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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066546
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ドア開閉システム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20240509BHJP
【FI】
E05F15/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175934
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000138613
【氏名又は名称】株式会社ユニオン
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】田河 寿一
(72)【発明者】
【氏名】宮本 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】柳 昇汎
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052BA06
2E052CA06
2E052EA02
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA06
2E052GB01
(57)【要約】
【課題】ドアを開く意図がないときに無用にドアが開かれることを抑制できるドア開閉システムを提供する。
【解決手段】
本願に開示するドア開閉システムは、駆動装置10と、動作センサ20と、制御装置30とを具備する。駆動装置10は、開閉するようにドア1を駆動する。動作センサ20は、人の所定部位としての手3の動作を検出する。制御装置30は、動作センサ20によって検出される人の手3の動作が予め定められる動作であるときに、ドア1を開閉するように駆動装置10を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアを開閉するように駆動する駆動装置と、
人の所定部位の動作を検出する動作センサと、
前記動作センサによって検出される前記所定部位の動作が予め定められる動作であるときに、前記ドアを開閉するように前記駆動装置を制御する制御装置
とを具備するドア開閉システム。
【請求項2】
前記ドアを表す仮想ドア、及び前記所定部位を表す仮想部位を表示する表示装置を更に具備し、
前記制御装置は、
前記動作センサによって検出される前記所定部位の動作に応じて前記仮想部位が動作する様子を表示するように、前記表示装置を制御するとともに、
前記動作センサによって検出される前記所定部位の動作が前記予め定められる動作であるとき、前記仮想ドアが開閉される様子を表示するように前記表示装置を制御する、請求項1に記載のドア開閉システム。
【請求項3】
前記予め定められる動作と対応する触覚を前記所定部位に与えるように、超音波によって前記所定部位を刺激する非接触触覚提示装置を更に具備する、請求項1又は請求項2に記載のドア開閉システム。
【請求項4】
前記非接触触覚提示装置は、前記予め定められる動作を誘導するように、前記超音波によって前記所定部位を刺激する、請求項3に記載のドア開閉システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア開閉システムに関し、特に、ドアノブ等に触れることなく建物のドアを開閉するためのドア開閉システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物のドアを開閉するドア開閉装置として、特許文献1には、ドアを開閉するように駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御部と、人を検知する人センサとを備える開閉装置が記載されている。特許文献1に記載の開閉装置によれば、人センサが人を検知すると、制御部が、ドアを開くように駆動部を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-173079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のドア開閉装置においては、人センサが人を検知するとドアを開ける意図がなくともドアが開かれることとなり、無用に電力が消費されたり、室内の温度管理に困難を来したりする等の問題を生ずる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドアを開く意図がないときに無用にドアが開かれることを抑制できるドア開閉システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示するドア開閉システムは、駆動装置と、動作センサと、制御装置とを具備する。前記駆動装置は、開閉するようにドアを駆動する。前記動作センサは、人の所定部位の動作を検出する。前記制御装置は、前記動作センサによって検出される前記所定部位の動作が予め定められる動作であるときに、前記ドアを開閉するように前記駆動装置を制御する。
