(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066385
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】工程流体処理器、これを含むウェーハ洗浄装置及び半導体製造設備
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
H01L21/304 648K
H01L21/304 643A
H01L21/304 647Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004326
(22)【出願日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2022-0143989
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヨン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ミョン エー
(72)【発明者】
【氏名】リ、トン ウク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、プ ソク
(72)【発明者】
【氏名】リ、ポク キュ
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB33
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF16
5F157CF34
5F157CF60
5F157CF99
5F157DA15
5F157DC86
(57)【要約】
【課題】より効果的に工程流体中のオゾンを分解することが可能な工程流体処理器、及びこれを含むウェーハ洗浄装置及び半導体製造設備を提供する。
【解決手段】本発明による半導体製造設備におけるウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理するための工程流体処理器は、工程流体を収容するための内部空間を形成するハウジングと、前記内部空間へ、オゾン成分を含む工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズルと、前記スプレーノズルを介して噴射される前記工程流体を加熱するノズル加熱部材と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造設備におけるウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理するための工程流体処理器であって、
工程流体を収容するための内部空間を形成するハウジングと、
前記内部空間へ、オゾン成分を含む工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズルと、
前記スプレーノズルを介して噴射される前記工程流体を加熱するノズル加熱部材と、を含む、工程流体処理器。
【請求項2】
前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの内部流路に取り付けられた熱線として提供される、請求項1に記載の工程流体処理器。
【請求項3】
前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの外側に取り付けられた熱線として提供される、請求項1に記載の工程流体処理器。
【請求項4】
前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの外部を包むヒータージャケットとして提供される、請求項1に記載の工程流体処理器。
【請求項5】
前記スプレーノズルは、SUS316ステンレス鋼素材で構成される、請求項1に記載の工程流体処理器。
【請求項6】
前記ハウジングに収容された前記工程流体が循環するようにする経路を提供する循環ラインをさらに含み、
前記循環ラインに沿って循環した前記工程流体が前記スプレーノズルを介してミスト状に噴射される、請求項1に記載の工程流体処理器。
【請求項7】
前記工程流体中のオゾン成分の分解を促進する分解ガスを供給するガス供給管をさらに含む、請求項1に記載の工程流体処理器。
【請求項8】
前記ガス供給管に取り付けられ、前記内部空間へ供給される前記分解ガスを加熱するガス加熱部材をさらに含む、請求項7に記載の工程流体処理器。
【請求項9】
半導体製造設備のウェーハ洗浄装置であって、
前記ウェーハの洗浄処理のための工程流体を供給する工程流体供給器と、
前記工程流体を前記ウェーハに供給することにより、前記ウェーハに対する洗浄処理を行う工程チャンバーと、
前記ウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理する工程流体処理器と、を含み、
前記工程流体処理器は、
工程流体を収容するための内部空間を形成するハウジングと、
前記内部空間へ、オゾン成分を含む工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズルと、
前記スプレーノズルを通過する前記工程流体を加熱するノズル加熱部材と、を含む、ウェーハ洗浄装置。
【請求項10】
