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▶ オリ・ソリューション・オサケユフティオの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066261
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】オルトラジアル誘導発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/08 20060101AFI20240508BHJP
   H02K 5/173 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H02K7/08 B
H02K5/173 B
H02K7/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022175736
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】522428841
【氏名又は名称】オリ・ソリューション・オサケユフティオ
【氏名又は名称原語表記】Ori Solution Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルデン,レイヨ
(72)【発明者】
【氏名】ヤルヴィネン,ヤルモ
(72)【発明者】
【氏名】ベルントソン,ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】メラー,ミカ
【テーマコード(参考)】
5H605
5H607
【Fターム(参考)】
5H605BB02
5H605BB14
5H605CC04
5H605EB02
5H605EB24
5H607BB02
5H607BB25
5H607GG02
5H607GG15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新規なオルトラジアル誘導発電機を提供する。
【解決手段】発電機(10)は、ロータ(50)と、ロータ(50)の回転に応じてロータ(50)の回転軸(X)の周りを回転するように配置された少なくとも1つの磁気ブリッジ要素(51)と、移動する磁気ブリッジ要素(51)の影響範囲において、インダクタンスユニット(61)に対する磁気ブリッジ要素(51)の相対的な移動に応じて起電力を誘導するための少なくとも1つのインダクタンスユニットと、ロータ(50)を動作させるためにロータ(50)へ流体流を搬送するための少なくとも1つの流路ユニット(40)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのロータ(50)と、
前記ロータ(50)の回転に応答して、前記ロータ(50)の回転軸(X)の周りを回転するように配置された少なくとも1つの磁気ブリッジ要素(51)と、
少なくとも1つのインダクタンスユニット(61)であって、前記インダクタンスユニット(61)に対する前記磁気ブリッジ要素(51)の相対的な移動に応じて起電力を誘導するために、移動する前記磁気ブリッジ要素(51)の影響範囲(G2)にインダクタンスコイル(61a)と磁気要素(61b)とを有する、少なくとも1つのインダクタンスユニット(61)と、
前記ロータ(50)を動作させるために前記ロータ(50)に流体流を搬送するための少なくとも1つの流路ユニット(40)と、を備え、
前記ロータ(50)は、浮動軸受(floating bearing)方式で前記流路ユニット(40)に対して相対的に回転するように配置されている、発電機(10)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記磁気ブリッジ要素(51)が前記ロータ(50)に配置されている、請求項1に記載の発電機。
【請求項3】
前記流路ユニット(40)と前記ロータ(50)とは共通の軸方向(X)を有し、前記流路ユニット(40)と前記ロータ(50)とは、前記軸方向(X)に実質的に連続して配置されている、請求項1または2に記載の発電機。
【請求項4】
前記インダクタンスユニット(61)は、前記発電機(10)において静止している(stationary)、請求項3に記載の発電機。
【請求項5】
前記ロータ(50)は、前記発電機(10)が使用されていないときには前記流路ユニット(40)上に載っており、前記発電機(10)が動作しているときには前記流路ユニット(40)に対して浮くように配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項6】
前記流路ユニット(40)は、少なくとも1つの流路(44)を備え、
少なくとも1つの前記流路(44)は、少なくとも1つの流体流を前記流路ユニット(40)と前記ロータ(50)との間に搬送し、前記流路ユニット(40)と前記ロータ(50)との間に圧力効果を生じさせて、前記流路ユニット(40)と前記ロータ(50)の軸方向(X)において、前記ロータ(50)を前記流路ユニット(40)から離れるように押し出し、これにより、前記ロータ(50)を前記流路ユニット(40)に対して実質的に摩擦のない状態で回転可能にするために、前記流路ユニット(40)と前記ロータ(50)との間にギャップ(G1)が配置され、
