(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066227
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20240508BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175663
(22)【出願日】2022-11-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】520409785
【氏名又は名称】株式会社日本資産運用基盤グループ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大原 啓一
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB57
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】現金を工面するため方法の検討する投資家を支援するための技術を提供する。
【解決手段】投資家の資産運用を支援するための支援装置は、運用中の資産を売却することによって取得する売却金額と、資産を担保として現金を借り入れることによって取得する借入金額とを含む工面プランを取得する取得部と、資産の期待収益率及び借入金額の金利に少なくとも基づいて、工面プランを実行した場合の投資家の資産の将来金額を予測する予測部と、予測された将来金額を提示する提示部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投資家の資産運用を支援するための支援装置であって、
運用中の資産を売却することによって取得する売却金額と、前記資産を担保として現金を借り入れることによって取得する借入金額とを含む工面プランを取得する取得手段と、
前記資産の期待収益率及び前記借入金額の金利に少なくとも基づいて、前記工面プランを実行した場合の前記投資家の資産の将来金額を予測する予測手段と、
前記予測された将来金額を提示する提示手段と、を備える支援装置。
【請求項2】
前記工面プランは、前記資産を構成する複数の金融商品のそれぞれについて前記売却金額及び前記借入金額を含む、請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記取得手段は、複数の工面プランを取得し、
前記予測手段は、前記複数の工面プランのそれぞれについて前記投資家の資産の将来金額を予測し、
前記提示手段は、前記複数の工面プランのそれぞれについての前記予測された将来金額を一括で提示する、請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記予測手段は、前記資産の将来的な価値に基づいて前記担保の金額を算出する、請求項1に記載の支援装置。
【請求項5】
前記予測手段は、前記投資家の積立実績に基づいて前記資産の運用行為に対する投資家のロイヤルティの評価を算出し、前記評価に基づいて前記金利を算出する、請求項1に記載の支援装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の支援装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投資家の資産運用を支援するための様々なシステムが提案されている。特許文献1では、ある将来の時点で目標とする資金額を達成できるかどうかを確認できるように、様々なポートフォリオについてシミュレーション結果を投資家に提示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
突然の出費やライフイベントの発生などに起因して、資産運用行為を実行中の投資家が現金を工面しなければならない状況が発生しうる。しかし、どのように現金を工面すれば現状実行中の自身の資産運用行為への経済的な影響が少ないかを投資家が検討することは困難な場合がある。本発明の1つの側面は、現金を工面するため方法の検討する投資家を支援するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態によれば、投資家の資産運用を支援するための支援装置であって、運用中の資産を売却することによって取得する売却金額と、前記資産を担保として現金を借り入れることによって取得する借入金額とを含む工面プランを取得する取得手段と、前記資産の期待収益率及び前記借入金額の金利に少なくとも基づいて、前記工面プランを実行した場合の前記投資家の資産の将来金額を予測する予測手段と、前記予測された将来金額を提示する提示手段と、を備える支援装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