前記工程流体処理器は、第1排出管を介して前記工程チャンバーに連結され、
前記スプレーノズルは、前記第1排出管に連結され、前記第1排出管を介して流入した前記工程流体をミスト状に前記内部空間へ噴射する、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項11】
前記工程流体処理器は、第2排出管を介して前記工程流体処理器に連結され、
前記スプレーノズルは、前記第2排出管に連結され、前記第2排出管を介して流入した前記工程流体をミスト状に前記内部空間へ噴射する、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項12】
前記工程チャンバーは、複数設けられ、
前記工程流体供給器は、前記複数の工程チャンバーへ前記工程流体を供給し、
前記工程流体処理器は、前記複数の工程チャンバーから回収された前記工程流体を処理する、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項13】
前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの内部流路に取り付けられた熱線として提供される、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項14】
前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの外側に取り付けられた熱線として提供される、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項15】
前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの外部を包むヒータージャケットとして提供される、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項16】
前記スプレーノズルは、SUS316ステンレス鋼素材で構成される、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項17】
前記ハウジングに収容された前記工程流体が循環するようにする経路を提供する循環ラインをさらに含む、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項18】
前記工程流体中のオゾン成分の分解を促進する分解ガスを供給するガス供給管をさらに含む、請求項9に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項19】
前記ガス供給管に取り付けられ、前記内部空間へ供給される前記分解ガスを加熱するガス加熱部材をさらに含む、請求項18に記載のウェーハ洗浄装置。
【請求項20】
半導体製造設備であって、
前記半導体製造設備に投入されたウェーハをハンドリングするインデックスモジュールと、
前記ウェーハに対する洗浄処理を行うウェーハ洗浄装置を備える工程処理モジュールと、を含み、
前記ウェーハ洗浄装置は、
前記ウェーハの洗浄処理のための工程流体を供給する工程流体供給器と、
前記工程流体を前記ウェーハに供給することにより、前記ウェーハに対する洗浄処理を行う工程チャンバーと、
前記ウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理する工程流体処理器と、を含み、
前記工程流体処理器は、
工程流体を収容するための内部空間を形成するハウジングと、
前記内部空間へ、オゾン成分を含む工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズルと、
前記スプレーノズルに取り付けられ、前記スプレーノズルを通過する前記工程流体を加熱するノズル加熱部材と、を含む、半導体製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理するための工程流体処理器、これを含むウェーハ洗浄装置及び半導体製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は、電気信号を処理することが可能な半導体製品を製造する工程であって、ウェーハ上に酸化、露光、エッチング、イオン注入、蒸着などの処理過程を介してパターンを形成する処理工程(前工程)と、パターンの形成されたウェーハに対するダイシング、ダイボンディング、配線、モールディング、マーキング、テストなどの過程を介して完成品形態の半導体パッケージを製造するパッケージング工程(後工程)と、を含む。
【0003】
特に、基板上には様々な有機及び無機異物が存在する。よって、製造歩留まりを向上させるためには、基板上の異物を効果的に除去することが非常に重要である。異物除去のために、工程流体を用いた洗浄工程が主に用いられる。洗浄工程は、基板を支持したスピンチャックを回転させながら基板の上面又は後面に処理液(工程流体)を供給することにより行われ、洗浄処理後には、リンス液を用いたリンス工程、乾燥気体を用いた乾燥工程が行われる。
【0004】
