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特開2024-66431過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯
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  • 特開-過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066431
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/095 20060101AFI20240508BHJP
   E01F 9/559 20160101ALI20240508BHJP
【FI】
G08G1/095 C
E01F9/559
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122477
(22)【出願日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0142133
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523226974
【氏名又は名称】アトラス埋込型信号機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カク, ジェ ホ
【テーマコード(参考)】
2D064
5H181
【Fターム(参考)】
2D064AA02
2D064BA11
2D064CA01
2D064CA04
2D064EA03
5H181AA21
5H181BB17
5H181GG09
5H181GG11
5H181HH24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】故障通知機能を具備しビフォーサービス(before service)を可能とした、過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯の提供。
【解決手段】横断歩道の横断方向両端の路面に設置され、信号灯と連動して作動する面発光路面信号灯において、太陽光中の紫外線と赤外線を遮断する紫外線及び赤外線遮蔽部材を含み、横断歩道の幅に対応して一定サイズに分割形成されて独立して動作する単位路面信号灯が並列接続され、それぞれの単位路面信号灯には部品の故障を感知して遠隔地の統合管制センターまたは管理者のスマート機器に故障発生信号を伝送する故障通知部が具備されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面信号灯(10)は
路面に埋設される外函ケース(11);
内側にLEDを含む信号灯モジュールを具備し、外函ケース(11)の内部に収容される内函(12);
外函ケース(11)の上端に沿って設置され、内函(12)の脱落を防止する外函蓋(13);
外函ケース(11)と外函蓋(13)の間に設けられ、外函ケース(11)の内部を密閉するシーリング部材(14);及び
内函(12)の上側に具備され、温度が一定以上となる場合、太陽光中の紫外線と赤外線を遮断する紫外線及び赤外線遮蔽部材(15);を含み、
横断歩道の幅に対応して一定の大きさに分割形成され、独立して動作する単位路面信号灯(10a、10b、10c、10d)が並列接続されており、
それぞれの単位路面信号灯(10a、10b、10c、10d)には、部品の故障を感知して遠隔地の統合管制センター(50)又は管理者のスマート機器に故障発生信号を伝送する故障通知部(30;30a、30b、30c、30d)が具備されていることを特徴とする、横断歩道の横断方向両端の路面に設置され、信号機と連動して作動する、過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯。
【請求項2】
前記紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)は、透明プラスチック樹脂にタングステン粉末を均一に分散させて形成したタングステン複合素材からなり、
前記タングステン複合素材は、タングステン粉末0.5~3.0重量部を含有することを特徴とする、請求項1に記載の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯。
【請求項3】
前記統合管制センター(50)またはスマート機器は、多数のスマート信号灯システムが表示された地図が表示されるディスプレイ(51)と、前記故障通知部(30;30a、30b、30、30d)の信号を受信する通信部(52)と、多数のスマート信号灯システムから信号を受信してディスプレイに表示する主制御部(55)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の過熱および紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯。
【請求項4】
前記統合管制センター(50)は、通信部(52)に故障発生信号が受信されると警報を発生する警報発生部(53)及び故障が発生した路面信号灯(10)の位置情報を管理者のスマート機器に伝送する故障通知部(54)を含むことを特徴とする、請求項3に記載の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯。