一部の実施形態によれば、現金を工面するため方法の検討する投資家を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態の支援装置の構成例を説明するブロック図。
【
図2】本発明の実施形態の支援装置の動作例を説明するフロー図。
【
図3】本発明の実施形態の支援装置が生成する画面例を説明する図。
【
図4】本発明の実施形態の支援装置が生成する画面例を説明する図。
【
図5】本発明の実施形態の支援装置が生成する画面例を説明する図。
【
図6】本発明の実施形態の支援装置が生成する画面例を説明する図。
【
図7】本発明の実施形態の支援装置が生成する画面例を説明する図。
【
図8】本発明の実施形態の支援装置が生成する画面例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0009】
図1のブロック図を参照して、本発明の一部の実施形態に係る支援装置100の構成について説明する。支援装置100は、投資家の資産運用を支援するための装置である。投資家とは、実際に投資を行う最終顧客のことである。資産運用は、投資家が運用資産を使用して金融商品を売買すること及び投資一任事業者が投資家から委託された投資家の運用資産を使用して金融商品の売買をすることを含む。支援装置100は、営業者によって利用されてもよい。営業者とは、投資家に運用サービスを提供するエンティティのことである。例えば、営業者は、IFA(金融商品仲介事業者)、金融機関(金融商品取引業者)に所属する営業員などであってもよい。投資家がオンライン取引において自ら支援装置100を使用する場合において、営業者が存在しなくてもよい。
【0010】
支援装置100の所有者を運営者と呼ぶ。運営者とは、営業者に支援装置100の一部又は全部の機能の利用を認めるエンティティのことである。営業者と運営者とは同一であってもよい。運営者は、投資家の資産運用情報に基づいた金融商品の売買の受け付けを行う。運営者は、例えば証券、銀行、信託銀行などの金融商品取引業者であってもよい。投資一任サービスが投資家に提供される場合に、運営者は、投資一任事業者となりうるエンティティ、例えば投信委託会社、投資顧問会社、証券会社、信託銀行などの金融機関であってもよい。投資家は、運営者である投資一任事業者と投資一任契約を締結することによって、目標プランの実現にむけた投資判断や投資行動の一切を運営者に委託してもよい。その際に、運営者は支援装置100の利用者として支援装置100が行う判断及び処理の内容に従い金融商品の売買などを行うことで投資家より委託された投資一任業務を履行してもよい。以下の説明において、金融商品とは、時間の経過とともに価値(価格、金利等)が変動し、換金性を有する商品のことであり、例えば、定期預金、株式、投資信託、公社債、外国為替、金、プラチナなどを含む。金融商品は、金融派生商品を含んでもよい。
【0011】
現金を工面するため方法の検討するために支援装置100を利用する者を以下では単に利用者と表す。支援装置100の利用者は、現金を工面するため方法の検討する投資家自身であってもよい。また、支援装置100の利用者は、投資家のために現金を工面するため方法の検討する営業者でもあってもよい。さらに、支援装置100の利用者は、ローン提供会社であってもよい。
【0012】
ローン提供会社とは、投資家にローンを提供する会社のことである。ローン提供会社は、営業者を兼ねてもよいし、営業者とは別個のエンティティであってもよい。ローン提供会社は、営業者によって提供された顧客(例えば、投資家)の情報などに従って適切な内容のローン契約を顧客に提示する。ローン契約の提示は、顧客に対して直接行われてもよいし、営業者経由で行われてもよい。ローン提供会社は、ローン契約成立後に、支援装置100に反映される担保価値の変動などの情報に基づいて、必要に応じて、営業者経由又は直接、顧客に対して担保の追加を請求する。既契約のローンに関して顧客より借入金の一部又は全部の返済がローン提供会社に対して行われた場合に、ローン提供会社は、支援装置100の記録された情報を修正し、修正後の情報を関係者に共有する。
【0013】
支援装置100は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置で実現される。支援装置100は、単体の装置で実現されてもよいし、ネットワークを介して相互に接続された複数の装置で実現されてもよい。支援装置100の動作の詳細については後述する。支援装置100は、