一方、工程流体にはオゾンを含むことができるが、工程流体を排出するときはオゾンを分離しなければならない。韓国登録特許第10-2020230号には、打撃プレートへ工程流体を噴射することにより、工程流体が打撃プレートに衝突するようにし、循環ラインのヒーターを用いて工程流体の温度を高めることにより、工程流体からオゾンを分離する方法が提示されている。しかし、工程流体を主に構成する水は、比熱が高いため、温度上昇効果が微々たるものであり、結果的にオゾン分解効果が低いという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、より効果的に工程流体中のオゾンを分解することが可能な工程流体処理器、及びこれを含むウェーハ洗浄装置及び半導体製造設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による半導体製造設備におけるウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理するための工程流体処理器は、工程流体を収容するための内部空間を形成するハウジングと、前記内部空間へ、オゾン成分を含む工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズルと、前記スプレーノズルを介して噴射される前記工程流体を加熱するノズル加熱部材と、を含む。
【0007】
本発明の実施形態によれば、前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの内部流路に取り付けられた熱線として提供できる。
【0008】
本発明の実施形態によれば、前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの外側に取り付けられた熱線として提供できる。
【0009】
本発明の実施形態によれば、前記ノズル加熱部材は、前記スプレーノズルの外部を包むヒータージャケットとして提供できる。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記スプレーノズルは、SUS316ステンレス鋼素材で構成できる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記工程流体処理器は、前記ハウジングに収容された前記工程流体が循環するようにする経路を提供する循環ラインをさらに含み、前記循環ラインに沿って循環した前記工程流体が前記スプレーノズルを介してミスト状に噴射できる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記工程流体処理器は、前記工程流体中のオゾン成分の分解を促進する分解ガスを供給するガス供給管をさらに含むことができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記ガス供給管に取り付けられ、前記内部空間へ供給される前記分解ガスを加熱するガス加熱部材をさらに含むことができる。
【0014】
本発明による半導体製造設備のウェーハ洗浄装置は、前記ウェーハの洗浄処理のための工程流体を供給する工程流体供給器と、前記工程流体を前記ウェーハに供給することにより、前記ウェーハに対する洗浄処理を行う工程チャンバーと、前記ウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理する工程流体処理器と、を含む。前記工程流体処理器は、工程流体を収容するための内部空間を形成するハウジングと、前記内部空間へ、オゾン成分を含む工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズルと、前記スプレーノズルを介して噴射される前記工程流体を加熱するノズル加熱部材と、を含む。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記工程流体処理器は、排出管を介して前記工程チャンバーに連結され、前記スプレーノズルは、前記排出管に連結され、前記排出管を介して流入した前記工程流体をミスト状に前記内部空間へ噴射することができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記工程チャンバーは、前記工程流体を前記ウェーハへ供給する供給ノズルと、前記ウェーハに供給された前記工程流体を回収する回収カップと、を含むことができる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記工程チャンバーは、複数設けられ、前記工程流体供給器は、前記複数の工程チャンバーへ前記工程流体を供給し、前記工程流体処理器は、前記複数の工程チャンバーから回収された前記工程流体を処理することができる。
【0018】