【請求項5】
前記路面信号灯(10)の故障通知部(30)は、スマート信号灯システムの制御部(20)に具備された通信部(25)を通じ統合管制センター(50)または管理者のスマート機器に故障発生信号を伝送することを特徴とする、請求項1に記載の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯に関するものであり、さらに詳細には、赤外線及び紫外線を遮断して路面信号灯内部の急激な温度上昇を防止することにより、内部部品が過熱により損傷し、または内部部品が紫外線により腐食し損傷することを防止するのみならず、故障通知機能を具備しビフォーサービス(before service)を可能とした、過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
路面信号灯は横断歩道の横断方向の両側にそれぞれ設置され、下を向いている人でも横断歩道の信号が認識できるようにすることで、交通事故の発生を最小化する交通安全手段の一つである。
【0003】
最近スマートフォン(Smart phone)の使用が増加するにつれ、スマートフォンの画面に集中するために下を向き、周辺環境に注意を払わない人が増加している。このような人々のことをスモンビー(Smombie; Smart phone + Zombie)というが、スモンビーは横断歩道を渡る際にも信号を確認せず、交通事故を誘発する原因となっている。
【0004】
そこで、スモンビーたちの交通事故を防止できるように横断歩道の出入口に路面信号灯を設置することで、頭を上げずに現在の横断歩道の信号を認識させるのである。このような路面信号灯は、信号を発生させるためのLEDを透明または半透明のケース内部に設置し、LEDから赤色または緑色の光を発光し、現在の横断歩道の停止信号または歩行信号を示すようにしている。
【0005】
ところが、地中に埋設する従来の路面信号灯は、雨水などの流入による短絡などが発生しないように密閉された構造で形成されるため、表示部の透明なレンズを通して太陽熱が内部に浸透した後、LEDから発生する熱と合わさり外部に放出されないことから、真夏には内部温度が80~90℃まで上がり、結果的に路面信号灯のLEDの寿命を縮めるという問題点がある。
【0006】
また、視力の悪い人や高齢者が横断歩道を安全に通過できるように、信号柱に音響発生装置が設置されることもある。このような音響発生装置は、進行方向についての情報とともに信号灯の変化を音響により提供することで、交通弱者が横断歩道を安全に通過できるようにする。
【0007】
このように、信号柱に設置された信号灯の外、路面信号灯と音響発生装置が具備された信号灯システムをスマート信号灯システムと言うのであるが、このようなスマート信号灯システムにおいて路面信号灯に故障が発生する場合、これに迅速に対処しなければ歩行者が安全に横断歩道を通過することができなくなる。
【0008】
しかし、従来のスマート信号灯システムは、路面信号灯に故障が発生したとき、それを発見した人が通報を行うと管理者が故障事実を確認した上で対処するため、措置が遅くなり、これによる不満が発生するという問題点がある。
【0009】
そして、スマート信号灯システムを構成する多数の路面信号灯の一部に故障が発生したとしても交通事故などの大きな問題が発生することはないが、一部の路面信号灯が点灯しない場合、全体的な美観が低下するといった問題が発生する。
【0010】
一方、本発明に関連した先行技術を調査した結果、複数の特許文献が検索されたが、その一部を紹介すると次の通りである。
【0011】
特許文献1は、透明な材質の上部カバー;前記上部カバーの底面に結合され、不透明な材質で形成され、その内部には収容空間が形成されたガイドカバー;前記ガイドカバーの底面と対応する位置に設置された基板;一端は前記基板に結合され、他端は前記ガイドカバーを貫通し、前記上部カバーを通して光を照射するLED;前記収容空間に内蔵設置された防湿部材;及び前記基板の底面に結合された放熱モジュールを含み、放熱及び防湿効率が改善されることはもちろん、運転者の視野に直接光が照射されることを防止する放熱及び防湿機能が改善された路面信号灯を開示している。
【0012】
特許文献2は、上部ケースと下部ケースから成り、歩道と道路を区画する境界石の一方の側の地面に構成されるケースと、前記ケース内側の空間を区画し、個別的な放熱及び横断歩道の信号灯と連動するように上部ケースの内側に傾斜をつけて形成されるLEDパネルと;前記上部ケース内部の側壁面に形成されLEDパネルから発光される光を反射させる反射コーティング層と;外部の湿気の内部への流入を遮断しLEDパネルに形成された回路パターンの腐食による断線またはショートの発生を防ぐべく上部ケースと下部ケースの間に設置される水密パッキンと;前記ケースの内部に設置されたLEDパネルによって区画された空間から熱を帯びた空気を移動させ放熱が行えるように下部ケースの低部内側に設置される複数の膨張部材と;前記膨張部材が外部に露出することを防ぐとともに下部ケースの底部に設置できるように下部ケースの底部に固定部材によって設置されるカバーを含み、下を向いたままの状態でスマートフォンを見ながら歩行する歩行者が横断歩道の待機線の路面で点灯する歩行信号を容易に認識できるようにし、横断歩道の歩行にかかる利便を提供することのできるLED路面信号灯を開示している。
【0013】
