IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパスメディカルシステムズ株式会社の特許一覧

特開2024-66413内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法
<>
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図1
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図2
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図3
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図4
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図5
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図6
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図7
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図8
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図9
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図10
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図11
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図12
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図13
  • 特開-内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066413
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/012 20060101AFI20240508BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A61B1/012 511
A61B1/018 514
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093392
(22)【出願日】2023-06-06
(31)【優先権主張番号】63/421,214
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野谷 仁
(72)【発明者】
【氏名】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】兼田 義一
(72)【発明者】
【氏名】横前 義浩
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161BB03
4C161BB04
4C161FF35
4C161FF39
4C161FF42
4C161FF43
4C161HH24
(57)【要約】
【課題】より安価に製造でき、シングルユースに適した先端構成部材を備える内視鏡等を提供する。
【解決手段】内視鏡1は、長手軸AXに沿って形成され、先端部5を含む挿入部2と、先端部5に設けられた先端構成部材20と、を備える。先端構成部材20は、先端構成部材20に貫通孔として形成された管路21を有し、管路21に流れる流体が、先端構成部材20に直接接触するように構成される。管路21は、ノズル21aと、ノズル21aの基端側に設けられた供給管路21cと、を含み、管路21の中心軸Oに交差する断面積Sにおいて、供給管路21cの断面積S3は、ノズル21aの断面積S1より大きい。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸に沿って形成され、先端部を含む挿入部と、
前記先端部に設けられた先端構成部材と、
を備え、
前記先端構成部材は、前記先端構成部材に貫通孔として形成された管路を有し、前記管路に流れる流体が、前記先端構成部材に直接接触するように構成され、
前記管路は、ノズルと、前記ノズルの基端側に設けられた供給管路と、を含み、
前記管路の中心軸に交差する断面積において、前記供給管路の断面積は、前記ノズルの断面積より大きいことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記管路は、前記ノズルと前記供給管路との間に設けられた中途管路をさらに有し、
前記中途管路は、前記中途管路の断面積が前記ノズルの断面積と前記供給管路の断面積との間を連続的に変化するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記管路の中心軸は、前記管路の基端開口から、前記管路の先端開口まで一直線であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記管路の中心軸は、前記長手軸のねじれの位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記先端部は、被検体からの光が入射する観察窓を有し、
