(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066269
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/085 20220101AFI20240508BHJP
【FI】
H04L41/085
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175746
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】神宮 武志
(57)【要約】
【課題】既存のネットワーク構成に新規端末の接続が検知された場合、その新規端末がネットワーク上のどの場所に接続されているかを容易に把握すること。
【解決手段】情報処理装置10は、検知部12aと取得部12bと判定部12cと特定部12dとを備える。検知部12aは、パケット送信検知により新たに接続された端末を検知する。取得部12bは、新規端末検知の通知があり、かつ、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、新規端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。判定部12cは、ネットワーク構成情報に基づき、新規端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する。特定部12dは、判定部12cによる判定結果に応じて、新規端末が接続された場所を特定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット送信検知により新たに接続された端末を検知する検知部と、
前記検知部によって新たに接続された端末が検知され、かつ、所定時間以内にSNMP(Simple Network Management Protocol)対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、前記端末が接続されたスイッチのMAC(Media Access Control)アドレステーブル情報を取得する取得部と、
ネットワーク構成情報に基づき、前記端末が接続された前記スイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する判定部と、
前記端末が接続された場所を特定する特定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記検知部によって新たに接続された端末が検知されたが、所定時間以内に前記SNMP対応スイッチングハブから前記メッセージを受信していない場合、予め登録した全てのSNMP対応スイッチのMACアドレステーブル情報を取得し、
前記判定部は、ネットワーク構成情報に基づき、探索対象のスイッチの新規端末のMACアドレスに対応するポートにスイッチが接続されているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置で実行される情報処理工程であって、
パケット送信検知により新たに接続された端末を検知する検知工程と、
前記検知工程によって新たに接続された端末が検知され、かつ、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、前記端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する取得工程と、
ネットワーク構成情報に基づき、前記端末が接続された前記スイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する判定工程と、
前記端末が接続された場所を特定する特定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
パケット送信検知により新たに接続された端末を検知する検知手順と、
前記検知手順によって新たに接続された端末が検知され、かつ、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、前記端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する取得手順と、
ネットワーク構成情報に基づき、前記端末が接続された前記スイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する判定手順と、
前記端末が接続された場所を特定する特定手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MAC(Media Access Control)アドレス情報等から、SNMP(Simple Network Management Protocol)対応スイッチングハブとSNMP非対応スイッチングハブとが混在したネットワーク環境であっても、ネットワーク構成を把握することができる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、ネットワーク構成を把握した後に新規端末が検知された場合、その新規端末がネットワーク上のどの場所に接続されているかを把握するには、多くの探索パケットを送信し再度ネットワーク全体の構成の把握を行う。そのため、多くの時間やネットワーク負荷がかかり、新規端末の接続が検知された場合、その新規端末がネットワーク上のどの場所に接続されているかを容易に把握することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、パケット送信検知により新たに接続された端末を検知する検知部と、検知部によって新たに接続された端末が検知され、かつ、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する取得部と、ネットワーク構成情報に基づき、端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する判定部と、端末が接続された場所を特定する特定部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、新規端末の接続が検知された場合、その新規端末がネットワーク上のどの場所に接続されているかを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置を含むネットワーク構成例の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0009】