【0007】
本願に開示するドア開閉システムは、表示装置を更に具備する。前記表示装置は、前記ドアを表す仮想ドア、及び前記所定部位を表す仮想部位を表示する。そして、前記制御装置は、前記動作センサによって検出される前記所定部位の動作に応じて前記仮想部位が動作する様子を表示するように、前記表示装置を制御する。また、前記制御装置は、前記動作センサによって検出される前記所定部位の動作が前記予め定められる動作であるとき、前記仮想ドアが開閉される様子を表示するように前記表示装置を制御する。
【0008】
本願に開示するドア開閉システムは、非接触触覚提示装置を更に具備する。前記非接触触覚提示装置は、前記予め定められる動作と対応する触覚を前記所定部位に与えるように、超音波によって前記所定部位を刺激する。
【0009】
本願に開示するドア開閉システムにおいて、前記非接触触覚提示装置は、前記予め定められる動作を誘導するように、前記超音波によって前記所定部位を刺激する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るドア開閉システムによれば、ドアを開く意図がないときに無用にドアが開かれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係るドア開閉システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】実施形態のモニタ装置における一表示例を示す正面図である。
図3】実施形態のモニタ装置における他の表示例を示す正面図である。
図4】実施形態のモニタ装置における更に他の表示例を示す正面図である。
図5】実施形態の制御装置が実行するドア開閉処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るドア開閉システムを図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0013】
〈実施形態〉
以下に、図1から図4を参照して、本発明の実施形態に係るドア開閉システムを説明する。図1は、本発明の実施形態に係るドア開閉システムを示すブロック図である。図2は、実施形態のモニタ装置における一表示例を示す正面図である。図3は、実施形態のモニタ装置における他の表示例を示す正面図である。図4は、実施形態のモニタ装置における更に他の表示例を示す正面図である。
【0014】
図1に示すように、実施形態に係るドア開閉システムは、ドアノブ等に触れることなくドア1を開閉するシステムであり、駆動装置10と、動作センサ20と、制御装置30と、表示装置としてのモニタ装置40と、非接触触覚提示装置50とを具備する。実施形態においては、ドア1は、建物に設置される開き戸であり、ドアハンドル2を有している。
【0015】
また、実施形態においては、動作センサ20、及び非接触触覚提示装置50は、一体的に設けられており、ドア1の近傍に設置される。モニタ装置40は、動作センサ20、及び非接触触覚提示装置50の近傍の位置であって、動作センサ20、及び非接触触覚提示装置50によってドア1を開閉しようとする操作者から視聴可能な位置に設置される。
【0016】
駆動装置10は、ドア1を開閉するようにドア1を駆動する。実施形態において、駆動装置10は、電動機を有しており、電力によって、ドア1を開閉するように駆動する。
【0017】
動作センサ20は、人の所定部位の動作を検出する。実施形態においては、所定部位は手3であり、動作センサ20は、赤外線照射ユニット、及び2つの赤外線カメラを有し、一定の検出エリア内における人の手3の動作を所定部位の動作として光学的に検出する。なお、「一定の検出エリア」とは、動作センサ20が所定部位の動作を正確に検出可能な動作センサ20の近傍の一定の領域をいう。
【0018】
また、実施形態においては、所定部位は、手3であるが、これに限られず、動作センサ20が動作を正確に検出可能な部位であればどのような部位であってもよく、例えば腕や脚、頭部であってもよい。また、所定部位は一つの部位に限られず、複数の部位であってもよい。
【0019】
また、「所定部位の動作」とは、所定部位の移動や向きの変化、及び所定部位の形状変化、例えば手であれば物を握ったり離したりする指や掌の形状変化、腕であれば腕の曲げ伸ばしのような形状変化、又、首から上の頭部であれば例えばうなずく際の首の曲げ伸ばしのような形状変化を含む概念であり、複数の部位が連携した動作であってもよく、体全体の動作であってもよい。
【0020】