前記観察窓の光軸は、前記管路の中心軸に交差することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記管路の前記中心軸の方向に沿って、前記管路と前記観察窓との間を円滑につなぐスロープが前記先端構成部材に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡。
【請求項7】
接続パイプと、
前記接続パイプの基端側に接続する流体チューブと、
を備え、
前記供給管路は、前記接続パイプの先端が挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記長手軸に交差する方向に変位して、処置具を案内する方向を変えるように構成された起上台をさらに有し、
前記先端構成部材は、前記起上台を収納する収納室を有し、
前記収納室は、外部と連通することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記起上台は、回動軸を有し、前記回動軸の周りに回動して変位することを特徴とする請求項8に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記先端構成部材は、前記起上台が起上する角度を規定する規制部材を含み、
前記規制部材は、前記起上台が回動して起上した状態において、前記起上台と当接することを特徴とする請求項9に記載の内視鏡。
【請求項11】
前記先端構成部材は、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項12】
前記管路の中心軸に直交する面に対する、前記管路の内周の射影は、前記管路の先端開口の内周の射影と、前記管路の基端開口の内周の射影と、の間に収まることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項13】
前記管路の中心軸は、前記長手軸に平行であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項14】
貫通孔として形成された管路を有し、
前記管路の中心軸に直交する面に対する、前記管路の内周の射影は、前記管路の先端開口の内周の射影と、前記管路の基端開口の内周の射影と、の間に収まることを特徴とする、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材。
【請求項15】
先端構成部材の材料で型を覆い、
前記型を第1の方向に移動して前記先端構成部材から前記型を外し貫通孔を形成する、
ここで、前記貫通孔は、
前記先端構成部材を貫通する孔であって、
前記第1の方向に直交する断面の大きさが途中で変化するように形成され、
前記第1の方向に直交する面に対する、前記貫通孔の内周の射影は、前記貫通孔の先端開口の内周の射影と、前記貫通孔の基端開口の内周の射影と、の間に収まることを特徴とする、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が流れる管路を先端部に有する内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被検体内を観察する内視鏡が広く用いられている。内視鏡には、挿入部の長手軸方向を観察する直視型内視鏡、挿入部の長手軸に交差する方向を観察する側視型内視鏡などがある。
【0003】
側面方向を視野方向とする側視型内視鏡は、挿入部の先端部の側面に観察窓が配置されている。こうした側視型内視鏡では、洗浄ノズルが、挿入部の長手軸方向に沿って配設される。洗浄ノズルは、観察窓へ向けて送気・送水を行うことで、観察窓を洗浄するものである。
【0004】
また、内視鏡には、処置具を挿通する処置具チャンネルが設けられたタイプがある。例えば処置具チャンネルを有する側視型内視鏡には、先端部に処置具を起上する起上台を有するものがある。起上台の起上角度は、セラミック等で形成された規制部品により規制される。規制部品は、起上台を収納する収納室内に、例えば接着で固定される。
【0005】
ところで、内視鏡には、リユース内視鏡と、シングルユース内視鏡とがある。リユース内視鏡は、リプロセス処理を行うことで、複数回使用される。シングルユース内視鏡は、1回だけ使用した後に、メーカー、回収業者などに回収され、分解処理や廃棄処理が行われる。
【0006】
内視鏡は、先端部を構成する部品の構造が複雑であり、特に起上台を有する内視鏡では、先端構成部材の構造が複雑になる。
【0007】
