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特開2024-66557情報提供制御装置、提供装置、情報提供制御方法、及び、情報提供制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066557
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】情報提供制御装置、提供装置、情報提供制御方法、及び、情報提供制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240509BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240509BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240509BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06Q50/10
G06T7/00 660A
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022175960
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】江川 千聖
【テーマコード(参考)】
5E555
5L030
5L049
5L050
5L096
【Fターム(参考)】
5E555AA17
5E555AA59
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC17
5E555BD01
5E555CA42
5E555CB65
5E555DA03
5E555DB41
5E555DB53
5E555EA05
5E555EA22
5E555FA00
5L030BB08
5L049BB08
5L049CC11
5L050CC11
5L096BA04
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
5L096HA07
(57)【要約】
【課題】移動体の中の人物が移動体から見える対象物に興味を示した場合に、当該人物に対して当該対象物に関する情報を適切かつ迅速に提供する。
【解決手段】情報提供制御装置40は、移動体の中の人物の人物画像411、その人物の座席の位置情報412、当該移動体の外の対象物の位置情報413、人物画像411の撮像方向414を受け付ける受付部41と、人物画像411に含まれる、撮像方向414に対する当該人物の視線の相対方向420を検出する検出部42と、撮像方向414と視線の相対方向420とに基づく視線の方向430を算出する算出部43と、座席の位置情報412と対象物の位置情報413とによって示される人物から視認される対象物の方向と、視線の方向430とから、視線の先に存在する特定の対象物を特定する特定部44と、提供装置50に、特定の対象物に関する情報450を出力する出力部45と、を備える。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出する検出手段と、
前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出する算出手段と、
前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定する特定手段と、
前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する出力手段と、
を備える情報提供制御装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記視線の前記相対方向を追跡し、
前記出力手段は、前記視線の方向から特定される前記特定の対象物が所定の時間以上同一である場合に、前記特定の対象物に関する情報を出力する、
請求項1に記載の情報提供制御装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記人物に関する属性情報を、前記座席の位置情報と関連付けて取得し、
前記出力手段は、前記属性情報に関連する、前記特定の対象物に関する情報を前記提供装置に出力する、
請求項1または請求項2に記載の情報提供制御装置。
【請求項4】
前記属性情報は、前記人物の国籍及び年齢の少なくともいずれかを表し、
前記出力手段は、前記人物の国籍に応じて前記特定の対象物に関する情報を表す言語を変更し、前記人物の年齢が児童あるいは生徒に該当する場合、前記特定の対象物に関して学習するための情報を前記提供装置に出力する、
請求項3に記載の情報提供制御装置。
【請求項5】
前記受付手段は、前記人物により入力装置を介して入力された情報を受け付け、
