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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066190
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175598
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】小林 大謹
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA05
3L045CA09
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA13
3L045MA02
3L045MA12
3L045NA07
3L045NA21
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】温度制御の精度向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、筐体と、加熱装置と、温度検出器と、制御部とを備える。前記筐体は、貯蔵室を含む。前記加熱装置は、前記貯蔵室に設けられている。前記温度検出器は、前記貯蔵室に設けられている。前記制御部は、前記加熱装置による食品の加熱処理中に温度を検出する場合、少なくとも前記温度検出器により温度の検出動作を行う間、前記加熱装置の動作を抑制する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を含む筐体と、
前記貯蔵室に設けられた加熱装置と、
前記貯蔵室に設けられた温度検出器と、
前記加熱装置による食品の加熱処理中に温度を検出する場合、少なくとも前記温度検出器により温度の検出動作を行う間、前記加熱装置の動作を抑制する制御部と、
を備えた冷蔵庫。
【請求項2】
前記制御部は、前記加熱装置による食品の加熱処理中に温度を検出する場合、前記加熱装置の動作を所定の周期で抑制し、前記加熱装置の動作を抑制している間に前記温度検出器により温度を検出する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記制御部は、
前記温度検出器により検出される温度が所定温度未満である場合、前記加熱装置の動作を第1間隔の周期で抑制し、前記加熱装置の動作を抑制している間に前記温度検出器により温度を検出し、
前記温度検出器により検出される温度が前記所定温度以上である場合、前記加熱装置の動作を前記第1間隔よりも短い第2間隔の周期で抑制し、前記加熱装置の動作を抑制している間に前記温度検出器により温度を検出する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記制御部は、
前記温度検出器により検出される温度が所定温度未満である場合、前記加熱装置の動作抑制を行う度に前記加熱装置の動作を第1時間に亘り抑制し、前記第1時間の間に前記温度検出器により温度を検出し、
前記温度検出器により検出される温度が前記所定温度以上である場合、前記加熱装置の動作抑制を行う度に前記加熱装置の動作を前記第1時間よりも長い第2時間に亘り抑制し、前記第2時間の間に前記温度検出器により温度を検出する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記食品の加熱に必要な残り時間を推定する推定部をさらに備え、
前記推定部は、
前記加熱装置の動作が前記第1時間に亘り抑制される場合、前記第1時間の間に前記温度検出器を用いて検出された温度変化に基づき前記残り時間を推定し、
前記加熱装置の動作が前記第2時間に亘り抑制される場合、前記第2時間の間に前記温度検出器を用いて検出された温度変化に基づき前記残り時間を推定する、
請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記貯蔵室は、温度帯の設定が変更可能な切替室であり、
前記制御部は、前記貯蔵室に収容された食品を解凍する第1制御を行う場合、第1出力値で加熱動作を行うように前記加熱装置を制御し、前記貯蔵室の温度帯を第1温度帯から前記第1温度帯よりも高い第2温度帯に切り替える第2制御を行う場合、前記第1出力値よりも低い第2出力値で加熱動作を行うように前記加熱装置を制御する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1制御を行う場合、前記第1出力値で第1期間に亘り加熱動作を行うように前記加熱装置を制御し、前記第2制御を行う場合、前記第2出力値で前記第1期間よりも長い第2期間に亘り加熱動作を行うように前記加熱装置を制御する、
請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記制御部は、前記加熱装置による食品の加熱処理中とは異なる状況で、前記温度検出器により検出される温度が所定時間内に閾値を超えて変化した場合、加熱動作を行うように前記加熱装置を制御する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記制御部は、前記加熱装置により食品を加熱する場合、第1出力値で加熱動作を行うように前記加熱装置を制御し、前記加熱装置による食品の加熱処理中とは異なる状況で、前記温度検出器により検出される温度が前記所定時間内に前記閾値を超えて変化した場合、上記第1出力値よりも低い第3出力値で加熱動作を行うように前記加熱装置を制御する、
請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記貯蔵室に冷気を供給する冷気供給部をさらに備え、
前記制御部は、
前記貯蔵室が0℃よりも低い所定温度帯である場合において、前記加熱装置が停止された状態で、前記貯蔵室内の温度が所定条件を満たすことで前記冷気供給部による冷却が再開される場合、前記冷気供給部により冷気を第1供給量で前記貯蔵室に供給し、
前記貯蔵室が前記所定温度帯である場合において、前記加熱装置により食品を加熱する場合、前記冷気供給部により冷気を前記第1供給量よりも多い第2供給量で前記貯蔵室に供給する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記貯蔵室は、前記加熱装置による加熱対象の食品が置かれる加熱対象領域と、非加熱対象の食品が置かれる非加熱対象領域とを含み、
前記非加熱対象領域は、前記加熱対象領域と比べて、前記冷気供給部の近くに配置されている、
請求項10に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記貯蔵室に冷気を供給する冷気供給部をさらに備え、
前記貯蔵室は、温度帯の設定が変更可能な切替室であり、
前記制御部は、前記貯蔵室が第1温度帯に設定された状態で、前記加熱装置により食品を加熱する場合、前記冷気供給部により冷気を第3供給量で前記貯蔵室に供給し、前記貯蔵室が前記第1温度帯よりも高い第2温度帯に設定された状態で、前記加熱装置により食品を加熱する場合、前記冷気供給部により冷気を前記第3供給量よりも少ない第4供給量で前記貯蔵室に供給する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
解凍機能を有した冷蔵庫が知られている。ところで冷蔵庫は、温度管理のさらなる精度向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-138515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、温度制御の精度向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、筐体と、加熱装置と、温度検出器と、制御部とを備える。前記筐体は、貯蔵室を含む。前記加熱装置は、前記貯蔵室に設けられている。前記温度検出器は、前記貯蔵室に設けられている。前記制御部は、前記加熱装置による食品の加熱処理中に温度を検出する場合、少なくとも前記温度検出器により温度の検出動作を行う間、前記加熱装置の動作を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の家電管理システムの全体構成を示す図。
図2】実施形態の冷蔵庫を示す正面図。
図3図2に示された冷蔵庫のF3-F3線に沿う断面図。
図4図3中に示されたF4線に囲まれた領域を拡大して示す断面図。
図5】実施形態の加熱装置を示す図。
図6図4中に示された冷蔵庫のF6-F6線に沿う断面図。
図7】実施形態の貯蔵室の内部を示す断面図。
図8】実施形態の変形例の冷気供給部を示す断面図。
図9】実施形態の制御装置に関連する構成を示すブロック図。
図10】実施形態の加熱処理に関連する制御を説明するための図。
図11】実施形態の加熱処理に関する制御の流れを示すフローチャート。
図12】実施形態の切替室の温度設定の切り替えと結露抑制に関する制御とを説明するためのフローチャート。
図13】実施形態の機器管理サーバの機能構成を示すブロック図。
図14】実施形態の端末装置の機能構成を示すブロック図。
図15】実施形態の切替室の温度帯を変更するための操作画面を示す図。
図16】実施形態の冷蔵庫に関する基本画面の一例を示す図。
図17】実施形態の特別機能設定画面の一例を示す図。
図18】実施形態の特別機能追加画面の一例を示す図。
図19】実施形態の特別機能購入画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本出願で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本出願で「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。XXおよびYYは、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
本出願で「取得」とは、送信要求を送信して能動的に取得する場合に限定されず、他の装置から送信される情報を受動的に受信することで取得する場合も含み得る。また「取得」とは、外部から得られた情報に対して演算または加工などを行い、目的の情報を生成することで目的の情報を得る場合も含み得る。本出願では、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義する。また本出願では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義する。また本出願では「データベース」を「DB」と表記する。
【0009】
(実施形態)
<1.家電管理システムの全体構成>
図1は、実施形態の家電管理システム1の全体構成を示す図である。家電管理システム1は、例えば、1つ以上の冷蔵庫100、機器管理サーバ200、および端末装置300の家電管理アプリAPPを含む。後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0010】
冷蔵庫100は、ユーザUの住居内に設置されて使用される。冷蔵庫100は、例えば、ユーザUの住居内に設置された無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWと接続される。冷蔵庫100は、ネットワークNWを介して、機器管理サーバ200と通信可能である。
【0011】
機器管理サーバ200は、冷蔵庫100を管理する管理サーバである。例えば、機器管理サーバ200は、冷蔵庫100の状態および遠隔操作を管理する。機器管理サーバ200は、1つまたは複数のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)により構成される。機器管理サーバ200は、ネットワークNWを介して、冷蔵庫100および端末装置300と通信可能である。機器管理サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。機器管理サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータ(例えば無線ルータWR)などでもよい。
【0012】
端末装置300は、ユーザUが使用するコンピュータである。端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。ただし、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータなどでもよい。端末装置300は、例えば、表示装置301と、入力装置302と、通信部303とを有する。表示装置301は、種々の情報を表示可能な表示画面301aを有する。入力装置302は、ユーザUの入力を受け付け可能である。入力装置302は、例えば表示装置301の表示画面301aと重ねて設けられたタッチパネルである。入力装置302は、端末装置300に設けられたカメラやマイクなどを含み得る。通信部303は、無線通信可能な通信モジュールである。通信部303は、ネットワークNWと接続される。通信部303は、ネットワークNWを介して、機器管理サーバ200と通信可能である。
【0013】
端末装置300には、アプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。アプリケーションプログラムPは、例えば、冷蔵庫100を管理(例えば冷蔵庫100の状態や遠隔操作を管理)するためのアプリケーションプログラムである。以下では、アプリケーションプログラムPが実行されることで起動されるアプリケーションソフトウェアを「家電管理アプリAPP」と称する。
【0014】
家電管理アプリAPPは、「情報処理システム」の一例である。なお本出願で言う「情報処理システム」は、上記例に限定されず、例えば、冷蔵庫100により実現されてもよく、機器管理サーバ200により実現されてもよく、冷蔵庫100、機器管理サーバ200、および家電管理アプリAPPのうち2つ以上により実現されてもよい。冷蔵庫100、機器管理サーバ200、および端末装置300の各々は、「コンピュータ」の一例である。アプリケーションプログラムPは、「プログラム」の一例である。
【0015】
<2.冷蔵庫の構成>
<2.1 筐体および扉>
次に、冷蔵庫100の構成について説明する。
図2は、冷蔵庫100を示す正面図である。冷蔵庫100は、例えば、筐体10と、複数の扉20とを備える。
【0016】