前記流路ユニット(40)は、前記ロータ(50)を回転させるための少なくとも1つの流体流を前記ロータ(50)に搬送する少なくとも1つの流路(46)を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項7】
前記流路ユニット(40)が、少なくとも1つの第1入口流路(43)および少なくとも1つの第2入口流路(45)を備え、
少なくとも1つの前記第1入口流路(43)は、少なくとも1つの流体流を搬送して前記流路ユニット(40)と前記ロータ(50)との間に前記圧力効果を生じさせる少なくとも1つの前記流路(44)に流体流を搬送するように配置され、
少なくとも1つの前記第2入口流路(45)は、前記ロータ(50)を回転させるために、少なくとも1つの流体流を前記ロータ(50)に搬送する少なくとも1つの前記流路(46)に流体流を搬送するように配置されている、請求項6に記載の発電機。
【請求項8】
前記ロータ(50)は、少なくとも部分的に前記流路ユニット(40)を囲むように配置されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項9】
前記流路ユニット(40)は、前記流路ユニット(40)の軸方向(X)において、第1端部(40a)と第2端部(40b)とを有し、
前記ロータ(50)は、前記ロータ(50)の軸方向(X)において、前記流路ユニット(40)の方向を向いた第1端部(50a)と前記流路ユニット(40)から離れる方向を向いた第2端部(50b)とを有し、
前記ロータ(50)の前記第1端部(50a)には、前記流路ユニット(40)の前記第2端部(40b)を受け入れるように配置された開口部(54)が設けられており、前記ロータ(50)は、前記流路ユニット(40)および前記ロータ(50)の軸方向(X)において、前記流路ユニット(40)の前記第2端部(40b)に、前記流路ユニット(40)を部分的に囲むように配置されている、請求項8に記載の発電機。
【請求項10】
前記流路ユニット(40)は、前記ロータ(50)に向かって開口しているチャンバ(42)を備え、
前記ロータ(50)は、前記開口部(54)において、前記ロータ(50)の前記第2端部(50b)から前記開口部(54)に向かって延在する延在部(55)を備え、
前記流路ユニット(40)の前記チャンバ(42)は、前記延在部(55)が前記チャンバ(42)内に挿入されると、前記ロータ(50)の前記延在部(55)を少なくとも部分的に収容するよう配置されている、請求項9に記載の発電機。
【請求項11】
前記流路ユニット(40)における前記チャンバ(42)は、第1端部(42a)と第2端部(42b)とを有し、
前記ロータ(50)の前記延在部(55)は、第1端部(50a)と第2端部(50b)とを有し、
前記チャンバ(42)の前記第1端部(42a)と前記延在部(55)の前記第1端部(55a)とは、前記延在部(55)が前記チャンバ(42)内に挿入されると、互いに向き合うよう配置され、
少なくとも1つの流体流を搬送して前記流路ユニット(40)と前記ロータ(50)との間に圧力効果を生じさせる少なくとも1つの流路(44)は、少なくとも1つの流体流の部分を、前記チャンバ(42)の前記第1端部(42a)に配置された少なくとも1つの前記流路(44)の少なくとも1つの出口開口部(44b)を介して、前記チャンバ(42)の前記第1端部(42a)と前記延在部(55)の前記第1端部(55a)との間に搬送するよう配置されている、請求項10に記載の発電機。
【請求項12】
前記ロータ(50)を回転させるために少なくとも1つの流体流を前記ロータ(50)に搬送する少なくとも1つの流路(46)は、前記流路ユニット(40)内で少なくとも部分的に径方向(R)に延在するよう配置されており、前記流路(46)の出口開口部(46b)は、前記流路ユニット(40)の軸方向(X)における前記ロータ(50)の位置で、前記流路ユニット(40)の外周に配置されている、請求項8から11のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項13】
少なくとも1つの前記ロータ(50)は、前記ロータ(50)の径方向(R)に少なくとも部分的に延在する複数のロータ流路(59)を備え、
前記ロータ(50)を回転させるための流体流が前記ロータ流路(59)を流れる、請求項8から12のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項14】
流体流は、空気、蒸気、排ガスおよび液体のうちの少なくとも1つの流れである、請求項1から13のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項15】
流体は、気相、超臨界相、または不均一流体相である、請求項1から14のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載のように構成されたファンまたは換気装置であって、流体流を生成するために記載された特徴を使用する、ファンまたは換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギを生成するための発電機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電機または電動発電機は、オルトラジアル方向の(in ortho-radial manner)機械的な運動エネルギまたは力学的エネルギ(motion energy)を電流に変換する電気機械である。