前記出力手段は、前記特定の対象物に関する複数の情報のうちの少なくともいずれかを選択することを前記人物に促す情報を前記提供装置に出力したのち、前記受付手段によって受け付けられた、前記人物によって入力された情報が示す、前記特定の対象物に関して選択された情報を前記提供装置に出力する、
請求項1または請求項2に記載の情報提供制御装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記特定の対象物に関する情報が記憶された外部装置のアドレスを表す情報を、前記提供装置に出力する、
請求項1または請求項2に記載の情報提供制御装置。
【請求項7】
前記人物画像と事前に登録された前記人物の顔画像とを用いて、前記人物に関する顔認証を行う認証手段をさらに備え、
前記受付手段は、前記認証手段による顔認証が成功した場合、前記人物と関連付けられている前記属性情報を、前記座席の位置情報と関連付けて受け付ける、
請求項3に記載の情報提供制御装置。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の情報提供制御装置から前記特定の対象物に関する情報を出力される前記提供装置であって、
前記視線が通過する前記移動体の窓に、前記特定の対象物に関する情報を投影する、
提供装置。
【請求項9】
情報処理装置によって、
移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付け、
前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出し、
前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出し、
前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定し、
前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する、
情報提供制御方法。
【請求項10】
移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付ける受付処理と、
前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出する検出処理と、
前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出する算出処理と、
前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定する特定処理と、
前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるための情報提供制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供制御装置、提供装置、情報提供制御方法、及び、情報提供制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道あるいはバス等の交通機関の乗客に対して、広告などの情報を効果的に提供することを実現する技術が期待されている。
【0003】
上述の技術に関連して、特許文献1には、車両の搭乗者の振舞いを検知し、その搭乗者が直接あるいは潜在的に興味を持つものに関する情報を提供し、搭乗者の興味を喚起してプロモーションの促進を支援する装置が開示されている。この装置は、バスとの間で通信可能に接続され、顧客興味データベースに登録された、バスに搭乗予定の顧客の属性情報を、受け取る。この装置は、バスへの搭乗中に、バスに搭載された車内カメラ等により検知された顧客の行動の検知結果と、顧客の属性情報とに基づいて、顧客が直接あるいは潜在的に興味を有する興味事項を推測する。そしてこの装置は、推測した興味事項に関する情報を、バスに搭載された車内端末に閲覧可能に表示する。
【0004】
また、特許文献2には、不特定多数の乗客にとって必要とされる広告情報を配信するシステムが開示されている。このシステムは、不特定多数の利用者が乗車している車両に表示させる広告情報を決定し、広告情報と不特定多数の利用者との間の関連性を特定する。このシステムは、不特定多数の利用者全体としての関連性が所定の条件に該当するときには、広告情報を車両に提供する。このシステムは、不特定多数の利用者全体としての関連性が所定の条件に該当しないときには、不特定多数の利用者の中の、広告情報との間の関連性が高い第1利用者の第1端末に対して第1端末を振動させる振動情報とともに広告情報をプッシュ型配信で提供する。そしてこの場合、このシステムは、広告情報との間の関連性が低い第2利用者の第2端末に対して、第2端末への操作の検出を契機として広告情報をプル型配信で提供する。
【0005】
