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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066455
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】塗布具
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20240508BHJP
   B43K 8/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A45D34/04 525Z
B43K8/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171731
(22)【出願日】2023-10-03
(31)【優先権主張番号】P 2022173874
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 佑美
(72)【発明者】
【氏名】米田 晶
(72)【発明者】
【氏名】小澤 崇将
(72)【発明者】
【氏名】丸山 美祐
【テーマコード(参考)】
2C350
【Fターム(参考)】
2C350GA04
2C350GA06
2C350HC05
2C350KF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】塗布液タンクと前軸との接続状態が良好な塗布具を提供する。
【解決手段】塗布液タンク3の外壁面からは、塗布液タンクの一端を貫通孔の塗布液タンク側開口部から挿入すると、前軸2の内壁面に気密に接触して前軸と塗布液タンクとを圧入状態で接続可能な、周方向に延びる環状突起であるエアタイトリブが複数突出し、最も塗布体4側に位置するエアタイトリブは、塗布液タンクの塗布体側端面から連なって設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前軸と、塗布液タンクと、が少なくとも配置された塗布具であって、前軸には、軸方向に貫通した塗布液流通路としての貫通孔が形成され、塗布液を塗布する塗布体が貫通孔に挿入されることで接続され、他端には塗布液タンクが貫通孔に挿入されることで接続され、塗布液タンクには、内部には少なくとも塗布液が収容され、外壁面からは、塗布液タンクの一端を前記貫通孔の塗布液タンク側開口部から挿入すると、前軸の内壁面に気密に接触して前軸と塗布液タンクとを圧入状態で接続可能な、周方向に延びる環状突起であるエアタイトリブが複数突出し、最も塗布体側に位置するエアタイトリブは、塗布液タンクの塗布体側端面から連なって設けられている塗布具。
【請求項2】
前記塗布液タンクの内部には、自由状態の前記塗布液と、撹拌体と、が少なくとも収容され、前記塗布液タンクの内壁面からは軸方向に延びるリブが突出した、請求項1に記載の塗布具。
【請求項3】
前記塗布液タンクの、外壁面のエアタイトリブと内壁面のリブとが、塗布液タンクの軸方向と直交する方向の横断面において同一の横断面を構成しない、請求項2に記載の塗布具。
【請求項4】
前記撹拌体の、前記塗布液タンクの径方向における最大外径部分と、前記塗布液タンクの内壁面のリブとが、塗布液タンクの軸方向と直交する方向の横断面において同一の横断面を構成する、請求項2又は請求項3に記載の塗布具。
【請求項5】
前記エアタイトリブが、より塗布体側に位置するエアタイトリブほど大きい力で前記前軸の内壁面に接触している、請求項1から請求項3のいずれかに記載の塗布具。
【請求項6】
前記エアタイトリブが、より塗布体側に位置するエアタイトリブほど大きい力で前記前軸の内壁面に接触している、請求項4に記載の塗布具。
【請求項7】
前記塗布液タンクの外壁面であって、前記エアタイトリブから前記塗布体側の反対側に、塗布液タンク外壁面と前記前軸内壁面との間の径方向距離を一定範囲内に保つ突起が設けられている、請求項1に記載の塗布具。
【請求項8】
前記塗布液タンクの内部には、自由状態の前記塗布液と、撹拌体と、が少なくとも収容され、前記塗布液タンクの内壁面からは軸方向に延びるリブが突出した、請求項7に記載の塗布具。
【請求項9】
前記塗布液タンクの、外壁面のエアタイトリブと内壁面のリブとが、塗布液タンクの軸方向と直交する方向の横断面において同一の横断面を構成しない、請求項8に記載の塗布具。
【請求項10】