特許文献3は、上部表面が地面に露出するように歩行者道路または横断歩道に埋設されるLED発光路面信号灯において、正方形または長方形からなる前記上部表面と四つの側面が一体的に形成され、下端は全体が開放されている合成樹脂製の上部ケース;外側面が前記上部ケースの内側面に密着するとともに前記上部ケースの内部に挿入される金属製の放熱ケース; 及び複数のLED発光素子が配置されており、前記放熱ケースに挿入されるLEDパネル;を含むが、前記放熱ケースは、上端及び下端がそれぞれ開放しており、上部空間と下部空間を区画して密閉し、前記LEDパネルから発生する熱を前記上部空間から前記下部空間に伝達する放熱底を含み、前記下部空間を複数の空間に区画して垂直方向に分割し、前記放熱底を通じて伝達される熱を地中に放出することができるように、前記放熱ケースの内側面と前記放熱底の下面にそれぞれ直角に連結される放熱隔壁を含み、内部で発生する熱を地中に放熱し、発光過程において発生した熱による故障の発生や寿命の短縮を防止する地中放熱手段を具備するLED発光路面信号灯を開示している。
【0014】
特許文献4は、上部設置ブロック、LEDパネル、隔離板、上部伝導放熱板、下部設置ブロック、下部伝導放熱板、パッキン部材及び路面設置ベースを含むことにより横断歩道の待機ラインの路面部分で点灯する歩行信号を歩行者に追加提供し、歩行の利便と安定的な交通事故防止を図る一方、照明部であるLEDパネルから発生する熱を路面設置ベース側に伝導させながら放熱冷却させることで、LEDの寿命延長を図るとともに、耐久性を著しく向上させることができ、水分の浸透による故障及び破損の発生を最小化できる放熱及び防湿機能を有するLED路面信号灯を開示している。
【0015】
特許文献5は、スマートフォン使用者の横断歩道における歩行の安全を管理するスマート信号灯警報装置において、横断歩道の停止線のいずれか一方に設置構成される警報装置本体ケースと;前記警報装置本体ケースの側面に設置構成され、歩行者が停止線を越える場合に歩行者を感知して感知信号をメインコントロール部に提供するための歩行者感知センサー部と;信号制御盤から歩行者信号灯に提供する歩行信号を取得し、取得した歩行信号が歩行停止信号である場合に、歩行者感知センサー部から感知信号を取得すると、横断歩道の周辺に設置構成された音出力部に警告音動作信号を提供し、横断歩道の路面に設置された発光灯に危険警告灯動作信号を提供するためのメインコントロール部と;横断歩道の周辺に設置構成され、メインコントロール部から警告音動作信号を提供する場合に設定された警告音を出力させ、メインコントロール部から歩行音動作信号を提供する場合に設定された歩行音を出力させるための音出力部と、;横断歩道の路面に設置構成され、メインコントロール部から危険警告灯動作信号を提供する場合に危険警告灯を点灯させ、メインコントロール部から歩行灯動作信号を提供する場合に歩行灯を点灯させるための発光灯;を含んで構成され、スマートフォンにのめり込むことによる歩行者の交通事故を防止するとともに、視覚障害者の歩行もサポートすることができるスマートフォン使用者の横断歩道の歩行安全を管理するスマート信号灯警報装置を開示している。
【0016】
特許文献6は、歩行者の靴の底と擦れ合って摩擦音を発生するようにその上面がエンボス処理された多数のブロックと;前記多数のブロックの上面に形成されたエンボスが歩行者と擦れ合って発生する摩擦音を感知する多数のセンサーと;前記多数のセンサーに感知された摩擦音を増幅して出力する多数の増幅部と;前記多数の増幅部から出力された摩擦音のレベルを制限することで、前記多数のブロックの上に位置するものが歩行者であることを確認できるように出力される信号を制限して出力する多数のレベル制限器と;前記多数のセンサーの異常の有無を確認するためにパイロット信号を発生する多数のパイロットスピーカーと;前記多数のパイロットスピーカーにパイロット信号を増幅して入力させる多数のパイロット信号増幅部と;道路を横断しようとする歩行者に警告音を発生させる警告スピーカーと、前記警告スピーカーに警告信号を増幅して出力する警告信号増幅部と;前記多数のレベル制限器から出力される信号を受け、道路を横断しようとする歩行者の存在を確認して信号灯の点灯を制御する信号灯制御部に制御信号を出力し、前記多数のパイロット信号増幅部にパイロット信号を出力し、前記警告信号増幅部に警告信号を出力する制御を行う制御部から構成され、歩行者が道路を横断しようと待機すると、これを感知して信号機を制御する、道路を横断する歩行者を感知して信号灯を制御する装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2191729号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-2126461号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-2281080号公報
【特許文献4】韓国登録特許第10-2137236号公報
【特許文献5】韓国公開特許第10-2020-0098853号公報
