IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 高梵(浙江)信息技術有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-火山岩昇温生地及びその作製方法 図1
  • 特開-火山岩昇温生地及びその作製方法 図2
  • 特開-火山岩昇温生地及びその作製方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066375
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】火山岩昇温生地及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   D06M 11/79 20060101AFI20240508BHJP
   D01F 6/92 20060101ALI20240508BHJP
   D03D 15/20 20210101ALI20240508BHJP
   D03D 15/47 20210101ALI20240508BHJP
   D03D 15/217 20210101ALI20240508BHJP
   D03D 15/56 20210101ALI20240508BHJP
   D03D 15/242 20210101ALI20240508BHJP
   D03D 15/283 20210101ALI20240508BHJP
   B32B 5/02 20060101ALI20240508BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
D06M11/79
D01F6/92 301M
D03D15/20 100
D03D15/47
D03D15/217
D03D15/56
D03D15/242
D03D15/283
B32B5/02 B
B32B5/26
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201570
(22)【出願日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】202211354758.6
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521516651
【氏名又は名称】高梵(浙江)信息技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】GAOFAN (Zhejiang) Information Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 206, floor 2, building 2, No. 1, Jiuhua Road, Jianggan District, Hangzhou, Zhejiang, 310016, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 昆明
(72)【発明者】
【氏名】張 伝貴
【テーマコード(参考)】
4F100
4L031
4L035
4L048
【Fターム(参考)】
4F100AA20A
4F100AA20B
4F100AC03A
4F100AC03B
4F100AC10A
4F100AC10B
4F100AK41C
4F100AK51C
4F100BA03
4F100DE01A
4F100DE01B
4F100DG01A
4F100DG12C
4F100EH46
4F100EJ59
4F100EJ82
4F100EJ86
4F100JD15A
4F100JJ01B
4F100JJ06A
4F100YY00A
4F100YY00B
4L031AA18
4L031AA22
4L031AA24
4L031AB01
4L031AB21
4L031BA20
4L031BA24
4L031DA11
4L031DA12
4L035AA05
4L035BB31
4L035JJ08
4L048AA01
4L048AA08
4L048AA20
4L048AA26
4L048AA42
4L048AA54
4L048AB01
4L048AB05
4L048AB19
4L048AC00
4L048AC15
4L048CA00
4L048CA07
4L048DA01
4L048EB00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生地の昇温と蓄熱を増加させるとともに、抗菌性と引張性能を向上させた火山岩昇温生地及びその作製方法を提供する。
