(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066293
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B65G47/52 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175778
(22)【出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉永 和治
(72)【発明者】
【氏名】高木 大樹
【テーマコード(参考)】
3F044
【Fターム(参考)】
3F044AA01
3F044CE03
3F044CE07
3F044CE22
3F044CF02
(57)【要約】
【課題】搬送車から投下される物品の衝撃を緩和できると共に、省スペース化を図る。
【解決手段】物品搬送設備は、走行面Faを走行して物品Gを搬送する搬送車1と、搬送車1から物品Gを受け取る物品受け装置2と、を備えている。搬送車1は、物品Gを下方から支持する支持面11fと、支持面11f上の物品Gを投下する投下機構12と、を備えている。物品受け装置2は、搬送車1によって投下された物品Gを受ける受け面20fを備えている。受け面20fが、走行面Faよりも高い位置に配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行フロアと、前記走行フロアに形成された走行面を走行して物品を搬送する搬送車と、前記搬送車から前記物品を受け取る物品受け装置と、を備えた物品搬送設備であって、
前記搬送車は、前記物品を下方から支持する支持面と、前記支持面上の前記物品を投下する投下機構と、を備え、
前記物品受け装置は、前記搬送車によって投下された前記物品を受ける受け面を備え、
前記受け面が、前記走行面よりも高い位置に配置されている、物品搬送設備。
【請求項2】
前記物品受け装置は、前記受け面により受けた前記物品を搬送する搬送機構を備えている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記搬送機構がコンベヤであり、
前記受け面が前記コンベヤの搬送面であり、
前記物品受け装置は、前記コンベヤによる前記物品の搬送経路の下流側端部又はそれよりも上流側の予め定められた位置に設けられた規制装置を備え、
前記規制装置は、前記コンベヤによる前記物品の移動を規制するように構成されている、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記搬送機構がコンベヤであり、
前記物品受け装置は、前記コンベヤによる前記物品の搬送経路の下流側端部に設けられた投入装置を備え、
前記投入装置は、前記コンベヤによって搬送されてきた少なくとも1つの前記物品を貯留すると共に、当該貯留された前記物品を、前記受け面よりも下方に配置された投入部に投入するように構成されている、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記受け面が水平に配置されている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記投下機構は、前記支持面上の前記物品を投下する場合に、前記支持面を前記受け面の側が低くなる向きに傾斜させるように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行フロアと、前記走行フロアに形成された走行面を走行して物品を搬送する搬送車と、前記搬送車から前記物品を受け取る物品受け装置と、を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許第4413982号公報(特許文献1)には、物品の搬送及び仕分けを行う設備が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された設備は、物品をトレー(111)の支持面に載置して搬送する移送手段(110)と、移送手段(110)から投下された物品が貯留される取出部(140)と、を備えている。移送手段(110)から投下された物品は、取出部(140)の受け面によって受けられて当該取出部(140)に貯留され、ピックアップ作業によって取出部(140)から取り出される。
【0004】
特許文献1に開示された設備では、トレー(111)の支持面よりも下側に、取出部(140)の受け面が配置されている。そして、トレー(111)の支持面と取出部(140)の受け面との間に、取出部(140)側に向けて下方に傾斜するシュート(120)が配置されている。移送手段(110)から投下された物品は、トレー(111)の支持面から、シュート(120)を介して取出部(140)の受け面へと搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の設備において、シュート(120)は、トレー(111)の支持面から取出部(140)の受け面へ物品を案内する機能を有すると共に、移送手段(110)から投下された物品の衝撃を緩和する機能をも有する。しかしながら、下方の取出部(140)の受け面まで傾斜するシュート(120)を設けるためには、当該シュート(120)の傾斜角度を大きくしない限り移送手段(110)から取出部(140)までの水平方向の距離を広く確保する必要があるため、設備の大型化を招くことになる。