【0003】
発電機は、ロータと、複数の磁気要素または磁石と、複数のインダクタンスコイルとを備える。磁気要素およびインダクタンスコイルは、様々な方法で発電機内に配置されてもよいが、発電機の動作の基本原理は、少なくとも1つの磁気要素と少なくとも1つと、インダクタンスコイルの少なくとも1つとが互いに相対的に回転され、それによって、ロータの回転時に少なくとも1つの磁気要素によって生じる磁界において少なくとも1つのインダクタンスコイルが回転することに応答して、少なくとも1つのインダクタンスコイルに起電力、すなわち電圧が誘起されるというものである。少なくとも1つのインダクタンスコイルに誘起された電圧は、少なくとも1つのインダクタンスコイルを閉じた電気回路に接続することに応答して、電流を発生させる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、新規なオルトラジアル誘導発電機を提供することである。
【0005】
本発明は、独立請求項の特徴を有するものである。
【0006】
本発明は、流体の流れを利用して発電機のロータを直接動作させるという発想に基づいており、ロータは、浮動軸受方式(floating bearing manner)で流路ユニットに対して相対的に回転するように配置されている。
【0007】
本発明の利点は、溶液の摩擦係数が非常に低いことにより、エネルギの損失を最小限に抑えながら、流体の流れの運動エネルギを発電機のロータの回転運動にストレートに変換するため、発電機の効率の係数が高いことである。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態は、従属請求項に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下では、添付図面を参照して、好ましい実施形態によって本発明をより詳細に説明する。
図1a】発電機を模式的に示す側面図である。
図1b図1aの発電機を模式的に示す上面図である。
図1c図1aおよび図1bの発電機の、図1bの線A-Aに沿った模式的な断面側面図である。
図1d図1aおよび図1bの発電機の、図1aの線B-Bに沿った模式的な断面上面図である。
図2a】ロータおよびインダクタンスユニットの模式的な斜視図である。
図2b図2aによるロータの、模式的な断面側面図である。
図2c】磁気ブリッジ要素と、誘導コイルおよび磁気要素を備えたインダクタンスユニットとを組み合わせた例の模式的な側面図である。
図3a】発電ユニットの流路ユニットの模式的な底面図である。
図3b図3aの流路ユニットの模式的な側面図である。
図3c図3aおよび図3bの流路ユニットの、図3aの線C-Cに沿った模式的な断面側面図である。
図3d図3a~図3cの流路ユニットを斜め上から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
分かりやすくするために、図には、本発明のいくつかの実施形態が簡略化されて示されている。同様の参照数字は、図中の同様の要素を識別する。
【0011】
図1は、発電機10の模式的な側面図であり、図1bは、図1aの発電機10の模式的な上面図であり、図1cは、図1aおよび1bの発電機10における図1bの線A-Aに沿った模式的な断面側面図であり、図1dは、図1aおよび1bの発電機10における、図1aの線B-Bに沿った模式的な断面上面図である。図1a~図1dは、発電機10の1つの可能な実施形態のみを開示しているが、開示された解決策による発電機10の他の実施形態も可能である。発電機10またはその任意の部分の「上」、発電機10またはその任意の部分の「下」、および発電機10またはその任意の部分の「横(側方)」を意味し得る用語は、添付図面における発電機10またはその任意の部分の位置または姿勢のみを示すものであることが、本明細書で通知される。実際に使用する発電機10の位置は、自由に選択することができる。
【0012】
発電機10は、軸方向Xと、軸方向Xにおいて、第1端部10aおよび第2端部10bとを有する。軸方向Xは、発電機10の中心軸も示す。発電機10の径方向Rは、軸方向Xに対して実質的に直交する方向である。発電機10は、フレーム20と、フレーム20に支持された発電ユニット30とを備える。発電ユニット30は、発電機10に供給される少なくとも1つの流体の流れ(流体流)の運動エネルギを電気エネルギに変換するように意図されている。
【0013】
フレーム20は、発電機10の軸方向Xと実質的に一致する軸方向を有している。したがって、フレーム20の軸方向およびフレーム20の中心軸も、参照符号Xで示されることがある。フレーム20は、発電機10の第1端部10aに第1の端板21と、発電機10の第2端部10bに第2の端板22とを備える。したがって、第2の端板22は、発電機10の軸方向Xにおいて第1の端板21から距離を置いている。第1の端板21は、フレーム20の第1端部20aを提供し、図示する発電機10の実施形態においては、発電機10の第1端部10aを提供する。第2の端板22は、フレーム20の第2端部20bを提供し、図示する発電機10の実施形態においては、発電機10の第2端部10bを提供する。