図1に示す各構成要素を有する。
【0014】
プロセッサ101は、支援装置100全体の動作を制御する。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。メモリ102は、支援装置100の動作に用いられるプログラムや一時データなどを記憶する。メモリ102は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などにより実現される。入力装置103は、支援装置100のユーザが支援装置100への入力を行うために用いられ、例えばマウスやキーボードなどで実現される。出力装置104は、支援装置100のユーザが支援装置100からの出力を確認するために用いられ、例えばディスプレイなどの表示装置やスピーカなどの音響装置で実現される。通信装置105は、支援装置100が他の装置(例えば、情報端末120や金融機関システム130)と通信する機能を提供し、例えばネットワークカードなどで実現される。他の装置との通信は有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0015】
ストレージ装置106は、支援装置100の動作に用いられる情報、例えば運用情報テーブル107、投資家テーブル108、金融商品テーブル109及び借入金情報テーブル110を記憶する。以下に説明する実施形態では、様々な情報がテーブルの形式で記憶されるが、これらの情報は他の形式で記憶されてもよい。ストレージ装置106は、ディスクドライブ(例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))などの記憶装置で実現される。以下に説明する実施形態で、プロセッサ101が情報を読み出すストレージ装置106は支援装置100の内部にある。これにかえて、ストレージ装置106は、支援装置100の外部にあってもよい。この場合に、プロセッサ101は、支援装置100の外部の記憶装置(例えば、データベースサーバ)から必要な情報を読み出す。また、記憶装置は、支援装置100の外部と内部とに分散して配置されてもよい。
【0016】
運用情報テーブル107は、投資家が設定した資産運用の目標プランに関する情報を管理するためのテーブルである。投資家テーブル108は、投資家に関する情報を管理するためのテーブルである。投資家テーブル108は、例えば投資家を一意に識別するための識別子(以下、IDという)、投資家の連絡先、投資家のクレデンシャル、投資家の口座情報などを記憶する。金融商品テーブル109は、金融商品に関する情報を管理するためのテーブルである。金融商品テーブル109は、例えば金融商品のID、金融商品の期待収益率、リスク、ローン商品の金利、取扱業者などを記憶する。借入金情報テーブル110は、借入金情報テーブル110は、投資家が契約したローンに関する情報を管理するためのテーブルである。借入金情報テーブル110は、担保資産(ID)と借入時の価格と時価、実際に適用された金利などのような、契約済みのローン契約のもととなる条件に関するデータを記憶する。
【0017】
情報端末120は、利用者が外部から支援装置100に接続するために使用する端末である。一例として、支援装置100はサーバとして動作し、情報端末120はクライアントとして動作する。情報端末120は、例えばスマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレットのような、支援装置100と通信可能な任意の装置であってもよい。情報端末120と支援装置100とは、例えばインターネットのような広域ネットワークを介して通信可能である。情報端末120は、投資家によって使用されてもよいし、営業者によって使用されてもよいし、ローン提供会社(具体的はその従業員)によって使用されてもよい。情報端末120は、金融機関システム130の一部であってもよい。
【0018】
金融機関システム130は、金融機関、すなわち金融取引に関する業務を営む機関が運営するシステムである。金融機関は、金融商品を取扱う金融商品取引業者、例えば銀行、証券会社、信託銀行、保険会社、投信委託会社などを含む。金融機関は、ローン商品を販売してもよい。
図1では、1つのブロックで金融機関システム130を表しているが、金融機関システム130は、複数のシステムであってもよい。金融機関システム130と支援装置100とは、例えばインターネットのような広域ネットワークを介して通信可能であってもよいし、専用線のようなクローズドネットワークを介して通信可能であってもよい。金融機関システム130は、営業者用の金融機関システム130と、ローン提供者用の金融機関システム130との何れであってもよい。