前記撹拌体の、前記塗布液タンクの径方向における最大外径部分と、前記塗布液タンクの内壁面のリブとが、塗布液タンクの軸方向と直交する方向の横断面において同一の横断面を構成する、請求項8又は請求項9に記載の塗布具。
【請求項11】
前記エアタイトリブが、より塗布体側に位置するエアタイトリブほど大きい力で前記前軸の内壁面に接触している、請求項7から請求項9のいずれかに記載の塗布具。
【請求項12】
前記エアタイトリブが、より塗布体側に位置するエアタイトリブほど大きい力で前記前軸の内壁面に接触している、請求項10に記載の塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布液タンク内に収容された塗布液を塗布先へ供給して使用する塗布具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、内部に塗布液を収容する塗布液タンク及びその周辺部材の形態について様々な構造が検討されている。例えば特許文献1には、内部に塗布液を収容した塗布液タンクの外壁面から突出した突起を、塗布先が配置された前軸の内壁面に係止させることで、両部材を接続する塗布具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-119608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている塗布具では、塗布液タンクと前軸とを接続する際などに塗布液が突起に付着し、接続部分における塗布液タンク外壁面と前軸内壁面との間に塗布液が広がってしまうと、塗布液が漏れたり外観を損ねたりするなど、塗布液タンクと前軸との接続状態が悪化したりするという問題があった。
【0005】
本発明は、塗布液タンクと前軸との接続状態が良好な塗布具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前軸と、塗布液タンクと、が少なくとも配置された塗布具であって、前軸には、軸方向に貫通した塗布液流通路としての貫通孔が形成され、前軸の一端には、塗布液を塗布する塗布体が貫通孔に挿入されることで接続され、他端には塗布液タンクが貫通孔に挿入されることで接続され、塗布液タンクには、内部には少なくとも塗布液が収容され、外壁面からは、塗布液タンクの一端を前記貫通孔の塗布液タンク側開口部から挿入すると、前軸の内壁面に気密に接触して前軸と塗布液タンクとを圧入状態で接続可能な、周方向に延びる環状突起であるエアタイトリブが複数突出し、最も塗布体側に位置するエアタイトリブは、塗布液タンクの塗布体側端面から連なって設けられている塗布具を要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る塗布具は、最も塗布体側に位置するエアタイトリブが塗布液タンクの塗布体側端面から連なって設けられているため、塗布液タンクの一端を前軸の貫通孔の塗布液タンク側開口部から挿入する際に、塗布液が前軸内壁面と塗布液タンク外壁面との間に漏れにくくなる。また、塗布液が当該エアタイトリブを越えてしまっても、塗布液タンクの塗布体側から2条目のエアタイトリブが存在するため、各エアタイトリブ間及び前軸内壁面との隙間に塗布液が収まり、塗布液が前軸内壁面と塗布液タンク外壁面との間で、エアタイトリブが設けられた範囲を越えて広がりにくく、接続状態を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】塗布具1の縦断面図
図2】前軸2の外観斜視図
図3図1のA部分拡大図
図4】中継部材7の外観斜視図
図5】塗布液タンク3の外観斜視図
図6図1のB部分拡大図
図7】第1の実施形態を一部変形した実施形態に係る図6相当図
図8】塗布具11の縦断面図
図9】塗布液タンク13の外観斜視図
図10図8のC部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降、図面を適宜参照しつつ、本発明に係る塗布具の実施形態について説明する。本発明は実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0010】
本発明の塗布具は、筆ペン、フェルトペン、マーキングペンなどの筆記具や描画用具、アイライナー、アイブロウ、アイシャドウなどの化粧用具、衛生消毒用などの薬液を塗布する医療用具などとして使用できる。本発明の塗布具は、用途に応じて任意の物性の塗布液を使用でき、例えば、25℃において、粘度が1.00mPa・s以上100mPa・s以下の比較的低粘度のものや、表面張力が20.0mN/m以上60.0mN/m以下の濡れ性が比較的高い塗布液を使用することができる。