【0014】
フレーム20は、第1の端板21と第2の端板22との間において、軸方向Xに実質的に平行に延びる複数の支持ロッド23、図示する実施形態では合計4本の支持ロッド23、をさらに備えてもよい。支持ロッド23は、第1の端板21、第2の端板22および支持ロッド23によって発電ユニット30を収容するための空間24が設けられるように、第1の端板21と第2の端板とを互いに固定している。
【0015】
発電ユニット30は、発電機10の軸方向Xと実質的に一致する軸方向を有する。したがって、発電ユニット30の軸方向および発電ユニット30の中心軸も、参照符号Xで示されることがある。発電ユニット30は、その軸方向Xにおいて、発電機10の第1端部10aの方を向いた(第1端部10aに面する)第1端部30aと、発電機10の第2端部10bの方を向いた第2端部30bとを有している。発電ユニット30の径方向Rは、軸方向Xに対して実質的に直交する方向である。
【0016】
発電ユニット30は、静止流路ユニット(stationary flow channel unit)40と、複数の磁気ブリッジ要素51を有する回転可能なロータ50と、少なくとも1つの、すなわち1つ以上の静止インダクタンスユニット61と、を備える。流路ユニット40およびロータ50は、発電ユニット30の軸方向Xにおいて互いに実質的に連続して配置されており、図示する実施形態では、ロータ50は、少なくとも部分的に流路ユニット40の周囲に配置されている。しかしながら、ロータ50が流路ユニット40の周囲に少なくとも部分的に配置されていない、他の実施形態も可能である。流路ユニット40は、ロータ50を動作させる、すなわち回転させるために、少なくとも1つの流体流をロータ50に搬送するように配置されている。ロータ50の回転に応答して、ロータ50に配置された少なくとも1つの磁気ブリッジ要素51も、発電ユニット30の中心軸Xを中心とする少なくとも1つの周回経路のそれぞれに沿って回転する。回転するロータ50に伴う少なくとも1つの磁気ブリッジ要素51の回転は、少なくとも1つの静止インダクタンスユニット61に対して回転する磁場を与えるように配置されているので、インダクタンスユニット61に起電力、すなわち、電圧が誘起される。磁気ブリッジ要素51は、強磁性材料または磁気特性を有する他の材料もしくは複合材料などの磁性材料を含む磁気要素、あるいは、磁性材料からなる磁気要素である。好ましくは、磁気ブリッジ要素51は、鉄片、または、他の強磁性材料もしくは強磁性材料を含む複合体の片である。
【0017】
図2cには、インダクタンスユニット61の一例が示されている。2つのインダクタンスコイル61aが磁気要素61bで互いに接続され、磁気ブリッジ要素51の影響範囲G2内に配置されている。磁気要素61bは、磁性材料を含むか、または、磁性材料から構成された磁気要素である。磁性材料は、例えば、強磁性材料、または磁気特性を有する他の材料もしくは複合材料等である。好ましくは、磁気要素61bは、鉄片、または他の強磁性材料もしくは強磁性材料を含む複合体の片である。このように、磁気ブリッジ要素51は、発電ユニット30の回転(移動)構造体上に取り付けられ、インダクタンスユニット61は、発電ユニット30の静止部分に取り付けられている。磁気ブリッジ要素51とインダクタンスユニット61とは、互いからの影響範囲G2内に配置される必要があり、これにより、回転構造体、すなわちロータ50と共に回転する磁気ブリッジ要素51が、インダクタンスユニット61に対して磁気ブリッジ要素51が相対的に移動することに応じて、インダクタンスユニット61内に起電力を誘導することができる。図2aには、磁気ブリッジ要素の配置のいくつかの代替例が参照符号51’で示されている。ここでの重要な特徴は、これらの磁気ブリッジ要素51が、発電機の回転部分にあり、インダクタンスユニット61の近傍G2内にあることである。
【0018】
図2aおよび図2cの実施形態では、インダクタンスユニット61は、ロータ50から距離を置いて実質的にロータ50の隣にあるが、図1aから図1dの実施形態では、インダクタンスユニット61は、発電機10の軸方向において、ロータ50の第2端部50bから距離を置いていることが、本明細書では示される。
【0019】
発電ユニット30は、流路ユニット40(例えば、図1cおよび図3c)の各締結開口部41に挿入された締結ボルト25(例えば、図1c)により、発電機10のフレーム20の第1の端板21に固定されている。また、その他の固定手段を設けてもよい。このように、流路ユニット40は、発電機10のフレーム20に、流路ユニット40が静止するように固定されている。また、インダクタンスユニット61は、インダクタンスユニット61が静止するように、フレーム20に取り付けられている。ロータ50は、ロータ50に流れる流体流に応じて動作するように配置されており、従って、発電ユニット30における唯一の回転部分である。このように、発電ユニット30は、3つの主要な部分、すなわち、流路ユニット40と、少なくとも1つの磁気ブリッジ要素51が配置されたロータ50と、インダクタンスユニット61が固定された静止フレーム20と、から構成されている。これらの部分のうちの2つの部分、すなわち、流路ユニット40と、インダクタンスユニット61を有するフレーム20とは静止している。1つの部分のみ、すなわち、ロータ50のみが回転部分である。次に、流路ユニット40と、ロータ50と、インダクタンスユニット61が固定されたフレーム20との構造、および、発電ユニット30の動作について、より詳細に開示する。
