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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066371
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】二酸化炭素回収量管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240508BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188729
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2022175823の分割
【原出願日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】518070618
【氏名又は名称】株式会社レブセル
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】山本 健二
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素の回収量が不正な値で記憶されるのを防止することが可能な二酸化炭素回収量管理システムを提供する。
【解決手段】システム100は、吸収ユニットに外部の空気が触れないように密封された包装体と、第1回収者端末20とを備える。第1回収者端末20は、二次元コードから吸収可能量を読み取り、読み取った吸収可能量を、第1回収者のユーザIDに関連付けた状態で、管理サーバ装置10に送信する。二次元コード61aは、包装体61b内が密封された状態では、第1回収者端末20によって読取できない位置で、かつ、包装体61bが開封された状態では、第1回収者端末20によって読取可能な位置に配置されている。管理サーバ装置10は、第1回収者端末20から受信した吸収可能量を、第1回収者のユーザIDに関連付けた状態で、第1回収者の二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる二酸化炭素の回収量を記憶するサーバ装置を備えた、二酸化炭素回収量管理システムであって、
空気中の二酸化炭素を吸収する吸収部材と、
前記吸収部材が内部に配置された包装体であって、前記吸収部材に外部の空気が触れないように密封された包装体と、
前記包装体内に配置された情報格納部であって、前記吸収部材が吸収可能な二酸化炭素の量である吸収可能量が格納された情報格納部と、
前記情報格納部から前記吸収可能量を読み取る読取部と、前記読取部により読み取った前記吸収可能量を、第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する送信部と、を含む、第1情報端末と、を備え、
前記情報格納部は、前記包装体内が密封された状態では、前記読取部によって読取できない位置で、かつ、前記包装体が開封された状態では、前記読取部によって読取可能な位置に配置されており、
前記サーバ装置は、前記第1情報端末から受信した前記吸収可能量を、前記第1のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶する、二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項2】
前記情報格納部には、前記吸収部材が飽和するまでの予測時間がさらに格納されており、
前記読取部は、前記情報格納部から前記予測時間を読み取り、
前記第1情報端末又は前記サーバ装置のいずれか一方は、前記予測時間と現在の日時とに基づいて、二酸化炭素の回収期限を決定する期限決定部を、さらに含み、
前記第1情報端末は、前記期限決定部により決定された前記二酸化炭素の回収期限を報知する報知部、をさらに含む、請求項1に記載の二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項3】
前記包装体から取り出された状態の前記吸収部材が搭載される二酸化炭素回収装置であって、前記吸収部材に所定の風量で通気させるファンと、前記風量の情報が格納された装置情報格納部とを含む、二酸化炭素回収装置を、さらに備え、
前記読取部は、前記装置情報格納部から前記風量の情報を読み取り、
前記期限決定部は、前記読取部により前記風量の情報が読み取られた場合に、前記予測時間と前記風量の情報と現在の日時とに基づいて、二酸化炭素の回収期限を決定する、請求項2に記載の二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項4】
前記吸収部材を通過する前の空気中の二酸化炭素濃度を検出する濃度検出部と、
前記二酸化炭素濃度に基づいて、前記期限決定部により決定された前記回収期限を変更する期限補正部と、をさらに備える、請求項2または3に記載の二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項5】
前記情報格納部には、前記吸収部材の識別情報がさらに格納されており、
前記読取部は、前記情報格納部から前記吸収部材の識別情報を読み取り、
前記送信部は、前記読取部により読み取った前記吸収可能量及び前記吸収部材の識別情報を、前記第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記第1情報端末から受信した前記吸収可能量及び前記吸収部材の識別情報を、前記第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、前記データベースに記憶し、
前記情報格納部から前記吸収可能量及び前記吸収部材の識別情報を読み取り、読み取った前記吸収可能量及び前記吸収部材の識別情報を、前記第1のユーザから未飽和の状態の吸収部材を引き取る第2のユーザの識別情報に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信
する、第2情報端末をさらに備え、
前記サーバ装置は、前記第2のユーザの識別情報に関連付けた状態の前記吸収可能量及び前記吸収部材の識別情報を受信した時期が、前記二酸化炭素の回収期限よりも前の場合に、当該受信した時期から前記二酸化炭素の回収期限までに前記吸収部材に吸収される二酸化炭素の量を、前記第2のユーザの二酸化炭素の回収量として前記データベースに記憶する、請求項2または3に記載の二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記第2のユーザの二酸化炭素の回収量が前記データベースに記憶される場合に、前記データベース内の前記第1のユーザの二酸化炭素の回収量から、前記第2のユーザの二酸化炭素の回収量を減じる処理を行う、請求項5に記載の二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項7】
前記第1情報端末又は前記サーバ装置のいずれか一方は、前記予測時間と現在の日時とに基づいて、吸収部材を貯蔵する時期又は吸収部材を再利用する時期である貯蔵再利用時期であって、前記回収期限よりも後の時期である貯蔵再利用時期を決定する貯蔵再利用時期決定部を、さらに含み、
前記貯蔵再利用時期を報知する貯蔵再利用時期報知部を、さらに備える、請求項2に記載の二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項8】
前記包装体の内部に配置されたケース部であって、前記吸収部材を収容するケース部をさらに備え、
前記ケース部は、前記包装体が開封された状態で、前記ケース部内に通気させる通気孔を有する第1面と、通気孔を有さない第2面とを含み、
前記情報格納部は、前記第2面に配置されている、請求項1に記載の二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項9】
ユーザによる二酸化炭素の回収量を記憶するサーバ装置を備えた、二酸化炭素回収量管理システムであって、
空気中の二酸化炭素を吸収する吸収部材と、
前記吸収部材が内部に配置された包装体であって、前記吸収部材に外部の空気が触れないように密封された包装体と、
前記包装体内との間に配置された情報格納部であって、前記吸収部材の識別情報が格納された情報格納部と、
前記情報格納部から前記吸収部材の識別情報を読み取る読取部と、前記読取部により読み取った前記吸収部材の識別情報を、第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する送信部と、を含む、第1情報端末と、を備え、
前記情報格納部は、前記包装体内が密封された状態では、前記読取部によって読取できない位置で、かつ、前記包装体が開封された状態では、前記読取部によって読取可能な位置に配置されており、
前記サーバ装置は、吸収部材の識別情報が、前記吸収部材が吸収可能な二酸化炭素の量である吸収可能量に関連付けられた吸収可能量データベースを参照して、前記第1情報端末から受信した前記吸収部材の識別情報に関連付けられた吸収可能量を読み出し、読み出した吸収可能量を、前記第1のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶する、二酸化炭素回収量管理システム。
【請求項10】
前記吸収可能量データベースは、吸収部材の識別情報が、吸収可能量及び前記吸収部材が飽和するまでの予測時間に関連付けられた状態で記憶されており、
前記サーバ装置は、
前記吸収可能量データベースを参照して、前記第1情報端末から受信した前記吸収部材の識別情報に関連付けられた吸収可能量及び予測時間を読み出し、
読み出した吸収可能量を、前記第1のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶し、
前記第1情報端末又は前記サーバ装置のいずれか一方は、読み出した予測時間と現在の日時とに基づいて、二酸化炭素の回収期限を決定する期限決定部を、さらに含み、
前記第1情報端末は、前記期限決定部により決定された前記二酸化炭素の回収期限を報知する報知部、をさらに含む、請求項9に記載の二酸化炭素回収量管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素回収量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護活動への取り組みが社会的に行われている。特に、地球温暖化の原因と考えられている二酸化炭素の排出量を抑制するための取り組みが、企業及び公的機関において行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、CO2排出削減量評価装置が開示されている。このCO2排出削減量評価装置は、主要因特定DBに記憶されている主要因特定情報に基づいて活動項目のうちから主要因を特定する。そして、CO2排出削減量評価装置は、CO2排出原単位DBに記憶されているCO2排出原単位に基づいて、ICTソリューションの導入前後における、主要因に関するCO2排出量を算出する。これにより、ICTソリューションの導入によるCO2排出削減量が評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-219542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、二酸化炭素の回収量を、二酸化炭素の排出量と等しくすることにより、地球環境への二酸化炭素による影響をゼロにする状態であるカーボンニュートラルが、社会的に目指されている。そして、特許文献1のような二酸化炭素の排出量のみならず、二酸化炭素の回収量を管理することが可能なシステムが望まれている。なお、「回収」とは、二酸化炭素を吸収部材に吸収させることなどによって、大気中に二酸化炭素を排出させないことを意味する。
【0006】
そこで、本願発明者は、ユーザの二酸化炭素の回収量を管理するために、ユーザが吸収部材の情報をサーバ装置に送信し、当該吸収部材の情報に基づいて二酸化炭素の回収量を記憶するシステムの開発を始めた。しかしながら、ユーザが吸収部材に二酸化炭素を吸収させることなく、吸収部材の情報をサーバ装置に送信すれば、送信された吸収部材の情報に基づいて、当該ユーザの二酸化炭素の回収量として不正に記憶されてしまう点を、本願発明者は発見した。この結果、二酸化炭素の回収量に基づいて、ユーザに何らかの利益(排出権等)を与える場合に、不正なユーザに排出権等の利益が与えられる結果になってしまうという問題点がある。また、吸収部材をユーザに提供する場合に、ユーザの手元に届くまでに吸収部材が二酸化炭素を吸収してしまえば、当該ユーザの手元に届いた後の二酸化炭素の回収量を正確に把握することが困難であるという問題点を、本願発明者は発見した。この場合、ユーザが実際に自身で吸収部材に吸収させた二酸化炭素の量よりも、サーバ装置に記憶される二酸化炭素の回収量が大きくなってしまう。