【0007】
上記実情に鑑みて、搬送車から投下される物品の衝撃を緩和できると共に、省スペース化を図ることが可能な技術の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
走行フロアと、前記走行フロアに形成された走行面を走行して物品を搬送する搬送車と、前記搬送車から前記物品を受け取る物品受け装置と、を備えた物品搬送設備であって、
前記搬送車は、前記物品を下方から支持する支持面と、前記支持面上の前記物品を投下する投下機構と、を備え、
前記物品受け装置は、前記搬送車によって投下された前記物品を受ける受け面を備え、
前記受け面が、前記走行面よりも高い位置に配置されている。
【0009】
本構成によれば、搬送車の支持面と物品受け装置の受け面との上下方向の距離を短くし易い。この上下方向の距離を短くすることで、水平方向のスペースの拡大を伴うことなく、搬送車から物品受け装置の受け面に投下される際の物品の衝撃を緩和することが可能となる。このように、本構成によれば、搬送車から投下される物品の衝撃を緩和できると共に、省スペース化を図ることが可能となる。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】物品搬送設備の1階走行フロア及び2階走行フロアを示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
物品搬送設備は、走行フロアと、走行フロアに形成された走行面を走行して物品を搬送する搬送車と、搬送車から物品を受け取る物品受け装置と、を備えている。以下、複数階層の走行フロアを備えた物品搬送設備を例示して、物品搬送設備の実施形態について説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
本開示に係る物品搬送設備の第1実施形態について説明する。
【0014】
〔物品搬送設備の概略〕
まず、
図1を参照して、物品搬送設備の概略について説明する。
図1に示すように、物品搬送設備100は、上下方向に並ぶ複数階層の走行フロアFと、複数の走行フロアFのそれぞれに形成された走行面Faを走行する搬送車1と、を備えている。各階層の走行フロアFにおいて、複数の搬送車1が走行面Faを走行している。
【0015】
図1に示す例では、物品搬送設備100は、2階層の走行フロアFを備えている。
図1は、1階の走行フロアFと2階の走行フロアFを示している。但し、このような構成に限定されることなく、物品搬送設備100は、3階層以上の走行フロアFを備えていてもよい。
【0016】
物品搬送設備100は、搬送車1が物品Gを搬送するために走行する通路である搬送通路Frを備えている。搬送通路Frは、走行フロアFの一部として構成されている。本実施形態では、各階の走行フロアFは、搬送通路Frと走行フィールドFfとを備えている。搬送通路Frは、後述する作業エリアWAと仕分けエリアSAとに亘って設けられた1本の通路である。搬送車1は、作業エリアWAから仕分けエリアSAへ物品Gを搬送する場合には、搬送通路Frを走行する。走行フィールドFfは、走行フロアFにおける平面状に広がる部分である。搬送車1は、走行フィールドFfを自在に走行することが可能となっている。本実施形態では、搬送通路Frと走行フィールドFfとは、一部で重複している。詳細には、作業エリアWAと仕分けエリアSAとの間に走行フィールドFfが設けられており、搬送通路Frは、作業エリアWAと仕分けエリアSAとの間で、走行フィールドFfを横断するように設けられている。
【0017】
以下、搬送通路Frを基準として方向を定義する。詳細には、搬送通路Frに沿う方向を「通路方向X」とし、上下方向視で通路方向Xに直交する方向を「通路幅方向Y」とする。通路幅方向Yの一方側を「通路幅方向第1側Y1」とし、通路幅方向Yの他方側を「通路幅方向第2側Y2」とする。
【0018】
搬送車1は、直進走行を行うと共に、その場で上下軸心まわりに旋回する旋回動作を実行して方向転換を行うように構成されている。搬送車1は、直進走行と旋回動作とを行うことにより、1階の走行フロアF及び2階の走行フロアFのそれぞれにおいて、走行フィールドFfを自在に走行することが可能となっている。
【0019】
物品搬送設備100は、複数階層(本例では2階層)の走行フロアFに亘って搬送車1を昇降させる一対のリフタLと、物品Gが供給される物品供給部Pgと、物品供給部Pgから供給された物品Gを搬送車1に引き渡す作業が行われる作業エリアWAと、物品Gの仕分け作業が行われる仕分けエリアSAと、仕分けエリアSAにおける仕分け作業によって発生した空の容器Cを回収する空容器回収装置Bと、を備えている。
【0020】
本実施形態では、作業エリアWA及び仕分けエリアSAの双方が、1階の走行フロアFと同じレベルに設けられている。そして、2階の走行フロアFには、作業エリアWA及び仕分けエリアSAの双方が設けられていない。
【0021】