【0020】
図3aは、図1a~図1dの発電ユニット30の流路ユニット40の模式的な底面図、図3bは、図3aの流路ユニット40の模式的な側面図、図3cは、図3aおよび3bの流路ユニット40における、図3aの線C-Cに沿った模式的な断面側面図、図3dは、図3a~図3cの流路ユニット40を斜め上から見た模式図である。流路ユニット40は、発電機10および発電ユニット30の軸方向Xと実質的に一致する軸方向を有している。したがって、流路ユニット40の軸方向および流路ユニット40の中心軸も参照符号Xで示されることがある。流路ユニット40の径方向Rは、軸方向Xに対して実質的に直交する方向である。
【0021】
流路ユニット40は、その軸方向Xにおいて、発電機10の第1端部10aまたは発電機10のフレーム20の第1の端板21の方に向くように意図された第1端部40aを有し、流路ユニット40の第1端部40aは、発電ユニット30の第1端部30aを提供する。さらに、流路ユニット40は、その軸方向Xにおいて、発電ユニット30の第2端部30aまたはロータ50の方に向くように意図された第2端部40bを有する。
【0022】
流路ユニット40の第2端部40bには、流路ユニット40の第1端部40aに向かって延在する切頭円錐の形状を有するチャンバ42がある。チャンバ42の第1端部42aはより小さい直径を有し、流路ユニット40の第1端部40aに向けられている。チャンバ42の第2端部42bはより大きい直径を有し、流路ユニット40の第2端部40b又はロータ50に向けられている。チャンバ42の第1端部42aは、実質的に平面的な円形板であり、その円形板の中心は流路ユニット40の中心軸Xと実質的に一致する。チャンバ42の第2端部42bは、流路ユニット40の第2端部40bの方、すなわち、ロータ50の方を向いた実質的に開放円である。チャンバ42の第2端部42bの中心は、流路ユニット40の中心軸Xと実質的に一致する。
【0023】
流路ユニット40は、流路システムを備える。流路システムは、流路ユニット40によって受け取られた少なくとも1つの流体流を、ロータ50の方へ向けて、ロータ50を動作させるように意図されている。図3a~図3dの流路ユニット40の流路システムは、実質的に流路ユニット40の第1端部40aに、少なくとも1つの第1入口流路43と、少なくとも1つの第2入口流路45と、を備える。第2入口流路45は、流路ユニット40の径方向Rにおいて、少なくとも1つの第1入口流路43よりも流路ユニット40の中心から離れている。少なくとも1つの第1入口流路43および少なくとも1つの第2入口流路45は、ロータ50を動作させるための少なくとも1つの流体流を流路ユニット40に受け入れるように意図されている。図示する実施形態では、1つの第1入口流路43と、第1入口流路43を囲むように配置された6つの第2入口流路45とが設けられている。
【0024】
流路ユニット40の流路システムは、第1入口流路43からチャンバ42まで延在する1組の第1サブ流路44(例えば、図3a、3c、3d)を備える。各第1サブ流路44は、第1入口流路43に入口開口部44aを有し、チャンバ42の第1端部42aに出口開口部44bを有する。出口開口部44bは、チャンバ42の第1端部42aを提供するプレートを通過して延在している。図示する実施形態における第1サブ流路44の数は7であるが、この数は、例えば発電ユニット30のサイズ又は公称電力に応じて1からそれ以上まで様々であってよい。第1サブ流路44を通じて提供される流体流は、後でより詳細に説明するように、流路ユニット40とロータ50との間に小さなギャップG1またはクリアランス(図1c)を設けて、ロータ50が流体流に浮遊し、実質的に自由に、すなわちほとんど摩擦なしに、または非常に低い摩擦の総効率で、流路ユニット40に対して相対的に回転できるよう意図されている。
【0025】
流路ユニット40の流路システムは、1組の第2サブ流路46(例えば図1d、3b、3c、3d)をさらに備える。第2サブ流路46は、第2入口流路45から、実質的に流路ユニット40の第2端部40bにおける流路ユニット40の外周まで延在している。各第2サブ流路46は、第2入口流路45にある入口開口部46aと、出口開口部46bとを有する。出口開口部46bは、流路ユニット40の軸方向Xにおいて、ロータ50に囲まれる流路ユニット40の位置に、流路ユニット40の実質的に第2端部40bにおける流路ユニット40の外周にある。図示する実施形態では、第2サブ流路46は、図示するように、少なくとも部分的に径方向Rに延在するように配置されており、それによって、第2サブ流路46の出口開口部46bは、流路ユニット40の軸方向Xにおいて、実質的にロータ50の位置に、流路ユニット40の外周に配置されている。
【0026】
図示する実施形態における第2サブ流路46の数は、第2入口流路45の数に対応して6であるが、この数は、例えば発電ユニット30のサイズまたは公称電力に応じて1からそれ以上まで様々であってよい。第2サブ流路46を通じて提供される流体流は、ロータ50をその回転軸、すなわちロータ50の中心軸Xの周りに回転させるように意図されている。
