(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066228
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】精米炊飯機
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20240508BHJP
B02B 7/00 20060101ALI20240508BHJP
A47J 27/14 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A47J27/00 109B
B02B7/00 K
B02B7/00 101Z
A47J27/14 G
A47J27/14 N
A47J27/00 109D
A47J27/00 109F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175666
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩井 通和
(72)【発明者】
【氏名】川端 英臣
(72)【発明者】
【氏名】越智 輝久
(72)【発明者】
【氏名】西野 栄治
(72)【発明者】
【氏名】高木 慎
【テーマコード(参考)】
4B054
4B055
4D043
【Fターム(参考)】
4B054AA02
4B054AA16
4B054AB01
4B054AC02
4B054CC01
4B054CG01
4B054CH01
4B054CH11
4B055AA02
4B055BA34
4B055BA36
4B055BA73
4B055CD73
4B055GB43
4B055GD02
4D043AA03
4D043AA04
4D043JF07
4D043JF08
(57)【要約】
【課題】精米、洗米炊飯をシステム的に行える設備において、互いの機器の情報をもとに自動制御を行い、一括で操作し、料金精算をするシステムの構成が無かった。そのため多品種を混ぜたブレンド精米や炊飯をユーザが行うことができなかった。
【解決手段】
品種別の各玄米タンク、ユーザの持ち込んだ玄米用の投入ホッパ、精米機、洗米炊飯機、携帯端末を繋ぎ、各機器のデータを一括管理操作することで、最適条件を各機器で自動設定することで対応する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄米タンクと玄米投入ホッパを有する精米設備と、洗米炊飯設備と、米を搬送する搬送装置と、各機器の状態を通信する通信装備と、これらの機器を統合的に操作する操作パネルを備え、
精米設備で設定された精米設定のデータを、洗米炊飯機の炊飯設定に利用すると共に、各機器を使用する料金を合算して支払う料金装置を備えた精米炊飯機システム。
【請求項2】
玄米タンクと玄米投入ホッパから得る玄米とをブレンドした精米を行う場合で、各玄米のブレンド率の設定を行い、
精米機の精米能力を基準に精米時間を算出し、算出した精米時間内に、各玄米が均等に混合するように、設定されたブレンド率に適応した玄米タンクからの排出能力、玄米投入ホッパからの張込能力を決定し、各搬送機器を制御する請求項1の精米炊飯システム。
【請求項3】
ブレンドした玄米を精米した米を炊飯する場合、各種のブレンド量、精米の搗精度により米の浸漬時間を自動設定する機能を有し、
あらかじめ品種ごとの基準の浸漬時間を登録しており、ブレンド量の最も多い品種の浸漬時間を読み出し、精米の搗精度が低いほど浸漬時間を長くするように補正する請求項1又は2の精米炊飯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精米機と洗米炊飯機を連動された機器のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
精米機と、精米された白米を洗米する洗米器と、炊飯釜を備えた洗米炊飯装置がある。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、精米機と洗米炊飯機を連結させた技術はあるが、所有者のもとで利用される構成であり、公衆の場において不特定多数が利用する装置ではなく、料金を支払って利用できるシステムではなかった。
【0005】
また精米も投入された玄米に限られたもので、保管された各種の玄米をブレンドしたり、搗精度を変更し精米することはなされず、この精米状態に適合した炊飯を行うものではなかった。
【0006】
