(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066492
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】カード玩具
(51)【国際特許分類】
A63F 1/02 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
A63F1/02 C
A63F1/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184237
(22)【出願日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2022175174
(32)【優先日】2022-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】522243314
【氏名又は名称】伊勢屋 菜恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】伊勢屋 菜恵子
(57)【要約】 (修正有)
【課題】漢字を用いて学習用にも使えるカード玩具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のカード玩具1は、複数のカード10を有しているカード玩具1であって、カード10は、複数の漢字10aが記載されている。複数のカード10における任意の一のカード10Aと他のカード10Bにおいて、複数の漢字10aのうち少なくとも一つの漢字10a´が相互に共通することにより、任意の一のカード10Aと他のカード10Bにおいて共通の漢字10a´が何かを探しながら漢字の学習をすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカードを有しているカード玩具であって、
前記カードは、複数の漢字が記載されていることを特徴とするカード玩具。
【請求項2】
前記複数のカードにおける任意の一の前記カードと他の前記カードにおいて、前記複数の漢字のうち少なくとも一つの漢字が相互に共通することを特徴とする請求項1に記載のカード玩具。
【請求項3】
前記カードの内側には、所定の形状の複数の切り込み部が設けられた所定の形状部が形成されるとともに、隣り合う前記切り込み部の相互間には、前記所定の形状部と周辺部とを連続させる連続部が形成され、前記所定の形状部を押圧することにより前記連続部を破断させ前記所定の形状部を前記周辺部から分離させ、前記所定の形状部に穴を形成することを特徴とする請求項1に記載のカード玩具。
【請求項4】
前記カードの中央部は、3の円弧状の切り込み部が設けられて円形部をなしているとともに、前記隣り合う切り込み部の相互間には、前記円形部と前記周辺部とを連続させる3の連続部が形成され、前記円形部を押圧することにより前記連続部を破断させ前記円形部を前記周辺部から分離させ、前記中央部に穴を形成することを特徴とする請求項1に記載のカード玩具。
【請求項5】
前記円形部を押圧することにより前記連続部を破断させたときの押圧力は、所定の値とすることを特徴とする請求項4に記載のカード玩具。
【請求項6】
前記所定の値は、2.5N~6Nとすることを特徴とする請求項5に記載のカード玩具。
【請求項7】
前記所定の値は、所定の押圧器具により前記円形部を押圧することにより前記連続部を破断させたときの押圧力の測定値であり、
前記押圧器具は、前記円形部を押圧するための軸状体と、前記軸状体を軸方向に可動するように操作するための操作部と、前記カードを載置する載置部と、前記押圧力の測定値を測定するための測定部と、を有し、前記軸状体の先端部は、弾性体が覆うように設けられ、前記載置部は、板状で前記カードの円形部の外径寸法よりも大きい寸法の穴が設けられ、
前記測定部による前記押圧力の測定値は、前記カードの円形部の円周部分が前記載置部の穴の内側に位置するように前記載置部に前記カードを載置しつつ前記カードの前記円形部の外側の領域を前記載置部の前記穴の外側の領域で支持した状態として前記操作部により前記軸状体を軸方向に所定の速度で可動するように操作して前記弾性体が設けられた先端部で前記円形部の所定の押圧位置を押し当てて前記3の連続部が全て前記円形部と前記周辺部とを連続させた状態から一の連続部のみが破断した状態となったときの押圧力の測定値を前記所定の値とすることを特徴とする請求項5に記載のカード玩具。
【請求項8】
前記弾性体は、ゴムとすることを特徴とする請求項7に記載のカード玩具。
【請求項9】
前記ゴムは、ウレタンゴムとすることを特徴とする請求項8に記載のカード玩具。
【請求項10】
前記弾性体のシェア硬さは、40~60とすることを特徴とする請求項7に記載のカード玩具。
【請求項11】