【0007】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、二酸化炭素の回収量が不正な値で記憶されるのを防止することが可能な二酸化炭素回収量管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、以下に開示する、本開示の第1の態様に係る二酸化炭素
回収量管理システムは、ユーザによる二酸化炭素の回収量を記憶するサーバ装置を備えた、二酸化炭素回収量管理システムであって、空気中の二酸化炭素を吸収する吸収部材と、前記吸収部材が内部に配置された包装体であって、前記吸収部材に外部の空気が触れないように密封された包装体と、前記包装体内に配置された情報格納部であって、前記吸収部材が吸収可能な二酸化炭素の量である吸収可能量が格納された情報格納部と、前記情報格納部から前記吸収可能量を読み取る読取部と、前記読取部により読み取った前記吸収可能量を、第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する送信部と、を含む、第1情報端末と、を備え、前記情報格納部は、前記包装体内が密封された状態では、前記読取部によって読取できない位置で、かつ、前記包装体が開封された状態では、前記読取部によって読取可能な位置に配置されており、前記サーバ装置は、前記第1情報端末から受信した前記吸収可能量を、前記第1のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶する。
【0009】
また、本開示の第2の態様に係る二酸化炭素回収量管理システムは、ユーザによる二酸化炭素の回収量を記憶するサーバ装置を備えた、二酸化炭素回収量管理システムであって、空気中の二酸化炭素を吸収する吸収部材と、前記吸収部材が内部に配置された包装体であって、前記吸収部材に外部の空気が触れないように密封された包装体と、前記包装体内に配置された情報格納部であって、前記吸収部材の識別情報が格納された情報格納部と、前記情報格納部から前記吸収部材の識別情報を読み取る読取部と、前記読取部により読み取った前記吸収部材の識別情報を、第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する送信部と、を含む、第1情報端末と、を備え、前記情報格納部は、前記包装体内が密封された状態では、前記読取部によって読取できない位置で、かつ、前記包装体が開封された状態では、前記読取部によって読取可能な位置に配置されており、前記サーバ装置は、吸収部材の識別情報が、前記吸収部材が吸収可能な二酸化炭素の量である吸収可能量に関連付けられた吸収可能量データベースを参照して、前記第1情報端末から受信した前記吸収部材の識別情報に関連付けられた吸収可能量を読み出し、読み出した吸収可能量を、前記第1のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶する。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、吸収部材が外部の空気が触れないように包装体により密封されているので、ユーザの手元に届くまで、吸収部材による二酸化炭素の吸収が防止される。これにより、第1情報端末から受信した吸収可能量が全てユーザの手元に届いた後に吸収された二酸化炭素の回収量としてみなすことができる。この結果、ユーザが実際に自身で吸収部材に吸収させた二酸化炭素の量よりも、サーバ装置に記憶される二酸化炭素の回収量が大きくなってしまうのを防止することができる。そして、情報格納部は、包装体内が密封された状態では、読取部によって読取できない位置で、かつ、包装体が開封された状態では、読取部によって読取可能な位置に配置されているので、包装体内が密封された状態(吸収部材が二酸化炭素を吸収しない状態)で、不正に情報格納部から情報(吸収可能量又は吸収部材の識別情報)が読み出されるのを防止することができる。その結果、ユーザが吸収部材に二酸化炭素を吸収させることなく、不正に情報格納部から読み出した情報がサーバ装置に送信されるのが防止される。これらの結果、二酸化炭素の回収量が不正な値で記憶されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態における二酸化炭素回収量管理システム100の概要を説明するためのブロック図である。
図2図2は、第1実施形態における吸収ユニット80の開封前の状態と開封後の状態とを説明するための図である。
図3図3は、第1実施形態におけるシステム100の構成を示すブロック図である。
図4図4は、第1回収者端末20及び空気清浄機60のブロック図である。
図5図5は、空気清浄機60の構成を示す断面図である。
図6図6は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例の図(1)である。
図7図7は、データベース12bに記憶された情報の例を示す図(1)である。
図8図8は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例の図(2)である。
図9図9は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例の図(3)である。
図10図10は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例の図(4)である。
図11図11は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例の図(5)である。
図12図12は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例の図(6)である。
図13図13は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例の図(7)である。
図14図14は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例、及び空気清浄機60の報知部64に表示される画面例の図(1)である。
図15図15は、風量と係数との関係を説明するための図である。
図16図16は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面例、及び空気清浄機60の報知部64に表示される画面例の図(2)である。
図17図17は、第2回収者端末120の構成を示すブロック図である。
図18図18は、第2回収者端末120の表示部123に表示される画面例の図(1)である。
図19図19は、第2回収者端末120の表示部123に表示される画面例の図(2)である。
図20図20は、中間保管者端末30の構成を示すブロック図である。
図21図21は、貯蔵再利用者端末40の構成を示すブロック図である。
図22図22は、管理者端末50の構成を示すブロック図である。
図23図23は、データベース12bに記憶された情報の例を示す図(2)である。
図24図24は、データベース12bに記憶された情報の例を示す図(2)である。
図25A図25Aは、データベース12bに記憶された情報の例を示す図(2)である。
図25B図25Bは、データベース12bに記憶された情報の例を示す図(2)である。
図26図26は、データベース12bに記憶された情報の例を示す図(2)である。
図27図27は、貯蔵再利用者端末40の表示部23に表示される画面例の図である。
図28図28は、データベース12bに記憶された情報の例を示す図(3)である。
図29図29は、第2実施形態による二酸化炭素回収量管理システム200の構成を示す図である。
図30図30は、データベース212bに記憶された情報の例を示す図である。
図31図31は、第1回収者端末220に表示される画面例の図である。
図32図32は、第2実施形態の第1変形例による二酸化炭素回収量管理システム400の構成を示す図である。
図33図33は、第2実施形態の第1変形例による第1回収者端末420のブロック図である。
図34図34は、第3実施形態による二酸化炭素回収量管理システム600の構成の一部を示す図である。
図35図35は、第3実施形態による空気清浄機660の断面図である。
図36図36は、第3実施形態の表示部664に表示される画面例を示す図である。
図37図37は、第1及び第2実施形態の第2変形例による予測時間と風量が、回収期限までの日数に関連付けられた状態のデータを説明するための図である。
図38図38は、第1及び第2実施形態の第3変形例による第1回収者端末720に表示される画面例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
【0013】
[第1実施形態]
(二酸化炭素回収量管理システムの全体構成)
図1は、第1実施形態における二酸化炭素回収量管理システム100(以下、「システム100」という)の構成を示すブロック図である。図2は、第1実施形態における吸収ユニット80の開封前の状態と開封後の状態とを説明するための図である。図3は、第1実施形態におけるシステム100の構成を示すブロック図である。図4は、第1回収者端末20及び空気清浄機60のブロック図である。図5は、空気清浄機60の構成を示す断面図である。
【0014】
図1に示すように、システム100は、人間、動物又は機器類及び自然環境から排気される空気中又は大気中の少なくとも一方における二酸化炭素を吸収ユニット80によって回収(除去)し、二酸化炭素の回収量を管理するシステムである。人間から排気される空気中の二酸化炭素が回収される場合、例えば、個人宅、企業のオフィス、飲食店、スポーツクラブ、商業施設、自動車内、電車内、飛行機内、船舶内などが回収場所として使用される。動物から排気される空気中の二酸化炭素が回収される場合、例えば、畜舎、ペットショップ、養鶏場、養豚場などが回収場所として使用される。機器類から排気される空気中の二酸化炭素が回収される場合、例えば、火力発電所、製造工場、自動車の排ガス、焼却炉などが回収場所として使用される。この他にも、火山、又は温泉が、自然環境から排気される空気中の二酸化炭素の回収場所として利用されてもよい。また、大気中から二酸化炭素が回収されてもよい。
【0015】
図2に示すように、吸収ユニット80は、包装体61bにより密封されている。すなわち、吸収ユニット80は、包装体61bの外部の空気が吸収ユニット80(吸収部材61)に触れないように、包装体61bにより覆われている。包装体61bは、例えば、袋状に構成されている。包装体61bは、例えば、通気性を有しないフィルム(例えば、樹脂製のフィルム)により構成されており、端部61daがシールされている。これにより、例えば、吸収ユニット80が製造された場所から、吸収ユニット80により二酸化炭素の吸収を開始させるユーザ(以下、「第1回収者」という)に、吸収ユニット80が輸送される間に、吸収ユニット80によって二酸化炭素の吸収が行われるのを防止することができる。また、包装体61bの外表面には、広告61cが配置されている。例えば、広告61cの広告主が、吸収ユニット80の製造コストの一部または全部を負担してもよいし、広告主からの広告費が吸収部材61の販売者に提供されてもよい。この結果、第1回収者は、吸収部材61の購入費の軽減や、場合によっては吸収部材61の代金を無料にすることができる。
【0016】
吸収部材61は、例えば、水酸化カルシウムを含有し、化学反応により二酸化炭素を吸収する部材である。すなわち、吸収部材61は、空気に触れることにより空気中の二酸化炭素と化学反応を行って、空気中の二酸化炭素を取り除く部材である。なお、吸収部材61は、この例に限られず、ゼオライト等の鉱物系に代表される多孔質素材であってもよいし、中空糸膜であってもよいし、その他の二酸化炭素を吸収・吸着可能な部材であってもよい。なお、化学反応により二酸化炭素を吸収する部材は、個体(紛体)にて二酸化炭素を回収できるため、他の方法に比べて効率良く二酸化炭素を回収し貯蔵することができる。
【0017】
また、吸収部材61は、メチルバイオレット等の染料を含有しており、吸収した二酸化炭素の量に応じて色彩が変化するように構成されている。例えば、吸収部材61は、二酸化炭素を吸収すると「白色」から「赤色、紫色、又はピンク色」に変わる。また、吸収部材61として、二酸化炭素を吸収すると「赤又は紫色」から「白色又はピンク色」に変わるものが用いられてもよいし、上記以外の色彩に変化するものが用いられてもよい。
【0018】
そして、図2に示すように、吸収ユニット80には、二次元コード61a及び広告二次元コード61dが貼付されている。すなわち、二次元コード61a及び広告二次元コード61dは、包装体61bの内部に配置されている。二次元コード61a及び広告二次元コード61dは、例えば、QRコード(登録商標)である。なお、吸収ユニット80に、二次元コード61a及び広告二次元コード61dを設ける例を示したが、二次元コード61a及び広告二次元コード61dに代えて一次元コード(バーコード)が設けられてもよいし、二次元コード61a及び広告二次元コード61dに代えてICチップ等、情報を格納可能な電気回路が設けられていてもよい。
