(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066181
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】インターホンシステム、インターホン装置、主装置、プログラム、およびインターホンシステムの着信制御方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 3/58 20060101AFI20240508BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H04Q3/58 106
H04M9/00 H
H04M9/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175579
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】上滝 舞
(72)【発明者】
【氏名】内田 勇大
(72)【発明者】
【氏名】牟田 憲充
(72)【発明者】
【氏名】青柳 博久
【テーマコード(参考)】
5K038
5K049
【Fターム(参考)】
5K038AA05
5K038DD22
5K038FF01
5K038FF10
5K038FF12
5K049AA18
5K049BB04
5K049BB12
5K049BB18
5K049EE15
5K049GG05
5K049GG07
(57)【要約】
【課題】インターホン装置で外線着信に応答できるようにする。
【解決手段】主装置1は、電話機4と通話中の内線電話機2から保留要求を受信すると、電話機4との通話を保留する。その後、保留要求元の内線電話機2から、インターホン装置3を宛先とする接続要求を受信すると、インターホン装置3を呼出し、これに自動応答したインターホン装置3と保留要求元の内線電話機2とを接続する。そして、インターホン装置3と保留要求元の内線電話機2との接続中あるいはこの接続の切断後所定時間内にインターホン装置3の呼出ボタン36が操作されると、インターホン装置3は主装置1に保留応答を送信する。これを受けて、主装置1は、外線保留を解除し、インターホン装置3と電話機4とを接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内線電話機を収容する主装置と、前記内線電話機とともに前記主装置に収容されたインターホン装置と、を備えたインターホンシステムであって、
前記主装置は、
外線と通話中の前記内線電話機から保留要求を受信した場合に、当該通話中の外線を保留する保留手段と、
前記外線の保留中に、前記保留要求の送信元の前記内線電話機から、前記インターホン装置を宛先とする接続要求を受信した場合に、当該インターホン装置を呼出して、当該インターホン装置から応答を受信し、当該内線電話機と前記インターホン装置とを接続する接続手段と、
前記外線の保留中、かつ前記保留要求の送信元の前記内線電話機と前記インターホン装置との接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から保留応答を受信した場合に、当該外線の保留を解除して、当該外線を前記インターホン装置に接続する保留解除手段と、を有し、
前記インターホン装置は、
呼出ボタンと、
前記主装置の呼出に自動応答して、自身を当該内線電話機に接続する自動応答手段と、
前記自動応答手段により前記内線電話機と接続している間あるいは当該接続の切断後所定時間内に、前記呼出ボタンが操作された場合に、前記主装置に前記保留応答を送信する保留応答手段と、を有する
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のインターホンシステムであって、
前記保留応答は、前記インターホン装置に保留応答特番として予め登録されている番号情報である
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項3】
請求項1に記載インターホンシステムであって、
前記保留応答は、前記主装置が前記インターホン装置を呼出する際に保留応答特番として通知された番号情報である
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のインターホンシステムであって、
前記インターホン装置は、状態表示用ランプをさらに有し、
前記保留解除手段または前記保留応答手段は、
前記外線の保留中かつ前記インターホン装置との接続の切断後所定時間内に、前記状態表示用ランプを所定の表示パターンで点灯させる
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項5】
内線電話機を収容する主装置と、前記内線電話機とともに前記主装置に収容されたインターホン装置と、を備えたインターホンシステムであって、
前記主装置は、
外線着信した場合に、前記インターホン装置に、ページングを行うための通知であるページング通知を送信して、当該インターホン装置から応答を受信し、自身を前記インターホン装置に接続する接続手段と、
前記接続手段により自身と接続された前記インターホン装置から、前記着信中の外線の相手情報を音声出力するページング処理手段と、
前記外線の着信中、かつ前記インターホン装置と接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から代理応答を受信した場合に、当該外線を前記インターホン装置に接続する代理応答処理手段と、を有し、
前記インターホン装置は、
前記ページング通知に自動応答して、自身を前記主装置に接続する自動応答手段と、
前記自動応答手段により前記主装置と接続している間あるいは当該接続の切断後所定時間内に、前記呼出ボタンが操作された場合に、前記主装置に前記代理応答を送信する代理応答手段と、を有する
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のインターホンシステムであって、
前記代理応答要求は、前記インターホン装置に代理応答特番として予め登録されている番号情報である
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項7】
請求項5に記載インターホンシステムであって、
前記代理応答要求は、前記主装置が前記インターホン装置を呼出する際に代理応答特番として通知された番号情報である
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれか一項に記載のインターホンシステムであって、
前記インターホン装置は、状態表示用ランプをさらに有し
前記代理応答処理手段または前記代理応答手段は、
前記外線の着信中かつ前記インターホン装置との接続の切断後所定時間内合に、前記状態表示用ランプを所定の表示パターンで点灯させる
ことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項9】
