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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066528
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】通知装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 21/00 20060101AFI20240502BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240502BHJP
【FI】
G09B21/00 E
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171382
(22)【出願日】2022-10-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和04年07月06日 ウェブサイトのアドレス https://www.jamesdysonaward.org/ja-JP/2022/project/air-talk-starter/ https://www.jamesdysonaward.org/en-US/2022/project/air-talk-starter/ ▲2▼ウェブサイトの掲載日 令和04年07月20日 ウェブサイトのアドレス https://digitalnature.slis.tsukuba.ac.jp/2022/07/air-talk-starter/ ▲3▼ウェブサイトの掲載日 令和04年07月22日 ウェブサイトのアドレス https://youtu.be/o90kS_iF31Q ▲4▼ウェブサイトの掲載日 令和04年09月07日 ウェブサイトのアドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000042335.html https://ascii.jp/elem/000/004/104/4104637/ https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2022-09-07-42335-73/ https://www.dyson.co.uk/newsroom/overview/features/september-2022/James-Dyson-Award-National-Winners ▲5▼ウェブサイトの掲載日 令和04年09月07日 ウェブサイトのアドレス https://digitalnature.slis.tsukuba.ac.jp/2022/09/jda2022-award/ ▲6▼ウェブサイトの掲載日 令和04年09月07日 ウェブサイトのアドレス https://forest-of-scholars.sec.tsukuba.ac.jp/archives/37750 ▲7▼ウェブサイトの掲載日 令和04年09月07日 ウェブサイトのアドレス https://youtu.be/Aif3v1m-30Y
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲8▼ウェブサイトの掲載日 令和04年09月08日 ウェブサイトのアドレス https://informatics.tsukuba.ac.jp/awards-cl/11935/ ▲9▼ウェブサイトの掲載日 令和04年10月19日 ウェブサイトのアドレス https://www.tsukuba-tech.ac.jp/information/2022/10/19000799.html ▲10▼開催日 令和04年10月20日から10月23日 集会名 計算機自然と民藝 xDiversityと共創の歩み
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業「波動とデジタルファブリケーションを組み合わせた知能化技術」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】落合 陽一
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 凌勢
(72)【発明者】
【氏名】設楽 明寿
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA11
5E555AA21
5E555BA38
5E555BB38
5E555BE08
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】聴覚を活用する通知方法の使用が適さない状況において離れた位置にいる対象者が合図の送信元の方向を認識しやすくする。
【解決手段】通知装置は、波形信号を生成可能な任意波形生成装置と、前記波形信号に基づいて内部空間の空気を振動させて空気渦輪を射出する空気渦輪生成装置と、前記任意波形生成装置を制御する制御装置と、対象者の位置と前記対象者に合図を送る送信者の位置とを認識する認識装置と、を備え、前記制御装置は、前記認識装置が前記送信者の前記合図を認識したとき、前記認識装置が認識した前記対象者の位置と前記送信者の位置とに基づいて、前記空気渦輪生成装置が前記空気渦輪を射出するように前記任意波形生成装置を制御する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波形信号を生成可能な任意波形生成装置と、
