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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066532
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】寝具
(51)【国際特許分類】
   A47C 17/62 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
A47C17/62 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175906
(22)【出願日】2022-11-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年6月1日~令和4年11月2日東京セキスイファミエス株式会社、株式会社コウエイに公開。令和4年7月株式会社ライフアドバンスに公開。令和4年10月山田ゆうこに公開。
(71)【出願人】
【識別番号】522429479
【氏名又は名称】時照藤清殖産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】日比野 裕子
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でもって、複数の用途に使用可能な汎用性の高い寝具を提供する。
【解決手段】部屋Rの床面F及び壁面Wと別体に構成された小上がり部1と、マットレス部2と、を備え、小上がり部1は、上方に向かって開口し、マットレス部2を格納可能な格納空間Sを有し、小上がり部1の上面は、格納空間Sに格納されたマットレス部2の上面と略同一平面上に配置されるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の床面及び壁面と別体に構成された小上がり部と、マットレス部と、を備え、
前記小上がり部は、上方に向かって開口し、前記マットレス部を格納可能な格納空間を有し、
前記小上がり部の上面は、前記格納空間に格納された前記マットレス部の上面と略同一平面上に配置されるように構成されている、寝具。
【請求項2】
前記マットレス部を前記格納空間から取出した状態において、前記格納空間の開口の略全面を被覆可能な蓋部を備える、請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記蓋部は、天板部と、前記天板部の一側面から突設された脚部と、を有し、
前記天板部の上面は、前記格納空間の開口の略全面が被覆された状態において、前記小上がり部の上面と略同一平面上に配置可能に構成されている、請求項2に記載の寝具。
【請求項4】
前記天板部は、複数枚の天板部構成体を含み、
前記脚部は、前記各天板部構成体に設けられている、請求項3に記載の寝具。
【請求項5】
前記各天板部構成体には、机用天板と、前記机用天板と比してその側面の表面積が小さく構成された椅子用天板と、が設けられている、請求項4に記載の寝具。
【請求項6】
前記机用天板に設けられた前記脚部には、前記机用天板の上面の高さを調整する調整手段が設けられている、請求項5に記載の寝具。
【請求項7】
前記天板部の外周縁には、切り欠き部が設けられている、請求項3~6の何れかに記載の寝具。
【請求項8】
前記天板部の上面又は前記マットレス部の上面の全面を覆って敷設される敷きパッドを備える、請求項3~6の何れかに記載の寝具。
【請求項9】
前記小上がり部は、その隣接する二側面それぞれの全面が、前記部屋の隣接する二壁面それぞれに当接するように配置可能に構成されている、請求項1に記載の寝具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、就寝スペースを形成する他に、所定の機能、使用態様を有する寝具に係る発明が種々提案されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1及び特許文献2には、床下の空間を利用した床下収納ベッドに関する発明が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の床下収納ベッドは、マットレスの一方の面に、床面と同一の床面材が取り付けられており、マットレスの端面には回転軸が設けられている。
また、収納部分には、回転軸を受ける軸受けや、不意の横転を防止するストッパー機構等が設けられている。
このような構成により、マットレスを表出させてベッドとして使用する、或いはマットレスを収納部分に収納し、全体を床面として使用する、といった使用態様を、回転軸の回転でもって切替えることができる。