また、特許文献3には、任意に取得された写真や映像といった情報を、関連するユーザそれぞれに対して共通的に提供するシステムが開示されている。このシステムは、所定に配置された各センサ装置出力された情報を収集し、ユーザに対して識別するためのユーザID(Identification)を付与する。このシステムは、ユーザによる自身と他のユーザとを関連付けるための情報の登録を受け付けると共に、本人を識別可能な本人識別情報を管理する。このシステムは、各センサ装置の出力から本人識別情報に対応する情報が検出された場合、当該本人識別情報に対応するユーザIDに基づき、センサ装置の出力から当該本人識別情報が検出された情報を、当該ユーザIDに関連付けられたユーザに配信する。
【0006】
また、特許文献4には、ユーザの体調に関する複数のオブジェクトを含む画面を所定の表示部に表示するシステムが開示されている。このシステムは、表示した複数のオブジェクトの中からの、ユーザによって選択された少なくとも一のオブジェクトに関する選択情報を受け付ける。このシステムは、受け付けた選択情報、および、当該選択情報が受け付けられた時刻に関する時刻情報を含む体調情報を送信する対象である報告先を決定する。そしてこの装置は、決定した報告先に対して、体調情報を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-057066号公報
【特許文献2】特開2020-064369号公報
【特許文献3】特開2008-198135号公報
【特許文献4】国際公開第2022/059383号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
鉄道あるいはバス等の交通機関(移動体)の中の人物(乗客)が、例えば窓から見えるある対象物(景色、建物等)に興味を示したときに、当該対象物に関する情報を、その人物に適切かつ迅速に提供することによって、その人物の満足度を向上させることができる。特許文献1乃至4において開示された技術では、このような課題を解決するのに十分であるとは言えない。
【0009】
本発明の主たる目的は、移動体の中の人物が移動体から見える対象物に興味を示した場合に、当該人物に対して当該対象物に関する情報を適切かつ迅速に提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る情報提供制御装置は、移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付ける受付手段と、前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出する検出手段と、前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出する算出手段と、前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定する特定手段と、前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する出力手段と、を備える。
【0011】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る情報提供制御方法は、情報処理装置によって、移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付け、前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出し、前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出し、前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定し、前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する。
【0012】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る情報提供制御プログラムは、移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付ける受付処理と、前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出する検出処理と、前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出する算出処理と、前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定する特定処理と、前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する出力処理と、をコンピュータに実行させる。
【0013】
更に、本発明は、係る情報提供制御プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、移動体の中の人物が移動体から見える対象物に興味を示した場合に、当該人物に対して当該対象物に関する情報を適切かつ迅速に提供できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報提供制御システム1の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る情報提供制御装置10が、列車の窓から外を見る乗客の視線の方向から、その視線の先に存在する対象物を特定することを例示する図である。
