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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066493
(43)【公開日】2024-05-15
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 9/12 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B05C9/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184465
(22)【出願日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0142598
(32)【優先日】2022-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム スンホ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュンソ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヘギョン
【テーマコード(参考)】
4F042
【Fターム(参考)】
4F042AA02
4F042AA06
4F042AB00
4F042BA03
4F042BA08
4F042BA13
4F042BA27
4F042DB00
4F042DF10
4F042DF34
4F042DH09
4F042ED03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】最初の基板から少なくとも2つの分板上に塗布された薬液の乾燥度の差を補正する基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置1000は、最初の基板から少なくとも2つの分板14,16上に塗布された薬液を乾燥させるように構成される乾燥室11を含み、乾燥室は、少なくとも2つの分板が配置される乾燥空間を備え、少なくとも2つの分板上に塗布された薬液の乾燥度の差を補正して、少なくとも2つの分板上に塗布された薬液が同一の乾燥度を有するように構成される乾燥度補正部25を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最初の基板から少なくとも2つの分板上に塗布された薬液を乾燥させるように構成される乾燥室を含み、前記乾燥室は、前記少なくとも2つの分板が配置される乾燥空間を備え、
前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正して、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液が同一の乾燥度を有するように構成される乾燥度補正部を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記乾燥度補正部は、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液上に提供されるガスの量を調節して、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの分板は、第1の分板及び第2の分板を含み、
前記基板処理装置は、前記第1の分板上に塗布された前記薬液上に前記ガスを供給するための第1のガス供給部材と、前記第2の分板上に塗布された前記薬液上に前記ガスを供給するための第2のガス供給部材とを含むことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板上に提供される前記ガスの量が、前記第2の分板上に提供される前記ガスの量よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つの分板は、第1の分板と、第2の分板とを含み、
前記基板処理装置は、前記第1の分板を支持するための第1の支持部材と、前記第2の分板を支持するための第2の支持部材とを含むことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記乾燥度補正部は、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離と、前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離とを調節して、前記第1及び前記第2の分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正することを特徴とする請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離が、前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記乾燥度補正部は、前記第1の支持部材を上方又は下方に移動するか、前記第2の支持部材を上方又は下方に移動することを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記基板処理装置は、前記第1及び前記第2の支持部材を通す複数のピンを含み、
前記乾燥度補正部は、前記複数のピンを上方又は下方に移動することを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項10】
最初の基板から少なくとも2つの分板上に塗布された薬液を乾燥させるように構成される乾燥室と、
前記乾燥室内において、前記少なくとも2つの分板を支持するように構成される支持部と、
前記支持部上に配置される前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液上にガスを供給するように構成されるガス供給部と、
前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正して、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液が同一の乾燥度を有するように構成される乾燥度補正部とを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項11】