インターホン装置であって、
呼出ボタンと、
自身を収容する主装置の呼出に自動応答して、自身を、当該主装置が収容する内線電話機に接続する自動応答手段と、
前記自動応答手段により前記内線電話機と接続している間あるいは当該接続の切断後所定時間内に前記呼出ボタンが操作された場合に、前記主装置に保留応答を送信する保留応答手段と、を有する
ことを特徴とするインターホン装置。
【請求項10】
インターホン装置であって、
呼出ボタンと、
自身を収容する主装置から受信した、ページングを行うための通知であるページング通知に自動応答して、自身を前記主装置に接続する自動応答手段と、
前記自動応答手段により前記主装置と接続している間あるいは当該接続の切断後所定時間内に前記呼出ボタンが操作された場合に、前記主装置に代理応答を送信する代理応答手段と、を有する
ことを特徴とするインターホン装置。
【請求項11】
内線電話機およびインターホン装置を収容する主装置であって、
外線と通話中の前記内線電話機から保留要求を受信した場合に、当該通話中の外線を保留する保留手段と、
前記外線の保留中に、前記保留要求の送信元の前記内線電話機から、前記インターホン装置を宛先とする接続要求を受信した場合に、当該インターホン装置を呼出して、当該インターホン装置から応答を受信し、当該内線電話機と前記インターホン装置とを接続する接続手段と、
前記外線の保留中、かつ前記保留要求の送信元の前記内線電話機と前記インターホン装置との接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から保留応答を受信した場合に、当該外線の保留を解除して、当該外線を前記インターホン装置に接続する保留解除手段と、を有する
ことを特徴とする主装置。
【請求項12】
内線電話機およびインターホン装置を収容する主装置であって、
外線着信した場合に、前記インターホン装置に、ページングを行うための通知であるページング通知を送信して、当該インターホン装置から応答を受信し、自身を前記インターホン装置に接続する接続手段と、
前記接続手段により自身と接続された前記インターホン装置から、前記着信中の外線の相手情報を音声出力するページング処理手段と、
前記外線の着信中、かつ前記インターホン装置と接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から代理応答を受信した場合に、当該外線を前記インターホン装置に接続する代理応答処理手段と、を有する
ことを特徴とする主装置。
【請求項13】
内線電話機およびインターホン装置を収容する主装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
外線と通話中の前記内線電話機から保留要求を受信した場合に、当該通話中の外線を保留する保留手段、
前記外線の保留中に、前記保留要求の送信元の前記内線電話機から、前記インターホン装置を宛先とする接続要求を受信した場合に、当該インターホン装置を呼出して、当該インターホン装置から応答を受信し、当該内線電話機と前記インターホン装置とを接続する接続手段、および
前記外線の保留中、かつ前記保留要求の送信元の前記内線電話機と前記インターホン装置との接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から保留応答を受信した場合に、当該外線の保留を解除して、当該外線を前記インターホン装置に接続する保留解除手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
内線電話機およびインターホン装置を収容する主装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
外線着信した場合に、前記インターホン装置に、ページングを行うための通知であるページング通知を送信して、当該インターホン装置から応答を受信し、自身を前記インターホン装置に接続する接続手段、
前記接続手段により自身と接続された前記インターホン装置から、前記着信中の外線の相手情報を音声出力するページング処理手段、および
前記外線の着信中、かつ前記インターホン装置と接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から代理応答を受信した場合に、当該外線を前記インターホン装置に接続する代理応答処理手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
内線電話機を収容する主装置と、前記内線電話機とともに前記主装置に収容されたインターホン装置と、を備えたインターホンシステムの着信制御方法であって、
前記主装置は、
外線と通話中の前記内線電話機から保留要求を受信した場合に、当該通話中の外線を保留し、
前記外線の保留中に、前記保留要求の送信元の前記内線電話機から、前記インターホン装置を宛先とする接続要求を受信した場合に、当該インターホン装置を呼出し、当該インターホン装置から応答を受信して、当該内線電話機と前記インターホン装置とを接続し、
前記外線の保留中、かつ前記保留要求の送信元の前記内線電話機と前記インターホン装置との接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から保留応答を受信した場合に、当該外線の保留を解除して、当該外線を前記インターホン装置に接続し、
前記インターホン装置は、
前記主装置の呼出に自動応答して、自身を当該内線電話機に接続し、
前記自動応答により前記内線電話機と接続している間あるいは当該接続の切断後所定時間内に、自身が備える呼出ボタンが操作された場合に、前記主装置に前記保留応答を送信する
ことを特徴とするインターホンシステムの着信制御方法。
【請求項16】
内線電話機を収容する主装置と、前記内線電話機とともに前記主装置に収容されたインターホン装置と、を備えたインターホンシステムの着信制御方法であって、
前記主装置は、
外線着信した場合に、前記インターホン装置に、ページングを行うための通知であるページング通知を送信し、
前記ページング通知に対する応答を前記インターホン装置から受信し、自身を当該インターホン装置に接続して、当該インターホン装置から前記着信中の外線の相手情報を音声出力し、
前記外線の着信中、かつ前記インターホン装置と接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から代理応答を受信した場合に、当該外線を前記インターホン装置に接続し、
前記インターホン装置は、
前記ページング通知に自動応答して、自身を前記主装置に接続し、
前記自動応答により前記主装置と接続している間あるいは当該接続の切断後所定時間内に、自身が備える呼出ボタンが操作された場合に、前記主装置に前記代理応答を送信する