例えば、日本国特許第3418270号公報には、側視型内視鏡の対物レンズを洗浄する送気・送水ノズルを、先端構成部材に設ける構成が記載されている。図面を参照すると、送気・送水ノズルは、先端構成部材とは別部材として構成され、先端構成部材に対して取り付けられていると思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国特許第3418270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来の先端構成部材は、洗浄性を考慮した構造としつつ、微細な複数の部品を組み付けて構成されている。従って、従来の先端構成部材は、安価に大量生産することが困難であり、製造コストを抑制することが求められるシングルユース内視鏡に適しているとはいえなかった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、より安価に製造でき、シングルユースに適した先端構成部材を備える内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様による内視鏡は、長手軸に沿って形成され、先端部を含む挿入部と、前記先端部に設けられた先端構成部材と、を備え、前記先端構成部材は、前記先端構成部材に貫通孔として形成された管路を有し、前記管路に流れる流体が、前記先端構成部材に直接接触するように構成され、前記管路は、ノズルと、前記ノズルの基端側に設けられた供給管路と、を含み、前記管路の中心軸に交差する断面積において、前記供給管路の断面積は、前記ノズルの断面積より大きい。
【0012】
本発明の一態様による内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材は、貫通孔として形成された管路を有し、前記管路の中心軸に直交する面に対する、前記管路の内周の射影は、前記管路の先端開口の内周の射影と、前記管路の基端開口の内周の射影と、の間に収まる。
【0013】
本発明の一態様による内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法は、先端構成部材の材料で型を覆い、前記型を第1の方向に移動して前記先端構成部材から前記型を外し貫通孔を形成する、ここで、前記貫通孔は、前記先端構成部材を貫通する孔であって、前記第1の方向に直交する断面の大きさが途中で変化するように形成され、前記第1の方向に直交する面に対する、前記貫通孔の内周の射影は、前記貫通孔の先端開口の内周の射影と、前記貫通孔の基端開口の内周の射影と、の間に収まる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の内視鏡、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材、内視鏡の先端部に設けられる先端構成部材の製造方法によれば、より安価に製造でき、シングルユースに適した先端構成部材を備えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態の内視鏡の外観を示す斜視図である。
図2】上記第1の実施形態の内視鏡の先端部の構成を示す分解斜視図である。
図3】上記第1の実施形態の先端構成部材を示す斜視図である。
図4】上記第1の実施形態の先端部の、送気送水用の管路を含む部分縦断面図である。
図5】上記第1の実施形態の先端部の、送気送水用の管路を含む部分横断面図である。
図6】上記第1の実施形態の先端部の、送気送水用の管路を含む部分拡大縦断面図である。
図7】上記第1の実施形態において、送気送水用の管路の中心軸に直交する面に対する、送気送水用の管路の内周の射影図である。
図8】上記第1の実施形態の変形例に係る送気送水用の管路の中心軸に沿った断面図である。
図9】上記第1の実施形態において、起上台に起上ワイヤを取り付ける構成を示す分解斜視図である。
図10】上記第1の実施形態において、ライトガイドホルダに保持されたライトガイドファイバ、および照明レンズを示す分解斜視図である。
図11】上記第1の実施形態において、ライトガイドホルダに保持されたライトガイドファイバ、および照明レンズを示す分解側面図である。
図12】上記第1の実施形態において、先端構成部材に起上シースの先端部を近付けた構成を基端側から示す斜視図である。
図13】上記第1の実施形態の先端構成部材を基端側から示す図である。
図14】上記第1の実施形態において、先端構成部材に起上シースの先端部を取り付けた構成を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
なお、図面の記載において、同一または対応する要素には、適宜、同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、1つの図面内における、各要素の長さの関係、各要素の長さの比率、各要素の数量などは、説明を簡潔にするために現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、複数の図面の相互間においても、互いの長さの関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
[第1の実施形態]
【0018】
図1から図14は本発明の第1の実施形態を示したものである。図1は、第1の実施形態の内視鏡1の外観を示す斜視図である。
【0019】