図3A】本発明の第1の実施形態に係る情報提供制御装置10が、列車の窓から外を見る乗客の視線の方向を算出する第1の例を示す図である。
図3B】本発明の第1の実施形態に係る情報提供制御装置10が、列車の窓から外を見る乗客の視線の方向を算出する第2の例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る情報提供制御装置10が、特定した乗客の視線の先に存在する対象物に関する対象物を説明する情報177を、プロジェクタ22を用いて窓に投影する態様を例示する図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る情報提供制御装置10が乗客に関する属性情報178を取得する動作を示すフローチャートである。
図6A】本発明の第1の実施形態に係る情報提供制御装置10が乗客の視線の先に存在する対象物を特定し、特定した対象物に関する対象物を説明する情報177を乗客に提供する動作を示すフローチャート(1/2)である。
図6B】本発明の第1の実施形態に係る情報提供制御装置10が乗客の視線の先に存在する対象物を特定し、特定した対象物に関する対象物を説明する情報177を乗客に提供する動作を示すフローチャート(2/2)である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る情報提供制御装置40の構成を示すブロック図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る情報提供制御装置40の動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の各実施形態に係る情報提供制御装置を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報提供制御システム1の構成を示すブロック図である。情報提供制御システム1は、例えば、列車(鉄道)あるいはバス等の交通機関(移動体)の中の乗客(人物)が、移動体から見える対象物(景色、建物等)に興味を示した場合に、当該乗客に対して当該対象物に関する情報を適切かつ迅速に提供するシステムである。情報提供制御システム1は、乗客の視線の方向を検出することによって、乗客が注視している対象物を、乗客が興味を示している対象物として特定する。
【0018】
情報提供制御システム1は、大別して、情報提供制御装置10、車内カメラ21、プロジェクタ22、車内端末23、乗客の端末24、外部装置25、外部装置26を有する。情報提供制御装置10、車内カメラ21、プロジェクタ22、車内端末23、乗客の端末24、外部装置25、外部装置26は、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク30は、例えばインターネットである。
【0019】
図2は、本実施形態に係る情報提供制御装置10が、列車(移動体)の窓から外を見る乗客の視線の方向から、その視線の先にある対象物を特定することを例示する図である。尚、本実施形態の説明では、列車の進行方向をX軸とし、Y軸及びZ軸を図2に例示する通り付与することとする。以下、図1及び図2を参照して、情報提供制御システム1の動作について説明する。尚、本実施形態では、移動体が列車である場合について説明するが、情報提供制御システム1が対象とする移動体は、列車に限定されず、例えばバスでもよいし、列車あるいはバスと同様の座席を備える船舶などでもよい。
【0020】
図1に示す車内カメラ21(撮像装置の一例)は、図2に例示する通り、列車の座席にいる乗客の顔画像を撮像できるように、例えば各座席の前方の天井付近に設置されている。図2に示す例では、車内カメラ21―Aは、乗客Aの顔画像を撮像し、車内カメラ21-Bは、乗客Bの顔画像を撮像する。尚、本実施形態では、必要に応じて、車内カメラ21を、車内カメラ21-Aあるいは21-Bというように区別して記載する場合がある。
【0021】
図1に示すプロジェクタ22(提供装置の一例)は、後述する情報提供制御装置10から出力された情報を、列車の座席の窓に投影することによって、その座席にいる乗客に対して当該情報を提供する。プロジェクタ22は、図2に例示する通り、情報を座席の窓に投影できるように、例えば各座席の前方の天井付近に設置されている。図2に示す例では、プロジェクタ22―Aは、乗客Aに提供する情報を乗客Aの座席の窓A1に投影し、プロジェクタ22―Bは、乗客Bに提供する情報を乗客Bの座席の窓B1に投影する。尚、本実施形態では、必要に応じて、プロジェクタ22を、プロジェクタ22-Aあるいは22-Bというように区別して記載する場合がある。プロジェクタ22は、例えば自動車の運転席の窓ガラスに情報を投影する既存技術を用いることができる。