本発明による半導体製造設備は、前記半導体製造設備に投入されたウェーハをハンドリングするインデックスモジュールと、前記ウェーハに対する洗浄処理を行うウェーハ洗浄装置を備える工程処理モジュールと、を含む。前記ウェーハ洗浄装置は、前記ウェーハの洗浄処理のための工程流体を供給する工程流体供給器と、前記工程流体を前記ウェーハに供給することにより、前記ウェーハに対する洗浄処理を行う工程チャンバーと、前記ウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理する工程流体処理器と、を含む。前記工程流体処理器は、工程流体を収容するための内部空間を形成するハウジングと、前記内部空間へ、オゾン成分を含む工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズルと、前記スプレーノズルに取り付けられ、前記スプレーノズルを介して噴射される前記工程流体を加熱するノズル加熱部材と、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズルにノズル加熱部材を装着することにより、オゾン成分を含む工程流体を高温のミスト状に噴射することができ、それにより工程流体のオゾン成分が効果的に分解できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明による半導体製造設備のレイアウトを示す。
【
図2】本発明によるウェーハ洗浄装置の構成を示す。
【
図3】本発明によるウェーハ洗浄装置の構成を示す。
【
図5】本発明による工程流体処理器においてノズル加熱部材が取り付けられたスプレーノズルの例を示す。
【
図6】本発明による工程流体処理器においてノズル加熱部材が取り付けられたスプレーノズルの例を示す。
【
図7】本発明による工程流体処理器においてノズル加熱部材が取り付けられたスプレーノズルの例を示す。
【
図8】ヒータージャケットからなるノズル加熱部材の例を示す。
【
図9a】従来技術による工程流体処理器のオゾン分解性能を示す。
【
図9b】本発明の工程流体処理器のオゾン成分分解性能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0022】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたり、同一又は類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付す。
【0023】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については、同一の符号を用いて代表的な実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では、代表的な実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0024】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(又は結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(又は結合)」されている場合だけでなく、別の部材を挟んで「間接的に連結(又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0025】
他に定義されない限り、技術的又は科学的用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0026】
図1は、本発明による半導体製造設備1のレイアウトを示す。本発明による半導体製造設備1は、半導体製造設備1に投入されたウェーハをハンドリングするインデックスモジュール10と、ウェーハに対する洗浄処理を行うウェーハ洗浄装置30を備える工程処理モジュール20と、を含む。
【0027】
インデックスモジュール10は、ロードポート11及び移送フレーム14を有する。ロードポート11、移送フレーム14及び工程処理モジュール20は順次一列に配列される。以下、ロードポート11、移送フレーム14及び工程処理モジュール20が配列された方向を第1方向2とする。そして、上方から見たとき、第1方向2に対して垂直な方向を第2方向3とし、第1方向2と第2方向3を含む平面に対して垂直な方向を第3方向4とする。
【0028】
ロードポート11には、ウェーハの収納されたキャリア13が装着される。ロードポート11は、複数設けられ、これらは、第2方向3に沿って一列に配置される。
図1では、4つのロードポート11が設けられていることを示している。しかし、ロードポート11の個数は、工程処理モジュール20の工程効率及びフットプリントなどの条件に応じて増加又は減少してもよい。キャリア13には、ウェーハの縁を支持するようにスロット(図示せず)が設けられる。スロットは、第3方向4に沿って複数設けられ、ウェーハは、第3方向4に沿って互いに離間した状態で積層されるようにキャリア13内に位置する。キャリア13としては、前面開放一体型ポッド(Front Opening Unified Pod、FOUP)が使用できる。
【0029】
工程処理モジュール20は、バッファユニット22、移送チャンバー25及び工程チャンバー26を有する。移送チャンバー25は、その長手方向が第1方向2と平行に配置される。第2方向3に沿って移送チャンバー25の一側及び他側にはそれぞれ工程チャンバー26が配置される。移送チャンバー25の一側に位置した工程チャンバー26と、移送チャンバー25の他側に位置した工程チャンバー26とは、移送チャンバー25を基準として互いに対称となるように設けられる。工程チャンバー26の一部は、移送チャンバー25の長手方向に沿って配置される。また、工程チャンバー26の一部は、互いに積層されるように配置される。すなわち、移送チャンバー25の一側には、工程チャンバー26がA×B(AとBはそれぞれ1以上の自然数)の配列で配置できる。ここで、Aは、第1方向2に沿って一列に設けられた工程チャンバー26の数であり、Bは、第3方向4に沿って一列に設けられた工程チャンバー26の数である。移送チャンバー25の一側に4つ又は6つの工程チャンバー26が設けられる場合、工程チャンバー26は、2×2又は3×2の配列で配置できる。工程チャンバー26の数は増加又は減少してもよい。上述したのとは異なり、工程チャンバー26は、移送チャンバー25の一側にのみ設けられてもよい。また、上述したのとは異なり、工程チャンバー26は、移送チャンバー25の一側及び両側に単層で設けられてもよい。