【0011】
図1は、第1の実施形態に係る塗布具1の縦断面図である。塗布具1は化粧用具のアイライナーである。塗布具1は、前軸2と、塗布液タンク3とで少なくとも構成されている。その他、塗布体4、塗布液吸蔵体5、塗布液供給管6、中継部材7、後軸8、キャップ9などが配置されている。前軸2から塗布体4の一端が突出する方向を前方、その反対側を後方として説明する。また、塗布具1全体、前軸2、塗布液タンク3などの中心線が伸びる方向を軸方向として説明する。
【0012】
図2は前軸2の外観斜視図、図3図1のA部分拡大図である。前軸2はポリプロピレン樹脂製の成形品である。前軸2は円筒状の部材であり、軸方向に貫通した貫通孔2aが形成されている。前軸2の一端には、貫通孔2aに塗布液L1を塗布するための塗布体4が挿入されることで接続されている。前軸2の他端には、貫通孔2aに塗布液タンク3が挿入されることで接続されている。貫通孔2aは、塗布液タンク3内部に収容された塗布液L1が塗布体4へ供給されるための塗布液流路として機能する。
【0013】
塗布体4は、塗布液L1を被塗布面へ塗布するための部材である。本実施形態において塗布体4は、筆穂4aと、固定管4bと、中継芯4cとで構成されている。筆穂4aは、濡れ性に優れた比較的軟質なポリアミド繊維と、耐候性に優れた比較的硬質なポリブチレンテレフタレート繊維とからなる繊維収束体であり、人の肌に触れ眼球付近で繊細な操作性が求められるアイライナーの塗布体4として好ましい。固定管4bは筒状部材であり、軸方向両端が開口した部材である。固定管4bはポリプロピレン樹脂製の成形品である。
【0014】
筆穂4aは、前軸2の前方開口端部に、固定管4bを介して配置される。筆穂4aの後方端部には、中継芯4cが挿入されている。中継芯4cは、円柱状の繊維収束体である。筆穂4a及び中継芯4cには、塗布液L1が流通し吐出されるための複数の経路が多数存在する。その一部が、塗布液L1の吐出と同時になされる空気交換用の経路としても機能する。前軸2の前方には塗布体4を保護するキャップ10が着脱可能である。
【0015】
塗布体4は、本実施形態のように固定管4bを介して筆穂4aを前軸2に配置する他、固定管4bを設けずに筆穂4aを前軸2に直接配置したり、中継芯4cに相当する部位を筆穂4aに直接設けたりすることもできる。
【0016】
筆穂4aの材質は、成形性、塗布先乾燥性、書き味などを考慮して公知の材料を選択できる。繊維収束体としては、ポリアミド繊維、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなど)繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリアクリロニトリル繊維などの合成繊維や、ヤギ、羊、馬、リスなどの天然獣毛などを適宜選択できる。また、多孔質体としては、ウレタンやスポンジなどを適宜選択できる。
【0017】
本実施形態においては、中継芯4cの後方が塗布液吸蔵体5に挿入されている。塗布液吸蔵体5は、後述する塗布液供給管6から中継芯4cへ塗布液L1を供給するための部材である。また、塗布液L1が中継芯4cへ過剰に供給されないよう、一時的に塗布液L1を保持するバッファとしても機能するものである。塗布液吸蔵体5は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製の繊維収束体である。塗布液吸蔵体5は円柱状の部材であり、貫通孔2aに収容される。
【0018】
塗布液吸蔵体5の材質は、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなど)繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維などを束ねた繊維収束体や、ウレタンやスポンジなどの多孔質体を、適宜選択することができる。また、塗布液吸蔵体5は外周にフィルムを巻回することもできる。当該フィルムは例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の材質のものを用いることができる。
【0019】