【0022】
図1に示す車内端末23(提供装置の一例)は、後述する情報提供制御装置10から出力された情報を、具備する表示画面に出力するとともに、当該表示画面が備えるタッチパネル機能を介して乗客による入力操作により入力された情報を受け付ける。車内端末23は、図2に例示する通り、例えば、各座席において、前の座席の背面に設置されている。図2に示す例では、車内端末23―Aは、乗客Aに情報を提供するとともに乗客Aによる入力操作を受け付け、車内端末23―Bは、乗客Bに情報を提供するとともに乗客Bによる入力操作を受け付ける。尚、本実施形態では、必要に応じて、車内端末23を、車内端末23-Aあるいは23-Bというように区別して記載する場合がある。
【0023】
図1に示す乗客の端末24は、各乗客が所持する、例えばスマートフォンあるいはタブレット端末等の情報処理装置である。乗客の端末24は、例えば、情報提供制御装置10との間の情報の送受信を制御するアプリケーションを実行することによって、情報提供制御装置10から出力された情報を具備する表示画面に表示するとともに、乗客による入力操作により入力された情報を情報提供制御装置10へ入力する。
【0024】
図1に示す外部装置25は、例えばサーバ等の情報処理装置であり、列車の沿線付近に存在する(即ち、列車の乗客が窓から視認可能である)対象物に関する詳細情報250を含むデータベースを備える。当該対象物は、例えば観光資源であり、景色(山、川、海、湖等)、建物(歴史的な建造物、イベント施設等)などを含む。対象物に関する詳細情報250は、各対象物に関する、その存在場所を表す位置情報、及び、対象物を説明する情報を含んでいる。当該位置情報は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)等によって表される緯度及び経度を表す情報である。外部装置25は、複数の情報処理装置によって構成されてもよい。
【0025】
図1に示す外部装置26は、例えばサーバ装置等の情報処理装置であり、乗客に関する属性情報261及び顔認証情報262を含むデータベースを備える。属性情報261及び顔認証情報262は、乗客を識別可能な情報と関連付けられた情報である。乗客を識別可能な情報としては、例えば、乗客の氏名と住所あるいは電話番号との組み合わせ等が使用可能である。外部装置26は、複数の情報処理装置によって構成されてもよい。外部装置26は、また、上述した外部装置25と同じ情報処理装置であってもよい。
【0026】
属性情報261は、乗客の属性を表し、より具体的には、乗客の国籍、年齢、性別等を表す。属性情報261は、乗客自身によって登録された情報であり、例えば、ポイントサービスを提供する事業者、クレジットカードの事業者、あるいは旅行代理店の事業者等が管理する会員データベースに含まれる情報であってもよい。属性情報261は、また、例えば上述した事業者によるアンケート調査によって事前に収集された乗客の趣向(歴史好き、地理好き等)を表す情報を含んでもよい。
【0027】
顔認証情報262は、乗客の顔認証を行う際に照合される、乗客自身によって事前に登録された乗客の顔画像を表す情報であり、例えば、サービス提供時に顔認証による認証を行うサービス事業者が管理する会員データベースに含まれる情報であってもよい。
【0028】
図1に示す情報提供制御装置10は、受付部11、検出部12、算出部13、特定部14、出力部15、認証部16、記憶部17を備える。受付部11、検出部12、算出部13、特定部14、出力部15、認証部16は、順に、受付手段、検出手段、算出手段、特定手段、出力手段、認証手段の一例である。
【0029】
記憶部17は、例えば、図9を参照して後述するRAM(Random Access Memory)903あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部17は、人物画像171、座席の位置情報172、対象物の位置情報173、撮像方向174、視線の相対方向175、視線の方向176、対象物を説明する情報177、属性情報178、端末管理情報179を記憶している。記憶部17に記憶されたこれらの情報に関しては後述する。
【0030】
次に、情報提供制御装置10が乗客に関する属性情報178を取得する動作、及び、窓の外を見る乗客の視線の先に存在する対象物を特定し、特定した対象物に関する対象物を説明する情報177を属性情報178に応じて乗客に提供する動作について、順番に説明する。
【0031】
<情報提供制御装置10が乗客に関する属性情報178を取得する動作>
受付部11は、乗客が列車の指定席を購入したときの指定席に関する情報を、例えば、鉄道事業者のシステム等(不図示)から取得する。受付部11が取得するこの指定席に関する情報は、指定席を識別可能な情報とその指定席を使用する乗客を識別可能な情報とを関連付ける情報である。指定席を識別可能な情報は、例えば列車番号(のぞみ001号等)及び座席番号(1号車2列目C席等)を表す。乗客を識別可能な情報は、例えば氏名と住所あるいは電話番号との組み合わせ等を表す。尚、上述した顔認証情報262は、乗客を識別可能な情報を介して、指定席を識別可能な情報と関連付けられている。