【解決手段】火山岩昇温生地は、ダブルドットコーティングによって一体構造として複合化された昇温発熱層及びフランネル層を含み、昇温発熱層は、火山岩繊維と吸湿性繊維との混紡からなり、吸湿性繊維の表面に火山岩ナノ粒子が担持され、昇温発熱層とフランネル層との間に、火山岩ナノ粒子からなる熱補給層が設けられる。火山岩ナノ粒子は、火山岩を炭化して粉体を得て、粉砕し、ナノシリカゲルボールと火山岩粒子をエタノール中で混合して加熱した後、遠心洗浄して沈殿物を得て、沈殿物とモンモリロナイト懸濁液とを混合して加熱撹拌し、濾過して取得されるものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火山岩昇温生地であって、ダブルドットコーティングによって一体構造として複合化された昇温発熱層及びフランネル層を含み、前記昇温発熱層は、火山岩繊維と吸湿性繊維との混紡からなり、前記吸湿性繊維の表面に火山岩ナノ粒子が担持され、前記昇温発熱層とフランネル層との間に、火山岩ナノ粒子からなる熱補給層が設けられ、
前記火山岩ナノ粒子は、ナノシリカゲルボール及びモンモリロナイトを順に火山岩粒子上に担持して取得される、ことを特徴とする火山岩昇温生地。
【請求項2】
前記フランネル層は、綿状ポリエステル繊維と綿スパンデックスコアスパン繊維を織り込むことによって取得される、ことを特徴とする請求項1に記載の火山岩昇温生地。
【請求項3】
前記火山岩粒子は、火山岩を高温炭化し粉砕した後取得されたものであり、前記火山岩粒子の粒径が5~10nmである、ことを特徴とする請求項1に記載の火山岩昇温生地。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の火山岩昇温生地の作製方法であって、
(1)火山岩を炭化して粉体を得て、粉砕して粒径が5~10nmの火山岩粒子を生成し、ナノシリカゲルボールと火山岩粒子をエタノール中で混合して加熱した後、遠心洗浄して沈殿物を得て、沈殿物とモンモリロナイト懸濁液とを混合して加熱撹拌し、濾過して火山岩ナノ粒子を取得するステップと、
(2)吸湿性繊維を触媒で処理し、連続熱空気熱処理した後、火山岩ナノ粒子コロイド液に浸漬し、真空乾燥するステップと、
(3)ステップ(2)で処理した吸湿性繊維と火山岩繊維を昇温発熱層として織り込んだ後、昇温発熱層の片面に火山岩ナノ粒子コロイド液をスプレーし、真空乾燥して、熱補給層を取得するステップと、
(4)昇温発熱層における熱補給層を設けた面を、ダブルドットコーティングによってフランネル層と一体に複合化し、乾燥処理して火山岩昇温生地を得るステップと、を含む火山岩昇温生地の作製方法。
【請求項5】
前記ステップ(1)におけるモンモリロナイト懸濁液の具体的な調製プロセスは、モンモリロナイトとエタノール溶液を混合し、この溶液内にドデシル第四級アンモニウム塩を加えて混合物を得て、撹拌した後シランカップリング剤を加えて混合し、次にエタノールを加えて混合物を形成し、pHを酸性に調整し、加熱、冷却及び遠心の後に、モンモリロナイト懸濁液を取得することである、ことを特徴とする請求項4に記載の火山岩昇温生地の作製方法。
【請求項6】
前記ステップ(2)における触媒処理は、具体的には、吸湿性繊維をチタネートキレート触媒に浸漬し、浸漬時間が20~30minである、ことを特徴とする請求項4に記載の火山岩昇温生地の作製方法。
【請求項7】
前記ステップ(2)における連続熱空気熱処理は、具体的には、触媒で処理された吸湿性繊維を熱風炉内に入れ、200~220℃の温度範囲で連続空気熱処理し、処理時間が20~30minである、ことを特徴とする請求項4に記載の火山岩昇温生地の作製方法。
【請求項8】
前記火山岩ナノ粒子コロイド液は、火山岩ナノ粒子、ワックスオイル、乳化剤及び脱イオン水を混合し、磁気攪拌及び超音波攪拌して取得されるコロイド液である、ことを特徴とする請求項4に記載の火山岩昇温生地の作製方法。
【請求項9】
前記ステップ(2)及び(3)において、火山岩ナノ粒子コロイド液を浸漬及びスプレーする機器は順に巻出しローラー、浸漬スプレーコンポーネント、乾燥ボックス及び巻取ローラーによって構成され、前記浸漬スプレーコンポーネントは、貯液槽と、貯液槽の上方に位置する貯液タンクと、貯液タンクの下端に位置する2列のスプレーガンと、貯液槽の内部に位置する超音波発生器と、貯液槽の供給側に位置する熱風ローラーと、貯液槽の排出側に位置する冷風ローラーとを含み、前記貯液槽の供給側と排出側の両方には、ガイドローラーと調整ローラー組が設けられ、前記貯液槽の内壁の両端には、調整ローラー組の昇降のための昇降レールが設けられ、前記貯液槽の内壁には、自動ローラー治具がさらに設けられ、前記自動ローラー治具は昇降レールの最高部と平行である、ことを特徴とする請求項4に記載の火山岩昇温生地の作製方法。
【請求項10】