筐体10は、上壁10a、下壁10b、左右の側壁10c,10d、および後壁10e(図3参照)を有する。上壁10aおよび下壁10bは、水平方向に広がる。左右の側壁10c,10dは、下壁10bの左右の端部から上方に起立し、上壁10aの左右の端部に繋がる。後壁10eは、下壁10bの後端部から上方に起立し、上壁10aの後端部に繋がる。筐体10は、発泡ウレタンのような発泡断熱材を含み、断熱性を有する。
【0017】
筐体10の内部には、複数の貯蔵室11が設けられている。複数の貯蔵室11は、例えば、冷蔵室11A、チルド室11Aa、野菜室11B、製氷室11C、切替室11D、および主冷凍室11Eを含む。冷蔵室11Aは、例えば、平均温度が約2℃~6℃である冷蔵室温度帯に冷却される。チルド室11Aaは、例えば、平均温度が約-1℃~+1℃であるチルド温度帯に冷却される。野菜室11Bは、例えば、平均温度が約3℃~7℃である野菜室温度帯に冷却される。製氷室11Cおよび主冷凍室11Eは、例えば、平均温度が約-20℃~-18℃である冷凍室温度帯に冷却される。
【0018】
切替室11Dは、温度帯の設定が変更可能な貯蔵室11である。切替室11Dは、例えば、冷凍室温度帯(平均温度が約-20℃~-18℃)、チルド温度帯(平均温度が約-1℃~+1℃)、冷蔵室温度帯(平均温度が約2℃~6℃)、野菜室温度帯(平均温度が約3℃~7℃)、および夏野菜温度帯(平均温度が約9℃~13℃)の間で温度帯の設定が切り替え可能である。ただし、これら温度帯は、例示である。切替室11Dは、少なくとも2つの温度帯の間で温度設定が切り替え可能であればよい。また、切替室11Dは、上述した以外の温度帯(例えば、平均温度が約-3℃であるパーシャル温度帯)に切り替え可能であってもよい。
【0019】
なお、ある観点によれば、冷蔵庫100は、切替室11Dに代えて、冷凍室温度帯に維持される上段冷凍室11Dを有し、上段冷凍室11Dに後述する加熱装置80を用いた加熱機能(例えば解凍機能)を有してもよい。すなわち以下の説明における「切替室11D」は、「上段冷凍室11D」と適宜読み替えられてもよい。
【0020】
本実施形態では、最上部に冷蔵室11Aが配置され、冷蔵室11Aの下方に野菜室11Bが配置され、野菜室11Bの下方に製氷室11Cおよび切替室11Dが配置され、製氷室11Cおよび切替室11Dの下方に主冷凍室11Eが配置されている。ただし、貯蔵室11の配置は、上記例に限定されない。例えば、冷蔵室11Aの下方に製氷室11Cおよび切替室11Dが配置され、製氷室11Cおよび切替室11Dの下方に野菜室11Bが配置され、野菜室11Bの下方に主冷凍室11Eが配置されてもよい。筐体10は、各貯蔵室11の前面側に、各貯蔵室11に対して食品の出し入れを可能にする開口を有する。
【0021】
筐体10は、筐体10の内部で複数の貯蔵室11を仕切る仕切壁として、第1仕切壁15、第2仕切壁16、および第3仕切壁17を有する(図3参照)。第1仕切壁15、第2仕切壁16、および第3仕切壁17の各々は、略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切壁15は、冷蔵室11Aおよびチルド室11Aaと、野菜室11Bとの間に位置し、冷蔵室11Aおよびチルド室11Aaと、野菜室11Bとの間を仕切る。第2仕切壁16は、野菜室11Bと、製氷室11Cおよび切替室11Dとの間に位置し、野菜室11Bと、製氷室11Cおよび切替室11Dとの間を仕切る。第3仕切壁17は、製氷室11Cおよび切替室11Dと、主冷凍室11Eとの間に位置し、製氷室11Cおよび切替室11Dと、主冷凍室11Eとの間を仕切る。
【0022】
複数の貯蔵室11は、複数の扉20によってそれぞれ開閉可能に閉じられる。複数の扉20は、例えば、左右の冷蔵室扉20Aa,20Ab、野菜室扉20B、製氷室扉20C、切替室扉20D、および主冷凍室扉20Eを含む。冷蔵室扉20Aa,20Abは、冷蔵室11Aの開口の前方に配置され、冷蔵室11Aの開口を閉じる。冷蔵室扉20Aa,20Abは、例えば、フレンチ扉(観音開き扉)である。野菜室扉20Bは、野菜室11Bの前方に配置され、野菜室11Bの開口を閉じる。製氷室扉20Cは、製氷室11Cの前方に配置され、製氷室11Cの開口を閉じる。切替室扉20Dは、切替室11Dの前方に配置され、切替室11Dの開口を閉じる。主冷凍室扉20Eは、主冷凍室11Eの前方に配置され、主冷凍室11Eの開口を閉じる。野菜室扉20B、製氷室扉20C、切替室扉20D、および主冷凍室扉20Eの各々は、例えば、冷蔵庫100の前方に引き出し可能な引き出し扉である。
【0023】
<2.2 冷蔵庫の内部構成>
図3は、図2に示された冷蔵庫100のF3-F3線に沿う断面図である。冷蔵庫100は、例えば、複数の棚30、複数の容器40、風路形成部品50、冷却部60、冷気供給調整部70、加熱装置80、切替室温度センサ112、および制御装置90を備える。本実施形態では、冷却部60と、冷気供給調整部70とにより「冷気供給部CU」が実現されている。
【0024】
(棚および容器)
複数の棚30は、冷蔵室11Aに配置されている。複数の容器40は、例えば、チルド室11Aaに収容されたチルド室容器41,42、野菜室11Bに収容された野菜室容器43,44、製氷室11Cに収容された製氷室容器(不図示)、切替室11Dに収容された切替室容器46、および主冷凍室11Eに収容された主冷凍室容器47,48を含む。例えば、切替室容器46は、上述した切替室扉20Dに連結されている。切替室容器46は、切替室扉20Dが冷蔵庫100の前方に引き出された場合、切替室扉20Dとともに冷蔵庫100の前方に引き出される。
【0025】
(風路形成部品)
風路形成部品50は、冷蔵用風路部品51と、冷凍用風路部品52とを含む。冷蔵用風路部品51は、筐体10内に設けられ、後壁10eに沿って鉛直方向に延びている。冷蔵用風路部品51は、筐体10の後壁10eの近くに、冷気(空気)が流れる通路である風路G1を形成している。
【0026】
冷蔵用風路部品51は、冷気吹出口51a,51bおよび冷気戻り口51c,51dを有する。冷気吹出口51aは、冷蔵室11Aに開口し、後述する第1冷却器62により冷却された冷気を冷蔵室11Aに供給する。冷気吹出口51bは、チルド室11Aaに開口し、第1冷却器62により冷却された冷気をチルド室11Aaに供給する。冷気戻り口51cは、チルド室11Aaに開口し、チルド室11Aaを通過することで温められた冷気を風路G1に向けて導く。冷気戻り口51dは、野菜室11Bに開口し、冷蔵室11Aおよび野菜室11Bを通過することで温められた冷気を風路G1に導く。
【0027】
冷凍用風路部品52は、筐体10内に設けられ、後壁10eに沿って鉛直方向に延びている。冷凍用風路部品52は、筐体10の後壁10eの近くに、冷気(空気)が流れる通路である風路G2を形成している。冷凍用風路部品52は、冷気吹出口52aおよび冷気戻り口52bを有する。冷気吹出口52aは、後述する第2冷却器64により冷却された冷気を、製氷室11C、切替室11D、および主冷凍室11Eに供給する。冷気戻り口52bは、主冷凍室11Eの下部に開口し、製氷室11C、切替室11D、および主冷凍室11Eのうち1つ以上を通過することで温められた冷気を風路G2に導く。
【0028】
(冷却部)
冷却部60は、例えば、圧縮機61、第1冷却器62、第1送風機63、第2冷却器64、および第2送風機65を含む。第1冷却器62および第1送風機63は、風路G1に配置されている。第1冷却器62は、圧縮機61により圧縮された冷媒が供給され、風路G1を流れる冷気を冷却する。第1送風機63が駆動されると、第1冷却器62により冷却された冷気が冷気吹出口51a,51bから冷蔵室11Aおよびチルド室11Aaに供給される。そして、冷蔵室11A、チルド室11Aa、および野菜室11Bのうち1つ以上で温められた冷気が冷気戻り口51c,51dから風路G1に戻る。
【0029】
第2冷却器64および第2送風機65は、風路G2に配置されている。第2冷却器64は、圧縮機61により圧縮された冷媒が供給され、風路G2を流れる冷気を冷却する。第2送風機65が駆動されると、第2冷却器64により冷却された冷気が冷気吹出口52aから製氷室11Cおよび主冷凍室11Eに供給される。そして、製氷室11Cおよび主冷凍室11Eのうち1つ以上で温められた冷気が冷気戻り口52bから風路G2に戻る。
【0030】
(冷気供給調整部)
冷気供給調整部70は、冷却部60により冷却された冷気について、切替室11Dに供給する供給量を調整する調整部である。冷気供給調整部70は、例えば、仕切壁71と、開閉装置72とを有する。
【0031】
仕切壁71は、切替室11Dの後方に設けられ、上下および左右に広がる壁部である。仕切壁71は、切替室11Dの後壁を形成している。仕切壁71は、冷気吹出口71aおよび冷気戻り口71bを有する。冷気吹出口71aは、切替室11Dに開口している。冷気吹出口71aは、後述する開閉装置72により冷気吹出口71aが開かれた場合、第2冷却器64により冷却された冷気を切替室11Dに供給する。冷気戻り口71bは、例えば、冷気吹出口71aの下方に配置され、切替室11Dに開口している。冷気戻り口71bは、切替室11Dを通過することで温められた冷気を、通路71cを介して風路G2に向けて導く。
【0032】
開閉装置72は、冷気吹出口71aを開閉する。開閉装置72は、例えば、ダンパである。開閉装置72は、冷気吹出口71aを開くことで、第2冷却器64により冷却されて第2送風機65により送り出される冷気を切替室11Dに供給する。この場合、供給される冷気により切替室11D内の空気温度が低下する。一方で、開閉装置72は、冷気吹出口71aを閉じることで、切替室11Dへの冷気の供給を遮断する。この場合、切替室11D内の空気温度の低下が抑制される。後述する制御部91は、例えば、開閉装置72の開閉角度または開閉装置72を開位置に保持する時間長さを制御することで、切替室11Dに供給する冷気の量を調整可能である。本実施形態では、制御部91は、冷却部60、開閉装置72、および後述する加熱装置80を制御することで、切替室11D内の空気温度を設定された温度帯に管理する。
【0033】
(加熱装置および温度センサ)
加熱装置80は、切替室11Dに設けられ、切替室11D内の少なくとも一部の領域を加熱する。切替室温度センサ112は、切替室11Dに設けられ、切替室11Dに関連する温度を検出する。加熱装置80および切替室温度センサ112については、詳しく後述する。
【0034】
(制御装置)
制御装置90は、回路基板と、回路基板に実装された電子部品とを有する。制御装置90は、冷蔵庫100の全体を統括的に制御する。例えば、制御装置90は、冷却部60を制御することで、冷蔵庫100の冷却制御を実行する。制御装置90による制御については、詳しく後述する。
【0035】
ここでは、後述する制御部91により実行可能な冷却制御として、「特別チルド制御」および「レジスタントスターチ増加制御」について説明する。「特別チルド制御」および「レジスタントスターチ増加制御」の各々は、後述する「特別機能」の一例である。
【0036】
「特別チルド制御」は、食品の鮮度を長く維持するために行われる冷却制御である。「特別チルド制御」では、制御部91は、チルド室11Aaを第1温度帯で冷却する低温冷却制御と、チルド室11Aaを上記第1温度帯よりも高い第2温度帯で冷却する高温冷却制御とを交互に繰り返す。第1温度帯の平均温度は、0℃よりも低い温度である。第1温度帯は、チルド室11Aaの食品の表面を微凍結させる温度である。低温冷却制御は、所定の実施時間(例えば2時間)に亘り実施される。一方で、第2温度帯の平均温度は、0℃よりも高い温度である。第2温度帯は、チルド室11Aaの食品の表面を作られた微凍結の層を融解させる温度である。高温冷却制御は、低温冷却制御の実施時間よりも長い所定の実施時間(例えば7時間)に亘り実施される。このような「特別チルド制御」を行うことで、食品の乾燥および酸化を抑制することができる。これにより、一般的なチルド制御と比べて、食品の鮮度をより長く維持することができる。なお、「特別チルド制御」は、チルド室11Aaに代えて/加えて、切替室11Dにて行われてもよい。
【0037】
「レジスタントスターチ増加制御」は、食品中のでんぷんに含まれるレジスタントスターチを増加させるために行われる冷却制御である。レジスタントスターチは、小腸内で消化吸収されにくい成分である。ユーザUは、ごはん類、パン類、またはスイーツなど、でんぷんを多く含む食品を摂取する場合に、でんぷんに含まれる成分を変化させてレジスタントスターチを増加させることで、肥満の抑制、糖尿病の予防、または便秘の解消などの効果を得ることができる。
【0038】
「レジスタントスターチ増加制御」では、制御部91は、チルド室11Aa内の温度を制御することで、食品を内部まで(例えば中心部まで)一度凍結させ、その後、解凍して所定温度で所定時間以上(例えば+4℃で4時間以上)保存することで、食品中のでんぷんに含まれるレジスタントスターチを増加させる。なお、「レジスタントスターチ増加制御」は、チルド室11Aaに代えて/加えて、切替室11Dにて行われてもよい。
【0039】
<2.3 加熱装置に関連する構成>
次に、加熱装置80に関連する構成について詳しく説明する。
加熱装置80は、上述したように、切替室11Dに設けられている。加熱装置80は、例えば、切替室11Dの上端部に設けられている。本実施形態では、加熱装置80は、加熱対象物に向けて赤外線を照射することで加熱対象物を加熱する加熱装置である。本出願で「赤外線」とは、例えば、0.7μm~1000μmの範囲内の波長を持つ電磁波であり、近赤外線、中赤外線、および遠赤外線のいずれも該当し得る。
【0040】
本実施形態では、加熱装置80は、切替室11Dに収容された食品を加熱(例えば解凍)する第1機能と、切替室11Dの温度帯を変更または維持する第2機能のために設けられた加熱装置である。なお、ある観点によれば、加熱装置80は、上記第1機能のみのために設けられた加熱装置でもよいし、上記第2機能のみのために設けられた加熱装置でもよい。また本出願でいう「加熱装置」は、上記第1機能または上記第2機能の少なくともいずれか一方を実現可能な加熱装置を幅広く意味する。「加熱装置」は、赤外線照射式の加熱装置に限定されず、別の型式の加熱装置でもよい。この場合の例については後述する。
【0041】
(切替室の構成)
まず、切替室11Dの構成について説明する。
図4は、図3中に示されたF4線に囲まれた領域を拡大して示す断面図である。本実施形態では、切替室11Dは、第2仕切壁16、第3仕切壁17、および冷気供給調整部70の仕切壁71によって規定される。例えば、切替室11Dの天井壁は、第2仕切壁16によって形成される。切替室11Dの底壁は、第3仕切壁17によって形成される。切替室11Dの後壁は、冷気供給調整部70の仕切壁71によって形成される。