【0032】
受付部11は、取得した指定席に関する情報に含まれる乗客を識別可能な情報と紐づけられた乗客に関する属性情報261を、外部装置26から取得する。但し、受付部11が属性情報261を取得できるのは、属性情報261が事前に外部装置26に登録されている乗客に関してのみである。
【0033】
受付部11は、車内カメラ21が乗客の顔を撮像した人物画像171を、撮像対象である乗客の座席を識別可能な情報とともに、車内カメラ21から受け付ける。例えば、人物画像171は、撮像対象である乗客の座席を識別可能な情報を、撮像した日時等が含まれる付加情報として含んでもよい。
【0034】
認証部16は、受付部11によって取得された人物画像171を、外部装置26に登録されている顔認証情報262と照合することによって顔認証を行う。但し、認証部16による顔認証によって特定される乗客は、顔認証情報262が事前に外部装置26に登録されている乗客のみである。
【0035】
受付部11は、認証部16による顔認証によって特定された乗客に関する属性情報261を、外部装置26から取得する。
【0036】
受付部11は、上述の通りに外部装置26から取得した乗客に関する属性情報261を、指定席に関する情報あるいは人物画像171に含まれる、乗客の座席を識別可能な情報と関連付けた属性情報178を、記憶部17に格納する。
【0037】
受付部11は、また、属性情報261に乗客の端末24を識別可能な情報が含まれる場合、乗客の端末24を識別可能な情報と乗客の座席を識別可能な情報とを関連付けた端末管理情報179を、記憶部17に格納する。乗客の端末24を識別可能な情報としては、例えば、電話番号あるいはメールアドレス等が使用可能である。
【0038】
次に図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報提供制御装置10が乗客に関する属性情報178を取得する動作(処理)について詳細に説明する。
【0039】
受付部11は、乗客が指定席を購入したときの指定席に関する情報を、鉄道事業者のシステム等から取得する(ステップS101)。受付部11は、外部装置26から、指定席に関する情報に含まれる乗客を識別可能な情報と紐づけられた属性情報261を取得する(ステップS102)。受付部11は、車内カメラ21から、撮像対象である乗客の座席を識別可能な情報を含む乗客の人物画像171を受け付ける(ステップS103)。
【0040】
認証部16は、受付部11によって取得された乗客の人物画像171を、外部装置26に登録されている顔認証情報262と照合することによって、乗客に対する顔認証を行う(ステップS104)。顔認証が成功しなかった(失敗した)場合(ステップS105でNo)、処理はステップS107へ進む。顔認証が成功した場合(ステップS105でYes)、受付部11は、外部装置26から、顔認証によって特定された乗客に関する属性情報261を取得する(ステップS106)。
【0041】
受付部11は、取得した乗客に関する属性情報261を乗客の座席を識別可能な情報と関連付けた属性情報178を、記憶部17に格納し(ステップS107)、全体の処理は終了する。
【0042】
<情報提供制御装置10が、窓の外を見る乗客の視線の先に存在する対象物を特定し、特定した対象物に関する対象物を説明する情報177を属性情報178に応じて乗客に提供する動作>
次に、情報提供制御装置10が、窓の外を見る乗客の視線の先に存在する対象物を特定し、特定した対象物に関する対象物を説明する情報177を属性情報178に応じて乗客に提供する動作について説明する。
【0043】
受付部11は、外部装置25から、列車の外の対象物に関する詳細情報250を受け付ける。そして受付部11は、受け付けた対象物に関する詳細情報250に含まれる対象物の位置情報173及び対象物を説明する情報177を、記憶部17に格納する。対象物の位置情報173は、例えば上述した通り、GNSS等によって表される緯度及び経度を表す情報である。
【0044】
受付部11は、車内カメラ21から乗客の人物画像171を随時受け付ける。但し、上述した通り、人物画像171は、撮像対象である乗客の座席を識別可能な情報を含むこととする。受付部11は、取得した人物画像171を記憶部17に格納する。
【0045】
受付部11は、列車内に設置されたGNSS受信機によって取得された列車の位置情報と、当該GNSS受信機の設置場所と乗客の座席との位置関係から、乗客の座席の位置情報172を取得する。例えば、東向きに移動(走行)している列車において、GNSS受信機の設置場所から進行方向側に100メートル離れた乗客の座席の位置は、GNSS受信機によって示される緯度及び経度に対して100メートル東側の位置として得られる。受付部11は、受け付けた座席の位置情報172を、乗客の座席を識別可能な情報と関連付けて、記憶部17に格納する。