前記少なくとも2つの分板は、第1の分板と、第2の分板とを含み、
前記支持部は、前記第1の分板を支持するための第1の支持部材と、前記第2の分板を支持するための第2の支持部材とを含み、
前記乾燥度補正部は、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離、又は前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離を調節することを特徴とする請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離が、前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記少なくとも2つの分板は、第1の分板と、第2の分板とを含み、
前記ガス供給部は、前記第1の分板上に塗布された前記薬液上に前記ガスを供給するための第1のガス供給部材と、前記第2の分板上に塗布された前記薬液上に前記ガスを供給するための第2のガス供給部材とを含み、
前記乾燥度補正部は、前記第1のガス供給部材から、前記第1の分板上に塗布された前記薬液上に提供される前記ガスの量、又は前記第2のガス供給部材から前記第2の分板上に塗布された前記薬液上に提供される前記ガスの量を調節することを特徴とする請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板上に提供される前記ガスの量が、前記第2の分板上に提供される前記ガスの量よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
最初の基板から第1の分板及び第2の分板上に塗布された薬液を乾燥させるように構成される乾燥室と、
前記第1の分板を支持するための第1の支持部材と、前記第2の分板を支持するための第2の支持部材とを備える支持部と、
前記第1の支持部材上に配置される前記第1の分板上に塗布された前記薬液上にガスを提供するための第1のガス供給部材と、前記第2の支持部材上に配置される前記第2の分板上に塗布された前記薬液上にガスを提供するための第2のガス供給部材とを備えるガス供給部と、
前記第1の分板上に塗布された前記薬液の乾燥度、及び前記第2の分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正する乾燥度補正部とを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項16】
前記乾燥度補正部は、前記第1の支持部材を上方又は下方に移動するか、前記第2の支持部材を上方又は下方に移動して、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離、又は前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離を調節することを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離が、前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記支持部は、前記第1及び前記第2の支持部材を通す複数のピンを含み、
前記乾燥度補正部は、前記複数のピンを上方又は下方に移動して、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離、又は前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離を調節することを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記乾燥度補正部は、前記第1のガス供給部材から前記第1の分板上に塗布された前記薬液上に提供される前記ガスの量、又は前記第2のガス供給部材から前記第2の分板上に塗布された前記薬液上に提供される前記ガスの量を調節することを特徴とする請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板上に提供される前記ガスの量が、前記第2の分板上に提供される前記ガスの量よりも大きいことを特徴とする請求項19に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。より詳しくは、本発明は、最初基板から分けられる少なくとも2つの分板上に塗布された薬液を乾燥させる基板処理装置に関する。
【0002】
本出願は、2022年10月31日に大韓民国特許庁に出願された大韓民国特願第10-2022-0142598号を優先権として伴う出願である。
【背景技術】
【0003】
従来のディスプレイ装置は、相対的に大面積を有する基板に対して行われる製造工程により製造される。例えば、前記製造工程は、前記基板上に薬液を提供する塗布工程、前記基板上に塗布された前記薬液を乾燥させる乾燥工程などを含む。
【0004】
前記塗布工程及び前記乾燥工程は、前記大面積を有する基板に対して適切に行われないため、前記大面積を有する基板を、2つ以上の分板に分割した後に、このような分板に対して、前記塗布工程及び前記乾燥工程を行う。
【0005】
しかし、前記分板上に前記薬液が順次塗布されるため、前記乾燥工程において、前記分板上に塗布された前記薬液の乾燥度に差が生じることになる。このような薬液の乾燥度の差は、前記製造工程の不良を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、最初基板から少なくとも2つの分板上に塗布された薬液の乾燥度の差を補正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】

本発明の一様態によると、基板処理装置が提供される。前記基板処理装置は、最初の基板から少なくとも2つの分板上に塗布された薬液を乾燥させるように構成される乾燥室を含み、前記乾燥室は、前記少なくとも2つの分板が配置される乾燥空間を備え、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正して、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液が同一の乾燥度を有するように構成される乾燥度補正部を含むことを特徴とする。
【0008】