内視鏡1は、被検体内に挿入される部位を備える挿入機器である。被検体は、人または動物などの生体、機械や建築物等の非生体の何れでも構わない。
【0020】
内視鏡1は、例えばシングルユースとして構成され、単回使用後に処分、つまり一度の使用限りでメーカー、回収業者などに回収され、分解処理や廃棄処理が行われる。
【0021】
内視鏡1は、挿入部2と、操作部3と、ユニバーサルケーブル4とを備える。内視鏡1は、例えば、側視型の電子内視鏡として構成されている。
【0022】
挿入部2は、被検体内に挿入されるように構成された部位である。挿入部2は、長手軸AXに沿って形成されている。挿入部2は、先端側から基端側に向かって順に、先端部5と、湾曲部6と、可撓管部7とを備える。
【0023】
先端部5には、後述するように、起上台30、撮像ユニット40、照明ユニット50(図2等参照)などが配置されている。
【0024】
湾曲部6は、例えば、2方向、または上下左右の4方向に湾曲可能な部位である。
【0025】
可撓管部7は、可撓性を有する管部である。なお、ここでは、内視鏡1が、可撓管部7を有する軟性内視鏡である例を挙げている。ただし、内視鏡1は、可撓管部7に対応する部分が硬性の形態の硬性内視鏡であっても構わない。
【0026】
操作部3は、挿入部2の基端側に配設されている。操作部3は、ユーザが内視鏡1を操作するための部位である。操作部3は、把持部8と、処置具挿入口9と、湾曲操作ノブ10と、複数の操作ボタン11と、処置具起上レバー12と、を備える。
【0027】
把持部8は、ユーザが掌で内視鏡1を把持する部位である。
【0028】
処置具挿入口9は、処置具チャンネルの基端側の開口である。鉗子などの処置具が、処置具挿入口9から処置具チャンネル内へ挿入される。処置具の先端部は、処置具チャンネルの先端側に連通する収納室26(図2等参照)内へ導かれる。処置具の先端部は、収納室26内に設けられた起上台30に載置され、被検体内へ突出する。突出された処置具の先端部により、被検体に対して各種の処置が行われる。
【0029】
湾曲操作ノブ10は、湾曲部6の湾曲を操作するための操作デバイスである。湾曲操作ノブ10は、例えば、把持部8を把持した手の親指を用いて操作される。湾曲操作ノブ10を操作すると、図示しない湾曲操作ワイヤが牽引され、湾曲部6が湾曲される。
【0030】
湾曲部6が湾曲されると、先端部5の方向が変化する。すると、撮像ユニット40による撮像方向、および照明ユニット50からの照明光の照射方向が変化する。また、湾曲部6は、被検体内における挿入部2の挿入性を向上するためにも湾曲される。
【0031】
複数の操作ボタン11は、例えば、送気送水ボタン、吸引ボタン、撮像に関連するボタンを含む。
【0032】
送気送水ボタンは、先端部5において、撮像ユニット40の先端面に設けられた観察窓へ送気送水する操作のためのボタンである。送液により観察窓が洗浄され、送気により洗浄後の液体が払拭される。送気および送水は、送気送水チャンネルを経由して行われる。
【0033】
吸引ボタンは、先端部5から被検体内を吸引する操作のためのボタンである。被検体内からの吸引は、例えば、吸引チャンネルを兼ねる処置具チャンネルを経由して行われる。吸引操作を行うと、被検体内から例えば液体や粘膜が吸引される。
【0034】
撮像に関連するボタンは、例えば、レリーズ操作のためのボタンスイッチである。
【0035】
処置具起上レバー12は、先端部5内の起上台30(図2図9参照)の起上および倒置を操作するためのレバーである。
【0036】
ユニバーサルケーブル4は、操作部3の例えば基端側の側面から延出される。ユニバーサルケーブル4の延出端には、コネクタ13が設けられている。コネクタ13は、内視鏡1を、プロセッサ(ビデオプロセッサ)、光源装置、吸引ポンプ、および送水タンクなどに接続する。
【0037】
図2は、第1の実施形態の内視鏡1の先端部5の構成を示す分解斜視図である。
【0038】
先端部5は、先端構成部材20と、起上台30と、撮像ユニット40と、照明ユニット50と、ライトガイドカバー61と、先端カバー62と、を備える。
【0039】
先端構成部材20には、処置具挿通用チューブ14、流体チューブ15、および起上シース16が接続される。
【0040】
処置具挿通用チューブ14は、チューブ内部が処置具チャンネルを構成し、処置具が挿通される。処置具挿通用チューブ14は、先端構成部材20に設けられた貫通孔25(図12図13等参照)に接続される。
【0041】
流体チューブ15は、チューブ内部が送気送水チャンネルを構成し、流体、例えば気体(空気など)、および液体(生理食塩水など)が送られる。
【0042】
図3は、第1の実施形態の先端構成部材20を示す斜視図である。
【0043】
先端構成部材20は、起上台30を収納する収納室26を備える。貫通孔25は、収納室26に連通する。従って、処置具挿通用チューブ14内を挿通される処置具は、貫通孔25を経由して、収納室26内に収納された起上台30に導かれる。
【0044】
起上台30は、起上を牽引する別部材のリフトアームを要することなく、リフトアームの機能を一体化した構成となっている。さらに、起上台30は、アームカバー等の別部材を要することなく、収納室26内に収納される。これにより、起上台30に関連する部品の数を削減でき、製造コストをより抑制できる。