作業エリアWAは、搬送通路Frと物品供給部Pgとの双方に隣接するように配置されている。本実施形態では、物品供給部Pgは、物品Gを、供給容器Cpに収容した状態で作業エリアWAに供給する。作業エリアWAでは、供給容器Cpに収容された物品Gを取り出して、搬送通路Frで待機する搬送車1に当該物品Gを引き渡す作業が行われる。搬送車1への物品Gの引き渡しは、供給容器Cpとは別の容器Cに物品Gを収容した状態で行われてもよいし、物品Gを容器Cに収容することなくそのまま引き渡す態様で行われてもよい。本実施形態では、作業エリアWAでの上記作業が、作業者Wによって行われる。但し、作業者Wではなく、ロボットによって上記作業が行われてもよいし、作業者W及びロボットの双方によって上記作業が行われてもよい。
【0022】
搬送車1は、物品G又は物品Gが収容された容器Cを搬送するように構成されている。本実施形態では、搬送車1は、作業エリアWAにて受け取った物品G又は物品Gが収容された容器Cを仕分けエリアSAに搬送する。
【0023】
仕分けエリアSAは、作業エリアWAとは離れた場所において搬送通路Frに対して通路幅方向Yに隣接して設けられている。仕分けエリアSAでは、搬送車1によって搬送された物品Gの仕分け作業が行われる。仕分け作業は、予め定められたオーダー情報に基づいて行われる。例えば、オーダー情報には、例えば、顧客情報、出荷先情報、物品種別情報などの各種情報が含まれる。
【0024】
本実施形態では、搬送車1が、容器Cに収容された物品Gを仕分けエリアSAに搬送する場合には、仕分けエリアSAでは、搬送車1によって搬送された容器Cから物品Gを取り出す取出作業が行われる。すなわち、仕分け作業には、搬送車1によって搬送された容器Cから物品Gを取り出す取出作業が含まれる。この取出作業により、容器Cと物品Gとが分離され、空の容器Cが発生する。搬送車1が、物品G(容器Cに収容されていない状態の物品G)を仕分けエリアSAに搬送する場合には、仕分けエリアSAでは、搬送車1によって搬送された物品Gを受け取る受取作業が行われる。
【0025】
空容器回収装置Bは、上記の取出作業によって発生した空の容器Cを回収するように構成されている。そして、空容器回収装置Bによって空の容器Cが搬送される経路である回収経路Rbが、作業エリアWAに隣接する位置まで延在している。本例では、回収経路Rbは、作業エリアWAの内部まで延在している。空容器回収装置Bによって回収された空の容器Cは、回収経路Rbに沿って作業エリアWAまで搬送され、作業エリアWAでの作業に用いられる。空容器回収装置Bは、例えばコンベヤを用いて構成されている。コンベヤを用いて構成される空容器回収装置Bは、回収経路Rbに沿って延在している。本実施形態では、仕分けエリアSAでの仕分け作業(上記取出作業を含む)が、作業者Wによって行われる。但し、作業者Wではなく、ロボットによって仕分け作業が行われてもよいし、作業者W及びロボットの双方によって仕分け作業が行われてもよい。
【0026】
搬送車1は、物品Gを仕分けエリアSAに引き渡した後は、リフタLに乗って、他階の走行フロアF(本例では2階の走行フロアF)へ向かう。そして、搬送車1は、2階の走行フロアFを走行して他のリフタLに乗り、上述の作業エリアWA及び仕分けエリアSAが設けられた階の走行フロアF(本例では1階の走行フロアF)へ戻る。戻った搬送車1は、上記同様に、作業エリアWAにおいて物品Gを受け取り、当該物品Gを仕分けエリアSAへ搬送する。
【0027】
〔仕分けエリアの詳細構成〕
上述のように、仕分けエリアSAは、物品Gの仕分け作業が行われるエリアであり、搬送通路Frに対して通路幅方向Yに隣接して設けられている。
【0028】
図1及び
図2に示すように、物品搬送設備100は、搬送車1から物品Gを受け取る物品受け装置2を備えている。物品受け装置2は、仕分けエリアSAに配置されている。本実施形態では、複数の物品受け装置2が、仕分けエリアSAに配置されている。複数の物品受け装置2のそれぞれは、搬送車1から受け取った物品G又は容器Cを、仕分けエリアSA内で作業する作業者W(又はロボット)の作業場所まで搬送する。これにより、仕分けエリアSA内にある複数の作業場所を、物品受け装置2の数だけ分散して配置することができる。従って、各作業場所での仕分け作業を行い易くなり、全体として作業効率の向上に寄与できる。
【0029】
本実施形態では、複数の物品受け装置2が通路方向Xに沿って並んでいる。これによれば、仕分けエリアSAにおける搬送通路Frに沿う通路方向Xの領域に、なるべく多くの物品受け装置2を配置することができる。そのため、仕分けエリアSA全体として、仕分け作業の能力を向上させることが可能となる。
【0030】
本実施形態では、複数の物品受け装置2のそれぞれは、通路幅方向Yに沿って物品G又は容器Cを搬送するように構成されている。そのため、物品受け装置2による搬送方向が、通路方向Xに沿って設定されている場合、或いは、通路方向Xに傾く(通路方向Xの成分を有する)ように設定されている場合に比べて、仕分けエリアSAが通路方向Xに拡大しないようにできる。本例では、各物品受け装置2は、搬送機構20を備えており、搬送機構20によって物品G又は容器Cを通路幅方向Yに沿って搬送する。
【0031】
本実施形態では、仕分けエリアSAにおける搬送通路Frを挟んだ両側のそれぞれに、複数の物品受け装置2が配置されている。すなわち、複数の物品受け装置2が、搬送通路Frに対して、通路幅方向第1側Y1及び通路幅方向第2側Y2のそれぞれに配置されている。これにより、搬送通路Frを挟んだ両側のそれぞれにおいて仕分け作業を行うことができ、仕分けエリアSA全体として、仕分け作業の能力を向上させることが可能となる。
