(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066365
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】商品販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/18 20120101AFI20240508BHJP
【FI】
G06Q20/18
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022184469
(22)【出願日】2022-11-01
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】516188364
【氏名又は名称】BH株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522453083
【氏名又は名称】武田 昇平
(74)【代理人】
【識別番号】100226964
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】澤 規仁
(72)【発明者】
【氏名】武田 昇平
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA38
5L055AA38
(57)【要約】
【課題】セキュリティ面を確保しつつ、低コストで電子決済による商品購入をすることができる、極めて自由度が高い商品販売システムを提供する。
【解決手段】 所定の位置に設置された商品ベンダ設備と、携帯端末と、決済サーバとで構成する。近距離通信設備固有の識別情報を近距離通信により発信する。携帯端末が、近距離通信設備に接近し当該識別情報を受信することで、携帯端末にインストールされたアプリケーションにおいて表示される商品メニューの選択と決済処理が、一定時間に限り可能となり、ユーザは前記メニューから任意の商品情報を選択し、近距離通信設備の識別情報と、選択した商品情報及び自身のユーザ情報を決済サーバに送信して、決済処理を行う。
決済処理の完了により、決済サーバが商品ベンダ設備等に決済結果を送信し、商品ベンダ設備が商品を搬出する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品メニューを表示し決済制御を可能とするアプリケーションがインストールされたユーザが携帯する携帯端末と、ネットワーク上に設置された前記商品の決済処理を行う決済サーバと、前記決済サーバと互いに通信接続が可能である前記アプリケーションに対応する商品ベンダ設備と、からなる商品販売システムにおいて、
近距離通信設備が、その設備を特定するための識別情報を近距離通信により発信し、
前記識別情報を前記携帯端末が受信することで、前記アプリケーションにおいて表示される前記商品メニューの選択が、一定時間可能となった後、前記メニューから任意の商品情報を選択し、
前記携帯端末は、前記識別情報、前記商品情報及びユーザ情報を用いて前記決済サーバとの間で決済処理を行い、
前記商品ベンダ設備は、前記決済サーバから前記決済処理の決裁結果通知を受けて選択された商品の搬出を行い、
前記一定時間が経過した後は、再度前記識別情報を前記携帯端末が受信しない限り前記商品メニューの選択及び前記決済処理が不可となることを特徴とする商品販売システム。
【請求項2】
前記近距離通信設備が、前記商品ベンダ設備に設置されていることを特徴とする請求項1の商品販売システム。
【請求項3】
前記近距離通信設備が店舗等のテーブルに設置され、前記商品ベンダ設備が、商品の搬出に代えて、前記商品情報が記載された注文伝票の発行を行うことを特徴とする請求項1記載の商品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ(利用者)の利便性とセキュリティ上の問題を両立することができる商品販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品販売の決済方法として、商品ベンダ設備等において表示されるQRコードを携帯端末上のQRリーダーで読み取り決済サーバに接続して決済処理を行う方法(特許文献1参照)、携帯端末上に表示されたQRコードを、商品ベンダ設備等のQRリーダーにかざして決済処理を行う方法等が知られている(特許文献2参照)。