【0045】
収納室26は外部と連通しており、起上台30は外部へ向けて起上可能である。起上台30は、樹脂により形成されている。起上台30を樹脂で形成することで、金属を切削して形成する場合よりも、起上台30の製造コストを抑制できる。
【0046】
起上台30には、起上ワイヤ17が接続される。起上ワイヤ17は、起上シース16内を挿通され、処置具起上レバー12と機構的に連結される。処置具起上レバー12を操作すると、起上ワイヤ17が牽引される。起上ワイヤ17を牽引することで、起上台30は、長手軸AXに交差する方向に変位して、処置具を案内する方向を変える。
【0047】
先端構成部材20は、撮像開口27を有する。撮像開口27には、観察窓43と、撮像ユニット40における撮像レンズ41が配置された部分と、が嵌め込まれる。撮像レンズ41は、例えば複数枚のレンズを積層して構成されている(図4図6等参照)。
【0048】
観察窓43は、撮像レンズ41を保護するカバーガラス等で構成され、被検体からの光が入射する。撮像レンズ41および観察窓43の光軸OA(図6参照)は、例えば、長手軸AXに直交する方向よりも、やや基端側を向く角度(長手軸AXの先端方向に対して90°よりも大きい角度)となるように構成されている。
【0049】
観察窓43の光軸OAは、管路21の中心軸Oを延長したときに、中心軸Oに交差する(図6参照)。特に、観察窓43の基端側の端面が管路21の中心軸Oの延長と交わるように、観察窓43と管路21との位置が最適化されている。このような構成を採用することで、管路21から吐出される流体が、観察窓43の基端側から、観察窓43の表面の全体に沿って流れる。こうして、観察窓43の全体が適切に洗浄され、クリーニング性が確保される。
【0050】
なお、本実施形態では、撮像レンズ41の外側に観察窓43を設ける例を説明している。ただし、内視鏡1を1回だけ使用する最中に、撮像レンズ41の光学性能が大きく損なわれることは基本的にない。このため、シングルユースの内視鏡1の場合、観察窓43を省略しても構わない。観察窓43を省略することで、部品点数を削減でき、製造コストをより抑制できる。
【0051】
管路21の中心軸Oの方向に沿って、管路21と観察窓43との間をギャップレスで円滑(smooth)につなぐスロープ22が先端構成部材20に設けられている(図4図6参照)。これにより、管路21から吐出される流体が、観察窓43へ向かって抵抗を受けることなく流れ、観察窓43がより効率的に洗浄される。
【0052】
ただし、管路21と観察窓43との間にスロープ22を設けることに限定されない。例えば、管路21を観察窓43の基端側に直接接続するようにしてもよい。この場合、長手軸AX方向において、管路21の先端開口(後述するノズル21aの先端開口)が、観察窓43の基端部分に位置するように構成すればよい。
【0053】
撮像ユニット40は、撮像レンズ41により被検体の光学像が結像される位置にイメージセンサ42が配置されている(図4図6参照)。イメージセンサ42は、被検体の光学像を光電変換(撮像)して撮像信号を生成する。イメージセンサ42の例は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどであるが、これらに限定されない。撮像ユニット40には、撮像ケーブル18が接続される。イメージセンサ42により生成された撮像信号は、撮像ケーブル18を経由して、プロセッサへ伝送される。
【0054】
先端構成部材20は、照明ユニット50の照明レンズ53を嵌め込む照明開口28を有する。照明ユニット50には、ライトガイドケーブル19から延出されるライトガイドファイバ51が接続される。
【0055】
起上台30、撮像ユニット40、および照明ユニット50は、先端構成部材20に組み込まれる。起上台30、撮像ユニット40、および照明ユニット50を組み込んだ先端構成部材20に、下方側からライトガイドカバー61が取り付けられ、先端側から先端カバー62が取り付けられる。
【0056】
先端カバー62は、基端側の第1の開口62aと、上側(長手軸AXに交差する方向の側)の第2の開口62bと、を有する。第1の開口62aは、先端構成部材20の先端側を、長手軸AX方向に先端カバー62へ差し込むための開口である。第2の開口62bは、被検体からの光が撮像ユニット40へ入光し、かつ照明ユニット50からの照明光を被検体へ照射し、かつ起上台30が起上して処置具の先端が突出するのを許容する開口である。
【0057】
図4は、第1の実施形態の先端部5の、送気送水用の管路21を含む部分縦断面図である。
【0058】
先端構成部材20は、先端構成部材20に貫通孔(先端構成部材20を貫通する孔)として形成された管路21を有する。管路21の基端側には、接続パイプ15aの先端が挿入される。接続パイプ15aの基端側には流体チューブ15が接続される。接続パイプ15aを用いることで、流体チューブ15を管路21に接続する工程を容易に実施できる。このような構成により、流体チューブ15から供給される流体は、接続パイプ15aを経由して管路21に流れ込み、管路21に流れる流体が先端構成部材20に直接接触する。
