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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066260
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/16 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
G01B11/16 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175734
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】505398963
【氏名又は名称】西日本高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501497264
【氏名又は名称】西日本高速道路エンジニアリング四国株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 風時
(72)【発明者】
【氏名】中村 和博
(72)【発明者】
【氏名】風戸 崇之
(72)【発明者】
【氏名】林 詳悟
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 謙治
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA52
2F065AA65
2F065CC11
2F065CC40
2F065FF01
2F065FF02
2F065FF04
2F065FF08
2F065FF09
2F065FF67
2F065GG04
2F065GG16
2F065HH05
2F065HH12
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065MM06
2F065MM07
2F065PP22
2F065QQ13
(57)【要約】
【課題】走行中の車両において路面のたわみ量を測定する。
【解決手段】測定装置は、前記車両の進行方向の前後に配置された複数の測定部であって、各々の測定部は、前記車両の走行中に、光切断法により路面の形状を測定し、一の測定部は、載荷状態の路面を測定し、他の測定部は、載荷状態でない路面を測定する複数の測定部と、前記複数の測定部による測定結果の差分を、たわみ量として算出する算出部と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられる測定装置において、
前記車両の進行方向の前後に配置された複数の測定部であって、各々の測定部は、前記車両の走行中に、光切断法により路面の形状を測定し、一の測定部は、載荷状態の路面を測定し、他の測定部は、載荷状態でない路面を測定する複数の測定部と、
前記複数の測定部による測定結果の差分を、たわみ量として算出する算出部と、
を含む測定装置。
【請求項2】
前記一の測定部は、前記車両の後輪の前後に配置された測定部であって、前記後輪の接地位置の前後の路面の形状を測定する請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記算出部は、
載荷状態でない路面を測定する測定部による測定結果から、路面の外側線側の車輪、及び中央線側の車輪の各位置について相対的な高さを表すプロファイルデータを取得し、
載荷状態の路面を測定する測定部による測定結果から、前記路面の外側線側の車輪、及び前記中央線側の車輪の各位置について前記プロファイルデータを取得し、
走行速度と、前記測定装置の設置間隔とから、時間間隔を求め、前記時間間隔で、前記路面の外側線側の車輪の位置についての前記プロファイルデータの差分、及び前記中央線側の車輪の位置についての前記プロファイルデータの差分を、前記たわみ量として算出し、
車両の位置を測定する測位装置による測位結果と、前記たわみ量とを紐づけて記録する請求項1記載の測定装置。
【請求項4】
前記測定部が、スリットレーザ発振器の照射により路面に形成されるマーカーを、斜め方向から撮影して路面の形状を測定する請求項1~請求項3の何れか1項記載の測定装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
舗装の損傷は、表面状態の評価(路面性状)と構造体としての耐力(健全性)の2つで評価している。このうち、健全性については、重錘を落下させることで瞬間的に生じる路面たわみ量から評価(推定)するFWDによるたわみ測定が一般的である。
【0003】
また、移動車両による路面の測定方法が知られている。例えば、光切断法の撮影手段で、走行面撮影手段を介し、走行路の縦断方向に沿って撮影し、路面プロフィル生成手段を介し、撮影画像情報、傾斜情報及び移動情報に基づき、傾斜情報を用いて撮影画像情報の傾きを補正した補正画像情報を生成した上で、移動情報を用いて補正画像情報を配列し、重複した領域の画像内容から走行面撮影手段の上下動情報を特定し、補正画像情報の一部を切り出して抽出画像情報を生成し、補正画像情報から上下動情報を用いて補正画像の高さを補正しながら、抽出画像情報を順次配列し、結合して路面プロフィルを生成する装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2014/170989
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のFWDによるたわみ測定ではその地点の評価となり、道路進行方向に連続して測定することができない。また、静止状態で測定する必要があることから、車線規制を伴うなどの課題がある。