【0027】
図3a~図3dおよび上記の説明は、流路ユニット40の可能な一実施形態のみを開示しているが、流路ユニット40の他の実施形態も可能である。
【0028】
図2aは、ロータ50の側面図を模式的に示す。図2bは、図2aのロータにおける、図2aの線D-Dに沿った断面側面図を模式的に示す。図2bでは、図2aに示す磁気ブリッジ要素51は省略されている。ロータ50は、発電機10および発電ユニット30の軸方向Xと実質的に一致する軸方向を有している。したがって、ロータ50の軸方向、および、ロータ50の仮想的な回転軸を提供するロータ50の中心軸も、参照符号Xで示されることがある。ロータ50の径方向Rは、軸方向Xに実質的に直交する方向である。
【0029】
ロータ50は、ロータ50の軸方向Xにおいて、ロータ50の第1端部50aを形成する第1の端板52を有し、ロータ50の第1端部50aは、発電ユニット30の第1端部30aおよび流路ユニット40の第1端部40aの方を向いている(面している)。さらに、ロータ50は、ロータ50の軸方向Xにおいて、ロータ50の第2端部50bを形成する第2の端板53を有し、第2の端板53は、発電ユニット30の第2端部30bの方を向いている。
【0030】
ロータ50の第1の端板52は、第1の端板52の中心領域に開口部54を有している。ロータ50の第2の端板53は、第2の端板53の中心領域に延在部55を有している。延在部55は、ロータ50の内部にあり、第2の端板53から、すなわちロータ50の第2端部50bから、第1の端板52の開口部54に向かって、すなわちロータ50の第1端部50aに向かって延在する切頭円錐の形状を有する。延在部55は、より小さい直径を有し、流路ユニット40に向けられた第1端部55aと、より大きい直径を有し、流路ユニット40から離れる方向、すなわち、ロータ50の第2端部またはインダクタンスユニット61に向けられた第2端部55bと、を有する。
【0031】
延在部55の第1端部55aは、実質的に平面的な円形の中実板であり、その中心は、ロータ50の中心軸Xと実質的に一致する。延在部55の第2端部55bは、ロータ50の第2の端板53の実質的に閉じた部分であり、延在部55の第2端部55bの中心は、ロータ50の中心軸Xと実質的に一致する。
【0032】
ロータ50における延在部55の形状および寸法は、流路ユニット40におけるチャンバ42と対応する部分(counterpart)を提供するように配置され、それによって、流路ユニット40におけるチャンバ42は、ロータ50における延在部55を少なくとも部分的に受け入れる又は収容することが可能である。ロータ50における延在部55の第1端部55aは、流路ユニット40におけるチャンバ42の第1端部42aに対向する面を提供する。ロータ50における延在部55の周囲には、開放空間56が設けられている。開放空間56は、発電ユニット30が組み立てられたときに、流路ユニット40の外周の上部を受け入れいるまたは収容するように意図されている。
【0033】
ロータ50は、翼リング58を提供する複数の翼57(例えば、図1d)をさらに備える。翼リング58は、このようにロータ50の周方向において互いから距離を置いて互いに続く複数の翼57によって提供されている。翼リング58は、延在部55を囲む開放空間56の外周によって実質的に画定された内周58aと、ロータ50の外周によって実質的に画定された外周58bとを有する。翼57は、ロータ50の径方向、すなわちロータ50の軸方向Xに対して実質的に直交する方向に、翼リング58の内周58aから翼リング58の外周58bに向かって曲線状に延在するように配置されている。
【0034】
翼リング58の周方向で隣り合う翼57は、それらの間に複数のロータ流路59を画定している。ロータ流路59は、翼リング58の内周58aの方向から、翼リング58の外周58bに向かって曲線状に延在している。各流路59は、実質的に翼リング58の内周58aに設けられた入口開口部59aと、実質的に翼リング58の外周58bに設けられた出口開口部59bとを有している。ロータ流路59の数は、図示する実施形態では8であるが、例えば発電ユニット30の大きさや公称電力、または流体の種類や粘性に応じて変わり得る。
【0035】
インダクタンスユニット61は、ロータ50とともに回転する磁気ブリッジ要素51の影響範囲にあるが、静止インダクタンスユニット61に対して磁気ブリッジ要素51が自由に相対回転できるようにロータ50における磁気ブリッジ要素51から少し距離を置いて発電ユニット30に配置され、固定される。言い換えれば、インダクタンスユニット61と磁気ブリッジ要素51との間には、小さなギャップG2またはクリアランス(隙間)が存在する。磁気ブリッジ要素51がインダクタンスユニット61に対して相対的に回転することに応じて、インダクタンスユニット61に起電力、すなわち電圧が誘起される。
【0036】
電力出力部が接続されて閉じた電気回路(分かりやすくするために図示せず)を提供する場合、インダクタンスユニット61に誘起される電圧によって、発電機10から電流が出力される。本実施形態におけるインダクタンスユニット61の数は、例えば発電ユニット30の大きさや公称電力に応じて、1からそれ以上まで様々であってよい。
【0037】