また、飲食店等における注文方法として、席毎に用意されたQRコードを着席した客が携帯端末のQRリーダーで読み取り、携帯端末上に表示されたメニューから商品を選択する方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、自動販売機に表示されたQRコードをスマートフォンのQR決済用アプリで読み取り支払指示を行う技術が開示されている。また、特許文献2では、商品選択アプリにより商品情報を含むQRコードを生成し携帯端末に表示させた上で、発券機にかざしてこれを読み取らせることで、食券を発行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-018519号公報
【特許文献2】特開2017-059064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような、商品ベンダ設備や飲食店のテーブル席等において表示されるQRコードを携帯端末で読み取り決済や注文を行う方法は、QRコードが記載されたシールを張られる等の方法によりフィッシングされるセキュリティ上の問題がある。さらに、これらの方法は、商品ベンダ設備や飲食店等の場所に実際に行かなくても、QRコード情報を一度読み込みさえすれば、商品の購入が可能となるため、当該QRコード情報を入手した者による遠隔操作による混乱や、なりすましの問題も指摘されている。
他方、携帯端末上にQRコードを表示させて商品ベンダ設備等により読み取る方法の場合、商品ベンダ設備側にQRリーダー等のデバイスを設置する組込開発が必要になり、開発コストがかかる。
【0006】
そこで、発明者らは、近距離通信が通信端末で受信可能になったときの挙動に着目し、ユーザが近距離通信設備を備えた特定の商品ベンダ設備やテーブル等付近に到達したことを検出した時点で、携帯端末上にインストールされたアプリケーションにおいて表示されている商品メニューを一定時間に限り選択できるようにシステム化することで、これらの問題を解決できることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、セキュリティ面を確保しつつ、高いコストをかけることなくユーザが電子決済の方法により商品を購入することができる、極めて自由度が高いシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、商品メニューを表示し決済制御を可能とするアプリケーションがインストールされたユーザが携帯する携帯端末と、ネットワーク上に設置された前記商品の決済処理を行う決済サーバと、前記決済サーバと互いに通信接続が可能である前記アプリケーションに対応する商品ベンダ設備と、からなる商品販売システムにおいて、近距離通信設備が、その設備を特定するための識別情報を近距離通信により発信し、前記識別情報を前記携帯端末が受信することで、前記アプリケーションにおいて表示される前記商品メニューの選択が、一定時間可能となった後、前記メニューから任意の商品情報を選択し、前記携帯端末は、前記識別情報、前記商品情報及びユーザ情報を用いて前記決済サーバとの間で決済処理を行い、前記商品ベンダ設備は、前記決済サーバから前記決済処理の決裁結果通知を受けて選択された商品の搬出を行い、前記一定時間が経過した後は、再度前記識別情報を前記携帯端末が受信しない限り前記商品メニューの選択及び前記決済処理が不可となることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記近距離通信設備が、前記商品ベンダ設備に設置されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の商品販売システムにおいて、前記近距離通信設備が店舗等のテーブルに設置され、前記商品ベンダ設備が、商品の搬出に代えて、前記商品情報が記載された注文伝票の発行を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザ(利用者)の利便性とセキュリティ上の問題を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施例の商品販売システムの概念を示す説明図である。
【
図2】
図2は、本実施例の商品販売システムの制御構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施例の商品販売システムの決済処理手順を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、本実施例の商品販売システムの決裁処理手順を示すフローチャート図である。
【
図5】