本実施形態においては、塗布液供給管6の前方が塗布液吸蔵体5に挿入されている。塗布液供給管6は、塗布液タンク3から塗布体4側へ塗布液L1を自由状態で供給する塗布液供給路の一部を形成する部材である。塗布液供給管6はステンレス(SUS304)製の筒状部材であり、軸方向両端が開口し軸方向に貫通した部材である。
【0020】
塗布液供給管6の材質は、成形性や塗布液L1との反応性などを考慮して、ステンレス、鋼、真鍮、黄銅などの金属、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー、又はこれらの樹脂を含む複合材などを適宜選択することができる。
【0021】
塗布液吸蔵体5の内部には圧縮部5aが形成されている。圧縮部5aは、塗布液吸蔵体5に、塗布体4後方を構成する中継芯4c後方と、塗布液供給管6前方とが挿入され、塗布液吸蔵体5が、中継芯4c後方端面と塗布液供給管6前方端面とに押圧されることで形成される。圧縮部5aは、塗布液吸蔵体5における他の箇所よりも繊維が密集した箇所であるため、圧縮部5a以外の箇所よりも高い毛管力が作用することで、塗布液L1を塗布液供給管6から中継芯4cへと供給することができる。
【0022】
図4は、中継部材7の外観斜視図である。塗布液タンク3と、塗布液吸蔵体5及び塗布液供給管6との間には、中継部材7が配置されている。中継部材7は、ポリプロピレン樹脂製の筒状部材である。中継部材7は、塗布液タンク3から塗布体4側へ塗布液L1を自由状態で供給する塗布液供給路の一部を形成する貫通孔7aが形成された部材である。貫通孔7aは、中継部材7の軸方向両端が開口し軸方向に貫通して形成されている。中継部材7は、前軸2の後方開口端部から挿入され、圧入関係で前軸2と結合される。前軸2内の中継部材7が挿入される開口部近傍の内壁面には、周方向に延びる環状突起であるエアタイトリブが2条設けられており、前軸2と中継部材7とが圧入関係で結合されることにより、前軸2の内壁面と、中継部材7の外壁面とで、いわゆるエアタイトがなされる。なお、中継部材7は塗布液供給管6と一体に成型して1部品にて塗布液供給路を構成することもできる。
【0023】
前軸2の後方端部には、後軸8が接続される。後軸8はポリプロピレン樹脂製の成形品である。後軸8は円筒状の部材であり、軸方向の一端が閉塞し、他の一端が開口した有底の部材である。前軸2外壁の軸方向中腹には、周方向に延びる環状突起である鍔部が設けられている。また、前軸2外壁面であって鍔部より後方には、周状の突起である前軸2側嵌合部が設けられている。後軸8の内壁面には、周方向に延びる環状突起である後軸8側嵌合部が設けられている。後軸8の開口端部から、前軸2の後方が挿入され、前軸2側嵌合部と後軸8側嵌合部とが互いに乗り越えることで嵌合が完了し、前軸2と後軸8とが結合する。このとき、後軸8の開口端部の端面が前軸2の鍔部に当接することで、両部材の軸方向の位置決めができる。前軸2と後軸8とは、本実施形態のようないわゆる乗り越え嵌合の他、圧入関係や螺子螺合などの方法で適宜結合することができる。
【0024】
図5は塗布液タンク3の外観斜視図、図6図1のB部分拡大図である。塗布液タンク3の外壁面からは、塗布液タンク3の一端を貫通孔2aの塗布液タンク側開口部から挿入すると、前軸2の内壁面に気密に接触して前軸2と塗布液タンク3とを圧入状態で接続可能な、周方向に延びる環状突起であるエアタイトリブ3aが突出している。エアタイトリブ3aは複数設けられ、本実施形態においては2条設けられている。エアタイトリブ3aは3条以上設けることもできる。
【0025】
エアタイトリブ3aのうち、最も前方(塗布体4側)に位置するエアタイトリブ3aaは、塗布液タンク3の前方(塗布体4側)端面から連なって設けられている。そのため、塗布液タンク3の一端を貫通孔2aに挿入する際に、エアタイトリブ3aaと前軸2の内壁面との接触が早く、塗布液L1が前軸2内壁面と塗布液タンク3外壁面との間に漏れにくくなり好ましい。また、塗布液L1がエアタイトリブ3aaを乗り越えてしまっても、エアタイトリブ3aのうち塗布体4側から2条目に位置するエアタイトリブ3abが存在するため、エアタイトリブ3間及び前軸2内壁面との隙間に塗布液L1が収まり、塗布液L1が前軸2内壁面と塗布液タンク3外壁面との間で、エアタイトリブ3が設けられた範囲を越えて広がりにくくなり好ましい。
【0026】