図および上記の説明は、インダクタンスユニット61を作製して取り付ける2つの可能な実施形態のみを開示しているが、他の実施形態も可能である。
【0038】
図示する発電機10および発電ユニット30は、以下のようにして、図に示す位置に組み立てることができる。ロータ50は、流路ユニット40におけるチャンバ42がロータ50における延在部55を受け入れ、流路ユニット40におけるチャンバ42の第1端部42aとロータ50における延在部55の第1端部55aとが実質的に互いに向かい合う(相対する)ように、流路ユニット40の頂部に設置される。従って、ロータ50は、発電ユニット30の軸方向Xにおいて、ロータ流路59の入口開口部59aが流路ユニット40における第2サブ流路46の出口開口部46bと一致するように、流路ユニット40の第2端部40bの周囲に少なくとも部分的に配置される。その後、流路ユニット40は、ロータ50と共に、発電機10のフレーム20の第1の端板21に例えば締結ボルト25で固定され、支持ロッド23もフレーム20の第1の端板21に固定される。組み立ての続きとして、発電機10のフレーム20の第2の端板22にインダクタンスユニット61を固定し、その後、ロータ50における磁気ブリッジ要素51とインダクタンスユニット61との間に発電ユニット30の軸方向Xに微小なギャップG2(図1c)を残すように、フレーム20の第2の端板22とインダクタンスユニット61とを支持ロッド23に固定してもよい。ただし、他の組み立て順序も可能である。
【0039】
図示する発電機10の動作は次の通りである。
【0040】
図1cに参照符号Fで示された矢印で模式的に示された流体流は、破線で模式的に示されたフレーム20の第1の端板21における開口部28を通って、流路ユニット40の第1端部40aで流路ユニット40に搬送される。流路ユニット40において、流体流Fの一部は、第1サブ流路44の入口開口部44aを通って第1サブ流路44に流入し、さらに第1サブ流路44を通り、第1サブ流路44の出口開口部44bを通ってチャンバ42に流入する。図1cに参照符号F44で示された矢印で模式的に示されるように、第1サブ流路44を通ってチャンバ42に流入する流体流の当該部分は、チャンバ42において、流路ユニット40におけるチャンバ42の第1端部42aと、ロータ50における延在部55の第1端部55aとの間に圧力効果を与えるよう配置される。この圧力効果により、ロータ50は、軸方向Xにおいて、少しまたはわずかな距離だけ流路ユニット40から離れるように移動するので、流路ユニット40とロータ50との間に小さなギャップG1が生じる。ギャップG1の位置は、図1cにおいて矢印G1で模式的に示されている。このように、上記圧力効果により、ロータ50は、発電ユニット30の軸方向Xにおいて、流路ユニット40から僅かに距離をおいた位置に留まる、すなわち浮いた状態となる。
【0041】
流路ユニット40において、流体流Fの一部は、図1cに参照符号F46で示す矢印で模式的に示すように、入口開口部46aを通って第2サブ流路46に流入し、第2サブ流路46および第2サブ流路46の出口開口部46bを通り、ロータ流路59の入口開口部59aを通ってロータ50のロータ流路59に接線方向に更に流入する。さらに、流体流F46は、ロータ流路59およびロータ流路59の出口開口部59bを通って、ロータの実質的に径方向Rに、ロータ50から流出する。それによって、流体流F46の圧力とロータ50の翼57との相互作用によりロータ50が回転する。流路ユニット40の外周面における第2サブ流路46の出口開口部46bの位置、流路ユニット40における第2サブ流路46の数、およびロータ流路59の数を選択することにより、発電ユニット30において流路ユニット40における第2サブ流路46の数とロータ流路59の数が互いにずれていても、発電ユニット30の動作中、常に、流路ユニット40における少なくともいくつかの第2サブ流路46が、ロータ50における少なくともいくつかのロータ流路59と流通接触(flow contact)しており、ロータ50を一定に(定常的に)回転させることができる。
【0042】
上記に開示された発電ユニット30では、同じ流体流を利用して、流路ユニット40とロータ50との間に圧力効果を与えて、発電ユニット30の軸方向Xにおいて流路ユニット40から少し距離を置いて(少し離して)ロータ50を留める、すなわち流路ユニット40からロータ50を浮かせるとともに、ロータ50を回転させる。流路ユニット40とロータ50との間の圧力効果(発電ユニット30の軸方向Xにおいて、流路ユニット40から少し離してロータ50を留める、すなわち浮かせる、圧力効果)によって、流路ユニット40とロータ50との間の摩擦が減少し、ロータ50を流路ユニット40の周りで実質的またはほとんど摩擦なしに、すなわち、非常に低い総摩擦係数で回転させることが可能になる。このように、この解決策は、発電機10において、いわゆる浮動軸受の解決策を実現する。これにより、先行技術の発電機で利用されてきた従来の軸受解決策に対して効率の係数を増加させるが、動作および構造は単純である。
【0043】
ロータ50が回転すると、ロータ50の回転に応じて磁気ブリッジ要素51が回転する。それによって磁気ブリッジ要素51がインダクタンスユニット61に対して相対的に回転し、インダクタンスユニット61に起電力、すなわち電圧が誘起される。インダクタンスユニット61の電力出力部が接続されて閉じた電気回路(分かりやすくするために図示せず)を提供する場合、インダクタンスユニット61に誘起される電圧によって、発電機10から電流出力が得られる。