【特許文献6】韓国公開実用新案第20-1998-0059751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、前記の従来技術の問題点を解決するために案出されたものであり、赤外線及び紫外線を遮断して路面信号灯の内部温度が急激に上昇しないようにするとともに、紫外線による内部部品の腐食を防止し、内部部品が過熱で損傷することを防止して製品の寿命を延ばし、故障通知機能を備えることでビフォーサービス(before service)を通じた満足度の向上を図ることのできる過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するための本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯は、横断歩道の横断方向両端部の路面に設置され、信号灯と連動して作動する面発光路面信号灯において、前記面発光路面信号灯は、路面に埋設される外函ケース;内側にLEDを含む信号灯モジュールが備えられ、外函ケースの内部に収容される内函;外函ケースの上端に沿って設置され、内函の離脱を防止する外函蓋;外函ケースと外函蓋の間に備えられ、外函ケースの内部を密閉するシーリング部材;および内函の上側に備えられ、温度が一定以上である場合に太陽熱を遮断する紫外線および赤外線遮蔽部材;を含み、横断歩道の幅に対応して一定サイズに分割形成され、独立して作動する単位路面信号灯が並列接続され、それぞれの単位路面信号灯には、部品の故障を感知して遠隔地の統合管制センターまたは管理者のスマート機器に故障発生信号を伝送する故障通知部が備えられることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯によると、前記紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)は、透明プラスチック樹脂にタングステン粉末を均一に分散させて形成したタングステン複合素材からなり、前記タングステン複合素材は、タングステン粉末0.5~3.0重量部を含有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の過熱および紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯によれば、前記統合管制センターまたはスマート機器は、多数のスマート信号灯システムが表示された地図が表示されるディスプレイと、前記故障通知部の信号を受信する通信部と、多数のスマート信号灯システムから信号を受信しディスプレイに表示する主制御部を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯によると、前記統合管制センターは、通信部に故障発生信号が受信されると警報を発生する警報発生部及び故障が発生した路面信号灯の位置情報を管理者のスマート機器に伝送する故障通知部をさらに含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯によると、前記路面信号灯の故障通知部は、スマート信号灯システムの制御部に備えられた通信部を介して統合管制センター又は管理者のスマート機器に故障発生信号を伝送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯は、内函の上部に紫外線及び赤外線遮蔽部材が備えられ、紫外線と赤外線を遮断するため、内部温度の上昇及び紫外線腐食による内部部品の損傷を防止できることはもちろん、複数個で構成された単位路面信号灯の故障通知部が内部部品の故障を感知して統合管制センター又は管理者のスマート機器に伝送するため、迅速に故障修理を行うビフォーサービスが可能であり、歩行者の交通安全に貢献し、市民の満足度を向上させる効果がある。
【0025】
また、本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯によれば、赤外線及び紫外線遮蔽部材がタングステン粉末を含有したタングステン複合素材で構成されており、設定温度を超えると太陽光の赤外線と紫外線を遮断するため、過熱による面発光路面信号灯の内部に位置するプラスチック素材の損傷や紫外線腐食による損傷を防止する効果がある。
【0026】
また、本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯によれば、路面信号灯が複数個に分割形成されて並列接続され、それぞれの路面信号灯に故障感知部が具備されることにより、路面信号灯の全体ではなく一部にのみ故障が発生した場合においてもこれに対処できるようになることはもちろん、路面信号灯の一部に故障が発生しても残りの路面信号灯を利用して下を向いた歩行者に交通信号を案内し、横断歩道を安全に通過させられる効果がある。
【0027】
また、本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯によれば、スマート信号灯システムの路面信号灯に故障が発生した場合、警報音が発生するとともに、当該路面信号灯が含まれるスマート信号灯システムの位置が管理者のスマート機器に具備されたディスプレイに表示されることから、管理者の迅速な出動及び初期対応が可能となり、これにより迅速な故障処理が可能となる効果がある。
【0028】
また、本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯によれば、統合管制センターに具備された警報発生部を通じ、スマート信号灯システムの路面信号灯において故障が発生した場合に、これを迅速に認知することができ、統合管制センターに備えられた故障通知部を通じ、スマート信号灯システムの位置を確認し管理者に通知することにより、早期対応が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯が図示された斜視図である。