【0005】
特許文献2に記載の床下収納ベッドは、エアーポンプにて上下方向に伸縮されるエアーバッグの上部にエアーマットを設けてベッド本体が構成され、このベッド本体を、床面に形成される開口部内に収納して構成されている。
また、開口部には、手動操作により開閉自在な蓋体が設けられている。
このような構成により、開口部を蓋体で閉じて床面として使用する、蓋体を開いてエアーマットを表出させてベッドとして使用する、といった使用態様を、エアーポンプやエアーバッグでもって切替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭62-142955号公報
【特許文献2】実公平4-16237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の床下収納ベッドは、飽くまでも部屋に備え付けの床面に対して一体的に組付けられるものであるため、そのための改築や設計段階での仕様の決定が必要となり、汎用性に乏しい。
また、特許文献1及び特許文献2に記載の床下収納ベッドは、回転軸周りの機構やエアーポンプ等の機構といった、使用態様の切替えに要する機構により、構造が複雑化する。
【0008】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でもって、複数の用途に使用可能な汎用性の高い寝具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、部屋の床面及び壁面と別体に構成された小上がり部と、マットレス部と、を備え、
前記小上がり部は、上方に向かって開口し、前記マットレス部を格納可能な格納空間を有し、
前記小上がり部の上面は、前記格納空間に格納された前記マットレス部の上面と略同一平面上に配置されるように構成されている。
【0010】
本発明によれば、使用者は、格納空間にマットレス部を格納することで、小上がり部により就寝スペースやくつろぎスペースを形成することができ、格納空間からマットレス部を取出すことで、マットレス部単体で就寝スペースを形成し、小上がり部を収納スペースとして使用することができる。
また、小上がり部の上面と格納空間に格納されたマットレス部の上面と略同一平面上に配置されるように構成されていることで、マットレス部を格納した際の小上がり部全体が段差のないスッキリとした美観となり、部屋のスマートな空間デザインに資する。
さらに、小上がり部が部屋の床面及び壁面と別体に構成されていることで、部屋の間取りに合わせて、配置場所や小上がり部の形状等を容易に設計変更可能となる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記マットレス部を前記格納空間から取出した状態において、前記格納空間の開口の略全面を被覆可能な蓋部を備える。
【0012】
このような構成とすることで、小上がり部を収納スペースとして使用した際、収納した物品を外観から視認できないようにすることができるため、部屋のスマートな空間デザインに資する。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記蓋部は、天板部と、前記天板部の一側面から突設された脚部と、を有し、前記天板部の上面は、前記格納空間の開口の略全面が被覆された状態において、前記小上がり部の上面と略同一平面上に配置可能に構成されている。
【0014】
このような構成とすることで、小上がり部を収納スペースとして使用した際でも、小上がり部全体が段差のないスッキリとした美観となり、部屋のスマートな空間デザインに資する。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記天板部は、複数枚の天板部構成体を含み、前記脚部は、前記各天板部構成体に設けられている。
【0016】
このような構成とすることで、一の天板部構成体を小上がり部から取外すことで物置等として利用し、他の天板部構成体を小上がり部に腰掛ける座面としておくといった使用態様が可能であり、用途の幅が広がる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記各天板部構成体には、机用天板と、前記机用天板と比してその側面の表面積が小さく構成された椅子用天板と、が設けられている。
【0018】
このような構成とすることで、使用者は、マットレス部が格納された小上がり部で就寝スペースやくつろぎスペースを形成し、机用天板及び椅子用天板でダイニングスペースを形成することができ、用途の幅が広がる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記天板部の外周縁には、切り欠き部が設けられている。