塗布液タンク3のように有底円筒状の樹脂成形品は、円筒状の空洞が設けられたキャビティに、キャビティの空洞より小径の円柱状のピンが、挿入及び/又は配置され、キャビティとピンとの間に材料となる液体の樹脂を流し込み、樹脂が固まってからピンを引き抜くことで成形することができる。エアタイトリブ3aaが塗布液タンク3の前方端面から連なって設けられる形状にすると、いわゆるパーティングラインなどのバリや、段差などが発生し得るキャビティの端面を、エアタイトリブ3aaにおける塗布液タンク3径方向頂部を成形する部分として合わせることができる。仮にエアタイトリブ3aaの頂部に周方向に延びる環状のパーティングラインなどが発生しても、エアタイトリブ3aa自体は塗布液タンク3外壁面から径方向外側に向かってエアタイトの効果の発現に必要な長さを確保できる設計値で成形され、それにパーティングラインなどの分の径方向の長さが付加されるだけであるため、エアタイトの効果を阻害することがなく好ましい。
【0027】
塗布液タンク3の内部に収容される塗布液L1は、本実施形態のように自由状態で収納する他、繊維を収束させた吸蔵体に含浸させて収納することもできる。また、塗布液L1が収納された塗布液タンク3を、前軸2に対して着脱自在な所謂カートリッジ式塗布具のカートリッジとして用いることもできる。
【0028】
塗布液L1が自由状態で収容された塗布液タンク3の内部には、撹拌体9も収容することができる。本実施形態における撹拌体9は、ステンレス(SUS304)製の球体である。また、塗布液タンク3の内壁面からは、塗布液タンク3の長手方向に延びるリブ3bを突出させることもできる。塗布液タンク3の内壁面にリブ3bを設けることで、撹拌体9が塗布液タンク3内壁面に接着しにくくなり、自由状態の塗布液L1を十分に撹拌できる。よって、塗布液L1の組成や粘性に偏りが発生しにくくなるため、塗布液L1の流動性を安定させることができ、塗布液タンク3から塗布液L1が漏れにくくなり、両部材の接続状態を良好に保つことができ好ましい。また、塗布液タンク3の内壁面にリブ3bを設けることで、塗布液タンク3内壁面の表面積が大きくなるため、塗布液タンク3内壁面に塗布液L1が残留しにくく、液切れが良くなる。よって、塗布液L1の流動性をより安定させることができ好ましい。
【0029】
本実施形態においてリブ3bは、塗布液タンク3内壁面に4条設けられている。各リブ3bは周方向等間隔に離れて配置されている。リブ3bの数、長手方向の長さ、幅(周方向の長さ)、塗布液タンク3内壁面からの出長さ、形状などは、任意に設計することができる。
【0030】
エアタイトリブ3aと、リブ3bとが、塗布液タンク3の軸方向と直交する方向の横断面において、同一の横断面を構成しない関係であると好ましい。エアタイトリブ3aとリブ3bとがこのような関係であると、塗布液タンク3の同一箇所における内壁面及び外壁面の両方から突出して局所的に肉厚になる部分が発生しない。そのためエアタイトリブ3aに、いわゆるヒケが発生しにくくなり、エアタイトリブ3aを前軸2の内壁面に対して十分に密接させることができ、塗布液L1が漏れにくくなり好ましい。
【0031】
例えば本実施形態のように、リブ3bの前方端部が、塗布液タンク3の外壁面にエアタイトリブ3abが設けられている位置まで到達していない位置関係としたり、リブ3bを途切れさせて、塗布液タンク3の外壁面にエアタイトリブ3abとエアタイトリブ3aaとが設けられている範囲を避けつつ、エアタイトリブ3abとエアタイトリブ3aaとが設けられていない範囲にさらにリブ3bを設けたりすることもできる。
【0032】
リブ3bがエアタイトリブ3aの全域に亘って、塗布液タンク3の軸方向と直交する方向の横断面において同一の横断面を構成しない関係であると好ましい。また、リブ3bの前方端部が、塗布液タンク3内壁面であって、エアタイトリブ3aを形作る後方の傾斜面部分と同一の横断面を構成してしまう位置にわずかに到達してしまう程度は許容される。エアタイトリブ3aの頂部であって、最も前軸2内壁面に食い込んでエアタイトの効果の発現に寄与する部分と、同一の横断面を構成しなければよい。
【0033】