【0019】
包装体61bが不透明な材料により構成されていることにより、包装体61b内が密封された状態では、二次元コード61a及び広告二次元コード61dを光学的に読取部25によって検出できない状態になっている。また、吸収ユニット80にICチップが設けられている場合は、包装体61bが導電体により構成されていることにより、包装体61b内が密封された状態では、読取部25とICチップとの間で電波が送受信できないようになっている。すなわち、第1実施形態では、二次元コード61a及び広告二次元コード61dは、包装体61b内が密封された状態では、読取部25によって読取できない位置で、かつ、包装体61bが開封された状態では、読取部25によって読取可能な位置に配置されている。
【0020】
また、二次元コード61a及び広告二次元コード61dは、吸収ユニット80のケース部81のうちの通気孔81a(図5参照)が設けられている前面81b及び背面81cには配置されないで、吸収ユニット80のうちの通気孔81a(図5参照)が設けられていない側面81dに配置(貼付)されている。これにより、二次元コード61a及び広告二次元コード61dが、通気を妨げない。
【0021】
二次元コード61aには、吸収部材61が吸収可能な二酸化炭素の量である吸収可能量と、吸収部材61が飽和するまでの予測時間とが格納されている。広告二次元コード61dには、広告主のID(以下「広告ID」という)が格納されている。
【0022】
ここで、第1回収者は、包装体61bを開封し、吸収ユニット80(吸収部材61)による二酸化炭素の吸収を開始させる。例えば、第1回収者は、包装体61bのシール部61baを開放し、吸収ユニット80を包装体61bの外側に取り出す。第1回収者は、吸収ユニット80を地面(床)や台等の上に放置した状態で、二酸化炭素の吸収をさせるか、又は、空気清浄機60(図5参照)内に吸収ユニット80を配置して、空気清浄機60内を通過する空気中の二酸化炭素を吸収させる。
【0023】
また、二酸化炭素を吸収した吸収ユニット80を第1回収者から引き取って、中間保管者、貯蔵者、又が再利用者に引き渡す者を第2回収者とする。「第1回収者」及び「第2回収者」は、空気清浄機60を使用する個人であってもよいし、空気清浄機60を管理する事業者であってもよいし、空気清浄機60を管理する公的機関(自治体、国、国際機関、及び学校など)であってもよい。「第2回収者」は、後述する「中間保管者」、「貯蔵者」又は「再利用者」が、「第2回収者」として行動してもよい。なお、「第1回収者」は、システム100を利用する「第1のユーザ」であり、「第2回収者」、「中間保管者」、「貯蔵者」及び「再利用者」は、システム100を利用する「第2のユーザ」である。
【0024】
また、第1実施形態では、第1回収者は、第1回収者端末20の表示部23(図14参照)を確認し、後述する「回収期限」以降に、吸収ユニット80を交換する。「交換する」とは、吸収ユニット80が床等に配置されている場合は、第1回収者は、当該吸収ユニット80を第2回収者に引き渡し、新たな吸収ユニット80が包装された包装体61bを開封し、新たな吸収ユニット80を床等に配置する。また、吸収ユニット80が空気清浄機60内に配置されている場合は、第1回収者は、吸収ユニット80を空気清浄機60内から取り出して第2回収者に引き渡し、第1回収者は、図3に示すように、二酸化炭素を未だ吸収していない新たな吸収ユニット80が包装された包装体61bを開封し、新たな吸収ユニット80を空気清浄機60内に配置する。なお、第1回収者は、「回収期限」よりも前に、吸収ユニット80が交換されてもよい。
【0025】
図3に示す管理サーバ装置10は、第1回収者端末20から第1回収者のユーザIDに関連付けられた吸収ユニット80の吸収可能量を取得し、当該吸収可能量を、二酸化炭素の回収量としてデータベース12bに記憶する。そして、管理サーバ装置10は、二酸化炭素の回収量に基づく排出権及びポイントを、第1回収者に付与する。「排出権」とは、排出を国又は国際機関によって許可された二酸化炭素の排出量である。第1回収者は、自身の二酸化炭素の排出量が、所有している排出権を超える場合には、他者から「排出権」を譲受する必要がある。「ポイント」とは、「排出権」以外のもので、与えられた者にとって利得のある数値を示すものである。例えば、「ポイント」は、与えられた者が所属する国の通貨と同等の価値を有するものであってもよいし、当該ポイントの大きさによって、所定のサービスの優遇度を向上させる(例えば、公共料金・医療負担額が低くなる)又は税率を下げるものであってもよい。「第1回収者端末20から取得した情報」には、例えば、第1回収者のユーザID、吸収部材61のID、当該吸収部材61の二酸化炭素の吸収可能量、吸収部材61が飽和するまでの予測時間又は回収期限が含まれている。「第1回収者端末20から取得した情報」には、さらに、吸収部材61の重さ、内容成分、製造工場名、製造会社名、製造日、原料の採取場所などの情報が含まれていてもよい。吸収ユニット80に広告61cが付されている場合は、「第1回収者端末20から取得した情報」には、広告主名、及び広告ランク(第1回収者との排出権又はポイントの案分割合等)などの情報が含まれる。これらのデータは、後述するデータベース12b内で互いに関連付けられる。
【0026】
第2回収者は、第1回収者から回収した吸収ユニット80(二酸化炭素)を、中間保管者、貯蔵者又は再利用者に引き渡す。また、第1回収者から回収した吸収ユニット80の
吸収部材61が飽和していない状態である場合、第2回収者は、当該吸収部材61に二酸化炭素をさらに吸収させて、この吸収部材61を飽和した状態にしてもよい。「飽和」するとは、吸収部材61による二酸化炭素の吸収量が吸収可能量にほぼ達した状態(例えば、吸収量が吸収可能量の80%以上に到達したこと)を意味する。なお、80%として例示した「飽和」の基準は、80%には限られない。また、「飽和」の基準は、例えば、吸収部材61が貯蔵されるか、又は、再利用されるかの用途に応じて異なる値に設定されてもよい。なお、後述する貯蔵再利用時期を考慮しない場合は、包装体61bが開封された後、後述する予測期間を超えたか、回収期限を超えた状態を、「飽和」した状態として取り扱ってもよい(「飽和」した状態として吸収部材61を貯蔵又は再利用してもよい)。
【0027】
「中間保管者」は、複数の第2回収者から回収した吸収ユニット80(二酸化炭素)を貯蔵者又は再利用者に引き渡すまで一時的に保管する自治体、国、国際機関又は民間事業者である。例えば、中間保管者による保管場場所として、ゴミ収集場所、ゴミ焼却場コンビニエンスストア、郵便局、商業施設、ガソリンスタンド、配送業者などの倉庫及び公共施設などが挙げられる。管理サーバ装置10は、中間保管者端末30から中間保管者のユーザIDに関連付けられた中間保管者が保管している吸収ユニット80の吸収可能量を取得し、当該吸収可能量を、二酸化炭素の中間保管量としてデータベース12bに記憶する(図25Aの「合計量」に加算する)。そして、管理サーバ装置10は、二酸化炭素の中間保管量に基づく排出権及びポイントを、中間保管者に付与する。
【0028】
中間保管者は、複数の第2回収者から回収した複数の吸収ユニット80(二酸化炭素)を、貯蔵者又は再利用者に引き渡す。また、中間保管者が保管している吸収ユニット80(二酸化炭素)を、貯蔵者自身又は再利用者自身が回収してもよいし、中間保管者から貯蔵者又は再利用者に引き渡す第3の回収者がさらに居ても良い。貯蔵者は、複数の中間保管者又は複数の第2回収者から回収した吸収ユニット80の吸収部材61(二酸化炭素)を大気以外の場所に貯蔵する。貯蔵者は、吸収ユニット80の吸収部材61自体を、大気以外の場所に貯蔵してもよいし、吸収部材61から二酸化炭素を抽出し、当該二酸化炭素を大気以外の場所に貯蔵してもよい。なお、貯蔵者は、後述する貯蔵再利用時期以降に、吸収部材61を貯蔵する。これにより、飽和していない状態の吸収部材61が貯蔵されてしまうのを防止することができる。貯蔵場所としては、地中、水中(海中)、及び宇宙が挙げられる。「貯蔵者」は、回収した二酸化炭素を大気以外の場所に貯蔵する者であり、貯蔵者は、例えば、自治体、国、国際機関、又は事業者である。管理サーバ装置10は、貯蔵再利用者端末40から貯蔵者のユーザIDに関連付けられた貯蔵者が貯蔵した吸収ユニット80の吸収可能量を取得し、当該吸収可能量を、二酸化炭素の貯蔵再利用量としてデータベース12bに記憶する(図25Aの「合計量」に加算する)。そして、管理サーバ装置10は、二酸化炭素の貯蔵再利用量に基づく排出権及びポイントを、貯蔵者に付与する。
【0029】
再利用者は、複数の中間保管者又は複数の第2回収者から回収した吸収ユニット80の吸収部材61を再利用する者である。例えば、再利用者は、飽和した状態の吸収部材61が炭酸カルシウムの場合、吸収部材61を用いてガラス製品や、コンクリートを製造する。「再利用者」は、例えば、自治体、国、国際機関、又は事業者(例えば、製造業者)である。管理サーバ装置10は、貯蔵再利用者端末40から再利用者のユーザIDに関連付けられた再利用者が再利用した吸収ユニット80の吸収可能量を取得し、当該吸収可能量を、二酸化炭素の貯蔵再利用量としてデータベース12bに記憶する(図25Aの「合計量」に加算する)。そして、管理サーバ装置10は、二酸化炭素の貯蔵再利用量に基づく排出権及びポイントを、再利用者に付与する。
【0030】
上記の構成によれば、二酸化炭素の回収量、中間保管量、及び貯蔵再利用量の各々を管理することができるとともに、回収量、中間保管量、及び貯蔵再利用量に関連する排出権
及びポイントを管理することができる。また、吸収部材61が外部の空気が触れないように包装体61bにより密封された状態で、第1回収者の手元に届くので、吸収部材61による二酸化炭素の吸収が防止される。これにより、第1回収者端末20から受信した吸収可能量と第1回収者の手元に届いた後に吸収された二酸化炭素の回収量とが一致するので、当該吸収可能量を第1回収者による二酸化炭素の回収量としてみなすことができる。この結果、第1回収者が実際に自身で吸収部材61に吸収させた二酸化炭素の量よりも、管理サーバ装置10に記憶される二酸化炭素の回収量が不正に大きくなってしまうのを防止することができる。
【0031】
そして、二次元コード61aは、包装体61b内が密封された状態では、第1回収者端末20によって読取できない位置で、かつ、包装体61bが開封された状態では、第1回収者端末20によって読取可能な位置に配置されているので、包装体61b内が密封された状態(吸収部材61が二酸化炭素を吸収しない状態)で、不正に二次元コード61aから吸収可能量が読み出されるのを防止することができる。その結果、第1回収者が吸収部材61に二酸化炭素を吸収させることなく、不正に二次元コード61aから読み出した情報が管理サーバ装置10に送信されるのが防止される。これらの結果、二酸化炭素の回収量が不正な値で記憶されるのを防止することができる。
【0032】
(二酸化炭素回収量管理システムの各部の構成)
図3に示すように、管理サーバ装置10は、ネットワークNを介して、複数の第1回収者端末20と、複数の第2回収者端末120と、複数の中間保管者端末30と、複数の貯蔵再利用者端末40と、管理者端末50と、通信可能に構成されている。なお、ネットワークNは、例えば、インターネット及びLocal Area Network(LAN)等であるが、これら以外のネットワークを用いてもよい。
【0033】
管理サーバ装置10は、二酸化炭素の回収量、二酸化炭素の中間保管量、二酸化炭素の貯蔵再利用量、複数の第1回収者の各々の排出権及びポイント、複数の第2回収者の各々の排出権及びポイント、複数の中間保管者の各々の排出権及びポイント、及び、複数の貯蔵者の各々の排出権及びポイントを管理するための装置である。管理サーバ装置10は、オンプレミス型(据え置き型)のサーバ装置でもよいし、クラウド上に構成されたサーバ装置であってもよい。管理サーバ装置10は、分散型台帳技術(例えば、ブロックチェーン技術)を用いたデータ構造を有するように上記した二酸化炭素の回収量や排出権等のデータを記憶する。これにより、管理サーバ装置10内のデータに対する改ざんを防止することができる。なお、管理サーバ装置10は、データに対して改ざんされる可能性が低い場合には、分散型台帳技術を用いていないデータ構造を有するように各データを記憶してもよい。
【0034】