そして、動作センサ20は、実施形態においては、2つの赤外線カメラによって別方向から撮影される手3の画像に対し所定の画像処理を行い、手3の移動や向きの変化、各指の関節、及び掌の位置に関する情報を取得し、取得した情報を示す電気信号を制御装置30に出力する。
【0021】
制御装置30は、動作センサ20によって検出される人の手3の動作が予め定められる動作であるときに、ドア1を開閉するように駆動装置10を制御する。実施形態においては、制御装置30は、検出制御装置31と、駆動制御装置32とを含む。
【0022】
表示装置としてのモニタ装置40は、ドアを表す仮想ドア、及び人の所定部位を表す仮想部位を表示する。実施形態においては、図2から図4に示すように、モニタ装置40は、ドア1を表す仮想ドア1A、及び人の手3を表す仮想手3Aを表示する。なお、「仮想」とは、その物が実物ではなく、モニタ装置40に表示されるモデルであることを示す用語である。
【0023】
図2から図4を参照して後で詳しく説明するように、制御装置30の検出制御装置31は、動作センサ20によって検出される人の手3の動作に応じて仮想手3Aが動作する様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。また、検出制御装置31は、動作センサ20によって検出される人の手3の動作が予め定められる動作であるとき、仮想ドア1Aが開閉される様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。
【0024】
制御装置30の駆動制御装置32は、動作センサ20によって検出される人の手3の動作が予め定められる動作であるとき、ドア1を実際に開閉するように、駆動装置10を制御する。
【0025】
非接触触覚提示装置50は、予め定められる動きと対応する触覚を所定部位に与えるように、超音波によって所定部位を刺激する。所定部位が人の手3であれば、予め定められる動きと対応する触覚を手3に与えるように、超音波によって手3を刺激する。実施形態においては、非接触触覚提示装置50は、縦横に規則正しく配列された多数の超音波振動子を有し、上述した検出エリア内の任意の位置にフェーズドアレイによって超音波の焦点や細かい分布を作り出すように電子的に制御し、何も装着していない人体表面に、超音波によって触覚を提示する。音のエネルギ密度の大きい超音波の焦点においては、正負に変動する音圧の平均値が上昇する。これは音響放射圧と呼ばれており、これが人体表面を押す力となる。
【0026】
また、非接触触覚提示装置50は、予め定められる動作を誘導するように、超音波によって手3を刺激する。視覚においては、注視している物体が運動するとき、それを自然に視野中心にとらえながらトラッキングすることができる。そのような視覚の能力は、パーシュートと呼ばれる。触覚においても同様な能力が発見されており、そのような能力は触覚パーシュートと呼ばれる。
【0027】
掌に点状の触覚刺激が与えられ、それが横方向に移動する状況を考えると、非接触触覚提示装置50が、皮膚上の圧力分布が横方向に移動するような刺激を手3に与えることによって、手3は、その圧力分布の移動を触覚パーシュートによって容易に追従することができる。従って、例えば点状の触覚刺激を目的地に移動していくことで、手を任意の地点に誘導することができ、予め定められる動作を誘導することができる。
【0028】
また、操作者が能動的に手3を動かしながら正しい方向を探り当てるようにして、予め定められる動作を誘導することもできる。例えば、ライン上を走査する点状の触覚刺激を提示しておくと、手3はその操作方向を簡単に知覚することができる。従って、操作者は、点状の触覚刺激が走査されるラインに沿って手3を動かすことによって、触覚によって任意の軌道を追従することができ、予め定められる動作を誘導することができる。
【0029】
以下、図2から図4の各例を詳しく説明する。
【0030】
図2から図4に示す各例においては、検出制御装置31は、図1の手3が上述の検出エリアに侵入したとき手3を表す仮想手3Aを表示し、手3の実際の動作に応じ仮想手3Aが同様に動作する様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。また、非接触触覚提示装置50は、予め定められる動きと対応する触覚を人の手3に与えるように、超音波によって手3を刺激するとともに、必要に応じ、予め定められる動作を誘導するように、超音波によって手3を刺激する。
【0031】
図2に示す例においては、モニタ装置40には、検出制御装置31の制御によって、ドア1と対応する仮想ドア1Aと、ドアハンドル2と対応する仮想ハンドル2Aとが表示されている。なお、図2においては、仮想ドア1Aの全体と、仮想ハンドル2Aとが表示されているが、仮想ドア1Aのうち、仮想ハンドル2Aが設けられている部分だけを拡大して表示してもよく、仮想ハンドル2Aだけを表示してもよい。
【0032】