【0006】
上記特許文献1では、移動車両において光切断法に基づく測定を行っているが、路面のたわみ量を測定することは開示されていない。
【0007】
そこで、本発明は、走行中の車両において路面のたわみ量を測定することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、車両に取り付けられる測定装置において、前記車両の進行方向の前後に配置された複数の測定部であって、各々の測定部は、前記車両の走行中に、光切断法により路面の形状を測定し、一の測定部は、載荷状態の路面を測定し、他の測定部は、載荷状態でない路面を測定する複数の測定部と、前記複数の測定部による測定結果の差分を、たわみ量として算出する算出部と、を含む測定装置である。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記算出部は、載荷状態でない路面を測定する測定部による測定結果から得られる、相対的な高さを表すプロファイルデータから、路面の外側線側の車輪、及び中央線側の車輪の各位置について値を取得し、載荷状態の路面を測定する測定部による測定結果から得られる、前記プロファイルデータから、前記路面の外側線側の車輪、及び前記中央線側の車輪の各位置について値を取得し、走行速度と、前記測定装置の設置間隔とから、時間間隔を求め、前記時間間隔で、前記路面の外側線側の車輪の位置についての値の差分、及び前記中央線側の車輪の位置についての値の差分を、前記たわみ量として算出し、車両の位置を測定する測位装置による測位結果と、前記たわみ量とを紐づけて記録する。
【0010】
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様において、前記測定部が、スリットレーザ発振器の照射により路面に形成されるマーカーを、斜め方向から撮影して路面の形状を測定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、走行中の車両において路面のたわみ量を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】測定装置を示す機能ブロック図である。
図2】測定装置の一部の構成要素が組み込まれた車両の側面図である。
図3】実施形態に適用される光切断法を説明する斜視図である。
図4】測定装置の算出部を示す機能ブロック図である。
図5】測定装置による測定処理ルーチンを示すフローチャートである。
図6】連続して算出されたたわみ量を表すたわみ曲線の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明に係る測定装置の実施の形態について説明する。
【0014】
(測定装置の構成)
図1は、測定装置100を示す機能ブロック図である。
【0015】
図2は、測定装置100の一部の構成要素が組み込まれた車両1の側面図である。
【0016】
測定装置100は、車両1に設けられた第1測定部2A、第2測定部2B-1、2B-2と、測位部11と、検出部12と、車両1の外部に設けられた各機能部とから構成される。車両1の外部に設けられた各機能部は、制御部10と、算出部13と、記憶部101と、表示部102と、入力部103とで構成される。制御部10、算出部13、記憶部101、表示部102、及び入力部103は、パーソナルコンピュータのハードウェア及びソフトウェアで構成される。
【0017】
制御部10は、上記パーソナルコンピュータ内で行われる各処理を制御する。
【0018】
車両1に設けられた第1測定部2Aで測定されたデータ、第2測定部2B-1、2B-2で測定されたデータ、測位部11で測定されたデータ、検出部12で検出されたデータは、記憶媒体を介して、あるいはインターネットなどの情報通信手段を介して、上記パーソナルコンピュータに取り込まれる。なお、制御部10、算出部13、記憶部101、表示部102、及び入力部103の一部あるいはすべてを車両1に搭載する実施形態も可能である。
【0019】
車両1は、例えば道路維持作業に用いられる作業用トラックをベースとする作業車両である。
【0020】
第1測定部2Aは、車両1の後輪より前方の底面(例えば、前輪(2軸)と後輪との間の中央部の底面)に、路面4に対面するよう設けられる。
【0021】
第2測定部2B-1、2B-2は、車両1の後輪の前後の底面に、路面4に対面するよう設けられる。
【0022】
第1測定部2Aは、スリットレーザ発振器の照射により路面に形成されるマーカーを、斜め方向から撮影して、載荷状態でない路面の形状を測定する。具体的には、第1測定部2Aは、路面4の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置について、路面4の進行方向各位置の高さを測定する。路面4の進行方向各位置の高さは、光切断法を用いて取得される。ここで、「載荷状態でない路面」とは、車輪による輪荷重応力の影響範囲外における路面である。
【0023】
第2測定部2B-1、2B-2は、路面4の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置について、スリットレーザ発振器の照射により路面に形成されるマーカーを、斜め方向から撮影して、載荷状態である路面の形状を測定する。具体的には、第2測定部2Bは、路面4の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置について、後輪の接地位置の前後の路面4の進行方向各位置の高さを測定する。路面4の進行方向各位置の高さは、光切断法を用いて取得される。ここで、「載荷状態である路面」とは、車輪による輪荷重応力により変形した路面である。