前記乾燥度補正部は、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液上に提供されるガスの量を調節して、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正する。
【0009】
前記少なくとも2つの分板は、第1の分板及び第2の分板を含み、前記基板処理装置は、前記第1の分板上に塗布された前記薬液上に前記ガスを供給するための第1のガス供給部材と、前記第2の分板上に塗布された前記薬液上に前記ガスを供給するための第2のガス供給部材とを含む。
【0010】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板上に提供される前記ガスの量が、前記第2の分板上に提供される前記ガスの量よりも大きい。
【0011】
前記少なくとも2つの分板は、第1の分板と、第2の分板とを含み、前記基板処理装置は、前記第1の分板を支持するための第1の支持部材と、前記第2の分板を支持するための第2の支持部材とを含む。
【0012】
前記乾燥度補正部は、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離と、前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離とを調節して、前記第1及び前記第2の分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正する。
【0013】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離が、前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離よりも小さい。
【0014】
前記乾燥度補正部は、前記第1の支持部材を上方又は下方に移動するか、前記第2の支持部材を上方又は下方に移動する。
【0015】
前記基板処理装置は、前記第1及び前記第2の支持部材を通す複数のピンを含み、前記乾燥度補正部は、前記複数のピンを上方又は下方に移動する。
【0016】
本発明の他の様態によると、基板処理装置が提供される。前記基板処理装置は、最初の基板から少なくとも2つの分板上に塗布された薬液を乾燥させるように構成される乾燥室と、前記乾燥室内において、前記少なくとも2つの分板を支持するように構成される支持部と、前記支持部上に配置される前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液上にガスを供給するように構成されるガス供給部と、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正して、前記少なくとも2つの分板上に塗布された前記薬液が同一の乾燥度を有するように構成される乾燥度補正部とを含むことを特徴とする。
【0017】
前記少なくとも2つの分板は、第1の分板と、第2の分板とを含み、前記支持部は、前記第1の分板を支持するための第1の支持部材と、前記第2の分板を支持するための第2の支持部材とを含み、前記乾燥度補正部は、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離、又は前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離を調節する。
【0018】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離が、前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離よりも小さい。
【0019】
前記少なくとも2つの分板は、第1の分板と、第2の分板とを含み、前記ガス供給部は、前記第1の分板上に塗布された前記薬液上に前記ガスを供給するための第1のガス供給部材と、前記第2の分板上に塗布された前記薬液上に前記ガスを供給するための第2のガス供給部材とを含み、前記乾燥度補正部は、前記第1のガス供給部材から、前記第1の分板上に塗布された前記薬液上に提供される前記ガスの量、又は前記第2のガス供給部材から前記第2の分板上に塗布された前記薬液上に提供される前記ガスの量を調節する。
【0020】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板上に提供される前記ガスの量が、前記第2の分板上に提供される前記ガスの量よりも大きい。
【0021】
本発明の他の様態によると、基板処理装置が提供される。前記基板処理装置は、最初の基板から第1の分板及び第2の分板上に塗布された薬液を乾燥させるように構成される乾燥室と、前記第1の分板を支持するための第1の支持部材と、前記第2の分板を支持するための第2の支持部材とを備える支持部と、前記第1の支持部材上に配置される前記第1の分板上に塗布された前記薬液上にガスを提供するための第1のガス供給部材と、前記第2の支持部材上に配置される前記第2の分板上に塗布された前記薬液上にガスを提供するための第2のガス供給部材とを備えるガス供給部と、前記第1の分板上に塗布された前記薬液の乾燥度、及び前記第2の分板上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正する乾燥度補正部とを含むことを特徴とする。
【0022】
前記乾燥度補正部は、前記第1の支持部材を上方又は下方に移動するか、前記第2の支持部材を上方又は下方に移動して、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離、又は前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離を調節するこ。
【0023】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離が、前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離よりも小さい。
【0024】
前記支持部は、前記第1及び前記第2の支持部材を通す複数のピンを含み、前記乾燥度補正部は、前記複数のピンを上方又は下方に移動して、前記第1の分板と前記第1の支持部材の間の距離、又は前記第2の分板と前記第2の支持部材の間の距離を調節する。
【0025】
前記乾燥度補正部は、前記第1のガス供給部材から前記第1の分板上に塗布された前記薬液上に提供される前記ガスの量、又は前記第2のガス供給部材から前記第2の分板上に塗布された前記薬液上に提供される前記ガスの量を調節する。