ことを特徴とするインターホンシステムの着信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内線電話機、インターホン装置、およびこれらを収容する主装置を備えたインターホンシステムに関し、特に、主装置への外線着信をインターホン装置に接続する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の内線電話機と、これら内線電話機を収容するボタン電話装置と、を有するボタン電話システムにおいて、ボタン電話装置が備えるスピーカから被呼者の呼び出し放送を行うことができる技術が開示されている。このボタン電話システムにおいて、外線着信を受けたボタン電話装置が内線電話機を一斉呼出し、いずれかの内線電話機がユーザの指示に従いこれに応答して発呼者と通話したところ、被呼者(発呼者が希望する通話相手)がユーザではないことがある。この場合、外線着信を受けたボタン電話装置は、通話中の呼を保留にして被呼者の内線電話機を呼出したがこの内線電話機から応答がない場合に、通話中の呼を保留にしたまま、このボタン電話装置が備えるスピーカから被呼者の呼び出し放送を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のボタン電話システムでは、呼び出し放送を聞いた被呼者が屋外にいる場合、被呼者は、屋内の内線電話機のある場所にまで急いで戻らなければならない。それでも、発呼者を長らく待たせてしまう可能性がある。
【0005】
ここで、屋外に設置されたインターホン装置(ドアホン装置)で外線着信に応答することができれば便利である。近年、複数の内線電話機を収容する主装置にインターホン装置も収容させたインターホンシステムが普及している。この種のインターホンシステムでは、通常、インターホン装置の呼出ボタンが押下されると、主装置が所定の内線電話機を呼出し、この内線電話機がユーザの指示に従いこれに応答することによってインターホン装置および内線電話機間の通話が可能となる。しかしながら、この種のインターホンシステムでは、インターホン装置から内線電話機を呼出することはできるが、インターホン装置で外線着信に応答することはできない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インターホン装置で外線着信に応答することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様において、主装置は、外線と通話中の内線電話機から保留要求を受信すると、この通話中の外線を保留する。その後、保留要求元の内線電話機から、インターホン装置を宛先とする接続要求を受信すると、インターホン装置を呼出し、これに自動応答したインターホン装置と保留要求元の内線電話機とを接続する。そして、インターホン装置と保留要求元の内線電話機との接続中あるいはこの接続の切断後所定時間内にインターホン装置の呼出ボタンが操作されると、インターホン装置は主装置に保留応答を送信する。これを受けて、主装置は、外線保留を解除し、インターホン装置を、保留解除した外線に接続する。ここで、保留応答は、インターホン装置に予め登録されている番号情報(保留応答特番)でもよいし、あるいは、主装置がインターホン装置を呼出する際に通知された番号情報でもよい。
【0008】
例えば、本発明の第1の態様は、
内線電話機を収容する主装置と、前記内線電話機とともに前記主装置に収容されたインターホン装置と、を備えたインターホンシステムであって、
前記主装置は、
外線と通話中の前記内線電話機から保留要求を受信した場合に、当該通話中の外線を保留する保留手段と、
前記外線の保留中に、前記保留要求の送信元の前記内線電話機から、前記インターホン装置を宛先とする接続要求を受信した場合に、当該インターホン装置を呼出して、当該インターホン装置から応答を受信し、当該内線電話機と前記インターホン装置とを接続する接続手段と、
前記外線の保留中、かつ前記保留要求の送信元の前記内線電話機と前記インターホン装置との接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から保留応答を受信した場合に、当該外線の保留を解除して、当該外線を前記インターホン装置に接続する保留解除手段と、を有し、
前記インターホン装置は、
呼出ボタンと、
前記主装置の呼出に自動応答して、自身を当該内線電話機に接続する自動応答手段と、
前記自動応答手段により前記内線電話機と接続している間あるいは当該接続の切断後所定時間内に、前記呼出ボタンが操作された場合に、前記主装置に前記保留応答を送信する保留応答手段と、を有する。
【0009】
また、本発明の第2の態様において、主装置は、外線着信すると、自身が収容するインターホン装置にページング(構内放送)を行うための通知であるページング通知を送信する。そして、インターホン装置がページング通知に自動応答すると、主装置は、自身をインターホン装置に接続して、発呼者の相手情報をインターホン装置から音声出力する。そして、主装置とインターホン装置との接続中あるいはこの接続の切断後所定時間内に、インターホン装置の呼出ボタンが操作されると、インターホン装置は主装置に代理応答を送信する。これを受けて、主装置は、インターホン装置を着信中の外線に接続する。ここで、代理応答は、インターホン装置に予め登録されている番号情報(代理応答特番)でもよいし、あるいは、ページング通知の際に主装置から通知された番号情報でもよい。
【0010】
例えば、本発明の第2の態様は、
内線電話機を収容する主装置と、前記内線電話機とともに前記主装置に収容されたインターホン装置と、を備えたインターホンシステムであって、
前記主装置は、
外線着信した場合に、前記インターホン装置に、ページングを行うための通知であるページング通知を送信して、当該インターホン装置から応答を受信し、自身を前記インターホン装置に接続する接続手段と、
前記接続手段により自身と接続された前記インターホン装置から、前記着信中の外線の相手情報を音声出力するページング処理手段と、
前記外線の着信中、かつ前記インターホン装置と接続中あるいは当該接続の切断後所定時間内に、当該インターホン装置から代理応答を受信した場合に、当該外線を前記インターホン装置に接続する代理応答処理手段と、を有し、
前記インターホン装置は、
呼出ボタンと
前記ページング通知に自動応答して、自身を前記主装置に接続する自動応答手段と、