【0024】
具体的には、第1測定部2Aは、第1スリットレーザ発振器21Aと、第1撮影部22Aとを含んで構成される。
【0025】
図3は実施形態に適用される光切断法を説明する斜視図である。
【0026】
第1スリットレーザ発振器21Aは、スリットレーザを発振する。第1スリットレーザ発振器21Aは、車両1の進行方向41に対して平行となるスリット状のスリットレーザを、路面に対して垂直に上方から照射できるように車両1に取り付けられている。路面上には、スリットレーザの照射によって、路面の進行方向に平行な線状のマーカー42が形成される。
【0027】
第1撮影部22Aは、線状のマーカー42が撮影エリア内に収まるように、路面に対して斜めな方向から撮影できるように車両1に取り付けられている。
【0028】
したがって光切断法の原理にしたがい、第1撮影部22Aは、路面の進行方向に沿って路面が平坦であれば、線状のマーカー42を直線として撮影し、路面の進行方向に沿って路面に凹凸があれば、線状のマーカー42を凹凸がある歪んだものとして撮影する。
【0029】
また、第2測定部2Bは、第1測定部2Aと同様に、第2スリットレーザ発振器21Bと、第2撮影部22Bとを含んで構成される。第2スリットレーザ発振器21B及び第2撮影部22Bは、第1スリットレーザ発振器21A及び第1撮影部22Aと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0030】
測位部11は、たとえばGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いて、車両1の走行位置を測定する。
【0031】
検出部12は、例えば、車速センサを用いて、車両1の走行速度を検出する。
【0032】
算出部13は、第1測定部2A、第2測定部2Bによる測定結果の差分を、たわみ量として算出する。
【0033】
具体的には、算出部13は、図4に示すように、プロファイル測定部131、値取得部132、差分算出部133、記録部134、及び評価部135を備えている。
【0034】
プロファイル測定部131は、第1測定部2Aによって線状のマーカー42を撮影したデータに基づいて路面の進行方向各位置の相対的な高さを表すプロファイルデータを生成する。また、プロファイル測定部131は、第2測定部2B-1、2B-2によって線状のマーカー42を撮影したデータに基づいて路面の進行方向各位置の相対的な高さを表すプロファイルデータを生成する。
【0035】
具体的には、以下の通り、1単位の撮影画像から、路面プロフィルの生成材料となる、第1撮影部22Aの進行方向の相対的な上下動情報を生成する。
【0036】
まず、第1撮影部22Aによって撮影された撮影画像を、第1撮影部22Aの傾斜情報を用い、予め定められた特定の角度から撮影した状態の補正画像に補正することにより、各撮影画像を基準角度から撮影した状態に補正する。
【0037】
補正画像に含まれるマーカー42の進行方向の各位置の、進行方向と直交する方向の位置ずれから、補正画像を撮影した第1撮影部22Aの進行方向の相対的な高さ変位を算出し、第1撮影部22Aの進行方向の相対的な上下動情報を生成する。
【0038】
そして、各撮影画像から生成された、第1撮影部22Aの進行方向の相対的な上下動情報を順次配列し、結合してプロファイルデータを生成する。
【0039】
また、以下の通り、1単位の撮影画像から、路面プロフィルの生成材料となる、第2撮影部22Bの進行方向の相対的な上下動情報を生成する。
【0040】
まず、第2撮影部22B-1、第2撮影部22B-2によって撮影された撮影画像を、第2撮影部22B-1、第2撮影部22B-2の傾斜情報を用い、予め定められた特定の角度から撮影した状態の補正画像に補正することにより、各撮影画像を基準角度から撮影した状態に補正する。また、第2撮影部22B-1、第2撮影部22B-2の補正画像を連結した連結補正画像を生成する。
【0041】
連結補正画像に含まれるマーカー42の進行方向の各位置の、進行方向と直交する方向の位置ずれから、連結補正画像を撮影した第2撮影部22B-1、第2撮影部22B-2の進行方向の相対的な高さ変位を算出し、第2撮影部22B-1、第2撮影部22B-2の進行方向の相対的な上下動情報を生成する。
【0042】
そして、各撮影画像から生成された、第2撮影部22B-1、第2撮影部22B-2の進行方向の相対的な上下動情報を順次配列し、結合してプロファイルデータを生成する。
【0043】
値取得部132は、載荷状態でない路面を測定する第1測定部2Aにおいて光切断法による形状計測で得られたプロファイルデータを、路面の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置について取得する。
【0044】
また、値取得部132は、載荷状態の路面を測定する第2測定部2Bにおいて光切断法による形状計測で得られたプロファイルデータを、路面の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置について取得する。
【0045】
差分算出部133は、検出部12によって検出された走行速度と、第1測定部2A、第2測定部2Bの間隔から、時間間隔を求め、その時間間隔で、路面の外側線側の車輪OWPの位置の2つのプロファイルデータの差分を、たわみ量として算出し、車輪IWPの位置の2つのプロファイルデータの差分を、たわみ量として算出する。
【0046】
記録部134は、路面の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置について算出されたたわみ量を、GPSでの測位結果と紐づけて記憶部101に記録する。
【0047】