【0059】
図5は、第1の実施形態の先端部5の、送気送水用の管路21を含む部分横断面図である。図6は、第1の実施形態の先端部5の、送気送水用の管路21を含む部分拡大縦断面図である。
【0060】
先端構成部材20に貫通孔として形成された管路21は、図6に示すように、先端側から基端側に向かって順に、ノズル21aと、中途管路21bと、供給管路21cと、を有する。つまり、ノズル21aは別部品として構成されておらず、ノズル21aを先端構成部材20に取り付ける必要がない。このため、先端部5は、部品点数を削減すると共に、製造工程を簡略化でき、製造コストを抑制できる。
【0061】
供給管路21cの基端側には、上述した接続パイプ15aの先端が挿入される。
【0062】
管路21の中心軸Oは、管路21の基端開口から、管路21の先端開口まで一直線である。すなわち、ノズル21aの中心軸O1と、中途管路21bの中心軸O2と、供給管路21cの中心軸O3とは、同一直線上に配置される。
【0063】
図2図6に示すように、管路21の中心軸Oは、挿入部2の長手軸AXと平行でなく、かつ挿入部2の長手軸AXとは交わらない。具体的に、図5の横断面で見たとき、管路21は、先端へ行くにつれて中心軸Oが側面に近付くように、傾けて配設されている。従って、管路21の中心軸Oは、長手軸AXのねじれの位置に配置されている。
【0064】
図7は、第1の実施形態において、送気送水用の管路21の中心軸Oに直交する面PL(図6参照)に対する、送気送水用の管路21の内周の射影図である。
【0065】
面PLに対する、供給管路21cの接続パイプ15aが挿入される基端側部分の射影は21c1である。供給管路21cの先端側部分の射影は21c2である。基端側部分の射影21c1および先端側部分の射影21c2は、例えば同心円の円形をなす。先端側部分の射影21c2は、基端側部分の射影21c1よりも小径で、基端側部分の射影21c1内に含まれる。
【0066】
面PLに対するノズル21aの射影は、概略、円を横長の扁平にした楕円形状をなす。ノズル21aの吐出口(管路21の先端開口)を楕円形状としているのは、楕円の長径の長さを観察窓43の幅に近付けることで、観察窓43の全表面を良好に洗浄できるようにするためである。
【0067】
面PLに対する中途管路21bの射影は、ノズル21aの射影と、供給管路21cの先端側部分の射影21c2と、の間となる。
【0068】
すなわち、管路21の中心軸Oに直交する面PLに対する、管路21の内周の射影は、管路21の先端開口の内周の射影(ノズル21aの射影)と、管路21の基端開口の内周の射影(供給管路21cの基端側部分の射影21c1)と、の間に収まる。
【0069】
このような構成の先端構成部材20の製造方法は、管路21を形成するための型を、先端構成部材20を形成するための材料(例えば樹脂)で覆い、材料を固化した後に、型を中心軸Oの基端側の方向(第1の方向)に移動して先端構成部材20から型を外すことで、貫通孔としての管路21を形成する。
【0070】
ここで仮に、管路21がL字状に折れ曲がった形状である場合、折曲部分から基端側に抜く第1の型と、折曲部分から先端側に抜く第2の型と、が必要となる。これに対して、本実施形態では1つの型で管路21を形成できるようにしたため、管路21を形成する際の製造コストを抑制できる。
【0071】
また、先端構成部材20を樹脂で形成することで、製造コストをさらに抑制できる。ただし、先端構成部材20は、樹脂により形成されるに限らず、例えば金属により形成されていても構わない。先端構成部材20を金属により形成する場合、金属粉末射出成型を用いてもよい。金属粉末射出成型を用いた場合、金属を切削して先端構成部材20を形成する場合よりも、製造コストを抑制可能となる。
【0072】
なお、1つの型で管路21を形成するには、面PLに対する管路21の内周の射影が、ノズル21aの射影と、供給管路21cの基端側部分の射影21c1との間に収まることが必要である。この条件を満たせば、管路21の中心軸Oが、管路21の基端開口から、管路21の先端開口まで一直線であることに限定されない。
【0073】
図8は、第1の実施形態の変形例に係る送気送水用の管路21の中心軸Oに沿った断面図である。図8は、1つの型で形成できる管路21の変形例を示している。
【0074】
図8に示す例では、ノズル21aの中心軸O1と、供給管路21cの中心軸O3とは、同一直線上にないが平行であり、中途管路21bの中心軸O2は、ノズル21aの中心軸O1の基端と、供給管路21cの中心軸O3の先端とを結ぶ線分となっている。従って、中心軸O2を延長した直線は、中心軸O1を延長した直線、および中心軸O3を延長した直線と交差する。
【0075】
変形例の構成でも、面PLに対する管路21の内周の射影が、ノズル21aの射影と、供給管路21cの基端側部分の射影21c1との間に収まっているため、管路21を1つの型で形成できる。
【0076】