【0030】
バッファユニット22は、移送フレーム14と移送チャンバー25との間に配置される。バッファユニット22は、移送チャンバー25と移送フレーム14との間でウェーハが搬送される前にウェーハが留まる空間を提供する。バッファユニット22は、その内部にウェーハが置かれるスロット(図示せず)が設けられ、スロット(図示せず)は、互いに第3方向4に沿って離間するように複数設けられる。バッファユニット22における、移送フレーム14に対向する面と移送チャンバー25に対向する面のそれぞれが開放される。
【0031】
移送フレーム14は、ロードポート11に装着されたたキャリア13とバッファユニット22との間でウェーハを搬送する。移送フレーム14には、インデックスレール17とインデックスロボット16が設けられる。インデックスレール17は、その長手方向が第2方向3と並ぶように設けられる。インデックスロボット16はインデックスレール17上に設置され、インデックスレール17に沿って第2方向3に直線移動する。インデックスロボット16は、ベース16a、胴体16b及びインデックスアーム16cを有する。ベース16aは、インデックスレール17に沿って移動可能に設置される。胴体16bは、ベース16aに結合する。胴体16bは、ベース16a上で第3方向4に沿って移動可能に設けられる。また、胴体16bは、ベース16a上で回転可能に設けられる。インデックスアーム16cは、胴体16bに結合し、胴体16bに対して前進及び後退移動可能に設けられる。インデックスアーム16cは、複数設けられ、それぞれ個別に駆動されるように設けられる。インデックスアーム16cは、第3方向4に沿って互いに離間した状態で積層されるように配置される。インデックスアーム16cは、一部は工程処理モジュール20からキャリア13へウェーハを搬送するときに使用され、他の一部はキャリア13から工程処理モジュール20へウェーハを搬送するときに使用されることが可能である。これは、インデックスロボット16がウェーハを搬入及び搬出する過程で、工程処理前のウェーハから発生したパーティクルが工程処理後のウェーハに付着することを防止することができる。
【0032】
移送チャンバー25は、バッファユニット22と工程チャンバー26との間、及び工程チャンバー26同士の間でウェーハを搬送する。移送チャンバー25には、ガイドレール29とメインロボット24が設けられる。ガイドレール29は、その長手方向が第1方向2と並ぶように配置される。メインロボット24は、ガイドレール29上に設置され、ガイドレール29上で第1方向2に沿って直線移動する。メインロボット24は、ベース24a、胴体24b及びメインアーム24cを有する。ベース24aは、ガイドレール29に沿って移動可能に設置される。胴体24bはベース24aに結合する。胴体24bは、ベース24a上で第3方向4に沿って移動可能に設けられる。また、胴体24bは、ベース24a上で回転可能に設けられる。メインアーム24cは胴体24bに結合し、これは胴体24bに対して前進及び後退移動可能に設けられる。メインアーム24cは、複数備えられ、それぞれ個別に駆動されるように設けられる。メインアーム24cは、第3方向4に沿って互いに離間した状態で積層されるように配置される。バッファユニット22から工程チャンバー26へウェーハを搬送するときに用いられるメインアーム24cと、工程チャンバー26からバッファユニット22へウェーハを搬送するときに用いられるメインアーム24cは、互いに異なってもよい。
【0033】
工程処理モジュール20には、ウェーハに対して洗浄工程を行うウェーハ洗浄装置30が設けられる。ウェーハ洗浄装置30は、工程チャンバー26を始めとして、工程チャンバー26へ提供される工程流体の保管、工程チャンバー26に使用された後に回収された工程流体に対する処理、処理済みの工程流体の排出を行う構成を含む。以下、
図2及び
図3を参照して、本発明によるウェーハ洗浄装置30の構成について説明する。
【0034】
ウェーハ洗浄装置30は、ウェーハの洗浄処理のための工程流体を供給する工程流体供給器31と、工程流体をウェーハに供給することにより、ウェーハに対する洗浄処理を行う工程チャンバー26と、ウェーハの洗浄に用いられた工程流体を処理する工程流体処理器32と、を含む。
図2を参照すると、工程チャンバー26は、工程流体供給器31及び工程流体処理器32に連結される。工程流体は、オゾン水、又はオゾン水と薬液との混合液である。工程流体供給器31は、供給管110を介して供給ノズル100へ工程流体を供給する。工程流体処理器32は、第1排出管210を介して工程チャンバー26に連結される。また、工程流体処理器32は、第2排出管220を介して工程流体供給器31に連結される。