〔1.システムの構成例〕
図1は、本実施形態に係る情報処理装置を含むネットワーク構成の概要を示す図である。
図1に示すネットワーク構成の概要の例では、SNMP対応スイッチ4台と端末2台とが接続している環境である。
図1の例では、情報処理装置10にスイッチAが接続され、スイッチAに接続されたスイッチBに端末Xが接続されている。なお、
図1のネットワーク構成例は具体例であり、これに限定されるものではない。
【0010】
情報処理装置10は、パケット送信検知により新規端末を検知し、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、新規端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。そして、情報処理装置10は、ネットワーク構成情報に基づき、新規端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定し、判定結果により新規端末が接続された場所を特定する。
【0011】
情報処理装置10は、まず、パケット送信検知により新規端末を検知する。例えば、情報処理装置10は、ARP(Address Resolution Protocol)等によるパケット送信検知により、既存ネットワークに接続された新規端末を検知する。
【0012】
そして、情報処理装置10は、新規端末の検知後、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信する。例えば、情報処理装置10は、新規端末の検知後、5分以内にSNMP対応スイッチングハブから、ポートに新規接続されたことが分かるlink up trapメッセージを受信する。
【0013】
情報処理装置10は、前述のメッセージを受信した場合、新規端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。例えば、情報処理装置10は、前述のメッセージを受信した場合、link upしたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。
【0014】
その後、情報処理装置10は、ネットワーク構成情報に基づき、新規端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定し、判定結果により新規端末が接続された場所を特定する。
【0015】
例えば、情報処理装置10は、予め記憶された既存のネットワーク構成情報を参照し、新規端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているかを判定し、SNMP非対応スイッチがある場合は、そのSNMP非対応スイッチ以下に新規端末が接続されたと特定し、SNMP非対応スイッチがない場合は、新規端末が接続されたスイッチの該当ポートに直接新規端末が接続されたと特定する。
【0016】
〔2.情報処理装置10の構成〕
次に、
図2を参照し、
図1に示した情報処理装置10の構成を説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。また、情報処理装置10とIPネットワークNWとは有線又は無線により互いに通信可能に接続される。
【0017】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、IPネットワークNWと有線又は無線で接続され、IPネットワークNWを構成する機器との間で情報の送受信を行う。
【0018】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部13は、制御部12による各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、MACアドレステーブル情報記憶部13aと、ネットワーク構成情報記憶部13bとを有する。
【0019】
MACアドレステーブル情報記憶部13aは、後述する取得部12bにより取得されたスイッチのMACアドレステーブル情報を記憶する。例えば、MACアドレステーブル情報記憶部13aは、後述する取得部12bにより取得された、新規端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を記憶する。なお、MACアドレステーブル情報とは、対象機器の物理ポートとその先に存在するネットワーク機器のMACアドレスとをまとめた対応表である。
【0020】
ネットワーク構成情報記憶部13bは、既存のネットワークを構成する各端末の接続状況に関する情報を記憶する。例えば、ネットワーク構成情報記憶部13bは、本実施形態に係る情報処理装置10による処理が行われる前に、予め既存のネットワークを構成する各端末の接続状況や接続場所についての情報を記憶する。
【0021】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。制御部12は、検知部12aと、取得部12b、判定部12cと、特定部12dとを有する。
【0022】
検知部12aは、パケット送信検知により新たに接続された端末を検知する。そして、検知部12aは、新規端末の検知結果を取得部12bに通知する。例えば、検知部12aは、ARP等によるパケット送信検知により、既存のネットワーク構成に接続された新規端末を検知する。その後、検知部12aは、新規端末の検知結果を取得部12bに通知する。
【0023】
取得部12bは、検知部12aによって新たに接続された端末が検知され、かつ、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。そして、取得部12bは、取得したMACアドレステーブル情報をMACアドレステーブル情報記憶部13aに格納する。
【0024】
例えば、取得部12bは、検知部12aによって新規端末検知の通知があった時から所定時間である5分以内に、SNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続されたことが分かるlink up trapメッセージを受信した場合、新規端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。そして、取得部12bは、取得したMACアドレステーブル情報をMACアドレステーブル情報記憶部13aに格納する。