図1の手3が上述の検出エリアに侵入すると、モニタ装置40に仮想手3Aが表示され、手3が検出エリア内の所定位置まで移動すると、非接触触覚提示装置50は、ドアハンドル2、又は仮想ハンドル2Aと対応する触覚を手3に与えるように超音波によって手3を刺激する。また、非接触触覚提示装置50は、一定のライン上を走査する点状の触覚刺激を提示し、仮想手3Aが仮想ハンドル2Aに到達するまで手3を誘導してもよい。
【0033】
操作者は、モニタ装置40の表示と、非接触触覚提示装置50によって提示される触覚とを頼りに、仮想手3Aによって仮想ハンドル2Aを掴み仮想ドア1Aを引き開けるように、手3を動作させる。また、非接触触覚提示装置50は、仮想手3Aが仮想ハンドル2Aを掴んだ後、手3を引く方向を例えば触覚パーシュートによって示すようにして、手3の動作を誘導してもよい。
【0034】
動作センサ20が、検出エリア内の所定位置において手3が何かを掴み手前に引くような動作を検出すると、検出制御装置31は、仮想手3Aが仮想ハンドル2Aを掴み手前に引く様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。また、検出制御装置31は、ドア1を開けるために予め定められる動作が検出されたものとして、仮想ドア1Aが、仮想手3Aの移動とともに開かれていく様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。また、駆動制御装置32は、図1のドア1が開くように駆動装置10を制御する。
【0035】
また、図2に示す例において、仮想ドア1Aが既に開かれており、図1のドア1も開いている状態で、図1の手3が上述の検出エリア内の所定位置に達すると、非接触触覚提示装置50は、ドアハンドル2、又は仮想ハンドル2Aと対応する触覚を手3に与えるように超音波によって手3を刺激する。そして、手3が何かを掴み前に押す動作を動作センサ20が検出すると、検出制御装置31は、仮想手3Aが仮想ハンドル2Aを掴み前に押す様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。
【0036】
また、検出制御装置31は、ドア1を閉めるために予め定められる動作が検出されたものとして、仮想ドア1Aが、仮想手3Aの移動とともに閉じられていく様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。駆動制御装置32は、図1のドア1が閉じるように駆動装置10を制御する。非接触触覚提示装置50は、仮想手3Aが仮想ハンドル2Aを掴んだ後、手3を前に押す方向を例えば触覚パーシュートによって示すようにして、手3の動作を誘導してもよい。
【0037】
図3に示す例においては、仮想ドア1Aの近傍に仮想ドア1Aを開閉するための仮想開閉ボタン4が、検出制御装置31の制御によって表示されている。非接触触覚提示装置50は、検出エリア内の所定位置において仮想開閉ボタン4と対応する触覚を提示するように、超音波によって手3を刺激する。また、非接触触覚提示装置50は、必要に応じ、例えば触覚パーシュートによって仮想開閉ボタン4の位置まで仮想手3Aを導くように、超音波によって手3を刺激してもよい。
【0038】
操作者は、モニタ装置40の表示と、非接触触覚提示装置50によって提示される触覚とを頼りに、仮想手3Aの指によって仮想開閉ボタン4を押すように手3を動かす。
【0039】
図1の手3が上述の検出エリア内の所定位置において指で何かを押す動作を動作センサ20が検出すると、検出制御装置31は、仮想手3Aが指で仮想開閉ボタン4を押す様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。また、検出制御装置31は、ドア1を開けるために予め定められる動作が検出されたものとして、仮想ドア1Aが開いていく様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。そして、駆動制御装置32は、図1のドア1が開くように駆動装置10を制御する。
【0040】
また、図3に示す例において、仮想ドア1Aが既に開かれており、図1のドア1も開いている状態で、図1の手3が上述の検出エリア内の所定位置に達すると、非接触触覚提示装置50は、仮想開閉ボタン4と対応する触覚を手3に与えるように超音波によって手3を刺激する。図1の手3が上述の検出エリア内の所定位置において指で何かを押す動作を動作センサ20が検出すると、検出制御装置31は、仮想手3Aが指で仮想開閉ボタン4を押す様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。また、検出制御装置31は、ドア1を閉めるために予め定められる動作が検出されたものとして、仮想ドア1Aが閉じていく様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。そして、駆動制御装置32は、図1のドア1が閉じるように駆動装置10を制御する。