【0019】
続いて、
図2のフロー図及び
図3~
図8の画面例を参照して、投資家が現金を工面するため方法を検討することを支援装置100が支援するための動作例について説明する。
図2の方法は、プロセッサ101がメモリ102に読み出されたプログラムを実行することによって行われてもよい。プロセッサ101のような汎用集積回路が動作を実行する代わりに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)のような専用回路によって方法の一部又は全部が実行されてもよい。
図2の方法は、支援装置100の利用者からの指示に応じて開始されてもよい。
【0020】
ステップS201で、支援装置100は、支援対象の投資家の指定を利用者から取得し、この投資家が保有する資産の状況を利用者に提示する。状況の提示は、支援装置100の出力装置104を用いて行われてもよいし、情報端末120へ送信することによって行われてもよい。以下に説明する他の情報の提示についても同様である。以下、
図2の説明において、支援対象の投資家を単に投資家と表す。
【0021】
図3を参照して、投資家が保有する運用資産の状況を表す画面300の一例を説明する。画面300は、利用者からの指示に従って支援装置100によって生成される。画面300は、投資家が保有する運用資産の金額を表示するフィールド301を含む。フィールド301に表示される金額は、例えば投資家テーブル108に記憶されていてもよい。画面300の例では、顧客名が「担保 有太郎」である投資家の資産が2つの金融商品、すなわち「ABC日本株バリューファンド」及び「XYZ世界債券ファンド」で構成されている。
【0022】
画面300は、メインメニュー(不図示)に遷移するためのボタン302と、資産の売却の申し込み又はローンの申し込みを行うための画面に遷移するためのボタン303とをさらに含む。支援装置100は、メインメニューで、別の投資家を支援対象の投資家として選択することの指示を利用者から取得してもよい。
【0023】
図2の説明に戻り、ステップS202で、支援装置100は、現金を工面するための工面プランを利用者から取得する。工面プランは、投資家が自身の資産を売却することによって取得する売却金額と、投資家が自身の資産を担保として現金を借り入れることによって取得する借入金額とを含む。投資家の資産が複数の金融商品で構成される場合に、工面プランは、複数の金融商品のそれぞれについて売却金額及び借入金額を含んでもよい。工面プランは、現金の工面を希望する期間をさらに含んでもよい。
【0024】
図4~
図6を参照して、工面プランを利用者から取得するために支援装置100が生成し提示する画面の例について説明する。
図4は、工面を希望する現金の金額と、工面を希望する期間とを取得するために支援装置100が生成し提示する画面400の一例を示す。支援装置100は、画面300においてボタン303が押下されたことに応じて画面400を生成し提示してもよい。
【0025】
画面400は、工面を希望する金額を入力するためのフィールド401と、工面を希望する期間の開始日を入力するためのフィールド402と、工面を希望する期間の終了日を入力するためのフィールド403とを含む。支援装置100は、利用者によってこれらのフィールド401~403に入力された情報を取得し、後続の処理のためにメモリ102又はストレージ装置106に記憶する。画面400は、メインメニュー(不図示)に遷移するためのボタン404と、工面プランの詳細を入力するための画面に遷移するためのタブ405とをさらに含む。
【0026】
画面400は、担保として利用可能な資産の評価額を表示するためのフィールド404をさらに含む。支援装置100は、資産の将来的な価値に基づいて前記担保の金額を算出してもよい。例えば、支援装置100は、積立や取崩などのような、投資家との間で契約された資産形成プランに基づいて試算の将来的な価値を決定してもよい。資産運用において積立や取崩し投資が主流になる中、積立や取崩しを加味した一定期間の将来にわたる予想可能な資産の変動を担保資産評価に加えることによって、関係者の利便性や担保評価の安全性が向上する。
【0027】
図5は、資産を担保として現金を借り入れることによって取得する借入金額を取得するために支援装置100が生成し提示する画面500の一例を示す。支援装置100は、画面400においてタブ405が押下されたことに応じて画面500を生成し提示してもよい。
【0028】
