IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

特開2024-66441遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラム
<>
  • 特開-遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラム 図1
  • 特開-遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラム 図2
  • 特開-遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラム 図3
  • 特開-遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラム 図4
  • 特開-遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066441
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240508BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136502
(22)【出願日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】63/421,231
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 宣之
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】医療機器による測定に悪影響を及ぼさない遠隔診療支援システムを実現することが可能な遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】第1の拠点と第2の拠点との間の遠隔診療のために前記第1の拠点の遠隔診療支援装置によって実行される遠隔診療支援方法は、医療機器による測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御することと、前記医療機器から測定結果を取得することと、ネットワークを介して前記測定結果を出力することと、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の拠点と第2の拠点との間の遠隔診療のために前記第1の拠点の遠隔診療支援装置によって実行される遠隔診療支援方法であって、
医療機器による測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御することと、
前記医療機器から測定結果を取得することと、
ネットワークを介して前記測定結果を出力することと、
を備える遠隔診療支援方法。
【請求項2】
前記機器の機能を制御することは、少なくとも前記医療機器による測定中において前記機器の表示機能が停止状態であるように制御することを含み、
前記機器の機能を制御することは、前記機器の表示機能が停止状態になった後、前記医療機器による測定終了後において前記機器の表示機能が復帰状態であるように制御することを含む、
請求項1に記載の遠隔診療支援方法。
【請求項3】
前記機器の機能を制御することは、少なくとも前記医療機器による測定中において前記機器の冷却機能が低下した状態であるように制御することを含み、
前記機器の機能を制御することは、前記機器の冷却機能が低下した状態になった後、前記医療機器による測定終了後において前記機器の冷却機能が復帰状態であるように制御することを含む、
請求項1に記載の遠隔診療支援方法。
【請求項4】
前記機器の機能を制御することは、少なくとも前記医療機器による測定中において前記機器の動作モードが低電力モードであるように制御することを含み、
前記機器の機能を制御することは、前記機器の動作モードを低電力モードになった後、前記医療機器による測定終了後において前記機器の動作モードが復帰状態であるように制御することを含む、
請求項1に記載の遠隔診療支援方法。
【請求項5】
医療機器による測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御する制御処理部と、
前記医療機器から測定結果を取得する測定結果取得部と、
ネットワークを介して前記測定結果を出力する測定結果出力部と、
を備える遠隔診療のための遠隔診療支援装置。
【請求項6】
コンピュータに、
医療機器による測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御する機能と、
前記医療機器から測定結果を取得する機能と、
ネットワークを介して前記測定結果を出力する機能と、
を実行させることが可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
社会の高齢化が進み、医療機関までの移動が困難な高齢者が増えていること、過疎化により近くに医療機関が無い地域が発生していること、感染症対策のため、患者が医療機関に直接出向かず診察を受けるための対策が求められていること等により、遠隔診療が注目されている。遠隔診療では、患者宅、又は所定の場所に医療機器を設置し、医療機器で得たバイタルデータを通信で遠隔地の医師に送り、医師はデータに基づいて診断を行う。
【0003】
近年では、所定の場所において、医療機器とビデオ通話が可能な機器を備えた、リアルタイムで患者と医師とのビデオ通話による診療が可能な遠隔診療ブース、遠隔診療ボックス、遠隔診療キオスク等と呼ばれる、遠隔診療支援システムがある。
【0004】
このような遠隔診療支援システムにおいては、ビデオ通話のためのディスプレイ、パソコン、ネットワーク機器等の電磁的ノイズや冷却ファン等の騒音により、医療機器による測定が妨害されることがある。
【0005】
そこで、医療機器による測定に悪影響を及ぼさない遠隔診療支援システムが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2018-527997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、医療機器による測定に悪影響を及ぼさない遠隔診療支援システムを実現することが可能な遠隔診療支援方法、遠隔診療支援装置及びプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、第1の拠点と第2の拠点との間の遠隔診療のために前記第1の拠点の遠隔診療支援装置によって実行される遠隔診療支援方法は、医療機器による測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御することと、前記医療機器から測定結果を取得することと、ネットワークを介して前記測定結果を出力することと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係る遠隔診療支援システムに含まれる遠隔診療ブースを例示する外観図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る遠隔診療支援システムを例示するブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る遠隔診療支援装置による情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第2の実施形態に係る遠隔診療支援システムを例示するブロック図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る遠隔診療支援装置による情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