本発明においては、前記の従来技術の課題を解決すると共に、ICT技術を導入し、利用者が情報共有や電子マネー決算することで、より公衆における利便性を高めることを追加課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の発明は、次の技術手段により解決される。
【0008】
玄米タンクと玄米投入ホッパを有する精米設備と、洗米炊飯設備と、米を搬送する搬送装置と、各機器の状態を通信する通信装備と、これらの機器を統合的に操作する操作パネルを備え、精米設備で設定された精米設定のデータを、洗米炊飯機の炊飯設定に利用すると共に、各機器を使用する料金を合算して支払う料金装置を備える。
【0009】
第二の発明は、次の技術手段により解決される。
【0010】
玄米タンクと玄米投入ホッパから得る玄米とをブレンドした精米を行う場合で、各玄米のブレンド率の設定を行い、精米機の精米能力を基準に精米時間を算出し、算出した精米時間内に、各玄米が均等に混合するように、設定されたブレンド率に適応した玄米タンクからの排出能力、玄米投入ホッパからの張込能力を決定し、各搬送機器を制御する。
【0011】
第三の発明は、次の技術手段により解決される。
【0012】
ブレンドした玄米を精米した米を炊飯する場合、各種のブレンド量、精米の搗精度により米の浸漬時間を自動設定する機能を有し、あらかじめ品種ごとの基準の浸漬時間を登録しており、ブレンド量の最も多い品種の浸漬時間を読み出し、精米の搗精度が低いほど浸漬時間を長くするように補正する。
【発明の効果】
【0013】
第一の発明で、精米機の設定データを洗米炊飯機に有効利用できる構成となる。
【0014】
第二の発明で、品種のことなる米を均一にブレンドし、精米することが可能となる。
【0015】
第三の発明で、精米の搗精度の度合いを利用し、適合した浸漬時間を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態における、精米機、洗米炊飯機の模式図
【
図2】本発明の実施形態における、精米機、洗米炊飯機の動作フロー図
【
図3】本発明の実施形態における、精米機、洗米炊飯機の精算フロー図
【
図4】本発明の実施形態における、精米機、洗米炊飯機の情報通信図
【
図5】本発明の実施形態における、精米機、洗米炊飯機、ランドリー設備を備えた場合の情報通信図
【
図6】本発明の別形態における、ブレンド精米のみの模式図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に示す実施例に基づき本発明を説明する。
【0018】
図1~
図6に示す精米機、洗米炊飯機は、本実施形態の一例を示すものである。
【0019】
本発明の精米・洗米炊飯機システムについて説明する。
【0020】
公衆に設置されている精米機で、料金を投入することで、持ち込まれた玄米を精米して白米とする、所謂、コイン精米設備が存在する。
【0021】
本発明では、持ち込まれた玄米を精米にすることはもとより、コイン精米設備内にも玄米が保管されており、この保管された玄米を購入して玄米から精米を行うことや、持ち込まれた玄米とコイン精米設備内の保管された玄米を混合させ精米する、所謂ブレンド米を得ることができる機能を有しているものである。
【0022】
また精米機の精米した米の白度の度合いである搗精度も設定を可能としている。搗精度の設定は、一般的には歩付という名称で表現される。この搗精度によって炊飯条件を変更した方がより良く、おいしい炊飯ができるため、精米における条件をデータとして炊飯制御に取り込むことが重要となり、精米のみではなく炊飯まで適切な設定で行う設備が望まれることになる。
【0023】
このような米を持ち込みし、また保管米を購入し、それらをブレンドした精米を行い、炊飯できる設備は望まれるところであるが、それを統合的に制御することや、各種設定により異なる機材の使用となるため、発生する料金も異なってくる。
【0024】
本発明では、機器を統合的に操作する操作パネルにて、精米の精米設定のデータを、洗米炊飯機の炊飯設定に利用し、及び、各機器を使用する料金を合算して支払う料金装置を備えた精米・洗米炊飯機システムとすることで対応する。さらにはICT技術を備えることで情報を広域で管理し、また利用者の携帯端末へデータ送信することで、利便性をさらに高めるものとする。
【0025】
本発明の背景を説明する。
【0026】