【0032】
上述のように、空容器回収装置Bは、仕分け作業の一部として行われる取出作業によって発生した空の容器Cを回収するように構成されている。この取出作業は、搬送車1によって搬送された容器Cから物品Gを取り出す作業である。空の容器Cは、回収経路Rbに沿って作業エリアWAまで搬送される。
【0033】
本実施形態では、回収経路Rbは、上下方向視において、物品受け装置2による物品G又は容器Cの搬送方向と交差する方向に沿って延びると共に物品受け装置2と重複するように配置されている。本例では、回収経路Rbは、通路幅方向Yに延在する各物品受け装置2に対して上下方向視で直交する方向、すなわち通路方向Xに沿って延在している。
【0034】
図2に示す例では、回収経路Rbは、搬送通路Frとは異なる高さに配置されている。より詳細には、回収経路Rbは、搬送通路Frよりも高い位置に配置されている。仕分けエリアSAでの作業が作業者Wによって行われる場合、回収経路Rbが配置される高さは、平均的な身長を有する作業者Wの胸元付近の高さであると好適である。これにより、作業者Wは、空の容器Cを回収経路Rbに載置し易い。なお、作業者Wに対する回収経路Rbの位置を調節するための位置調節機構が設けられていてもよい。
【0035】
上述のように、複数の物品受け装置2が、搬送通路Frに対して、通路幅方向第1側Y1及び通路幅方向第2側Y2のそれぞれに配置されている。本実施形態では、回収経路Rbは、これら全ての物品受け装置2(或いは複数の物品受け装置2の大部分)に対して上下方向視で重複するように配置された1本の経路により構成されている。上記構成により、搬送通路Frを挟んだ両側に分かれて配置された各物品受け装置2における仕分け作業により発生した空の容器Cを、1本の回収経路Rbによって回収して作業エリアWAに搬送することができる。本実施形態では、回収経路Rbは、搬送通路Frに対して通路幅方向第1側Y1に配置された第1区間Rb1と、搬送通路Frに対して通路幅方向第2側Y2に配置された第2区間Rb2と、第1区間Rb1と第2区間Rb2とを接続する接続区間Rbcと、を備えている。第1区間Rb1は、搬送通路Frよりも通路幅方向第1側Y1において、上下方向視で複数の物品受け装置2と重複している。第2区間Rb2は、搬送通路Frよりも通路幅方向第2側Y2において、上下方向視で複数の物品受け装置2と重複している。接続区間Rbcは、上下方向視で搬送通路Frと重複している。
【0036】
上述のように、仕分けエリアSAでは、搬送車1によって搬送された物品Gを受け取る受取作業、及び、搬送車1によって搬送された容器Cから物品Gを取り出す取出作業が行われる。本実施形態では、取出作業により容器Cから取り出された物品Gや、受取作業により受け取られた物品Gは、オーダー情報毎に集められて、次の工程が行われる場所へと搬送される。
【0037】
図2に示すように、本実施形態では、仕分けエリアSAには、仕分け作業によりオーダー情報毎に集められた単数又は複数の物品Gを収容する集荷容器Ccと、当該集荷容器Ccを仕分けエリアSAから搬出する搬出コンベヤ8と、が設けられている。図示の例では、仕分けエリアSAには、集荷容器Ccを載置する載置台9が設けられており、作業者W(またはロボット)は、載置台9に載置された集荷容器Ccに必要な物品Gを収容し、当該集荷容器Ccを載置台9から搬出コンベヤ8へ移動させる。この集荷容器Ccは、搬出コンベヤ8によって、仕分けエリアSA外へ搬出され、例えば次の工程が行われる場所へと搬送される。なお、
図1においては、図面が煩雑となるのを避けるため、載置台9や搬出コンベヤ8を省略している。
【0038】
〔搬送車及び物品受け装置の詳細構成〕
上述のように、搬送車1は、物品G又は物品Gが収容された容器Cを物品受け装置2まで搬送する。物品受け装置2は、搬送車1によって搬送された物品G又は物品Gが収容された容器Cを受ける。以下、搬送車1及び物品受け装置2の詳細構成について、
図2及び
図3を参照して説明する。なお、以下では、物品G又は物品Gが収容された容器Cを、単に「物品G」と称する場合がある。
【0039】
搬送車1は、搬送通路Frの走行面Faを走行して、物品Gを搬送する。搬送車1は、物品Gを下方から支持する支持面11fと、支持面11f上の物品Gを投下する投下機構12と、を備えている。本実施形態では、搬送車1は、台車本体10と、台車本体10に連結された支持台11と、を備えている。本実施形態では、台車本体10に設けられた車輪が転動する面が、走行面Faとされている。支持面11fは、支持台11の上面により構成されている。投下機構12は、台車本体10に搭載されている。本実施形態では、投下機構12は、搬送車1に対して通路幅方向Yの外側に向けて物品Gを落下するように構成されている。
【0040】
図3に示すように、投下機構12は、支持面11f上の物品Gを物品受け装置2へ投下する機構である。本明細書において「投下する」とは、物品Gの自重を利用して、当該物品Gを下方に移動させることを意味する。例えば、投下には、傾斜する面により物品Gを滑り落とし又は転がり落としたり、或いは、物品Gを垂直又は斜めに落下させたりすること等が含まれる。
【0041】