【0020】
このような構成とすることで、使用者は、切り欠き部に自身の手を掛けて天板部(蓋部)を持ち上げることができ、天板部(蓋部)を小上がり部から取外す作業が容易となる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記天板部の上面又は前記マットレス部の上面の全面を覆って敷設される敷きパッドを備える。
【0022】
このような構成とすることで、使用者は、特に天板部(蓋部)の上面に敷設した際には、容易に就寝スペース或いはくつろぎスペースを形成でき、また、マットレス部の上面に敷設した際には、マットレスを汚す心配がなく、安心して就寝スペース或いはくつろぎスペースとして利用できる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記小上がり部は、その隣接する二側面それぞれの全面が、前記部屋の隣接する二壁面それぞれに当接するように配置可能に構成されている。
【0024】
このような構成とすることで、小上がり部を部屋の一部として、備え付けの家具の如く一体化させた美観を演出することができ、部屋のスマートな空間デザインにより資する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡易な構成でもって、複数の用途に使用可能な汎用性の高い寝具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る寝具を示す図であって、(a)マットレス部が格納された小上がり部の斜視図、(b)蓋部を構成する机用天板の斜視図、(c)蓋部を構成する椅子用天板の斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る寝具を示す図であって、(a)図1(a)におけるPP´線断面図、(b)マットレス部が格納された小上がり部の平面図、(c)図1(a)に示す状態からマットレス部を取出した状態の斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る寝具を示す図であって、(a)小上がり部の格納空間を蓋部により被覆する流れを示す斜視図、(b)小上がり部の格納空間を蓋部により被覆した状態の斜視図、(c)(b)のQQ´線断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る寝具の使用態様を説明するための図である。
図5】本発明の実施形態に係る寝具の使用態様を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態に係る寝具の使用態様を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態に係る寝具の使用態様を説明するための図である。
図8】本発明の実施形態に係る寝具の使用態様を説明するための図である。
図9】本発明の実施形態に係る寝具の使用態様を説明するための図である。
図10】本発明の実施形態に係る寝具の変更例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る寝具について説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、これらの図において、符号Xは、本実施形態に係る寝具を示す。
【0028】
<構成>
以下、図1図3を用いて、寝具Xの構成について説明する。
【0029】
図1図3に示すように、寝具Xは、部屋R(図4等参照)の床面F(図4等参照)及び壁面W(図4等参照)と別体に構成された小上がり部1と、マットレス部2と、格納空間S(図3参照)の開口の略全面を被覆可能な蓋部3と、を備えている。
【0030】
小上がり部1は、本実施形態においては、略直方体形状の箱体であり、部屋Rとの親和性、製造性等を考慮し、素材としては、所定の木材で形成されることが好ましいが、金属製、プラスチック製等であっても良く、特に限定されない。
また、小上がり部1は、特に図2及び図3に示すように、上方に向かって開口し、マットレス部2を格納可能な、略直方体形状の格納空間Sを有している。
【0031】
マットレス部2は、特に図2に示すように、一般的な略直方体形状のマットレス部本体21と、マットレス部本体21の底部に敷設される簀の子22と、を有している。
なお、マットレス部2において、簀の子22は設けられていなくても良く、マットレス部本体21のみでマットレス部2が構成されていても良い。