昨今のグルメ志向や健康志向が高める中、単一の米品種ではなく、いろいろな米を混ぜ合わせたブレンド米へのニーズが高まっている。コシヒカリやアキタコマチ等の品種の違うものを組み合わせたり、同じ品種でも産地の違うものの組み合わせや、生産年度の異なるものの組み合わせもある。
【0027】
そこで玄米タンクを備え、ここに付加価値のある玄米を保管しておき、玄米ごと購入して精米していただくことができる。ユーザーの持ち込み玄米も投入することができることで、保管玄米と持ち込み玄米とのブレンドも可能となる。
【0028】
図1の模式図で、本発明の精米炊飯機システムを説明する。
【0029】
ここでは3種類の玄米タンクと精米機と洗米炊飯機を各1台備えた構成である。タンク10には、コシヒカリ玄米12が保管されており、回転制御が可能な繰り出しバルブ11がタンク10の底にあり、繰り出しバルブ11はインバータモータにて制御され、回転数制御によって排出能力を決定できる。
【0030】
同様な構成であるがタンク20には、アキタコマチ玄米22が保管されており、回転制御が可能な繰り出しバルブ21がある。タンク30には、ヒトメボレ玄米32が保管されており、回転制御が可能な繰り出しバルブ31がある。なお品種については参考で記載したものである。
【0031】
回転制御が可能な繰り出しバルブ11、21、31の下方には、繰り出された玄米を搬送する搬送装置40がある。この搬送装置40はエレベータ50のホッパ51に排出される。
【0032】
ユーザーが持ち込こんだ米は、玄米投入ホッパ91から投入され、エレベータ90で搬送される。玄米投入ホッパ91には、ホッパ口92があり、開度調整をモータで行うようになっている。ホッパ口92の開度と張込能力の関係は、あらかじめ基準となる能力が設定してある。
【0033】
エレベータ50は、精米機60に玄米を投入するものであるが、ホッパ51内にて、タンク10、20、30から排出された玄米と、ユーザーが持ち込んだ玄米を混合することができる。ホッパ51は容量が大きく、精米機の精米能力と、玄米タンク10~30の排出能力とエレベータ90の張込能力との差を調整する役目をなしている。精米機の精米能力が低くなっている場合は、ホッパ口52の開度が狭くなり、ホッパ51に溜めこむようになる。
【0034】
混合した玄米は、精米機60に投入される。精米機の搗精度は、精米機の排出口に備える圧迫板61の開度による抵抗度合いと、回転軸62の回転数、精米エレベータ50の投入能力によって制御される。
【0035】
炊飯エレベータ70は、精米された米を炊飯機80に投入するものである。炊飯機は上方に精米された米を保管する貯米庫81を備える。この貯米庫の下方には繰り出し用のロータリバルブ82があり規定量を繰り出すことができる。繰り出された米は洗米部83内で洗米される。所定回数の洗米を終えると、炊飯に必要な水を含め炊飯機84に排出される。炊飯機84の蓋は自動開閉され、洗米された米は自動で投入され、所定時間を経過すると自動で炊飯が開始される。
【0036】
図2では、精米炊飯機システムの各機材の繋がりをブロック図で示しており、本発明の料金システムまでの流れを説明する。
【0037】
図1の繰り出しバルブ11、21、31を制御するモータは、SS50、SS51、SS52で示されている。またユーザーが持ち込こんだ米を搬送するエレベータ90のホッパ口92のシャッタモータSS55、精米機モータSS53、精米機圧迫板モータSS54は、精米機CPU SS56にて動作について指示がなされる。
【0038】
精米機CPU SS56は、データ通信を行い、洗米炊飯機CPU SS60の作動設定の指示を行う。精米が終了した場合は、その時間より貯米庫のロータリバルブ82を作動させて洗米部83にある洗米モータSS61の制御と、洗米に必要な水の投入を行う。本実施例ではマイクロバブル発生装置SS62を備えており、ユーザーの設定に応じて通常の水道水とマイクロバブル水を使い分けできる。炊飯機84の炊飯条件設定SS63も、洗米炊飯機CPU SS60の指示によって設定される。
【0039】
精米・洗米炊飯機操作部SS70は、ユーザーが一連の機材を一括で設定操作できる総合操作部である。ブレンド米の含有量の設定、精米の搗精度の設定、洗米時間の設定、マイクロバブル水の利用、炊飯条件の確認ができるようになっている。この一カ所の操作部で各機器を一括で管理できるため、これらの機器の使用料金も一括管理できるようになっている。設定された条件に基づく機器の使用料金と、玄米購入の場合はその代金を加味して、精米・洗米炊飯機精算部SS71で料金が演算される。料金の支払いは、現金SS72、電子マネーSS73、各種のカードSS74で支払い可能である。
【0040】