これにより、記憶部101に、路面の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置(各測線)について連続して算出されたたわみ量が記憶される。
【0048】
評価部135は、路面の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置(各測線)について連続して算出されたたわみ量を表すたわみ曲線から、舗装健全度の評価値を算出する。例えば、たわみ量が閾値以上となる箇所が多いほど、舗装健全度が低くなるように評価値を算出する。
【0049】
(測定装置の動作)
次に、図5に基づき、上記の測定装置100の動作について説明する。
【0050】
まず、測定装置100を搭載する車両1、具体的には、例えば、日常の巡回作業等に供されるパトロール車両で路面4上を走行させ、入力部103により、測定の開始が指示される。
【0051】
測定が開始されると、第1測定部2Aは、各時刻について、第1スリットレーザ発振器21Aの照射により路面に形成されるマーカー42を、斜め方向から撮影して路面の形状を測定し、記憶部101に格納する。
【0052】
第2測定部2Bは、各時刻について、第2スリットレーザ発振器21Bの照射により路面に形成されるマーカー42を、斜め方向から撮影して路面の形状を測定し、記憶部101に格納する。
【0053】
測位部11は、各時刻について、例えばGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いて、車両1の走行位置を測定し、記憶部101に格納する。
【0054】
検出部12は、各時刻について、例えば、車速センサを用いて、車両1の走行速度を検出し、記憶部101に格納する。
【0055】
プロファイル測定部131は、路面4の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置に対し、各時刻について、第1測定部2Aによって線状のマーカー42を撮影したデータに基づいて路面の進行方向各位置の相対的な高さを表すプロファイルデータを生成し、記憶部101に格納する。
【0056】
また、プロファイル測定部131は、路面4の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置に対し、各時刻について、第2測定部2Bによって線状のマーカー42を撮影したデータに基づいて路面の進行方向各位置の相対的な高さを表すプロファイルデータを生成し、記憶部101に格納する。
【0057】
そして、測定装置100は、図6に示す測定処理を実行する。
【0058】
ステップS100において、値取得部132は、第1測定部2Aについての路面4の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置に対して生成されたプロファイルデータを取得する。
【0059】
ステップS102において、値取得部132は、第2測定部2Bについての路面4の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置に対して生成されたプロファイルデータを取得する。
【0060】
ステップS104において、値取得部132は、各時刻の車両1の走行位置を取得する。
【0061】
ステップS106において、差分算出部133は、各時刻について、走行速度と、第1測定部2A、第2測定部2Bの間隔から、時間間隔を算出する。
【0062】
ステップS108において、差分算出部133は、各時刻について、上記ステップS106で算出された時間間隔で、路面の外側線側の車輪OWPの位置の2つのプロファイルデータの差分を、たわみ量として算出し、車輪IWPの位置の2つのプロファイルデータの差分を、たわみ量として算出する。
【0063】
ステップS110において、記録部134は、各時刻について、路面の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置について算出されたたわみ量を、GPSでの測位結果と紐づけて記憶部101に記録する。
【0064】
ステップS112において、評価部135は、路面の外側線側の車輪OWP、中央線側の車輪IWPの各位置(各測線)について連続して算出されたたわみ量を表すたわみ曲線から、舗装健全度の評価値を算出し、表示部102に表示し、測定処理を終了する。例えば、図6に示すように、たわみ量が閾値以上となる箇所が多いほど、舗装健全度が低くなるように評価値を算出する。図6では、路面の外側線側の車輪OWPについて連続して算出されたたわみ量を表すたわみ曲線では、たわみ量が大きい箇所があり、当該路面の舗装健全度の評価値が低く算出される例を示している。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係る測定装置100によれば、車両の進行方向の前後に配置された一の測定部は、載荷状態の路面を測定し、他の測定部は、載荷状態でない路面を測定し、測定部による測定結果の差分を、たわみ量として算出することにより、走行中の車両において路面のたわみ量を測定することができる。
【0066】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 車両
2A 第1測定部
2B 第2測定部
4 路面
10 制御部
11 測位部
12 検出部
13 算出部
21A 第1スリットレーザ発振器
21B 第2スリットレーザ発振器
22A 第1撮影部
22B 第2撮影部
42 マーカー
100 測定装置
101 記憶部
131 プロファイル測定部
132 値取得部
133 差分算出部
134 記録部
135 評価部
図1
図2
図3
図4
図5
図6