【0026】
前記第2の分板上に前記薬液が塗布された後に、前記第1の分板上に前記薬液が塗布されるとき、前記第1の分板上に提供される前記ガスの量が、前記第2の分板上に提供される前記ガスの量よりも大きい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、前記薬液が順次前記分板上に塗布される場合でも、前記乾燥度補正部を用いて、前記分板上に塗布された前記薬液の乾燥度を補正することができるので、前記分板上に所望する層又は所定のパターンを均一に形成することができる。これにより、有機発光表示(OLED)装置のようなディスプレイ装置を製造するための工程の不良を防止することができる。また、前記支持部、前記ガス供給部、及び前記乾燥度補正部を含む前記基板処理装置を用いて、前記ディスプレイ装置の生産性と信頼性を向上することができる。
【0028】
本発明の効果が前記事項に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で様々に拡張可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置を説明するための概略的な断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成要素の動作を説明するための概略的な断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成要素の動作を説明するための概略的な断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成要素の動作を説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるが、本発明の実施形態を本文で詳細に説明する。しかし、ここに開示される例示的な実施形態により、本発明が限定されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。添付の図面において、同一又は類似の参照符号は、同一又は類似の構成要素を表わす。第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明することに用いられるが、このような構成要素が前記用語により限定されるものではない。前記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使われる。本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われ、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なることを意図しない限り、複数の表現をも含む。本出願において、「含む」、「構成される」、「有する」、又は、「からなる」などの用語は、本文に開示される特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、又は、これらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、又は、これらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0031】
異なって定義しない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、一般に理解されることと同様な意味を有している。一般に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解析されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置を説明するための概略的な断面図である。図2乃至図4は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成要素の動作を説明するための概略的な断面図である。
【0034】
図1乃至図4に示しているように、一実施形態に係る基板処理装置1000は、基板上に塗布された薬液を乾燥させる工程に採用される。例えば、前記基板処理装置1000は、基板上に塗布された薬液を乾燥させる乾燥装置100を含む。
【0035】
他の実施形態において、前記基板処理装置1000は、最初の基板から分けられた少なくとも2つの基板(以下、分板という)上に塗布された薬液を乾燥させる。例えば、前記基板処理装置1000は、2つの分板上に塗布された薬液を同時に乾燥させることができる。
【0036】
前記基板処理装置1000は、前記分板上に前記薬液を提供する薬液供給装置400を含む。他の実施形態において、前記薬液供給装置400は、ディスプレイ装置を製造するために、前記分板上に所望する層又は所定のパターンを形成する工程に用いられる。前記薬液供給装置400は、塗布室41、ノズル45、ステージ43などを含む。前記塗布室41は、前記分板上に前記薬液が提供される処理空間を設ける。前記ノズル45は、前記処理空間内に配列される前記分板上に、前記薬液を供給する。前記ステージ43は、前記分板上に前記薬液を供給する工程において、前記分板を支持する。また、前記ステージ43は、前記分板上に前記薬液を供給する工程の前後に、前記分板が前記ステージ43上に浮上された状態で前記分板を移送することができる。
【0037】
前記基板処理装置1000の乾燥装置100は、第1の分板14及び第2の分板16上に塗布された薬液を乾燥させる。前記乾燥装置100は、乾燥室11、支持部13、ガス供給部19、乾燥度補正部25などを含む。
【0038】
図1に示しているように、前記乾燥装置100の乾燥室11は、前記第1の分板14及び前記第2の分板16上に塗布された前記薬液が乾燥される乾燥空間を提供する。例えば、前記乾燥室11内に前記第1の分板14が積載され、以後に前記第2の分板16が前記乾燥室11内に積載される。この場合、前記第1の分板14は、前記乾燥室11の出口に隣接して配置され、前記第2の分板16は、前記乾燥室11の入口に隣接して配置される。
【0039】
前記支持部13は、前記第1の分板14及び前記第2の分板16をそれぞれ支持するための第1の支持部材15及び第2の支持部材17を含む。ここで、前記第1の支持部材15は、前記乾燥室11の出口に隣接して配置され、前記第2の支持部材17は、前記乾燥室11の入口に隣接して配置される。