また、複数の第1回収者端末20、複数の第2回収者端末120、複数の中間保管者端末30、複数の貯蔵再利用者端末40、及び管理者端末50の各々には、管理サーバ装置10にアクセスするためのアプリケーションプログラムがインストールされている。「管理者」とは、管理サーバ装置10を管理する自治体、国、国際機関、又は民間事業者である。複数の第1回収者端末20、複数の第2回収者端末120、複数の中間保管者端末30、複数の貯蔵再利用者端末40、及び複数の管理者端末50の各々は、管理サーバ装置10にアクセスすることにより、管理サーバ装置10が提供する情報及び画像を取得する。なお、専用のアプリケーションソフトウェアを用いることに限られず、ブラウザ用ソフトウェア(例えば、Webブラウザ)が複数の第1回収者端末20、複数の第2回収者端末120、複数の中間保管者端末30、複数の貯蔵再利用者端末40、及び複数の管理者端末50の各々にインストールされていてもよい。この場合、複数の第1回収者端末20、複数の第2回収者端末120、複数の中間保管者端末30、複数の貯蔵再利用者端末40、及び複数の管理者端末50の各々において、ブラウザ上で、管理サーバ装置10が提供する情報及び画像が表示される。
【0035】
図5に示すように、吸収部材61は、空気清浄機60内に配置されている。すなわち、第1実施形態による空気清浄機60は、二酸化炭素除去装置である。空気清浄機60は、制御部62と、装置情報格納部63と、報知部64と、ファン65と、空気清浄フィルタ66と、読取部67と、吸収ユニット80とを含む。制御部62は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。そして、制御部62は、空気清浄機60の各制御処理を実行する。装置情報格納部63には、吸収ユニット80を通過させる風量の情報が格納されている。装置情報格納部63は、例えば、二次元コード又は一次元コードとして構成されており、内部に格納されたデータ(風量の情報)を読取部25によって読み取り可能に構成されている。装置情報格納部63は、ICチップとして構成されていてもよく、ICチップ内に格納されたデータ(風量の情報)を読取部25によって読み取り可能に構成されていてもよい。報知部64は、例えば、ディスプレイとして構成されており、後述する回収期限を表示する。読取部67は、吸収ユニット80が空気清浄機60内に配置された状態で、吸収ユニット80の二次元コード61aに対向する位置は配置されている。そして、読取部67は、二次元コード61aからデータを読み出すように構成されている。
【0036】
図5に示すように、空気清浄機60は、吸収部材61とファン65とを収容する筐体68を含む。筐体68には、筐体68内に空気を吸い込む吸気口68aと、筐体68外に空気を排出する排気口68bと、を含む。第1実施形態では、筐体68内には、吸気口68aから排気口68bに向かって、吸収ユニット80(吸収部材61)、ファン65、及び空気清浄フィルタ66の順に配置されている。そして、ファン65は、吸収部材61及び空気清浄フィルタ66に空気を通過させるように、気流Aを発生させる。装置情報格納部63は、筐体68の外側に配置されている。また、空気清浄フィルタ66は、例えば、HEPAフィルタである。空気清浄フィルタ66は、ファン65の駆動により生じる気流Aの通気経路内(例えば、吸収部材61及びファン65よりも排気口68b側)に配置されている。
【0037】
また、図5に示すように、吸収ユニット80は、吸収部材61を収容するケース部81と、ケース部81の側面に設けられた窓部82とを含む。ケース部81には、吸収部材61に通気可能な複数の通気孔81aが設けられている。また、窓部82は、吸収ユニット80外から吸収部材61が視認可能に、透明な材料からなる。また、筐体68には、窓部82を介して、吸収部材61が視認可能に、窓部68cが設けられている。窓部68cは、筐体68外から吸収部材61が視認可能に、透明な材料からなる。これにより、吸収部材61が空気清浄機60内に配置された状態でも、吸収部材61の状態(例えば、色)をユーザが確認することができる。
【0038】
また、筐体68は、吸収ユニット80を空気清浄機60に対して着脱可能に構成されている。例えば、窓部68cが筐体68に対して取り外し可能に構成されており、窓部68cが取り外された部分を介して、吸収ユニット80を空気清浄機60の外に取り外することができる。なお、吸収ユニット80の空気清浄機60に対する着脱方法は、この例に限られず、筐体68の窓部68c以外の一部が開放された状態で、吸収ユニット80が着脱されてもよい。
【0039】
(各情報端末の詳細の構成)
図3に示す第1回収者端末20は、第1回収者が使用する情報端末である。第2回収者端末120は、第2回収者が使用する情報端末である。中間保管者端末30は、中間保管者が使用する情報端末である。複数の貯蔵再利用者端末40は、貯蔵者が使用する情報端末である。管理者端末50は、管理者が使用する情報端末である。「情報端末」としては
、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ、またはタブレット端末を用いることができる。
【0040】
〈第1回収者端末20の構成〉
図4は、第1回収者端末20の構成を示すブロック図である。図4に示すように、第1回収者端末20は、制御部21と、操作部22と、表示部23と、通信部24と、読取部25と、記憶部26と、位置情報センサ27と、を含む。制御部21は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。そして、制御部21は、第1回収者端末20の各制御処理を実行する。また、操作部22は、キーボード、マウス、タッチパネル等のユーザインタフェースである。表示部23は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。また、表示部23がタッチパネルとして構成されている場合には、当該タッチパネルが操作部22と表示部23とを兼ねてもよい。通信部24は、通信インターフェイスであり、ネットワークNに接続されている。
【0041】
読取部25は、例えば、吸収部材61に付された二次元コード61a、及び装置情報格納部63を撮影するカメラである。読取部25は、これに限られず、二次元コード61a、及び装置情報格納部63に光を照射する発光部と、反射光を検出する受光部とを備えてもよい。また、読取部25は、ICチップ内のデータを読み出す回路が設けられていてもよい。記憶部26は、例えば、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)の少なくとも一方を含む。記憶部26には、アプリケーションプログラム26aが記憶されている。位置情報センサ27は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサである。
【0042】
図6は、第1回収者端末20の表示部23に表示される会員登録画面の例を説明するための図である。図6に示すように、アプリケーションプログラム26aが初めて制御部21により起動されると、会員登録画面が表示される。なお、「会員」とは、管理サーバ装置10に自身の氏名又は名称、及び自身の属性等を登録したユーザである。
【0043】
表示部23には、ユーザ自身の氏名又は名称、ユーザの属性(自身が所属する企業・団体、所在地など)の情報、及び他者情報取得権限の情報を入力するための会員登録画面が表示される。そして、第1回収者端末20に第1回収者が入力し、入力された情報は、第1回収者端末20から管理サーバ装置10に送信される。ここで、第1回収者は、上記したように、個人、企業、任意の団体や組織が挙げられるが、企業の場合、各支店、各営業所の回収実績(回収量)などの情報を本部(管理部門)が確認したい場合がある。また、企業に関わらず任意の団体や組織が、他社の回収量を把握しながら、温暖化対策を啓蒙し二酸化炭素を回収する場合がある。そこで、第1回収者は、他者情報取得権限の情報を入力することにより、第1回収者に対する他者情報取得権限の付与を、管理サーバ装置10に要求することができる。なお、第1回収者が会員登録しない状態でも、第2回収者によって第1回収者から吸収部材61が回収されてもよい。「他者情報取得権限」とは、データベース12b内の自身が権限を有する他のユーザIDに関連付けられた情報にアクセス(閲覧)できる権利を意味する。
【0044】
第1回収者端末20には、「送信」ボタンが表示される。第1回収者端末20は、「送信」ボタンが選択されると、図6に示す画面に入力された情報と、第1回収者端末20の識別情報と、第1回収者端末20の位置情報とを、管理サーバ装置10に送信する。
【0045】
図7は、データベース12bに記憶された情報の一例を示す図である。図7に示すように、管理サーバ装置10は、第1回収者端末20から受信した情報を、新たに発行したユーザIDを関連付けてデータベース12bに記憶する。例えば、管理サーバ装置10は、第1回収者端末20の識別情報(端末ID)、属性の情報、位置情報、及び他社情報取得権限情報を新たに発行したユーザIDに関連付けて、データベース12bに記憶する。なお、会員登録は、上記の方法以外に、当段落の上記の情報が記入された登録用紙を管理者へ送付(郵送または電子メール等)で行うこともでき、その場合は、図8に示す処理において、管理者端末50から、会員番号(二次元コード23aなど)が第1回収者端末20に送信されるか、郵送で二次元コード23aが記載されたステッカーが第1回収者に送付される。
【0046】
図8は、第1回収者端末20の表示部23に表示されるユーザIDを通知するための画面の例を説明するための図である。管理サーバ装置10は、第1回収者端末20から会員登録画面において読取及び入力された情報を取得し、ユーザIDを新たに発行する。そして、管理サーバ装置10は、第1回収者端末20にユーザIDが記憶された二次元コード23aを第1回収者端末20に送信する。第1回収者端末20は、二次元コード23aを受信すると、図8に示すように、表示部23に二次元コード23aを表示させる。二次元コード23aは、バーコードであってもよいし、数字として表示されるものであってもよい。
【0047】
また、管理サーバ装置10は、第1回収者端末20(例えば、「個人A」とする)から他者情報取得権限の情報を受信した場合(例えば、AがA自身が所属する組織団体(以下「組織団体B」とする)の情報を閲覧したい場合)、図示しないが、組織団体Bの端末に、承認を求める通知等を行う。そして、管理サーバ装置10は、組織団体Bの端末から、承認する旨の回答を得た場合、個人Aの第1回収者端末20からは、データベース12bに記憶された第1回収者(個人A)の情報(回収量の情報など)と、データベース12bに記憶された組織団体Bの情報とが閲覧できるように制御する。また、管理サーバ装置10は、組織団体Bの端末からデータベース12bに記憶された個人Aの情報(回収量の情報など)を閲覧できるように制御する。上記の承認の手続きは、上記のように会員登録時に行われてもよいし、会員登録後に行われてもよい。また、ユーザ本人がデータベース12bに記憶された自身の情報を公表することを承認している場合は、全ての他のユーザが当該情報にアクセスすることができる。例えば、ユーザ自身が所属する組織以外のその他の団体や組織、及び個人の回収量については、当該ユーザは、公表することを承認した組織、団体、個人の情報の閲覧が可能となる。また、公表することを承認した組織、団体、個人の情報は、当該システム上とは別に、ウェブサイト上に公開されてもよい。そして、図8に示すように、例えば、表示部23に「あなたは、『○○株式会社』に所属するユーザの情報を閲覧することができます」等のメッセージが表示される。そして、第1回収者は、データベース12b内において、「○○株式会社」に所属するユーザIDに関連付けられた情報にアクセスすることができる。また、承認が拒否されると、例えば、表示部23に「承認が拒否されました。あなたは、『○○株式会社』に所属するユーザの情報を閲覧することはできません」等のメッセージが表示される。
【0048】
図9図13を参照して、読取部25による読み取りに関する処理について説明する。なお、読取部25及び表示部23による動作は、制御部21の制御処理により実行される。図9図13は、第1回収者端末20の表示部23に表示される画面の例を説明するための図である。第1回収者が吸収ユニット80により二酸化炭素の吸収を開始させる際に、第1回収者端末20のアプリケーションプログラム26aを起動させると、読取部25による読み取りが開始され、図9に示す画面が表示部23に表示される。
【0049】
図9に示すように、表示部23には、読取部25により撮影されている二次元コード23aの画像が表示される。表示部23には、例えば、「二次元コードを読み取ってください」等のメッセージ、「ユーザID」の欄、「吸収可能量の欄」、「フィルタID」の欄、「予測時間」の欄、「広告」の欄、及び「風量」の欄が表示される。各欄には、読取部25により読み取られた情報が表示される。二次元コード23aが読み取られると、「ユーザID」の欄に、例えば、「10001」が表示される。なお、読み取りの実行は、図9に表示された「読取」ボタンに対する操作に応じて行われてもよいし、操作に拘わらず自動的に行われてもよい。
【0050】