本実施形態では、投下機構12は、支持面11f上の物品Gを投下する場合に、支持面11fを物品受け装置2の受け面20f(後述)の側が低くなる向きに傾斜させるように構成されている。本例では投下機構12は、支持台11を傾斜させることによって、その上面である支持面11fを傾斜させるように構成されている。
【0042】
本実施形態では、搬送車1は、搬送通路Frに対して通路幅方向第1側Y1及び通路幅方向第2側Y2の何れの側に配置された物品受け装置2に対しても、物品Gを投下することが可能に構成されている。投下機構12は、搬送通路Frに対して通路幅方向第1側Y1に配置された物品受け装置2に対して物品Gを投下する場合には、支持面11fにおける通路幅方向第1側Y1の端部が通路幅方向第2側Y2の端部よりも低くなるように、当該支持面11fを傾斜させる。一方、投下機構12は、搬送通路Frに対して通路幅方向第2側Y2に配置された物品受け装置2に対して物品Gを投下する場合には、支持面11fにおける通路幅方向第2側Y2の端部が通路幅方向第1側Y1の端部よりも低くなるように、当該支持面11fを傾斜させる。投下機構12は、例えばモータやシリンダ等の、公知の手段を用いて支持面11fを傾斜させるように構成されているとよい。
【0043】
図2に示すように、物品受け装置2は、搬送車1によって投下された物品Gを受ける受け面20fを備えている。本実施形態では、受け面20fは水平に配置されている。これにより、受け面20fにより受けた物品Gの姿勢を安定させ易くなる。
【0044】
搬送車1が、物品受け装置2に物品Gを投下するための位置に配置された状態(以下、「投下準備状態」と称する。)で、支持面11fは、受け面20fよりも高い位置に配置される。支持面11fの全部が、傾斜の如何に関わらず、受け面20fよりも高い位置に配置される。これにより、支持面11fから投下される物品Gは、支持面11fよりも下方に配置された受け面20fによって受けられる。
【0045】
本実施形態では、搬送車1の投下準備状態において、搬送車1における支持面11fと物品受け装置2における受け面20fとの通路幅方向Yの間に、投下された物品Gをガイドするガイド部3が設けられている。ガイド部3は、上下方向における支持面11fと受け面20fとの間に設けられている。ガイド部3は、通路幅方向Yにおける支持面11f側から受け面20f側に向けて下方に傾斜する傾斜面30fを備えている。これにより、支持面11fから投下された物品Gを、それよりも下方に配置された受け面20fに向けて適切にガイドすることができる。なお、支持面11fから投下された物品Gは、必ずしもガイド部3によってガイドされるわけではない。支持面11fから受け面20fに、直接物品Gが投下されてもよい。物品Gの投下位置がずれるなどして、受け面20fへの直接の投下が実現できなかった場合などには、支持面11fから投下された物品Gは、ガイド部3の傾斜面30fによりガイドされながら受け面20fに投下される。
【0046】
上述もしたが、本実施形態では、物品受け装置2は、受け面20fにより受けた物品Gを搬送する搬送機構20を備えている。本例では、搬送機構20がコンベヤ20cであり、受け面20fがコンベヤ20cの搬送面である。搬送機構20を構成するコンベヤ20cとしては、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤなどの周知のコンベヤを用いることができる。コンベヤ20cがベルトコンベヤを用いて構成される場合には、ベルトの上面が受け面20fとなる。コンベヤ20cがローラコンベヤを用いて構成される場合には、複数のローラの上端を連続的に繋ぐ仮想面が受け面20fとなる。
【0047】
本実施形態では、物品受け装置2は、搬送機構20によって搬送される物品Gを貯留する貯留部21を備えている。貯留部21は、搬送機構20に隣接して配置されている。本例では、貯留部21は、搬送機構20に対して通路幅方向Yの外側に隣接して配置されている。貯留部21に貯留された物品Gに対して仕分け作業が行われる。本例では、貯留部21の周囲には、仕分け作業によって容器Cから取り出された物品Gが集められる集荷容器Cc及び当該集荷容器Ccが載置される載置台9、集荷容器Ccを搬出する搬出コンベヤ8、並びに、仕分け作業により発生した空の容器Cを回収する空容器回収装置Bが配置されている。
【0048】
ここで、搬送車1が物品Gを投下するように構成されている場合には、投下時において物品Gに衝撃が生じ易くなる。物品Gの自重を利用して当該物品Gを下方へ移動させる態様では、ある程度の衝撃が生じるのは仕方がない。しかし、本開示に係る物品搬送設備100では、物品Gを投下する際に当該物品Gに生じる衝撃を緩和することを可能としている。
【0049】
図3に示すように、物品受け装置2の受け面20fは、搬送通路Frの走行面Faよりも高い位置に配置されている。これにより、搬送車1の支持面11fと物品受け装置2の受け面20fとの上下方向の距離を短くし易くなる。この上下方向の距離を短くすることで、水平方向のスペースの拡大を伴うことなく、搬送車1から物品受け装置2の受け面20fに投下される際の物品Gの衝撃を緩和することが可能となる。
【0050】
