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  • 特開-縄跳びグリップ 図1
  • 特開-縄跳びグリップ 図2
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  • 特開-縄跳びグリップ 図4
  • 特開-縄跳びグリップ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006651
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】縄跳びグリップ
(51)【国際特許分類】
   A63B 5/20 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A63B5/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107745
(22)【出願日】2022-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】593093423
【氏名又は名称】クツワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165755
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】橡尾 洋介
(57)【要約】
【課題】 使用者の体格や跳び方に応じた最適なロープの長さに容易に調整することが可能な長さ調整手段を備えた縄跳びグリップを提供する。
【解決手段】 グリップ本体10と、グリップ本体10の内部にロープ40の長さを調整する長さ調整手段と、を備えてなり、長さ調整手段は、グリップ本体10内に挿通したロープ40を任意の位置で固定する回転子30と、回転子30によるロープ40の固定状態及び自由状態を切り替え操作する操作体20と、を有し、回転子30は、外回転子31と、内回転子32と、が別体に形成され、操作体20は、内回転子32の嵌入動作を操作する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップ本体と、前記グリップ本体の内部にロープの長さを調整する長さ調整手段と、を備えてなり、
前記長さ調整手段は、前記グリップ本体内に挿通したロープを任意の位置で固定する回転子と、前記回転子によるロープの固定状態及び自由状態の切り替えを操作する操作体と、を有し、
前記回転子は、前記グリップ本体に対して回動自在に内在させる外回転子と、前記外回転子の嵌入孔に嵌入させてロープを係合する内回転子と、の別体に形成され、
前記操作体は、前記内回転子の嵌入動作を操作することを特徴とする縄跳びグリップ。
【請求項2】
操作体は、グリップ本体の凹部に対して長手方向に沿って摺動するスライダと、前記スライダの下面から前記グリップ本体の内部の方向に突出して内回転子の鍔部に遊嵌合する嵌合部と、を有することを特徴とする請求項1記載の縄跳びグリップ。
【請求項3】
内回転子は、外周面の中央位置から外周方向に膨出した爪部と、外周面の後端から突設した鍔部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の縄跳びグリップ。
【請求項4】
長さ調整手段は、グリップ本体の先端側に固定し、回転子を前記グリップ本体の先端内側に収容する中栓を有することを特徴とする請求項1記載の縄跳びグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロープの長さ調整手段を備えた縄跳びグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縄跳びのロープの長さを調整する方法として、グリップ内に収納されたロープを切断したり、結び目を設けたりすることで使用者の体格に適した長さ調整をしていたが、ロープに結び目を設けることや短く切断することを行う調整方法では、跳び方(平跳び、交差跳び、二重跳びなど)に応じた最適なロープの長さに調整することができなかった。また、一度ロープを短く切断してしまうと、使用者が成長して体格が大きくなると使用することができなくなってしまう欠点があった。
【0003】
そのため、例えば特許文献1において、ロープを短く切断したり、結び目を設けたりせずに、グリップ内部の回転端子にロープを挿通した緊締子を嵌合させることでロープの長さの調節機能を備えたものが開示されている。
【0004】
また、特許文献2において、グリップ内部に収納されたホルダにロープの端部を折り返して保持させ、その折り返し量を変更することで、ロープの長さの調節手段を備えたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭48-33269号公報
【特許文献2】実用新案登録第3180355号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した縄跳びグリップは、グリップエンドの蓋を外し、グリップ内部の調整手段を取り出してから長さ調整を行うものであり、跳び方を変更する度に長さ調整を行うことは不便であった。
【0007】