前記波形信号に基づいて内部空間の空気を振動させて空気渦輪を射出する空気渦輪生成装置と、
前記任意波形生成装置を制御する制御装置と、
対象者の位置と前記対象者に合図を送る送信者の位置とを認識する認識装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記認識装置が前記送信者の前記合図を認識したとき、前記認識装置が認識した前記対象者の位置と前記送信者の位置とに基づいて、前記空気渦輪生成装置が前記空気渦輪を射出するように前記任意波形生成装置を制御する、
通知装置。
【請求項2】
複数の前記空気渦輪生成装置を有し、
前記制御装置は、前記認識装置が認識した前記送信者の位置に最も近い前記空気渦輪生成装置が前記空気渦輪を射出するように前記任意波形生成装置を制御する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記制御装置は、所定の間隔で連続する前記空気渦輪が射出されるように前記任意波形生成装置を制御する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項4】
前記任意波形生成装置が生成した波形信号を増幅する高速バイポーラ電源をさらに有する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項5】
前記波形信号は、矩形波信号である、
請求項1に記載の通知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ろう・難聴者などの対象者に対して話し声や通知音を用いずに合図を送るとき、目を合わせたり、肩を叩いたりする通知方法が用いられる。対象者との距離が離れている場合、これらの通知方法により対象者に対して合図を送ることは難しい。
【0003】
聴覚に不自由がない対象者にとっても、目覚まし時計の音や、インターフォンの音や、やかんの音や、赤ちゃんの泣き声など音声は、対象者が音声発生源から距離が離れている場合、生活の中において認識されにくい。
【0004】
そこで、話し声や通知音などの聴覚を活用する通知方法の使用が適さない状況において離れた位置にいる対象者に効率的に合図を送るために、視覚や臭覚や触覚を活用した様々な通知装置や通知方法が考案されている。
【0005】
特許文献1には、ろう者などの対象者に対して振動、音、又は光により合図を送る通信システムが記載されている。対象者は、専用の電子機器を装着して、電子機器が発生する振動等により合図を認識できる。
【0006】
特許文献2には、臭気を発生させて聴覚障害者に火災警報を通知する装置が記載されている。特許文献2に記載の装置は、火災発生時において聴覚障害者の目を覚ますために注意喚起の作用が強くかつ安全性の高い臭気を発生させる。
【0007】
特許文献3には、空気渦輪を就寝者に対して放出して就寝者の覚醒等を促す装置が記載されている。特許文献3に記載の装置は、空気渦輪を用いることで特定の就寝者のみに合図を送ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6575737号公報
【特許文献2】特開2009-187227号公報
【特許文献3】特開2020-079694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
離れた位置にいる対象者に合図を送る場合、対象者の周囲の任意の位置から合図を送れることが望ましい。任意の位置から合図が送られる場合、対象者に対して合図のみならず合図の送信元の方向を認識させることができれば、対象者が合図を認識した後のコミュニケーションがスムーズになる。しかしながら、聴覚を活用する通知方法の使用が適さない状況において離れた位置にいる対象者に合図を送る従来の通知装置および通知方法は、対象者が合図の送信元の方向を認識しやすいものではなかった。
【0010】
上記事情を踏まえ、本発明は、聴覚を活用する通知方法の使用が適さない状況において離れた位置にいる対象者が合図の送信元の方向を認識しやすい通知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係る通知装置は、波形信号を生成可能な任意波形生成装置と、前記波形信号に基づいて内部空間の空気を振動させて空気渦輪を射出する空気渦輪生成装置と、前記任意波形生成装置を制御する制御装置と、対象者の位置と前記対象者に合図を送る送信者の位置とを認識する認識装置と、を備え、前記制御装置は、前記認識装置が前記送信者の前記合図を認識したとき、前記認識装置が認識した前記対象者の位置と前記送信者の位置とに基づいて、前記空気渦輪生成装置が前記空気渦輪を射出するように前記任意波形生成装置を制御する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の通知装置によれば、聴覚を活用する通知方法の使用が適さない状況において離れた位置にいる対象者が合図の送信元の方向を認識しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る通知装置の機能ブロック図である。
図2】同通知装置の空気渦輪生成装置の斜視図である。
図3】同空気渦輪生成装置の正面図である。
図4】同通知装置の任意波形発生器が発生する波形信号の一例である。
図5】同空気渦輪生成装置から射出された空気渦輪を示す図である。
図6】同通知装置の使用例を示す図である。
図7】コミュニケーション用途に使用される同通知装置を例示する図である。
図8】対象者を呼び出す用途に使用される同通知装置を例示する図である。