【0041】
図4に示す例においては、図1のドア1に、図示しない電動式のロック機構が設けられている。駆動制御装置32は、ドア1をロックしているロック状態と、ロックが解除されている解除状態との間でロック機構を切替えるように、ロック機構を制御する。また、モニタ装置40には、検出制御装置31の制御によって、ロック機構を解除状態に切替えるための仮想暗証番号パネル5が仮想ドア1Aの近傍に表示される。
【0042】
非接触触覚提示装置50は、検出エリア内の所定位置において仮想暗証番号パネル5と対応する触覚を提示するように、超音波によって手3を刺激する。また、非接触触覚提示装置50は、必要に応じ、仮想暗証番号パネル5の位置まで仮想手3Aを導くように、超音波によって手3を刺激してもよい。
【0043】
操作者は、モニタ装置40の表示と、非接触触覚提示装置50によって提示される触覚とを頼りに、仮想手3Aの指によって仮想暗証番号パネル5の各ボタンを順次に押すように手3を動かす。また、非接触触覚提示装置50は、必要に応じ、例えば触覚パーシュートによって仮想暗証番号パネル5の位置まで仮想手3Aを導くように、超音波によって手3を刺激してもよい。
【0044】
図1の手3が上述の検出エリア内の所定位置において指で何かを順次に押すような動作を動作センサ20が検出すると、検出制御装置31は、仮想手3Aが指で仮想暗証番号パネル5の各ボタンを順次に押す様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。また、仮想暗証番号パネル5の各ボタンが順次に押されることによって入力される暗証番号が真正であるとき、ドア1を開けるために予め定められる動作が検出されたものとして、検出制御装置31は、仮想ドア1Aが開いていく様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。また、駆動制御装置32は、ロック機構を解除状態に切替えるとともに、図1のドア1が開くように駆動装置10を制御する。
【0045】
また、図4に示す例において、仮想ドア1Aが既に開かれており、図1のドア1も開いている状態で、図1の手3が上述の検出エリア内の所定位置に達すると、非接触触覚提示装置50は、ドアハンドル2と対応する触覚を手3に与えるように超音波によって手3を刺激する。そして、手3が何かを掴み前に押す動作を動作センサ20が検出すると、検出制御装置31は、仮想手3Aが仮想ハンドル2Aを掴み前に押す様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。非接触触覚提示装置50は、仮想手3Aが仮想ハンドル2Aを掴んだ後、手3を前に押す方向を例えば触覚パーシュートによって示すようにして、手3の動作を誘導してもよい。
【0046】
また、検出制御装置31は、ドア1を閉めるために予め定められる動作が検出されたものとして、仮想ドア1Aが、仮想手3Aの移動とともに閉じられていく様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。また、駆動制御装置32は、図1のドア1が閉じるように駆動装置10を制御するとともに、ロック機構をロック状態に切替える。
【0047】
次に、図5を参照して、実施形態のドア開閉システムの動作を説明する。図5は、実施形態の制御装置が実行するドア開閉処理を示すフローチャートである。
【0048】
図5のステップS1においては、制御装置30は、所定の検出エリアにおいて手3が動作センサ20によって検出されたか否かを判定する。所定の検出エリアにおいて手3が検出されているとき、ステップS2に進み、所定の検出エリアにおいて手3が検出されていないとき、所定時間ごとにステップS1の判定を繰り返す。
【0049】
図5のステップS2においては、制御装置30は、仮想手3Aを表示するようにモニタ装置40を制御する。
【0050】
図5のステップS3においては、制御装置30は、予め定められる動作と対応する触覚を提示するように、非接触触覚提示装置50を制御する。
【0051】
図5のステップS4においては、制御装置30は、必要に応じ、予め定められる動作を誘導するための触覚を提示するように、非接触触覚提示装置50を制御する。
【0052】
図5のステップS5においては、制御装置30は、所定の検出エリアにおいて手3の予め定められる動作が動作センサ20によって検出されたか否かを判定する。予め定められる動作が検出されているとき、処理はステップS6に進み、予め定められる動作が検出されていないとき、制御装置30は、所定時間ごとにステップS5の判定を繰り返す。
【0053】
図5のステップS6においては、制御装置30は、仮想ドア1Aが開閉する様子を表示するようにモニタ装置40を制御するとともに、ドア1が実際に開閉するように、駆動装置10を制御する。