したがって、本発明は、使用者の体格や跳び方に応じた最適なロープの長さに容易に調整することが可能な長さ調整手段を備えた縄跳びグリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑み、グリップ本体と、前記グリップ本体の内部にロープの長さを調整する長さ調整手段と、を備えてなり、
前記長さ調整手段は、前記グリップ本体内に挿通したロープを任意の位置で固定する回転子と、前記回転子によるロープの固定状態及び自由状態の切り替えを操作する操作体と、を有し、
前記回転子は、前記グリップ本体に対して回動自在に内在させる外回転子と、前記外回転子の嵌入孔に嵌入させてロープを係合する内回転子と、の別体に形成され、
前記操作体は、前記内回転子の嵌入動作を操作することを特徴とするものである。
【0009】
また、上述した構成に加え、操作体は、グリップ本体の凹部に対して長手方向に沿って摺動するスライダと、前記スライダの下面から前記グリップ本体の内部の方向に突出して内回転子の鍔部に遊嵌合する嵌合部と、を有することが好ましい。
【0010】
また、上述した構成に加え、内回転子は、外周面の中間位置から外周方向に膨出した爪部と、外周面の後端から突設した鍔部と、を有することが好ましい。
【0011】
また、上述した構成に加え、長さ調整手段は、グリップ本体の先端側に固定し、回転子を前記グリップ本体の先端内側に収容する中栓を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
したがって、上述した本発明によれば、使用者の体格や跳び方に応じた最適なロープの長さにするために、グリップ本体の操作体を操作することですぐさま任意の長さに容易に調整することができる縄跳びグリップを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る縄跳びグリップの一例を示す分解斜視図である。
図2図1のグリップ本体の形状を示す(a)正面図、(b)平面図、(c)底面図である。
図3図1の回転子及び中栓の構造を示す部分拡大斜視図である。
図4図1のグリップ本体の長さ調整手段におけるロープの自由状態における中央縦断面図である
図5図1のグリップ本体の長さ調整手段におけるロープの固定状態における中央縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の一例について図1-5に基づいて詳細に説明する。本実施形態において、グリップ本体10にロープ40を挿通する側を先端方向、グリップ本体10の後端側を後端方向とする。
【0015】
(実施形態)
本実施形態の縄跳びグリップは、図1-5に示すように、グリップ本体10と、グリップ本体10の内部にロープ40の長さを調整する長さ調整手段と、を備えてなり、長さ調整手段は、グリップ本体10内に挿通したロープ40を摺動させ、任意の位置でロープ40を固定する回転子30と、回転子30によるロープ40の固定状態及び自由状態を切り替え操作する操作体20と、を有し、回転子30は、外回転子31と、内回転子32と、が別体に形成され、操作体20は、外回転子31の嵌入孔31aに対して内回転子32の嵌入動作を連動させて操作することを主要部として構成されるものである。
【0016】
グリップ本体10は、図1に示すように、後端から先端にかけて先細りの筒体形状であり、グリップ本体10の先端側に設けられ、操作体20を配置する凹部11と、操作体20の嵌合部20bを内部に連通する開孔部12と、を有する。
【0017】
また、グリップ本体10は、図2に示すように、握り方(いわゆるグー持ち、人差し指を伸ばすマウス持ち、親指を伸ばすリモコン持ちなど)に応じて持ちやすいように、断面形状を先端側が略三角形、後端側を略楕円形となるように連続して形成される。また、握り方に応じて親指や人差し指を配置する部分に指掛部14、14を設けている。なお、ここで略三角形、略楕円形とは、頂点や辺に丸みを帯びたものも含む。
【0018】
また、グリップ本体10は、後述するインジケータ41やロープ40の状態が視認しうるように全体又は一部が透明な合成樹脂材を主体として形成され、調整されたロープ40の長さを示す表示部13を有する。この表示部13は、例えば、LONG(長め)、MIDDLE(中間)、SHORT(短め)などの文字列、及び、等間隔の横線からなる目盛りなどを組み合わせたものである。
【0019】
操作体20は、図1、2に示すように、グリップ本体10の凹部11に対して長手方向に沿って摺動するスライダ20aと、スライダ20aの下面からグリップ本体10の内部の方向に突出して内回転子32の鍔部32bに遊嵌合する嵌合部20bと、を有する。
【0020】
スライダ20aは、使用者が指先で固定状態及び自由状態の切り替え操作をしやすいように、上縁に立設した立設片20cと、上面に複数の突条部20d、20dと、を有する。
【0021】
嵌合部20bは、回転子30の回転運動を妨げないよう遊嵌合させるため、長さ調整手段の内回転子32の鍔部32bに遊嵌合するように鍔部32bの外側面に沿った湾曲形成されるとともに、鍔部32bの厚みに比べて大きい幅の溝状に形成される(例えば図4、5参照)。
【0022】
回転子30は、図1-3に示すように、ロープ40を挿通してグリップ本体10に対して回動自在に内在させる外回転子31と、外回転子31の嵌入孔31aに嵌入させることでロープ40を係合する内回転子32と、の別体に形成される。