【0042】
本実施形態では、第2仕切壁16は、例えば、水平部16aと、折曲部16bとを有する。水平部16aは、冷蔵庫100の前後方向および左右方向に沿って広がる。水平部16aは、切替室11Dの天井を形成する天井壁である。水平部16aは、例えば、表面部材101と、真空断熱材102と、発泡断熱部103とを含む。
【0043】
表面部材101は、切替室11Dに露出し、切替室11Dの天井面を形成している。表面部材101は、例えば、硬質の合成樹脂材によって形成されている。真空断熱材102は、断熱材の周囲を真空状態にし、気体による熱伝導をゼロに近付けた断熱材である。真空断熱材102の断熱性能(例えば単位厚さ当たりの断熱性能)は、発泡断熱部103の断熱性能と比べて高い。真空断熱材102は、例えば、表面部材101と発泡断熱部103との間に配置される。発泡断熱部103は、例えば、発泡ウレタンのような発泡断熱材である。
【0044】
折曲部16bは、水平部16aの前端部から下方に突出している。折曲部16bは、切替室11Dの前面側の開口を規定する。表面部材101および発泡断熱部103は、水平部16aに加えて、折曲部16bにも設けられている。
【0045】
同様に、第3仕切壁17は、冷蔵庫100の前後方向および左右方向に沿って広がる。第3仕切壁17は、切替室11Dの底部を形成する底壁である。第3仕切壁17は、例えば、表面部材104と、真空断熱材105と、発泡断熱部106とを含む。
【0046】
表面部材104は、切替室11Dに露出し、切替室11Dの底面を形成している。表面部材104は、例えば、硬質の合成樹脂材によって形成されている。真空断熱材105は、断熱材の周囲を真空状態にし、気体による熱伝導をゼロに近付けた断熱材である。真空断熱材105の断熱性能は、発泡断熱部106の断熱性能と比べて高い。真空断熱材105は、例えば、表面部材104と発泡断熱部106との間に配置されている。発泡断熱部106は、例えば、発泡ウレタンのような発泡断熱材である。
【0047】
(加熱装置の構成)
図5は、加熱装置80を示す図である。図5中の(a)は、加熱装置80を下方から見た図である。図5中の(b)は、図5中の(a)に示されたb-b線に沿う断面図である。本実施形態では、加熱装置80は、細長い形状を持つ赤外線ランプである。加熱装置80は、例えば、赤外線照射部81、照射方向規制部82、および保護部83を有する。
【0048】
赤外線照射部81は、例えば、細長い円筒状のガラス管を用いたランプである。赤外線照射部81は、電力が供給さることで、赤外線を照射する。赤外線照射部81は、例えば、円筒状のガラス管の径方向の全方位に赤外線を照射する。
【0049】
照射方向規制部82は、例えば、少なくとも一部に円弧状の内面82aを持つ上面カバーである。照射方向規制部82は、赤外線照射部81を収容し、赤外線照射部81の上面、前面、後面、左側面、および右側面に面する。照射方向規制部82の内面82aは、赤外線を反射可能な反射面(鏡面)である。照射方向規制部82は、例えば、赤外線照射部81から上方、前方、および後方に照射された赤外線を反射させ、加熱装置80から照射される赤外線の照射方向を規制する。例えば、照射方向規制部82は、加熱装置80から照射される赤外線の照射範囲R1を45度以下に規制する。例えば、照射方向規制部82は、加熱装置80から照射される赤外線の照射範囲R1を、鉛直方向VDを中心とする30度以下に規制する。
【0050】
保護部83は、冷蔵庫100のユーザUが赤外線照射部81に触れることを抑制する保護カバーである。保護部83は、赤外線照射部81の下方に配置されて、赤外線照射部81から照射された赤外線が通過可能である。本出願で「赤外線が通過可能」とは、照射源から照射された赤外線の少なくとも一部が通過可能であることを意味する。本実施形態では、保護部83は、照射方向規制部82の下端に取り付けられ、照射方向規制部82によって支持される。保護部83は、例えば、赤外線を通過させるとともに、ユーザUの指が通らない程度の大きさの網目構造を有する。
【0051】
(加熱装置の設置構造)
図4に戻り、加熱装置80の設置構造について説明する。
本実施形態では、加熱装置80は、切替室11Dの天井を形成する第2仕切壁16に沿って配置されている。本実施形態では、加熱装置80は、保護部83を下方に向けて第2仕切壁16に設置されている。なお本出願で「壁に設置されている」とは、当該壁に密着して取り付けられた場合に限定されず、当該壁との間に隙間を空けるとともに、保持具を介して当該壁に取り付けられた場合を含み得る。本実施形態では、加熱装置80は、加熱装置80と第2仕切壁16の下面との間に隙間Sを空けた状態で、保持具85によって第2仕切壁16に取り付けられている。
【0052】
図6は、図4中に示されたF6-F6線に沿う断面図である。なお図6では、説明の便宜上、第2仕切壁16の折曲部16bの図示を省略している。本実施形態では、切替室11Dは、平面視にて矩形状である。切替室11Dの長手方向は、冷蔵庫100の前後方向と一致する。本出願で「貯蔵室(例えば切替室11D)の長手方向」とは、矩形状の貯蔵室の長辺に沿う方向であり、「長辺方向」と称されてもよい。本出願で「貯蔵室(例えば切替室11D)の短手方向」とは、矩形状の貯蔵室の短辺に沿う方向であり、「短辺方向」と称されてもよい。
【0053】
加熱装置80は、切替室11Dの長手方向の中央Cを外れた位置に配置され、切替室11Dの短手方向に沿って設けられている。例えば、加熱装置80は、当該加熱装置80の赤外線照射部81の延伸方向を切替室11Dの短手方向と平行にして配置されている。例えば、加熱装置80は、当該加熱装置80が有する細長いガラス管を切替室11Dの短手方向と平行にして配置されている。
【0054】
本実施形態では、切替室11Dは、切替室11Dの長手方向において区分された3つの領域として、中央領域A1と、前端部A2と、後端部A3とを有する。本出願で「端部」とは、全体の長さをLとした場合、端からL/4の長さを持つ領域を意味する。本実施形態では、切替室11Dの長手方向の長さLとする場合、中央領域A1、前端部A2、および後端部A3は、以下のように定義される。中央領域A1は、切替室11Dのなかで、切替室11Dの長手方向の中央Cを中心として、L/2の長さを有する領域である。前端部A2は、切替室11Dのなかで、切替室11Dの前端からL/4の長さを有する領域である。後端部A3は、切替室11Dのなかで、切替室11Dの後端からL/4の長さを有する領域である。前端部A2および後端部A3は、切替室11Dの長手方向に分かれた一対の端部である。
【0055】
図6に示すように、加熱装置80は、切替室11Dの前端部A2に沿って配置されている。例えば、加熱装置80の少なくとも一部(例えば半分以上)は、鉛直方向で見た場合に、切替室11Dの前端部A2と重なる。本実施形態では、鉛直方向で見た場合に、加熱装置80の全体が切替室11Dの前端部A2と重なり、加熱装置80は中央領域A1にははみ出していない。
【0056】
また別の観点では、加熱装置80は、切替室11Dの前端部A2に対応して配置されている。本出願で「加熱装置が1つの端部に対応して配置される」とは、当該加熱装置による加熱対象領域の中心が上記端部に位置することを意味する。言い換えると、加熱装置80は、必ずしも上記端部の直上に配置されていなくてもよい。例えば、加熱装置80は、当該加熱装置80による加熱対象領域の中心が切替室11Dの前端部A2に含まれていればよい。
【0057】
図7は、貯蔵室11Dの内部を示す断面図である。本実施形態では、切替室11D(例えば、切替室11Dに収容された切替室容器46の内部)は、加熱対象領域B11と、非加熱対象領域B12とを含む。
【0058】
加熱対象領域B11は、加熱装置80により赤外線が照射される領域である。例えば、本実施形態では、加熱装置80は、赤外線照射部81から直接照射される赤外線に加え、照射方向規制部82で反射された赤外線を、加熱対象領域B11に向けて照射する。加熱対象領域B11は、加熱対象(例えば解凍対象)の食品J1(図4参照)が置かれる領域である。本出願で「食品」とは、食材を含む。
【0059】
本実施形態では、加熱対象領域B11は、切替室11Dの長手方向の中央Cを外れた位置に配置され、切替室11Dの短手方向に沿って設けられている。加熱対象領域B11は、切替室11Dの前端部A2に沿って設けられている。加熱対象領域B11の少なくとも一部(例えば全部)は、切替室11Dの前端部A2に含まれる。
【0060】
一方で、非加熱対象領域B12は、加熱装置80により赤外線が照射されることが抑制された領域である。例えば、本実施形態では、加熱装置80の照射方向規制部82により、非加熱対象領域B12に向けて赤外線が照射されることが抑制される。非加熱対象領域B12は、非加熱対象の食品J2(図4参照)が置かれる領域である。
【0061】
本実施形態では、非加熱対象領域B12は、切替室11Dのなかで、加熱対象領域B11を外れた領域である。非加熱対象領域B12は、例えば、切替室11Dの中央領域A1および後端部A3に設けられている。例えば、非加熱対象領域B12は、加熱対象領域B11よりも大きい。例えば、非加熱対象領域B12は、加熱対象領域B11と比べて、冷気供給部CUの近くに配置されている。
【0062】
(金属板の設置)
本実施形態では、加熱対象領域B11には、金属板86が設けられている(図4参照)。金属板86は、切替室11Dの長手方向の中央Cを外れて加熱装置80の下方に配置されている。金属板86は、例えば、切替室容器46の内面(底面)に取り付けられている。金属板86は、例えばアルミニウム製であるが、これに限定されない。本実施形態では、金属板86は、平板状に形成されたている。金属板86は、「金属部材」の一例である。なお、本出願でいう「金属部材」は、金属板に限定されず、トレイのような内部に収納用の窪みを有した金属部材でもよい。
【0063】
図7に示すように、金属板86は、切替室容器46の内部において、加熱対象領域B11の外縁に沿う外形を有する。切替室11Dの長手方向における金属板86の幅W1は、切替室11Dの短手方向における金属板86の幅W2よりも小さい。例えば、金属板86は、長方形状である。金属板86の長手方向は、切替室11Dの短手方向と一致する。加熱対象の食品J1は、金属板86の上に載せられて、加熱装置80によって加熱される。本実施形態では、金属板86は、加熱装置80によって赤外線が照射されて温度が上昇する。一方で、本実施形態では、非加熱対象領域B12には、金蔵板が設けられていない。なお、非加熱対象領域B12には、金属板86とは独立した(熱的に分離された)別の金属部材が設けられてもよい。
【0064】
本実施形態では、金属板86は、ユーザUに対して加熱対象領域B11の存在および範囲を視覚的に示す機能と、加熱装置80により照射された赤外線が持つエネルギを加熱対象の食品J1に効率的に伝える機能とを有する。また、切替室11Dの温度設定がプラス温度帯(0℃よりも高い温度帯)に設定された状態で、加熱対象の食品J1の解凍を行う場合、プラス温度帯である切替室11D内の空気の温度が金属板86を介して加熱対象の食品J1に伝わる。このため、金属板86が存在しない場合と比べて食品J1の解凍が促進される。
【0065】
(断熱部材)
図4に示すように、切替室11Dは、断熱部材87を有する。断熱部材87は、第2仕切壁16(すなわち切替室11Dの天井壁)のなかで加熱装置80に面した領域と、加熱装置80との間に配置されている。すなわち、断熱部材87は、第2仕切壁16と加熱装置80との間の隙間Sに配置されている。断熱部材87は、例えば、第2仕切壁16の表面部材101の下面に取り付けられている。断熱部材87は、平面視で見た場合、加熱装置80よりもひと回り大きな外形を有する。
【0066】
断熱部材87は、グラスウールのような断熱材により形成されている。断熱部材87の断熱性能(例えば単位厚さ当たりの断熱性能)は、例えば、発泡断熱部103の断熱性能と比べて高い。断熱部材87は、加熱装置80の熱が第2仕切壁16に伝わることを抑制する。
【0067】
(切替室温度センサ)
図4に示すように、切替室11Dは、切替室温度センサ112を有する。切替室温度センサ112は、切替室11Dに関連する温度を検出する温度センサである。切替室温度センサ112は、「温度検出器」の一例である。
【0068】
本実施形態では、切替室温度センサ112は、第2仕切壁16(すなわち切替室11Dの天井壁)の下面に取り付けられ、加熱装置80と加熱対象の食品J1との両方を視野角R2に含むように配置されている。例えば、切替室温度センサ112は、多眼レンズを有した非接触式の温度センサである。これにより、切替室温度センサ112は、加熱装置80の温度および食品J1の温度をそれぞれ検出可能である。例えば、切替室温度センサ112は、切替室温度センサ112による検出結果のなかで、加熱装置80に対応する領域からの赤外線の検出結果に基づき、加熱装置80の温度を検出し、食品J1に対応する領域からの赤外線の検出結果に基づき、食品J1の温度を検出する。
【0069】
また本実施形態では、切替室温度センサ112は、加熱装置80と食品J1を視野角R2に含むことに代えて/加えて、第2仕切壁16(すなわち切替室11Dの天井壁)の一部を視野角R2に含む。例えば、切替室温度センサ112は、第2仕切壁16の水平部16aの一部または折曲部16bの一部を視野角R2に含む。これにより、切替室温度センサ112は、第2仕切壁16の温度を検出可能である。例えば、切替室温度センサ112は、切替室温度センサ112による検出結果のなかで、第2仕切壁16に対応する領域からの赤外線の検出結果に基づき、第2仕切壁16の温度を検出する。切替室温度センサ112による温度の検出結果は、制御装置90に出力される。
【0070】
(冷気供給部)
本実施形態では、冷気供給部CUの冷気吹出口71aは、少なくとも加熱装置80よりも後方側における切替室容器46の上端46aよりも高い位置に配置されている。冷気吹出口71aは、例えば切替室容器46に阻害されずに、加熱装置80の近くに向けて冷気を吹出可能である。冷気吹出口71aから加熱装置80の近くに向けて吹き出された冷気の一部は、第2仕切壁16と加熱装置80との間の隙間Sに入り、第2仕切壁16の冷却に用いられる。
【0071】