撹拌体9の、塗布液タンク3の径方向における最大外径部分(図6破線部分)と、リブ3bとが、塗布液タンク3の軸方向と直交する方向の横断面において、同一の横断面を構成する関係であると好ましい。撹拌体9の、塗布液タンク3の径方向における最大外径部分の外壁面は、塗布液タンク3の内壁面との間の距離が最も小さくなるため、撹拌体9の外壁面と塗布液タンク3の内壁面との間に存在する塗布液L1にかかる表面張力が大きくなり、一時的に塗布液L1の液膜が発生にしやすくなるところ、撹拌体9の最大外径部分と同一横断面を構成する範囲にリブ3bがあると、リブ3bの分だけ塗布液タンク3の内壁面の周方向距離を大きくすることができ、撹拌体9の外壁面と塗布液タンク3の内壁面との間に存在する塗布液L1にかかる表面張力を低減することができると考えられる。よって塗布液L1の液膜の発生を防止しやすくなるため、塗布液L1の流動性を安定させることができ、塗布液タンク3から塗布液L1が漏れにくくなり好ましい。
【0034】
本実施形態では、リブ3bを塗布液タンク3内壁面における塗布体4側端部まで伸ばしていない態様ではあるが、塗布液タンク3の開口端部に接続された中継部材7から塗布液タンク3内部に向かって突出した2本の突起7bによって、撹拌体9が塗布液タンク3内部で軸方向前方に移動可能な範囲を制限することで、塗布液タンク3内部でリブ3bが設けられている軸方向範囲と、撹拌体9の、塗布液タンク3の径方向における最大外径部分が塗布液タンク3内部で到達可能な軸方向範囲とが重複する範囲で常に、リブ3bと撹拌体9の塗布液タンク3の径方向における最大外径部分とが、塗布液タンク3の軸方向と直交する方向の横断面において、同一の横断面を構成する関係としている。また、突起7bによって、撹拌体9の塗布液タンク3内部における前方への移動可能な範囲を制限できていることで、リブ3bの前方端部を塗布液タンク3内壁面の前方に延ばし過ぎる必要がなく、塗布液タンク3の外壁面にエアタイトリブ3abが設けられている位置まで到達していない位置関係とすることも両立でき好ましい。
【0035】
図7は、第1の実施形態を一部変形した実施形態に係る図6相当図である。具体的には撹拌体9を円柱状にした場合の実施形態である。撹拌体9は球体の他、円柱状や角柱状など他の形状とすることもできる。円柱状の撹拌体9の場合、塗布液タンク3の径方向における最大外径部分は、撹拌体9が塗布液タンク3内部でとることができる撹拌体9の向きによって変化する。撹拌体9の長手方向距離より、塗布液タンク3内部の直径が大きい場合、撹拌体9は天面と底面が入れ替わるような回転も可能となるため、塗布液タンク3の径方向における撹拌体9の最大外径は、撹拌体9の長手方向距離となる。図7のように、撹拌体9の天面と底面が入れ替わるような回転が不可能な場合、塗布液タンク3の径方向における最大外径は、図7に図示した破線間となる。撹拌体9の塗布液タンク3の径方向における最大外径部分が、塗布液タンク3内部の移動可能な範囲に、リブ3が設けられていると好ましい。
【0036】
第1の実施形態では、より前方(塗布体4側)に位置するエアタイトリブ3aaの方が、エアタイトリブ3abより大きい力で前軸2の内壁面に接触している。このため、前軸2内壁面と塗布液タンク3外壁面との間で確実にエアタイトの効果を発現しつつも、エアタイトリブ3a全体では前軸2の内壁面に対して過剰に大きい力では接触していないため、塗布液タンク3の一端を貫通孔2aに挿入しやすくなり好ましい。
【0037】
本実施形態では、前軸2の内径(貫通孔2aの横断面の直径)が、前軸2の軸方向中腹であって、挿入される塗布液タンク3の端部が到達する位置より塗布体4側から、塗布液タンク3の一端を挿入する開口端部に向かって、徐々に大きくなっている。塗布液タンク3の外径であってエアタイトリブ3aが設けられている軸方向範囲は同一の大きさになっており、エアタイトリブ3aa及びエアタイトリブ3abの塗布液タンク3外壁面からの出長さも同一である。よって、貫通孔2aに塗布液タンク3の一端を挿入すると、より塗布体4側に位置するエアタイトリブ3aaの方が、エアタイトリブ3abより大きい力で前軸2の内壁面に接触することとなる。他にも、前軸2の内径を軸方向で一定にし、塗布液タンク3の外径を塗布体4側端部に向かって徐々に大きくしたり、エアタイトリブ3aaの塗布液タンク3外壁面からの出長さを、エアタイトリブ3abの出長さより大きくしたりするなど、塗布液タンク3の外径のうちエアタイトリブ3aaが設けられている位置の外径を、エアタイトリブ3abが設けられている位置の外径より大きくすることで、より塗布体4側に位置するエアタイトリブ3aaをエアタイトリブ3abより大きい力で前軸2内壁面に接触させることができる。
【0038】