上述のように、本実施形態では、搬送車1の投下準備状態において、搬送車1における支持面11fと物品受け装置2における受け面20fとの通路幅方向Yの間に、ガイド部3が設けられている。ガイド部3は、上下方向における支持面11fと受け面20fとの間に設けられており、通路幅方向Yにおける支持面11f側から受け面20f側に向けて下方に傾斜する傾斜面30fを備えている。これにより、支持面11fから投下された物品Gの投下位置がずれるなどして、受け面20fへの直接の投下が実現できなかった場合などには、支持面11fから投下された物品Gは、ガイド部3の傾斜面30fによりガイドされながら受け面20fに投下される。従って、搬送車1から投下される際の物品Gの衝撃をガイド部3によっても緩和することが可能となる。
【0051】
本実施形態では、受け面20fは、物品Gの投下位置の基準となる投下領域20faを備えている。搬送車1から投下された物品Gは、理想的には、投下領域20faへ投下される。本実施形態では、投下領域20faは、受け面20fにおける通路幅方向Yの内側(搬送通路Fr側)の端部を含む領域に設定されている。少なくとも、受け面20fにおける投下領域20faが、走行面Faよりも高い位置に配置されている。受け面20fにおける投下領域20fa以外の部分は、走行面Faよりも高い位置に配置されている必要はない。しかし本例では、受け面20fは水平に配置されているため、投下領域20faを含む受け面20fの全部が、走行面Faよりも高い位置に配置されている。これにより、投下領域20faからずれた位置に物品Gが投下された場合であっても、当該投下された部分は走行面Faよりも高いため、投下時における物品Gの衝撃を適切に緩和することができる。
【0052】
以上説明した物品搬送設備100によれば、搬送車1の支持面11fと物品受け装置2の受け面20fとの上下方向の距離を短くすることができるため、水平方向のスペースの拡大を伴うことなく、搬送車1から物品受け装置2の受け面20fに投下される際の物品Gの衝撃を緩和することが可能となる。
【0053】
〔第2実施形態〕
次に、物品搬送設備100の第2実施形態について、
図4を参照して説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。特に説明しない点については、上記第1実施形態と同様である。
【0054】
図4に示すように、本実施形態では、物品受け装置2は、コンベヤ20cによる物品Gの搬送経路の下流側端部又はそれよりも上流側の予め定められた位置に設けられた規制装置22を備えている。本例では、規制装置22は、コンベヤ20cによる物品Gの搬送経路の下流側端部、すなわちコンベヤ20cにおける通路幅方向Yの外側(搬送通路Frとは反対側)の端部に設けられている。規制装置22は、コンベヤ20cによる物品Gの移動を規制するように構成されている。これにより、コンベヤ20cの搬送経路の下流側端部において物品Gを貯留することができる。よって、コンベヤ20cを物品Gのバッファ(仕分け作業などのために複数の物品Gを貯留する場所)としても利用できる。また、規制装置22が物品Gの移動を規制するため、物品Gをコンベヤ20c上において貯留するためにコンベヤ20cの稼働を止める必要がなく、コンベヤ20cの制御が複雑になることを回避できる。
【0055】
本実施形態では、規制装置22は、コンベヤ20cによって物品Gが搬送される場合の当該物品Gの移動軌跡と重複する位置に配置された規制体220を備えている。これにより、コンベヤ20cによって搬送される物品Gの移動を適切に規制することができる。
【0056】
なお、規制装置22は、規制体220を駆動する駆動部(不図示)を備え、物品Gの移動軌跡と重複する位置と、当該移動軌跡と重複しない位置とに、規制体220の位置を切り替え可能に構成されていてもよい。或いは、規制装置22は、そのような駆動部を備えていなくてもよい。この場合には、規制体220は、物品Gの移動軌跡と重複する位置に固定配置される。
【0057】
〔第3実施形態〕
次に、物品搬送設備100の第3実施形態について、
図5を参照して説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。特に説明しない点については、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
図5に示すように、本実施形態では、物品受け装置2は、コンベヤ20cによる物品Gの搬送経路の下流側端部に設けられた投入装置23を備えている。本例では、投入装置23は、コンベヤ20cに対して、通路幅方向Yの外側(搬送通路Frとは反対側)に隣接するように設けられている。
【0059】
本実施形態では、搬送車1は、投入装置23を備えた物品受け装置2に対しては、容器Cを除外した物品Gのみを投下する。説明を加えると、搬送車1が、作業エリアWA(
図1参照)において、容器Cに収容されていない状態の物品Gを受け取った場合には、投入装置23を備えた物品受け装置2が、当該物品Gの搬送先として選択されることが可能となる。
【0060】