前記円形部の所定の押圧位置は、前記円形部の中心から破断させる前記一の連続部との間の位置であり、前記位置に前記軸状体の軸中心がくるように前記軸状体を前記円形部に押し当てることを特徴とする請求項7に記載のカード玩具。
【請求項12】
前記押圧位置は、前記円形部の中心から前記一の連続部に至る半径方向の位置とすることを特徴とする請求項7に記載のカード玩具。
【請求項13】
前記押圧位置から前記円形部の中心までの距離に対する前記押圧位置から前記一の連続部までの距離の比は、1.0~1.5とすることを特徴とする請求項7に記載のカード玩具。
【請求項14】
前記軸状体の所定の速度は、1.0~2.0mm/sとすることを特徴とする請求項7に記載のカード玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード玩具に関し、特に、複数のカードを有しているカード玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
トランプやかるた、花札等の各種のカード玩具が老若男女を問わず広く親しまれている。特許文献1には、nからm(m>n自然数)までの連続した数字がそれぞれ記載された複数枚のカードの組1、2が2組備えられ、各組の数字の色は統一され、更に各組同士の数字の色は互いに異なるカード玩具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、漢字を用いて学習用にも使えるカード玩具の提供が求められていた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、漢字を用いて学習用にも使えるカード玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のカード玩具は、複数のカードを有しているカード玩具であって、前記カードは、複数の漢字が記載されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、カードは、複数の漢字が記載されていることにより、漢字を用いて学習用にも使えるカード玩具を提供することができる。
【0008】
前記複数のカードにおける任意の一の前記カードと他の前記カードにおいて、前記複数の漢字のうち少なくとも一つの漢字が相互に共通することにより、任意の一のカードと他のカードにおいて共通の漢字が何かを探しながら漢字の学習をすることができる。
【0009】
前記カードの内側には、所定の形状の複数の切り込みが設けられた所定の形状部が形成されるとともに、隣り合う前記切り込み部の相互間には、前記所定の形状部と周辺部とを連続させる連続部が形成され、前記所定の形状部を押圧することにより前記連続部を破断させ前記所定の形状部を前記周辺部から分離させ、前記所定の形状部に穴を形成することができる。
より詳しくは、前記カードの中央部は、3の円弧状の切り込み部が設けられて円形部をなしているとともに、前記隣り合う切り込み部の相互間には、前記円形部と前記周辺部とを連続させる3の連続部が形成され、前記円形部を押圧することにより前記連続部を破断させ前記円形部を前記周辺部から分離させ、前記中央部に穴を形成することができる。
【0010】
すなわち、円弧状の2の切り込み部が設けられて連続部が2の場合は、円形部を押圧することなく、商品の輸送等の振動程度で円形部が周辺部から分離する恐れがあり、円弧状の4の切り込み部が設けられて連続部が4の場合は、連続部を破断させる押圧力が過度に大きくなる恐れがある。
【0011】
つまり、本発明のカード玩具は、円弧状の3の切り込み部が設けられて連続部が3の場合は、商品の輸送等の振動程度で分離することがなく、かつ、押圧力が過度に大きくなることもなく、連続部を破断させる押圧力を適度なものとすることができる。
【0012】
前記円形部を押圧することにより前記連続部を破断させたときの押圧力は、所定の値とすることができ、前記所定の値は、2.5N~6Nとすることができる。
【0013】
すなわち、本発明のカード玩具は、漢字教育を受ける小学校1年生から3年生を対象にすることとしているが、押圧器具の押圧力を、2.5N~6Nとすることで、平均的な小学校1年生から3年生が通常の押圧力よりも若干大きな押圧力で破断させることができ、手指の適度な運動になる等、対象とする小学校1年生から3年生の知力および体力の成長にも繋がることが期待される。
【0014】