【0025】
また、取得部12bは、検知部12aによって新たに接続された端末が検知されたが、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信していない場合、予め登録した全てのSNMP対応スイッチのMACアドレステーブル情報を取得してもよい。そして、取得部12bは、取得したMACアドレステーブル情報をMACアドレステーブル情報記憶部13aに格納する。
【0026】
例えば、取得部12bは、検知部12aによって新規端末検知の通知があったが、その時から所定時間である5分以内に、SNMP対応スイッチングハブから前述のlink up trapメッセージを受信していない場合、ネットワーク構成情報記憶部13bに格納された既存のネットワーク構成を参照し、予め登録された全てのSNMP対応スイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。そして、取得部12bは、取得したMACアドレステーブル情報をMACアドレステーブル情報記憶部13aに格納する。
【0027】
判定部12cは、ネットワーク構成情報に基づき、端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する。そして、判定結果を特定部12dに通知する。
【0028】
例えば、判定部12cは、MACアドレステーブル情報記憶部13aに記憶されたMACアドレステーブル情報と、ネットワーク構成情報記憶部13bに記憶された既存のネットワーク構成情報とを参照し、新規端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する。そして、判定結果を特定部12dに通知する。
【0029】
また、判定部12cは、ネットワーク構成情報に基づき、探索対象のスイッチの新規端末のMACアドレスに対応するポートにスイッチが接続されているか否かを判定してもよい。そして、判定結果を特定部12dに通知する。
【0030】
例えば、判定部12cは、MACアドレステーブル情報記憶部13aに記憶されたMACアドレステーブル情報と、ネットワーク構成情報記憶部13bに記憶された既存のネットワーク構成情報とを参照し、探索対象のスイッチの新規端末のMACアドレスに対応するポートにスイッチが接続されているスイッチが存在するか否かを判定する。そして、判定結果を特定部12dに通知する。
【0031】
特定部12dは、端末が接続された場所を特定する。例えば、特定部12dは、前述の判定部12cの判定結果により、新規端末が接続されたポートにSNMP非対応スイッチが接続されていると判定された場合、そのSNMP非対応スイッチ以下に新規端末が接続されたと特定する。一方で、新規端末が接続されたポートにSNMP非対応スイッチが接続されていないと判定された場合、そのポートに直接新規端末が接続されたと特定する。
【0032】
なお、MACアドレステーブル情報記憶部13aに記憶されたMACアドレステーブル情報により、新規端末が接続されたポートに新規端末のMACアドレス以外に複数MACアドレスが存在し、そのMACアドレスのうちホワイトリストにない端末が存在する場合、特定部12dは、その端末も新しく接続された端末であるとして、判定結果に応じて新規端末と同様の場所に接続されたと特定する。
【0033】
〔3.情報処理の具体例〕
ここで、
図3を参照し、情報処理装置10による、検知部12aがパケット送信検知により、新規端末Zを検知したが、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信しなかった場合の新規端末Zの特定処理について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
【0034】
図3の例では、SNMP対応スイッチ4台と端末3台が接続されている環境である。端末Xは、予め接続されている端末であり、端末Yは、本実施形態に係る情報処理装置10であり、端末Zは、本情報処理により特定する新規端末である。また、スイッチAからスイッチDの各スイッチは、それぞれ
図3に示すMACアドレステーブル情報を有する。
【0035】
情報処理装置10は、前述の通り、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージであるlink up trapメッセージを受信していないため、取得部12bは、スイッチAからスイッチDまでの各スイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。そして、取得したMACアドレステーブル情報は一つ以上あるため、情報処理装置10は、自身に接続されているスイッチAを探索スイッチとする。
【0036】
次に、スイッチAのMACアドレステーブル情報には、新規端末ZのMACアドレスに対応するポート1が存在するため、判定部12cは、既存構成を参照し、スイッチAポート1に接続しているスイッチBがあると判定する。そして、スイッチBはSNMP非対応ではないため、情報処理装置10はスイッチBを探索スイッチとする。
【0037】
その後、情報処理装置10は、スイッチBに対しても前述と同様の処理を行い、判定部12cは、スイッチBポート5に接続しているスイッチDがあると判定する。そして、スイッチDはSNMP非対応ではないため、情報処理装置10はスイッチDを探索スイッチとする。
【0038】
次に、情報処理装置10は、スイッチDに対しても前述と同様の処理を行い、判定部12cは、スイッチDポート5に接続しているスイッチはないと判定する。そして、情報処理装置10は、既存構成を参照し、スイッチBポート5に接続している端末がないと判断し、特定部12dは、スイッチBポート5に新規端末Zが接続していると特定する。
【0039】
〔4.情報処理装置10の情報処理の一例〕
次に、
図4及び
図5を用いて、情報処理装置10の情報処理について説明する。
図4及び
図5は、実施形態に係る情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