(構成例)
以下、図面を用いて実施形態について説明する。
【0011】
各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、第1の実施形態に係る遠隔診療支援システム100に含まれる遠隔診療ブースを例示する外観図である。
遠隔診療ブースは、四方を壁に囲まれ、会話などが外部に漏れにくく、診察中のプライバシーが守られるような設備である。遠隔診療ブースは、診療ブース、又は単にブースともいう。ブース内には椅子、机等が設置され、測定を行うための医療機器、及びブース外の医師とコミュニケーションをとるための通信装置が設置されている。例えば、各市区町村等のエリア毎に複数の診療ブースが設置されている。患者は、予め診療ブースで遠隔診療を受けるための予約を行い、予約時間に予約した診療ブースに入る。患者は、診療ブース内の通信装置を介して医師とビデオ通話等で対話を行い、医師の指示等に基づいて医療機器を使用し、生体データ等の測定を行う。医療機器による測定データは、リアルタイムで医師が使用する医者用機器等で参照することができる。医師は、測定データに基づいて診察を行うことができる。各診療ブースは、病院毎に設けられてもよいし、複数の病院の複数の医師により使用されるものでもよい。
【0012】
図2は、第1の実施形態に係る遠隔診療支援システム100を例示するブロック図である。
遠隔診療支援システム100は、医者用機器1、及び少なくとも1つの遠隔診療ブースを含む。遠隔診療ブースは、遠隔診療支援装置2、及び通信機器3を含む。医者用機器1、遠隔診療支援装置2、及び通信機器3は、ネットワークを介して互いに通信自在に接続する。例えば、ネットワークは、インターネット、携帯通信網及びLAN(Local Area Network)等の種々のネットワークのうちの1以上のネットワークで構成される。1以上のネットワークは、無線ネットワークを含んでもよいし、有線ネットワークを含んでもよい。遠隔診療支援装置2、及び通信機器3は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークは、LAN等である。LANは、無線LANでもよいし、有線LANでもよい。遠隔診療支援装置2は、少なくとも1つの医療機器と互いに通信自在に接続する。遠隔診療支援装置2と少なくとも1つの医療機器251-1~251-mは、有線又は無線で直接的に通信可能に接続されている。遠隔診療支援装置2と少なくとも1つの医療機器251-1~251-mは、例えば、LAN、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等により接続されてもよい。なお、遠隔診療支援システム100は、医者用機器1、遠隔診療支援装置2、通信機器3、及び医療機器251-1~251-mのうちの少なくとも2つの機器を含むシステムを指すこともある。なお、遠隔診療支援システム100は、図示しないサーバを含んでもよい。サーバは、医者用機器1と通信機器3との間でビデオ通信を行うWeb会議サービスを提供するためのサーバを含みうる。サーバは、遠隔診療サービスを提供するためのサーバを含みうる。例えば、サーバは、診療ブースの識別情報、医者用機器1の識別情報、医療機器251-1~251-mの識別情報、医療機器251-1~251-mの測定データ、患者データ等を管理し得る。診療ブースの識別情報は、診療ブースを個々に識別するために診療ブース毎に割り当てられた固有の識別情報である。医者用機器1の識別情報は、医者用機器1を個々に識別するために医者用機器1毎に割り当てられた固有の識別情報である。医者用機器1の識別情報は、医者用機器1のIPアドレス等を含む。医療機器251-1~251-mの識別情報は、医療機器を個々に識別するために医療機器毎に割り当てられた固有の識別情報である。
【0013】
医者用機器1は、他の電子機器と通信可能な電子機器である。医者用機器1は、例えば、遠隔診療を行う医師が使用する機器である。例えば、医者用機器1は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、又は、タブレット端末等である。医師は、医療従事者、ユーザ又は人と読み替えてもよい。医者用機器1は、例えば、診療ブースと異なる場所に設置される。診療ブースが設置される場所は、第1の拠点の一例である。医者用機器1が設置される場所は、第2の拠点の一例である。第2の拠点は、例えば、病院等の医療機関である。
【0014】
遠隔診療支援装置2は、他の電子機器と通信可能な電子機器である。遠隔診療支援装置2は、診療ブースに設置される機器である。例えば、遠隔診療支援装置2は、PC、スマートフォン、又は、タブレット端末等である。参加者は、ユーザ又は人と読み替えてもよい。遠隔診療支援装置2の構成例については後述する。
【0015】
通信機器3は、他の電子機器と通信可能な電子機器である。通信機器3は、診療ブースに設置される機器である。通信機器3は、例えば、遠隔診療を受ける患者が使用する機器である。例えば、通信機器3は、PC、スマートフォン、又は、タブレット端末等である。患者は、ユーザ又は人と読み替えてもよい。通信機器3の構成例については後述する。
【0016】
遠隔診療支援装置2の構成例について説明する。
遠隔診療支援装置2は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インタフェース24、入出力インタフェース25、表示デバイス26、スピーカ27、及び入力デバイス28を含む電子機器である。遠隔診療支援装置2を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
【0017】
プロセッサ21は、遠隔診療支援装置2の中枢部分に相当する。プロセッサ21は、遠隔診療支援装置2のコンピュータを構成する要素である。例えば、プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ21は、種々の回路で構成されていてもよい。プロセッサ21は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に予め記憶されているプログラムをメインメモリ22に展開する。プログラムは、遠隔診療支援装置2のプロセッサ21に後述する各部を実現又は実行させるプログラムである。プロセッサ21は、メインメモリ22に展開されるプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0018】
メインメモリ22は、遠隔診療支援装置2の主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、遠隔診療支援装置2のコンピュータを構成する要素である。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はプログラムを記憶する。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば、メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を含む。例えば、メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を含む。メインメモリ22は、プログラムを記憶する。
【0019】