前記熱風ローラーと冷風ローラーは同じ構造を有し、中空のローラー本体を含み、ローラー本体の一端には、外側駆動装置と噛み合う伝動歯車が設けられ、ローラー本体の他端には風入口が設けられ、風入口は、回転可能なコネクタを介して熱風機ダクト及び冷風機ダクトにそれぞれ接続され、ローラー本体上に風排出孔が設けられ、熱風又は冷風は風排出孔から排出され、生地又は繊維を予熱又は冷却するために使用され、風排出孔は、ローラー本体上に螺旋状に分布する、ことを特徴とする請求項9に記載の火山岩昇温生地の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生地生産技術の分野に属し、特に、火山岩昇温生地及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火山岩は、ケイ素、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、チタン、コバルトなどの鉱物質や微量元素を豊富に含む。これらの複雑構造の金属酸化物は、熱を吸収しやすく、その構造が不規則な多孔構造を呈するために、長期の蓄熱機能を生み出し、温度を閉じ込めることができる。火山岩の生地自体は、比較的強い熱抵抗を持ち、比較的強い保温層を形成するため、「発熱」のような效果を生み出す。また、人体自体が発熱体であるため、保温層は、人体の温度を閉じ込め、体温の外部への放射を減らし、強い保温効果を形成する。火山岩繊維はまた、人体から発する熱エネルギーを吸収することができ、保温しながら発熱し、最大8.2度昇温することができ、同時に吸湿性、吸汗性、及び速乾性の優れた性能を有する。しかしながら、火山岩繊維には、織物の毛羽立ち、肌触りの悪さ、及び着用のときの締め付け感などの問題があり、同時に、既存の火山岩生地は、吸湿と吸汗性に優れているため抗菌性に劣るという問題がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、上記の問題を解決するために、火山岩昇温生地及びその作製方法を提供することである。
【0004】
本発明は、以下の技術的解決策により、上記の目的を実現する。
【0005】
本発明は、火山岩昇温生地を提供する。この火山岩昇温生地は、ダブルドットコーティングによって一体構造として複合化された昇温発熱層及びフランネル層を含み、前記昇温発熱層は、火山岩繊維と吸湿性繊維との混紡からなり、前記吸湿性繊維の表面に火山岩ナノ粒子が担持され、前記昇温発熱層とフランネル層との間に、火山岩ナノ粒子からなる熱補給層が設けられ、
前記火山岩ナノ粒子は、ナノシリカゲルボール及びモンモリロナイトを順に火山岩粒子上にロードして取得される。
【0006】
本発明の更なる最適化解決策として、前記フランネル層は、綿状ポリエステル繊維と綿スパンデックスコアスパン繊維を織り込むことによって取得される。
本発明の更なる最適化解決策として、前記火山岩粒子は、火山岩を高温炭化し粉砕した後取得されたものであり、前記火山岩粒子の粒径が5~10nmである。
【0007】
本発明は、上記の火山岩昇温生地の作製方法を提供する。この方法は、
(1)火山岩を炭化して粉体を得て、粉砕して粒径が5~10nmの火山岩粒子を生成し、ナノシリカゲルボールと火山岩粒子をエタノール中で混合して加熱加圧した後、遠心洗浄して沈殿物を得て、沈殿物とモンモリロナイト懸濁液とを混合して加熱撹拌し、濾過して火山岩ナノ粒子を取得するステップと、
(2)吸湿性繊維を触媒で処理し、連続熱空気熱処理した後、火山岩ナノ粒子コロイド液に浸漬し、真空乾燥するステップと、
(3)ステップ(2)で処理した吸湿性繊維と火山岩繊維を昇温発熱層として織り込んだ後、昇温発熱層の片面に火山岩ナノ粒子コロイド液をスプレーし、真空乾燥して、熱補給層を取得するステップと、
(4)昇温発熱層における熱補給層を設けた面を、ダブルドットコーティングによってフランネル層と一体に複合化し、乾燥処理して火山岩昇温生地を得るステップと、を含む。
【0008】
本発明の更なる最適化解決策として、前記ステップ(1)におけるモンモリロナイト懸濁液の具体的な調製プロセスは、モンモリロナイトとエタノール溶液を混合し、この溶液中にドデシル第四級アンモニウム塩を加えて混合物を得て、撹拌した後シランカップリング剤を加えて混合し、次にエタノールを加えて混合物を形成し、pHを酸性に調整し、加熱、冷却及び遠心の後に、モンモリロナイト懸濁液を取得することである。
【0009】
本発明の更なる最適化解決策として、前記ステップ(2)における触媒処理は、具体的には、吸湿性繊維をチタネートキレート触媒に浸漬し、浸漬時間が20~30minである。
【0010】
本発明の更なる最適化解決策として、前記ステップ(2)における連続熱空気熱処理は、具体的には、触媒で処理された吸湿性繊維を熱風炉内に入れ、200~220℃の温度範囲で連続空気熱処理し、処理時間が20~30minであり、吸湿性繊維を梳き、繊維の内部構造の配向性を向上させる。
【0011】
本発明の更なる最適化解決策として、前記火山岩ナノ粒子コロイド液は、火山岩ナノ粒子、ワックスオイル、乳化剤及び脱イオン水を混合し、磁気攪拌及び超音波攪拌して取得されるコロイド液である。ワックスオイルは、火山岩ナノ粒子を繊維又は生地にしっかりと付着させることができ、その後真空乾燥して揮発する。
【0012】