図10に示すように、二次元コード61aが読み取られると、「吸収可能量」の欄に、例えば、「18g」が表示され、「フィルタID」の欄に、例えば、「00001」が表示され、「予測時間」の欄に「60日」と表示される。図11に示すように、広告二次元コード61dが読み取られると、「広告ID」の欄に、例えば、「001」が表示される。
【0051】
図12に示すように、装置情報格納部63が読み取られると、「風量」の欄に、例えば、「△m3/min.」が表示される。また、図13に示すように、第1回収者が、空気清浄機60に吸収ユニット80を設置しない場合には、「空気清浄機に設置しない」ボタンを選択することにより、図9図13に示す読取部25による読み取りに関する処理が終了する。
【0052】
ここで、吸収部材61が飽和するために要する時間は、予め実験を行うことにより知ることができる。例えば、300~400ppmなどの二酸化炭素の濃度が比較的少ない環境に吸収部材61(吸収ユニット80)を放置した状態で、飽和するまでの時間が測定される。二次元コード61aには、上記の飽和するまでの時間が「予測時間」として格納されている。これにより、二酸化炭素の濃度が300~400ppm以上の環境で使用した場合、仮に包装体61bが開封された後、吸収部材61が飽和するまでの時間は、予測時間以下となる。図13の例において、「空気清浄機に設置しない」ボタンが選択された場合(風量の情報が読み取られなかった場合)、図14に示すように、制御部21は、現在の日から二次元コード61aから読み取った予測時間経過した日を、吸収ユニット80の回収期限として決定する。例えば、「予測時間」が60日であれば、現在の日から60日後の年月日が回収期限として決定される。そして、制御部21は、吸収ユニット80の回収期限を、表示部23に表示させる。なお、図14では「回収期限」として「年月日」が表示される例を示しているが、さらに「時刻」が表示されてもよい。これにより、第1回収者は、回収期限に応じて、吸収ユニット80を交換すれば、飽和した後すぐに吸収ユニット80を交換することができ、効率良く二酸化炭素を回収することができる。
【0053】
また、吸収ユニット80が空気清浄機60内に配置されている場合には、「予測時間」よりも吸収部材61が飽和する時期は早くなる。そこで、第1実施形態では、予め、空気清浄機60内に配置された状態の吸収ユニット80(吸収部材61)が飽和する時期が測定されている。そして、予測時間に対する測定された時間の割合である係数が、アプリケーションプログラム26aに記憶されている。また、この係数は、風量ごとに値が異なるため、アプリケーションプログラム26aには、風量に関連付けされた状態で、係数が記憶されている。そして、第1実施形態では、制御部21は、読取部25により風量の情報が読み取られた場合に、予測時間と風量の情報と現在の日時とに基づいて、二酸化炭素の回収期限を決定する。例えば、制御部21は、風量が「△m3/min.」である場合、アプリケーションプログラム26aから係数「0.2」を読み出し、現在の日から、予測時間に対して係数を乗算した日数を、吸収ユニット80の回収期限として決定する。例えば、「予測時間」が60日で「係数」が0.2であれば、現在の日から12日後の年月日が回収期限として決定される。これにより、二酸化炭素を回収する速度を向上させた場合でも、風量の情報に基づいて、二酸化炭素の回収期限を適切に決定することができる。
【0054】
そして、制御部21は、通信部24を介して、管理サーバ装置10に、フィルタID、広告ID、吸収可能量、回収期限、及び、後述する貯蔵再利用時期を、ユーザIDに関連付けた状態で、送信する。
【0055】
また、図16に示すように、制御部21は、現在の日時が回収期限を過ぎた場合、「回収期限を過ぎています。フィルタを交換してください」等の吸収ユニット80の交換を促すメッセージを表示部23に表示させる。
【0056】
空気清浄機60の制御部62は、制御部21と同様に、「回収期限」を決定して、図14に示すように、報知部64に回収期限を表示する。制御部62は、読取部67により二次元コード61aから予測時間を読み出し、予測時間と風量の情報と現在の日時とに基づいて、二酸化炭素の回収期限を決定する。また、制御部62は、制御部21と同様に、図16に示すように、現在の日時が回収期限を過ぎた場合、吸収ユニット80の交換を促すメッセージを報知部64に表示させる。
【0057】
〈第2回収者端末120の構成〉
図17は、第2回収者端末120の構成を示すブロック図である。図17に示すように、第2回収者端末120は、制御部121と、操作部122と、表示部123と、通信部124と、読取部125と、記憶部126とを含む。そして、制御部121は、第2回収者端末120の各制御処理を実行する。制御部121と、操作部122と、表示部123と、通信部124と、読取部125と、記憶部126とは、制御部21と、操作部22と、表示部23と、通信部24と、読取部25と、記憶部26と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0058】
図18は、第2回収者端末120の表示部123に表示される画像の例である。第2回収者は、第1回収者から吸収ユニット80を引き取る時、または、引き取った後に、第2回収者端末120により、第2回収者のユーザIDが格納された二次元コード123aからユーザIDを読み取る。なお、第2回収者は、吸収部材61を第1回収者から直接引きとることに限られず、所定の回収場所(例えば、ゴミ捨て場)に、任意の時に第1回収者が吸収部材61を置き、第2回収者が所定の回収場所に置かれた吸収部材61を回収してもよい。
【0059】
そして、図10図13に示す例と同様に、第2回収者は、第2回収者端末120によって、吸収ユニット80の二次元コード61aから情報を読み取る。第2回収者端末120は、二次元コード61aから読み取ったフィルタID及び吸収可能量を、第2回収者のユーザIDに関連付けた状態で、管理サーバ装置10に送信する。そして、管理サーバ装置10は、第2回収者端末120から受信したフィルタID及び吸収可能量を、第2回収者のユーザIDに関連付けた状態で、データベース12bに記憶する。また、管理サーバ装置10は、二酸化炭素の吸収が開始された日時と、現在の日時と、回収期限とに基づいて、吸収可能量の残量(未飽和分)を計算する。例えば、管理サーバ装置10は、第1回収者端末20から吸収可能量を受信した日時を吸収が開始された日時として設定し、当該吸収が開始された日時から回収期限までの第1の期間を算出する。そして、管理サーバ装置10は、現在の日時から回収期限までの第2の期間を算出する。そして、管理サーバ装置10は、第1の期間に対する、第1の期間から第2の期間を引いた期間の割合を、吸収可能量に乗算した値を、吸収可能量の残量(未飽和分)とする。また、管理サーバ装置10は、第2回収者端末120に、吸収可能量の残量を送信する。
【0060】
ここで、吸収ユニット80の回収期限(図16参照)以降に、第1回収者から第2回収者に引き渡される場合と、吸収ユニット80の回収期限(図14参照)よりも前に、第1回収者から第2回収者に引き渡される場合とがある。第2回収者端末120の表示部123には、図19に示すように、管理サーバ装置10から受信した吸収可能量の残量が表示される。第2回収者は、吸収可能量の残量を確認し、残量がある場合、吸収ユニット80による二酸化炭素の吸収をさらに進め、残量がない場合、中間保管者又は貯蔵者に吸収ユニット80を引き渡す。
【0061】
〈中間保管者端末30、貯蔵再利用者端末40、及び管理者端末50の構成〉
図20は、中間保管者端末30の構成を示すブロック図である。図20に示すように、中間保管者端末30は、制御部31と、操作部32と、表示部33と、通信部34と、読取部35と、を含む。制御部31は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。そして、制御部31は、中間保管者端末30の各制御処理を実行する。また、操作部32、表示部33、通信部34、及び読取部35は、それぞれ、操作部22、表示部23、通信部24、及び読取部25と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
中間保管者は、第2回収者から吸収ユニット80を受け取り、吸収ユニット80の二次元コード61aから読み取った情報に、ユーザID(中間保管者のID)を関連付けた状態で、管理サーバ装置10に送信する。なお、中間保管者は、第1回収者から吸収ユニット80を受け取ってもよい。
【0063】
図21は、貯蔵再利用者端末40の構成を示すブロック図である。図21に示すように、貯蔵再利用者端末40は、制御部41と、操作部42と、表示部43と、通信部44と、読取部45と、を含む。制御部41は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。そして、制御部41は、貯蔵再利用者端末40の各制御処理を実行する。また、操作部42、表示部43、通信部44、及び読取部45は、それぞれ、操作部22、表示部23、通信部24、及び読取部25と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
貯蔵者は、中間保管者から吸収ユニット80を受け取り、吸収ユニット80の二次元コード61aから読み取った情報に、ユーザID(貯蔵者のID)を関連付けた状態で、管理サーバ装置10に送信する。なお、貯蔵者は、第1回収者、又は第2回収者から吸収ユニット80を受け取ってもよい。
【0065】
図22は、管理者端末50の構成を示すブロック図である。図22に示すように、管理者端末50は、制御部51と、操作部52と、表示部53と、通信部54と、を含む。制御部51は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。そして、制御部51は、管理者端末50の各制御処理を実行する。また、操作部52、表示部53、及び通信部54は、それぞれ、操作部22、表示部23、及び通信部24と同様であるため、説明を省略する。管理サーバ装置10を管理する管理者は、管理者端末50を操作して、データベース12b内の編集を行う。
【0066】
(管理サーバ装置10の構成)
図3に示すように、管理サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを含む。制御部11は、プログラム12aを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。そして、制御部11は、管理サーバ装置10の各制御処理を実行する。通信部13は、通信インターフェイスであり、ネットワークNに接続されている。
【0067】
記憶部12は、プログラム12aと、データベース12bとが記憶されている。プログラム12aは、大気中及び機器から排気される空気中の少なくとも一方における二酸化炭素の回収量を管理するために、制御部11のプロセッサに、各制御処理を実行させるプログラムである。
【0068】
図23は、制御部11が各端末から取得する情報の一例を示す図である。制御部11は、通信部13を介して、第1回収者端末20、第2回収者端末120、中間保管者端末30、及び、貯蔵再利用者端末40から、「ユーザID」、「フィルタID」、「広告ID」、「吸収可能量」、及び「回収期限」を受信する。例えば、図23に示すように、例えば、受信する情報には、取得した日時(例えば、「2022/1/1/10:32」)と、ユーザID(例えば、「10001」)と、フィルタID(例えば、「00001」)と、広告ID(例えば、「001」)と、回収期限(例えば、「2022年×月〇日」)と、吸収可能量(例えば、「18g」)と、が含まれる。
【0069】
図24は、データベース12bに記憶された情報の例を示す図である。図24に示すように、データベース12bには、ユーザIDが、二酸化炭素の回収量、中間保管量、又は貯蔵再利用量の合計値と、排出権・ポイントと、広告IDとが関連付けられて記憶されている。例えば、管理サーバ装置10が、図23に示す日時「2022/1/1/10:32」のデータを第1回収者端末20から受信した場合、図24に示すように、制御部11は、第1回収者端末20から受信した吸収可能量(18g)を、ユーザID(10001)に関連付けた状態で、当該第1回収者の二酸化炭素の回収量としてデータベース12bに記憶する。例えば、ユーザID(10001)の「合計量」が「0g」であった場合、制御部11は、「0g」に18gを加算して「18g」としてデータベース12bに記憶する。
【0070】
また、管理サーバ装置10が、図23に示す日時「2022/1/1/10:32」のデータを第1回収者端末20から受信した場合、図24に示すように、制御部11は、第1回収者端末20から受信した吸収可能量(18g)を、ユーザID(10001)に関連付けた状態で、当該第1回収者の二酸化炭素の回収量としてデータベース12bに記憶する。また、制御部11は、フィルタID(00001)をユーザID(10001)に関連付けた状態で、データベース12bに記憶する。