【0035】
工程チャンバー26は、工程流体をウェーハへ供給する供給ノズル100と、ウェーハに供給された工程流体を回収する回収カップ200と、を含む。
図2では、工程流体供給器31が1つの工程チャンバー26に連結されていることを示しているが、
図3に示すように、工程流体供給器31は、2つ以上の工程チャンバー26に連結されてもよい。すなわち、工程チャンバー26は、複数設けられ、工程流体供給器31は、複数の工程チャンバー26へ工程流体を供給し、工程流体処理器32は、複数の工程チャンバーから回収された工程流体を処理することができる。
【0036】
供給ノズル100を介して基板に供給されて工程を行った工程流体は、回収カップ200に収去された後、回収カップ200に連結された第1排出管210を介して排出される。第1排出管210と工程流体供給器31には別途の回収管が連結され、回収カップ200を介して収去された工程流体を工程流体供給器31へ供給することができる。
【0037】
図4は、本発明による工程流体処理器32を示す。
図5~
図7は、本発明による工程流体処理器32においてノズル加熱部材330が取り付けられたスプレーノズル320の例を示す。
【0038】
本発明による工程流体処理器32は、工程流体を収容するための内部空間を形成するハウジング310と、内部空間へ、オゾン成分を含む工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズル320と、スプレーノズル320に取り付けられ、スプレーノズル320を介して噴射される工程流体を加熱するノズル加熱部材330と、を含む。
【0039】
工程流体処理器32は、第1排出管210を介して工程チャンバー26に連結されるが、スプレーノズル320は、第1排出管210に連結され、第1排出管210を介して流入した工程流体をミスト状に内部空間へ噴射することができる。スプレーノズル320は、内部流路322に工程流体が高圧の状態で流れるようにし、工程流体が外部へ排出されるときに小さな粒子(ミスト)の形状に複数の方向に流れるようにする。
【0040】
また、工程流体処理器32は、第2排出管220を介して工程流体供給器31に連結され、スプレーノズル320は、第2排出管220に連結され、第2排出管220を介し流入した工程流体をミスト状にハウジング310の内部空間へ噴射することができる。
【0041】
本発明によれば、工程流体をミスト状に噴射するスプレーノズル320にノズル加熱部材330を装着することにより、オゾン成分を含む工程流体を高温のミスト状に噴射することができ、それにより工程流体のオゾン成分が効果的に分解できる。本発明によれば、多孔管に代えてスプレーノズル320を用いることにより、オゾン成分を含む処理流体がミスト状に噴射されるので、空気と接触する表面積を高めることができるため、オゾン水分解反応が促進される。ただし、温度が高いほどオゾン水の分解が促進されるが、スプレーノズル320を用いると、気化熱の放出により温度が下降する。したがって、本発明は、ノズル加熱部材330を用いてスプレーノズル320を加熱しながらオゾン水をミスト状に噴射するため、迅速に工程流体中のオゾン成分を分解することができる。
【0042】
本発明の実施形態によれば、ノズル加熱部材330は、スプレーノズル320の内部流路に取り付けられた熱線332として提供できる。
図5を参照すると、スプレーノズル320の内部で工程流体が通過する内部流路に熱線332が巻かれた形態でノズル加熱部材330が構成できる。ノズル加熱部材330は、スプレーノズル320、及びスプレーノズル320を介して噴射される工程流体を加熱することができ、ノズル加熱部材330によって加熱された工程流体がミスト状に噴射される。ここで、工程流体は、高温の状態でミスト状に噴射されるので、気化熱の損失にも拘らず高い温度を維持するため、オゾン水分解反応が促進され、工程流体中のオゾン成分を効果的に分解することができる。スプレーノズル320の内部流路に取り付けられた熱線332が直接工程流体を加熱するため、熱伝達効率の面で利点がある。一方、熱線332は、スプレーノズル320に埋め込まれてもよい。
【0043】
本発明の他の実施形態によれば、ノズル加熱部材330は、スプレーノズル320の外側に取り付けられた熱線332として提供できる。
図6を参照すると、スプレーノズル320の外部に沿って熱線332が巻かれることができる。熱線332は、スプレーノズル320を介して間接的に工程流体を加熱することができる。
図6に示すように、熱線332をスプレーノズル320の外側に取り付ける場合、熱線332が工程流体に直接接触しないので、熱線332の寿命の面で有利である。
【0044】
本発明の他の実施形態によれば、ノズル加熱部材330は、スプレーノズル320の外部を包むヒータージャケット334として提供できる。
図7に示すように、ヒータージャケット334は、スプレーノズル320の外側に取り付けられる円筒状に設けられ、内部に熱線332が備えられることができる。
図8を参照すると、スプレーノズル320に固定できるようにヒータージャケット334が構成され、ヒータージャケット334の内部に熱線332が取り付けられた状態で外部の電源に連結されることができる。ヒータージャケット334の内部に備えられた熱線332によってスプレーノズル320が加熱され、スプレーノズル320を介して工程流体が加熱されることができる。