図9】就寝者の目覚めを支援する用途に使用される同通知装置を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(一実施形態)
本発明の一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る通知装置100の機能ブロック図である。
通知装置100は、送信者Sから離れた位置にいる対象者Tに合図を通知する装置である。通知装置100は、空気渦輪生成装置1と、高速バイポーラ電源2と、任意波形発生器3と、制御装置4と、認識装置5と、を備える。
【0016】
図2は、空気渦輪生成装置1の斜視図である。
空気渦輪生成装置1は、空気渦輪Vを射出する装置である。空気渦輪生成装置1は、略立方体状に形成された本体10と、1個の空気渦輪射出口11と、5個のスピーカ12と、を有する。空気渦輪生成装置1は、本体10の6面の外側面のうち1面に空気渦輪射出口11が形成されており、本体10の6面の外側面のうち他の5面にスピーカ12が取り付けられている。
【0017】
以降の説明において、空気渦輪生成装置1において、本体10に対して空気渦輪射出口11が設けられた方向を、前後方向Aにおける前方A1とし、前後方向Aの反対側を後方A2とする。また、空気渦輪射出口11を水平方向に向けたときの鉛直方向を上下方向Bとし、上方向を上方B1とし、下方向を下方B2とする。また、前後方向Aと上右方向Bとに垂直な方向を左右方向Cとし、前方A1から見て右方向を右方C1とし、前方A1から見て左方向を左方C2とする。
【0018】
図3は、空気渦輪生成装置1の正面図である。
空気渦輪射出口11は、本体10の前方A1を向く外周面に設けられ、前方A1に突出する凸型形状に形成されている。空気渦輪射出口11は、最も前方A1において本体10の内部空間Pに連通する開口13を有する。本実施形態において、開口13の直径は約30mmである。
【0019】
5個のスピーカ12は、本体10の後方A2と上方B1と下方B2と右方C1と左方C2を向く外周面に設けられている。スピーカ12は、スピーカ12の振動板が本体10の内部空間Pに連通するように、本体10に取り付けられている。スピーカ12は小型かつ高効率であることが望ましい。本実施形態において、スピーカ12の口径は3インチであり、スピーカ12の最大振幅は19mmである。
【0020】
5個のスピーカ12は、振動板を振動させることにより本体10の内部空間Pの空気を振動させる。その結果、空気渦輪射出口11の開口13から空気渦輪Vが射出される。
【0021】
なお、空気渦輪生成装置1は上述した構成に限定されず、他の公知の空気渦輪を放出可能な装置であってもよい。
【0022】
高速バイポーラ電源2は、任意波形発生器3が生成した波形信号の電圧を増幅して空気渦輪生成装置1に出力する。なお、任意波形発生器3が生成した波形信号の電圧を増幅する必要がない場合、高速バイポーラ電源2は不要である。
【0023】
図4は、任意波形発生器3が発生する波形信号の一例である。
任意波形発生器(Function generator)3は、空気渦輪生成装置1のスピーカ12に入力される波形信号を生成する。任意波形発生器3が発生する波形信号は、例えば図4に示す矩形波のように、振幅が大きく波長が短い波形信号であることが望ましい。このような波形信号が入力されたスピーカ12は、空気渦輪射出口11から空気渦輪が射出されるように内部空間Pの空気を効率的に振動させることができるからである。
【0024】
制御装置4は、CPUなどのプロセッサと、プログラムを読み込み可能なメモリと、プログラムおよびデータを記憶可能な記憶部と、入出力制御部と、を有するプログラム実行可能なコンピュータである。制御装置4の機能は、制御装置4に提供されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0025】
図5は、空気渦輪生成装置1から射出された空気渦輪Vを示す図である。
制御装置4は、任意波形発生器3を制御して任意の波形信号を発生させる。制御装置4は、任意波形発生器3に1パルスの波形信号を生成させることによって、空気渦輪生成装置1に1個の空気渦輪Vを射出させることができる。制御装置4は、任意波形発生器3に1パルスの波形が所定の間隔で連続する波形信号を生成させることによって、空気渦輪生成装置1に間隔Lで連続する空気渦輪Vを射出させることができる。
【0026】
認識装置5は、対象者Tの位置と送信者Sの位置とを認識する装置である。認識装置5は、送信者Sが対象者Tに合図を送る方向を認識する。認識装置5は、カメラなどの撮像装置と、撮像装置が撮像した画像から対象者Tと送信者Sとの位置を認識する画像認識装置と、を有する。認識装置5の認識結果は、制御装置4によって取得される。画像認識装置の処理は、制御装置4が処理してもよい。なお、認識装置5は、音声や赤外線などの他の方法によって対象者Tと送信者Sとの位置を認識する装置であってもよい。
【0027】
[通知装置100の作用]
図6は、通知装置100の使用例を示す図である。
次に、通知装置100の作用について説明する。図6に例示する通知装置100は、リビングルームRに設置されている。リビングルームRには、4個の空気渦輪生成装置1と4個の認識装置5とが設置されている。なお、高速バイポーラ電源2と任意波形発生器3と制御装置4とは、図6に図示されていない。
【0028】