また精米機CPU SS56は、通信システムSS80を有しており、クラウドコンピューティングSS81に情報共有している。このシステムによってユーザーが持つ携帯端末SS82、SS83に情報を送ることが可能である。ユーザーは専用のソフトを携帯端末に入れることで、現在、作業している精米・洗米炊飯機の稼働状況を確認することができる。現在は炊飯中で、仕上がりまでに20分かかるとかが、わかるようになる。またクラウドコンピューティングSS81で情報共有しているため、周辺の同一システムの情報も得ることが可能であり、隣町の同列の精米・洗米炊飯機では空きがあるとか、保有している玄米の品種がわかるため、広域範囲での活用がなされる。このクラウドコンピューティングSS81で情報共有することは、精米の空きを見つけることも可能であり、周辺のコイン精米機の利用拡大になる。専用アプリで予約システム機能を設定できるようにすれば、予約された時刻に携帯端末にメール送信することで、予約の確実な対応も可能となる。
【0041】
図2は一例であり、クラウドコンピューティングSS81に接続する精米機CPUは多数あり、携帯端末も多数つながっている状態のネットワークが形成される。
【0042】
図3にて、本発明のブレンド率の設定について説明する。
【0043】
精米・洗米炊飯機操作部SS70にてブレンド精米の設定SS1を行うが、ブレンド精米を行わず、ユーザーが持ち込こんだ米のみの精米の場合は、SS2からSS3への流れとなる。
【0044】
ブレンド精米を選択するとSS4、SS6、SS8の設定を行うことで、精米炊飯機システム内に保管されている玄米よりブレンド率の設定量によって、各タンクからの排出量が決定される。また、SS10のホッパ張込の張込能力設定は、ユーザーが持ち込こんだ米とのブレンドを意味するものである。
【0045】
前述の内容にて、ブレンド精米のブレンド率の設定と制御について説明する。
【0046】
幾種類かをブレンドする場合に、いろいろな米の混合の割合を違えたい、しかし均一に混合し混合ムラが無いようにしたい等のニーズがある。例えば30kgの総重量を希望しているが、コシヒカリが50%、アキタコマチが25%、ヒトメボレが25%の割合を希望している場合でも、各玄米タンクからの排出を同じ速度で行うと、各品種は33%の割合で混合されて希望する混合割合にはならない。さらにユーザーの持ち込み玄米が30kgあり、これを均一に混合した精米を行う希望があった場合では、ユーザーの感に頼ってホッパ張込していただかなくてはならなかった。本発明の目的は、ユーザーからの持ち込み玄米も含めてブレンド精米できる点にあり、その制御として各タンクに備わるロータリバルブの繰り出し量の制御と、ホッパ張込装置のホッパ開度、張込用エレベータの回転数制御によるものである。
【0047】
ユーザーからの持ち込み玄米と、精米炊飯機システム内に保管されている玄米とをブレンド精米する内容を説明する。
【0048】
ユーザーからの持ち込み玄米がある場合は、ブレンド精米を行うかどうかの設定SS1の時に、ユーザーの持ち込み玄米量重量を入力するSS1Aの設定が必要である。その上でSS4、SS6、SS8の各タンクのブレンド率設定を行う。
【0049】
精米機CPUのSS56では、精米機の精米能力、ユーザーの持ち込み玄米量重量、精米炊飯機システム内に保管されている玄米のブレンド率より、最終的な精米総重量を演算する。ユーザーは、総重量と精米料金を確認してブレンド精米を開始することになる。しかし、総重量に不備がある場合は総重量を修正することになる。この場合は、精米炊飯機システム内に保管されている玄米のブレンド率を低下させることで、総重量を合わせ込む制御を行う制御を主体とする。また別の制御としては、総重量が満たされた場合にユーザーの持ち込み玄米量を制限して、ホッパのシャッタを自動で閉じて玄米で残すことも可能である。
【0050】
これより説明する例は、総重量とユーザーの持ち込み玄米量重量を入力するSS1Aが終了した段階の説明をする。
【0051】
仕上がり総重量30kgであり、タンク1のブレンド率設定SS4を10%、タンク2のブレンド率設定SS6を15%、タンク3のブレンド率設定SS8を25%、ユーザーの持ち込み玄米のホッパ張込のブレンド率設定SS10を50%とした場合である。
タンク1の繰り出し量決定SS5は、3kg(30×0.1)
タンク2の繰り出し量決定SS7は、4.5kg(30×0.15)
タンク3の繰り出し量決定SS9は、7.5kg(30×0.25)
の重量配分となる。
【0052】