図2図2は、本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯の分解斜視図である。
図3図3は、本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯が概略的に図示されたブロック図である。
図4図4は、本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯の統合管制センターの構成を概略的に示したブロック図である。
図5図5は、本発明による過熱および紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯の異なる例が図示されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照し、本発明の過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯について説明すると、以下の通りである。
【0031】
本発明において使用される用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図または慣習によって異なる場合があることから、これらの用語に対する定義は、本発明の技術的事項に合致する意味と概念により解釈されなければならない。
【0032】
また、本発明の実施例は本発明の権利範囲を限定するものではなく、本発明の請求範囲に提示された構成要素の例示的な事項に過ぎず、本発明の明細書全体にわたる技術思想に含まれ、請求範囲の構成要素から均等物として置換可能な構成要素を含む実施例である。
【0033】
そして、以下の実施形態における選択的な用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために使用されるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。
【0034】
そこで、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不必要に曖昧にする可能性のある関連する公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0035】
本発明の好ましい実施例を説明するために、図1は、本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯が図示された斜視図であり、図2は、本発明による過熱防止及び故障通知が可能な面発光路面信号灯の分解斜視図であり、図3は、本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯が概略的に図示されたブロック図であり、図4は、本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯の統合管制センターの構成を概略的に示したブロック図であり、図5は、本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯の異なる例が図示されたブロック図である。
【0036】
本発明による過熱及び紫外線腐食防止機能と故障通知機能を備えた面発光路面信号灯(10)は、図1と2に図示されるように、外函ケース(11)と内函(12)、外函蓋(13)、シーリング部材(14)及び紫外線及び赤外線遮蔽部材(15);を含んで構成される。
【0037】
また、前記面発光路面信号灯(10)は、横断歩道の横断方向両端の路面に設置され、信号灯と連動して作動するもので、図3に図示したように、横断歩道の幅に対応し、一定の大きさに分割形成されて独立して作動する単位路面信号灯(10a、10b、10c、10d)が並列接続されることにより、一部の単位路面信号灯において故障が発生した場合でも残りの単位路面信号灯は正常に作動するように構成される。
【0038】
この時、それぞれの単位路面信号灯(10a、10b、10c、10d)には、故障を感知して遠隔地の統合管制センター(50)に故障発生信号を伝送する故障通知部(30;30a、30b、30c、30d)が設けられる。
【0039】
これにより、それぞれの単位路面信号灯(10a、10b、10c、10d)で故障が発生した場合、故障通知部(30;30a、30b、30c、30d)が故障発生信号を統合管制センター(50)に伝送することができるようになる。
【0040】
外函ケース(11)は路面に埋設されるもので、内部に収容された内函(12)を保護できるように一定以上の強度を備えるものとして構成される。このような外函ケース(11)は、鋼材または高強度プラスチックで製造される。
【0041】
内函(12)は、内側にLEDを含む信号灯モジュールが備えられ、外函ケース(11)の内部に収容されるものであり、信号灯に対応する光を発光し、固定ボルト(17)によって外函ケース(11)に固定される。このとき、内函(12)は上部が透明なPC材質のレンズで構成され、紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)がレンズと一体で形成されることが好ましい。もちろん、紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)を内函(12)と別個に構成して内函(12)の上側に配置し、またはフィルム状に形成して内函(12)の上側に取付けることもできる。