【0040】
他の実施形態において、前記第1の分板14及び前記第2の分板16は、前記乾燥空間内に並んで配列される。言い換えると、前記第1の支持部材15及び前記第2の支持部材17は、前記乾燥室11内に並んで配置される。ここで、前記ノズル45から前記第1の分板14上に前記薬液が供給され、以後に前記第2の分板16上に、前記ノズル45から前記薬液が提供される。すなわち、前記薬液は、前記ノズル45から順次、前記第1及び前記第2の分板14、16上に提供される。その結果、後述するように、前記乾燥室11内において、前記第1及び前記第2の分板14、16上に塗布された前記薬液が乾燥する間に、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度と、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度との間に差が生じることになる。
【0041】
図2に示しているように、前記第1及び前記第2の支持部材15、17を含む支持部13は、前記乾燥室11内において、上方及び下方に移動可能である。例えば、それぞれの前記第1の支持部材15及び前記第2の支持部材17は、前記乾燥室11内において、垂直に上方及び下方に移動可能である。この場合、前記第1の支持部材15及び前記第2の支持部材17は、同時に移動可能である。又は、前記第1の支持部材15及び前記第2の支持部材17は、順次、前記上方及び下方に移動可能である。
【0042】
また、前記支持部13は、前記乾燥室11内において、前記第1及び第2の分板14、16を移送することができる。例えば、それぞれの前記第1の支持部材15及び前記第2の支持部材17は、前記第1の分板14及び前記第2の分板16を、前記乾燥室11の入口から前記乾燥室11の出口に移送するコンベヤーのような移送部材を含む。他の実施形態において、前記第1及び第2の支持部材15、17の移送部材も、前記乾燥室11内において、同時に前記上方及び下方に移動可能である。前記第1及び第2の支持部材15、17の移送部材は、順次又は個別に前乾燥室11内において、前記上方及び下方に移動可能である。
【0043】
前記第1の支持部材14及び前記第2の支持部材17を含む支持部13は、前記第1の支持部材14及び前記第2の支持部材17の支持部13の上方及び下方移動のために、シリンダ部材をさらに含む。例えば、前記シリンダ部材は、前記移送部材を前記上方及び下方に移動することができる。
【0044】
他の実施形態において、図4に示しているように、前記支持部13は、前記第1の分板14及び前記第2の分板16を、前記上方及び前記下方に移動させるための複数のピン31を含む。前記複数のピン31はそれぞれ、前記第1及び第2の支持部材15、17を通して、前記第1及び第2の分板14、16の底面と接触する。例えば、前記第1及び第2の支持部材15、17が前記コンベヤーのような移送部材を含む場合、前記複数のピン31はそれぞれ、前記コンベヤーを貫通して、前記第1及び第2の分板14、16の底面に接触する。
【0045】
前述した構成を有する基板処理装置1000において、前記薬液供給装置400から、前記薬液が前記第2の分板16上に塗布され、以後に前記第2の分板16は、前記乾燥室11に移送される。前記乾燥室11内において、前記第2の分板16は、前記第1の支持部材15を通して、前記第2の支持部材17上に置かれる。また、前記第1の分板14上に前記薬液が塗布され、以後に前記第1の分板14は、前記第1の支持部材15上に置かれる。ここで、前記第2の分板16は、前記第2の支持部材17上で待機する。言い換えると、前記第2の分板16は、前記第1の分板14上に前記液が塗布され、前記第1の分板14が前記第1の支持部材15に移送される間に、依然として、前記第2の支持部材17上に置かれる。これにより、前記第2の分板16は、前記第1の分板14よりも相対的に長い時間の間、前記乾燥室11内に留まる。
【0046】
他の実施形態において、前記ガス供給部19は、前記第1の分板14及び前記第2の分板16に対して乾燥工程が行われる間に、前記第1の分板14及び前記第2の分板16上にガスを提供する。例えば、前記ガス供給部19は、前記第1及び第2の分板14、16上に塗布された前記薬液を乾燥させるために、前記第1及び第2の分板14、16上に空気を供給する。
【0047】
前記ガス供給部19は、第1のガス供給部材21と、第2のガス供給部材23とを含む。前記第1のガス供給部材21及び前記第2のガス供給部材23はそれぞれ、前記第1の支持部材15及び前記第2の支持部材17上に配置される。これにより、前記第1のガス供給部材21及び前記第2のガス供給部材23はそれぞれ、前記第1の分板14及び前記第2の分板16上に前記ガスを提供する。このために、それぞれの前記第1のガス供給部材21及び前記第2のガス供給部材23は、ファンのような送風部材を含む。例えば、それぞれの前記第1のガス供給部材21及び前記第2のガス供給部材23は、EFU(Equipment Fan Filter Unit)を含む。
【0048】
前述したように、前記第2の分板16が、第1の分板14よりも相対的に長時間の間、前記乾燥室11内に留まる。その結果、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度と、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度との間に差が生じる。例えば、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度よりも実質的に高い。
【0049】
このような前記第1及び第2の分板14、16上に塗布された前記薬液の乾燥度の間の差を補正することなく、後続する製造工程が前記第1及び第2の分板14、16に対して行われる場合、前記薬液から形成される前記所望する層や前記所定のパターンにムラが発生するか、前記層やパターンの厚さの間に差が生じることになる。このような問題点は、前記製造工程で不良を引き起こし、また、前記ディスプレイ装置の生産性と信頼度を低下させる。
【0050】
前記問題点を考えて、前記基板処理装置1000は、前記第1及び第2の分板14、16上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正する乾燥度補正部25を含む。例えば、前記乾燥度補正部25は、前記第1及び第2の分板14、16上に塗布された前記薬液の蒸発量を調節することができる。