前記所定の値は、所定の押圧器具により前記円形部を押圧することにより前記連続部を破断させたときの押圧力の測定値であり、前記押圧器具は、前記円形部を押圧するための軸状体と、前記軸状体を軸方向に可動するように操作するための操作部と、前記カードを載置する載置部と、前記押圧力の測定値を測定するための測定部と、を有し、前記軸状体の先端部は、弾性体が覆うように設けられ、前記載置部は、板状で前記カードの円形部の外径寸法よりも大きい寸法の穴が設けられ、前記測定部による前記押圧力の測定値は、前記カードの円形部の円周部分が前記載置部の穴の内側に位置するように前記載置部に前記カードを載置しつつ前記カードの前記円形部の外側の領域を前記載置部の前記穴の外側の領域で支持した状態として前記操作部により前記軸状体を軸方向に所定の速度で可動するように操作して前記弾性体が設けられた先端部で前記円形部の所定の押圧位置を押し当てて前記3の連続部が全て前記円形部と前記周辺部とを連続させた状態から一の連続部のみが破断した状態となったときの押圧力の測定値を前記所定の値とすることができる。
【0015】
前記弾性体は、ゴムとすることにより、より詳しくは、前記ゴムは、ウレタンゴムとすることにより、人の指の弾力性や感触等を模擬した押圧器具とすることができ、押圧器具による押圧力の測定値を人が指で押したときの押圧力に近づけることができる。
【0016】
前記弾性体のシェア硬さは、40~60とすることにより、人の指の弾力性や感触等を更に模擬することができる。
【0017】
前記円形部の所定の押圧位置は、前記円形部の中心から破断させる前記一の連続部との間の位置であり、前記位置に前記軸状体の軸中心がくるように前記軸状体を前記円形部に押し当てることができる。
【0018】
前記押圧位置は、前記円形部の中心から前記一の連続部に至る半径方向の位置とすることができる。
【0019】
前記押圧位置から前記円形部の中心までの距離に対する前記押圧位置から前記一の連続部までの距離の比は、1.0~1.5とすることができる。
【0020】
前記軸状体の所定の速度は、1.0~2.0mm/sとすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、漢字を用いて学習用にも使えるカード玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係るカード玩具の構成を示す平面図で、(a)は、表面側の構成を示す平面図、(b)は、裏面側の構成を示す平面図、(c)は、正面図である。
【
図2】同カード玩具におけるカードの各部寸法を示す図で、(a)は、平面図、(b)は、正面図、(c)は、カードの円形部を拡大して示す平面図である。
【
図3】同カード玩具におけるカードの断面構造を示す図で、(a)は、
図2(a)のA-A側面断面図、(b)は、
図2(a)のB-B側面断面図、(c)は、
図2(a)のC-C側面断面図である。平面図、(b)は、正面図、(c)は、カードの円形部を拡大して示す平面図である。
【
図4】(a)は、同カード玩具における一のカードの裏面側の構成を示す平面図、(b)は、他のカードの裏面側の構成を示す平面図である。
【
図5】同カード玩具におけるカードの円形部の分離方法を説明するための図で、(a)は一の連続部を破断させた状態を示す側面図、(b)は円形部を分離させた状態を示す側面図である。
【
図6】同カード玩具におけるカードの連結部が破断するときの押圧力を測定するための押圧器具の構成を示す正面図である。
【
図7】同押圧器具の載置部の構成を示す図で、(a)は、平面図、(b)は、正面断面図である。
【
図8】同押圧器具によるカードの連結部の破断方法を示す図で、(a)は、平面図、(b)は、正面断面図である。
【
図9】同押圧器具によるカードの連結部の破断方法を示す
図7に続く図である。
【
図10】同押圧器具によるカードの連結部の破断方法を示す
図8に続く図である。
【
図11】同押圧器具によりカードの連結部を破断させたときの押圧力のデータを示すグラフである。
【
図12】同押圧力のデータの正規分布を示すグラフである。
【
図13】同押圧力のデータの時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るカード玩具の構成を示す図、
図2は、同カード玩具におけるカードの各部寸法を示す図、
図3は、同カード玩具におけるカードの断面構造を示す図、
図4は、同カード玩具における一のカードと他のカードの裏面側の構成を示す平面図、
図5は、同カード玩具におけるカードの円形部の分離方法を説明するための図、
図6は、同カード玩具におけるカードの連結部が破断するときの押圧力を測定するための押圧器具の構成を示す正面図、
図7は、同押圧器具の載置部の構成を示す図、
図8は、同押圧器具によるカードの連結部の破断方法を示す図、
図9は、同押圧器具によるカードの連結部の破断方法を示す
図7に続く図、
図10は、同押圧器具によるカードの連結部の破断方法を示す
図8に続く図、
図11は、同押圧器具によりカードの連結部を破断させたときの押圧力のデータを示すグラフ、
図12は、同押圧力のデータの正規分布を示すグラフ、
図13は、同押圧力のデータの時間変化を示すグラフである。
【0024】
図1乃至
図3を参照して本発明のカード玩具1の概要を説明すると、カード玩具1は、紙製であり、複数のカード10を有するカード玩具である。カード玩具1は、カード10を例えば55枚有しており、様々なカードゲームを行うことができる。