【0042】
そして、前記内函(12)の底部が放熱性能に優れたプラスチック素材で構成されることにより、信号灯モジュールから発生する熱が外函ケース(11)を通じて放出されるようにすることが好ましい。このとき放熱性能に優れたプラスチック素材は、ポリマー35 75wt%、アルミナパウダー20 60wt%、CNT(カーボンナノチューブ)1 5wt%、分散剤と酸化防止剤、熱安定剤、紫外線安定剤、活性剤からなるその他の添加剤1wt%で構成されることがより好ましい。
【0043】
ここで基材となるポリマーには主にPA6が使用されるが、PA6は衝撃強度と耐摩耗性、難燃性、耐薬品性に優れたエンジニアリングプラスチックである。このPA6が35wt%未満の場合には強度が低下し、75wt%を超える場合には熱伝導率が弱まる可能性があるため、35~75wt%を適正範囲とする。
【0044】
そして、アルミナパウダーはポリマーの熱伝導機能を補強するためのもので、純度99.7以上、粒径1~100nmのものを使用する。アルミナパウダーが20wt%未満の場合には熱伝導率が低く、60wt%を超える場合には強度が低下することがあるため、20 60wt%を適正範囲とする。
【0045】
CNTはアルミニウムパウダーと共に熱伝導機能を補強するものであり、粒径1~100nmのものを事前に分散処理して使用することが好ましい。炭素系パウダーが1wt%未満では熱伝導率の上昇効果がほとんど現れず、5wt%を超えても費用対比で熱伝導率向上効果が高くならないので、1~5wt%を適正範囲とする。
【0046】
そして、その他の添加剤は分散剤と酸化防止剤、熱安定剤、紫外線安定剤及び活性剤を含んで構成され、これらを全て合わせて1.0wt%を添加する。
【0047】
前記分散剤は、アルミナパウダーとCNTを液状ポリマー内で円滑に分散させるために使用されるもので、0.1~0.2wt%を添加することが好ましい。
【0048】
前記酸化防止剤は合成樹脂の加工性を向上させ、脆弱な物性を補強改善するために使用されるもので、0.1~0.3wt%を添加することが好ましく、酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤を使用することがより好ましい。
【0049】
前記熱安定剤は、製品の使用期間中、合成樹脂の物理的、化学的性質を維持させるために使用されるもので、0.1~0.3wt%を添加することが好ましい。
【0050】
前記紫外線安定剤は、紫外線による合成樹脂の老化を防止するために使用されるもので、0.1~0.3wt%を添加することが好ましい。
【0051】
前記活性剤は、加工時に金型表面と合成樹脂間の粘着性を防止し、流動性向上のために使用されるもので、0.1~0.3wt%を添加する。このような活性剤は、成形加工性を改善し、加工温度の低下、加工時間の短縮など加工途中の劣化を減少させることで製品の品質を向上させる。
【0052】
外函蓋(13)は、外函ケース(11)の上端に沿って設置され、内函(12)の脱落を防止するもので、複数の固定ボルト(16)によって外函ケース(11)に固定される。
【0053】
シーリング部材(14)は、外函ケース(11)と外函蓋(13)の間に設けられるもので、外函ケース(11)の内部を密閉する。これにより、雨水や湿気が外函ケース(11)の内部に流入しないようになり、湿気により内函(12)の部品を損傷させることが無くなる。
【0054】
紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)は、内函(12)の上側に備えられ、温度が一定以上の場合、紫外線及び赤外線を遮断するもので、タングステン複合素材で構成される。すなわち、前記紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)は、透明プラスチック樹脂に2 100μmサイズのタングステン粉末を均一に分散させて射出用チップを製造した後、射出又は押出工法により製造するものである。このとき、タングステンは耐アルカリ性を向上させ、赤外線遮蔽性能を向上させるために添加される。具体的には、タングステン複合素材は、透明プラスチック樹脂にタングステン粉末を均一に分散させ、活性剤と熱安定剤、酸化防止剤、核剤などの添加剤をコンパウンディングしてプラスチックチップを形成した後、このプラスチックチップをプラスチック樹脂に混合して紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)を射出又は押出するものである。
【0055】
このようなタングステン複合素材は、透明なプラスチックにタングステン粉末を一定量融合することにより、太陽光の赤外線と紫外線を遮断してプラスチック製品を保護し、プラスチック内部の製品を紫外線と熱から保護して製品の機能と寿命を維持させる役割を果たすことになる。これにより、タングステン複合素材からなる紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)が内函(12)の上部に具備される場合、太陽の赤外線及び紫外線を遮断して内函(12)の内部に位置するLEDが過熱により寿命を縮めるのを防ぐことはもちろん、プラスチック製品が紫外線によって腐食し製品の機能を低下させ、故障が発生するのを防ぐことができるようになる。また、道路に塗布される塩化カルシウムなどによりプラスチック製品が腐食するアルカリ腐食から内函(12)を保護する役割を果たすことになる。