本発明の更なる最適化解決策として、前記ステップ(2)及び(3)において、火山岩ナノ粒子コロイド液を浸漬及びスプレーする機器は順に巻出しローラー、浸漬スプレーコンポーネント、乾燥ボックス及び巻取ローラーによって構成され、前記浸漬スプレーコンポーネントは、貯液槽と、貯液槽の上方に位置する貯液タンクと、貯液タンクの下端に位置する2列のスプレーガンと、貯液槽の内部に位置する超音波発生器と、貯液槽の供給側に位置する熱風ローラーと、貯液槽の排出側に位置する冷風ローラーとを含み、前記貯液槽の供給側と排出側の両方には、ガイドローラーと調整ローラー組が設けられ、前記貯液槽の内壁の両端には、調整ローラー組の昇降のための昇降レールが設けられ、前記貯液槽の内壁には、自動ローラー治具がさらに設けられ、前記自動ローラー治具は昇降レールの最高部と平行である。
【0013】
本発明の更なる最適化解決策として、前記熱風ローラーと冷風ローラーは同じ構造を有し、中空のローラー本体を含み、ローラー本体の一端には、外側駆動装置と噛み合う伝動歯車が設けられ、ローラー本体の他端には風入口が設けられ、風入口は、回転可能なコネクタを介して熱風機ダクト及び冷風機ダクトにそれぞれ接続され、ローラー本体上に風排出孔が設けられ、熱風又は冷風は風排出孔から排出され、生地又は繊維を予熱又は冷却するために使用され、風排出孔は、ローラー本体上に螺旋状に分布する。
【0014】
モンモリロナイトMMT:モンモリロナイトは、層状構造、シート状結晶のケイ酸塩粘土鉱物であり、モンモリロナイトの成分が(Na、Ca)0.33(Al、Mg)[Si10](OH)・nHOであり、水の含有量の変化が大きく、粒子が細かく、約0.2~1ミクロンであり、コロイド分散特性があり、色が白色で薄い灰色を帯び、時に薄い青色又は薄い赤色を帯び、光沢が鈍く、非常に強い吸着能力とイオン交換能力を有し、同時に高度なコロイド性、可塑性と接着力を有する。脱水したモンモリロナイトは、水分子や他の極性分子を再吸収することができ、水分を吸収すると膨張し、元の体積の数倍を超えることができる。また、モンモリロナイトは薬に使用でき、その薬理学的研究により、それは大腸菌、コレラ菌、カンピロバクター・ジェジュニ、黄色ブドウ球菌及びロータウイルスに対して良好な吸着作用を有することが示されている。
【0015】
ナノシリカゲルボール:アルキル基又は芳香族炭化水素基ケイ酸エステルを使用して、水相で高純度シリカゲルを調製する。シリカゲル水溶液中に、水と共沸系を形成でき、且つアルキル基又は芳香族炭化水素基ケイ酸エステルと相溶する有機溶媒を加え、溶液中の水を留去する。有機溶液中にシリル化剤を加え、高速撹拌又は超音波により、シリル化剤とシリカゲルを反応させる。有機溶媒を除去した後の固体粒子を、超遠心分離又は噴霧乾燥により、分離された官能化ナノシリカゲルボールを得る。ナノシリカゲルボールの粒径は5~1000nmであり、骨格中に有機炭化水素基又は純粋なシリカゲルを含み得、表面に有機基が結合され、炭素含有の範囲が約0.5約20%である。
【0016】
本発明の有益効果は以下の通りである。
【0017】
本発明の火山岩昇温生地は、既存の火山岩生地技術における火山岩粒子+バイオマスカーボン粒子を改良し、火山岩粒子+ナノシリカゲルボール+モンモリロナイトに置き換え、元の8.2℃昇温に基づいて、9.9℃まで昇温し、且つ、生地の昇温と蓄熱性能を向上させるとともに、抗菌性と引張性能を向上させる。
【0018】
本発明に記載の火山岩昇温生地の作製方法は、触媒と空気熱処理を採用して、生地の構成繊維を処理するので、火山岩ナノ粒子がより強固に繊維上に付着して、性能が向上し、生地が長周期使用で変形しにくく、安定した昇温発熱、通気性と保温効果を実現する
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例4における生産設備の全体構造模式図である。
図2】本発明の実施例4における生産設備の浸漬スプレーコンポーネントの模式図である。
図3】本発明の実施例4における生産設備の冷熱風ローラーの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願は、添付図面に関連して以下にさらに詳細に説明される。ここで、以下の具体的な実施形態は、本願のさらなる説明のためにのみ意図されており、本願の保護範囲を限定するものとして理解されるべきではなく、いくつかの本質的ではない改良及び調整が、上述の出願内容に従って当業者によりなされ得ることを指摘する必要がある。
【0021】
<実施例1>
本実施例における火山岩昇温生地の作製方法のステップは、以下のとおりである。
【0022】
ステップ1では、火山岩ナノ粒子を調製した。
(1)火山岩を高温で炭化して粉体を得て、粉砕し、粒径5~10nmの火山岩粒子を調製した。
(2)粒径10~20nmのナノシリカゲルボールと火山岩粒子を質量比1:2でエタノール中に混合し、140~160℃で加熱した後1~2h維持し、脱イオン水で少なくとも3回以上遠心洗浄し、沈殿物を取得した。