【0032】
ここで、特に図2(a)に示すように、小上がり部1の上面(開口端周縁)は、格納空間Sに格納されたマットレス部2の上面と略同一平面上に配置されるように構成されている。即ち、格納空間Sの高さとマットレス部2の高さ(厚み)とが略同一となるように構成されている。
また、特に図2(b)に示すように、マットレス部2の上面の面積及び形状と格納空間Sの平面視における面積及び形状とは、略同一に構成されている。
【0033】
蓋部3は、天板部31と、天板部31の一側面から突設された複数の脚部32と、を有している。
【0034】
天板部31は、その側面の面積及び形状が、格納空間Sの平面視における面積及び形状と略同一に構成されている板状体が複数枚に分割されることで、複数の天板部構成体Tが構成されている。
【0035】
天板部構成体Tは、本実施形態では、略長方形状の一枚の机用天板T1と、机用天板T1と比してその側面の表面積が小さく構成された、略正方形状の二枚の椅子用天板T2と、により構成されている。
また、机用天板T1及び各椅子用天板T2の外周縁には、それぞれ略半円状の一対の切り欠き部kが設けられている。
【0036】
脚部32は、机用天板T1及び各椅子用天板T2それぞれに、4本設けられている。
また、机用天板T1に設けられた各脚部32には、机用天板T1の上面の高さを調整する調整手段jが設けられている。
【0037】
調整手段jは、本実施形態では、机用天板T1に固定された外筒と、この外筒に挿通される内筒を連結するものであり、既知の無段階調整式の伸縮機構を用いることができる。
例えば、内筒の軸周りの回動でもって、外筒の内周面にかかる押圧力を調整することで、内筒の長さ方向への伸縮、及び調整手段jからの任意の突出長さでの固定が可能な機構を採用することができる。
【0038】
なお、調整手段jとして、外筒或いは内筒の一方の長さ方向に複数の貫通孔が設けられ、他方にこれらの貫通孔と連通可能な連通孔が設けられることで、連通孔と連通する貫通孔を選択し、ボルト等の締結手段により締結する、既知の有段階調整式の伸縮機構であっても良い。
この他、調整手段jとして、脚部32を2つの脚部構成体に分割し、分割された各脚部構成体をヒンジ結合することで、脚部32を折畳み可能な構成とし、折畳むことで高さを調整する構成を採用しても良い。
【0039】
ここで、特に図3に示すように、蓋部3は、マットレス部2を格納空間Sから取出した状態において、格納空間Sの開口の略全面を被覆可能である。
【0040】
詳述すれば、既述の通り、各天板部構成体T(机用天板T1及び各椅子用天板T2)は、その側面の面積及び形状が、格納空間Sの平面視における面積及び形状と略同一に構成されている板状体が複数枚に分割されることで構成されている。
このため、机用天板T1及び各椅子用天板T2を、全体として略長方形状の外形となるように相互に当接させて、各脚部32を格納空間Sの底面に載置することで、図3(a)から図3(b)に示す状態となる。
【0041】
このとき、机用天板T1の各脚部32は、調整手段jにより最も短い状態となされており、この状態において、机用天板T1の上面の高さd1は、格納空間Sの高さと略同一となるように構成されている。
また、各椅子用天板T2の高さd2は、格納空間Sの高さと略同一となるように構成されている。
これにより、特に図3(b)及び(c)に示すように、天板部31の上面は、格納空間Sの開口の略全面が被覆された状態において、小上がり部1の上面と略同一平面上に配置されることとなる。
【0042】
なお、特に図3(c)に示すように、蓋部3により格納空間Sの開口を被覆した状態において、格納空間S内部には一定の収納空間が形成されるため、使用者は、この空間に、関連する所望の備品(後述する敷きパッド4や、枕f1、掛布団f2(図6等参照)、テーブルクロスf3、座布団f4等)を収納しておくことができる。
【0043】
<使用態様>
以下、図4図8を用いて、寝具Xの部屋Rでの使用態様について説明する。
【0044】
なお、各図において、小上がり部1の隣接する二側面それぞれの全面が、部屋Rの隣接する二壁面Wそれぞれに当接するように配置されている。即ち、小上がり部1は、部屋Rの隅にぴったりとくっつけられるように配置されている。
また、各図において、小上がり部1における、二壁面Wに当接されていない(外部に露出している)二側面は、部屋Rの床面Fのデザインと同一のデザインが施されている。このデザインは、例えば、二側面に壁紙を貼付する等して施すことができる。
【0045】
図4図6は、格納空間Sにマットレス部2を格納した状態での使用態様であり、使用者は、蓋部3を用いて、ダイニングスペースを形成することができる。