補助記憶デバイス23は、遠隔診療支援装置2の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス23は、遠隔診療支援装置2のコンピュータを構成する要素である。補助記憶デバイス23は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等である。補助記憶デバイス23は、上述のプログラム、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ及びプロセッサ21での処理によって生成されるデータを記憶する。補助記憶デバイス23は、上述のプログラムを記憶する。
【0020】
補助記憶デバイス23は、医療機器情報を記憶する。医療機器情報は、診療ブースの識別情報、医療機器の識別情報、医療機器の測定状況等の情報を含む。診療ブースに設置される少なくとも1つの医療機器の識別情報は、設置される診療ブースの識別情報と紐づけて保存される。医療機器の測定状況は、医療機器による測定開始前、測定開始後、測定中、測定終了前、測定終了後等のステータスを示す情報を含む。医療機器情報は、医用機器による測定状況に応じて更新され得る。
【0021】
補助記憶デバイス23は、医療機器による測定データを記憶する。測定データは、医療機器の識別情報と紐づけて保存される。測定データは、診療ブースの識別情報を含んでもよい。測定データは、患者の識別情報を含んでもよい。測定データは、測定データの送信先となる医者用機器1の識別情報を含んでもよい。測定データは、医療機器による測定がされる毎に更新され得る。測定データは、測定結果ともいう。
【0022】
通信インタフェース24は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークを介して、遠隔診療支援装置2を他の機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0023】
入出力インタフェース25は、遠隔診療支援装置2と外部機器とを接続するためのインタフェースである。外部機器は、少なくとも1つ医療機器251-1~251-m(mは1以上の整数)を含む。医療機器251-1~251-mは、例えば、心電計、血圧計、デジタル聴診器、パルスオキシメーター、細隙灯、外耳鏡等の医療機器を含む。医療機器251-1~251-mは、通信機能を持ち、測定データを遠隔診療支援装置2に出力する。
【0024】
表示デバイス26は、プロセッサ21の制御により種々の画面を表示可能なデバイスである。例えば、表示デバイス26は、液晶ディスプレイ又はEL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。
【0025】
スピーカ27は、プロセッサ21の制御により音声を出力可能なデバイスである。スピーカ27は、出力デバイスの一例である。
【0026】
入力デバイス28は、遠隔診療支援装置2へデータ又は指示を入力可能なデバイスである。例えば、入力デバイス28は、音声を入力可能な内蔵型のマイク、及び撮影範囲の撮影データを取得可能な内蔵型のカメラを含む。入力デバイス28は、キーボード又はタッチパネル等を含んでもよい。
【0027】
なお、遠隔診療支援装置2のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。遠隔診療支援装置2は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0028】
上述のプロセッサ21に実現される各部について説明する。
プロセッサ21は、測定処理部210、制御処理部211、測定結果取得部212、及び測定結果出力部213を実現する。プロセッサ21に実現される各部は、各機能ということもできる。プロセッサ21に実現される各部は、プロセッサ21及びメインメモリ22を含む制御部に実現されるということもできる。
【0029】
測定処理部210は、医療機器251-1~251-mによる測定に関する処理を行う。測定処理部210は、入出力インタフェース25を介して、医療機器251-1~251-mから測定開始を示す測定開始通知を取得する。医療機器251-1~251-mは、例えば、測定を開始したことに基づいて測定開始通知を遠隔診療支援装置2に出力する。医療機器251-1~251-mは、測定開始通知の出力後、所定時間経過後に測定を開始してもよい。測定処理部210は、入出力インタフェース25を介して、医療機器251-1~251-mに対して測定開始を指示する測定開始指示を出力してもよい。医療機器251-1~251-mは、例えば、測定開始指示を取得したことに基づいて測定を開始する。医療機器251-1~251-mは、測定開始指示を取得した後、所定時間経過後に測定を開始してもよい。
【0030】
測定処理部210は、入出力インタフェース25を介して、医療機器251-1~251-mから測定終了を示す測定終了通知を取得する。医療機器251-1~251-mは、例えば、測定を終了したことに基づいて測定終了通知を遠隔診療支援装置2に出力する。医療機器251-1~251-mは、測定終了通知の出力後、所定時間経過後に測定を終了してもよい。測定処理部210は、入出力インタフェース25を介して、医療機器251-1~251-mに対して測定終了を指示する測定終了指示を出力してもよい。医療機器251-1~251-mは、例えば、測定終了指示を取得したことに基づいて測定を終了する。医療機器251-1~251-mは、測定終了指示を取得した後、所定時間経過後に測定を終了してもよい。測定処理部210は、医療機器251-1~251-mによる測定開始、又は測定終了を示す情報を医療機器情報として補助記憶デバイス23に保存する。
【0031】
制御処理部211は、医療機器251-1~251-mによる測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御する。電力で動作する機器は、例えば、通信機器3、通信機器3に接続される表示デバイス351-1、カメラ351-2、マイク351-3、及びスピーカ351-4を含む。電力で動作する機器は、遠隔診療支援装置2を含みうる。電力で動作する機器は、診療ブース内に設置されるエアコン等の機器を含みうる。電力で動作する機器の機能を制御することは、機器の機能の一部又は全部を制御することを含む。電力で動作する機器の機能を制御することは、機能を停止すること、機能を低下させること、動作モードを変更すること等を含む。電力で動作する機器の機能を制御することは、停止した機能を復帰させること、低下した機能を復帰させること、動作モードを元に戻すこと等を含む。
【0032】
制御処理部211は、測定を行う医療機器の種類に応じて、電力で動作する機器の機能を制御してもよい。制御処理部211は、医療機器の計測特性に応じて、測定に悪影響を及ぼす可能性がある機器の機能を少なくとも部分的に制御してもよい。例えば、制御処理部211は、微弱な電流、電圧を扱う心電計等の医療機器により測定を行う場合、電磁的なノイズ源になりやすい表示デバイスの表示機能を停止する。制御処理部211は、表示デバイスへの電力供給を停止させてもよい。例えば、制御処理部211は、微弱な音を扱うデジタル聴診器等の医療機器により測定を行う場合、ノイズ源になりやすい機器の冷却機能を低下させる。制御処理部211は、冷却機能を停止させてもよい。制御処理部211は、機器自体への電力供給を停止させてもよい。
【0033】
制御処理部211は、測定開始後、所定時間経過後、機能を復帰させてもよい。
【0034】
測定結果取得部212は、医療機器251-1~251-mから測定データを取得する。測定結果取得部212は、医療機器251-1~251-mによる測定が終了する毎に測定データを取得し得る。測定結果取得部212は、測定データを補助記憶デバイス23に保存する。
【0035】