【0071】
また、管理サーバ装置10は、フィルタIDを受信した際に、フィルタIDが他のユーザIDに関連付けられていないか判断する。例えば、管理サーバ装置10は、図23に示す日時「2022/1/7/10:34」のデータを第2回収者端末120から受信した場合、制御部11は、フィルタID(00001)がユーザID(10001)に関連付けられていると判断する。この場合、制御部21は、第2回収者端末120から受信した日時「2022/1/7/10:34」が、図23に示す回収期限(2022年×月〇日)よりも前であった場合、図25Aに示すように、当該受信した日時から回収期限までに吸収部材61に吸収される二酸化炭素の量(吸収可能量の残量)を、第2回収者の二酸化炭素の回収量として合計量に加算する。すなわち、制御部21は、吸収可能量の残量(未飽和分)を第2回収者のユーザIDに関連付けて、データベース12bに記憶する。また、制御部21は、吸収可能量の残量が第2回収者(ユーザIDが12456)の二酸化炭素の回収量としてデータベース12bに記憶される場合に、データベース12b内の第1回収者(ユーザIDが10001)の二酸化炭素の回収量(の合計量)から、吸収可能量の残量を減じる処理を行う。例えば、制御部21は、吸収可能量の残量が「9g」の場合、第1回収者(ユーザIDが10001)の合計量を「18g」から「9g」に減らし、第2回収者(ユーザIDが12456)の合計量を「0g」から「9g」に増やす。これにより、第2回収者と第1回収者とに回収量が重複して記憶されるのを防止することができる。この結果、第2回収者の回収量と第1回収者の回収量とを適切に記憶することができる。
【0072】
また、管理サーバ装置10は、ユーザの属性が「中間保管者」であるユーザIDに関連付けられて受信した吸収可能量を、二酸化炭素の中間保管量としてデータベース12bに記憶する。例えば、制御部21は、図23に示す日時「2022/1/2/21:00」の情報が、中間保管者端末30から受信した場合、図24に示すように、受信した吸収可能量を、ユーザID(24584)に関連付けられた二酸化炭素の中間保管量の合計値に加算する。
【0073】
また、管理サーバ装置10は、ユーザの属性が「貯蔵者」であるユーザIDに関連付けられて受信した吸収可能量を、二酸化炭素の貯蔵者としてデータベース12bに記憶する。例えば、制御部21は、図23に示す日時「2022/1/3/10:32」の情報が、貯蔵再利用者端末40から受信した場合、図24に示すように、受信した吸収可能量を、ユーザID(34568)に関連付けられた二酸化炭素の貯蔵再利用量の合計値に加算する。
【0074】
また、図24に示すように、データベース12bには、ユーザIDに、排出権及びポイントの情報が関連付けて記憶されている。そして、図26に示すように、ユーザは、他のユーザと排出権及びポイントを取り引きすることができ、取引結果は、各情報端末から管理サーバ装置10に送信される。例えば、図26に示すように、制御部11は、第1回収者端末20(譲渡元ユーザ)から「譲渡元ユーザIDが『10001』」であること、「譲受先ユーザIDが『13546』」であること、「取り引きしたポイントが『××pt』」であることを示す情報を取得する。制御部11は、データベース12b内のユーザID「10001」のポイントからポイント「××pt」を減らし、ユーザID「24568」のポイントにポイント「××pt」を追加させる。また、図26に示すように、ユーザから、他のユーザに限られず、国と他の国との排出権の取引結果も、データベース12bに記憶される。
【0075】
第1回収者端末20の制御部21は、二次元コード61a(図10参照)を読み取った際に、読み取った予測時間と現在の日時とに基づいて、吸収部材61を貯蔵する時期又は吸収部材61を再利用する時期である貯蔵再利用時期を決定する。「貯蔵再利用時期」とは、回収期限よりも後の時期であり、吸収部材61が十分飽和した状態となる時期である。例えば、図27に示すように、制御部21は、貯蔵再利用時期を、回収期限(例えば、2022年×月〇日)よりも後の時期(例えば、2023年□月×日)に決定する。例えば、制御部21は、回収期限に対して、予測時間経過した時点を、貯蔵再利用時期として決定する。すなわち、制御部21は、吸収ユニット80を空気清浄機60に配置しない場合は、現在の日時(二次元コード61aを読み取った日時)から、予測時間の2倍の期間経過した時点を貯蔵再利用時期として決定する。なお、貯蔵再利用時期を、回収期限に対して、予測時間経過した時点を、貯蔵再利用時期として決定する例と、吸収ユニット80を空気清浄機60に配置しない場合に現在の日時(二次元コード61aを読み取った日時)から、予測時間の2倍の期間経過した時点を貯蔵再利用時期として決定する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、貯蔵再利用時期を、回収期限に対して、吸収部材61が十分飽和する時期を予め実験的に求めておいて、実験的に求めた時期を貯蔵再利用時期として、第1回収者端末20又は管理サーバ装置10に記憶させておいてもよい。
【0076】
そして、第1回収者端末20は、管理サーバ装置10に、決定した貯蔵再利用時期及び回収期限を、フィルタIDに関連付けた状態で、送信する。図28に示すように、管理サーバ装置10の制御部11は、データベース12bに、受信した貯蔵再利用時期及び回収期限を、フィルタIDに関連付けた状態で記憶する。その後、第2回収者端末120、中間保管者端末30、貯蔵再利用者端末40から、管理サーバ装置10に、フィルタIDが送信された場合、管理サーバ装置10は、フィルタIDを送信した端末に、フィルタIDに関連付けられた貯蔵再利用時期を送信する。フィルタIDを送信した端末(例えば、貯蔵再利用者端末40とする)は、貯蔵再利用時期を受信し、受信した貯蔵再利用時期を、図27に示すように表示部(貯蔵再利用者端末40の場合、表示部43)に表示する。例えば、制御部41は、表示部43に「貯蔵再利用時期は、2023年□月×日です」と表示し、「貯蔵再利用時期以降に、吸収部材の貯蔵又は再利用を行ってください。」などの貯蔵再利用時期以降に、貯蔵又は再利用を促す旨のメッセージを表示する。表示部123、又は33に、図27に示す画面が表示されてもよい。また、第1回収者端末20は、管理サーバ装置10に、決定した貯蔵再利用時期及び回収期限を、フィルタIDに関連付けた状態で、送信する際(例えば、送信後)に、図27に示す画面を表示部23に表示してもよい。
【0077】
上記の構成によれば、回収期限において回収された吸収部材61が、実際には飽和していない状態(未飽和)であっても、回収期限よりも後の時期である貯蔵再利用時期以降に、吸収部材61を貯蔵又は再利用されるので、未飽和の吸収部材61が貯蔵又は再利用されるのを防止することができる。
【0078】
[第2実施形態]
次に、図29図31を参照して、第2実施形態による二酸化炭素回収量管理システム200の構成について説明する。第1実施形態では、二次元コード61aに、フィルタID、吸収可能量、及び予測時間が格納される例を示したが、第2実施形態では、二次元コード261aには、フィルタIDのみが格納されている。なお、第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を用い説明を省略する。
【0079】
図29は、第2実施形態による二酸化炭素回収量管理システム200(以下、「システム200」という)のブロック図である。システム200は、管理サーバ装置210、第1回収者端末220、第2回収者端末320、中間保管者端末230、及び貯蔵再利用者端末240を含む。管理サーバ装置210は、制御部211と、記憶部212とを含む。記憶部212には、プログラム212aとデータベース212bとが記憶されている。
【0080】
図30に示すように、第2実施形態では、データベース212bには、吸収可能量と予測時間とが、フィルタIDに関連付けられた状態で、予め記憶されている。これにより、第1回収者端末220は、図31に示すように、二次元コード261aからフィルタIDを読み取り、フィルタID及び風量の情報をユーザIDに関連付けた状態で、管理サーバ装置210に送信する。
【0081】
そして、管理サーバ装置210は、データベース212bを参照して、フィルタIDに関連付けられた吸収可能量と予測時間とを、読み出す。また、管理サーバ装置210のデータベース212bには、図15に示す風量の情報と係数との関係を示すデータが格納されている。そして、制御部211は、第1回収者端末220から受信した風量の情報に関連付けられた係数をデータベース212bから読み出し、現在の日時に対して、読み出した係数を予測時間に乗算した日数を経過させた日時を、回収期限として決定する。そして、制御部211は、図23に示す例と同様に、ユーザIDを、フィルタIDと、吸収可能量と、回収期限とを関連付けて、データベース212bに記憶する。そして、制御部211は、図24に示す例と同様に、吸収可能量及びフィルタIDを、対応するユーザIDの合計量に加算する(二酸化炭素の回収量として記憶する)。
【0082】
また、制御部211は、予測時間を読み出した際に、読み出した予測時間と現在の日時とに基づいて、吸収部材61を貯蔵する時期又は吸収部材61を再利用する時期である貯蔵再利用時期を決定する。貯蔵再利用時期の決定方法は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。そして、管理サーバ装置210は、決定した貯蔵再利用時期及び回収期限を、フィルタIDに関連付けた状態で、データベース212bに記憶する。図28に示すように、管理サーバ装置10の制御部11は、データベース212bに、決定した貯蔵再利用時期及び回収期限を、フィルタIDに関連付けた状態で記憶する。その後、第2回収者端末320、中間保管者端末230、貯蔵再利用者端末240から、管理サーバ装置210に、フィルタIDが送信された場合、管理サーバ装置210は、フィルタIDを送信した端末に、フィルタIDに関連付けられた貯蔵再利用時期を送信する。フィルタIDを送信した端末は、貯蔵再利用時期を受信し、受信した貯蔵再利用時期を、図27に示すように表示部に表示する。また、管理サーバ装置210は、第1回収者端末220に、決定した貯蔵再利用時期を送信し、第1回収者端末220が、受信した貯蔵再利用時期を、図27に示す画面例と同様に表示部23に表示してもよい。
【0083】
また、制御部211は、第1回収者端末220に、回収期限の情報を送信する。第1回収者端末220は、受信した回収期限を、図14の例と同様に、表示部23に表示する。第2回収者端末320、中間保管者端末230、及び貯蔵再利用者端末240は、第1回収者端末220と同様に構成されている。この構成によっても、二酸化炭素の回収量が不正な値で記憶されるのを防止することができる。第2実施形態によるその他の構成及び効果は、第1実施形態による構成及び効果と同様である。
【0084】
[第2実施形態の変形例]
上記第2実施形態では、管理サーバ装置210により回収期限が決定される例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、図32及び図33に示す第2実施形態の変形例による二酸化炭素回収量管理システム400(以下、「システム400」という)のように、回収期限を第1回収者端末420が決定してもよい。
【0085】
図32は、第2実施形態の変形例によるシステム400のブロック図である。図33は、第1回収者端末420のブロック図である。図32に示すように、システム400は、管理サーバ装置410、第1回収者端末420、第2回収者端末520、中間保管者端末430、及び貯蔵再利用者端末440を含む。管理サーバ装置410は、制御部411と、記憶部412とを含む。記憶部412には、プログラム412aとデータベース212bとが記憶されている。また、図33に示すように、第1回収者端末420は、制御部421と、アプリケーションプログラム426aが記憶された記憶部426とを含む。
【0086】
第1回収者端末420は、図31に示すように、二次元コード261aからフィルタIDを読み取り、フィルタIDをユーザIDに関連付けた状態で、管理サーバ装置410に送信する。管理サーバ装置410は、データベース212bを参照して、フィルタIDに関連付けられた吸収可能量と予測時間とを、読み出す。そして、管理サーバ装置410は、第1回収者端末420から受信したユーザIDを、フィルタID及び吸収可能量に関連付けて、データベース212bに記憶する。管理サーバ装置410は、図24に示す例と同様に、吸収可能量及びフィルタIDを、対応するユーザIDの合計量に加算する(二酸化炭素の回収量として記憶する)。
【0087】