4個の空気渦輪生成装置1は、リビングルームRの四隅に設置されている。空気渦輪生成装置1はリビングルームRに複数設置されていることが望ましい。なお、空気渦輪生成装置1が移動手段を備えており移動可能である場合は、リビングルームRに設置される空気渦輪生成装置1は1個であってもよい。
【0029】
4個の認識装置5は、リビングルームRの四隅に設置されている。1個の空気渦輪生成装置1に対して1個の認識装置5が設けられている。なお、認識装置5は、リビングルームRに複数設けられている必要ななく、例えばリビングルームRに1個だけが設けられていてもよい。この場合、1個の認識装置5は、リビングルームRの全体を撮像できる位置に配置されていることが望ましい。
【0030】
リビングルームRにおいて送信者Sが対象者Tに対して手を振る合図を送った場合、認識装置5は、送信者Sの位置と、送信者Sが合図を送った対象者Tの位置と、を認識する。
【0031】
図6に示す通知装置100の使用例においては、認識装置5は、送信者Sが対象者Tに対して手を振るジェスチャーを「合図」として認識している。しかしながら、認識装置5が認識する合図はこれに限定されない。認識装置5が認識する合図は、例えば、話しかける動作であってもよいし、物をたたく動作であってもよい。
【0032】
制御装置4は、認識装置5から対象者Tと送信者Sとの位置を取得する。制御装置4は、対象者Tの位置から最も近い空気渦輪生成装置1を、空気渦輪Vを射出する空気渦輪生成装置1として選択する。図6に示す通知装置100の使用例においては、右上の空気渦輪生成装置1が空気渦輪Vを射出する空気渦輪生成装置1として選択される。
【0033】
制御装置4は、選択した空気渦輪生成装置1から連続した空気渦輪Vを射出させるように、任意波形発生器3を制御する。選択された空気渦輪生成装置1は、図6に示すように、連続する空気渦輪Vを対象者Tに対して射出する。
【0034】
空気渦輪生成装置1は、モータ等を搭載した駆動部を備えてよい。空気渦輪生成装置1が駆動部を備えている場合、空気渦輪生成装置1は制御装置4からの指示に基づいて空気渦輪Vが射出される方向を調整してもよい。
【0035】
対象者Tがろう・難聴者である場合、空気渦輪Vは対象者Tの肌が露出した部分や髪の毛に当てることが望ましい。なお、空気渦輪Vは対象者Tの衣服で覆われている部分に当ててもよい。上述のように空気渦輪生成装置1が駆動部を備えている場合、空気渦輪生成装置1は空気渦輪Vが対象者Tの肌が露出した部分や髪の毛に当たるように、制御装置4は空気渦輪Vが射出される方向を調整してもよい。空気渦輪生成装置1が駆動部を備えていない場合であっても、制御装置4は、空気渦輪Vが対象者Tの肌が露出した部分や髪の毛に当たらないと判断した場合、任意波形発生器3が生成する波形信号の振幅を大きくして、対象者Tに当たる空気渦輪Vの威力を強くしてもよい。
【0036】
空気渦輪Vが当たった対象者Tは、送信者Sから対象者Tに対する合図のみならず、合図の送信元の方向を認識できる。対象者Tには間隔Lで連続する空気渦輪Vが当たるため、対象者Tは合図の送信元の方向を認識しやすい。
【0037】
本実施形態に係る通知装置100によれば、聴覚を活用する通知方法の使用が適さない状況において離れた位置にいる対象者Tが合図の送信元の方向を認識しやすい。そのため、対象者Tが合図を認識した後のコミュニケーションがスムーズになる。ろう・難聴者は何も着用することなく通知装置100を搭載した環境によって空気渦輪Vを受けて、合図の送信元の方向を認識できる。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の一実施形態および以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0039】
(変形例1)
例えば、上記実施形態では、空気渦輪生成装置1は空気渦輪Vを放出する。しかしながら、空気渦輪生成装置1の出力はこれに限定されない。空気渦輪生成装置1の出力は、明確な空気渦輪Vの態様でなくてもよく、空気の振動が伝わる空気砲であればよい。
【0040】
(変形例2)
例えば、上記実施形態では、図7に示すように通知装置100は送信者Sが対象者Tに対して合図を送るコミュニケーション用途に使用されている。しかしながら、通知装置100の使用用途はこれに限定されない。通知装置100は、例えば、図8に示すように対象者Tに対してインターフォン等の呼び出しを伝達する装置として使用されてもよいし、図9に示すように就寝者の目覚めを支援する装置として使用されてもよいし、交通機関の運転者に対して注意喚起を行う装置として使用されてもよい。
【0041】
(変形例3)
例えば、上記実施形態では、通知装置100は予めリビングルームRに設置されている。しかしながら、通知装置100の態様はこれに限定されない。通知装置100は、例えばモバイル機器やウェアラブル機器であってもよい。通知装置100がモバイル機器やウェアラブル機器である場合、通知装置100が予め設置されていない環境においても通知装置100により対象者Tに合図のみならず合図の送信元の方向を認識させることができる。
【0042】
なお、通知装置の通知プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、離れた位置にいる対象者に通知する装置に使用できる。
【符号の説明】
【0044】
100 通知装置
1 空気渦輪生成装置
10 本体
11 空気渦輪射出口
12 スピーカ
13 開口
2 高速バイポーラ電源
3 任意波形発生器
4 制御装置
5 認識装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9