【0054】
以上、図1図5を参照して説明したように、実施形態のドア開閉システムによれば、制御装置30は、動作センサ20によって検出される人の所定部位としての手3の動作が予め定められる動作であるときに、ドア1を開閉するように駆動装置10を制御する。従って、ドア1の近傍において人が検出されるだけではドア1は開閉されず、手3によって特定の動作が行われたときにだけドア1が開閉されることとなり、ドアを開く意図がないときに無用にドアが開かれることを抑制できる。その結果、無用に電力が消費されたり、室内の温度管理に困難を来したりすることを防止できる。
【0055】
また、図1図5を参照して説明したように、実施形態のドア開閉システムによれば、制御装置30は、動作センサ20によって検出される人の手3の動作に応じて仮想手3Aが動作する様子を表示するように、モニタ装置40を制御する。また、制御装置30の検出制御装置31は、動作センサ20によって検出される人の手3の動作が予め定められる動作であるとき、仮想ドア1Aが開閉される様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。
【0056】
従って、ドア1を開閉しようとする操作者は、モニタ装置40の表示を頼りに、ドア1を開閉するものとして予め定められる動作を行うことができ、予め定められる動作を行うように視覚的情報によって操作者を補助でき、操作者は、より簡単にドア1を開閉できる。
【0057】
図2の例においては、制御装置30は、手3の動作に応じて仮想手3Aが仮想ハンドル2Aを掴み手前に引いたり前に押したりする様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。図3の例においては、制御装置30は、手3の動作に応じて仮想手3Aが仮想開閉ボタン4を押す様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。図4の例においては、制御装置30は、手3の動作に応じて仮想手3Aが仮想暗証番号パネル5の各ボタンを順次に押したり仮想ハンドル2Aを掴み前に押したりする様子を表示するようにモニタ装置40を制御する。従って、操作者が予め定められる動作を行うように視覚的情報によって補助することができ、操作者は、より簡単にドア1を開閉できる。
【0058】
また、図1図5を参照して説明したように、実施形態のドア開閉システムによれば、非接触触覚提示装置50が、予め定められる動作と対応する触覚を人の手3に与えるように、超音波によって人の手3を刺激する。
【0059】
図2の例においては、非接触触覚提示装置50は、ドアハンドル2、又は仮想ハンドル2Aと対応する触覚を手3に与えるように超音波によって手3を刺激する。図3の例においては、非接触触覚提示装置50は、仮想開閉ボタン4と対応する触覚を手3に与えるように超音波によって手3を刺激する。図4の例においては、非接触触覚提示装置50は、仮想暗証番号パネル5の各ボタンと対応する触覚を手3に与えるように超音波によって手3を刺激する。従って、操作者が予め定められる動作を行うように触覚的情報によって補助することができ、操作者は、より簡単にドア1を開閉できる。
【0060】
以上のとおり、実施形態によれば、視覚的情報と触覚的情報の両方によって操作者が予め定められる動作を行うように補助でき、操作者は、更により簡単にドア1を開閉できる。
【0061】
また、図1図5を参照して説明したように、実施形態のドア開閉システムによれば、非接触触覚提示装置50が、予め定められる動作を誘導するように、超音波によって人の手3を刺激する。従って、操作者は、予め定められる動作を直感的に把握し易くなるとともに、予め定められる動作をより正確に行うことが可能となる。その結果、予め定められる動作をより厳密なものとしても、操作者が予め定められる動作を行うことが容易となり、ドアを開く意図がないときに無用にドアが開かれることを更により効果的に抑制できる。
【0062】
以上、図面(図1図5)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記(1))。
【0063】
(1)図3に示す例においては、仮想開閉ボタン4と対応するボタンは実際のドア1には設置されていないが、仮想開閉ボタン4の機能と対応するボタンを実際にドア1に設けることもできる。また、図4に示す例においては、仮想暗証番号パネル5と対応するパネルは実際のドア1には設置されていないが、仮想暗証番号パネル5の機能と対応するパネルを実際にドア1に設けることもできる。
【符号の説明】
【0064】
1…ドア
1A…仮想ドア
3…手(所定部位)
3A…仮想手(仮想部位)
10…駆動装置
20…動作センサ
30…制御装置
31…検出制御装置
32…駆動制御装置
40…モニタ装置(表示装置)
50…非接触触覚提示装置
図1
図2
図3
図4
図5