測定結果出力部213は、通信インタフェース24を介して、測定データを医者用機器1に出力する。測定結果出力部213は、測定データを図示しないサーバを介して医者用機器1に出力してもよい。
【0036】
通信機器3の構成例について説明する。
通信機器3は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、通信インタフェース34、入出力インタフェース35、及び入力デバイス38を含む電子機器である。通信機器3を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
【0037】
プロセッサ31は、通信機器3の中枢部分に相当する。プロセッサ31は、通信機器3のコンピュータを構成する要素である。プロセッサ31は、上述のプロセッサ21と同様のハードウェア構成である。プロセッサ31は、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33に予め記憶されているプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0038】
メインメモリ32は、通信機器3の主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、通信機器3のコンピュータを構成する要素である。メインメモリ32は、上述のメインメモリ22と同様のハードウェア構成である。メインメモリ32は、プログラムを記憶する。
【0039】
補助記憶デバイス33は、通信機器3の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス33は、通信機器3のコンピュータを構成する要素である。補助記憶デバイス33は、上述の補助記憶デバイス23と同様のハードウェア構成である。補助記憶デバイス33は、上述のプログラムを記憶する。
【0040】
通信インタフェース34は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークを介して、通信機器3を他の機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0041】
入出力インタフェース35は、通信機器3と外部機器とを接続するためのインタフェースである。外部機器は、表示デバイス351-1、カメラ351-2、マイク351-3、及びスピーカ351-4を含む。表示デバイス351-1は、プロセッサ31の制御により種々の画面を表示可能なデバイスである。例えば、表示デバイス351-1は、液晶ディスプレイ又はELディスプレイ等である。カメラ351-2は、プロセッサ31の制御により撮影範囲の撮影データを取得可能なデバイスである。マイク351-3は、プロセッサ31の制御により音声を入力可能なデバイスである。スピーカ351-4は、プロセッサ31の制御により音声を出力可能なデバイスである。
【0042】
入力デバイス38は、通信機器3へデータ又は指示を入力可能なデバイスである。例えば、入力デバイス38は、キーボード又はタッチパネル等を含む。
【0043】
なお、通信機器3のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。通信機器3は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0044】
(動作例)
遠隔診療支援システム100による処理の手順について説明する。
なお、以下の遠隔診療支援装置2を主体とする説明では、遠隔診療支援装置2をプロセッサ21と読み替えてもよい。
以下の処理では、診療ブースに患者が入り、通信機器3を使用して、医者用機器1を使用する医師とビデオ通話を介して対話を行うものとする。患者は、医師の指示に従い、医療機器251-1~251-mを操作し、生体データの測定を行うものとする。
【0045】
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0046】
図3は、第1の実施形態に係る遠隔診療支援装置2による情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0047】
測定処理部210は、医療機器251-1~251-mによる測定開始を判定する(ACT1)。ACT1では、例えば、測定処理部210は、医療機器251-1~251-mから出力される測定開始通知に基づいて、測定が開始されたか否かを判定する。測定処理部210は、医療機器251-1~251-mから測定開始通知を取得したことに基づいて、測定が開始されたと判定する。なお、測定処理部210は、測定開始通知によらず医療機器251-1~251-mの測定開始を判定してもよい。この場合、測定処理部210は、遠隔診療支援装置2における患者の操作に基づいて医療機器251-1~251-mの測定開始を判定してもよい。例えば、測定処理部210は、患者による入力デバイス28を介した測定開始を指示する入力操作に基づいて、測定開始を判定してもよい。測定開始は、測定を開始したこと、及び測定を開始することを含む。
【0048】
測定処理部210により測定開始が判定された場合(ACT1:YES)、処理は、ACT1からACT2へ遷移する。測定処理部210により測定開始が判定されない場合(ACT1:NO)、処理は、ACT1を繰り返す。
【0049】
制御処理部211は、医療機器251-1~251-mによる測定開始に基づいて、電力で動作する機器の機能の一部又は全部を低下する(ACT2)。機能を低下することは、機能の動作モードを省電力モードに変更すること、機能の動作モードを低速モードに変更すること、及び機能を停止すること等を含む。ACT2では、例えば、制御処理部211は、測定開始が判定された医療機器の種類に基づいて、低下する機能を判定する。制御処理部211は、予め関連付けられた医療機器の種類と低下させる機能の設定に基づいて、低下する機能を判定してもよい。例えば、制御処理部211は、通信機器3、又は通信機器3に接続された機器の機能を低下させる場合、機能を低下させる指示を通信機器3に出力する。
【0050】
以下の例では、心電計による測定がされる場合について説明する。1つ目の例では、制御処理部211は、通信機器3の表示デバイス351-1の表示機能を停止状態にする。制御処理部211は、通信機器3の表示デバイス351-1への電力供給を停止してもよい。2つ目の例では、制御処理部211は、通信機器3の冷却機能が低下した状態にする。制御処理部211は、通信機器3の冷却機能を停止状態にしてもよい。3つ目の例では、制御処理部211は、通信機器3の動作モードを低電力モードに変更する。なお、制御処理部211は、通信機器3への電力供給を停止してもよい。制御処理部211は、通信機器3の機能のうち、医者用機器1と音声通話が可能な機能以外の機能を停止状態にしてもよい。なお、制御処理部211は、遠隔診療支援装置2の機能の一部又は全部を低下してもよい。例えば、制御処理部211は、遠隔診療支援装置2の機能のうち、通信機器3の機能を復帰させる機能以外の機能を停止状態にしてもよい。なお、制御処理部211は、診療ブースに含まれるエアコン等の周辺機器の機能を低下してもよい。この場合、制御処理部211は、機能を低下させる指示を周辺機器に出力する。
【0051】
制御処理部211は、少なくとも医療機器251-1~251-mによる測定中に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が低下した状態にすればよい。
【0052】