図4は、情報処理装置10が所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信した場合の処理手順を示したものであり、
図5は、情報処理装置10が所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信していない場合か、または、新規端末のMACアドレスが存在しない場合の処理手順を示したものである。
【0040】
まず、
図4を参照し、情報処理装置10が所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信した場合の処理手順について説明する。検知部12aは、例えば、パケット送信検知により新規端末Zを検知する(ステップS101)。
【0041】
検知部12aが、パケット送信検知により新規端末Zを検知した場合(ステップS101;Yes)、情報処理装置10は所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信する(ステップS102)。一方、検知部12aは、パケット送信検知により新規端末Zを検知していない場合(ステップS101;No)、パケット送信検知により新規端末Zを検知するまで待機する。
【0042】
その後、情報処理装置10が、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信した場合(ステップS102;Yes)、取得部12bは、新規端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する(ステップS103)。一方、情報処理装置10は、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信していない場合(ステップS102;No)、後述するステップS201の処理に移行する。
【0043】
そして、新規端末ZのMACアドレスが存在する場合(ステップS104;Yes)、情報処理装置10は、そのポートに新規端末ZのMACアドレスのみが存在するか否かを判断する(ステップS105)。一方、新規端末ZのMACアドレスが存在しない場合(ステップS104;No)、後述するステップS201の処理に移行する。
【0044】
その後、そのポートに新規端末ZのMACアドレスのみが存在する場合(ステップS105;Yes)、判定部12cは、新規端末Zが接続されたポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する(ステップS106)。一方、そのポートに新規端末ZのMACアドレス以外のMACアドレスも存在する場合(ステップS105;No)、判定部12cは、そのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する(ステップS107)。
【0045】
そして、新規端末Zが接続されたポートにSNMP非対応スイッチが接続されている場合(ステップS106;Yes)、特定部12dは、そのSNMP非対応スイッチに新規端末Zが接続されたと特定する(ステップS108)。一方、新規端末Zが接続されたポートにSNMP非対応スイッチが接続されていない場合(ステップS106;No)、特定部12dは、そのポートに直接新規端末Zが接続されたと特定する(ステップS109)。
【0046】
また、そのポートにSNMP非対応スイッチが接続されている場合(ステップS107;Yes)、特定部12dは、そのSNMP非対応スイッチ以下に新規端末Zが接続されたと特定し、新規端末Z以外のMACアドレスのうちホワイトリストにない端末がある場合、その端末もSNMP非対応スイッチ以下に接続されたと特定する(ステップS110)。
【0047】
一方、そのポートにSNMP非対応スイッチが接続されていない場合(ステップS107;No)、特定部12dは、そのポート以下にSNMP非対応スイッチがあるとして、その下に新規端末Zが接続されたと特定し、新規端末Z以外のMACアドレスのうちホワイトリストにない端末がある場合、その端末も同様に上記SNMP非対応スイッチ以下に接続されたと特定する(ステップS111)。
【0048】
次に、
図5を参照し、情報処理装置10が所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信していない場合か、または、新規端末のMACアドレスが存在しない場合の処理手順について説明する。
【0049】
情報処理装置10が所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信していない場合(ステップS102;No)、取得部12bは、登録した全てのSNMP対応スイッチからMACアドレステーブル情報を取得する(ステップS201)。その後、MACアドレステーブル情報が一つ以上ある場合(ステップS202;Yes)、情報処理装置10は、自身に接続されているスイッチを探索スイッチとする(ステップS203)。
【0050】
一方、MACアドレステーブル情報が一つもない場合(ステップS202;No)、特定部12dは、一つの「SNMP非対応スイッチングハブ」の下に新規端末Zが接続されたと特定する(ステップS204)。
【0051】
そして、探索スイッチに新規端末ZのMACアドレスに対応するポート(ポートXとする)がある場合(ステップS205;Yes)、判定部12cは、ポートXにスイッチがあるか否かを判定する(ステップS206)。一方、探索スイッチに新規端末ZのMACアドレスに対応するポート(ポートXとする)がない場合(ステップS205;No)、特定部12dは、「その他」(ハブ)に新規端末Zが接続されたと特定する(ステップS207)。
【0052】
その後、ポートXに接続するスイッチ(スイッチYとする)があると判定された場合(ステップS206;Yes)、情報処理装置10はスイッチYがSNMPに非対応であるか否かを判断する(ステップS208)。一方、スイッチYがないと判定された場合(ステップS206;No)、情報処理装置10はポートXにスイッチ以外の接続する端末(端末Aとする)があるか否かを判断する(ステップS209)。
【0053】
そして、ポートXに端末Aがある場合(ステップS209;Yes)、特定部12dは、ポートX以下の、SNMP以下の端末Aに新規端末Zが接続されたと特定する(ステップS210)。一方、ポートXに端末Aがない場合(ステップS209;No)、ポートXに新規端末Zが接続されたと特定する(ステップS211)。