また、図8のグラフに示すように、ノズル21aと供給管路21cとは、管路21の中心軸Oに交差する断面積Sが異なり、供給管路21cの断面積S3は、ノズル21aの断面積S1より大きい。また、中途管路21bは、中途管路21bの断面積S2がノズル21aの断面積S1と供給管路21cの断面積S3との間を連続的に変化するように構成される。
【0077】
具体的に、中途管路21bの断面積S2は、先端側から基端側へ向かうに従って、断面積S1から断面積S3へ単調増加する。この断面積の変化は、図示はしないが、図6に示す管路21でも同様に成り立つ。
【0078】
このような構造により、供給管路21cを流れる流体は、中途管路21bにより流体速度が加速され、ノズル21aから高い速度で吐出されることになるため、高い洗浄効果を得られる。
【0079】
なお、管路21の中心軸Oを、挿入部2の長手軸AXのねじれの位置に配置した場合、先端構成部材20の外周を形成する型の内部に、管路21を形成する型(型抜き用のピンなど)を配置することになる。先端構成部材20の外周を形成する型は、長手軸AX方向に移動して外すのに対し、管路21を形成する型は長手軸AXと異なる方向(中心軸Oの方向)に外すことになるためである。
【0080】
そこで、中心軸Oが長手軸AXに平行になるように、管路21を先端構成部材20に形成しても構わない。この場合、先端構成部材20の外周を形成する型と、管路21を形成する型とを、1つの型とすることができ、より製造コストを抑制可能となる。
【0081】
また、図5、および図12図14に示すように、先端構成部材20には、起上シース16の先端部が挿入される貫通孔24が形成される。図12は、第1の実施形態において、先端構成部材20に起上シース16の先端部を近付けた構成を基端側から示す斜視図である。図13は、第1の実施形態の先端構成部材20を基端側から示す図である。図14は、第1の実施形態において、先端構成部材20に起上シース16の先端部を取り付けた構成を示す平断面図である。
【0082】
貫通孔24の中心軸BAは、1つの直線上にあり、途中で中心軸BAが折れ線状をなすことはない。直線状をなす貫通孔24の中心軸BAは、図5および図13に示すように、長手軸AXに平行でなく、かつ中心軸Oにも平行でない。
【0083】
ただし、貫通孔24は、基端側から先端側へ向かって細径となる円錐面状(テーパ状)をなしている。このため、図5および図13に示すように、貫通孔24の基端側開口から長手軸AX方向に貫通孔24の内周を見ると、貫通孔24の先端側開口まで見通すことができる。
【0084】
従って、貫通孔24は、先端構成部材20の外周を形成する型を用いて、長手軸AX方向に型抜きすることで(つまり、別の型を用いて長手軸AXに対して斜めに型抜きする必要なく)形成できる。これにより、別の型が必要になる場合に比べて、貫通孔24の製造コストを抑制できる。
【0085】
図9は、第1の実施形態において、起上台30に起上ワイヤ17を取り付ける構成を示す分解斜視図である。
【0086】
起上台30は、回動軸RAを有する(図2も参照)。収納室26内に収納された状態で、起上台30は、回動軸RAの周りに回動して変位する。
【0087】
図3等に示すように、先端構成部材20には、規制部材23が一体に設けられている。規制部材23は、起上台30が回動して起上した状態において、起上台30と当接し、起上台30が起上する角度を規定する。また、図示は省略するが、起上台30が倒置したときの角度を規定する構造も、先端構成部材20に一体に設けられている。
【0088】
先端構成部材20を樹脂で形成しているため、規制部材23も樹脂で形成される。規制部材23を先端構成部材20に一体に設けることで、部品点数を削減すると共に、規制部材23を先端構成部材20に取り付ける工程を省略でき、製造コストを抑制できる。
【0089】
なお、上述では規制部材23を樹脂で形成される先端構成部材20に一体に設ける例を説明したが、これに限定されない。例えば、規制部材23をセラミック等で別部材として形成し、先端構成部材20に取り付けても構わない。
【0090】
起上ワイヤ17の先端は、かしめによって、ワイヤストッパ39の軸部39aに固定されている。ワイヤストッパ39は、軸部39aと、軸部39aの先端側に設けられた頭部39bと、を有する。頭部39bは、軸部39aよりも大径である。
【0091】
起上台30は、回動軸RAに平行な軸CAを有する貫通孔31を例えば有する。貫通孔31に起上ワイヤ17の基端側から挿通し、起上ワイヤ17を挿通し終えた後に、起上ワイヤ17の先端が固定されたワイヤストッパ39を挿通する。すると、大径の頭部39bにより、貫通孔31からのワイヤストッパ39の抜け止めが行われる。
【0092】
なお、貫通孔31にワイヤストッパ39を単体で挿通した後に、起上ワイヤ17の先端をワイヤストッパ39の軸部39aに固定しても構わない。
【0093】
また、シングルユースの内視鏡1の場合、リユース内視鏡に対して行われるリプロセス処理が不要となる。このため、貫通孔31にワイヤストッパ39を挿通する際に、貫通孔31とワイヤストッパ39との間にOリング等を設けておらず、防水機能を簡略化している。
【0094】
起上台30は、回動軸RAを支点、軸CAを力点として、起上ワイヤ17の牽引/弛緩により起上/倒置する。
【0095】