【0051】
他の実施形態において、前記第1及び前記第2の分板14、16上に塗布された前記薬液の乾燥度の差を補正するために、前記乾燥度補正部25は、前記第1の支持部材15の高さ、及び/又は前記第2の支持部材17の高さを調節することができる。例えば、前記乾燥度補正部25は、前記第1の分板14が上部に位置する前記第1の支持部材15を前記上方に移動するか、及び/又は前記第2の分板16が上部に位置する前記第2の支持部材17を前記下方に移動することができる。その結果、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度よりも早く増加するため、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度と実質的に同一になる。
【0052】
他の実施形態において、前記乾燥度補正部25は、前記第1のガス供給部材21から提供される前記ガスの量、及び/又は前記第2のガス供給部材23から提供される前記ガスの量を調節する。例えば、前記乾燥度補正部25は、前記第1のガス供給部材21から前記第1の分板14上に塗布された前記薬液上に供給される前記ガスの量を増加するか、及び/又は前記第2のガス供給部材23から前記第2の分板16上に塗布された前記薬液上に供給される前記ガスの量を減少することができる。これにより、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度よりも早く増加するため、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度と実質的に同一になる。
【0053】
他の実施形態によると、前記乾燥度補正部25は、前記第1の支持部材15の高さ、及び/又は前記第2の支持部材17の高さを調節しつつ、前記第1のガス供給部材21から提供される前記ガスの量、及び/又は前記第2のガス供給部材23から提供される前記ガスの量を調節することができる。この場合、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度よりも早く増加するため、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度よりも早く同一になる。
【0054】
他の実施形態によると、図2に示しているように、前記乾燥度補正部25は、前記第1のガス供給部材21から提供される前記ガスの量を、前記第2のガス供給部材23から供給される前記ガスの量と実質的に同じく維持しつつ、前記第1のガス供給部材21と前記第1の分板14の間の第1の距離が、前記第2のガス供給部材23と前記第2の分板16の間の第2の距離よりも短くなるように、前記第1の支持部材15を前記上方に移動するか、及び/又は前記第2の支持部材17を前記下方に移動する。前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の蒸発量が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の蒸発量よりも多くなるので、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度と実質的に同一になる。
【0055】
他の実施形態によると、図4に示しているように、前記支持部13が前記第1及び前記第2の支持部材15、17を通す前記複数のピン31を含む場合、前記乾燥度補正部25は、前記ピン31を前記上方及び/又は前記下方に移動して、前記第1のガス供給部材21と前記第1の分板14の間の前記第1の距離が、前記第2のガス供給部材23と前記第2の分板16の間の前記第2の距離よりも小さくなるようにする。これにより、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の蒸発量が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の蒸発量よりも多くなるので、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度と実質的に同一になる。
【0056】
他の実施形態によると、図3に示しているように、前記乾燥度補正部25は、前記第1の支持部材15の高さと、前記第2の支持部材17の高さとを同じく維持しつつ、前記第1のガス供給部材21から前記第1の分板14上に提供される前記ガスの量が、前記第2のガス供給部材23から前記第2の分板16上に提供される前記ガスの量よりも多くなるように、前記第1及び第2のガス供給部材21、23を制御することができる。その結果、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の蒸発量が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の蒸発量よりも多くなるので、前記第1の分板14上に塗布された前記薬液の乾燥度が、前記第2の分板16上に塗布された前記薬液の乾燥度と実質的に同一になる。
【0057】
前述したように、前記基板処理装置1000は、前記乾燥度補正部25を用いて、前記第1及び前記第2の分板14、16上に均一に前記所望する層や前記所定のパターンを形成することができるので、前記製造工程における不良を防止することができ、前記ディスプレイ装置の生産性と信頼度を向上することができる。
【0058】
前述した実施形態において、前記基板処理装置1000は、前記第1及び前記第2の分板14、16上に塗布された前記薬液を乾燥させることができるが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。詳しくは、前記基板処理装置1000は、第1の分板乃至第N(Nは、3以上の自然数である)の分板上に塗布された薬液を乾燥させる。この場合、前記基板処理装置1000は、第1の支持部材乃至第Nの支持部材を含み、第1のガス供給部材乃至第Nのガス供給部材を含む。
【0059】
他の実施形態において、前記基板処理装置1000は、少なくとも2つの分板上に塗布された薬液だけでなく、最初の基板上に塗布された薬液を乾燥させることができる。
【0060】
前述では、本発明の実施形態を説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
図1
図2
図3
図4