前記自動応答手段により前記主装置と接続している間あるいは当該接続の切断後所定時間内に、前記呼出ボタンが操作された場合に、前記主装置に前記代理応答を送信する代理応答手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の態様では、インターホン装置と保留要求元の内線電話機との接続中あるいはこの接続の切断後所定時間内にインターホン装置の呼出ボタンが操作されると、インターホン装置が主装置に保留応答を送信し、これを受けた主装置が外線保留を解除し、インターホン装置を、保留解除した外線に接続する。また、本発明の第2の態様では、外線着信すると、主装置は、インターホン装置にページング通知を送信し、インターホン装置の自動応答によりインターホン装置に接続して、相手情報をインターホン装置から音声出力する。そして、主装置とインターホン装置との接続中あるいはこの接続の切断後所定時間内にインターホン装置の呼出ボタンが操作されると、インターホン装置が主装置に代理応答を送信し、これを受けた主装置がインターホン装置を着信中の外線に接続する。したがって、本発明によれば、インターホン装置で外線着信に応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施の形態に係るインターホンシステムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施の形態に係るインターホンシステムのインターホン装置3による保留応答動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施の形態に係るインターホンシステムのインターホン装置3による保留応答動作を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図5】
図5は、主装置1による保留応答処理を説明するためのフロー図である。
【
図6】
図6は、主装置1による保留応答処理を説明するためのフロー図であり、
図5の続きである。
【
図7】
図7は、インターホン装置3の概略機能構成図である。
【
図8】
図8は、インターホン装置3による保留応答処理を説明するためのフロー図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施の形態に係るインターホンシステムのインターホン装置3aによる代理応答動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図11】
図11は、主装置1aによる代理応答処理を説明するためのフロー図である。
【
図12】
図12は、インターホン装置3aの概略機能構成図である。
【
図13】
図13は、インターホン装置3aによる代理応答処理を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
[第1実施の形態]
まず、本発明の第1実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係るインターホンシステムの概略構成図である。
【0016】
図示するように、本実施の形態に係るインターホンシステムは、オフィス内に設置された複数の内線電話機2-1~2-n(以下、単に内線電話機2とも呼ぶ)と、オフィス外(オフィスのエントランス等)に設置されたインターホン装置3と、内線電話機2およびインターホン装置3を収容する主装置1と、を備えて構成される。主装置1は、内線電話網5を介して内線電話機2およびインターホン装置3に接続されている。また、主装置1は、外線電話網6に接続されており、外線電話網6には電話機4が接続されている。
【0017】
図2および
図3は、本発明の第1実施の形態に係るインターホンシステムのインターホン装置3による保留応答動作を説明するためのシーケンス図である。
【0018】
まず、電話機4が主装置1を宛先とする接続要求を送信し(S100)、この接続要求が外線電話網6を介して主装置1に外線着信すると(S101)、主装置1は、予め定められた一部の内線電話機2あるいはすべての内線電話機2を呼出する(S102)。これにより、呼出された内線電話機2が着信鳴動する(S103)。
【0019】
つぎに、着信鳴動中のいずれかの内線電話機2がユーザから応答操作を受け付けると(S104)、この内線電話機2は、着信鳴動を停止して主装置1に応答を送信する(S105)。これを受けて、主装置1は、内線電話機2の呼出を終了して他の内線電話機2の着信鳴動を終了させるとともに、外線電話網6を介して発信元の電話機4に応答を送信する(S106)。そして、主装置1は、応答送信元の内線電話機2および発信元の電話機4各々と通話路を確立して(S107、S108)、両通話路を中継する(S109)。これにより、応答送信元の内線電話機2と発信元の電話機4とが接続され、両者間の通話が可能となる。
【0020】
応答送信元の内線電話機2のユーザが発呼者(発信元の電話機4のユーザ)との通話を開始したところ、発呼者が、希望する通話相手(被呼者)として、オフィス外(例えば、オフィスのエントランスに設置された待合室)にいる別のユーザを指定したものとする。応答送信元の内線電話機2は、ユーザから保留操作を受け付けると(S110)、主装置1に保留要求を送信する(S111)。これを受けて、主装置1は、応答送信元の内線電話機2との通話路を解放して、発信元の電話機4との通話路を保留する(S112)。
【0021】
つぎに、保留要求元の内線電話機2は、インターホン装置3の指定を伴う内線発信操作をユーザから受け付けると(S113)。インターホン装置3を宛先とする接続要求を主装置1に送信(内線発信)する(S114)。これを受けて、主装置1は、インターホン装置3を呼出する(S115)。そして、インターホン装置3は、主装置1の呼出に自動応答し(S116)、主装置1に応答を送信する(S117)。
【0022】
主装置1は、インターホン装置3から応答を受信すると、保留要求元の内線電話機2に応答を送信し(S118)、保留要求元の内線電話機2およびインターホン装置3各々と通話路を確立して(S119、S120)、両通話路を中継する(S121)。これにより、保留要求元の内線電話機2とインターホン装置3とが接続されて両者間の通話が可能となり、保留要求元の内線電話機2のユーザは、インターホン装置3のスピーカを用いた放送により、被呼者に対して、インターホン装置3の設置場所まで移動するように呼びかけることができる。
【0023】
つぎに、インターホン装置3のスピーカを用いた放送による呼びかけを聞いた被呼者が、インターホン装置3の設置場所まで移動して保留要求元の内線電話機2のユーザと会話し、発呼者からの被呼者あての電話を保留中であることを通知されたものとする。これを受けて、被呼者がインターホン装置3の呼出ボタンを押下して呼出操作を行うと(S122)、インターホン装置3は、主装置1に解放要求を送信する(S123)。これにより、主装置1は、保留要求元の内線電話機2およびインターホン装置3各々との通話路を解放して両者間を切断し、終話する(S124)。
【0024】
それから、インターホン装置3は、主装置1に保留応答として予め登録された番号情報(保留応答特番)を送信する(S125)。これを受けて、主装置1は、インターホン装置3と通話路を確立するとともに(S126)、発信元の電話機4との通話路の保留を解除して両通話路を中継する(S127)。これにより、発信元の電話機4とインターホン装置3とが接続され、両者間の通話が可能となる。
【0025】
つぎに、本実施の形態に係るインターホンシステムを構成する主装置1およびインターホン装置3について説明する。なお、内線電話機2には、保留機能を有する既存のボタン電話機を用いることができるので、その詳細な説明を省略する。
【0026】
まず、主装置1の詳細を説明する。
【0027】
【0028】