なお、上述では回動軸RAの周りに回動して起上する起上台30を例示したが、ばねなどの弾性部材により起上する起上台30を用いても構わない。
【0096】
図10は、第1の実施形態において、ライトガイドホルダ52に保持されたライトガイドファイバ51、および照明レンズ53を示す分解斜視図である。図11は、第1の実施形態において、ライトガイドホルダ52に保持されたライトガイドファイバ51、および照明レンズ53を示す分解側面図である。
【0097】
ライトガイドファイバ51は、例えばプラスチックにより形成され、ガラスにより形成した場合と比較して、低コスト化を実現している。具体的に、ライトガイドファイバ51は、透明な樹脂繊維で構成される素線を、複数本束ねた樹脂ファイババンドルとして構成されている。
【0098】
側視型の内視鏡1におけるライトガイドファイバ51は、先端側を曲げた状態でライトガイドホルダ52のガイド溝52bに嵌め込まれ、例えば接着してガイド溝52bに固定される。このときの、図11に示す角度θは、90°未満(つまり、上方よりもやや後方を向く角度)となっており、この角度θはライトガイドホルダ52のガイド溝52bの形状により規定される。また、ライトガイドファイバ51の先端の位置も、ライトガイドホルダ52のガイド溝52bにより規定される。
【0099】
さらに、照明レンズ53も、ライトガイドホルダ52に対して位置決めして取り付けられる。図11に示すように、照明レンズ53から下方に位置決め用突起53aが設けられている。照明レンズ53は、位置決め用突起53aをライトガイドホルダ52の位置決め用凹部52a(図4図10参照)に対して位置合わせすることで、ライトガイドホルダ52に対して位置決めされる。
【0100】
こうして、ライトガイドファイバ51と照明レンズ53との相対的な位置および角度は、ライトガイドファイバ51および照明レンズ53をライトガイドホルダ52に取り付けることで決定される。これにより、ライトガイドファイバ51と照明レンズ53との位置決めを、製造時に治具等で行うプロセスを簡略化し、製造コストを抑制できる。
【0101】
このような第1の実施形態によれば、先端構成部材20に貫通孔として管路21を形成し、管路21に流れる流体が先端構成部材20に直接接触するように構成した。このため、流体用の管路を別部材として製造する工程、および別部材で構成した流体用の管路を先端構成部材20に取り付ける工程を省略できる。
【0102】
先端部5は、内視鏡1を構成する各部位の中で、構造が複雑で高価な部位である。このため、先端部5内の部品の幾つかを先端構成部材20に一体化することで、先端構成部材20を安価に製造でき、内視鏡1全体の低価格化に大きく寄与できる。
【0103】
こうして、シングルユースに適したより安価な先端構成部材20を製造でき、ひいては内視鏡1をより安価にできる。
【0104】
なお、本発明は、上述した実施形態そのままに限定されない。本発明は、実施段階で、発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせて、種々の発明の態様を形成できる。例えば、実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態の構成要素を適宜に組み合わせてもよい。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0105】
1…内視鏡、 2…挿入部、 3…操作部、 4…ユニバーサルケーブル、 5…先端部、 6…湾曲部、 7…可撓管部、 8…把持部、 9…処置具挿入口、 10…湾曲操作ノブ、 11…複数の操作ボタン、 12…処置具起上レバー、 13…コネクタ、 14…処置具挿通用チューブ、 15…流体チューブ、 15a…接続パイプ、 16…起上シース、 17…起上ワイヤ、 18…撮像ケーブル、 19…ライトガイドケーブル、 20…先端構成部材、 21…管路、 21a…ノズル、 21b…中途管路、 21c…供給管路、 21c1…供給管路21cの基端側部分の射影、 21c2…供給管路21cの先端側部分の射影、 22…スロープ、 23…規制部材、 24,25,31…貫通孔、 26…収納室、 27…撮像開口、 28…照明開口、 30…起上台、 39…ワイヤストッパ、 39a…軸部、 39b…頭部、 40…撮像ユニット、 41…撮像レンズ、 42…イメージセンサ、 43…観察窓、 50…照明ユニット、 51…ライトガイドファイバ、 52…ライトガイドホルダ、 52a…位置決め用凹部、 52b…ガイド溝、 53…照明レンズ、 53a…位置決め用突起、 61…ライトガイドカバー、 62…先端カバー、 62a…第1の開口、 62b…第2の開口、 AX…長手軸、 BA…貫通孔の中心軸、 CA…貫通孔の軸、 O…管路の中心軸、 OA…光軸、 O1…ノズルの中心軸、 O2…中途管路の中心軸、 O3…供給管路の中心軸、 PL…管路の中心軸Oに直交する面、 RA…回動軸、 S…管路の断面積、 S1…ノズルの断面積、 S2…中途管路の断面積、 S3…供給管路の断面積、 θ…角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14