図8は第2の実施形態に係る塗布具11の縦断面図である。塗布具11は塗布具1と同じく、化粧用具のアイライナーである。塗布具11は、前軸12と、塗布液タンク13とで少なくとも構成されている。その他、塗布体14、塗布液吸蔵体15、塗布液供給管16、中継部材17、後軸18、キャップ19などが配置されている。第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0039】
図9は塗布液タンク13の外観斜視図、図10図8のC部分拡大図である。塗布液タンク13の外壁面からは、塗布液タンク13の一端を貫通孔12aの塗布液タンク13側開口部から挿入すると、前軸12の内壁面に気密に接触して前軸12と塗布液タンク13とを圧入状態で接続可能な、周方向に延びる環状突起であるエアタイトリブ13aが突出している。エアタイトリブ13aは複数設けられ、本実施形態においても2条設けられている。エアタイトリブ13aは3条以上設けることもできる。
【0040】
塗布液タンク13の外壁面には、エアタイトリブ13aから塗布体14側の反対側に(エアタイトリブ13abの後方に)、塗布液タンク13外壁面と前軸12内壁面との間の径方向距離を一定範囲内に保つ突起13bが設けられている。塗布液タンク13の一端を貫通孔12aに挿入した際に、エアタイトリブ13を支点として塗布液タンク13外壁面と前軸12内壁面との接触及び離間を繰り返すようなガタつきに対して、当該突起13bが前軸2内壁面に接触することで、塗布液タンク13外壁面と前軸12内壁面との間の径方向距離を一定範囲内に保つことができ、ガタつきを低減し、両部材の接続状態を良好に保つことができ好ましい。
【0041】
本実施形態で突起13bは、塗布液タンク13の周方向に延びる環状の突起であり、塗布液タンク13外壁面からの出長さが全周に亘って一定であるため、前軸2内壁面に対して、塗布液タンク13の径方向全方位のガタつきを低減することができ好ましい。また、本実施形態で突起13bは、塗布液タンク13の一端を貫通孔12aに挿入した際に、前軸2内壁面に常時接触しているため、塗布液タンク13と前軸2とを接続した状態で、前軸2内壁面と突起13bの頂部との間に隙間が生じず、ガタつきを発生させないか、ガタつきを大きく低減することができ好ましい。他にも、突起13bは周方向に亘って連続させず、複数個所に点在させることもできる。この場合、全ての突起13bを塗布液タンク13の同一横断面上に設けてもよく、それぞれが塗布液タンク13の同一横断面を構成しない位置に設けてもよい。また、突起13bの塗布液タンク13外壁面からの出長さを、塗布液タンク13と前軸2とを接続した状態で、前軸2内壁面と突起13bの頂部との間にわずかに隙間が生じる程度にしても、塗布液タンク3の変位量を減らしガタつきを低減することができ好ましい。
【0042】
塗布液L2が自由状態で収容された塗布液タンク13の内部には、撹拌体19も収容することができる。本実施形態における撹拌体19は、ステンレス(SUS304)製の球体である。また、塗布液タンク13の内壁面からは、軸方向に延びるリブ13cを突出させることもできる。塗布液タンク13の内壁面にリブ13cを設けることで、撹拌体19が塗布液タンク13内壁面に接着しにくくなり、自由状態の塗布液L2を十分に撹拌できる。よって、塗布液L2の組成や粘性に偏りが発生しにくくなるため、塗布液L2の流動性を安定させることができ、塗布液タンク13から塗布液L2が漏れにくくなり好ましい。
【0043】
本実施形態においてリブ13cは、塗布液タンク13内壁面に4条設けられている。各リブ13cは周方向等間隔に離れて配置されている。リブ13cの数、軸方向の長さ、幅(周方向の長さ)、塗布液タンク13内壁面からの出長さ、形状などは、任意に設計することができる。
【0044】
エアタイトリブ13aと、リブ13cとが、塗布液タンク13の軸方向と直交する方向の横断面において、同一の横断面を構成しない関係であると好ましい。エアタイトリブ13aとリブ13cとがこのような関係であると、塗布液タンク13の同一箇所における内壁面及び外壁面の両方から突出して局所的に肉厚になる部分が発生しない。そのためエアタイトリブ13aに、いわゆるヒケが発生しにくくなり、エアタイトリブ13aを前軸12の内壁面に対して十分に密接させることができ、塗布液L2が漏れにくくなり好ましい。
【0045】
例えば本実施形態のように、リブ13cの前方端部が、塗布液タンク13の外壁面に、突起13bが設けられている位置を通過して、エアタイトリブ13abが設けられている位置まで到達していない位置関係としたり、リブ13cを途切れさせて、塗布液タンク13の外壁面にエアタイトリブ13abとエアタイトリブ13aaとが設けられている範囲を避けつつ、エアタイトリブ13abとエアタイトリブ13aaとが設けられていない範囲にさらにリブ13cを設けたりすることもできる。