そして、管理サーバ装置410は、予測時間を第1回収者端末420に送信する。また、アプリケーションプログラム426aには、図15に示す風量の情報と係数との関係を示すデータが格納されている。そして、第1回収者端末420の制御部421は、アプリケーションプログラム426aを実行することにより、装置情報格納部63(図5参照)から読み取った風量の情報に関連付けられた係数を読み出す。制御部421は、現在の日時に対して、係数を、管理サーバ装置410から受信した予測時間に乗算した日数を経過させた日時を、回収期限として決定する。
【0088】
そして、制御部421は、回収期限を、図14の例と同様に、表示部23に表示する。また、第1回収者端末420は、回収期限を、ユーザID及びフィルタIDの少なくとも一方に関連付けて、管理サーバ装置410に送信する。そして、管理サーバ装置410は、図23に示す例と同様に、受信した回収期限を、ユーザIDを、フィルタIDと、吸収可能量とに関連付けて、データベース212bに記憶する。第2回収者端末520、中間保管者端末430、及び貯蔵再利用者端末440は、第1回収者端末420と同様に構成されている。この構成によっても、二酸化炭素の回収量が不正な値で記憶されるのを防止することができる。
【0089】
[第3実施形態]
次に、図34図36を参照して、第3実施形態による二酸化炭素回収量管理システム600の構成について説明する。第3実施形態では、空気清浄機660に二酸化炭素濃度を検出する濃度センサ661が配置されている。なお、第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を用い説明を省略する。
【0090】
図34は、第3実施形態による二酸化炭素回収量管理システム600(以下、「システム600」という)のブロック図である。システム600は、管理サーバ装置610、第1回収者端末620、及び空気清浄機660を含む。なお、図34では、第2回収者端末、中間管理者端末、貯蔵再利用者端末、及び管理者端末の図示を省略している。
【0091】
管理サーバ装置610は、制御部611と、記憶部612とを含む。記憶部612には、プログラム212aが記憶されている。図35に示すように、空気清浄機660は、二酸化炭素濃度を検出する濃度センサ661と、制御部662と、通信部663と、表示部664とを含む。通信部663は、ネットワークNを介して、管理サーバ装置610と、第1回収者端末620と通信する通信インターフェイスである。濃度センサ661は、例えば、空気清浄機660の筐体68の外側に配置されており、周囲の空気中の二酸化炭素濃度を検出する。
【0092】
制御部662は、二酸化炭素濃度が所定の範囲よりも高い値の場合、第1回収者端末620により一旦決定された回収期限を近い時期に補正する(前倒しする)。また、制御部662は、二酸化炭素濃度が、所定の範囲未満の値の場合、第1回収者端末620により一旦決定された回収期限を長い時期に補正する(後ろ倒しする)。例えば、回収期限が、300~400ppmの範囲内の環境下における実験で求められた値である場合、「所定の範囲」は、300~400ppmとなる。なお、「所定の範囲」は、300~400ppm以外の値であってもよい。
【0093】
例えば、所定の範囲を、300~400ppmとした場合、制御部662は、濃度センサ661により検出された二酸化炭素濃度が、400ppmよりも高い700ppmであった場合、図36に示すように、回収期限(例えば、2022年×月〇日)からより近い時期(例えば、2022年×月×日:「×」は「〇」よりも前の日とする)に補正する。例えば、制御部662は、所定の範囲の中央値(例えば、350ppm)から、検出された二酸化炭素濃度(例えば、700ppm)を除した値(この場合、2分の1)を算出する。そして、制御部662は、現在の日時から回収期限までの日数に対して、算出した値(上記の場合、2分の1)を乗じ、現在の日時に対して乗じた日数を経過した日時を、補正後の回収期限として設定する。すなわち、回収期限が、現在の日時から20日後の場合、現在の日時から10日後の日時が、補正後の回収期限として設定される。
【0094】
そして、制御部662は、図36に示すように、表示部664に、補正後の回収期限を表示する。例えば、表示部664には、「周囲の二酸化炭素濃度が高いため回収期限が2022年×月〇日から2022年×月×日に変更されました。」等のメッセージが表示される。また、制御部662は、通信部663を介して、管理サーバ装置610及び第1回収者端末620に、補正後の回収期限をフィルタIDに関連付けた状態で送信する。第1回収者端末620は、受信した補正後の回収期限を、図36に示す例のように表示する。管理サーバ装置610の制御部611は、プログラム612aを実行することにより、記憶部612のデータベース12b上において、フィルタIDに関連付けられた回収期限を、受信した補正後の回収期限に変更する(上書きして保存する)。なお、制御部662は、濃度センサ661により検出された二酸化炭素濃度が、300ppmよりも低い値であった場合、回収期限(例えば、2022年×月〇日)からより遠い時期に補正するが、図示を省略する。
【0095】
第3実施形態の構成によれば、一旦決定した回収期限を、検出された二酸化炭素濃度に応じてより正確な期限に補正することができる。これにより、例えば、二酸化炭素濃度が高い場合に、吸収部材61の交換時期を短縮することができ、二酸化炭素濃度が低い場合に、飽和していない状態の吸収部材61が交換されてしまうのを防止することができる。
【0096】
なお、上記第3実施形態では、空気清浄機660の制御部662が、補正後の回収期限を算出する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、第1回収者端末620が、空気清浄機660から二酸化炭素濃度を通信により取得して、第1回収者端末620が補正後の回収期限を算出してもよい。また、管理サーバ装置610が、空気清浄機660から二酸化炭素濃度を通信により取得して、管理サーバ装置610が補正後の回収期限を算出してもよい。
【0097】
[変形例]
以上、上述した実施形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。よって、本開示は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0098】
(1)上記第1~第3実施形態では、吸収ユニット80を空気清浄機60に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、空気清浄フィルタを有さない装置(二酸化炭素除去装置)に、吸収ユニット80を配置してもよい。例えば、この装置が、自動販売機等の冷蔵装置、除湿機、加湿機、換気装置、及びエアーコンディショナー等の空調装置として構成されていてもよい。また、二酸化炭素除去装置は、空調装置に限られず、ボイラー、焼却炉、ガスレンジ等の調理器具、加工機、火力発電機、風力発電機、地熱発電機、太陽光発電機、その他機械類として構成されてもよいし、自販機、冷蔵庫、自動車・バイク・電車等、移動体のエアインテークやエアダクトにフィルタ、及び二酸化炭素センサが取り付けられたものであってもよいし、電柱、郵便ポスト、ガスメーター、水道メーター、家具、時計、照明、壁、天井、床等に二酸化炭素除去装置が取り付けられたものでもよい。例えば、二酸化炭素除去装置を、火力発電機内に設ければ、二酸化炭素を効率よく回収できる。これと同様に、二酸化炭素除去装置を、その他の発電機も含め、発電機として構成する(発電機の内部に二酸化炭素除去装置を配置する)ことで、二酸化炭素除去装置の稼働時に必要な電力も発電機により賄うことが可能になる。
【0099】
(2)上記第1~第3実施形態では、空気清浄機60に吸収ユニット80を配置する場合に、風量の情報を装置情報格納部63から読み取る例を示したが、本開示はこの例に限られない。すなわち、空気清浄機60に吸収ユニット80を配置する場合でも、予測時間を回収期限として決定してもよい。
【0100】
(3)上記第1~第3実施形態では、吸収ユニット80の側面81dに二次元コード61aを配置する例を示したが、本開示はこの例に限られない。すなわち、吸収ユニット80の前面81b又は背面81cに、二次元コード61aを配置してもよいし、包装体61bの内面に二次元コード61aが配置されてもよいし、吸収ユニット80と包装体61bとの間に配置された(包装体61b内に吸収ユニット80とは別部材として構成された)、媒体(紙やカード)上に二次元コード61aが配置されてもよい。
【0101】
(4)上記第1~第3実施形態では、図2に示すように、吸収ユニット80の断面を長方形(全体として直方体)に形成する例を示したが、本開示はこの例に限られない。すなわち、吸収ユニット80の断面が、円、楕円、長円、多角形、又は三角形等であってもよい
し、全体として円柱状、円筒状、又は錐状であってもよい。
【0102】
(5)上記第1~第3実施形態では、回収期限を、表示部23に表示させる例を示したが、本開示はこの例に限られない。回収期限を、音声出力してもよい。
【0103】
(6)上記第1~第3実施形態の構成に、さらに、吸収部材61の色が、飽和した状態の吸収部材61の色になったか否かを判定するセンサを設けてもよい。この場合、吸収部材61の色が、飽和した状態の吸収部材61の色になったことに応じて、第1回収者端末又は空気清浄機から、吸収部材61が飽和していることを報知するようにシステムを構成してもよい。
【0104】
(7)上記第1~第3実施形態では、包装体61bを、フィルムにより袋状に構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、包装体61bを、金属または樹脂の板部材を組み合わせて、箱状に構成してもよいし、ガラスやプラスチックからなる筒状に構成してもよい。
【0105】
(8)上記第1実施形態では、回収期限を、第1回収者端末が決定する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、上記第1実施形態のように、二次元コードに、フィルタID、吸収可能量、及び予測時間が格納される場合であっても、上記第2実施形態のように、管理サーバ装置が第1回収者端末から風量の情報を取得して、予測時間と風量の情報(係数)と現在の日時とに基づいて、回収期限が管理サーバ装置により決定されてもよい。すなわち、第1回収者端末は、読み取った予測時間及び風量の情報をユーザIDに関連付けて、管理サーバ装置に送信する。そして、管理サーバ装置は、風量の情報及び予測時間を受信し、図15に示す例と同様に、風量に対応する係数を読み出す。そして、管理サーバ装置は、予測時間と係数と現在の日時とに基づいて、回収期限を決定し、決定した回収期限を第1回収者端末に送信する。第1回収者端末は、受信した回収期限を、図14に示す例と同様に、表示部に表示させる。
【0106】
(9)上記第1~第3実施形態では、風量の情報を読み取った場合に、風量の情報に対応する係数を読み出して、現在の日時から、予測時間に係数を乗算した日数を経過させた日時を、回収期限として決定する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、図32に示す二酸化炭素回収量管理システムの変形例のように、乗数を用いずに、回収期限が決定されてもよい。例えば、第1回収者端末のアプリケーションプログラム又は管理サーバ装置のデータベースに、図37に示すように、予測時間と風量が、回収期限までの日数に関連付けられた状態で記憶されていてもよい。この「回収期限までの日数」とは、例えば、空気清浄機に吸収フィルタを配置した状態で、吸収部材が飽和するまでに要した日数を、実験によって求めた日数である。そして、第1回収者端末又は管理サーバ装置は、予測時間と風量とに基づいて、回収期限までの日数を読み出し、現在の日時から読み出した回収期限までの日時を経過させた日時を、回収期限に決定する。
【0107】
(10)上記第1~第3実施形態では、貯蔵再利用時期を、回収期限に対して、予測時間経過した時点を、貯蔵再利用時期として決定する例と、吸収ユニット80を空気清浄機60に配置しない場合に現在の日時(二次元コード61aを読み取った日時)から、予測時間の2倍の期間経過した時点を貯蔵再利用時期として決定する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、二次元コード761aに予め貯蔵再利用時期の情報が格納されていてもよい。この場合、図38に示す第3変形例による第1回収者端末720のように、二次元コード761aを読み取ることにより、貯蔵再利用時期を読み出すことができる。読み出された貯蔵再利用時期は、第1回収者端末720から管理サーバ装置に送信され、管理サーバ装置においてフィルタIDと関連付けられた状態で記憶される。
【0108】