(3)モンモリロナイトとエタノール溶液を1:2(v/v)で混合し、この混合溶液にドデシル第四級アンモニウム塩を加えて混合物を得、撹拌後にシランカップリング剤KH-550を加えて混合し、次に適量のエタノールを加えて混合物を形成し、pHを酸性に調整し、70℃に撹拌加熱して1~2h維持し、冷却して遠心した後、モンモリロナイト懸濁液を得る。ステップ(2)の沈殿物とモンモリロナイト懸濁液とを混合し、55~70℃の温度で1~2h撹拌し、濾過膜で濾過し、濾過膜上の固体を収集し乾燥して、火山岩ナノ粒子を取得した。
【0023】
ステップ2では、昇温発熱層、熱補給層、フランネル層を作製した。
(1)綿状ポリエステル繊維と綿スパンデックスコアスパン繊維を編機で織って、フランネル層を取得した。
(2)火山岩ナノ粒子、ワックスオイル、乳化剤及び脱イオン水を混合し、磁気攪拌及び超音波攪拌して、コロイド液を取得し、使用に備えた。吸湿性繊維をチタネートキレート触媒中に入れ、20~30min浸漬して取り出して、熱風炉内に入れて、200~220℃の温度範囲内で連続空気熱処理し、処理時間が20~30minである。次に、吸湿性繊維を生産設備に入れて、火山岩ナノ粒子コロイド液に浸漬し、真空乾燥した。処理された吸湿性繊維と火山岩繊維を編機で、70%の吸湿性繊維及び30%の火山岩繊維を含む昇温発熱層として織った。
(3)生産設備を用いて、昇温発熱層の片面に火山岩ナノ粒子コロイド液をスプレーし、真空乾燥して、熱補給層を取得した。
【0024】
ステップ3では、火山岩昇温生地を作製した。昇温発熱層における熱補給層を設けた面を、ダブルドットコーティングによってフランネル層と一体に複合化し、乾燥処理して火山岩昇温生地を得た。
【0025】
<実施例2>
本発明の調製で取得された火山岩ナノ粒子の性能効果を確認するために、実施例1の火山岩ナノ粒子を粒子1~粒子5に置き換えて、以下のプロセスで、生地を作製した。
【0026】
ステップ1では、昇温発熱層、熱補給層、フランネル層を作製した。
(1)綿状ポリエステル繊維と綿スパンデックスコアスパン繊維を編機で織って、フランネル層を取得した。
(2)粒子1(粒子2、粒子3、粒子4、粒子5)、ワックスオイル、乳化剤及び脱イオン水を混合し、磁気攪拌及び超音波攪拌して、コロイド液を取得し、使用に備えた。吸湿性繊維をチタネートキレート触媒中に入れ、20~30min浸漬して取り出して、熱風炉内に入れて、200~220℃の温度範囲内で連続空気熱処理し、処理時間が20~30minである。次に、吸湿性繊維を生産設備に入れて、火山岩ナノ粒子コロイド液に浸漬し、真空乾燥した。処理された吸湿性繊維と火山岩繊維を編機で、70%の吸湿性繊維及び30%の火山岩繊維を含む昇温発熱層として織った。
(3)生産設備を用いて、昇温発熱層の片面にコロイド液をスプレーし、真空乾燥して、熱補給層を取得した。
【0027】
ステップ2では、火山岩昇温生地を作製した。昇温発熱層における熱補給層を設けた面を、ダブルドットコーティングによってフランネル層と一体に複合化し、乾燥処理して火山岩昇温生地を得た。
【0028】
ここで、粒子1~粒子5については、以下の方法に従って、粒子1~粒子5を調製して、火山岩ナノ粒子と比較した。
A、粒子1
(1)火山岩を高温で炭化して粉体を得て、粉砕し、粒径5~10nmの火山岩粒子を調製した。
(2)粒径10~20nmのトウモロコシ茎葉カーボンナノ粒子と火山岩粒子を質量比1:1でエタノール中に混合し、140~160℃で加熱した後1~2h維持し、脱イオン水で少なくとも3回以上遠心洗浄し、沈殿物を取得した。
(3)モンモリロナイトとエタノール溶液を1:2(v/v)で混合し、この混合溶液にドデシル第四級アンモニウム塩を加えて混合物を得、撹拌後にシランカップリング剤KH-550を加えて混合し、次に適量のエタノールを加えて混合物を形成し、pHを酸性に調整し、70℃に撹拌加熱して1~2h維持し、冷却して遠心した後、モンモリロナイト懸濁液を得る。ステップ(2)の沈殿物とモンモリロナイト懸濁液とを混合し、55~70℃の温度で1~2h撹拌し、濾過膜で濾過し、濾過膜上の固体を収集し乾燥して、粒子1を取得した。
【0029】
B、粒子2
(1)火山岩を高温で炭化して粉体を得て、粉砕し、粒径5~10nmの火山岩粒子を調製した。
(2)モンモリロナイトとエタノール溶液を1:2(v/v)で混合し、この混合溶液にドデシル第四級アンモニウム塩を加えて混合物を得、撹拌後にシランカップリング剤KH-550を加えて混合し、次に適量のエタノールを加えて混合物を形成し、pHを酸性に調整し、70℃に撹拌加熱して1~2h維持し、冷却して遠心した後、モンモリロナイト懸濁液を得る。火山岩粒子とモンモリロナイト懸濁液とを混合し、55~70℃の温度で1~2h撹拌し、濾過膜で濾過し、濾過膜上の固体を収集し乾燥して、粒子2を取得した。
【0030】
C、粒子3
(1)火山岩を高温で炭化して粉体を得て、粉砕し、粒径5~10nmの火山岩粒子を調製した。