図5は、本実施例の携帯端末の表示部に表示されるエラー画面構成を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本発明を飲食店における注文伝票の発行に応用した場合の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の商品販売システムの一つの実施例の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態として、本実施例の商品販売システム100の概念を示す説明図である。また、
図2は、本実施例の商品販売システム100の制御構成を示すブロック図である。商品販売システム100は、ネットワークNを介して、ゴルフボールベンダ機1、決済サーバ2及び携帯端末3が接続される。また、ゴルフボールベンダ機1と携帯端末3とは、ゴルフボールベンダ機1側からの信号を受信するのみで、携帯端末側からのペアリングは行わない。それにより、一般に強固なセキュリティ設定やセキュリティ情報の頻繁なアップデートに向かないIoT装置である商品ベンダ設備に対して、携帯端末側からの情報の送信を不可とし、万が一携帯端末に何らかの不安事項があったとしても、商品ベンダ設備側の安全性が保たれる。なお、ゴルフボールベンダ機1は、商品ベンダ設備の一例であり、例えば、飲料、食品などの商品を販売する自動販売機のように、商品をその中に格納し搬出する機構を有する設備の他、飲食店等に設置される商品に代替される注文伝票や食券を発行するようなものであってもよい。
【0014】
図2に示すように、ゴルフボールベンダ機1は、制御部10と信号発信部20を有し、制御部10には、通信モジュール11、商品搬出部12、記憶部13が接続される。
【0015】
通信モジュール11は、携帯端末3及び決済サーバ2との通信接続処理を行い、特に、携帯端末3を用いた決済処理に関する制御処理を実行する。通信モジュール11は、例えばLTE(登録商標)などの通信方式により、ネットワークNを介して決済サーバ2に接続する通信インタフェースである。信号発信部20は、ビーコンであり、携帯端末3に対して信号を発信する通信インタフェースである。近距離無線通信は、消費電力の観点からのBluetooth(登録商標)、特にBLE(Bluetooth Low Energy)通信を用いている。
【0016】
制御部10には、商品搬出部12が接続され、制御部10の制御のもと、当該商品搬出部12を制御する。
制御部10は、決済サーバ2から送信された搬出命令に従ってラックから商品を搬出する。
【0017】
ゴルフボールベンダ機1の制御部10は、通信モジュール11を介して図示しない管理サーバとの間で、売上データ、設定データなどの通知やダウンロードを行う。ゴルフボールベンダ機1が有する信号発信部20は制御部10に接続されておらず、ゴルフボールベンダ機1の識別情報D1を有する。信号発信部20は、ゴルフボールベンダ機1の内部に組み込まれている必要はなく、外部付属(外付け)されていてもよい。
【0018】
携帯端末3は、表示部31、通信部32、近距離無線受信部33、記憶部34及び制御部35を有する。表示部31は、各種データの操作入力及び各種データの表示出力、例えば、決済アプリの操作画面などの表示を行う入出力インタフェースである。通信部32は、例えば、LTE(登録商標)などの通信方式により、ネットワークNを介して決済サーバ2と通信接続する通信インタフェースである。また、近距離無線受信部33は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの通信方式を用いてゴルフボールベンダ機1の信号発信部20からの信号の受信を行う近距離通信インタフェースである。記憶部34は、利用者情報D2を記憶している。
【0019】
制御部35は、決済制御部36を有しており、ゴルフボールベンダ機1及び決済サーバ2との間で商品の決済制御を行うものであり、あらかじめインストールされた決済アプリによって実現される。
【0020】
図3は、本実施例の商品販売システム100による携帯端末3を用いた決済処理手順を示すシーケンス図である。
図3に示すように、ゴルフボールベンダ機1に設置した信号発信部20(ビーコン)が、Bluetooth機器により、常時当該商品ベンダ設備の識別番号を発信している(ステップS110)。そして、携帯端末3は決済アプリを起動した後(S120)、近距離無線受信部33が、当該発信部20に接近することにより、当該信号を検出する(ステップS130)。その後、アプリケーションにより携帯端末3の表示部31において表示されていた商品メニューボタンを押下することが可能となったことを確認したユーザは、所望の商品に対応するメニューボタンの押下により商品を選択する(ステップS140)。
【0021】