これに均一に混合して精米するために、エレベータ90のホッパ口92の開度を調整して、エレベータ90への張込能力を調整する制御を行う。30kgの精米時間が5分と算出されば、5分で均一に各玄米が取り込まれるように、6(kg/分)の性能を分散させることになる。
【0053】
これによって最終的な繰り出し能力が決定され、
タンク1の繰り出し量決定SS5は、繰り出しバルブ11を0.6(kg/分)
タンク2の繰り出し量決定SS7は、繰り出しバルブ21を0.9(kg/分)
タンク3の繰り出し量決定SS9は、繰り出しバルブ31を1.5(kg/分)
ホッパシャッタの開度・エレベータの回転数設定SS11は、張込能力3(kg/分)と設定される。ホッパシャッタの開度・エレベータの回転数は、あらかじめ張込能力に適合した値が登録されており、この値に設定される。
【0054】
この事例のように、精米機の精米能力を基準に精米時間を算出し、算出した精米時間内に、各玄米が均等に混合するように、設定されたブレンド率に適応した玄米タンクからの繰り出し量、玄米投入するホッパ張込からの張込能力を決定し、各モータを制御する。
【0055】
ブレンドした玄米を精米した米を炊飯する場合、各種のブレンド量、精米の搗精度により米の浸漬時間を自動設定する機能について説明する。
【0056】
図3のように、各ブレンド率の設定が終わると、搗精度の設定SS12を行う。この搗精度の値は、炊飯の浸漬時間に影響を及ぼすため、炊飯終了まで保管される設定データとなる。搗精度が低い、歩付が小さい場合は、米糠層が多く残っており、浸漬時間を長くした方が良い。またブレンド精米した場合は、最も多い品種が基準となる。一般的には粒径の大きい品種は浸漬時間をやや長めにする方が良い。品種による基準データはあらかじめ登録されており、外気温度や炊飯量によって補正することも可能である。
【0057】
このように浸漬時間の演算SS17は、浸漬時間の補正SS18を行いユーザーへの承認SS20を行う。ユーザーはこの値を見て、修正する必要があれば手動で浸漬時間の変更SS22を行うことも可能である。
【0058】
【0059】
ブレンド米設定SS31、搗精度の設定SS34、洗米炊飯の設定SS36、その他の拡張機能の設定SS40があり、それに見合った料金の算出を行う模式図である。
【0060】
ブレンド精米を行う場合は、品種によって単価が異なるため、単価読み出しSS32にて、玄米の買取りの料金と精米の料金を足し合わせて、ブレンド米の精算SS33を算出。
【0061】
搗精度の精算SS35は、搗精度にかかわらず一定料金の場合もあるが、部品の摩耗等を考慮し、搗精度の設定で料金を変更することもできる。
【0062】
洗米炊飯機の精算SS39では、浸漬時間の演算SS37が課題となる。浸漬時間が長いとその時間は、機械を使用したことになり料金として加算する計算をする。炊飯時間も長めになる場合は料金を加算する必要がある。
【0063】
その他の設定では、洗米時間の補正SS41やマイクロバブル水SS42の利用がある。長めに洗米することは可能であるが、これも時間が長くなり追加料金としたり、研ぎ水の糠の洗浄力ではマイクロバブル水が良く洗浄できる。このマイクロバブル水を利用する場合は追加料金とする等、その他の項目の精算SS43が設定される。このような流れで、料金の演算SS44が行われる。精算はSS45の設定で、現金でも電子マネーやカードでも対応でき、SS46の確認機能にて携帯端末での決済も可能とする。
【0064】
ユーザーとしては、玄米購入から炊飯に至る内容までの料金を一括で支払いできるため利便性は高いシステム機能である。
【0065】
図5は、本発明の拡張機能で、ランドリー設備を併設するものである。
【0066】
精米、炊飯までの行程では1時間を超える場合もあり、この間に洗濯することも十分に可能である。洗濯機SS91、衣類乾燥機SS92、ランドリー設備SS93を精米・洗米炊飯機操作部SS70で操作し、これらの利用料金も一括で支払うことで、システムの利便性を高める。
【0067】
図6では、炊飯行程を行わず精米を持ち帰る場合である。精米受けホッパ100より、ユーザーは袋101で精米を取り出すこともできる。
【符号の説明】
【0068】
11 繰り出しバルブ(タンク1)
21 繰り出しバルブ(タンク2)
31 繰り出しバルブ(タンク3)
60 精米機
80 洗炊飯機
90 エレベータ(ユーザー持ち込み玄米用)
SS4、SS6、SS8、SS10 ブレンド率設定
SS44 精算機の料金設定
SS55 ホッパ張込シャッタモータ
SS81 クラウドコンピューティング