本実施形態では、投入装置23は、コンベヤ20cによって搬送されてきた少なくとも1つの物品Gを貯留すると共に、当該貯留された物品Gを、受け面20fよりも下方に配置された投入部24に投入するように構成されている。本例では、投入部24には、搬出コンベヤ8と、当該搬出コンベヤ8に載置された集荷容器Ccと、が配置されている。投入装置23によって投入部24に投入された物品Gは、搬出コンベヤ8に載置された集荷容器Ccに自動的に収容される。この場合、物品Gが投入される以前は、搬出コンベヤ8は停止しており、集荷容器Ccは搬出コンベヤ8上において停止した状態である。そして、例えばオーダー情報に基づいた単数又は複数の物品Gが、1回又は複数回の物品Gの投入によって集荷容器Ccに収容された後には、搬出コンベヤ8が作動して当該集荷容器Ccを搬送する。
【0061】
本実施形態では、投入装置23は、コンベヤ20cによって搬送されてきた物品Gを支持する可動支持部230を備えている。可動支持部230は、複数の支持体230a(単数であってもよい)と、複数の支持体230aを駆動する駆動部(不図示)と、を備えている。駆動部は、複数の支持体230aを、物品Gを支持する支持状態と、物品Gの支持を解除する解除状態と、に切り替え可能に構成されている。投入装置23に物品Gが貯留された状態(複数の支持体230aによって物品Gが支持された状態)で、適宜のタイミングで複数の支持体230aが解除状態となることにより、当該物品Gが投入部24へ投入される。上記支持状態と解除状態との切り替えは、投入装置23によって自動的に行われてもよいし、作業者Wの操作によって手動で行われてもよい。
【0062】
〔第4実施形態〕
次に、物品搬送設備100の第4実施形態について、
図6を参照して説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。特に説明しない点については、上記第1実施形態と同様である。
【0063】
図6に示すように、本実施形態では、物品受け装置2は、搬送車1から投下された物品Gを受けると共に当該物品Gを昇降させる昇降機構25(搬送機構20の一例)を備えている。昇降機構25は、受け面20fを有する昇降台25aを備えている。昇降機構25は、上昇位置と、これよりも下側に設定された下方位置とに、昇降台25aを昇降させるように構成されている。昇降台25aが上昇位置にある状態で(
図6(a)参照)、受け面20fは、搬送通路Frの走行面Faよりも上方に配置される。この状態で、昇降機構25は、受け面20fによって、搬送車1から投下された物品Gを受ける。
【0064】
本実施形態では、物品受け装置2は、昇降台25aに載置された物品Gを水平方向に沿って押し込むプッシャ26を備えている。昇降機構25は、物品Gが昇降台25aに載置された状態で、昇降台25aを下方位置まで下降させる(
図6(b)参照)。そして、プッシャ26は、昇降台25aが下方位置に配置された状態で、当該昇降台25aに載置された物品G(図示の例では物品Gが収容された容器C)を水平方向に沿って押し込む(
図6(c)参照)。例えば、プッシャ26は、搬出コンベヤ8が配置された方向に向けて、昇降台25a上の物品Gを押し込む。これにより、物品Gが、昇降台25aから脱落して、搬出コンベヤ8に載置される。その後、物品Gは、搬出コンベヤ8によって次の目的地へ向けて搬送される。
【0065】
本実施形態では、物品Gが収容された容器Cをプッシャ26によって押し込む構成について説明した。しかし、容器Cに収容されていない状態の物品Gを直接プッシャ26よって押し込むことも可能である。この場合、例えば、プッシャ26によって押し込む先には、集荷容器Ccが配置されているとよい。このような構成の場合、昇降機構25とプッシャ26との協働によって、オーダー情報に基づく単数又は複数の物品Gが集荷容器Ccに収容される。この場合さらに、当該集荷容器Ccは、搬出コンベヤ8に載置されているとよい。これによれば、集荷容器Ccに収容された物品Gを、搬出コンベヤ8によってそのまま次の目的地へ向けて搬送することができる。
【0066】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0067】
(1)上記の実施形態では、搬送機構20がコンベヤ20cである例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、搬送機構20は、例えば、無人搬送車などであってもよい。この場合、例えば、搬送通路Frを走行して物品Gを搬送する搬送車1とは別に、同様の構成の搬送車を搬送機構20として用いてもよい。すなわち、搬送通路Frにいる搬送車1は、搬送機構20としての他の搬送車に対して物品Gを投下するように構成されていてもよい。この場合には、搬送機構20としての他の搬送車が走行する経路は、搬送通路Frよりも低い位置に設定される。そして、搬送機構20としての他の搬送車が有する支持面が「受け面」に相当することになり、当該支持面は、搬送通路Frの走行面Faよりも高い位置に配置される。
【0068】
(2)上記の実施形態では、物品受け装置2が、受け面20fにより受けた物品Gを搬送する搬送機構20を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品受け装置2は、そのような搬送機構20を備えていなくてもよい。この場合、物品受け装置2は、受け面20fが形成された台などを備えているとよい。
【0069】
(3)上記の実施形態では、物品受け装置2の受け面20fが、水平に配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、受け面20fにおける一部又は全部が、水平に対して傾斜するように配置されていてもよい。