本実施形態では、後述する制御部91は、切替室温度センサ112による第2仕切壁16(すなわち切替室11Dの天井壁)の温度に関する検出結果が所定条件を満たす場合、冷却部60の第2送風機65を回転させるとともに、開閉装置72を開く。これにより、冷気吹出口71aから加熱装置80の近くに向けて冷気が吹き出され、第2仕切壁16と加熱装置80との間の隙間Sに冷気が供給される。「所定条件」は、例えば、第2仕切壁16に関して検出された温度が予め設定された閾値温度以上であることである。「閾値温度」は、例えば50℃である。本実施形態では、制御部91は、第2仕切壁16の温度が50℃を超えた場合、第2仕切壁16の温度が30℃以下に低下するまで第2仕切壁16と加熱装置80との間の隙間Sに冷気を供給するように冷気供給部CUを制御する。
【0072】
(冷気供給部の変形例)
図8は、実施形態の変形例の冷気供給部CU´を示す断面図である。本変形例では、開閉装置72は、冷気吹出口71aに設けられた板部72aを有する。板部72aの角度は、後述する制御部91から制御信号に基づき、不図示の駆動部によって変更可能である。板部72aは、冷気吹出口71aを閉塞する閉塞位置と、冷気吹出口71aを開放する開放位置との間で駆動される。
【0073】
また、板部72aは、制御部91から制御信号に基づき、水平方向に対して傾斜した角度で保持される。板部72aは、冷気吹出口71aから切替室11D内に向けて吹き出す冷気の流れ方向を、斜め上方に向ける(第2仕切壁16の下面に向ける)。例えば、制御部91は、切替室温度センサ112による第2仕切壁16(すなわち切替室11Dの天井壁)の温度に関する検出結果が所定条件を満たす場合、冷気吹出口71aからの冷気が第2仕切壁16に向かう(例えば、第2仕切壁16と加熱装置80との間の隙間Sに向かう)ように、板部72aを傾斜させて保持する。これにより、冷気吹出口71aから第2仕切壁16に向けて冷気が吹き出され、第2仕切壁16の冷却がより効率的に促進される。
【0074】
<2.4 制御装置に関連する制御>
次に、制御装置90に関連する構成について説明する。
図9は、制御装置90に関連する構成を示すブロック図である。冷蔵庫100は、上述した構成に加え、温度センサ110と、記憶部190とを備える。
【0075】
(温度センサ)
温度センサ110は、貯蔵室11に関する温度を検出可能な複数の温度センサを含む。温度センサ110は、例えば、上述した切替室温度センサ112に加え、冷蔵室11Aに関する温度を検出可能な冷蔵室温度センサ111と、主冷凍室11Eに関する温度を検出可能な主冷凍室温度センサ113とを含む。
【0076】
本実施形態では、切替室温度センサ112は、非接触式温度センサ(非接触式温度検出器)112aと、接触式温度センサ(接触式温度検出器)112bとを含む。非接触式温度センサ112aは、例えば赤外線に基づき温度を検出するセンサであり、上述したように、加熱装置80、加熱対象の食品J1、および第2仕切壁16の一部を視野角R2に含む。一方で、接触式温度センサ112bは、サーミスタや熱電対、または測温抵抗体などを含むセンサであり、切替室11D内の空気温度を検出する。
【0077】
本実施形態では、非接触式温度センサ112aと、接触式温度センサ112bとは、1つの検出器ユニットとして一体に設けられ、第2仕切壁16の下面に取り付けられて使用される。なお、非接触式温度センサ112aと、接触式温度センサ112bとは、別体として設けられてもよい。この場合、接触式温度センサ112bは、仕切壁71などに設けられてもよい。また、接触式温度センサ112bが省略され、非接触式温度センサ112aの検出結果に基づいて切替室11D内の空気温度が推定されてもよい。
【0078】
(記憶部)
記憶部190は、各種情報を記憶する機能部である。記憶部190は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、またはSSD(Solid State Drive)などの組み合わせにより実現される。記憶部190は、閾値情報191、状態情報192、および残り時間情報193を記憶する。閾値情報191には、冷蔵庫100の制御に用いられる各種閾値が含まれる。状態情報192および残り時間情報193については、後述する。
【0079】
(制御装置)
制御装置90は、例えば、制御部91と、推定部92と、情報出力部93とを有する。これら機能部は、冷蔵庫100に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0080】
制御部91は、温度センサ110の検出結果に基づき、冷気供給部CUおよび加熱装置80を制御する。例えば、制御部91は、温度センサ110により検出される各貯蔵室11の温度が目標温度になるように、冷気供給部CUに含まれる装置(圧縮機61、第1送風機63、第2送風機65、および開閉装置72など)の駆動量および駆動時間を制御する。また、制御部91は、冷気供給部CUおよび加熱装置80を制御することで、切替室11Dにおける加熱対象物の加熱処理(例えば解凍)を実行する。また、制御部91は、冷気供給部CUおよび加熱装置80を制御することで、切替室11Dの温度帯を変更する。また、制御部91は、冷蔵庫100の状態(例えば各装置の動作状態)が変化した場合または所定の周期で、冷蔵庫100の最新の状態(例えば各装置の動作状態)を示す状態情報192を生成し、記憶部190に記憶する。
【0081】
推定部92は、加熱装置80により加熱対象の食品J1が加熱(例えば解凍)される場合、加熱に必要な残り時間(例えば解凍完了での残り時間)を推定する。例えば、推定部92は、複数の時点で非接触式温度センサ112aにより検出された加熱対象の食品J1の温度に基づき、上記複数の時点の間の食品J1の温度変化量を算出し、算出した温度変化量に基づき加熱に必要な残り時間を推定する。推定部92は、当該推定部92により推定された結果に基づき、加熱に必要な残り時間を示す残り時間情報193を生成し、生成した残り時間情報193を記憶部190に記憶する。
【0082】
情報出力部93は、冷蔵庫100の状態(例えば各装置の動作状態)が変化した場合または所定の周期で、状態情報192を機器管理サーバ200に送信する。また、情報出力部93は、推定部92により残り時間情報193が新たに生成された場合、生成された残り時間情報193を機器管理サーバ200に送信する。
【0083】
<2.5 加熱装置に関連する制御>
次に、加熱装置80に関連する制御について説明する。ここではまず、加熱対象物に対する加熱処理について説明する。その後、加熱処理以外における加熱装置80の制御について説明する。
【0084】
<2.5.1 加熱対象物に対する加熱処理>
まず、加熱対象物に対する加熱処理について説明する。なお以下に説明する加熱処理は、切替室11Dが5つの温度帯(冷凍室温度帯、チルド温度帯、冷蔵室温度帯、野菜室温度帯、および夏野菜温度帯)のいずれの温度帯に設定された場合でも適用可能である。
【0085】
本実施形態では、制御部91は、切替室温度センサ112により検出された加熱対象物である食品J1の温度と、予め設定された目標温度(例えば食品J1の目標温度)とに基づき、食品J1の温度が目標温度よりも低い場合は加熱装置80による加熱動作を行い、食品J1の温度が目標温度に達した場合に加熱装置80による加熱動作を終了する。これにより、食品J1に対する加熱処理(例えば解凍)が完了する。目標温度は、例えば、閾値情報191の一部として、記憶部190に予め記憶されている。
【0086】
(温度検出時における加熱装置の動作抑制)
図10は、加熱処理に関連する制御を説明するための図である。本実施形態では、制御部91は、加熱装置80による食品J1の加熱処理中に温度(例えば食品J1の温度および/または第2仕切壁16の温度)を検出する場合、少なくとも切替室温度センサ112により温度の検出動作を行う間、加熱装置80の動作を抑制する。本出願で「加熱処理中」とは、加熱装置80が赤外線を照射している時間に限定されず、加熱装置80による加熱動作開始時点から、加熱対象物の温度が目標温度に達する時点までの期間を意味する。
【0087】
本出願で「加熱装置の動作を抑制する」とは、加熱装置の動作の影響を小さくすることを広く意味し、加熱装置80が赤外線を照射することを停止することに限定されず、赤外線の照射量を小さくする、または赤外線の照射を断続的にする場合なども該当し得る。また本出願で「少なくとも温度の検出動作を行う間、加熱装置の動作を抑制する」とは、温度の検出動作の直前に加熱装置の動作の抑制を開始する場合に限定されず、温度の検出動作よりも所定時間(例えば温度を安定させるための時間)以上早い時点で、加熱装置の動作の抑制を開始する場合も該当し得る。
【0088】
本実施形態では、制御部91は、加熱装置80による食品J1の加熱処理中に温度を検出する場合、加熱装置80の動作を所定の周期で所定時間に亘り抑制し、加熱装置80の動作を抑制している間に切替室温度センサ112により温度(例えば食品J1の温度および/または第2仕切壁16の温度)を検出する。例えば、制御部91は、加熱装置80の動作を5分おきに10秒間だけ停止させ、加熱装置80の動作が停止された10秒間の間に、切替室温度センサ112により温度を検出する。
【0089】
(加熱装置の動作抑制の周期の調整)
本実施形態では、制御部91は、切替室温度センサ112により検出される温度(例えば食品J1の温度)が所定温度未満である場合、加熱装置80の動作を第1間隔T1の周期で抑制し、加熱装置80の動作を抑制している間に切替室温度センサ112により温度(例えば食品J1の温度)を検出する。一方で、制御部91は、切替室温度センサ112により検出される温度が上記所定温度以上である場合、加熱装置80の動作を第1間隔T1よりも短い第2間隔T2の周期で抑制し、加熱装置80の動作を抑制している間に切替室温度センサ112により温度(例えば食品J1の温度)を検出する。
【0090】
「所定温度」は、食品J1の目標温度よりも低い温度である。図10は、「目標温度」が-4℃に設定され、「所定温度」が-9℃に設定された例である。第1間隔T1は、例えば10分である。第2間隔T2は、例えば5分である。
【0091】
(加熱装置の動作抑制の時間長さの調整)
本実施形態では、制御部91は、切替室温度センサ112により検出される温度が所定温度未満である場合、加熱装置80の動作抑制を行う度に加熱装置80の動作を第1時間S1に亘り抑制し、第1時間S1の間に切替室温度センサ112により温度(例えば食品J1の温度)を検出する。一方で、制御部91は、切替室温度センサ112により検出される温度が上記所定温度以上である場合、加熱装置80の動作抑制を行う度に加熱装置80の動作を第1時間S1よりも長い第2時間S2に亘り抑制し、第2時間S2の間に切替室温度センサ112により温度(例えば食品J1の温度)を検出する。
【0092】
この時間長さの調整に関する「所定温度」は、上記周期の調整に関する「所定温度」と同じ温度が設定されてもよく、異なる温度が設定されてもよい。図10は、時間長さの調整に関する「所定温度」と、周期の調整に関する「所定温度」との両方が-9℃に設定された例である。第1時間S1は、例えば10秒である。第2時間S2は、例えば30秒である。
【0093】
なお、上記周期の調整と、上記時間長さの調整とは、両方が行われることは必須ではなく、いずれか一方の調整のみが行われてもよい。
【0094】
(加熱に必要な残り時間の推定)
本実施形態では、推定部92は、切替室温度センサ112により検出される温度が所定温度未満である場合(すなわち、加熱装置80の動作が第1時間S1に亘り抑制される場合)、第1時間S1の間に切替室温度センサ112を用いて検出された温度変化に基づき、食品J1に対する加熱に必要な残り時間を推定する。例えば、推定部92は、第1時間S1に含まれる複数の時点K1で切替室温度センサ112により検出される温度に基づき、加熱に必要な残り時間を推定する。そして、情報出力部93は、推定部92の推定結果に基づいて生成された残り時間情報193を機器管理サーバ200に送信する。
【0095】
同様に、推定部92は、切替室温度センサ112により検出される温度が上記所定温度以上である場合(すなわち、加熱装置80の動作が第2時間S2に亘り抑制される場合)、第2時間S2の間に切替室温度センサ112を用いて検出された温度変化に基づき残り時間を推定する。例えば、推定部92は、第2時間S2に含まれる複数の時点K2で切替室温度センサ112により検出される温度に基づき、加熱に必要な残り時間を推定する。そして、情報出力部93は、推定部92の推定結果に基づいて生成された残り時間情報193を機器管理サーバ200に送信する。
【0096】
本実施形態では、1回の第2時間S2において温度検出を行う複数の時点K2(複数の検出点)の数は、1回の第1時間S1において温度検出を行う複数の時点K1(複数の検出点)の数よりも多い。このため、推定部92は、第2時間S2の間に検出された検出結果に基づき残り時間を推定する場合、第1時間S1の間に検出された検出結果に基づき残り時間を推定する場合と比べて、残り時間を精度よく算出することができる。
【0097】
別の観点によれば、1回の第2時間S2における複数の時点K2に含まれる最初の時点K2と最後の時点K2との間の時間の長さは、1回の第1時間S1における複数の時点K1に含まれる最初の時点K1と最後の時点K1との間の時間の長さよりも大きい。この観点でも、推定部92は、第2時間S2の間に検出された検出結果に基づき残り時間を推定する場合、第1時間S1の間に検出された検出結果に基づき残り時間を推定する場合と比べて、残り時間を精度よく算出することができる。
【0098】
本実施形態では、制御部91は、推定部92により推定された残り時間がゼロになった場合に、加熱装置80による加熱動作を一度停止させる。そして、制御部91は、切替室温度センサ112により食品J1の温度を検出させ、加熱処理を終了するか、加熱処理をもう少し続けるかを判定する。
【0099】
(加熱処理中の冷却動作1)
本実施形態では、制御部91は、加熱装置80により加熱対処物(食品J1)に対する加熱処理中において、切替室温度センサ112により検出された切替室11D内の空気温度が切替室11Dに設定された温度帯(冷凍室温度帯、チルド温度帯、冷蔵室温度帯、野菜室温度帯、または夏野菜温度帯)の上限値に達した場合、冷気供給調整部70の開閉装置72を開くとともに、第2送風機65を駆動することで、第2冷却器64により冷却された冷気を切替室11Dに供給する。これにより、加熱装置80による加熱処理中において非加熱対象の食品J2の温度が過度に上昇することを抑制することができる。
【0100】