【0044】
一実施形態によれば、インダクタンスユニット61は、少なくとも1つのサーボモータを有するサーボモータ構造(servo motor arrangement)を備え、それにより、発電ユニット30の動作時に磁気ブリッジ要素51とインダクタンスユニット61との間に作用する電磁力に基づいて、磁気ブリッジ要素51とインダクタンスユニット61との間のギャップG2のサイズを制御し、それによって間接的にも流量制御ユニット40とロータ50との間のギャップG1のサイズを制御するようにしてもよい。加えて、または代わりに、流量制御ユニット40とロータ50との間のギャップG1のサイズは、ロータ50を浮かせるように意図された流体速度および/または圧力によって制御されてもよい。例えば図1aは、ロータを浮かせて回転させる流体流の流量および/又は圧力を制御するように意図された制御手段26、27を模式的に開示している。磁気ブリッジ要素51とインダクタンスユニット61との間のギャップG2のサイズの制御、それによる間接的な流量制御ユニット40とロータ50との間のギャップG1のサイズの制御、またはその逆、および発電機に適用される他の可能な制御は、コンピュータ支援手段によって行われてもよい。
【0045】
流体流Fは、例えば、十分な圧力を有する空気流、蒸気流、排ガス流又は液体流であってもよく、空気流、蒸気流、排ガス流および液体流のうちの少なくとも1つを加圧した流体であってもよいが、これに限定されるものではない。したがって、流体流Fは、空気流、蒸気流、排ガス流および液体流のうちの少なくとも1つの混合物であってもよい。流体流Fは、気相、超臨界相、又は不均質な流体相で生じてもよい。流体流Fが空気流である場合、空気流は、風による空気流であってよく、それによって、発電機10は、例えば、風力発電機に利用されてもよい。また、空気流は、例えば、産業用加圧空気システムにおける加圧空気流であってもよい。流体流Fが蒸気流である場合、蒸気流は、蒸気流を発生させるエンジン又はシステムに由来していてもよい。流体流Fが排ガス流である場合、排ガス流は、エンジンまたは排ガスを発生させるシステムに由来してもよい。流体流Fが発電ユニット30を適切に動作させるのに十分高い圧力を有していない場合、流体流Fの圧力を増加させるための、例えば複数の調整可能なジェットノズルを備えた圧力増加構造が、流路ユニット40の入口に配置されてもよい。発電機10に供給される流体流Fの典型的な圧力は、例えば、8~15バールであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0046】
開示される発電機10の公称電力は、例えば、1kW~1MWの間で様々であってもよいが、これに限定されない。ロータ50の典型的な回転速度は、例えば、3000~50000rpmであってよいが、これに限定されない。
【0047】
上記に開示した実施形態では、ロータを浮かせるとともにロータを回転させるために、同じ流体相における同じ流体流が使用される。しかしながら、ロータを浮かせる流体流とロータを回転させる流体流とは、同じ流体相の異なる流体流であっても、異なる流体相の異なる流体流であっても、異なる流体相の同じ流体流であってもよい。さらに、上記で開示した実施形態では、ロータを浮かせる流体流とロータを回転させる流体流との供給方向は同じであるが、ロータを浮かせる流体流とロータを回転させる流体流との供給方向も異なっていてもよい。
【0048】
さらに、上記に開示された実施形態では、ロータは特定のロータ軸を有していないが、ロータは軸を有してもよく、軸は、少なくとも1つの流路を提供するために中空であってもよく、および/または発電ユニットにおけるロータの集中化に寄与するものであってもよい。
【0049】
さらに、上記に開示された実施形態では、発電機は、1つだけのロータおよび1つだけの流路ユニットを備える。しかしながら、発電機におけるロータおよび流路ユニットの数は様々であってもよい。さらに、例えば、少なくとも2つのロータを備える発電機におけるロータのサイズは、例えば、発電機の公称電力に鑑みて最適化されたサイズを提供するために変わり得る。このように、発電機は、少なくとも2つのロータを有するロータシステムを備えてもよい。
【0050】
当業者には明らかであろうが、この新規な解決策は逆モードで使用されてもよく、これは、電力がインダクタンスユニットに印加されたときに、開示されたほとんど摩擦のない構造を使用して、流体流を生成することができることを意味する。逆モードでの動作には、特にシャフト潤滑、ベアリングまたは他の潜在的な不純物の発生源が存在する作業において、清浄な空気の輸送から流体の輸送まで、多くの利点または意図された最終用途(使用目的)がある。
【0051】
技術の進歩に伴い、本発明のコンセプトを様々な方法で実施できることは、当業者にとって明らかであろう。本発明およびその実施形態は、上述した例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で種々の変更が可能である。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図3d
【外国語明細書】