画面500は、資産を担保として現金を借り入れることによって取得する借入金額を入力するためのフィールド501を含む。資産が複数の金融商品によって構成される場合に、フィールド501では、金融商品ごとに借入金額を入力可能であってもよい。フィールド501に金額が入力されなかった場合に、支援装置100はデフォルト値(例えば、0円)が入力されたとみなしてもよい。支援装置100は、利用者によってこのフィールド501に入力された情報を取得し、後続の処理のためにメモリ102又はストレージ装置106に記憶する。画面500は、画面400のフィールド401~403に入力された情報を表示するためのフィールド502と、借入に関する情報(例えば、借入可能金額、金利など)を表示するためのフィールド503とをさらに含む。フィールド503に表示される情報は、例えば金融商品テーブル109に記憶されていてもよい。画面500は、メインメニュー(不図示)に遷移するためのボタン504と、シミュレーション画面に遷移するためのボタン505と、申込画面(不図示)に遷移するためのボタン506とをさらに含む。申込画面は、画面400及び画面500で指定された条件で借入を申し込むための画面である。
【0029】
支援装置100は、投資家の積立実績に基づいて資産の運用行為に対する投資家のロイヤルティの評価を算出し、当該評価に基づいて、フィールド503に表示される金利(特に、優遇金利)を算出してもよい。資産の運用行為に対する投資家のロイヤルティの評価は、例えば、過去から将来にわたる資産形成実績や計画の評価であってもよい。積立投資の実績などに投資家のロイヤルティに応じて、貸付金利の優遇などを計算し、提供することによって、投資家への訴求を図れる。また、資産運用への投資家の定着を目指す関係金融機関への施策提供を実現できる。計算された基本金利と優遇金利の差分は、ローン提供会社に提供され、金利の割引により、又は営業者に提供され顧客向けロイヤルティプログラムとして営業者がローン提供会社に対して顧客負担金利の一部負担をすることなどにより実現されてもよい。
【0030】
図6は、資産を売却することによって取得する売却金額を取得するために支援装置100が生成し提示する画面600の一例を示す。支援装置100は、画面500においてボタン505が押下されたことに応じて画面600を生成し提示してもよい。
【0031】
画面600は、資産を売却することによって取得する売却金額を入力するためのフィールド601を含む。資産が複数の金融商品によって構成される場合に、フィールド601では、金融商品ごとに売却金額を入力可能であってもよい。フィールド601に金額が入力されなかった場合に、支援装置100はデフォルト値(例えば、0円)が入力されたとみなしてもよい。利用者は、金融商品の現在の価格の一部のみを売却金額として指定してもよいし、金融商品の現在の価格の全部を売却金額として指定してもよい。支援装置100は、利用者によってこのフィールド601に入力された情報を取得し、後続の処理のためにメモリ102又はストレージ装置106に記憶する。
【0032】
画面600は、画面500のフィールド501に入力された情報を表示するためのフィールド602と、金融商品に関する情報(例えば、期待収益率)を表示するためのフィールド603とをさらに含む。利用者は、フィールド602の情報を更新可能であってもよい。支援装置100は、利用者によってこのフィールド602で更新された情報を取得し、後続の処理のためにメモリ102又はストレージ装置106に記憶する。フィールド603に表示される情報は、例えば金融商品テーブル109に記憶されていてもよい。
【0033】
画面600は、フィールド601に表示されている売却金額及びフィールド602に表示されている借入金額を含む工面プランを登録するためのボタン604をさらに含む。利用者によってボタン604が押下されたことに応じて、支援装置100はこの工面プランを候補のプランとして後続の処理のためにメモリ102又はストレージ装置106に記憶する。利用者は、フィールド601に表示されている売却金額及びフィールド602に表示されている借入金額を更新し、ボタン604を押下することによって、複数の工面プランを登録可能である。支援装置100は、このようにして複数の工面プランを取得してもよい。
【0034】
画面600は、利用者によって登録された工面プランの一覧を表示するためのフィールド605を含む。利用者は、登録されている工面プランを削除したり変更したりできてもよい。画面600は、登録されているプランについてシミュレーションを指示するためのボタン606と、メインメニュー(不図示)に遷移するためのボタン607とをさらに含む。
【0035】