商品選択後、携帯端末3は、ゴルフボールベンダ機1の識別情報D1、商品情報、及び、自身の利用者情報D2を用いて決済サーバ2との間で決済処理を行う(ステップS150)。なお、この商品情報には、商品番号及び商品価格が含まれる。
【0022】
ここで、携帯端末3と決済サーバ2との間の決済処理が終了すると、決済サーバ2は、通信モジュール11に、ゴルフボールベンダ機1制御命令を通知する(ステップS160)。この制御命令には、決済結果(決済終了)、取引識別情報、商品情報が含まれる。また、携帯端末3と決済サーバ2との間の決済処理が終了した場合において、決済サーバ2は、携帯端末3に対しても決済結果を通知し(ステップS230)、商品の搬出が完了するまでの間、決済結果通知を受けた携帯端末3の表示部31に商品搬出中であることを示す画面表示を行う(ステップS240)。
【0023】
決済サーバ2からゴルフボールベンダ機1制御命令を受けた通信モジュール11は、ゴルフボールベンダ機1制御命令を制御部10に通知する(ステップS170)。制御部10は、ゴルフボールベンダ機1制御命令を受けて、決済が終了した商品を搬出し(ステップS180)、商品の搬出が終了したことを通信モジュール11を介して決済サーバ2に通知し(ステップS190)、本処理を終了する(ステップS200)。その後、決済サーバ2は、販売が終了したことを携帯端末3に通知し(ステップS210)、携帯端3の表示部には、販売完了画面が表示される(ステップS220)。
【0024】
決済アプリは、携帯端末3がゴルフボールベンダ機1の識別情報を検出してから一定時間が経過した場合、再度、識別情報を携帯端末3が受信しない限り商品メニューの選択及び決済処理をすることができないようにプログラミングされており、ゴルフボールベンダ機1に設置されたビーコンに接近した者にしかゴルフボールベンダ機1の商品搬出ができないようにし、ゴルフボールベンダ機1から離れた場所から商品を購入することができないようにしている。ここで一定時間とは、ゴルフボールベンダ機1から離れたユーザが、遠隔で商品を購入等することを防ぐ目的から、10秒から15秒程度が望ましい。例えば、信号発信部20の識別情報D1を5秒間隔で発信するように設定しておき、3回分(15秒)受信が途切れた場合、携帯端末3の表示部31にエラーメッセージを表示すると共に、商品を選択するメニューボタンを無効化するようにしてもよい。なお、当該一定時間は、最初に識別情報D1を受信した後、この時間内に商品選択や決済処理を完了しなければならないことを意味するものではなく、ユーザがゴルフボールベンダ機1に接近している状態において信号発信部20の識別情報D1を受信している限り、最後の受信時からカウントされるため、継続的に商品の選択及び決済処理は可能である。
【0025】
以上のユーザにおけるステップ120から150までにおける携帯端末3と決済サーバとの通信はセッション通信を行い、ユーザが操作中に他のユーザが所持する携帯端末がゴルフボールベンダ機1に接近して、信号発信部20の識別情報D1を受信し決裁サーバ2にアクセスをしても、当該携帯端末の表示部に既に他のユーザが操作中であることを通知し、商品選択及び決済処理に混乱が生じないようにすることもできる。
【0026】
図4は、本実施例の商品販売システムにおける決裁処理手順を示すフローチャート図である。まず、ユーザが決済アプリを起動することにより(ステップS300)、携帯端末3の表示部31に商品メニューを表示させることができる(ステップS310)。
この段階では、ユーザは決済アプリが表示する商品メニューを閲覧することができるのみで、信号発信部20の識別情報D1を受信しない限り、エラーメッセージが表示され、商品選択のボタンを押下することはできない(ステップS320のNo)。
【0027】
その後、ユーザが、施設内に設置されたゴルフボールベンダ機に接近して信号発信部20の識別情報D1を受信することで(ステップS320のYes)、その後一定時間(本実施例では15秒とする)に限り(ステップS330のYes)、メニューボタンを押下して商品を選択することが可能となる(ステップS340)。本実施例では、ユーザが15秒以内に商品を選択しない場合(ステップS330のNo)、エラーメッセージが表示されて商品選択が不可となり、ステップS310に戻る。この時間は、ユーザがゴルフボールベンダ機1に接近し信号発信部20の識別情報D1を受信している限り、最後の受信時からカウントされることから、最初に識別情報D1を受信した後、この時間内に商品選択を完了しなければならないことを意味するものではない。
【0028】