【0056】
このとき、前記タングステン複合素材は、タングステン粉末を0.5~3.0wt%含有することが好ましい。これは、タングステン粉末の含有量が0.5wt%未満である場合、紫外線及び赤外線の遮断効果が弱く、3.0wt%を超えて含有する場合、透明度が低下してLEDの光が通過しない等、光透過率の低下により路面信号灯の機能を失う可能性があることから、0.5~3.0wt%を適正範囲とする。
【0057】
もちろん、前記紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)に多数の黒点が形成される場合、視認性が低下することがあるが、太陽光が強い昼間には、紫外線及び赤外線遮蔽部材(15)が影を形成しても、昼間の強い太陽光により視認性を維持することができるようになる。
【0058】
一方、統合管制センター(50)は、図2に示すように、多数のスマート信号灯システムが表示された地図が画面に表出されるディスプレイ(51)と、前記故障通知部(15;15a、15b、15c、15d)の信号を受信する通信部(52)と、多数のスマート信号灯システムから信号を受信してディスプレイ(51)に表示する主制御部(55)を含んで構成される。これにより、スマート信号灯システムの路面信号灯(10)に故障が発生した場合、当該路面信号灯を含むスマート信号灯システムの位置情報をディスプレイに表示し、迅速な出動及び初期対応が可能となる。
【0059】
このとき、前記統合管制センター(50)は、通信部(52)で故障発生信号を受信すると、警報を発生する警報発生部(53)を備えることにより、統合管制センター(50)の勤務者が故障発生を迅速に認知できるようにすることが望ましい。また、前記統合管制センター(50)は、通信部(52)で故障発生信号を受信すると、故障が発生した路面信号灯(10)の位置情報を管理者に伝送する故障通知部(54)を備えることにより、管理者が故障発生位置に迅速に出動できるようにすることがさらに好ましい。
【0060】
先に、面発光路面信号灯(10)を構成する複数の単位路面信号灯(10a、10b、10c、10d)から故障通知部(30;30a、30b、30c、30d)を通じて直接統合管制センター(50)に故障発生信号を伝送すると説明したが、図5に図示したように、制御部(20)が具備されたスマート信号灯システムにおいては、面発光路面信号灯(10)の故障通知部(30;30a、30b、30c、30d)がスマート信号灯システムの制御部(20)に備えられた通信部(25)を通じて統合管制センター(50)に故障発生信号を伝送するように構成することができる。
【0061】
このように、スマート信号灯システムの制御部(20)において、それぞれの単位路面信号機(10a、10b、10c、10d)に備えられた故障通知部(30; 30a、30b、30c、30d)の信号を統合管理することにより、システムの容易な構成が可能となる。
【0062】
前記のように構成された本発明の過熱防止及び故障通知が可能な面発光路面信号灯は、温度が設定温度以上に上昇する場合、紫外線及び赤外線遮蔽部材により太陽光中の赤外線と紫外線が遮断され、内部の過熱及び紫外線腐食を防ぐと共に、少なくとも下端部分が放熱性能を備えたプラスチック素材で形成された内函を通じて信号灯モジュールで発生した熱を迅速に放熱することにより、内部の過熱による信号灯モジュールの電子部品の損傷を防ぎ、製品の耐久性を大幅に向上させる。
【0063】
また、面発光路面信号灯を構成する単位路面信号灯の一部に故障が発生した場合、これを迅速に統合管制センターに通報することで迅速な対応が可能となり、市民が故障を発見する前に事前に故障を感知し、事前に処理するビフォーサービス(before service)を通じて市民の満足度の向上を図ることができる。
【0064】
先に、信号灯または路面信号灯に故障が発生した場合、統合管制センターを経て管理者のスマート機器に固定信号が伝達されると説明したが、信号灯または路面信号灯の故障が発生した場合に統合管制センターを経ることなく管理者のスマート機器に直接故障発生信号を伝達し、迅速な対応措置を取らせるようにすることもできる。
【0065】
以上、本発明について説明したが、これは発明を説明するためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であるならば、発明の詳細な説明から様々な変形または均等な実施例が可能であることを理解できるであろう。したがって、本発明の真正なる権利範囲は、請求範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0066】
10(10a, 10b, 10c, 10d)... 面発光路面信号灯
11... 外函ケース
12... 内函
13... 外函蓋
14... シーリング部材
15... 紫外線及び赤外線遮蔽部材
20... 制御部
25... 通信部
30(30a, 30b, 30c, 30d)... 故障通知部
50... 統合管制センター
51... ディスプレイ
52... 通信部
53... 警報発生部
54... 故障通知部
55... 主制御部
図1
図2
図3
図4
図5