例えば、医療機器251-1~251-mが測定開始通知を出力する場合であって、測定開始通知の出力後、所定時間経過後に測定が開始される場合について説明する。制御処理部211は、医療機器251-1~251-mの測定開始前に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が低下した状態であるように制御してもよい。遠隔診療支援装置2が測定開始指示を出力する場合について説明する。制御処理部211は、医療機器251-1~251-mの測定開始前に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が低下した状態であるように制御してもよい。
【0053】
この例によれば、遠隔診療支援装置2は、医療機器251-1~251-mによる測定中に、医療機器251-1~251-mの測定に悪影響を及ぼし得る機器の機能を低下、又は停止することができる。これにより、遠隔診療支援装置2は、医療機器251-1~251-mによる測定の精度を上げることができる。遠隔診療支援装置2は、医療機器による測定に悪影響を及ぼさない遠隔診療支援システムを提供することができる。
【0054】
測定処理部210は、医療機器251-1~251-mによる測定終了を判定する(ACT3)。ACT3では、例えば、測定処理部210は、医療機器251-1~251-mから出力される測定終了通知に基づいて、測定が終了されたか否かを判定する。測定処理部210は、医療機器251-1~251-mから測定終了通知を取得したことに基づいて、測定が終了したと判定する。なお、測定処理部210は、測定終了通知によらず医療機器251-1~251-mの測定終了を判定してもよい。この場合、測定処理部210は、遠隔診療支援装置2における患者の操作に基づいて医療機器251-1~251-mの測定終了を判定してもよい。例えば、測定処理部210は、患者による入力デバイス28を介した測定終了を指示する入力操作に基づいて、測定終了を判定してもよい。測定処理部210は、医療機器251-1~251-mによる測定開始から所定時間経過したことに基づいて測定終了を判定してもよい。測定終了は、測定を終了したこと、及び測定を終了することを含む。
【0055】
測定処理部210により測定終了が判定された場合(ACT3:YES)、処理は、ACT3からACT4へ遷移する。測定処理部210により測定終了が判定されない場合(ACT3:NO)、処理は、ACT3を繰り返す。
【0056】
制御処理部211は、医療機器251-1~251-mによる測定終了に基づいて、電力で動作する機器の機能の一部又は全部を復帰させる(ACT4)。機能を復帰させることは、機能の動作モードを通常モードに変更すること、電力供給を再開すること、及び機能の状態を低下する前の状態に戻すこと等を含む。ACT4では、例えば、制御処理部211は、ACT2において低下した機能を復帰させる。例えば、制御処理部211は、通信機器3、又は通信機器3に接続された機器の低下した機能を復帰させる場合、機能を復帰させる指示を通信機器3に出力する。
【0057】
以下の例では、心電計による測定がされる場合について説明する。1つ目の例では、制御処理部211は、通信機器3の表示デバイス351-1の表示機能を停止状態から復帰状態にする。制御処理部211は、表示デバイス351-1の表示機能が停止状態になった後、医療機器251-1~251-mによる測定終了後において表示デバイス351-1の表示機能が復帰状態であるように制御する。制御処理部211は、通信機器3の表示デバイス351-1への電力供給を再開してもよい。2つ目の例では、制御処理部211は、通信機器3の冷却機能が低下した状態から復帰状態にする。制御処理部211は、通信機器3の冷却機能が低下した状態になった後、医療機器251-1~251-mによる測定終了後において通信機器3の冷却機能が復帰状態であるように制御する。制御処理部211は、通信機器3の冷却機能を低下する前の状態に戻してもよい。3つ目の例では、制御処理部211は、通信機器3の動作モードを低電力モードから通常モードに変更する。制御処理部211は、通信機器3の動作モードが低電力モードになった後、医療機器251-1~251-mによる測定終了後において通信機器3の動作モードが復帰状態であるように制御する。なお、制御処理部211は、停止していた通信機器3への電力供給を再開してもよい。制御処理部211は、通信機器3の機能のうち、医者用機器1と音声通話が可能な機能以外の機能を停止状態から復帰状態にしてもよい。なお、制御処理部211は、遠隔診療支援装置2の機能の一部又は全部を復帰させてもよい。例えば、制御処理部211は、遠隔診療支援装置2の機能のうち、通信機器3の機能を復帰させる機能以外の機能を停止状態から復帰状態にしてもよい。なお、制御処理部211は、診療ブースに含まれるエアコン等の周辺機器の低下していた機能を復帰してもよい。この場合、制御処理部211は、機能を復帰させる指示を周辺機器に出力する。
【0058】
制御処理部211は、少なくとも医療機器251-1~251-mによる測定終了後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御すればよい。
【0059】
例えば、医療機器251-1~251-mが測定終了通知を出力する場合について説明する。制御処理部211は、医療機器251-1~251-mの測定終了後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御してもよい。遠隔診療支援装置2が測定終了指示を医療機器251-1~251-mに出力する場合であって、測定終了指示の出力後、所定時間経過後に制御処理部211による制御を行う場合について説明する。この場合、所定時間は、予め設定された測定時間であってもよい。制御処理部211は、医療機器251-1~251-mの測定終了後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御してもよい。
【0060】
なお、制御処理部211は、測定開始通知を取得した後、所定時間経過後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御してもよい。制御処理部211は、測定処理部210により測定開始指示を出力した後、所定時間経過後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御してもよい。
【0061】
この例によれば、遠隔診療支援装置2は、医療機器251-1~251-mによる測定後に、低下、又は停止した機能を復帰させることができる。これにより、遠隔診療支援装置2は、医療機器251-1~251-mによる測定後、患者と医師とのビデオ通話等による診療をスムーズに行うことができる遠隔診療支援システムを提供することができる。
【0062】
測定結果取得部212は、医療機器251-1~251-mから測定データを取得する(ACT5)。
【0063】
測定結果出力部213は、ネットワークを介して測定データを出力する(ACT6)。ACT6では、例えば、測定結果出力部213は、測定データを医者用機器1に出力する。測定結果出力部213は、測定データをサーバに出力してもよい。この場合、測定結果出力部213は、サーバを介して医者用機器1に出力してもよい。
【0064】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら第2の実施形態について説明する。
【0065】
第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。第2の実施形態では、主として、実施形態と異なる部分について説明する。各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0066】