【0025】
カード10は、外形が略正方形となっている。カード10は、角部10cが外側に突出する円弧状となっており、角部10cが丸みを帯びた形状となっている。カード10は、縦寸法Aおよび横寸法Bが5~10cmより詳しくは6~8cm更に詳しくは7cmであり、重量は、0.5~2.5gより詳しくは1.0~2.0g更に詳しくは1.5gとなっている。カード10は、紙製であり、表面10´および裏面10´´がエンボス加工されている。
【0026】
カード10は、表面10´および裏面10´´に通し番号10bおよび複数の漢字10aが記載されている。
【0027】
通し番号10bは、カード1の中央部11の表面10´および裏面10´´のいずれにも記載されている。表面10´の通し番号10bは、算用数字であり、裏面10´´の通し番号10bは、漢数字となっている。通し番号10bは、カード10の枚数が55枚の場合、1~55であり、1枚目のカード10は、表面10´の中央部11に「1」が記載され、裏面10´の中央部11に「一」と記載されている。また、55枚目のカード10は、表面10´の中央部11に「55」が記載され、裏面10´の中央部11に縦書きで「五十五」と記載されている。
【0028】
漢字10aは、カード10の周辺部12の表面10´および裏面10´´のいずれにも複数記載されている。
【0029】
カード10の表面10´には、下部側に3の漢字10aが記載されている。また、カード10の裏面10´´には、8の漢字10aが記載されている。裏面10´´の8の漢字10aは、放射状にかつ45°の均等間隔で並ぶように記載されている。裏面10´´の8の漢字は、相互に色が異なっている。
【0030】
複数のカード10における任意の一のカード10Aと他のカード10Bの裏面10´´側においては、
図4に示すように、複数より詳しくは8の漢字10aのうち少なくとも一つの漢字10a´が相互に共通している。カード10に記載されている漢字10aは、小学校学習指導要領における学年別漢字配当表の第1学年乃至第3学年の漢字となっている。
【0031】
カード10の内側の中央部11には、所定の形状の複数の切り込み部15が設けられた所定の形状部13が形成されるとともに、隣り合う切り込み部15の相互間には、所定の形状部13と周辺部12とを連続させる連続部14が形成され、所定の形状部13を押圧することにより連続部14を破断させ所定の形状部13を周辺部12から分離させ、所定の形状部13に穴13´を形成することができる。
より詳しくは、カード10の中央部11には、3の円弧状で線状の切り込み部15が設けられている。この3の円弧状で線状の切り込み部15により、カード10の中央部11は、円形部13をなしている。隣り合う切り込み部15の端部15aの相互間には、円形部13と周辺部12とを連続させる3の連続部14が形成されている。このため、
図5に示すように、円形部13を押圧することにより連続部14を破断させ円形部13を周辺部12から分離させ、中央部に穴13´を形成することができる。
【0032】
すなわち、円弧状の2の切り込み部15が設けられて連続部14が2の場合は、円形部13を押圧することなく、商品の輸送等の振動程度で円形部13が周辺部12から分離する恐れがあり、円弧状の4の切り込み部12が設けられて連続部14が4の場合は、連続部14を破断させる押圧力が過度に大きくなる恐れがある。
【0033】
つまり、本発明のカード玩具1は、円弧状の3の切り込み部15が設けられて連続部14が3の場合は、商品の輸送等の振動程度で分離することがなく、かつ、押圧力が過度に大きくなることもなく、連続部14を破断させる押圧力を適度なものとすることができる。
【0034】
なお、連続部14は、幅寸法Cが0.5~1.5mmより詳しくは0,7~1.3mm更に詳しくは1mm、厚みDが0.25~0.4mmより詳しくは0.3~0.35mm更に詳しくは0.33mmに設定されている。3の連続部14は、120°の等間隔で形成されている。また、カード10の中央部11より詳しくは円形部13は、直径Eが2~3cmより詳しくは2.2~2.8cm更に詳しくは2.5cmに設定されている。
【0035】
このように構成されたカード玩具1により、任意の一のカード10Aと他のカード10Bにおいて、裏面10´´側の共通する漢字10a´を見付けて円形部13が分離された穴13´から共通する漢字10a´を翳したり、カード10を手裏剣の如く投げて輪投げのように遊ぶことができる。
【0036】
ここで、円形部13を押圧することにより連続部14を破断させたときの押圧力は、所定の値となっている。より詳しくは、所定の値は、2.5N~6Nとなっている。
【0037】