なお、冷気供給の起点となる上記上限値として設定される温度は、加熱装置80による加熱処理が行われていない場合に同じく冷気供給の起点となる上限値として設定される温度と比べて、所定温度高く設定されてもよい。この場合、加熱装置80による加熱処理中に切替室11Dに供給される冷気の量を制限し、加熱対処物(食品J1)に対する加熱処理の効率を高めることができる。
【0101】
(加熱処理中の冷却動作2)
本実施形態では、制御部91は、切替室11Dの温度帯が0℃よりも低い所定温度帯(例えば冷凍温度帯)である場合に、以下の制御を行う。例えば、制御部91は、加熱装置80による加熱処理が行われていない状態で、切替室温度センサ112により検出された切替室11Dの温度(例えば空気温度)が所定条件を満たす場合、冷気供給部CUによる冷却を再開する。この場合、制御部91は、冷気供給部CUにより冷気を第1供給量で切替室11Dに供給する。上記「所定条件」は、例えば、切替室11Dに対する冷気の供給が抑制された状態で、切替室11Dの温度(例えば空気温度)が切替室11Dに設定された温度帯の上限値に達することである。
【0102】
一方で、制御部91は、同じく切替室11Dの温度帯が0℃よりも低い所定温度帯(例えば冷凍温度帯)である場合において、加熱装置80により食品J1を加熱する加熱処理を行う場合、冷気供給部CUにより冷気を第1供給量よりも多い第2供給量で切替室11Dに供給する。
【0103】
切替室11Dに対する冷気供給部CUからの冷気の供給量は、例えば、第2送風機65の回転速度により制御される。例えば、制御部91は、第2送風機65を第1回転速度(例えば1800[rpm])で回転させることで、第1供給量の冷気を切替室11Dに供給する。一方で、制御部91は、第2送風機65を第1回転速度よりも速い第2回転速度(例えば2500[rpm])で回転させることで、第2供給量の冷気を切替室11Dに供給する。なお、冷気の供給量は、第2送風機65の回転速度に代えて/加えて、開閉装置72の開閉量または開閉頻度により制御されてもよい。
【0104】
(加熱処理中の冷却動作3)
本実施形態では、制御部91は、切替室11Dが第1温度帯に設定された状態で、加熱装置80により食品J1を加熱する場合、冷気供給部CUにより冷気を第3供給量で切替室11Dに供給する。第3供給量の冷気は、例えば、切替室温度センサ112により検出された切替室11Dの温度(例えば空気温度)が切替室11Dに設定された温度帯の上限値(冷気供給の起点となる上限値)を超える場合に供給される。なお上記例に代えて、第3供給量の冷気は、加熱装置80の加熱動作の開始に応じて供給されてもよい。
【0105】
一方で、制御部91は、切替室11Dが第1温度帯よりも高い第2温度帯に設定された状態で、加熱装置80により食品J1を加熱する場合、冷気供給部CUにより冷気を第3供給量よりも少ない第4供給量で切替室11Dに供給する。第4供給量の冷気は、例えば、切替室温度センサ112により検出された切替室11Dの温度(例えば空気温度)が切替室11Dに設定された温度帯の上限値(冷気供給の起点となる上限値)を超える場合に供給される。なお上記例に代えて、第4供給量の冷気は、加熱装置80の加熱動作の開始に応じて供給されてもよい。
【0106】
「第1温度帯」は、例えば、上述した5つの温度帯(冷凍室温度帯、チルド温度帯、冷蔵室温度帯、野菜室温度帯、または夏野菜温度帯)のなかで、夏野菜温度帯を除く4つのうちのいずれかである。第2温度帯は、例えば、上述した5つの温度帯(チルド温度帯、冷蔵室温度帯、野菜室温度帯、または夏野菜温度帯)のなかで、第1温度帯よりも高い温度帯である。「第3供給量」は、例えば、上述した第2供給量と同じでもよく、異なってもよい。第3供給量および第4供給量の各々は、例えば、第2送風機65の回転速度、および/または開閉装置72の開閉量若しくは開閉頻度により制御される。
【0107】
1つの例では、第1温度帯は、冷凍室温度帯であり、第2温度帯は、チルド温度帯、冷蔵室温度帯、野菜室温度帯、または夏野菜温度帯のいずれかの温度帯である。第3供給量は、例えば、第2送風機65が上記第2回転速度(例えば2500[rpm])で回転されることで実現される供給量である。第4供給量は、例えば、第2送風機65が上記第1回転速度(例えば1800[rpm])で回転されることで実現される供給量である。
【0108】
なお「第3供給量」および「第4供給量」という呼称は、説明の便宜上のものであり、上述した「第1供給量」および「第2供給量」が存在することを前提とするものではない。このため、上述した「第3供給量」および「第4供給量」は、それぞれ当該冷却動作3に関する「第1供給量」および「第2供給量」と称されてもよい。
【0109】
(加熱処理に関する制御の流れ)
図11は、加熱処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。以下では、加熱装置80の抑制動作として、加熱装置80が停止される場合について説明する。
【0110】
本フローは、例えば、加熱対処物の加熱(例えば解凍)を指示するユーザUの操作が冷蔵庫100の不図示の操作部または端末装置300の家電管理アプリAPPにより受け付けられることで開始される。ユーザUの上記操作が受け付けられた場合、制御部91は、加熱装置80の加熱動作を開始させる(S101)。すなわち、制御部91は、加熱装置80に電力を供給し、加熱対象領域B11に向けて赤外線を照射させる。この初回の加熱動作では、制御部91は、例えば第2間隔T2の時間に亘り加熱装置80を動作させた後、加熱装置80の加熱動作を停止させる(S102)。
【0111】
次に、制御部91は、切替室温度センサ112により加熱対象の食品J1の温度を検出する(S103)。次に、制御部91は、検出された食品J1の温度が、食品J1の加熱の目標温度(例えば解凍の目標温度)よりも低いか否かを判定する(S104)。制御部91は、食品J1の温度が目標温度以上である場合(S104:NO)、加熱処理を終了する。
【0112】
一方で、制御部91は、食品J1の温度が目標温度よりも低い場合(S104:YES)、検出された食品J1の温度が所定温度(閾値温度)よりも低いか否かを判定する(S105)。制御部91は、食品J1の温度が閾値温度よりも低い場合(S105:YES)、次回の加熱装置80の加熱期間の長さを、第2間隔T2よりも長い第1間隔T1に設定する(S106)。また制御部91は、食品J1の温度が閾値温度よりも低い場合(S105:YES)、今回の加熱装置80の動作抑制の時間の長さを第1時間S1に設定する。この場合、制御部91は、複数の時点K1で食品J1の温度を検出し、複数の時点K1で検出された温度に基づき、加熱に必要な残り時間を推定する。そして、本フローは、S108に続く。
【0113】
一方で、制御部91は、食品J1の温度が閾値温度以上である場合(S105:NO)、次回の加熱装置80の加熱期間の長さを、第2間隔T2に相当する長さに設定する(S107)。また制御部91は、食品J1の温度が閾値温度以上である場合(S105:NO)、今回の加熱装置80の動作抑制の時間の長さを第2時間S2に設定する。そして、制御部91は、複数の時点K2で食品J1の温度を検出し、複数の時点K2で検出された温度に基づき、加熱に必要な残り時間を推定する。そして、本フローは、S108に続く。
【0114】
次に、制御部91は、切替室11Dに設定された温度帯が0℃よりも低い温度帯(例えば冷凍室温度帯)であるか否かを判定する(S108)。制御部91は、切替室11Dに設定された温度帯が0℃よりも低い温度帯である場合(S108:YES)、例えば第2送風機65の回転速度を上記第2回転速度に設定することで、冷気供給部CUからの冷気の供給を基準値と比べて増加させ、第3供給量の冷気を切替室11Dに供給する(S109)。そして、本フローは、S101に戻る。
【0115】
一方で、制御部91は、切替室11Dに設定された温度帯が0℃よりも低い温度帯でない場合(S108:NO)、例えば第2送風機65の回転速度を基本速度に設定し、第4供給量の冷気を切替室11Dに供給する(S110)。そして、本フローは、S101に戻る。
【0116】
<2.5.2 切替室の温度設定の切り替え>
次に、加熱処理以外における加熱装置80の制御について説明する。まず、加熱装置80を用いた切替室11Dの温度設定の切り替えについて説明する。
【0117】
本実施形態では、制御部91は、切替室11Dに設定可能な複数の温度帯(例えば、冷凍室温度帯、チルド温度帯、冷蔵室温度帯、野菜室温度帯、または夏野菜温度帯)のなかで、設定中の温度帯よりも高い温度帯に切り替えるユーザUの操作が受け付けられた場合、加熱装置80により切替室11D内に赤外線を照射することで、切替室11Dの温度を高めることを促進する。
【0118】
ここで、制御部91は、加熱対象の食品J1を加熱する(例えば解凍する)第1制御を行う場合、第1出力値で加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。一方で、制御部91は、切替室11Dの温度設定を第1温度帯から上記第1温度帯よりも高い第2温度帯に切り替える第2制御を行う場合、上記第1出力値よりも低い第2出力値で加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。第2出力値は、例えば、第1出力値の半分未満の出力値である。第1出力値は、例えば40[W]である。第2出力値は、例えば10[W]である。
【0119】
本実施形態では、制御部91は、上記第1制御を行う場合、上記第1出力値で第1期間に亘り加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。一方で、制御部91は、上記第2制御を行う場合、上記第2出力値で上記第1期間よりも長い第2期間に亘り加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。第2期間は、例えば、第1期間の2倍以上の長さの期間である。第1期間は、例えば120分である。第2期間は、例えば300分である。
【0120】
<2.5.3 結露抑制に関する制御>
次に、結露抑制に関する加熱装置80の制御について説明する。
本実施形態では、制御部91は、加熱装置80による食品J1の加熱処理中とは異なる状況で、切替室温度センサ112により検出される温度(例えば切替室11Dの空気温度)が所定時間内に閾値を超えて変化した場合、一定時間に亘り加熱動作を行うように加熱装置80を制御する結露抑制制御を行う。「所定時間内に閾値を超えて変化した」とは、急激な温度変化が生じた場合が該当し、例えば10分以内に5℃以上変化した場合である。急激な温度変化の原因は、例えば、熱い食品が切替室11Dに投入されたこと、または切替室11Dの温度設定が変更されたことなどである。結露抑制制御は、例えば、切替室温度センサ112の表面に結露が生じることを抑制するために行われる。
【0121】
本実施形態では、制御部91は、加熱装置80により食品を加熱する場合、第1出力値で加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。一方で、制御部91は、加熱装置80による食品J1の加熱処理中とは異なる状況で、切替室温度センサ112により検出される温度(例えば切替室11Dの空気温度)が所定時間内に閾値を超えて変化した場合、上記第1出力値よりも低い第3出力値で加熱動作を行うように加熱装置80を制御する結露抑制制御を行う。第3出力値は、上記第2出力値と同じでもよく、異なってもよい。第3出力値は、例えば10[W]~30[W]である。
【0122】
なお「第3出力値」という呼称は、説明の便宜上のものであり、上述した「第2出力値」が存在することを前提とするものではない。このため、上述した「第3出力値」は、当該結露抑制制御に関する「第2出力値」と称されてもよい。
【0123】
(制御の流れ)
図12は、上述した切替室11Dの温度帯の切り替えと結露抑制に関する制御とを合わせて説明するためのフローチャートである。まず、制御部91は、切替室11Dの温度設定の切り替えるためのユーザUの操作が冷蔵庫100の不図示の操作部または端末装置300の家電管理アプリAPPにより受け付けられた場合、変更後の切替室11Dに設定された温度帯が設定中の温度帯よりも高い温度帯への切り替えであるか否かを判定する(S201)。
【0124】
制御部91は、切替室11Dの温度帯の変更が設定中の温度帯よりも高い温度帯への切り替えである場合(S201:YES)、加熱装置80を低出力で動作させる(S202)。これにより、切替室11Dの温度上昇を促進する。一方で、切替室11Dの温度帯の変更が設定中の温度帯よりも低い温度帯への変更である場合(S201:NO)、S203の処理に進む。
【0125】
次に、制御部91は、加熱装置80による食品J1の加熱処理中とは異なる状況において、切替室温度センサ112により検出される温度(例えば切替室11Dの空気温度)が所定時間内に閾値を超えて変化したか否かを判定する(S203)。そして、制御部91は、加熱装置80による食品J1の加熱処理中とは異なる状況において、切替室温度センサ112により検出される温度が所定時間内に閾値を超えて変化する場合(S203:YES)、加熱装置80を低出力で動作させる(S202)。これにより、切替室11D内で結露が発生することを抑制する。
【0126】
一方で、加熱装置80は、切替室11Dの温度帯の変更が設定中の温度帯よりも低い温度帯への変更であり、且つ、切替室温度センサ112により検出される温度が所定時間内に閾値を超えない場合(S203:NO)、加熱装置80を停止状態に維持する(S204)。そして、制御部91は、上記処理S201~S204を所定の周期で繰り返す。
【0127】
<3.機器管理サーバ>
次に、機器管理サーバ200について説明する。
図13は、機器管理サーバ200の機能構成を示すブロック図である。機器管理サーバ200は、例えば、機器登録部210、情報取得部220、要求取得部230、機器制御部240、情報送信部250、特別機能提供部260、および記憶部290を有する。
【0128】
機器登録部210、情報取得部220、要求取得部230、機器制御部240、情報送信部250、および特別機能提供部260は、機器管理サーバ200に搭載されたCPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の一部または全部は、ASIC、PLD、またはFPGAなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。なお、これら機能部は、複数のサーバ装置に分かれて設けられてもよい。また、これら機能部のうち1つ以上は、機器管理サーバ200に代えて、冷蔵庫100、または端末装置300の家電管理アプリAPPに設けられてもよい。