図示するように、主装置1は、内線電話網インターフェース部10と、外線電話網インターフェース部11と、呼制御部12と、中継部13と、を有する。
【0029】
内線電話網インターフェース部10は、内線電話網5に接続するためのインターフェースであり、外線電話網インターフェース部11は、外線電話網6に接続するためのインターフェースである。
【0030】
呼制御部12は、SIP(Session Initiation Protocol:但し、内線電話網5および外線電話網6がIP(Internet Protocol)網上に構築されている場合)等の呼制御プロトコルに従い、外線電話網6を介して電話機4との通話路(外線)を確立・解放したり、内線電話網5を介して内線電話機2との通話路(内線)を確立・解放したりする。そして、電話機4との通話路および内線電話機2との通話路間、あるいは、内線電話機2との通話路同士間を、中継部13に中継させる。
【0031】
また、呼制御部12は、保留部14と、接続部15と、保留解除部16と、を有する。
【0032】
保留部14は、電話機4と通話中の内線電話機2から保留要求を受信した場合に、保留要求元の内線電話機2との通話路を解放して電話機4との通話路を保留する。
【0033】
接続部15は、電話機4との通話路を保留中に保留要求元の内線電話機2から接続要求(内線発信)を受信した場合、接続要求の内線接続先(宛先)を呼出して、この内線接続先から応答を受信することにより、この内線接続先との通話路を確立する。また、保留要求元の内線電話機2に応答を送信することにより、保留要求元の内線電話機2との通話路を確立する。そして、保留要求元の内線電話機2との通話路および内線接続先との通話路間を中継部13に中継させ、保留要求元の内線電話機2と内線接続先とを接続する。
【0034】
保留解除部16は、電話機4との通話路を保留中、かつ保留要求元の内線電話機2と内線接続先とを接続中に、保留要求元の内線電話機2あるいは内線接続先から解放要求を受信した場合に、保留要求元の内線電話機2との通話路および内線接続先との通話路各々を解放して両者間を切断する。また、この切断後、所定時間内に、内線接続先から保留応答を受信した場合に、内線接続先(保留応答元)との通話路を確立し、保留応答元との通話路および電話機4との通話路間を中継部13に中継させ、電話機4との通話路の保留を解除する。
【0035】
中継部13は、呼制御部12の指示に従い、呼制御部12によって確立された通話路間を中継する。具体的には、電話機4との通話路と内線電話機2との通話路間、内線電話機2との通話路とインターホン装置3との通話路間、電話機4との通話路とインターホン装置3との通話間、および内線電話機2同士の通話路間を中継する。これにより、電話機4と内線電話機2との間、内線電話機2とインターホン装置3との間、電話機4とインターホン装置3との間、および、内線電話機2同士の間が接続され、両者間の通話が可能となる。
【0036】
なお、
図4に示す主装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信装置と、を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することでプロセスとして実現されるものでもよい。
【0037】
図5および
図6は、主装置1による保留応答処理を説明するためのフロー図である。
【0038】
このフローは、電話機4と内線電話機2との通話中に、呼制御部12が、内線電話網インターフェース部10を介して、電話機4と通話中の内線電話機2からの保留要求を受信することにより開始される。
【0039】
まず、保留部14は、保留要求元の内線電話機2との通話路を解放して(S200)、電話機4との通話路を保留する(S201)。
【0040】
つぎに、接続部15は、保留要求元の内線電話機2から接続要求(内線発信)を受信すると(S202でYES)、この接続要求の内線接続先(宛先)を確認する(S203)。そして、内線接続先が他(保留要求元以外)の内線電話機2である場合(S203で「内線電話機2」)、内線接続先の内線電話機2を呼出して(S215)、通常の保留解除処理を実施する(S216)。
【0041】
すなわち、呼出された内線接続先の内線電話機2は、着信鳴動して、ユーザから応答操作を受け付けると、主装置1に応答を送信する。これを受けて、接続部15は、保留要求元の内線電話機2に応答を送信して、保留要求元の内線電話機2および内線接続先の内線電話機2各々と通話路を確立し、両通話路を中継部13に中継させる。これにより、保留要求元の内線電話機2および内線接続先の内線電話機2間が接続されて、両者間の通話が可能となる。つぎに、保留解除部16は、保留要求元の内線電話機2あるいは内線接続先の内線電話機2から解放要求を受信すると、保留要求元の内線電話機2および内線接続先の内線電話機2各々との通話路を解放して両者間を切断する。その後、保留解除部16は、内線接続先の内線電話機2から保留応答を受信すると、この内線電話機2と通話路を確立し、内線接続先(保留応答元)の内線電話機2との通話路および電話機4との通話路間を中継部13に中継させて、電話機4との通話路の保留を解除する。
【0042】
一方、S203において、接続要求の内線接続先がインターホン装置3である場合(S203で「インターホン装置3」)、接続部15は、インターホン装置3を呼出する(S204)。そして、インターホン装置3から応答を受信すると(S205でYES)、保留要求元の内線電話機2に応答を送信して(S206)、保留要求元の内線電話機2およびインターホン装置3各々と通話路を確立し、中継部13に両通話路を中継させる(S207)。これにより、保留要求元の内線電話機2およびインターホン装置3間が接続され、保留要求元の内線電話機2のユーザは、インターホン装置3のスピーカを用いて用件を放送することが可能となる。
【0043】
その後、保留解除部16は、保留要求元の内線電話機2あるいはインターホン装置3から解放要求を受信すると(S208でYES)、保留要求元の内線電話機2およびインターホン装置3各々との通話路を解放して、両者間を切断する(S209)。その後、保留解除部16は、所定時間内に(S213でNO)、インターホン装置3から保留応答を受信すると(S210でYES)、インターホン装置3との通話路を確立して(S211)、インターホン装置3との通話路および電話機4との通話路間を中継部13に中継させ、電話機4との通話路の保留を解除する(S212)。また、保留解除部16は、インターホン装置3から保留応答を受信することなく(S210でNO)、所定時間が経過すると(S213でYES)、保留要求元の内線電話機2を呼出して、保留要求元の内線電話機2との通話路を確立し、この通話路および電話機4との通話路間を中継部13に中継させて、電話機4との通話路の保留を解除する等、所定のエラー処理を実施する(S214)。
【0044】
つぎに、インターホン装置3の詳細を説明する。
【0045】
図7は、インターホン装置3の概略機能構成図である。
【0046】