【0046】
受付部11は、車内カメラ21が乗客の人物画像171を撮像した撮像方向174を受け付ける。撮像方向174について、図3A及び図3Bを参照して説明する。
【0047】
図3A及び図3Bは、本実施形態に係る情報提供制御装置10が、列車の窓から外を見る乗客の視線の方向176を算出する第1及び第2の例を示す図である。但し、図3A及び図3BにおけるX軸、Y軸、Z軸は、図2におけるX軸、Y軸、Z軸に対応する。したがって、図3A及び図3Bは、図2をY軸の正方向側から負方向側に(即ち、列車の天井側から床側に)俯瞰した図である。
【0048】
図3Aに示す例では、X軸の正方向に進行する列車において、乗客はX軸の正方向(即ち列車の進行方向)を向いている。この場合、車内カメラ21は、乗客を撮像できるように乗客よりもX方向の正方向側から乗客を撮像する。図3Bに示す例では、X軸の正方向に進行する列車において、乗客はX軸の負方向(即ち列車の進行方向とは反対の方向)を向いている。この場合、車内カメラ21は、乗客を撮像できるように乗客よりもX方向の負方向側から乗客を撮像する。尚、本実施形態では、乗客から見た車内カメラ21の方向を撮像方向174とする。
【0049】
撮像方向174は、例えば、列車の進行方向と座席の向き(進行方向側、進行方向とは反対方向側のいずれに向いているのか)によって表される。したがって、受付部11は、例えば、ある2つの時刻における列車の位置情報が示す値の差分(2つの時刻における列車の移動状況)と、座席の向きを検出するセンサからの情報を用いて、撮像方向174を得ることができる。また、車内カメラ21が方位センサを備える場合、受付部11は、当該方位センサが示す情報から、撮像方向174を得ることができる。検出部12は、受付部11によって受け付けられた乗客の人物画像171に含まれる、撮像方向174に対する乗客の視線の相対方向175を検出する。検出部12は、例えば、人物画像171によって示される乗客の顔の向き、及び、乗客の虹彩あるいは瞳孔の位置等から、既存の視線検出技術を用いて視線の相対方向175を検出することができる。図3A及び図3Bに示す例において、検出部12は、Y軸正方向側から見たXZ平面において、撮像方向174から反時計回りに回転した方向を視線の相対方向175として検出する。即ちこの場合、図3A及び図3Bに示す両方の例とも、受付部11によって受け付けられた人物画像171において、乗客の虹彩あるいは瞳孔は、向かって右側を向いている。検出部12は、検出した視線の相対方向175を記憶部17に格納する。
【0050】
算出部13は、受付部11によって受け付けられた撮像方向174と、検出部12によって検出された視線の相対方向175とに基づいて、乗客の視線の方向176を算出する。即ち、算出部13は、撮像方向174に視線の相対方向175を加える、あるいは、撮像方向174から視線の相対方向175を引くことによって、乗客の視線の方向176を算出する。尚、視線の相対方向175は、例えば、正面(即ち撮像方向174)を0度として、向かって右側の方向を正の値、向かって左側の方向を負の値として定義されてもよい。算出部13は、図3Aに示す例では、Y軸正方向側から見たXZ平面において、右上方向(X軸正方向かつZ軸正方向)を視線の方向176として算出する。算出部13は、図3Bに示す例では、Y軸正方向側から見たXZ平面において、左下方向(X軸負方向かつZ軸負方向)を視線の方向176として算出する。算出部13は、算出した視線の方向176を記憶部17に格納する。
【0051】
特定部14は、座席の位置情報172が示す位置にいる乗客から、対象物の位置情報173によって示される視認可能な対象物のうち、視線の方向176によって示される乗客の視線の先に存在する対象物を特定する。
【0052】
図2に示す例において、乗客Aが窓A1から視認可能な対象物は、対象物C及び対象物Dである。乗客Bが窓B1から視認可能な対象物は、対象物C及び対象物Eである。山である対象物Cは列車からの距離が遠いことから、乗客A及び乗客Bの両方から視認可能である。これに対して、建物である対象物D及び対象物Eは列車からの距離が近いことから、乗客A及び乗客Bのいずれかから視認可能である。
【0053】
特定部14は、座席の位置情報172及び対象物の位置情報173によって示される、座席と対象物との位置関係から、乗客の座席から視認される対象物の方向(対象物が乗客からどの方向に見えるか)を求めることができる。特定部14は、例えば図2に例示する通り、窓A1あるいは窓B1からの視界をX軸及びY軸を用いた2次元平面で表したときの、当該2次元平面における各対象物が視認される座標を算出する。
【0054】
特定部14は、算出部13によって算出された乗客の視線の方向176が示す、上述した2次元平面における座標を算出する。特定部14は、図2に示す例において、乗客Aに関する視線の方向176-Aが示す2次元平面における座標(Xa,Ya)を求め、乗客Bに関する視線の方向176-Bが示す2次元平面における座標(Xb,Yb)を求める。尚、本実施形態では、必要に応じて、視線の方向176を、視線の方向176-Aあるいは176-Bというように区別して記載する場合がある。