【0129】
(機器登録部)
機器登録部210は、冷蔵庫100の機器登録を受け付ける。本出願で「機器登録」とは、冷蔵庫100と、当該冷蔵庫100を利用するユーザUとを対応付けることを意味する。例えば、機器登録は、ユーザUのアカウント(以下「ユーザID」と称する)と、ユーザUが使用する冷蔵庫100の識別情報(以下「機器ID」と称する)とを対応付けて機器登録DB291に登録することで行われる。
【0130】
(情報取得部)
情報取得部220は、冷蔵庫100から送信される状態情報192を取得する。また、情報取得部220は、冷蔵庫100で加熱装置80を用いた加熱処理が行われる場合、加熱に必要な残り時間を示す残り時間情報193を冷蔵庫100から取得する。情報取得部220により取得された状態情報192および残り時間情報193は、機器状態DB292の一部として記憶部290に記憶される。
【0131】
(要求取得部)
要求取得部230は、端末装置300から種々の要求を受け付ける。例えば、要求取得部230は、冷蔵庫100の設定状態の変更または遠隔操作を行うための要求を受け付ける。例えば、要求取得部230は、切替室11Dの温度帯の設定を変更するための要求を端末装置300から受け付ける。
【0132】
(機器制御部)
機器制御部240は、冷蔵庫100の設定状態の変更および遠隔制御を管理する。例えば、機器制御部240は、冷蔵庫100の遠隔操作を行うための要求が要求取得部230により受け付けられた場合、受け付けられた要求に応じた冷蔵庫100の制御命令を生成し、生成した制御命令を冷蔵庫100に送信する。これにより、冷蔵庫100の遠隔制御が行われる。また、機器制御部240は、切替室11Dの温度帯の設定を変更するための要求が要求取得部230により受け付けられた場合、受け付けられた要求に応じた冷蔵庫100の制御命令を生成し、生成した制御命令を冷蔵庫100に送信する。これにより、切替室11Dの温度帯の設定が変更される。
【0133】
(情報送信部)
情報送信部250は、端末装置300に種々の情報を送信する。例えば、情報送信部250は、冷蔵庫100の最新状態を示す情報を送信させるための要求が要求取得部230により受け付けられた場合、冷蔵庫100の最新状態を示す状態情報を機器状態DB292に基づいて生成し、生成した状態情報を端末装置300に送信する。また、情報送信部250は、情報取得部220が残り時間情報193を冷蔵庫100から取得する場合、取得した残り時間情報193を端末装置300に送信する。これにより、端末装置300の表示制御部320は、受信する残り時間情報193に基づき、加熱装置80の加熱に必要な残り時間を端末装置300の表示画面301aに表示する。
【0134】
(特別機能提供部)
本実施形態では、冷蔵庫100は、1つ以上(例えば複数)の特別機能を有する。上記これら特別機能は、例えば、加熱装置80を用いた特別機能を含む。加熱装置80を用いた特別機能は、例えば、上述した加熱装置80を用いて加熱対象物である食品J1を加熱する(例えば解凍する)機能である。加熱装置80を用いた特別機能は、「第1特別機能」の一例である。
【0135】
特別機能の別の例は、上述したレジスタントスターチ増加制御である。レジスタントスターチ増加制御は、「第2特別機能」の一例である。「第2特別機能」は、「第1特別機能」と比べて効果が得られるまでに必要な時間が長い。例えば、第1特別機能である加熱装置80を用いた解凍機能は、当該解凍機能の効果(食品J1の解凍)が120分程度で得られる。一方で、第2特別機能であるレジスタントスターチ増加制御は、当該制御の効果(食品に含まれるレジスタントスターチの増加)が十分得られるまで例えば6時間以上必要である。なお、特別機能の別の例は、レジスタントスターチ増加制御に限定されず、糖質削減用の別の冷却制御でもよいし、上述した特別チルド制御のような冷却制御でもよい。
【0136】
本実施形態では、これら複数の特別機能の各々は、冷蔵庫100の基本機能として冷蔵庫100の購入に付随して使用可能であるわけではなく、別途購入手続きが必要である。すなわち、ユーザUが使用を希望する任意の特別機能に対してユーザUが購入手続きを行うことで、当該特別機能に対応するプログラムが機器管理サーバ200から冷蔵庫100にダウンロードされる、または当該特別機能に対応するプログラムとして冷蔵庫100に予め記憶されて使用制限が付与されていたプログラムの使用制限が解除されることで、当該特別機能が利用可能になる。
【0137】
本実施形態では、特別機能提供部260は、冷蔵庫100が有する上記1つ以上(例えば複数)の特別機能について、ユーザUによる購入を受け付ける。例えば、特別機能提供部260は、端末装置300を通じて冷蔵庫100が有する特別機能を紹介し、当該ユーザUによる購入を示す要求を端末装置300から受け付ける。そして、特別機能提供部260は、所定の決済処理を行うことで、ユーザUによる購入手続きを完了させる。
【0138】
特別機能提供部260は、ユーザUによる対価の支払手続きが確認された場合、購入された特別機能に対応するプログラムまたは制御パラメータを機器管理サーバ200から冷蔵庫100に送信する。これら特別機能に対応するプログラムまたは制御パラメータは、特別機能情報293として記憶部290に記憶されている。これに代えて、特別機能提供部260は、ユーザUによる対価の支払手続きが確認された場合、冷蔵庫100に予め記憶されたプログラムまたは制御パラメータの使用制限の解除を行うための制御指令を冷蔵庫100に送信してもよい。これらにより、ユーザUにより購入された特別機能が冷蔵庫100で使用可能になる。
【0139】
本実施形態では、複数の特別機能を購入価格は、複数の特別機能の各々によって異なるように設定される。例えば、付加価値が高い特別機能の購入価格は、高く設定され、付加価値が低い特別機能の購入価格は、低く設定される。
【0140】
本実施形態では、特別機能提供部260は、提供可能である複数の特別機能の各々について、ユーザUがお試し利用期間にお試しで利用することを許容する。例えば、特別機能提供部260は、端末装置300の家電管理アプリAPPを通じて、特別機能をお試しで利用することを示すユーザUの要求を受け付けた場合、当該ユーザUに対して所定のお試し利用期間を設定し、そのお試し利用期間の間は、ユーザUに対して無料で特別機能を提供する。すなわち、特別機能提供部260は、冷蔵庫100に対して特別機能に対応するプログラムまたは制御パラメータを送信する、または冷蔵庫100に予め記憶されたプログラムまたは制御パラメータの使用制限を解除する。これにより、ユーザUは、お試しで特別機能を使用可能になる。
【0141】
本実施形態では、上記お試し利用期間の長さは、複数の特別機能の各々によって異なる。例えば、上記複数の特別機能は、第1特別機能と、第1特別機能と比べて効果が得られるまでに必要な時間が長い第2特別機能とを含む。そして、第2特別機能に設定されるお試し利用期間は、第1特別機能に設定されるお試し利用期間と比べて長い。例えば、第1特別機能に設定されるお試し利用期間は、7日間である。一方で、第2特別機能に設定されるお試し利用期間は、14日間である。
【0142】
(記憶部)
記憶部290は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、SSD、またはHDD(Hard Disk Drive)などの組み合わせにより実現される。記憶部290は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部290は、機器登録DB291と、機器状態DB292と、特別機能情報293とを記憶する。
【0143】
<4.端末装置>
次に、端末装置300について説明する。
図14は、端末装置300の機能構成を示すブロック図である。端末装置300は、例えば、情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、情報送信部340、および記憶部390を有する。
【0144】
情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、および情報送信部340は、端末装置300に搭載されたCPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがアプリケーションプログラムPを実行することにより実現される。言い換えると、情報取得部310、表示制御部320、操作受付部330、および情報送信部340は、家電管理アプリAPPに含まれるソフトウェア機能部である。
【0145】
(情報取得部)
情報取得部310は、機器管理サーバ200と通信を行うことで、機器管理サーバ200から各種情報を取得する。例えば、情報取得部310は、冷蔵庫100の最新状態を示す状態情報192を機器管理サーバ200から受信する。また、情報取得部310は、加熱装置80を用いた加熱処理が行われる場合、残り時間情報193を機器管理サーバ200から取得する。
【0146】
(表示制御部)
表示制御部320は、端末装置300の表示装置301を制御することで、表示装置301の表示画面301aに表示される内容を制御する。例えば、以下に説明する表示画面301aに関する表示は、表示制御部320によって実現される。表示制御部320によって実現される表示については、詳しく後述する。
【0147】
(操作受付部)
操作受付部330は、家電管理アプリAPPに関連して入力装置302に対して行われるユーザUの操作を受け付ける。例えば、以下に説明する表示画面301aに表示される各種操作部に対するユーザUの操作は、操作受付部330によって受け付けられる。
【0148】
(情報送信部)
情報送信部340は、操作受付部330による受け付けられた各種操作に応じた情報または信号を、機器管理サーバ200に送信する。例えば、情報送信部340は、操作受付部330による受け付けられた冷蔵庫100の設定内容の変更または遠隔操作の要求を機器管理サーバ200に送信する。
【0149】
(記憶部)
記憶部390は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、またはSSDなどの組み合わせにより実現される。記憶部390は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部390は、アプリケーションプログラムPと、特別機能設定情報491とを記憶する。特別機能設定情報491は、ユーザUが使用する冷蔵庫100に関して、購入済みの特別機能および購入可能である特別機能を示す情報を含む。
【0150】
<5.表示画面の表示例>
次に、端末装置300の表示画面301aに表示される表示について説明する。以下に説明する表示は、表示制御部320による制御により実現される。また以下に説明する表示画面301aに対するユーザUの操作は、操作受付部330により受け付けられて機器管理サーバ200に送信される。
【0151】
<5.1 切替室の温度帯の変更>
本実施形態では、表示制御部320は、切替室11Dに設定される温度帯を示す表示M1が表示画面301aに表示された状態で、上記温度帯を変更するユーザUの操作が操作受付部330により受け付けられた場合、上記温度帯の変更内容に応じて、表示画面301aに表示された表示M1を変更するとともに、表示画面301aに表示された背景色を変更する。以下、この内容について詳しく説明する。
【0152】
図15は、切替室11Dの温度帯を変更するための操作画面D1の一例を示す。本実施形態では、表示制御部320は、切替室11Dに設定される温度帯を示す表示M1を操作画面D1に表示させる。表示M1は、例えば、設定される温度帯の名称を示す表示M11と、設定される温度帯の内容説明を示す表示M12と、設定される温度帯での保存に適した食品を示す表示M13とを含む。
【0153】
本実施形態では、表示M13は、設定される温度帯での保存に適した1つ以上(例えば複数)食品の絵を含む。表示M13は、例えば、操作画面D1の中央部(表示画面301aの中央部)に表示される。
【0154】
また本実施形態では、表示制御部320は、切替室11Dの温度帯を変更するための操作部B1を操作画面D1に表示させる。すなわち、操作部B1は、上述した表示M1と同一画面に表示される。操作部B1は、例えば、変更先の温度に応じた異なる色の表示B1bを伴う調整式の操作部である。本実施形態では、操作部B1は、温度帯を変更するためにユーザUによって操作される調整部B1aと、変更先の温度を異なる色で表示した表示B1bとを含む。
【0155】
調整部B1aは、例えば、操作画面D1上で直線方向に移動されることで温度帯の設定が変更される直線移動式の調整部であるが、操作画面D1上で回転されることで温度帯の設定が変更される回転式の調整部でもよい。調整部B1aは、「所定の入力要素」の一例である。
【0156】
本実施形態では、表示制御部320は、変更先の温度に応じた調整部B1aの直線上の位置または回転位置に応じて、調整部B1aの色を変更する。例えば、表示制御部320は、調整部B1aの色を、変更先の温度帯が冷凍室温度帯である場合は「赤紫色」、変更先の温度帯がチルド温度帯である場合は「青紫色」、変更先の温度帯が冷蔵室温度帯である場合は「水色」、変更先の温度帯が野菜室温度帯である場合は「緑色」、変更先の温度帯が夏野菜温度帯である場合は「黄緑色」に変更する。
【0157】
表示B1bは、調整部B1aの移動方向または回転方向に沿って配置されている。表示B1bは、変更先の温度が冷凍室温度帯である場合の調整部B1aの位置に対応して「赤紫色」の領域が表示され、変更先の温度がチルド温度帯である場合の調整部B1aの位置に対応して「青紫色」の領域が表示され、変更先の温度が冷蔵室温度帯である場合の調整部B1aの位置に対応して「水色」の領域が表示され、変更先の温度が野菜室温度帯である場合の調整部B1aの位置に対応して「緑色」の領域が表示され、変更先の温度が夏野菜温度帯である場合の調整部B1aの位置に対応して「黄緑色」の領域が表示される。
【0158】
そして、表示制御部320は、調整部B1aを移動または回転させるユーザUの操作が操作受付部330により受け付けられた場合、温度帯の変更内容に応じて、表示画面301aに表示された表示M1を変更する。例えば、表示制御部320は、温度帯の変更内容に応じて、設定される温度帯の名称を示す表示M11を変更し、設定される温度帯の内容説明を示す表示M12を変更し、設定される温度帯での保存に適した食品を示す表示M13を変更する。すなわち本実施形態では、表示制御部320は、温度帯の変更内容に応じて、表示M13に含まれる食品の表示を、変更後の温度帯での保存に適した食品の表示に変更する。