(11)上記第1~第3実施形態では、貯蔵再利用時期を決定し、貯蔵再利用時期以降に、吸収部材を貯蔵又は再利用する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、貯蔵再利用時期を用いることなく、貯蔵者又は再利用者が、吸収部材の飽和の度合いを求めることにより、求めた飽和の度合いが所望の値以上となった場合に、当該吸収部材を貯蔵又は再利用してもよい。例えば、貯蔵者又は再利用者が、吸収部材の重量を測定し、測定した吸収部材の重量が所望の重量以上となった場合に、当該吸収部材を貯蔵又は再利用してもよい。また、貯蔵者又は再利用者が、吸収部材における二酸化炭素の含有量を測定し、測定した含有量が所望の含有量以上となった場合に、当該吸収部材を貯蔵又は再利用してもよい。「含有量の測定」は、例えば、蛍光エックス線検査装置を用いることにより実現可能である。なお、「含有量の測定」は、吸収部材の一部(サンプル)のみに対する測定であってもよい。
【0109】
また、上述した構成は、以下のように説明することができる。
【0110】
第1の構成に係る二酸化炭素回収量管理システムは、ユーザによる二酸化炭素の回収量を記憶するサーバ装置を備えた、二酸化炭素回収量管理システムであって、空気中の二酸化炭素を吸収する吸収部材と、吸収部材が内部に配置された包装体であって、吸収部材に外部の空気が触れないように密封された包装体と、包装体内に配置された情報格納部であって、吸収部材が吸収可能な二酸化炭素の量である吸収可能量が格納された情報格納部と、情報格納部から吸収可能量を読み取る読取部と、読取部により読み取った吸収可能量を、第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、サーバ装置に送信する送信部と、を含む、第1情報端末と、を備え、情報格納部は、包装体内が密封された状態では、読取部によって読取できない位置で、かつ、包装体が開封された状態では、読取部によって読取可能な位置に配置されており、サーバ装置は、第1情報端末から受信した吸収可能量を、第1のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶する(第1の構成)。
【0111】
上記第1の構成によれば、吸収部材が外部の空気が触れないように包装体により密封されているので、ユーザの手元に届くまで、吸収部材による二酸化炭素の吸収が防止される。これにより、第1情報端末から受信した吸収可能量が全てユーザの手元に届いた後に吸収された二酸化炭素の回収量としてみなすことができる。この結果、ユーザが実際に自身で吸収部材に吸収させた二酸化炭素の量よりも、サーバ装置に記憶される二酸化炭素の回収量が不正に大きくなってしまうのを防止することができる。そして、情報格納部は、包装体内が密封された状態では、読取部によって読取できない位置で、かつ、包装体が開封された状態では、読取部によって読取可能な位置に配置されているので、包装体内が密封された状態(吸収部材が二酸化炭素を吸収しない状態)で、不正に情報格納部から吸収可能量が読み出されるのを防止することができる。その結果、ユーザが吸収部材に二酸化炭素を吸収させることなく、不正に情報格納部から読み出した情報がサーバ装置に送信されるのが防止される。これらの結果、二酸化炭素の回収量が不正な値で記憶されるのを防止することができる。
【0112】
第1の構成において、情報格納部には、吸収部材が飽和するまでの予測時間がさらに格納されていてもよい。読取部は、情報格納部から予測時間を読み取るように構成されてもよい。第1情報端末又はサーバ装置のいずれか一方は、予測時間と現在の日時とに基づいて、二酸化炭素の回収期限を決定する期限決定部を、さらに含んでもよい。第1情報端末は、期限決定部により決定された二酸化炭素の回収期限を報知する報知部、をさらに含んでもよい(第2の構成)。
【0113】
上記第2の構成によれば、ユーザに、吸収部材によって二酸化炭素を回収可能な期限(回収期限)を報知することができる。これにより、ユーザは、回収期限に応じて、吸収部材を交換すれば、飽和した後すぐに吸収部材を交換することができ、効率良く二酸化炭素を回収することができる。
【0114】
第2の構成において、二酸化炭素回収量管理システムは、包装体から取り出された状態の吸収部材が搭載される二酸化炭素回収装置であって、吸収部材に所定の風量で通気させるファンと、風量の情報が格納された装置情報格納部とを含む、二酸化炭素回収装置を、さらに備えてもよい。読取部は、装置情報格納部から風量の情報を読み取るように構成してもよい。期限決定部は、読取部により風量の情報が読み取られた場合に、予測時間と風量の情報と現在の日時とに基づいて、二酸化炭素の回収期限を決定するように構成されてもよい(第3の構成)。
【0115】
上記第3の構成によれば、二酸化炭素回収装置により、吸収部材に強制的に通気させることができるので、二酸化炭素を回収する速度を向上させることができる。そして、二酸化炭素を回収する速度を向上させた場合でも、風量の情報に基づいて、二酸化炭素の回収期限を適切に決定することができる。
【0116】
第2又は第3の構成において、二酸化炭素回収量管理システムは、吸収部材を通過する前の空気中の二酸化炭素濃度を検出する濃度検出部と、二酸化炭素濃度に基づいて、期限決定部により決定された回収期限を変更する期限補正部と、をさらに備えてもよい(第4の構成)。
【0117】
上記第4の構成によれば、一旦決定した回収期限を、検出された二酸化炭素濃度に応じてより正確な期限に補正することができる。これにより、例えば、二酸化炭素濃度が高い場合に、吸収部材の交換時期を短縮することができ、二酸化炭素濃度が低い場合に、飽和していない状態の吸収部材が交換されてしまうのを防止することができる。
【0118】
第2~第4の構成のいずれか1つにおいて、情報格納部には、吸収部材の識別情報がさらに格納されていてもよい。読取部は、情報格納部から吸収部材の識別情報を読み取るように構成されてもよい。送信部は、読取部により読み取った吸収可能量及び吸収部材の識別情報を、第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、サーバ装置に送信するように構成されてもよい。サーバ装置は、第1情報端末から受信した吸収可能量及び吸収部材の識別情報を、第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、データベースに記憶するように構成されてもよい。二酸化炭素回収量管理システムは、情報格納部から吸収可能量及び吸収部材の識別情報を読み取り、読み取った吸収可能量及び吸収部材の識別情報を、第1のユーザから未飽和の状態の吸収部材を引き取る第2のユーザの識別情報に関連付けた状態で、サーバ装置に送信する、第2情報端末をさらに備えてもよい。サーバ装置は、第2のユーザの識別情報に関連付けた状態の吸収可能量及び吸収部材の識別情報を受信した時期が、二酸化炭素の回収期限よりも前の場合に、当該受信した時期から二酸化炭素の回収期限までに吸収部材に吸収される二酸化炭素の量を、第2のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶するように構成されてもよい(第5の構成)。
【0119】
上記第5の構成によれば、第1のユーザから第2のユーザに未飽和の状態の吸収部材が引き取られる場合でも、第2のユーザの二酸化炭素の回収量をデータベースに記憶することができる。
【0120】
第5の構成において、サーバ装置は、第2のユーザの二酸化炭素の回収量がデータベースに記憶される場合に、データベース内の第1のユーザの二酸化炭素の回収量から、第2のユーザの二酸化炭素の回収量を減じる処理を行うように構成されてもよい(第6の構成)。
【0121】
上記第6の構成によれば、第2のユーザによって回収された二酸化炭素の回収量が、第
2のユーザの二酸化炭素の回収量として記憶されるだけでなく、第1のユーザの二酸化炭素の回収量としても記憶される(2重に記憶される)のを防止することができる。この結果、第1のユーザによって吸収部材に吸収させた二酸化炭素の量(回収量)を適切に記憶することができる。
【0122】
第2~第6の構成のいずれか1つにおいて、第1情報端末又はサーバ装置のいずれか一方は、予測時間と現在の日時とに基づいて、吸収部材を貯蔵する時期又は吸収部材を再利用する時期である貯蔵再利用時期であって、回収期限よりも後の時期である貯蔵再利用時期を決定する貯蔵再利用時期決定部を、さらに含んでもよい。二酸化炭素回収量管理システムは、貯蔵再利用時期を報知する貯蔵再利用時期報知部を、さらに備えてもよい(第7の構成)。
【0123】
上記第7の構成によれば、回収期限において回収された吸収部材が、実際には飽和していない状態(未飽和)であっても、回収期限よりも後の時期である貯蔵再利用時期以降に、吸収部材を貯蔵又は再利用すれば、未飽和の吸収部材が貯蔵又は再利用されるのを防止することができる。「再利用」には、例えば、回収された吸収部材を材料として、別の物品を製造することが含まれる。
【0124】
第1~第7の構成のいずれか1つにおいて、二酸化炭素回収量管理システムは、包装体の内部に配置されたケース部であって、吸収部材を収容するケース部をさらに備えてもよい。ケース部は、包装体が開封された状態で、ケース部内に通気させる通気孔を有する第1面と、通気孔を有さない第2面とを含んでもよい。情報格納部は、第2面に配置されていてもよい(第8の構成)。
【0125】
上記第8の構成によれば、情報格納部が、通気を阻害しないので、吸収部材による二酸化炭素の吸収の効率が低下するのを抑制することができる。
【0126】
第9の構成に係る二酸化炭素回収量管理システムは、ユーザによる二酸化炭素の回収量を記憶するサーバ装置を備えた、二酸化炭素回収量管理システムであって、空気中の二酸化炭素を吸収する吸収部材と、吸収部材が内部に配置された包装体であって、吸収部材に外部の空気が触れないように密封された包装体と、包装体内に配置された情報格納部であって、吸収部材の識別情報が格納された情報格納部と、情報格納部から吸収部材の識別情報を読み取る読取部と、読取部により読み取った吸収部材の識別情報を、第1のユーザの識別情報に関連付けた状態で、サーバ装置に送信する送信部と、を含む、第1情報端末と、を備え、情報格納部は、包装体内が密封された状態では、読取部によって読取できない位置で、かつ、包装体が開封された状態では、読取部によって読取可能な位置に配置されており、サーバ装置は、吸収部材の識別情報が、吸収部材が吸収可能な二酸化炭素の量である吸収可能量に関連付けられた吸収可能量データベースを参照して、第1情報端末から受信した吸収部材の識別情報に関連付けられた吸収可能量を読み出し、読み出した吸収可能量を、第1のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶する(第9の構成)。
【0127】
上記第9の構成によれば、二酸化炭素の回収量が不正な値で記憶されるのを防止することができる。
【0128】
第9の構成において、吸収可能量データベースは、吸収部材の識別情報が、吸収可能量及び吸収部材が飽和するまでの予測時間に関連付けられた状態で記憶されていてもよい。サーバ装置は、吸収可能量データベースを参照して、第1情報端末から受信した吸収部材の識別情報に関連付けられた吸収可能量及び予測時間を読み出し、読み出した吸収可能量を、第1のユーザの二酸化炭素の回収量としてデータベースに記憶するように構成されて
もよい。第1情報端末又はサーバ装置のいずれか一方は、読み出した予測時間と現在の日時とに基づいて、二酸化炭素の回収期限を決定する期限決定部を、さらに含んでもよい。第1情報端末は、期限決定部により決定された二酸化炭素の回収期限を報知する報知部、をさらに含んでもよい(第10の構成)。
【0129】
上記第10の構成によれば、ユーザに、吸収部材によって二酸化炭素を回収可能な期限(回収期限)を報知することができる。これにより、ユーザは、回収期限に応じて、吸収部材を交換すれば、飽和した後すぐに吸収部材を交換することができ、効率良く二酸化炭素を回収することができる。
【符号の説明】
【0130】
10,210…管理サーバ装置、11,211…制御部、12,212…記憶部、12a,212a…プログラム、12b,212b…データベース、13…通信部、20,120…第1回収者端末、21…制御部、23…表示部、24…通信部、25…読取部、26…記憶部、26a…アプリケーションプログラム、60…空気清浄機、61…吸収部材、61a,261b…二次元コード、61b…包装体、62…制御部、63…装置情報格納部、64…報知部、65…ファン、67…読取部、68…筐体、80…吸収ユニット、81…ケース部、81a…通気孔、81b…前面、81c…背面、81d…側面、100,200…二酸化炭素回収量管理システム、120,320…第2回収者端末、121…制御部、123…表示部、124…通信部、125…読取部、126…記憶部
図1
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