【0070】
(4)上記の実施形態では、投下機構12が、支持面11f上の物品Gを投下する場合に、支持面11fを物品受け装置2の受け面20fの側が低くなる向きに傾斜させるように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、投下機構12は、支持面11f上の物品Gを投下するための様々な構成を備えることができる。例えば、投下機構12は、プッシャを備え、当該プッシャによって、支持面11f上の物品Gを押し込んで支持面11fから投下するように構成されていてもよい。或いは、投下機構12は、把持機構を備え、当該把持機構によって、支持面11f上の物品Gを把持して持ち上げ、支持面11fよりも外側で把持解除することにより、物品Gを支持面11fから投下するように構成されていてもよい。
【0071】
(5)上記の実施形態では、ガイド部3が、通路幅方向Yにおける支持面11f側から受け面20f側に向けて下方に傾斜する傾斜面30fを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、ガイド部3は、例えば、ローラを用いて構成されていてもよい。当該ローラは、通路方向Xに沿う軸心まわりに回転するように構成される。ガイド部3は、このような構成によっても、搬送車1から投下された物品Gを、物品受け装置2の受け面20fに対して適切にガイドすることができる。
【0072】
(6)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0073】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送設備について説明する。
【0074】
走行フロアと、前記走行フロアに形成された走行面を走行して物品を搬送する搬送車と、前記搬送車から前記物品を受け取る物品受け装置と、を備えた物品搬送設備であって、
前記搬送車は、前記物品を下方から支持する支持面と、前記支持面上の前記物品を投下する投下機構と、を備え、
前記物品受け装置は、前記搬送車によって投下された前記物品を受ける受け面を備え、
前記受け面が、前記走行面よりも高い位置に配置されている。
【0075】
本構成によれば、搬送車の支持面と物品受け装置の受け面との上下方向の距離を短くし易い。この上下方向の距離を短くすることで、水平方向のスペースの拡大を伴うことなく、搬送車から物品受け装置の受け面に投下される際の物品の衝撃を緩和することが可能となる。このように、本構成によれば、搬送車から投下される物品の衝撃を緩和できると共に、省スペース化を図ることが可能となる。
【0076】
前記物品受け装置は、前記受け面により受けた前記物品を搬送する搬送機構を備えている、と好適である。
【0077】
本構成によれば、搬送車により投下されて受け面により受けた物品を、さらに別の位置に搬送することが可能となる。
【0078】
前記搬送機構がコンベヤであり、
前記受け面が前記コンベヤの搬送面であり、
前記物品受け装置は、前記コンベヤによる前記物品の搬送経路の下流側端部又はそれよりも上流側の予め定められた位置に設けられた規制装置を備え、
前記規制装置は、前記コンベヤによる前記物品の移動を規制するように構成されている、と好適である。
【0079】
本構成によれば、コンベヤの搬送経路の下流側端部又は搬送経路の途中において物品を貯留することができる。よって、コンベヤを物品のバッファ(仕分け作業などのために複数の物品を貯留する場所)としても利用できる。
【0080】
前記搬送機構がコンベヤであり、
前記物品受け装置は、前記コンベヤによる前記物品の搬送経路の下流側端部に設けられた投入装置を備え、
前記投入装置は、前記コンベヤによって搬送されてきた少なくとも1つの前記物品を貯留すると共に、当該貯留された前記物品を、前記受け面よりも下方に配置された投入部に投入するように構成されている、と好適である。
【0081】
本構成によれば、コンベヤによって搬送されてきた少なくとも1つの物品を、投入装置による任意のタイミングで投入部に投入することが可能となる。
【0082】
前記受け面が水平に配置されている、と好適である。
【0083】
本構成によれば、受け面により受けた物品の姿勢を安定させ易い。
【0084】
前記投下機構は、前記支持面上の前記物品を投下する場合に、前記支持面を前記受け面の側が低くなる向きに傾斜させるように構成されている、と好適である。
【0085】
本構成によれば、比較的簡易な構造によって、支持面から受け面に物品を投下することができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本開示に係る技術は、走行フロアと、前記走行フロアに形成された走行面を走行して物品を搬送する搬送車と、前記搬送車から前記物品を受け取る物品受け装置と、を備えた物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0087】
100 :物品搬送設備
1 :搬送車
11f :支持面
12 :投下機構
2 :物品受け装置
20 :搬送機構
20c :コンベヤ
20f :受け面
22 :規制装置
23 :投入装置
24 :投入部
F :走行フロア
Fa :走行面
G :物品