(構成例)
図4は、第2の実施形態に係る遠隔診療支援システムを例示するブロック図である。
遠隔診療支援システム100は、医者用機器1、及び通信機器3を含む。この例では、通信機器3が第1の実施形態に係る遠隔診療支援装置2の機能を有する。医者用機器1、及び通信機器3は、ネットワークを介して互いに通信自在に接続する。例えば、ネットワークは、インターネット、携帯通信網及びLAN等の種々のネットワークのうちの1以上のネットワークで構成される。1以上のネットワークは、無線ネットワークを含んでもよいし、有線ネットワークを含んでもよい。通信機器3は、少なくとも1つの医療機器と互いに通信自在に接続する。通信機器3と少なくとも1つの医療機器351-5~351-5nは、有線又は無線で直接的に通信可能に接続されている。通信機器3と少なくとも1つの医療機器351-5~351-5nは、例えば、LAN、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等により接続されてもよい。なお、遠隔診療支援システム100は、医者用機器1、通信機器3、及び医療機器351-5~351-5nのうちの少なくとも2つの機器を含むシステムを指すこともある。なお、遠隔診療支援システム100は、第1の実施形態と同様に、図示しないサーバを含んでもよい。
【0067】
医者用機器1の構成例は、第1の実施形態と同様である。
【0068】
通信機器3の構成例について説明する。
通信機器3は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、通信インタフェース34、入出力インタフェース35、及び入力デバイス38を含む電子機器である。通信機器3を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。通信機器3は、遠隔診療支援装置の一例である。
【0069】
プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、通信インタフェース34、入出力インタフェース35、及び入力デバイス38の構成例は、第1の実施形態と同様である。
【0070】
補助記憶デバイス33は、医療機器情報を記憶する。医療機器情報は、診療ブースの識別情報、医療機器の識別情報、医療機器の測定状況等の情報を含む。診療ブースに設置される少なくとも1つの医療機器の識別情報は、設置される診療ブースの識別情報と紐づけて保存される。医療機器の測定状況は、医療機器による測定開始前、測定開始後、測定中、測定終了前、測定終了後等のステータスを示す情報を含む。医療機器情報は、医用機器による測定状況に応じて更新され得る。
【0071】
補助記憶デバイス33は、医療機器による測定データを記憶する。測定データは、医療機器の識別情報と紐づけて保存される。測定データは、診療ブースの識別情報を含んでもよい。測定データは、患者の識別情報を含んでもよい。測定データは、測定データの送信先となる医者用機器1の識別情報を含んでもよい。測定データは、医療機器による測定がされる毎に更新され得る。測定データは、測定結果ともいう。
【0072】
入出力インタフェース35は、通信機器3と外部機器とを接続するためのインタフェースである。外部機器は、表示デバイス351-1、カメラ351-2、マイク351-3、及びスピーカ351-4を含む。表示デバイス351-1は、プロセッサ31の制御により種々の画面を表示可能なデバイスである。例えば、表示デバイス351-1は、液晶ディスプレイ又はELディスプレイ等である。カメラ351-2は、プロセッサ31の制御により撮影範囲の撮影データを取得可能なデバイスである。マイク351-3は、プロセッサ31の制御により音声を入力可能なデバイスである。スピーカ351-4は、プロセッサ31の制御により音声を出力可能なデバイスである。
【0073】
外部機器は、少なくとも1つ医療機器351-5~351-5n(nは1以上の整数)を含む。医療機器351-5~351-5nは、例えば、心電計、血圧計、デジタル聴診器、パルスオキシメーター、細隙灯、外耳鏡等の医療機器を含む。医療機器351-5~351-5nは、通信機能を持ち、測定データを通信機器3に出力する。
【0074】
なお、通信機器3のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。通信機器3は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0075】
上述のプロセッサ31に実現される各部について説明する。
プロセッサ31は、測定処理部310、制御処理部311、測定結果取得部312、及び測定結果出力部313を実現する。プロセッサ31に実現される各部は、各機能ということもできる。プロセッサ31に実現される各部は、プロセッサ31及びメインメモリ32を含む制御部に実現されるということもできる。
【0076】
測定処理部310は、医療機器351-5~351-5nによる測定に関する処理を行う。測定処理部310は、入出力インタフェース35を介して、医療機器351-5~351-5nから測定開始を示す測定開始通知を取得する。測定処理部310は、入出力インタフェース35を介して、医療機器351-5~351-5nに対して測定開始を指示する測定開始指示を出力してもよい。
【0077】
測定処理部310は、入出力インタフェース35を介して、医療機器351-5~351-5nから測定終了を示す測定終了通知を取得する。測定処理部310は、入出力インタフェース35を介して、医療機器351-5~351-5nに対して測定終了を指示する測定終了指示を出力してもよい。測定処理部310は、医療機器351-5~351-5nによる測定開始、又は測定終了を示す情報を医療機器情報として補助記憶デバイス33に保存する。
【0078】
制御処理部311は、医療機器351-5~351-5nによる測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御する。電力で動作する機器は、例えば、通信機器3、通信機器3に接続される表示デバイス351-1、カメラ351-2、マイク351-3、及びスピーカ351-4を含む。電力で動作する機器は、診療ブース内に設置されるエアコン等の機器を含みうる。
【0079】
制御処理部311は、測定を行う医療機器の種類に応じて、電力で動作する機器の機能を制御してもよい。制御処理部311は、医療機器の計測特性に応じて、測定に悪影響を及ぼす可能性がある機器の機能を少なくとも部分的に制御してもよい。
【0080】
制御処理部311は、測定開始後、所定時間経過後、機能を復帰させてもよい。
【0081】
測定結果取得部312は、医療機器351-5~351-5nによる測定データを取得する。測定結果取得部312は、医療機器351-5~351-5nによる測定が終了する毎に測定データを取得し得る。測定結果取得部312は、測定データを補助記憶デバイス33に保存する。
【0082】
測定結果出力部313は、通信インタフェース34を介して、測定データを医者用機器1に出力する。測定結果出力部313は、測定データを図示しないサーバを介して医者用機器1に出力してもよい。
【0083】
(動作例)
遠隔診療支援システム100による処理の手順について説明する。
なお、以下の通信機器3を主体とする説明では、通信機器3をプロセッサ31と読み替えてもよい。
以下の処理では、診療ブースに患者が入り、通信機器3を使用して、医者用機器1を使用する医師とビデオ通話を介して対話を行うものとする。患者は、医師の指示に従い、医療機器351-5~351-5nを操作し、生体データの測定を行うものとする。
【0084】