【0159】
また、表示制御部320は、調整部B1aを移動または回転させるユーザUの操作が操作受付部330により受け付けられた場合、温度帯の変更内容に応じて、表示M1を変更するとともに、表示画面301aに表示された背景色を変更する。「背景色」とは、表示M1の背景である領域Qの色である。例えば、「背景色」は、温度帯の名称を示す表示M11、上記温度帯の内容説明を示す表示M12、および上記温度帯での保存に適した食品を示す表示M13、および操作部B1の全ての背景である領域Qの色である。
【0160】
本実施形態では、表示制御部320は、操作画面D1の背景色を、変更先の温度帯が冷凍室温度帯である場合は「薄い赤紫色」、変更先の温度帯がチルド温度帯である場合は「薄い青紫色」、変更先の温度帯が冷蔵室温度帯である場合は「薄い水色」、変更先の温度帯が野菜室温度帯である場合は「薄い緑色」、「変更先の温度帯が夏野菜温度帯である場合は「薄い黄緑色」に変更する。
【0161】
本実施形態では、表示制御部320は、各温度帯に関して、調整部B1aおよび表示B1bにおける当該温度帯に対応する色と同系色であって、調整部B1aおよび表示B1bの色よりも薄い色に操作画面D1の背景色(領域Qの色)を変更する。本実施形態では、表示制御部320は、温度帯を変更するユーザUの操作に応じて、調整部B1aの色と、操作画面D1の背景色とを同時に変更する。
【0162】
本実施形態では、表示制御部320は、温度帯を変更するユーザUの操作が操作受付部330により受け付けられた場合、温度帯の変更内容に応じて、変更後の温度帯での保存に適した食品を示す表示M13と、変更後の温度帯に対応する背景色(領域Qの色)とを、同一画面上に表示する。
【0163】
本実施形態では、操作受付部330は、操作画面D1上に表示された調整部31aを操作画面D1上で移動または回転させるユーザUの操作を、切替室11Dの温度帯の設定を変更する操作として受け付ける。表示制御部320は、ユーザUによる変更操作(例えばユーザUによる調整部31aを移動または回転させる操作)に応じて変更先となる温度帯が順に切り替わる場合、温度帯の切り替えに応じて、上述した表示M11~M13の表示内容が順に切り替えられる場合、表示M11~M13の表示内容の切り替えに合わせて背景色(領域Qの色)を同時に順に切り替える。
【0164】
例えば、表示制御部320は、切替室11Dの温度帯を冷凍室温度帯から夏野菜温度帯に切り替えるように操作画面D1上で調整部31aがユーザUによって操作される場合、冷凍室温度帯、チルド室温度帯、冷蔵室温度帯、野菜室温度帯、および夏野菜温度帯にそれぞれ対応する表示M11~M13および背景色(領域Qの色)を、温度帯ごとに順に切り替えながら表示して遷移させる。
【0165】
<5.2 特別機能に関する表示>
本実施形態では、表示制御部320は、冷蔵庫100の状態を表示させる基本画面D2において、特別機能の状態を表示させる。以下、この内容について詳しく説明する。
【0166】
図16は、冷蔵庫100に関する基本画面D2の一例を示す図である。基本画面D2は、「状態表示画面」の一例である。基本画面D2は、冷蔵庫100の制御状態を示す表示M2を含む。表示M2は、例えば、冷蔵室11Aの冷却強度を示す表示M21、チルド室11Aaに関する制御状態を示す表示M22、および紫外線の除菌装置の動作状態を示す表示M23などに加え、切替室11Dの制御状態を示す表示M24を含む。表示M24は、例えば、切替室11Dに設定中の温度帯を示す表示M24aと、特別機能の利用状態を示す表示M24bとを含む。
【0167】
特別機能の利用状態を示す表示M24bとしては、例えば、特別機能の利用状態として、「利用中」、「予約中」、または「利用なし」などの内容が表示される。例えば、特別機能として加熱装置80を用いた解凍機能が利用される場合、表示M24bとしては、「解凍中」、「解凍予約中」、「解凍完了」、または「利用無し」などの内容が表示される。
【0168】
本実施形態では、表示M24bと重畳して操作部B2が設定される。表示制御部320は、ユーザUによって操作部B2が押されることで、基本画面D2を、特別機能設定画面D3に切り替える。特別機能設定画面D3は、冷蔵庫100が有する1つ以上の特別機能を使用するための画面である。
【0169】
図17は、特別機能設定画面D3の一例を示す図である。特別機能設定画面D3は、ユーザUが利用可能な1つ以上の特別機能に対応する操作部B3が表示される。各操作部B3は、特別機能の内容を示す絵柄を含む絵表示(例えばアイコン)を含む。図17では、操作部B3として、「解凍機能」を設定するためのる操作部B3Aと、「特別チルド制御」を設定するための操作部B3Bとが表示される。ユーザUは、操作部B3を押すことで遷移して表示される操作画面において、解凍機能または特別チルド制御の開始、予約、または終了などを設定可能である。
【0170】
本実施形態では、特別機能設定画面D3は、特別機能を追加するための操作部B4を含む。表示制御部320は、ユーザUによって操作部B4が押されることで、特別機能設定画面D3を、特別機能追加画面D4に切り替える。特別機能追加画面D4は、冷蔵庫100に1つ以上の特別機能を追加するための画面である。
【0171】
図18は、特別機能追加画面D4の一例を示す図である。特別機能追加画面D4は、ユーザUが追加可能な1つ以上の特別機能に対応する操作部B5が表示される。各操作部B5は、特別機能の内容を示す絵柄を含む絵表示(例えばアイコン)を含む。図18では、操作部B5として、「冷凍フルーツ食べごろ機能」を設定するためのる操作部B4Aが表示される。ユーザUは、操作部B4を押すことで遷移して表示される特別機能購入画面D5において、追加候補の特別機能の詳細を確認することができる。
【0172】
図19は、特別機能購入画面D5の一例を示す図である。特別機能購入画面D5は、追加候補の特別機能の内容を説明する表示M3を含む。表示M3は、例えば、追加候補の特別機能の内容を文章で説明する表示M31と、追加候補の特別機能の利用方法を絵で説明する表示M32とを含む。
【0173】
表示M32は、例えば、切替室11D内において当該特別機能の利用対象の食品を載置可能な領域の位置を示す絵を含む。図19に示す例では、加熱装置80を用いた特別機能である「冷凍フルーツ食べごろ機能」の利用方法として、切替室11Dの前端部A2に設けられた金属板86の上に食品を置くと当該特別機能を利用することができることを示す絵が表示される。
【0174】
<6.利点>
<6.1 加熱装置の設置構造>
比較例1として、貯蔵室内の中央に加熱装置が配置される構成について考える。この比較例1の構成では、加熱装置により加熱対象の食品を加熱する場合、貯蔵室内の全体が加熱されてしまう。このため、非加熱対象の食品については、加熱装置による加熱が終わるまで、一旦、貯蔵室の外に出しておく必要がある。
【0175】
また比較例2として、貯蔵室の長手方向に沿って加熱装置が配置される構成について考える。この比較例2の構成では、例えば、加熱装置を避けて非加熱対象の食品を収容する必要があり、貯蔵室の左右の側端部に沿って奥行き方向に非加熱対象の食品を並べる必要が生じる。その結果、貯蔵室の収納性が悪くなる。
【0176】
一方で、本実施形態の冷蔵庫100は、平面視で矩形状の貯蔵室(例えば切替室11D)を含む筐体10と、上記貯蔵室の長手方向の中央を外れた位置に配置され、上記貯蔵室の短手方向に沿って設けられた加熱装置80とを備える。このような構成によれば、貯蔵室内の全体を加熱するのではなく、貯蔵室内において加熱装置80に対応する特定の領域だけを加熱しやすくなる。また本実施形態では、加熱装置80は、上記貯蔵室の短手方向に沿って設けられているため、加熱装置80が貯蔵室の長手方向に沿って設けられた場合と比べて、貯蔵室内において加熱装置80によって加熱される領域を小さくすることができる。このため、非加熱対象の食品J2については、貯蔵室内で加熱装置80を外れた箇所に収容することで、非加熱対象の食品J2を一旦外に出す手間を省くことができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0177】
本実施形態では、上記貯蔵室は、貯蔵室の長手方向に分かれた一対の端部(例えば前端部A2および後端部A3)を有する。加熱装置80は、上記一対の端部に含まれる1つ端部(例えば前端部A2)に沿って設けられる。このような構成によれば、貯蔵室内において加熱装置80により加熱される領域を貯蔵室内の端部に位置させることができる。これにより、貯蔵室内の残りの領域を非加熱対象の食品J2を収容可能な領域として有効に活用することができる。
【0178】
本実施形態では、冷蔵庫100は、上記貯蔵室の前方に配置されて上記貯蔵室の開口を閉じる扉20Dをさらに備える。上記貯蔵室の長手方向は、冷蔵庫100の前後方向と一致する。加熱装置80は、上記貯蔵室の前端部A2に沿って設けられている。このような構成によれば、例えば別の貯蔵室11から取り出された加熱対象の食品J1を、加熱装置80を有する貯蔵室(切替室11D)の加熱対象領域B11に置きやすくなる。また、加熱が終わった食品J1を貯蔵室から取り出しやすくなる。これにより、ユーザUの利便性を高めることができる。
【0179】
また別の観点で見ると、上記貯蔵室の前端部A2は、扉20の開閉時に室温の外気が流入して温度が上がりやすい領域である。このため、上記貯蔵室の前端部A2に沿って加熱対象領域B11が配置されていると、流入する室温の外気の影響でも加熱対象の食品J1の温度が上がりやすくなる。一方で、貯蔵室の後端部A3に沿って非加熱対象領域B12が配置されると、非加熱対象領域B12に室温の外気の影響が生じにくくなる。このため、加熱装置80が貯蔵室の前端部A2に沿って設けられていると好ましい。
【0180】
本実施形態では、上記貯蔵室は、加熱対象の食品J1が置かれる加熱対象領域B11と、非加熱対象の食品J2が置かれる非加熱対象領域B12とを含む。加熱装置80は、非加熱対象領域B12に向けて電磁波を放出することを抑制しつつ、加熱対象領域B11に向けて電磁波を放出する。このような構成によれば、非加熱対象領域B12の温度上昇を抑制することができ、非加熱対象の食品J2の状態を良好に維持することができる。
【0181】
本実施形態では、非加熱対象領域B12は、加熱対象領域B11よりも大きい。このような構成によれば、多くの非加熱対象の食品J2を収容した状態で、加熱対象の食品J1の加熱を行うことができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0182】
本実施形態では、上記貯蔵室は、上記貯蔵室の天井を形成する天井壁(例えば第2仕切壁16の水平部16a)を有する。加熱装置80は、上記天井壁に沿って配置されている。冷蔵庫100は、上記天井壁のなかで加熱装置80に面した領域と、加熱装置80との間に配置された断熱部材87をさらに備える。このような構成によれば、加熱装置80から発生する熱により天井壁の一部が溶解または軟化することを抑制することができる。
【0183】
本実施形態では、上記貯蔵室は、上記貯蔵室の天井を形成する天井壁(例えば第2仕切壁16の水平部16a)を含む壁部(例えば第2仕切壁16)を有する。加熱装置80は、上記天井壁に沿って配置されている。冷蔵庫100は、上記壁部の温度に関する検出結果が所定条件を満たす場合に、上記天井壁と加熱装置80との間に冷気を供給する冷気供給部CUをさらに備える。このような構成によれば、加熱装置80から発生する熱により天井壁の一部が溶解または軟化することを抑制することができる。
【0184】
本実施形態では、上記貯蔵室に設けられた温度検出器(例えば切替室温度センサ112)をさらに備える。上記温度検出器は、加熱装置80と、加熱装置80により加熱される食品J1との両方を視野角R2に含むように配置され、加熱装置80の温度および食品J1の温度をそれぞれ検出可能な非接触式の温度検出器である。このような構成によれば、1つの温度検出器により、加熱装置80の温度および食品J1の温度の両方を検出して監視することができる。これにより、冷蔵庫100の低コスト化を図ることができる。例えば、制御部91は、加熱装置80の温度が閾値を超えると、加熱装置80に異常が生じたとして、加熱装置80の加熱動作を停止させる。
【0185】
本実施形態では、上記貯蔵室は、上記貯蔵室の天井を形成する天井壁(例えば第2仕切壁16の水平部16a)を有する。加熱装置80は、赤外線を照射する赤外線照射部81と、赤外線照射部81の下方に取り付けられて赤外線が通過可能な保護部83とを有し、上記天井壁に設置されている。このような構成によれば、ユーザUの手が赤外線照射部81に触れることを抑制し、安全性および安心感の向上を図ることができる。
【0186】
本実施形態では、上記貯蔵室は、上記貯蔵室の長手方向の中央を外れて加熱装置80の下方に配置され、加熱対象の食品J1が置かれる金属板86を含む。このような構成によれば、加熱対象の食品J1をより効果的に加熱することができる場合がある。
【0187】
本実施形態では、上記貯蔵室の長手方向における金属板86の幅W1は、上記貯蔵室の短手方向における金属板86の幅W2よりも小さい。このような構成によれば、金属板86が設けられていない領域の少なくとも一部を、非加熱対象の食品J2を収容可能な領域として有効に活用することができる。
【0188】
<6.2 制御>
本実施形態では、冷蔵庫100は、加熱装置80による食品の加熱処理中に温度を検出する場合、少なくとも温度検出器(例えば切替室温度センサ112)により温度の検出動作を行う間、加熱装置80の動作を抑制する。このような構成によれば、加熱装置80の加熱(例えば赤外線の照射)が温度検出器による検出結果に影響を与えることを抑制することができる。これにより、温度検出器により温度を精度よく測定することができ、その結果、冷蔵庫100の制御の精度を高めることができる。
【0189】
本実施形態では、制御部91は、加熱装置80による食品の加熱処理中に温度を検出する場合、加熱装置80の動作を所定の周期で抑制し、加熱装置80の動作を抑制している間に温度検出器により温度を検出する。このような構成によれば、所定の周期で加熱装置80の動作を抑制している間に温度検出器により温度を精度よく検出することができる。これにより、冷蔵庫100の制御の精度をさらに高めることができる。
【0190】