即ち、使用者は、机用天板T1の各脚部32を所望の長さに伸長させ、床面Fに配置し、机用天板T1の近傍の床面Fに、各椅子用天板T2を配置する。
なお、机用天板T1にはテーブルクロスf3が敷設され、各各椅子用天板T2には座布団f4が敷設されている。
【0046】
ここで、寝具Xは、天板部31の上面又はマットレス部2の上面の全面を覆って敷設される、折畳み可能な略長方形状の敷きパッド4を備えている。
敷きパッド4は、本実施形態においては、その側面の面積及び形状が、小上がり部1の底面の面積及び形状と略同一に構成されており、図4図6においては、マットレス部2の上面に加え、小上がり部1の上面の略全面を覆って敷設されている。
【0047】
特に、図4においては、ダイニングスペースが小上がり部1からやや離れた位置に形成され、小上がり部1においては、敷きパッド4の上に複数のクッションf5を並べ、座ったり寝そべったりすることができるくつろぎスペースが形成されている。
なお、クッションf5は、図3(c)に示した物品と共に、格納空間Sに収納しておくことができる。
【0048】
特に、図5においては、くつろぎスペースは図4と同様であるが、机用天板T1を小上がり部1に隣接して配置し、机用天板T1を挟んで小上がり部1と対向する側に、各椅子用天板T2を配置している。
これにより、使用者は、くつろぎスペースを活用しつつ、極力省スペースでもって、机用天板T1を囲んで食事、談話等可能なダイニングスペースを形成することができる。
【0049】
特に、図6においては、ダイニングスペースは図4と同様であるが、図4におけるクッションf5が他の任意の場所に保管され、その代わりに、敷きパッド4に枕f1と掛布団f2が載置されることで就寝スペースが形成されている。
【0050】
図7及び図8は、格納空間Sを蓋部3で被覆した状態(机用天板T1及び各椅子用天板T2を格納空間Sに格納した状態)での使用態様であり、使用者は、マットレス部2を床面Fに配置することで、小上がり部1とは異なる位置に就寝スペースを形成することができる。
即ち、使用者は、床面Fに、簀の子22を下にしてマットレス部2を配置し、その上に枕f1と掛布団f2を載置する。
【0051】
特に、図7においては、小上がり部1の近傍にマットレス部2が配置されることで、天板部31が、所謂サイドテーブルの役割を果たし、使用者は、本やシェードランプ等の所望の物品を天板部31に載置しておくことができる。
なお、使用者は、このような物品を、不使用時に格納空間Sに収納しておくことができる。
【0052】
特に、図8においては、敷きパッド4が天板部31の上面(及び小上がり部1の上面)に敷設され、さらにその上に枕f1と掛布団f2が載置されることで、マットレス部2に加え、もう一つの就寝スペースが形成されている。
【0053】
<効果>
本実施形態の寝具Xによれば、以下の効果を奏する。
【0054】
<<主な効果>>
即ち、本実施形態によれば、使用者は、格納空間Sにマットレス部2を格納することで、小上がり部1により就寝スペースやくつろぎスペースを形成することができ、格納空間Sからマットレス部2を取出すことで、マットレス部2単体で就寝スペースを形成し、小上がり部1を収納スペースとして使用することができる。
【0055】
また、マットレス部2を格納した際の小上がり部1全体が段差のないスッキリとした美観となり、部屋Rのスマートな空間デザインに資すると共に、小上がり部1の形状等は、容易に設計変更可能である。
【0056】
また、蓋部3により、小上がり部1を収納スペースとして使用した際、収納した物品を外観から視認できないようにすることができるため、部屋Rのスマートな空間デザインに資する。
【0057】
また、蓋部3で格納空間Sを被覆した際も、小上がり部1全体が段差のないスッキリとした美観となり、部屋Rのスマートな空間デザインに資する。
【0058】
また、天板部31は、脚部32が設けられた複数枚の天板部構成体Tを含むことで、一の天板部構成体Tを物置等として利用し、他の天板部構成体Tを小上がり部1に腰掛ける座面としておくといった使用態様が可能であり、用途の幅が広がる。
【0059】
また、机用天板T1と椅子用天板T2とにより、使用者は、マットレス部2が格納された小上がり部1で就寝スペースやくつろぎスペースを形成し、机用天板T1及び椅子用天板T2でダイニングスペースを形成することができ、用途の幅が広がる。
【0060】
また、切り欠き部kにより、使用者は、切り欠き部kに自身の手を掛けて天板部31を持ち上げることができ、天板部31(蓋部3)を小上がり部1から取外す作業が容易となる。
【0061】