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0085】
図5は、第2の実施形態に係る通信機器3による情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0086】
測定処理部310は、医療機器351-5~351-5nによる測定開始を判定する(ACT11)。ACT11では、例えば、測定処理部310は、第1の実施形態における測定処理部210と同様に、医療機器351-5~351-5nから出力される測定開始通知に基づいて、測定が開始されたか否かを判定する。測定処理部310は、351-5~351-5nから測定開始通知を取得したことに基づいて、測定が開始されたと判定する。なお、測定処理部310は、測定開始通知によらず医療機器351-5~351-5nの測定開始を判定してもよい。この場合、測定処理部310は、通信機器3における患者の操作に基づいて医療機器351-5~351-5nの測定開始を判定してもよい。例えば、測定処理部310は、患者による入力デバイス38を介した測定開始を指示する入力操作に基づいて、測定開始を判定してもよい。
【0087】
測定処理部310により測定開始が判定された場合(ACT11:YES)、処理は、ACT11からACT12へ遷移する。測定処理部310により測定開始が判定されない場合(ACT11:NO)、処理は、ACT11を繰り返す。
【0088】
制御処理部311は、医療機器351-5~351-5nによる測定開始に基づいて、電力で動作する機器の機能の一部又は全部を低下する(ACT12)。ACT12では、例えば、制御処理部311は、測定開始が判定された医療機器の種類に基づいて、低下する機能を判定する。制御処理部311は、予め関連付けられた医療機器の種類と低下させる機能の設定に基づいて、低下する機能を判定してもよい。
【0089】
以下の例では、心電計による測定がされる場合について説明する。1つ目の例では、制御処理部311は、通信機器3の表示デバイス351-1の表示機能を停止状態にする。制御処理部311は、通信機器3の表示デバイス351-1への電力供給を停止してもよい。2つ目の例では、制御処理部311は、通信機器3の冷却機能を低下させた状態にする。制御処理部311は、通信機器3の冷却機能を停止状態にしてもよい。3つ目の例では、制御処理部311は、通信機器3の動作モードを低電力モードに変更する。制御処理部311は、通信機器3の機能のうち、医者用機器1と音声通話が可能な機能以外の機能を停止状態にしてもよい。なお、制御処理部311は、診療ブースに含まれるエアコン等の周辺機器の機能を低下してもよい。この場合、制御処理部311は、機能を低下させる指示を周辺機器に出力する。
【0090】
制御処理部311は、少なくとも医療機器351-5~351-5nによる測定中において電力で動作する機器の機能の一部又は全部が低下した状態であるように制御すればよい。
【0091】
例えば、医療機器351-5~351-5nが測定開始通知を出力する場合であって、測定開始通知の出力後、所定時間経過後に測定が開始される場合について説明する。制御処理部311は、医療機器351-5~351-5nの測定開始前に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が低下した状態であるように制御してもよい。通信機器3が測定開始指示を出力する場合について説明する。制御処理部311は、医療機器351-5~351-5nの測定開始前に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が低下した状態であるように制御してもよい。
【0092】
この例によれば、通信機器3は、医療機器351-5~351-5nによる測定中に、医療機器351-5~351-5nの測定に悪影響を及ぼし得る機器の機能を低下、又は停止することができる。これにより、通信機器3は、医療機器351-5~351-5nによる測定の精度を上げることができる。通信機器3は、医療機器による測定に悪影響を及ぼさない遠隔診療支援システムを提供することができる。
【0093】
測定処理部310は、医療機器351-5~351-5nによる測定終了を判定する(ACT13)。ACT13では、例えば、測定処理部310は、医療機器351-5~351-5nから出力される測定終了通知に基づいて、測定が終了されたか否かを判定する。測定処理部310は、医療機器351-5~351-5nから測定終了通知を取得したことに基づいて、測定が終了したと判定する。なお、測定処理部310は、測定終了通知によらず医療機器351-5~351-5nの測定終了を判定してもよい。この場合、測定処理部310は、通信機器3における患者の操作に基づいて医療機器351-5~351-5nの測定終了を判定してもよい。例えば、測定処理部310は、患者による入力デバイス38を介した測定終了を指示する入力操作に基づいて、測定終了を判定してもよい。測定処理部310は、医療機器351-5~351-5nによる測定開始から所定時間経過したことに基づいて測定終了を判定してもよい。
【0094】
測定処理部310により測定終了が判定された場合(ACT13:YES)、処理は、ACT13からACT14へ遷移する。測定処理部310により測定終了が判定されない場合(ACT13:NO)、処理は、ACT13を繰り返す。
【0095】
制御処理部311は、医療機器351-5~351-5nによる測定終了に基づいて、電力で動作する機器の機能の一部又は全部を復帰させる(ACT14)。ACT14では、例えば、制御処理部311は、ACT12において低下した機能を復帰させる。
【0096】
以下の例では、心電計による測定がされる場合について説明する。1つ目の例では、制御処理部311は、通信機器3の表示デバイス351-1の表示機能を停止状態から復帰状態にする。制御処理部311は、表示デバイス351-1の表示機能が停止状態になった後、医療機器351-5~351-5nによる測定終了後において表示デバイス351-1の表示機能が復帰状態であるように制御する。制御処理部311は、通信機器3の表示デバイス351-1への電力供給を再開してもよい。2つ目の例では、制御処理部311は、通信機器3の冷却機能を低下させた状態から復帰状態にする。制御処理部311は、通信機器3の冷却機能が低下した状態になった後、医療機器351-5~351-5nによる測定終了後において通信機器3の冷却機能が復帰状態であるように制御する。制御処理部311は、通信機器3の冷却機能を低下する前の状態に戻してもよい。3つ目の例では、制御処理部311は、通信機器3の動作モードを低電力モードから通常モードに変更する。制御処理部311は、通信機器3の動作モードが低電力モードになった後、医療機器351-5~351-5nによる測定終了後において通信機器3の動作モードが復帰状態であるように制御する。制御処理部311は、通信機器3の機能のうち、医者用機器1と音声通話が可能な機能以外の機能を停止状態から復帰状態にしてもよい。なお、制御処理部311は、診療ブースに含まれるエアコン等の周辺機器の低下していた機能を復帰してもよい。この場合、制御処理部311は、機能を復帰させる指示を周辺機器に出力する。
【0097】
制御処理部311は、少なくとも医療機器351-5~351-5nによる測定終了後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御すればよい。
【0098】