(2)粒径10~20nmのナノシリカゲルボールと火山岩粒子を質量比1:2でエタノール中に混合し、140~160℃で加熱した後1~2h維持し、脱イオン水で少なくとも3回以上遠心洗浄し、沈殿物を取得した。
(3)ナノ銀抗菌剤とステップ(2)の沈殿物とを混合し、55~70℃の温度で1~2h撹拌し、濾過膜で濾過し、濾過膜上の固体を収集し乾燥して、粒子3を取得した。
【0031】
D、粒子4
(1)火山岩を高温で炭化して粉体を得て、粉砕し、粒径5~10nmの火山岩粒子を調製した。
(2)粒径10~20nmのナノシリカゲルボールと火山岩粒子を質量比1:2でエタノール中に混合し、140~160℃で加熱した後1~2h維持し、脱イオン水で少なくとも3回以上遠心洗浄し、乾燥した後に粒子4を取得した。
【0032】
E、粒子5
火山岩を高温で炭化して粉体を得て、粉砕し、粒径5~10nmの火山岩粒子を調製し、トウモロコシ茎葉カーボンナノ粒子と混合して粒子5を取得した。
【0033】
異なる方法で調製した火山岩粒子による生地の性能への影響を検証するため、以下の方法を採用して、実施例1と実施例2(A、B、C、D、E)の生地をテストした。
【0034】
1、中国国家標準GB/T 29866-2013《紡織品吸湿発熱性能試験方法》に従って、実施例1と実施例2(A、B、C、D、E)の生地サンプルに対して吸湿発熱性テストを行った。具体的な吸湿発熱性の結果は表1の(1)に示される。上記の生地サンプルを80℃の温度及び90%RHの密閉条件下で30日間保持してから、上記のテストを行い、テスト結果は表1の(2)に示される。
【0035】
【0036】
表1から、本発明で作製された火山岩昇温生地は、優れた昇温、蓄熱、保湿、通気性能を有することがわかる。実施例1と実施例2のEとの比較から、従来のバイオマスカーボンナノ粒子と火山岩粒子を採用して調製した機能粒子Eの昇温・発熱・保湿・通気性能は、いずれも本発明のものと比べて悪いことがわかる。実施例1と実施例2のA、Bとの比較、及び実施例1と実施例2のC、Dとの比較から、本発明は火山岩粒子、ナノシリカゲルボール及びモンモリロナイトを採用するので、生地に対する保湿性と吸湿性が特に顕著である。
【0037】
2、中国国家標準GB/T20944.3-2008《紡織品抗菌性能の評価第3部分:振動法》に従って、実施例1と実施例2(A、B、C、D、E)の生地サンプルに対して抗菌性テストを行った。菌の種類:大腸菌ATCC25922、黄色ブドウ球菌ATCC6538。具体的な菌抑制率のテスト結果は表2の(1)に示される。上記の生地サンプルを80℃の温度及び90%RHの密閉条件下で30日間保持してから、上記のテストを行い、テスト結果は表2の(2)に示される。
【0038】
【0039】
表2から、本発明で作製された火山岩昇温生地は優れた抗菌性能を有することがわかる。実施例1と実施例2のEとの比較から、従来のバイオマスカーボンナノ粒子と火山岩粒子を採用して調製した機能粒子Eの抗菌性は、本発明のものと比べてはるかに悪いことがわかる。実施例1と実施例2のA、Bとの比較から、ナノシリカゲルボールの代わりにバイオマスカーボンナノ粒子を採用した方が、生地の抗菌性への影響が比較的小さいことがわかる。実施例1と実施例2のC、Dとの比較から、本発明はモンモリロナイトを採用することによって、生地の保湿と通気性を向上させるだけでなく、抗菌性も向上させ、特に火山岩粒子、ナノシリカゲルボール及びモンモリロナイトの相乗作用による生地の抗菌性への影響が特に大きいことがわかる。
【0040】
3、中国国家標準GB/T 3923.1-2013《紡織品-織物引張性能》に従って、実施例1と実施例2(A、B、C、D、E)の生地サンプルに対して引張試験を行った。具体的な引張伸長率、引張強度は表3の(1)に示される。上記の生地サンプルを80℃の温度及び90%RHの密閉条件下で30日間保持してから、上記のテストを行い、テスト結果は表3の(2)に示される。
【0041】
【0042】
表3から、本発明で作製された火山岩昇温生地の引張性能が良好で、弾力性能が優れていることがわかる。実施例1と実施例2のEとの比較から、従来のバイオマスカーボンナノ粒子と火山岩粒子を採用して調製した機能粒子Eの引張性能は、本発明のものと比べてはるかに悪いことがわかる。実施例1と実施例2のC、Dとの比較から、モンモリロナイトの代わりに抗菌剤を採用した方が、生地の引張性能への影響が比較的小さいことがわかる。実施例1と実施例2のA、Bとの比較から、本発明はナノシリカゲルボールを採用することによって、生地の引張性能を向上させるだけでなく、耐久性も向上させ、特に火山岩粒子、ナノシリカゲルボール及びモンモリロナイトの相乗作用による生地の引張性能への影響が特に大きいことがわかる。
〈実施例3〉
【0043】
異なる処理方法による火山岩昇温生地への影響を検証するために、以下の4つの作製方法を採用して生地を製造した。プロセスは次のとおりである。
【0044】
A、作製方法1