図示するように、インターホン装置3は、内線電話網インターフェース部30と、マンマシンインターフェース部31と、呼制御部32と、通話処理部33と、を有する。
【0047】
内線電話網インターフェース部30は、内線電話網5に接続するためのインターフェースである。
【0048】
マンマシンインターフェース部31は、ユーザが通話相手と通話するためのインターフェースであり、ユーザの音声を収音するためのマイク34、通話相手の音声を出力するためのスピーカ35、および、ユーザから各種操作を受け付けるための呼出ボタン36を有する。
【0049】
呼制御部32は、SIP(但し、内線電話網5がIP網上に構築されている場合)等の呼制御プロトコルに従い、主装置1と連携し、内線電話網5を介して主装置1との通話路(内線)を確立・解放する。
【0050】
また、呼制御部32は、自動応答部37と、保留応答部38と、を有する。
【0051】
自動応答部37は、主装置1の呼出に自動応答する。これにより、主装置1との通話路を確立し、この通話路を介して接続要求元の内線電話機2に自インターホン装置3を接続する。
【0052】
保留応答部38は、自動応答部37により内線電話機2と接続している間に呼出ボタン36が操作された場合に、主装置1に解放要求を送信するとともに、解放要求送信後、所定時間内に保留応答(予め登録されている保留応答特番)を送信する。
【0053】
通話処理部33は、呼制御部32によって確立された通話路を介して主装置1と通話データを送受信する。すなわち、マイク34を介してユーザより入力された音声信号を通話データに符号化し、これを通話路経由で主装置1に送信するとともに、主装置1から通話路経由で通話データを受信し、これを音声信号に復号してスピーカ35から出力する。
【0054】
なお、
図7に示すインターホン装置3の機能構成は、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC等の通信装置と、マイク、スピーカ、タッチパネルディスプレイ等のマンマシンインターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することでプロセスとして実現されるものでもよい。
【0055】
図8は、インターホン装置3による保留応答処理を説明するためのフロー図である。
【0056】
このフローは、呼制御部32が、内線電話網インターフェース部30を介して主装置1から呼出されることにより開始される。
【0057】
まず、自動応答部37は、主装置1の呼出に自動応答する(S300)。これにより、主装置1との通話路が確立し、この通話路を介して、インターホン装置3と接続要求元(発信元)の内線電話機2とが接続される(S301)。そして、通話処理部33は、通話路を介して接続中の内線電話機2から受信した通話データを音声信号に復号してスピーカ35から出力する。これにより、接続中の内線電話機2のユーザは、インターホン装置3のスピーカ35を用いた放送により、保留中の電話機4の本来の通話相手である被呼者をインターホン装置3まで呼び出すことができる。
【0058】
つぎに、インターホン装置3のスピーカ35を用いた放送により呼び出された被呼者が、接続中の内線電話機2のユーザから、被呼者宛ての電話が保留中であることを通知されて、呼出ボタン36を操作すると(S302でYES)、保留応答部38は、内線電話網インターフェース部30を介して主装置1に解放要求を送信する(S303)。これにより、主装置1との通話路が解放され、接続中の内線電話機2との接続が切断される。
【0059】
それから、保留応答部38は、解放要求送信後、所定時間内に、内線電話網インターフェース部30を介して主装置1に保留応答を送信する(S304)。これより、主装置1との通話路が確立し、この通話路を介して、インターホン装置3と、保留解除された電話機4とが接続される。そして、通話処理部33は、通話路を介して接続中の電話機4から受信した通話データを音声信号に復号して、スピーカ35から出力するとともに、マイク34に入力された音声データを通話データに符号化して電話機4に送信する。
【0060】
以上、本発明の第1実施の形態を説明した。
【0061】
本実施の形態では、インターホン装置3と保留要求元の内線電話機2との接続中にインターホン装置3の呼出ボタン36が操作されると、インターホン装置3は、主装置1に解放要求を送信し、続けて所定時間内に保留応答を送信する。これを受けて、主装置1は、解放要求に従いインターホン装置3との通話路および保留要求元の内線電話機2との通話路各々を解放して両者間を切断する。そして、この切断後、所定時間内に受け取った保留応答に従い、インターホン装置3との通話路を確立して、この通話路および保留中の電話機4との通話路間を中継することにより、電話機4の保留を解除し、電話機4とインターホン装置3とを接続する。したがって、本実施の形態によれば、呼出ボタン36を操作するだけで、インターホン装置3で外線着信に応答することができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、インターホン装置3は、保留要求元の内線電話機2との接続中にインターホン装置3の呼出ボタン36が操作された場合、主装置1に解放要求を送信し、続けて所定時間内に保留応答を送信しているが、解放要求を省略し、保留応答のみを主装置1に送信するようにしてもよい。この場合、主装置1は、保留応答に従い、インターホン装置3との通話路を維持したまま保留要求元の内線電話機2との通話路を解放して両者間を切断し、続けて、インターホン装置3との通話路と保留中の電話機4との通話路とを中継することにより、電話機4の保留を解除し、電話機4とインターホン装置3とを接続する。
【0063】
また、本実施の形態において、インターホン装置3は、保留要求元の内線電話機2との接続中に呼出ボタン36が操作された場合に保留応答を送信している。しかし、本発明はこれに限定されない。インターホン装置3は、保留要求元の内線電話機2から発せられた解放要求によって両者間の接続が切断されている場合でも、切断後所定時間内の呼出ボタン36の押下操作に応じて保留応答を主装置1に送信してもよい。この場合、インターホン装置3の状態を示すLED(Light Emitting Diode)等の表示ランプをマンマシンインターフェース部31に設けておき、インターホン装置3の保留応答部38または主装置1の保留解除部16が、インターホン装置3と保留要求元の内線電話機2との接続切断後所定時間を経過するまでの間、所定の色および/またはパターンで表示ランプを点灯させることにより、ユーザに、保留応答が可能である旨を通知してもよい。
【0064】
また、本実施の形態において、インターホン装置3は、保留応答として予め登録されている保留応答特番を主装置1に送信している。しかし、本発明はこれに限定されない。主装置1は、外線を保留中に、保留要求元の内線電話機2から受信した接続要求に従ってインターホン装置3を呼出する際に(
図2のS115、
