータージェット切断と、水等の流体に研磨材(アブレシブ)を混入させて切断を行うアブレシブジェット切断と、を包含する概念である。また、切断に用いる流体は、典型的には水であるが、水以外の流体であってもよい。ウォータージェット切断機としては、従来公知のものを使用できる。一例として、株式会社スギノマシンのアブレシブジェットカッタが挙げられる。
【0052】
図6は、一例に係る切断装置の写真である。この切断装置は、切断刃を備える市販の卓上丸鋸板(例えば、HOZAN(ホーザン)製のK-210)に、切断位置規制と出代調整を目的として、切断刃に沿ったガイドを設ける改造を施したものである。一例では、横倒し姿勢(
図5(A)、(B)参照)とした外装体10を、ガイドに沿ってスライドさせて、一対の長側壁12bおよび一対の短側壁12cを切断線CLで切断する。なお、ここでは外装体10を切断装置に対して相対的に移動させているが、外装体10を固定して切断刃を外装体10に対して相対的に移動させるようにしてもよい。外装体10を切断する位置(切断線CLの位置)は、切断刃とガイドのピッチで調整できる。これにより、ケース本体12と蓋体14とを分離することができる。回収された電池100は、サイズや構造がバラバラであることが多いが、このようなガイドを備えた切断装置を用いることにより、ガイドの位置を変更するだけでサイズや構造の異なる電池100を安定して切断できる。そのため、効率的である。
【0053】
なお、外装体10を切断する位置(切断線CLの位置)は、電極体20を損傷しない位置であることが好ましい。例えば、電極体20を損傷しないように、電極体20と正極端子30および負極端子40との接続部分(詳しくは、正極集電部50および負極集電部60の部分)を切断することが好ましい。好適な一態様では、
図7に示すように、蓋体14の内側面14dと電極体20の上端20tとの間に相当する位置を切断線CLとして、外装体10を切断する。電池100のサイズや構造等によっても異なり得るため、特に限定されるものではないが、一例では、蓋体14の上面から2~4.5mmの位置を切断することが好ましい。
【0054】
上述の通り、ブラインドリベット16を有する電池100は、構造上、蓋体14の内側面14dと電極体20の上端20tとの間にクリアランスが生じる。かかるクリアランスは、必ず決まった位置に存在する。そのため、当該クリアランス(空間部)の部分で外装体10(詳しくはケース本体12)を切断することで、切断刃が貫通しても電極体20を傷つけずに外装体10を切断できる。なお、電池100がブラインドリベット16を有することは、電池100の外観から判断できる。そのため、事前に別途検査等を行うことなく、電極体20を損傷しない切断位置(切断線CLの位置)を決定でき、簡便である。
【0055】
また、突出部70bを有する正極内部絶縁部材70および、突出部80bを有する負極内部絶縁部材80のうちの少なくとも一方を有する電池100もまた、構造上、蓋体14の内側面14dと電極体20の上端20tとの間にクリアランスが生じる。そのため、当該クリアランス(空間部)の部分で外装体10(詳しくはケース本体12)を切断することで、切断刃が貫通しても電極体20を傷つけずに外装体10を切断できる。この場合、例えば、X線検査等によって事前に空間部の位置を把握したうえで、電極体20を損傷しない切断位置(切断線CLの位置)を決定するとよい。
【0056】
以上のようにして、電池100を処理して、外装体10を開封し、ケース本体12と蓋体14とを分離することができる。ケース本体12は、アルミニウムとして再資源化できる。また、ケース本体12から電極体20を取り出し、合材(所謂、ブラックマス)と集電体とに分離して、従来公知の方法で電極体20から有価金属を回収できる。例えば、リチウム(Li)や遷移金属(例えばNi、Co、Mn)等のレアメタルを回収できる。
【0057】
以上の通り、ここで開示される技術の具体的な態様として、以下の各項に記載のものが挙げられる。
項1:外装体と、上記外装体に収容される電極体と、を備える電池の処理方法であって、上記外装体は、底壁と、上記底壁に対向する開口と、上記底壁から上記開口に延びる側壁と、を有するケース本体と、上記ケース本体の上記開口を封口する蓋体と、を備え、上記蓋体が鉛直方向の真上に位置しかつ上記側壁が鉛直方向に沿う姿勢を通常姿勢としたときに、上記外装体を、上記通常姿勢以外の姿勢で、上記開口に沿って切断する切断工程を含む、電池の処理方法。
項2:上記切断工程において、上記電極体と上記蓋体との間に相当する位置を切断する、項1に記載の処理方法。
項3:上記蓋体は、貫通孔を有し、上記電池は、上記貫通孔を封止するブラインドリベットをさらに備える、項1または項2に記載の処理方法。
項4:上記電池は、上記電極体と上記蓋体との間に設けられた絶縁部材をさらに備え、上記絶縁部材は、上記蓋体の内面に沿って延びるベース部と、上記ベース部よりも上記電極体の側に突出する突出部と、を有する、項1~項3のいずれか一つに記載の処理方法。
項5:上記切断工程において、上記外装体を、上記蓋体が水平方向を向く横倒し姿勢、上記蓋体が鉛直方向の斜め下方を向く下方傾斜姿勢、および上記蓋体が鉛直方向の真下を向く反転姿勢のうちのいずれかの姿勢とする、項1~項4のいずれか一つに記載の処理方法。
項6:上記切断工程において、上記外装体を、上記蓋体が鉛直方向の真下を向く反転姿勢とする、項1~項4のいずれか一つに記載の処理方法。
項7:上記側壁が、一対の短側壁と一対の長側壁とを有し、上記切断工程において、上記外装体を、一対の上記長側壁が鉛直方向の上方および下方に位置し、かつ上記蓋体が水平方向を向く第1横倒し姿勢とする、項1~項4のいずれか一つに記載の処理方法。
項8:上記側壁が、一対の短側壁と一対の長側壁とを有し、上記切断工程において、上記外装体を、一対の上記短側壁が鉛直方向の上方および下方に位置し、かつ上記蓋体が水平方向を向く第2横倒し姿勢とする、項1~項4のいずれか一つに記載の処理方法。
項9:上記切断工程よりも前に、上記外装体に穴を開ける穴加工工程と、上記外装体の内部に失活処理液を流入させる失活処理工程とを、この順に含む、項1~項8のいずれか一つに記載の処理方法。
項10:上記切断工程において、ウォータージェット切断機で上記外装体を切断する、項1~項9のいずれか一つに記載の処理方法。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は、他にも種々の形態にて実施することができる。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。請求の範囲に記載の技術には、上記に例示した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上記した実施形態の一部を他の変形態様に置き換えることも可能であり、上記した実施形態に他の変形態様を追加することも可能である。また、その技術的特徴が必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することも可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 外装体
12 ケース本体
14 蓋体
16 ブラインドリベット
20 電極体
30 正極端子
40 負極端子
70 正極内部絶縁部材
70b 突出部
80 負極内部絶縁部材
80b 突出部
100 電池