すなわち、本発明のカード玩具1は、使用する対象者を小学校1年生から3年生とすることとしているが、押圧器具100の押圧力を、2.5N~6Nとすることで、平均的な小学校1年生から3年生が通常の押圧力よりも若干大きな押圧力で破断させることができ、手指の適度な運動になる等、対象とする小学校1年生から3年生の知力および体力の成長にも繋がることが期待される。
【0038】
所定の値は、
図6および
図7に示す所定の押圧器具100により円形部13を押圧することにより連続部14を破断させたときの押圧力の測定値であり、この押圧力は、平均的な小学校1年生から3年生が通常の押圧力よりも若干大きな押圧力で破断させることができる押圧力となっている。
【0039】
この押圧力を測定するための押圧器具100は、次のような構成となっている。
【0040】
すなわち、押圧器具100は、
図6および
図7に示すように、円形部13を押圧するための軸状体101と、軸状体101を軸方向(上下方向)に可動するように操作するための操作部102と、カード10を載置する載置部103と、押圧力の測定値を測定するための測定部104と、を有している。軸状体101の先端部101aには、弾性体101bが覆うように設けられている。弾性体101bは、ゴムとし、ゴムは、ウレタンゴムとなっている。
【0041】
弾性体101bのシェア硬さは、40~60より詳しくは45~55更に詳しくは50とすることとしている。また、載置部103は、板状で、カード10の円形部13の外径寸法Eよりも大きい寸法Fの穴103aが設けられている。
【0042】
つまり、測定部104による押圧力の測定値は、以下のように測定することができる。
【0043】
まず、
図8に示すように、カード10の円形部13の円周部分13aが載置部103の穴103aの内側に位置するように載置部103にカード10を載置する。
【0044】
そして、
図9に示すように、カード10の円形部13の外側の領域つまり周辺部12を載置部103の穴103aの外側の領域103a´で支持した状態として操作部102により軸状体101を軸方向(上下方向)に所定の速度で可動するように操作して弾性体101bが設けられた先端部101aで円形部13の所定の押圧位置Xを押し当てる。
【0045】
これにより、3の連続部14が全て円形部13と周辺部12とを連続させた状態から一の連続部14のみが破断した状態とする。このように3の連続部14が全て円形部13と周辺部12とを連続させた状態から一の連続部14のみが破断した状態となったときの押圧力の測定値を所定の値とすることとする。
【0046】
円形部13の所定の押圧位置Xは、円形部13の中心Oから破断させる一の連続部14との間の位置Xであり、押圧位置Xに軸状体101の軸中心101´がくるように軸状体101を円形部13に押し当てる。
【0047】
押圧位置Xは、円形部13の中心Oから一の連続部14に至る半径方向Rの位置Xとしており、数1に示される押圧位置Xから円形部13の中心Oまでの距離Y(5.5cm)に対する押圧位置Xから一の連続部13までの距離Z(7cm)の比Gは、1.0~1.5より詳しくは1.1~1.4更に詳しくは1.27としている。
[数1]
G=Z/Y
【0048】
また、操作部102により軸方向(上下方向)に可動する軸状体101の所定の速度は、1.0~2.0mm/sとしている。
【0049】
操作部102により軸方向(上下方向)に可動する軸状体101の所定の速度は、1.0~2.0m/sより詳しくは1.2~1.8m/s更に詳しくは1.5mm/sとしており、弾性体101bが設けられた軸状体101の先端部101aの外径は、5~15mmより詳しくは7~13mm更に詳しくは10mmとしている。
【0050】
このように構成された押圧器具100により測定された3の連続部14が全て円形部13と周辺部12とを連続させた状態から一の連続部14のみが破断した状態となったときの押圧力の測定値は、
図10乃至
図12のように示される。これらの図に示すように、押圧力の測定値は、2.5~6Nとなっており、平均値は、3.96N、標準偏差は0.58、軸状体101の先端101aがカード10の円形部13の表面に接触して破断に至るまでの時間は6秒であった。
【0051】
以上説明したように、本発明によれば、カード10は、複数の漢字10aが記載されていることにより、漢字10aを用いて学習用にも使えるカード玩具1を提供することができる。
【0052】
また、複数のカード10における任意の一のカード10と他のカード10において、複数の漢字10aのうち少なくとも一つの漢字10a´が相互に共通することにより、任意の一のカード10と他のカード10において共通の漢字10a´が何かを探しながら漢字10aの学習をすることができる。
【0053】