【0023】
外回転子31は、略円筒体形状であり、後端側より内回転子32を嵌入させる嵌入孔31aを有する。この嵌入孔31aは、内回転子32の外周形状とほぼ同一形状である円筒体にすることや、やや先端方向にかけて内回転子31の外経に比べて内径が狭くなるテーパ形状の円錐台形状にしてもよい。また、この外回転子32は、グリップ本体10の先端内側と中栓33の上端との間で回転自在に内在される。
【0024】
内回転子32は、ロープ40を挿通する略円筒体形状であり、周囲を切り欠くとともに、外周面の中間位置から外周方向に膨出した爪部32a、32aと、外周面の後端から突設した鍔部32bと、を有する。この爪部32a、32aは、内回転子32の外周面に少なくとも二つ設けられ、外回転子31の嵌入孔31aに嵌入させると弾性変形しうる程度の弾性を備えたものである。なお、内回転子32は、弾性変形してロープ40を挟持しやすくするために、長手方向に沿った複数の細溝を形成してもよい。
【0025】
また、長さ調整手段は、グリップ本体10の先端側に固定し、回転子30をグリップ本体10の先端内側に収容する中栓33を有する。この中栓33は、回転子30の内回転子32を収容する収容部33aと、グリップ本体10の先端側の内部に係合固定する突起33bと、を有する。この収容部33aは、操作体20の嵌合部20bと内回転子32の鍔部32bとの係合をする部分に開孔を有する。また、この収容部33aは、後述するロープ40の固定状態において内回転子32の先端側が突出して、中栓33より先端側に配置された外回転子31の嵌入孔31aに嵌入するとともに、ロープ40の自由状態において収容部33aに没入する程度の縦幅を備えた収納空間を有する。
【0026】
ロープ40は、軽くて跳びやすいように、ポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂材を主体として、直径を3.8mmから4.0mm程度にすることが好ましく、ロープ40の下端付近には、グリップ本体10内の位置を示すインジケータ41が装着される。このインジケータ41は、挿通したスリーブ管42を介して挟持固定したものであり、グリップ本体10の表示部13に合わせるものである。
【0027】
次に、上述した縄跳びグリップによってロープ40の長さの調整方法について図4、5に基づいて説明する。
【0028】
まず、ロープ40の長さを調整するために、回転子30によるロープ40の固定状態を解除した自由状態を図4に示す。グリップ本体10における操作体20のスライダ20aを後端方向に押し下げることで、外回転子31に嵌入された内回転子32が後端方向に連動して移動し、脱嵌するように操作することでロープ40が自由状態となる。そして、ロープ40は内回転子32の爪部32a、32aによって係合されていないため、グリップ本体10の先端側のロープ40を摘みながら、引き上げたり、押し下げたりすることで任意の長さのロープ40となるようにグリップ本体10の内部で変更することが可能である。なお、ロープ40の下端に装着されたインジケータ41をグリップ本体10の表示部13に合わせることで、ロープの長さを表示部13における文字列のSHORT(短め)、MIDDLE(中間)、LONG(長め)、及び、目盛りを目安にして調整してもよい。
【0029】
そして、図5に示すように、ロープ40の長さを調整した後、グリップ本体10における操作体20のスライダ20aを先端方向に押し上げることで、操作体20の嵌合部20bが内回転子32の鍔部32bと遊嵌合しているため、内回転子32が先端方向に連動して移動し、外回転子31の嵌入孔31aに対して嵌入されるように操作する。このとき、内回転子32の爪部32a、32aが中心方向に弾性変形することで、ロープ40を挟持するように係合して固定状態となる。このとき、内回転子32の鍔部32bは、操作体20の嵌合部20bに対して遊嵌合した状態であり、使用者が縄跳びを行う際のロープ40の回転方向に対して回転自在となっている。
【0030】
したがって、上述した縄跳びグリップによって、使用者の体格や跳び方に応じた最適なロープ40の長さにするために、グリップ本体10の操作体20を操作することですぐさま任意のロープ40の長さに調整することが可能である。
【0031】
上記の実施形態では本発明の好ましい実施形態を例示したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で改善や変更が可能である。例えば、操作体20は、グリップ本体10の外周面上の操作しやすい位置に配置されればよく、使用者の手指の大きさなどを考慮して適切な位置に変更してもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 グリップ本体、11 凹部、12 開孔部、13 表示部、14 指掛部、
20 操作体、20a スライダ、20b 嵌合部、20c 立設片、20d 突条部、
30 回転子、
31 外回転子、31a 嵌入孔、
32 内回転子、32a 爪部、32b 鍔部、
33 中栓、33a 収容部、33b 突起、
40 ロープ、
41 インジケータ、42 スリーブ管。
図1
図2
図3
図4
図5