図5のS204)、インターホン装置3に保留応答特番を通知して、インターホン装置3は、このとき主装置1から通知された保留応答特番を保留応答として用いるようにしてもよい。
【0065】
[第2実施の形態]
つぎに、本発明の第2実施の形態について説明する。
【0066】
本実施の形態に係るインターホンシステムが
図1に示す第1実施の形態に係るインターホンシステムと異なる点は、主装置1に代えて主装置1aを用いたこと、およびインターホン装置3に代えてインターホン装置3aを用いたことである。その他の構成は、
図1に示す第1実施の形態に係るインターホンシステムと同様である。
【0067】
図9は、本実施の形態に係るインターホンシステムのインターホン装置3aによる代理応答動作を説明するためのシーケンス図である。
【0068】
まず、電話機4が、主装置1aを宛先とする接続要求を送信し(S400)、この接続要求が外線電話網6を介して主装置1aに外線着信すると(S401)、主装置1aは、予め定められた一部の内線電話機2あるいはすべての内線電話機2を呼出する(S402)。これにより、呼出された内線電話機2が着信鳴動する(S403)。
【0069】
また、主装置1aは、インターホン装置3aに対して、ページング(構内放送)を行うための通知(ページング通知)を送信する(S404)。インターホン装置3aは、主装置1aのページング通知に自動応答し(S405)、主装置1aに応答を送信する(S406)。
【0070】
主装置1aは、インターホン装置3aから応答を受信すると、インターホン装置3aとの通話路を確立し(S407)、この通話路を介して、電話機4から着信中であることを伝えるためのページングをインターホン装置3aのスピーカを用いて実施する(S408)。これにより、オフィス外にいるユーザは、インターホン装置3aのスピーカを用いたページングにより、着信中の電話が自身宛てのものであるか否かを判断することができる。
【0071】
つぎに、インターホン装置3aのスピーカを用いたページングを聞いたユーザが、インターホン装置3aの設置場所まで移動して、インターホン装置3aの呼出ボタンを押下して呼出操作を行うと(S409)、インターホン装置3aは、代理応答として予め登録された番号情報(代理応答特番)を主装置1aに送信する(S410)。
【0072】
これを受けて、主装置1aは、内線電話機2の呼出を終了して内線電話機2の着信鳴動を終了させるとともに、外線電話網6を介して発信元の電話機4に応答を送信する(S411)。そして、主装置1aは、インターホン装置3aおよび発信元の電話機4各々と通話路を確立して(S412、S413)、両通話路を中継する(S414)。これにより、インターホン装置3aと発信元の電話機4とが接続され、両者間の通話が可能となる。
【0073】
つぎに、本実施の形態に係るインターホンシステムを構成する主装置1aおよびインターホン装置3aについて説明する。
【0074】
まず、主装置1aの詳細を説明する。
【0075】
【0076】
主装置1aが
図4に示す主装置1と異なる点は、呼制御部12に代えて呼制御部12aを用いたことである。その他の構成は、
図4に示す主装置1と同様である。
【0077】
呼制御部12aは、SIP(但し、内線電話網5および外線電話網6がIP網上に構築されている場合)等の呼制御プロトコルに従い、外線電話網6を介して電話機4との通話路(外線)を確立・解放したり、内線電話網5を介して内線電話機2との通話路(内線)を確立・解放したりする。そして、電話機4との通話路および内線電話機2との通話路間、あるいは、内線電話機2との通話路同士間を、中継部13に中継させる。
【0078】
また、呼制御部12aは、接続部17と、ページング処理部18と、代理応答処理部19と、を有する。
【0079】
接続部17は、外線電話網インターフェース部11を介して電話機4から外線着信した場合に、インターホン装置3aにページング通知を送信する。そして、インターホン装置3aから応答を受信して、主装置1aをインターホン装置3aに接続する。
【0080】
ページング処理部18は、接続部17によって主装置1aに接続されたインターホン装置3aに、外線着信した電話機4の番号情報等の相手情報の音声信号を送出して、インターホン装置3aのスピーカを用いて、電話機4から着信中であることを伝えるためのページングを実施する。
【0081】
代理応答処理部19は、電話機4から外線着信中かつインターホン装置3aと接続中に、インターホン装置3aから代理応答を受信した場合に、インターホン装置3aとの通話路および電話機4との通話路各々を確立し、両通話路を中継部13に中継させて、インターホン装置3aと電話機4とを接続する。
【0082】
なお、
図10に示す主装置1aの機能構成は、
図4に示す主装置1の機能構成と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPUと、メモリと、SSD、HDD等の補助記憶装置と、NIC等の通信装置と、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することでプロセスとして実現されるものでもよい。
【0083】
図11は、主装置1aによる代理応答処理を説明するためのフロー図である。
【0084】
このフローは、外線電話網インターフェース部11を介して電話機4から接続要求が外線着信することにより開始される。
【0085】
まず、呼制御部12aが、予め定められた一部の内線電話機2あるいはすべての内線電話機2を呼出するとともに、接続部17が、インターホン装置3aにページング通知を送信する(S500)。そして、接続部17は、内線電話網インターフェース部10を介してインターホン装置3aから応答を受信して、インターホン装置3aとの間に通話路を確立する(S501)。
【0086】
つぎに、ページング処理部18は、接続部17により確立された通話路を介してインターホン装置3aに、外線着信した電話機4の番号情報および/またはこの番号情報に紐付けられて予め登録されている氏名・名称等の相手情報の音声信号を送出し、インターホン装置3aのスピーカを用いて、電話機4から着信中であることを伝えるためのページングを実施する(S502)。
【0087】
その後、内線電話網インターフェース部10を介して呼出中のいずれかの内線電話機2から応答を受信すると(S503でYES)、呼制御部12aは、内線電話機2に対する呼出を停止し、接続部17は、インターホン装置3aとの通話路を解放する(S504)。これにより、ページング処理部18は、インターホン装置3aのスピーカを用いたページングを終了する。また、呼制御部12aは、外線電話網インターフェース部11を介して接続要求元の電話機4に応答を送信する(S505)。それから、呼制御部12aは、応答元の内線電話機2との通話路を確立するとともに接続要求元の電話機4との通話路を確立し、両通話路間を中継部13に中継させる(S506)。これにより、応答元の内線電話機2と接続要求元の電話機4とが接続され、両者間の通話が可能となる。
【0088】