更に、カード10は、外形が略正方形で縦寸法Aおよび横寸法Bが5~10cmより詳しくは6~8cm更に詳しくは7cmとすることにより、平均的な小学校1年生から3年生の手の大きさに対しては、カード10の寸法が若干大きく設定されており、敢えてハンドリングし辛い寸法となっている。つまり、このように敢えてハンドリングし辛い寸法とすることにより、対象としている小学校1年生から3年生の手指の良い運動にもなり、知力および体力の成長にも繋がることが期待される。
【0054】
更にまた、カード10は、の円形部13の直径Eが2~3cmより詳しくは2.2~2.8cm更に詳しくは2.5cmに設定されており、円形部13を分離して穴13´を形成したときには、穴13´の寸法は、対象としている小学校1年生から3年生が穴13´に指を差し込んで遊ぶ際には適合した寸法となっている。
【0055】
また更に、押圧器具100の軸状体101の先端101aに設けられた弾性体101bは、ゴムとすることにより、より詳しくは、ゴムは、ウレタンゴムとすることにより、人の指の弾力性や感触等を模擬した押圧器具100とすることができ、押圧器具100による押圧力の測定値を人が指で押したときの押圧力に近づけることができる。
【0056】
また、弾性体101bのシェア硬さは、40~60とすることにより、人の指の弾力性や感触等を更に模擬することができる。
【0057】
なお、上述した実施形態にあっては、所定の値は、2.5N~6Nとすることとし、押圧器具100により円形部13を押圧することにより連続部14を破断させたときの押圧力の測定値とすることとしているが他の構成の押圧器具により押圧したときには押圧力の測定値は変わり得る。
【0058】
すなわち、他の押圧器具100やその他の機器等により、円形部13を押圧することにより3の連続部14が全て円形部13と周辺部12とを連続させた状態から一の連続部14のみが破断した状態となったときの押圧力の測定値が2.5N~6Nとなる場合であっても本実施形態の押圧器具100と同様の構成の押圧器具100で同様の方法により円形部13を押圧することにより3の連続部14が全て円形部13と周辺部12とを連続させた状態から一の連続部14のみが破断した状態となったときの押圧力の測定値が2.5~6Nとなった場合には本発明の特許請求の範囲に含まれるものと解釈される。
【0059】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
【0060】
例えば、上述した実施形態にあっては、カード10の中央部11は、3の円弧状の切り込み部15が設けられて円形部13をなしているとともに、隣り合う切り込み部15の相互間には、円形部13と周辺部12とを連続させる3の連続部14が形成され、円形部13を押圧することにより連続部14を破断させ円形部13を周辺部12から分離させ、中央部11に穴13´を形成することとしているが、「カード10の中央部11」、「円弧状の切り込み部15」、「円形部13」に限定されない。
【0061】
すなわち、「カード10の中央部11」は、「カード10の内側」であればよく、カード10の縁部や隅部等であってもよい。また、「円弧状の切り込み部15」は、「所定の形状の切り込み部15」であればよく、直線状や他の曲線状等であってもよい。更に、「円形部13」は、「所定の形状部13」であればよく、楕円形や矩形状、星形等であってもよい。
【0062】
つまり、上述したように、カード10の内側の中央部11には、所定の形状の複数の切り込み部15が設けられた所定の形状部13が形成されるとともに、隣り合う切り込み部15の相互間には、所定の形状部13と周辺部12とを連続させる連続部14が形成され、所定の形状部13を押圧することにより連続部14を破断させ所定の形状部13を周辺部12から分離させ、所定の形状部13に穴13´を形成することとしてよい。
【0063】
ただし、カード10の中央部11は、3の円弧状の切り込み部15が設けられて円形部13をなしているとともに、隣り合う切り込み部15の相互間には、円形部13と周辺部12とを連続させる3の連続部14が形成され、円形部13を押圧することにより連続部14を破断させ円形部13を周辺部12から分離させ、中央部11に穴13´を形成することがより好ましい実施形態となることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0064】
A:カードの縦寸法
B:カードの横寸法
C:連続部の幅寸法
D:連続部の厚み
E:円形部の外形寸法
F:穴の寸法
G:比
O:中心
X:押圧位置
Y:距離
Z:距離
1:カード玩具
10:カード
10A:一のカード
10B:他のカード
10a:漢字
10a´:共通する漢字
10b:通し番号
10c:角部
10´:表面
10´´:裏面
11:中央部
12:周辺部
13:円形部
13a:円周部分
13´:穴
14:連続部
15:切り込み部
15a:端部
100:押圧器具
101:軸状体
101´:軸中心
101a:先端部
101b:弾性体
102:操作部
103:載置部
103a:穴
103a´:外側の領域
104:測定部