図2の説明に戻り、ステップS203で、支援装置100は、利用者によって登録された工面プランを実行した場合の投資家の資産の将来金額を予測する。この予測は、資産の期待収益率及び借入金額の金利に少なくとも基づいて実行されてもよい。この予測は、投資家の属性(年齢や年収など)にさらに基づいて実行されてもよい。利用者によって複数の工面プランが登録されている場合に、支援装置100は、複数の工面プランのそれぞれについて、投資家の資産の将来金額を予測してもよい。
【0036】
支援装置100が投資家の資産の将来金額を予測する方法の一例について以下に説明する。以下のシナリオでは、投資家は資産として1つの金融商品を有しており、その現在の金額はA円であり、その期待収益率は年率rである。投資家は、現在、B円の現金の工面し、それをm年後に返却又は再投資する。投資家は、B円のうちC円(C≧0)を資産の売却によって取得し、残りのD円(D≧0)を年率iで借りる。
【0037】
m年後の資産金額をX円、m年後までの利息の合計をY円とすると、
X=(A-C)×(1+r)m、
Y=D×(1+i)m-D
となる。そのため、n年後(n>m)の投資家の資産の予測金額をZ円とすると、
Z=(X+C-Y)×(1+r)mーn
となる。
【0038】
上記の例では説明を簡単にするために期待収益率及び金利を一定としたが、これらの値は期間や投資家の属性によって変化してもよい(例えば、基準金利や優遇金利が使用されてもよい)また、投資家の資産が複数の金融商品によって構成される場合に、支援装置100は、それぞれの金融商品について将来金額を算出し、それらの合計を資産の将来金額として算出する。
【0039】
ステップS204で、支援装置100は、S203で予測した投資家の資産の将来金額を提示する。
図7を参照して、投資家の資産の将来金額を提示するために支援装置100が生成し提示する画面の例について説明する。
図7は、投資家の資産の将来金額を含む画面700の一例を示す。支援装置100は、画面600においてボタン606が押下されたことに応じて画面700を生成し提示してもよい。
【0040】
画面700は、特定の期間が経過後の投資家の資産の将来金額を数値で表示するためのフィールド701を含む。複数の工面プランについて資産の将来金額が予測された場合に、支援装置100は、フィールド701に、複数の工面プランのそれぞれについての将来金額の数値を一括で提示してもよい。支援装置100は、フィールド701に、当初の運用プランを実行した場合の将来金額の数値を提示してもよい。フィールド701の表示に使用される期間(
図7では5年後)は、利用者によって設定可能であってもよい。
【0041】
画面700は、特定の期間が経過後の投資家の資産の将来金額をグラフで表示するためのフィールド702をさらに含む。このグラフは、将来の複数の時点における資産の予測金額を表す。複数の工面プランについて資産の将来金額が予測された場合に、支援装置100は、フィールド702に、複数の工面プランのそれぞれについての将来金額のグラフを一括で提示してもよい。支援装置100は、フィールド702に、当初の運用プランを実行した場合の将来金額のグラフを提示してもよい。
【0042】
画面700は、画面500に遷移するためのボタン703と、申込画面(不図示)に遷移するためのボタン704とをさらに含む。利用者は、ボタン703を押下して画面500に戻り、工面プランを編集又は追加して、将来金額のシミュレーションを繰り返してもよい。
図8は、利用者が工面プランを実行した後に提示される画面500の例を示す。
図8の画面500は、借入の状況を表示するフィールド801を示す。
【0043】
S205で、支援装置100は、申込画面で申し込まれた借入の内容を借入金情報テーブル110に記憶し、ローン提供者用の金融機関システム130に提供する。ローン提供会社は、提供された内容に基づいて(社内のプロセスで)審査を行い、提示の条件で貸金が可能であれば、ローン提供者用の金融機関システム130に許諾の旨を入力するともに、ローン契約書を作成する。ローン提供会社は、営業者と間で事前の定められた方法により、ローン契約の提携を投資家と行い、金銭の貸付を行う。
【0044】
上述のように、支援装置100は、利用者が登録した工面プランを実行した場合の資産の将来金額を提示する。この情報を利用して、利用者は、現金を工面するため方法(具体的に、借入金額及び売却金額をいくらにするか、どの金融商品を売却するか、どの金融商品を担保にするか、など)の容易に検討できる。
【0045】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
100 支援装置、120 情報端末、130 金融機関システム