ユーザが15秒以内に商品を選択し終わった後、決済処理の画面に進む。ここでユーザは決済ボタンを押下するか否か判断し当該商品を購入する場合には決済ボタンを押下するが、商品の選択と同様、決済ボタンも、信号発信部20の識別情報D1を受信してから15秒以内に限り押下することができる(ステップ350のYes)。ユーザが15秒以内に決済ボタンを押下しない場合(ステップS350のNo)、エラーメッセージが表示されて決済ボタンの押下及び商品選択が不可となり、ステップS310に戻る。この時間も商品選択の場合と同様、ユーザがゴルフボールベンダ機1に接近し信号発信部20の識別情報D1を受信している限り、最後の受信時からカウントされることから、最初に識別情報D1を受信した後、この時間内に決済処理を完了しなければならないことを意味するものではない。
【0029】
ユーザによる決済ボタンの押下により商品が搬出される(ステップS360、S370)。決済処理後、商品搬出までの決済サーバ2とゴルフボールベンダ機1の制御については、
図3で説明したとおりであり、決済サーバ2は、通信モジュール11に、ゴルフボールベンダ機1制御命令を通知する(ステップS160)。この制御命令には、決済結果(決済終了)、取引識別情報、商品情報が含まれる。このゴルフボールベンダ機1制御命令を受けた通信モジュール11は、ゴルフボールベンダ機1制御命令を制御部10に通知する(ステップS170)。制御部10は、ゴルフボールベンダ機1制御命令を受けて、決済が終了した商品を搬出する(ステップS180)。
【0030】
図5の31aは、本実施例の携帯端末3の表示部31に表示されるエラー画面構成を説明するための図であり、アプリ起動の直後、又は、アプリを起動して信号発信部20の識別情報D1を受信した後15秒以内に商品選択又は決済処理を行わなかった場合に、携帯端末3の表示部31に、ユーザにゴルフボールベンダ機1に接近して信号発信部20の識別情報D1を受信するよう促すとともに、受信するまでの間、商品ボタンの押下を無効化している。
図5の31bは、ユーザがゴルフボールベンダ機1に接近して信号発信部20の識別情報D1を受信したことにより、商品ボタンの押下が可能となった状態を示している。
【0031】
図6は、本発明を飲食店における注文伝票の発行に応用した場合の構成図である。近距離通信設備でる信号発信部20(ビーコン)を店内のテーブルに設置し、ユーザが商品選択及び決済処理を行い商品ベンダ設備から商品と代替される注文伝票を発行させ、これを厨房等が把握する構成とすることにより、飲食店における注文システムについて、高いセキュリティを保持しつつ低コストで自動化することを可能としている。
【0032】
本実施の形態では、携帯端末にインストールされた決済アプリによって表示されている商品を、携帯端末上の操作のみで、商品ベンダ装置から搬出させることが可能であるため、高い利便性をユーザに提供することができる。また、商品ベンダ設備等に表示されるQRコード等を読み取る必要がないためフィッシングによるセキュリティの問題が生じない。さらに、商品ベンダ設備にQRリーダー等のデバイスを設置する組込開発が不要となり、決済アプリと、商品ベンダ設備に近距離信号の発信機を設置し通信モジュールを組み込むだけで足りることから、高いコストをかけることなく、ユーザが電子決済の方法により商品を購入することができるシステムを構築することができる。また、商品ベンダ設備等に設置された近距離通信設備から近距離無線通信により発信される信号を携帯端末3が検出したことをトリガーとして、商品の選択及び決済処理を可能とすることで、商品ベンダ設備等の接近者にしか商品の搬出等ができないようにしているため、遠隔操作による混乱やなりすまし等によるセキュリティ上の問題を回避することできる。
また、商品ベンダ設備と携帯端末3とは、携帯端末側からのペアリングは行わないため、一般に強固なセキュリティ設定やセキュリティ情報の頻繁なアップデートに向かないIoT装置である商品ベンダ設備に対して、携帯端末側からの情報送信を不可とし、万が一携帯端末に何らかの不安事項があったとしても、商品ベンダ設備側の安全性を保つことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 ゴルフボールベンダ機
2 決済サーバ
3 携帯端末
4 注文伝票発行機
5 テーブル
10 制御部
11 通信モジュール
12 商品搬出部
13 記憶部
14 伝票搬出部
20 信号発信部
31 表示部
31a エラー表示画面
31b 商品選択及び決済処理可能画面
32 通信部
33 近距離無線受信部
34 記憶部
35 制御部
100 商品販売システム
D1 識別情報
D2 利用者情報
N ネットワーク