【0054】
また、スイッチYがSNMPに非対応である場合(ステップS208;Yes)、情報処理装置10は、スイッチYに直接接続されているスイッチ(スイッチY2とする)の新規端末Zが登録されているポートと、スイッチYと接続されているポートとが異なるスイッチがあるか否かを判断する(ステップS212)。一方、スイッチYがSNMPに非対応でない場合(ステップS208;No)、情報処理装置10は、スイッチYを探索スイッチとして(ステップS213)ステップS205に戻り処理を続ける。
【0055】
そして、スイッチY2の新規端末Zが登録されているポートと、スイッチYと接続されているポートとが異なるスイッチがある場合(ステップS212;Yes)、情報処理装置10は、スイッチY2を探索スイッチとして(ステップS214)ステップS205に戻り処理を続ける。
【0056】
一方、スイッチY2の新規端末Zが登録されているポートと、スイッチYと接続されているポートとが異なるスイッチがない場合(ステップS212;No)、特定部12dは、スイッチYに新規端末Zが接続されたと特定する(ステップS215)。
【0057】
〔5.実施形態の効果〕
前述してきたように、本実施形態に係る情報処理装置10は、パケット送信検知により新規端末を検知する検知部12aと、検知部12aによって新規端末が検知され、かつ、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、新規端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する取得部12bと、ネットワーク構成情報に基づき、新規端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する判定部12cと、新規端末が接続された場所を特定する特定部12dとを有する。
【0058】
検知部12aは、ARP等によるパケット送信検知により新規端末を検知する。また、取得部12bは、新規端末検知の通知があり、かつ、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信した場合、新規端末が接続されたスイッチのMACアドレステーブル情報を取得する。
【0059】
さらに、判定部12cは、予め記憶された既存のネットワーク構成情報に基づき、新規端末が接続されたスイッチのポートにSNMP非対応スイッチが接続されているか否かを判定する。また、特定部12dは、新規端末が接続された場所を特定する。
【0060】
これにより、情報処理装置10は、新規端末の接続が検知された場合、その新規端末がネットワーク上のどの場所に接続されているかを容易に把握することができるという効果を奏する。
【0061】
また、情報処理装置10の取得部12bは、検知部12aによって新規端末が検知されたが、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからメッセージを受信していない場合、予め登録した全てのSNMP対応スイッチのMACアドレステーブル情報を取得し、情報処理装置10の判定部12cは、ネットワーク構成情報に基づき、探索対象のスイッチの新規端末のMACアドレスに対応するポートにスイッチが接続されているか否かを判定する。
【0062】
これにより、情報処理装置10は、新規端末が検知されたが、所定時間以内にSNMP対応スイッチングハブからポートに新規接続された旨のメッセージを受信していない場合であっても、新規端末がネットワーク上のどの場所に接続されているかを容易に把握することができるという効果を奏する。
【0063】
[6.ハードウェア構成]
前述した、実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、
図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図6は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、補助記憶装置1400、通信I/F(インタフェース)1500、入出力I/F(インタフェース)1600が、バス1800により接続された形態を有する。
【0064】
CPU1100は、ROM1300又は補助記憶装置1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0065】
補助記憶装置1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信I/F1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0066】
CPU1100は、入出力I/F1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入出力装置1700を制御する。CPU1100は、入出力I/F1600を介して、入出力装置1700からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータについて入出力I/F1600を介して入出力装置1700へ出力する。
【0067】
例えば、コンピュータ1000が本実施形態に係る情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部12の機能を実現する。
【0068】
[7.その他]
前述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0069】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の通り構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0070】
前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0071】
また、前述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 情報処理装置
11 通信部
12 制御部
12a 検知部
12b 取得部
12c 判定部
12d 特定部
13 記憶部
13a MACアドレステーブル情報記憶部
13b ネットワーク構成情報記憶部