また、敷きパッド4により、使用者は、特に天板部31(蓋部3)の上面に敷設した際には、容易に就寝スペース或いはくつろぎスペースを形成でき、また、マットレス部2の上面に敷設した際には、マットレスを汚す心配がなく、安心して就寝スペース或いはくつろぎスペースとして利用できる。
【0062】
また、小上がり部1の隣接する二側面それぞれの全面を、部屋Rの隣接する二壁面Wそれぞれに当接するように配置することで、小上がり部1を部屋Rの一部として、備え付けの家具の如く一体化させた美観を演出することができ、部屋Rのスマートな空間デザインにより資する。
【0063】
<<その他の効果>>
本実施形態によれば、小上がり部1が、部屋Rの床面F及び壁面Wと別体に構成されていることで、図9に示すように、部屋Rでの配置箇所を容易に変更でき、模様替えを迅速に行うことができる。
【0064】
また、小上がり部1が、部屋Rの床面F及び壁面Wと別体に構成されていることで、外部に露出している二側面のデザインを、壁紙の張替え等により柔軟に変更でき、引っ越し等で部屋の床面のデザインが変わった場合でも、変わらず一体感を演出可能となる。
【0065】
なお、上述の実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0066】
例えば、図10に示すように、部屋Rの隣接する二壁面Wのなす角に合わせて、小上がり部1の形状を設計変更可能であり、全体のサイズ感も任意に設計変更可能である。
図10においては、小上がり部1について、二壁面Wのなす角に合わせた形状変更と共に、全体のサイズ感を上げることで上面の表面積を増大させており、これにより、上面を、一定の大きさを有する荷物を載置する物置きとして利用することができる。
【0067】
ここで、図10においては、マットレス部2の上面に敷きパッド4を敷設していないが、このように、敷きパッド4の敷設は、図4等においても必須ではなく、マットレス部2のみであっても、小上がり部1にくつろぎスペース、或いは就寝スペースを形成することができる。
【0068】
この他、蓋部3についても、使用者の設計要求に基づき変更可能である。
即ち、天板部31の分割の仕方によって、天板部構成体Tの構成要素を変更可能であり、例えば、天板部構成体Tを、1つの机用天板T1と、3つ以上の椅子用天板T2或いは1つの椅子用天板T2と、により構成することができる。
また、天板部31を均等に二分割することで、天板部構成体Tを、2つの机用天板T1として構成することができる。
さらに、椅子用天板T2に設けられた脚部32に調整手段jが設けられていても良い。
【符号の説明】
【0069】
X 寝具
1 小上がり部
S 格納空間
2 マットレス部
21 マットレス部本体
22 簀の子
3 蓋部
31 天板部
32 脚部
4 敷きパッド
R 部屋
F 床面
W 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の床面及び壁面と別体に構成された小上がり部と、マットレス部と、を備え、
前記小上がり部は、上方に向かって開口し、前記マットレス部を格納可能な格納空間を有し、
前記小上がり部の上面は、前記格納空間に格納された前記マットレス部の上面と略同一平面上に配置されるように構成され、
前記マットレス部を前記格納空間から取出した状態において、前記格納空間の開口の略全面を被覆可能な蓋部をさらに備え、
前記蓋部は、天板部と、前記天板部の一側面から突設された脚部と、を有し、
前記天板部の上面は、前記格納空間の開口の略全面が被覆された状態において、前記小上がり部の上面と略同一平面上に配置可能に構成されている、寝具。
【請求項2】
前記天板部は、複数枚の天板部構成体を含み、
前記脚部は、前記各天板部構成体に設けられている、請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記各天板部構成体には、机用天板と、前記机用天板と比してその側面の表面積が小さく構成された椅子用天板と、が設けられている、請求項2に記載の寝具。
【請求項4】
前記机用天板に設けられた前記脚部には、前記机用天板の上面の高さを調整する調整手段が設けられている、請求項3に記載の寝具。
【請求項5】
前記天板部の外周縁には、切り欠き部が設けられている、請求項1~4の何れかに記載の寝具。
【請求項6】
前記天板部の上面又は前記マットレス部の上面の全面を覆って敷設される敷きパッドを備える、請求項1~4の何れかに記載の寝具。
【請求項7】
前記小上がり部は、その隣接する二側面それぞれの全面が、前記部屋の隣接する二壁面それぞれに当接するように配置可能に構成されている、請求項1に記載の寝具。