一方、内線電話網インターフェース部10を介してインターホン装置3aから代理応答を受信すると(S503でNO、S507でYES)、呼制御部12aは内線電話機2に対する呼出を停止する(S508)。また、呼制御部12aは、外線電話網インターフェース部11を介して接続要求元の電話機4に応答を送信する(S509)。それから、呼制御部12aは、接続要求元の電話機4との通話路を確立し、接続要求元の電話機4との通話路およびインターホン装置3aとの通話路間を中継部13に中継させる(S510)。これにより、インターホン装置3aと接続要求元の電話機4とが接続され、両者間の通話が可能となる。
【0089】
つぎに、インターホン装置3aの詳細を説明する。
【0090】
図12は、インターホン装置3aの概略機能構成図である。
【0091】
インターホン装置3aが
図7に示すインターホン装置3と異なる点は、呼制御部32に代えて呼制御部32aを用いたことである。その他の構成は、
図7に示すインターホン装置3と同様である。
【0092】
呼制御部32aは、SIP(但し、内線電話網5がIP網上に構築されている場合)等の呼制御プロトコルに従い、主装置1aと連携し、内線電話網5を介して主装置1aとの通話路(内線)を確立・解放する。
【0093】
また、呼制御部32aは、自動応答部39と、代理応答部40と、を有する。
【0094】
自動応答部39は、主装置1aのページング通知に自動応答する。これにより、主装置1aとの通話路を確立して、自インターホン装置3aを主装置1aに接続する。
【0095】
代理応答部40は、自動応答部39により主装置1aと接続している間に呼出ボタン36が操作された場合に、主装置1aに代理応答(予め登録されている代理応答特番)を送信する。
【0096】
なお、
図12に示すインターホン装置3aの機能構成は、
図7に示すインターホン装置3と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC等の通信装置と、マイク、スピーカ、タッチパネルディスプレイ等のマンマシンインターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することでプロセスとして実現されるものでもよい。
【0097】
図13は、インターホン装置3aによる代理応答処理を説明するためのフロー図である。
【0098】
まず、自動応答部39は、主装置1aのページング通知に自動応答する(S600)。これにより、主装置1aとの通話路が確立され、通話処理部33は、この通話路を介して主装置1aから送られてきた外線着信中の電話機4の相手情報をスピーカ35から音声出力する(S601)。
【0099】
つぎに、インターホン装置3aのスピーカ35から音声出力された着信中の電話機4の相手情報を聞いたユーザが、インターホン装置3aの設置場所まで移動して、インターホン装置3aの呼出ボタン36を操作すると(S602でYES)、代理応答部40は、内線電話網インターフェース部30を介して主装置1aに代理応答を送信する(S603)。これより、主装置1aとの通話路が確立し、この通話路を介して、インターホン装置3aと外線着信中の電話機4とが接続される。そして、通話処理部33は、通話路を介して電話機4から受信した通話データを音声信号に復号してスピーカ35から出力するとともに、マイク34に入力された音声データを通話データに符号化して電話機4に送信する。
【0100】
以上、本発明の第2実施の形態を説明した。
【0101】
本実施の形態では、電話機4から外線着信すると、主装置1aは、インターホン装置3aにページング通知を送信し、インターホン装置3aの自動応答によりインターホン装置3aに接続して、電話機4の相手情報をインターホン装置3aから音声出力する。そして、主装置1aとインターホン装置3aとの接続中にインターホン装置3aの呼出ボタン36が操作されると、インターホン装置3aは、主装置1aに代理応答を送信し、これを受けて主装置1aがインターホン装置3aを外線着信中の電話機4に接続する。したがって、本実施の形態によれば、本発明の第1実施の形態と同様に、呼出ボタン36を操作するだけで、インターホン装置3aで外線着信に応答することができる。
【0102】
なお、本実施の形態では、インターホン装置3aと主装置1aとの接続中にインターホン装置3aの呼出ボタン36が操作された場合、インターホン装置3aは、主装置1aに代理応答を送信しているが、この代理応答に先立って解放要求を送信し、続けて所定時間内に代理応答を送信するようにしてもよい。この場合、主装置1aは、解放要求に従ってインターホン装置3aとの通話路を解放し、主装置1aとの接続を切断するとともに、内線電話機2の呼出を停止する。そして、代理応答に従い、インターホン装置3aおよび外線着信中の電話機4各々との通話路を確立して両通話路を中継することにより、インターホン装置3aと電話機4とを接続する。
【0103】
また、本実施の形態において、インターホン装置3aは、インターホン装置3aと主装置1aとの接続中(ページング中)に呼出ボタン36が操作された場合に代理応答を送信している。しかし、本発明はこれに限定されない。インターホン装置3aは、主装置1aがページング終了により両者間を切断した場合でも、切断後所定時間内の呼出ボタン36の押下操作に応じて代理応答を主装置1aに送信してもよい。この場合、インターホン装置3aの状態を示すLED等の表示ランプをマンマシンインターフェース部31に設けておき、インターホン装置3aの代理応答部40または主装置1aの代理応答処理部19が、主装置1aとインターホン装置3aとの接続切断後所定時間を経過するまでの間、所定の色および/またはパターンで表示ランプを点灯させることによって、ユーザに、代理応答が可能である旨を通知してもよい。
【0104】
また、本実施の形態において、インターホン装置3aは、代理応答として予め登録されている代理応答特番を主装置1aに送信している。しかし、本発明はこれに限定されない。主装置1aは、電話機4からの外線着信に従ってインターホン装置3aにページング通知を送信する際に(
図9のS404、
図11のS500)、インターホン装置3aに代理応答特番を通知して、インターホン装置3aは、このとき主装置1aから通知された代理応答特番を代理応答として用いるようにしてもよい。
【0105】
なお、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0106】
1、1a:主装置 2、2-1~2-n:内線電話機
3、3a:インターホン装置 4:電話機
5:内線電話網 6:外線電話網
10、30:内線電話網インターフェース部
11:外線電話網インターフェース部
12、12a、32、32a:呼制御部 13:中継部 14:保留部
15、17:接続部 16:保留解除部 18:ページング処理部
19:代理応答処理部 31:マンマシンインターフェース部
33:通話処理部 34:マイク 35:スピーカ
36:呼出ボタン 37、39:自動応答部
38:保留応答部 40:代理応答部