図8に示すような形態のヒータージャケット334でノズル加熱部材330を構成する場合、作業者の立場でより容易にノズル加熱部材330をスプレーノズル320に対して着脱することができる。
【0045】
本発明の実施形態によれば、スプレーノズル320は、SUS316ステンレス鋼素材で構成できる。スプレーノズル320は、40度~50度で加熱できるが、工程流体への熱伝達効率が高く且つオゾンに対する耐化学性が高い素材で構成される必要がある。SUS316ステンレス鋼は、このような条件を満たす素材であって、本発明によるスプレーノズル320の素材として好適であるといえる。
【0046】
本発明の実施形態によれば、工程流体処理器32は、ハウジング310に収容された工程流体が循環するようにする経路を提供する循環ライン370をさらに含む。循環ライン370に沿って循環した工程流体は、スプレーノズル320を介してミスト状に噴射できる。循環ライン370には、工程流体の循環のための動力を提供するポンプ375が備えられる。ポンプ375は、循環ライン370に工程流体が流入する流入口の周りに位置することができる。ポンプ375は、工程流体が流れうる圧力を形成し、工程流体が乱流を形成しながら効果的に流れるようにする。ポンプ375の圧力によって、工程流体に含まれたオゾン成分の分解が促進できる。一方、循環ライン370にはヒーター(図示せず)が構成されてもよいが、省略されてもよい。
【0047】
設定時間が経過して、工程流体に含まれたオゾンが分解すると、ハウジング310の下部に連結された工程流体排出ライン360上の排出弁365が開放されるので、工程流体はハウジング310から排出される。ハウジング310内側のガスは、ガス排出ライン350上のガス排出弁355を開放して、ガス排出ライン350を介して排出できる。ハウジング310内側のガス排出は、オゾンが分解する間に行われてもよい。
【0048】
本発明の実施形態によれば、工程流体処理器32は、工程流体中のオゾン成分の分解を促進する分解ガスを供給するガス供給管340をさらに含むことができる。さらに、工程流体処理器32は、ガス供給管340に取り付けられ、内部空間へ供給される分解ガスを加熱するガス加熱部材345をさらに含むことができる。ガス供給管340は、内部空間へ、工程流体のオゾン成分と反応してオゾン成分の分解を促進する分解ガスを供給する。分解ガスは、酸素を含む空気であってもよい。また、本発明によれば、ガス加熱部材345を用いて分解ガスを加熱することにより、分解ガスと工程流体との反応温度を上げることができ、それによりオゾン成分の分解が促進できる。
【0049】
図9aは、従来技術による工程流体処理器のオゾン分解性能を示し、
図9bは、本発明の工程流体処理器のオゾン成分分解性能を示す。
【0050】
図9aは、従来方式(打撃プレートへ工程流体を吐出した後、循環ラインに備えられたヒーターを用いて工程流体を加熱する方式)を適用したときの工程流体内のオゾン濃度を示し、
図9bは、本発明のようにノズル加熱部材330が取り付けられたスプレーノズル320を用いて工程流体をミスト状に噴射したときの工程流体内のオゾン濃度を示す。
図9aを参照すると、初期に第1排出管210を介して流入した工程流体に含まれているオゾンの濃度は約100ppmであり、従来の方式を適用した場合、循環ライン370のオゾン水濃度は約24ppm、工程流体排出ラインのオゾン水濃度は約18ppmである。
図9bを参照すると、初期に第1排出管210を介して流入した工程流体に含まれているオゾンの濃度は同様に約100ppmであり、本発明のようにノズル加熱部材330が取り付けられたスプレーノズル320を用いて工程流体をミスト状に噴射した場合、ヒーターのない循環ライン370のオゾン水濃度は約19ppmであり、工程流体排出ライン360のオゾン水濃度は約9ppmである。これにより、本発明のようにノズル加熱部材330が取り付けられたスプレーノズル320を用いて工程流体をミスト状に噴射したとき、工程流体中のオゾン成分の分解効率が高いことが確認される。
【0051】
本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することが可能な変形例及び具体的な実施形態はいずれも、本発明の権利範囲に含まれることが自明であるといえる。
【0052】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等又は等価的な変形がある全てのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
【符号の説明】
【0053】
1 半導体製造設備
10 インデックスモジュール
20 工程処理モジュール
26 工程チャンバー
30 ウェーハ洗浄装置
31 工程流体供給器
32 工程流体処理器
100 供給ノズル
200 回収カップ
110 供給管
210 第1排出管
220 第2排出管
310 ハウジング
320 スプレーノズル
330 ノズル加熱部材
332 熱線
334 ヒータージャケット
340 ガス供給管
345 ガス加熱部材
350 ガス排出ライン
355 ガス排出弁
360 工程流体排出ライン
365 排出弁
370 循環ライン
375 ポンプ