例えば、医療機器351-5~351-5nが測定終了通知を出力する場合について説明する。制御処理部311は、医療機器351-5~351-5nの測定終了後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御してもよい。通信機器3が測定終了指示を医療機器351-5~351-5nに出力する場合であって、測定終了指示の出力後、所定時間経過後に制御処理部311による制御を行う場合について説明する。この場合、所定時間は、予め設定された測定時間であってもよい。制御処理部311は、医療機器351-5~351-5nの測定終了後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御してもよい。
【0099】
なお、制御処理部311は、測定開始通知を取得した後、所定時間経過後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御してもよい。制御処理部311は、測定処理部310により測定開始指示を出力した後、所定時間経過後に電力で動作する機器の機能の一部又は全部が復帰状態になるように制御してもよい。
【0100】
この例によれば、通信機器3は、医療機器351-5~351-5nによる測定後に、低下、又は停止した機能を復帰させることができる。これにより、通信機器3は、医療機器351-5~351-5nによる測定後、患者と医師とのビデオ通話等による診療をスムーズに行うことができる遠隔診療支援システムを提供することができる。
【0101】
測定結果取得部312は、医療機器351-5~351-5nから測定データを取得する(ACT15)。
【0102】
測定結果出力部313は、通信インタフェースを介して測定データを出力する(ACT16)。ACT16では、例えば、測定結果出力部313は、測定データを医者用機器1に出力する。測定結果出力部313は、測定データをサーバに出力してもよい。この場合、測定結果出力部313は、サーバを介して医者用機器1に出力してもよい。
【0103】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、遠隔診療支援装置は、電力で動作する機器を制御して機能の一部又は全部を低下させる例について説明したが、これに限られない。遠隔診療支援装置は、電力で動作する機器と遠隔診療支援装置との間に設けられたスイッチをオフすることで、電力で動作する機器への電力供給を停止してもよい。この場合、遠隔診療支援装置は、スイッチをオンすることで、電力で動作する機器への電力供給を再開し、機能を復帰させてもよい。
【0104】
遠隔診療支援装置は、遠隔診療支援装置2、又は通信機器3のような1つの装置で実現されてもよいし、機能を分散させた複数の装置で実現されてもよい。
【0105】
上述の実施形態は、装置だけでなく、装置が実行する方法に適用されてもよい。上述の実施形態は、装置のコンピュータに各機能を実行させることが可能なプログラムに適用されてもよい。上述の実施形態は、プログラムを記憶する記録媒体に適用されてもよい。上述の実施形態は、システムだけでなく、システムに含まれる複数の要素が実行する方法に適用されてもよい。
【0106】
プロセッサ21、又はプロセッサ31を例にして説明する処理回路は、複数の機能による複数の処理を実現する1つ以上の回路を含む。例えば、回路は、プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(field-Programmable Gate Array)であるが、これらに限定されない。
【0107】
プロセッサ21、又はプロセッサ31を例にして説明する処理回路を構成する1つ以上の回路のそれぞれは、複数の処理のうちの1つ以上の処理を実行する。処理回路が単一の回路で構成される場合、単一の回路は、複数の処理の全部を実行する。処理回路が複数の回路で構成される場合、複数の回路のそれぞれは、複数の処理のうちの一部を実行する。複数の処理のうちの一部は、複数の処理のうちの1つでもよいし、複数の処理のうちの2つ以上でもよい。処理回路が複数の回路で構成される場合、複数の回路は、1つの装置に含まれていてもよいし、複数の装置に分散していてもよい。
【0108】
プログラムは、装置に記憶された状態で譲渡されてよいし、装置に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0109】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0110】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0111】
(付記)
上述の実施形態は、以下のように表されてもよい。
(1) 第1の拠点と第2の拠点との間の遠隔診療のために前記第1の拠点の遠隔診療支援装置によって実行される遠隔診療支援方法であって、
医療機器による測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御することと、
前記医療機器から測定結果を取得することと、
ネットワークを介して前記測定結果を出力することと、
を備える遠隔診療支援方法。
(2) 前記機器の機能を制御することは、少なくとも前記医療機器による測定中において前記機器の表示機能が停止状態であるように制御することを含み、
前記機器の機能を制御することは、前記機器の表示機能が停止状態になった後、前記医療機器による測定終了後において前記機器の表示機能が復帰状態であるように制御することを含む、(1)に記載の遠隔診療支援方法。
(3) 前記機器の機能を制御することは、少なくとも前記医療機器による測定中において前記機器の冷却機能が低下した状態であるように制御することを含み、
前記機器の機能を制御することは、前記機器の冷却機能が低下した状態になった後、前記医療機器による測定終了後において前記機器の冷却機能が復帰状態であるように制御することを含む、(1)に記載の遠隔診療支援方法。
(4) 前記機器の機能を制御することは、少なくとも前記医療機器による測定中において前記機器の動作モードが低電力モードであるように制御することを含み、
前記機器の機能を制御することは、前記機器の動作モードを低電力モードになった後、前記医療機器による測定終了後において前記機器の動作モードが復帰状態であるように制御することを含む、(1)に記載の遠隔診療支援方法。
(5) 医療機器による測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御する制御処理部と、
前記医療機器から測定結果を取得する測定結果取得部と、
ネットワークを介して前記測定結果を出力する測定結果出力部と、
を備える遠隔診療のための遠隔診療支援装置。
(6) コンピュータに、
医療機器による測定状況に応じて、電力で動作する機器の機能を制御する機能と、
前記医療機器から測定結果を取得する機能と、
ネットワークを介して前記測定結果を出力する機能と、
を実行させることが可能なプログラム。
【符号の説明】
【0112】
1…医者用機器、2…遠隔診療支援装置、3…通信機器、21…プロセッサ、22…メインメモリ、23…補助記憶デバイス、24…通信インタフェース、25…入出力インタフェース、26…表示デバイス、27…スピーカ、28…入力デバイス、31…プロセッサ、32…メインメモリ、33…補助記憶デバイス、34…通信インタフェース、35…入出力インタフェース、38…入力デバイス、100…遠隔診療支援システム、210…測定処理部、211…制御処理部、212…測定結果取得部、213…測定結果出力部、251-1~251-m…医療機器、310…測定処理部、311…制御処理部、312…測定結果取得部、313…測定結果出力部、351-1…表示デバイス、351-2…カメラ、351-3…マイク、351-4…スピーカ、351-5~351-5n…医療機器。
図1
図2
図3
図4
図5