ステップ1では、火山岩ナノ粒子を調製した(実施例1と同じ)。
【0045】
ステップ2では、昇温発熱層、熱補給層、フランネル層を作製した。
(1)綿状ポリエステル繊維と綿スパンデックスコアスパン繊維を編機で織って、フランネル層を取得した。
(2)火山岩ナノ粒子、ワックスオイル、乳化剤及び脱イオン水を混合し、磁気攪拌及び超音波攪拌して、コロイド液を取得し、使用に備えた。吸湿性繊維を紫外線放射ボックス内に入れ、紫外線放射で一定時間照射してから、吸湿性繊維を生産設備に入れて、火山岩ナノ粒子コロイド液に浸漬し、真空乾燥した。処理された吸湿性繊維と火山岩繊維を編機で、70%の吸湿性繊維及び30%の火山岩繊維を含む昇温発熱層として織った。
(3)生産設備を用いて、昇温発熱層の片面に火山岩ナノ粒子コロイド液をスプレーし、真空乾燥して、熱補給層を取得した。
【0046】
ステップ3:火山岩昇温生地を作製する。昇温発熱層における熱補給層を設けた面を、ダブルドットコーティングによってフランネル層と一体に複合化し、乾燥処理して火山岩昇温生地を得た。
【0047】
B、作製方法2
ステップ1では、火山岩ナノ粒子を調製する(実施例1と同じ)。
【0048】
ステップ2では、昇温発熱層、熱補給層、フランネル層を作製する。
(1)綿状ポリエステル繊維と綿スパンデックスコアスパン繊維を編機で織って、フランネル層を取得した。
(2)火山岩ナノ粒子、ワックスオイル、乳化剤及び脱イオン水を混合し、磁気攪拌及び超音波攪拌して、コロイド液を取得し、使用に備えた。吸湿性繊維をチタネートキレート触媒中に入れ、20~30min浸漬して取り出し、乾燥し、次に吸湿性繊維を生産設備に入れて、火山岩ナノ粒子コロイド液に浸漬し、真空乾燥した。処理された吸湿性繊維と火山岩繊維を編機で、70%の吸湿性繊維及び30%の火山岩繊維を含む昇温発熱層として織った。
(3)生産設備を用いて、昇温発熱層の片面に火山岩ナノ粒子コロイド液をスプレーし、真空乾燥して、熱補給層を取得した。
【0049】
ステップ3では、火山岩昇温生地を作製した(実施例1と同じ)。
【0050】
C、作製方法3
ステップ1では、火山岩ナノ粒子を調製した(実施例1と同じ)。
【0051】
ステップ2では、昇温発熱層、熱補給層、フランネル層を作製した。
(1)綿状ポリエステル繊維と綿スパンデックスコアスパン繊維を編機で織って、フランネル層を取得した。
(2)火山岩ナノ粒子、ワックスオイル、乳化剤及び脱イオン水を混合し、磁気攪拌及び超音波攪拌して、コロイド液を取得し、使用に備えた。吸湿性繊維を熱風炉内に入れて、200~220℃の温度範囲内で連続空気熱処理し、処理時間が20~30minであり、次に、吸湿性繊維を生産設備に入れて、火山岩ナノ粒子コロイド液に浸漬し、真空乾燥した。処理された吸湿性繊維と火山岩繊維を編機で、70%の吸湿性繊維及び30%の火山岩繊維を含む昇温発熱層として織った。
(3)生産設備を用いて、昇温発熱層の片面に火山岩ナノ粒子コロイド液をスプレーし、真空乾燥して、熱補給層を取得した。
【0052】
ステップ3では、火山岩昇温生地を作製した(実施例1と同じ)。
異なる処理方法による火山岩昇温生地への影響を検証するために、以下の方法を採用して、実施例1と実施例3(A、B、C)の生地をテストした。
【0053】
1、中国国家標準GB/T 8628-2013《紡織品-サイズ変化の測定試験における織物試料と服装の準備、マーキング及び測定》、GB/T 8629-2013、GB/T 8630-2013《紡織品-洗濯と乾燥後のサイズ変化の測定》、FZ/T 73020-2012《メリヤス保温下着》に従って、実施例1と実施例3(A、B、C)の生地サンプルをテストし、テスト結果は表4に示される。
【0054】
2、中国国家標準GB/T 3923.1-2013《紡織品-織物の引張性能》に従って、実施例1と実施例3(A、B、C)の生地サンプルに対して引張試験を行った。具体的な引張伸長率は表4に示される。
【0055】
【0056】
表4から、本発明で作製された火山岩昇温生地は優れた耐変形性能を有することがわかる。実施例1と実施例3のA、B、Cとの比較から、本発明は、触媒を採用して吸湿性繊維の活性化部位を増加させ、空気熱処理により吸湿性繊維を梳くことによって、定性が可能となり、生地の耐変形性能に著しい影響を与えることがわかる。
〈実施例4〉
【0057】
図1~2に示すように、本発明は生産設備をさらに提供する。火山岩ナノ粒子コロイド液の浸漬とスプレーに対して、前記生産設備は順に巻出しローラー1、浸漬スプレーコンポーネント2、乾燥ボックス3及び巻取ローラー4によって構成される。前記浸漬スプレーコンポーネント2は、貯液槽21と、貯液槽21の上方に位置する貯液タンク22と、貯液タンク22の下端に位置する2列のスプレーガン23と、貯液槽21の内部に位置する超音波発生器28と、貯液槽21の供給側に位置する熱風ローラー24と、貯液槽21の排出側に位置する冷風ローラー25とを含む。前記貯液槽21の供給側と排出側の両方には、ガイドローラー26と調整ローラー29組が設けられる。前記貯液槽21の内壁の両端には、調整ローラー組29の昇降のための昇降レール27が設けられる。前記貯液槽21の内壁には、自動ローラー治具210がさらに設けられる。前記自動ローラー治具210は昇降レール27の最高部と平行である。