本実施形態では、制御部91は、温度検出器により検出される温度が所定温度未満である場合、加熱装置80の動作を第1間隔の周期で抑制し、加熱装置80の動作を抑制している間に温度検出器により温度を検出する。一方で、制御部91は、温度検出器により検出される温度が所定温度以上である場合、加熱装置80の動作を第1間隔よりも短い第2間隔の周期で抑制し、加熱装置80の動作を抑制している間に温度検出器により温度を検出する。このような構成によれば、加熱対象の食品J1の温度が低い間は、加熱装置80の連続動作時間を長くすることで食品J1の加熱を促進する(例えば解凍を早める)ことができ、一方で、加熱対象の食品J1の温度が所定温度以上になると、温度検出器による温度検出の頻度を上げて食品J1の温度を目標温度に適切に近づけることができる。
【0191】
本実施形態では、制御部91は、温度検出器により検出される温度が所定温度未満である場合、加熱装置80の動作を第1時間に亘り抑制し、上記第1時間の間に前記温度検出器により温度を検出する。一方で、制御部91は、温度検出器により検出される温度が所定温度以上である場合、加熱装置80の動作を第1時間よりも長い第2時間に亘り抑制し、上記第2時間の間に温度検出器により温度を検出する。このような構成によれば、加熱対象の食品J1の温度が低い間は、加熱装置80の抑制時間を短くすることで食品J1の加熱を促進する(例えば解凍を早める)ことができ、一方で、加熱対象の食品J1の温度が所定温度以上になると、温度検出器による温度検出の可能時間を長くすることで、複数回の温度検出を可能することができる。これにより、例えば、温度検出の精度を高め、食品J1の温度を目標温度に適切に近づけることができる。
【0192】
本実施形態では、冷蔵庫100は、食品J1の加熱に必要な残り時間を推定する推定部92をさらに備える。推定部92は、加熱装置80の動作が第1時間に亘り抑制される場合、上記第1時間の間に温度検出器を用いて検出された温度変化に基づき残り時間を推定する。一方で、推定部92は、加熱装置80の動作が第2時間に亘り抑制される場合、上記第2時間の間に温度検出器を用いて検出された温度変化に基づき残り時間を推定する。このような構成によれば、推定部92は、加熱対象の食品J1の温度が所定温度以上になると、第1時間と比べて長い第2時間を利用して検出された温度変化に基づき残り時間を精度よく推定することができる。これにより、ユーザUに知らせる残り時間の精度を高めることができる。
【0193】
本実施形態では、上記貯蔵室は、温度設定が切り替え可能な切替室11Dである。制御部91は、切替室11Dに収容された食品を解凍する第1制御を行う場合、第1出力値で加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。一方で、制御部91は、切替室11Dの温度設定を第1温度帯から第1温度帯よりも高い第2温度帯に切り替える第2制御を行う場合、第1出力値よりも低い第2出力値で加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。このような構成によれば、加熱対象の食品J1を加熱する場合は、相対的に高出力である第1出力値により加熱を促進し、切替室11Dの温度帯を変更する場合は、相対的に低出力である第2出力値により庫内温度を上昇させることができる。これにより、切替室11Dの温度帯を変更する場合に、切替室11D内に収容された食品(例えば加熱装置80の直下に収容された食品)への影響を小さくすることができる。
【0194】
本実施形態では、制御部91は、加熱装置80による食品J1の加熱処理中とは異なる状況で、温度検出器により検出される温度が所定時間内に閾値を超えて変化した場合、加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。すなわち、熱い食品が切替室11Dに投入された場合や、切替室11Dの温度帯を変えるなど、急激な温度変化が生じた際には、結露が発生する可能性がある。結露が発生すると切替室温度センサ112の誤検知などの原因になり得る。そこで本実施形態では、急激な温度変化(所定時間内に閾値を超える温度変化)が生じた場合には、加熱装置80を動作させて、結露水の蒸発を促進させる。
【0195】
本実施形態では、制御部91は、加熱装置80により食品J1を加熱する場合、第1出力値で加熱動作を行うように加熱装置80を制御し、加熱装置80による食品J1の加熱処理中とは異なる状況で、温度検出器により検出される温度が所定時間内に閾値を超えて変化した場合、第1出力値よりも低い第3出力値で加熱動作を行うように加熱装置80を制御する。このような構成によれば、加熱装置80を動作させて結露水の蒸発を促進させる場合に、切替室11D内に収容された食品(例えば加熱装置80の直下に収容された食品)への影響を小さくすることができる。
【0196】
本実施形態では、制御部91は、貯蔵室の温度帯が0℃よりも低い所定温度帯である場合において、加熱装置80が停止された状態で、貯蔵室内の温度が所定条件を満たすことで冷気供給部CUによる冷却が再開される場合、冷気供給部CUにより冷気を第1供給量で貯蔵室に供給する。一方で、制御部91は、貯蔵室の温度帯が上記所定温度帯である場合において、加熱装置80により食品を加熱する場合、冷気供給部CUにより冷気を第1供給量よりも多い第2供給量で貯蔵室に供給する。このような構成によれば、例えば冷凍室温度帯で加熱装置80により食品J1が加熱される場合、冷気供給部CUによる標準的な冷気供給量(第1供給量)よりも多い第2供給量の冷気を供給する。これにより、貯蔵室に収容された非加熱対象の食品J2に与える影響を抑制しつつ、加熱対象の食品J1の加熱を行うことができる。
【0197】
本実施形態では、貯蔵室は、加熱装置80による加熱対象の食品J1が置かれる加熱対象領域B11と、非加熱対象の食品J2が置かれる非加熱対象領域B12とを含む。非加熱対象領域B12は、加熱対象領域B11と比べて、冷気供給部CUの近くに配置されている。このような構成によれば、冷気供給部CUからの冷気が非加熱対象領域B12に供給されやすい。これにより、非加熱対象の食品J2に与える影響をさらに抑制しつつ、加熱対象の食品J1の加熱を行うことができる。
【0198】
本実施形態では、制御部91は、貯蔵室が第1温度帯に設定された状態で、加熱装置80により食品J1を加熱する場合、冷気供給部CUにより冷気を第3供給量で貯蔵室に供給する。一方で、制御部91は、貯蔵室が第1温度帯よりも高い第2温度帯に設定された状態で、加熱装置80により食品J1を加熱する場合、冷気供給部CUにより冷気を第3供給量よりも少ない第4供給量で貯蔵室に供給する。このような構成によれば、貯蔵室が第1温度帯および第2温度帯のいずれである場合でも、非加熱対象の食品の温度上昇を抑制しやすくなる。
【0199】
<6.3 端末装置における表示>
比較例3として、切替室の温度を変更するための回転式の物理的な操作部が冷蔵庫に設けられる場合について考える。このような比較例3の構成では、どのような食品をどの温度で保存すればよいかが分かりにくい場合がある。また、物理的な操作部の操作であるため、後から温度帯を増やしたい場合や、その温度帯を使用した新たな機能を追加したい場合に対応できない場合がある。
【0200】
一方で、本実施形態では、家電管理アプリAPPは、操作受付部330と、表示制御部320とを有する。操作受付部330は、表示画面301aに対するユーザUの操作を受け付ける。表示制御部320は、切替室11Dに設定される温度帯を示す表示M1が表示画面301aに表示された状態で、温度帯を変更するユーザUの変更操作が操作受付部330により受け付けられた場合、温度帯の変更内容に応じて、表示画面301aに表示された表示M1を変更するとともに、表示画面301aに表示された背景色を変更する。このような構成によれば、背景色が変わることで温度帯の変更内容をユーザUが視覚的に分かりやすくなる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。また、このような構成によれば、後から温度帯を増やしたい場合や、その温度帯を使用した新たな機能を追加したい場合に柔軟に対応しやすくなる。
【0201】
本実施形態では、表示制御部320は、ユーザUの変更操作が操作受付部330により受け付けられた場合、温度帯の変更内容に応じて、表示M1に含まれる食品の表示M13を、変更後の温度帯での保存に適した食品の表示M13に変更する。このような構成によれば、ユーザUは、温度帯の変更に応じて変更される当該温度帯での保存に適した食品の表示M13を参照し、変更先の温度帯を決めることができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0202】
本実施形態では、表示制御部320は、上記変更操作が操作受付部330により受け付けられた場合、温度帯の変更内容に応じて、変更後の温度帯に対応する上記背景色と、変更後の温度帯での保存に適した食品の表示M13とを、同一画面上に表示する。このような構成によれば、同一画面上に表示される上記背景色と上記食品の表示M13とに基づき、温度帯の変更内容をユーザUが視覚的にさらに分かりやすくなる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0203】
本実施形態では、表示制御部320は、上記変更操作に応じて表示画面301a上で表示M1が順に切り替えられる場合、表示M1の切り替えに合わせて、食品の表示M13および背景色をそれぞれ順に切り替える。このような構成によれば、各温度帯での保存に適した食品と、背景色によって示される温度帯との対応関係がユーザUにとって分かりやすくなる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0204】
本実施形態では、操作受付部330は、表示画面301aに表示された所定の入力要素を表示画面301a上で移動または回転させるユーザUの操作を、温度帯を変更する操作として受け付ける。表示制御部320は、ユーザUによる上記入力要素の移動または回転に合わせて上記食品の表示を順に切り替える。このような構成によれば、温度帯を変更するための入力要素の操作に応じて、当該温度帯での保存に適した食品の表示が順に切り替わる。そのため、温度帯の変更内容をユーザUが視覚的にさらに分かりやすくなる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0205】
本実施形態では、冷蔵庫100は、切替室11Dに設けられた加熱装置80を使用した特別機能を有する。表示制御部320は、冷蔵庫100の状態を表示させる状態表示画面において、特別機能の状態を表示させる。このような構成によれば、ユーザは、上記状態表示画面を確認することで、特別機能の使用状態などを容易に認識することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0206】
本実施形態では、特別機能提供部260は、複数の特別機能の各々について、ユーザがお試し利用期間にお試しで利用することを許容する。このような構成によれば、ユーザUは、興味がある特別機能を、実際に購入する前に試してみることができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0207】
本実施形態では、複数の特別機能は、第1特別機能と、第1特別機能と比べて効果が得られるまでに必要な時間が長い第2特別機能とを含む。第2特別機能に設定されるお試し利用期間は、第1特別機能に設定されるお試し利用期間と比べて長い。このような構成にれば、効果が得られるまでに時間がかかる第2特別機能について、長いお試し利用期間を利用して確認することができる。
【0208】
本実施形態では、特別機能を購入するための購入価格は、複数の特別機能の各々によって異なる。このような構成によれば、付加価値が小さい特別機能については安く提供し、付加価値が高い特別機能については高く提供することができる。
【0209】
本実施形態では、表示制御部320は、切替室11D内において特別機能の利用対象の食品を載置可能な領域の位置を示す絵を、表示画面301aに表示させる。このような構成によれば、ユーザUは、特別機能を利用するために食品を置く場所を視覚的に容易に認識することができる。これにより、ユーザUの利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0210】
以上、1つの実施形態について説明したが、実施形態の内容は、上記例に限定されない。例えば、加熱対象領域B11は、貯蔵室の前端部に対応して設けられることに代えて、貯蔵室の後端部に対応して設けられてもよい。
【0211】
上述した実施形態では、加熱装置80は、加熱対象物に向けて赤外線を照射することで加熱対象物を加熱する加熱装置である。ただし、本出願で言う「加熱装置」は、上記例に限定されず、種々の加熱装置が該当し得る。例えば、「加熱装置」は、加熱対象物に向けてマイクロ波を照射することで加熱対象物を加熱する加熱装置でもよく、加熱対象物または加熱対象物が置かれる載置部に対して磁束を放出し、上記磁束に基づく電磁誘導により加熱対象物を加熱する加熱装置(例えば高周波加熱装置)でもよく、ヒータ(電熱器)による熱伝導または対流により加熱対象物を加熱する加熱装置などでもよい。
【0212】
上述した実施形態において、端末装置300の表示画面301aに表示された内容、および端末装置300により受け付けられたユーザUの操作は、冷蔵庫100が表示装置301を備える場合、冷蔵庫100の制御部91により表示され、冷蔵庫100の制御部91により受け付けられてもよい。
【0213】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫は、筐体と、加熱装置と、温度検出器と、制御部とを備える。加熱装置および温度検出器は、筐体の貯蔵室に設けられている。制御部は、加熱装置による食品の加熱処理中に温度を検出する場合、少なくとも前記温度検出器により温度の検出動作を行う間、前記加熱装置の動作を抑制する。このような構成によれば、温度制御の精度向上を図ることができる。
【0214】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0215】
11D…貯蔵室(切替室)、80…加熱装置、81…赤外線照射部、82…照射方向規制部、83…保護部、91…制御部、92…推定部、100…冷蔵庫、200…機器管理サーバ、300…端末装置、301…表示装置、301a…表示画面、320…表示制御部、330…操作受付部、CU…冷気供給部。
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