【0046】
撹拌体19の、塗布液タンク13の径方向における最大外径部分(図11破線部分)と、リブ13cとが、塗布液タンク13の軸方向と直交する方向の横断面において、同一の横断面を構成する関係であると好ましい。撹拌体19の、塗布液タンク13の径方向における最大外径部分の外壁面は、塗布液タンク13の内壁面との間の距離が最も小さくなるため、撹拌体19の外壁面と塗布液タンク13の内壁面との間に存在する塗布液L2にかかる表面張力が大きくなり、一時的に塗布液L2の液膜が発生にしやすくなるところ、撹拌体19の最大外径部分と同一横断面を構成する範囲にリブ13cがあると、リブ13cの分だけ塗布液タンク13の内壁面の周方向距離を大きくすることができ、撹拌体19の外壁面と塗布液タンク13の内壁面との間に存在する塗布液L2にかかる表面張力を低減することができると考えられる。よって塗布液L2の液膜の発生を防止しやすくなるため、塗布液L2の流動性を安定させることができ、塗布液タンク13から塗布液L2が漏れにくくなり好ましい。
【0047】
本実施形態でも、より前方(塗布体14側)に位置するエアタイトリブ13aaの方が、エアタイトリブ13abより大きい力で前軸12の内壁面に接触している。このため、前軸12内壁面と塗布液タンク13外壁面との間で確実にエアタイトの効果を発現しつつも、エアタイトリブ13a全体では前軸12の内壁面に対して過剰に大きい力では接触していないため、塗布液タンク13の一端を貫通孔12aに挿入しやすくなり好ましい。
【0048】
本実施形態では、前軸12の内径(貫通孔12aの横断面の直径)が、前軸12の軸方向中腹であって、挿入される塗布液タンク13の端部が到達する位置より塗布体14側から、塗布液タンク13の一端を挿入する開口端部に向かって、徐々に大きくなっている。塗布液タンク13の外径であってエアタイトリブ13aが設けられている軸方向範囲は同一の大きさになっており、エアタイトリブ13aa及びエアタイトリブ13abの塗布液タンク13外壁面からの出長さも同一である。よって、貫通孔12aに塗布液タンク13の一端を挿入すると、より塗布体14側に位置するエアタイトリブ13aaの方が、エアタイトリブ13abより大きい力で前軸12の内壁面に接触することとなる。他にも、前軸12の内径を軸方向で一定にし、塗布液タンク13の外径を塗布体14側端部に向かって徐々に大きくしたり、エアタイトリブ13aaの塗布液タンク13外壁面からの出長さを、エアタイトリブ13abの出長さより大きくしたりするなど、塗布液タンク13の外径のうちエアタイトリブ13aaが設けられている位置の外径を、エアタイトリブ13abが設けられている位置の外径より大きくすることで、より塗布体14側に位置するエアタイトリブ13aaをエアタイトリブ13abより大きい力で前軸12内壁面に接触させることができる。
【0049】
各実施形態に係る、各樹脂成形品の材質は、成形性や塗布液Lとの反応性などを考慮して、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー、またはこれらの樹脂を含む複合材などを適宜選択することができる。また、使用する塗布液Lに応じて、反応性や透過性などを考慮して、各部材の内壁面及び/又は外壁面に各種のコーティングや印刷などを施すこともできる。
【符号の説明】
【0050】
1 塗布具
2 前軸
2a 貫通孔
3 塗布液タンク
3a エアタイトリブ
3aa エアタイトリブ
3ab エアタイトリブ
3b リブ
4 塗布体
4a 筆穂
4b 固定管
4c 中継芯
5 塗布液吸蔵体
5a 圧縮部
6 塗布液供給管
7 中継部材
7a 貫通孔
7b 突起
8 後軸
9 撹拌体
10 キャップ
11 塗布具
12 前軸
12a 貫通孔
13 塗布液タンク
13a エアタイトリブ
13aa エアタイトリブ
13ab エアタイトリブ
13b 突起
13c リブ
14 塗布体
14a 筆穂
14b 固定管
14c 中継芯
15 塗布液吸蔵体
15a 圧縮部
16 塗布液供給管
17 中継部材
17a 貫通孔
17b 突起
18 後軸
19 撹拌体
20 キャップ
L1 塗布液
L2 塗布液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10