【0058】
図3に示すように、熱風ローラー24と冷風ローラー25は同じ構造を有し、中空のローラー本体を含む。ローラー本体の一端には、外側駆動装置と噛み合う伝動歯車243が設けられ、ローラー本体の他端には風入口241が設けられる。風入口241は、回転可能なコネクタを介して熱風機ダクト及び冷風機ダクトにそれぞれ接続される。ローラー本体上に風排出孔242が設けられ、熱風又は冷風は風排出孔242から排出され、生地又は繊維に使用する。風排出孔242は、ローラー本体上に螺旋状に分布しており、風排出孔242の数を低減するとともに、均一の気流を確保し、生地を均一の気流でパージする役割、生地又は吸湿性繊維を予熱又は予冷する役割を果たす。
【0059】
本発明に記載の火山岩生地の作製方法において、ステップ2で昇温発熱層、熱補給層、フランネル層を調製したプロセス(2)と(3)では、火山岩ナノ粒子をコロイド液として調製して、吸湿性繊維に含浸させ、昇温発熱層上にスプレーして熱補給層を形成する必要がある。コロイド液の具体的な調製プロセスは、火山岩ナノ粒子、ワックスオイル、乳化剤及び脱イオン水を混合し、磁気撹拌及び超音波撹拌して、コロイド液を取得することである。
【0060】
使用中に、吸湿性繊維又は昇温発熱層は、巻出しローラー1上に置かれた後、浸漬スプレーコンポーネント2、乾燥ボックス3を順に通過してから、巻取ローラー4で収集される。
【0061】
具体的には、吸湿性繊維を処理するとき、調整ローラー組29は昇降レール27の最下端h1に位置する。吸湿性繊維は、上下2組の熱風ローラー24を通過してから、ガイドローラー26により下方に向かって調整ローラー組29の2組のローラーの中間を通って、貯液槽21を通る。貯液槽21には、火山岩ナノ粒子コロイド液が含まれる。貯液槽21内のコロイド液は、スプレーガン23により補給できる。その後、吸湿性繊維は、他側の調整ローラー組29の2組のローラーの中間を通ってから、ガイドローラー26により冷風ローラー25にガイドすることができる。超音波発生器28を起動する。吸湿性繊維は、貯液槽21を通る過程においてコロイド液で十分に浸す。コロイド液はワックスオイルを含むため、冷風ローラー25を通過するときに迅速に固化することができ、火山岩ナノ粒子の流失量を減らし、次に乾燥ボックス3を通過して真空乾燥されるとき、ワックスオイルは溶融し揮発する。別の設備で収集・再回収して、乾燥する時に、火山岩ナノ粒子は吸湿性繊維上にしっかりと付着する。
【0062】
昇温発熱層の片面に火山岩ナノ粒子コロイド液をスプレーするとき、調整ローラー組29は昇降レール27の最も高い箇所h2に位置する。昇温発熱層生地は、上下2組の熱風ローラー24を通過し、調整ローラー組29の2組のローラーの中間を通って、他側の調整ローラー組29の2組のローラーの中間に達し、次に冷風ローラー25を経由する。最も近い熱風ローラー24及び冷風ローラー25の高さが調整ローラー組29の高さよりも低く、これは、生地の引き締めに役立つ。自動ローラー治具210を起動して、生地の両側端を挟み込む。スプレーガン23を起動して、生地に火山岩ナノ粒子コロイド液をスプレーする。第1組のスプレーガン23は主スプレー手段であり、第2組は補助スプレー手段であり、貯液タンク22の下端の画像識別システムと互いに協力し、通過する生地にスプレーされていない領域がる場合、生地に対して補充スプレーを行う必要がある。スプレーが完了した後、昇温発熱層の表面に強化層が形成される。コロイド液はワックスオイルを含むため、冷風ローラー25を通過するときに迅速に固化することができ、火山岩ナノ粒子の流失量を減らし、次に乾燥ボックス3を通過して真空乾燥されるとき、ワックスオイルが溶融し揮発する。別の設備で収集・再回収して、乾燥する時に、火山岩ナノ粒子は昇温発熱層上にしっかりと付着する。
【0063】
以上の実施例は本発明の幾つかの実施形態のみを詳細且つ具体的に示しているが、本発明の保護範囲を限定するものではないと理解すべきである。当業者にとっては、本発明の創造的構想から逸脱しない前提で、幾つかの変形や改善を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属するべきであると理解しなければならない。
【符号の説明】
【0064】
1 巻出しローラー、
2 浸漬スプレーコンポーネント、
21 貯液槽、
22 貯液タンク、
23 スプレーガン、
24 熱風ローラー、
25 冷風ローラー、
26 ガイドローラー、
27 昇降レール、
28 超音波発生器、
29 調整ローラー組、
210 自動ローラー治具、
3 乾燥ボックス、
4 巻取ローラー
図1
図2
図3