【0055】
特定部14は、乗客の視線の方向176が示す2次元平面における座標と、当該2次元平面における各対象物が視認される座標とを照合することによって、乗客の視線の先にある対象物を特定する。図2に示す例では、乗客Aに関する視線の方向176-Aが示す座標(Xa,Ya)において視認されるのは対象物Cであり、乗客Bに関する視線の方向176-Bが示す座標(Xb,Yb)において視認されるのは対象物Eである。したがって特定部14は、乗客Aの視線の先にある対象物が対象物Cであり、乗客Bの視線の先にある対象物が対象物Eであると特定する。
【0056】
図1に示す出力部15は、特定部14によって特定された、乗客の視線の先にある対象物に関して、対象物を説明する情報177をプロジェクタ22に出力する。
【0057】
図4は、本実施形態に係る情報提供制御装置10が、特定した乗客の視線の先に存在する対象物に関して、対象物を説明する情報177を、プロジェクタ22を用いて窓に投影する態様を例示する図である。図4に示す例では、出力部15は、図2に示すプロジェクタ22-Aを介して、対象物Cに関する対象物を説明する情報177である「富士山 日本一高い山 標高:3776メートル 活火山であり前回の噴火は1707年(宝永噴火) 世界文化遺産に登録済み」を、乗客Aに提供する。出力部15は、また、図4に例示するように、対象物Cに関する対象物を説明する情報177に含まれる、外部装置25に格納されている対象物に関する詳細情報250のアドレスを示すQR(Quick Response)コード(登録商標)を乗客Aに提供してもよい。この場合乗客Aは、提供されたQRコードから、乗客の端末24を用いて、対象物Cに関して、対象物に関する詳細情報250を参照することができる。尚、出力部15は、QRコードとは異なる対象物に関する詳細情報250のアドレスを示す情報を、乗客Aに提供してもよい。
【0058】
尚、図2に示す例の場合、出力部15は、プロジェクタ22-Bを介して、対象物Eに関する対象物を説明する情報177を、上述と同様の態様で乗客Bに提供する。
【0059】
出力部15は、また、対象物を説明する情報177を、車内端末23に出力するようにしてもよい。出力部15は、あるいは、端末管理情報179によって特定される乗客の端末24に、対象物を説明する情報177を出力するようにしてもよい。但しこの場合、乗客の端末24は、例えば、情報提供制御装置10との間の情報の送受信を制御するアプリケーションを実行することとする。このように、出力部15は、対象物を説明する情報177を、プロジェクタ22、車内端末23、及び乗客の端末24の少なくともいずれかに出力してもよい。この場合、乗客は、プロジェクタ22による座席の窓への投影画面、車内端末23の表示画面、及び乗客の端末24の表示画面の少なくともいずれかを介して、自分が窓から見ていた対象物に関する対象物を説明する情報177を提供される。
【0060】
検出部12は、上述した情報提供制御装置10の動作において、乗客の視線の相対方向175を継続して追跡し、特定部14は、算出部13によって継続して算出された乗客の視線の方向176によって示される視線の先にある対象物を継続して特定してもよい。そしてこの場合、出力部15は、例えば、乗客の視線の方向176から特定される対象物が、所定の時間(例えば3秒)以上同一である(即ち、乗客が所定の時間以上継続して同一の対象物を見ている)場合に、特定した対象物に関して、対象物を説明する情報177をプロジェクタ22等に出力するようにしてもよい。
【0061】
出力部15は、また、乗客の属性情報178に関連する、特定部14によって特定された対象物に関する対象物を説明する情報177を出力してもよい。即ち出力部15は、乗客の属性情報178に応じて、出力する対象物を説明する情報177の提供内容を変更してもよい。
【0062】
より具体的には、出力部15は、例えば、乗客の属性情報178によって示される乗客の国籍に応じて、対象物を説明する情報177を表す言語を変更する。出力部15は、例えば、乗客が米国人である場合は英語で、乗客が中国人である場合は中国語で、対象物を説明する情報177を出力する。但し、出力部15は、既存の自動翻訳技術を使用可能であることとする。
【0063】
出力部15は、例えば、乗客の属性情報178によって示される乗客の年齢に応じて、対象物を説明する情報177を表す内容を変更する。出力部15は、例えば、乗客の年齢が児童(小学生)あるいは生徒(中学生、高校生)に該当する場合、対象物を説明する情報177に含まれる、当該対象物に関して学習するための情報(例えば対象物に関する歴史など)を出力する。
【0064】
出力部15は、また、特定部14により特定された対象物に関する対象物を説明する情報177に含まれる複数の情報のうちの少なくともいずれかを選択することを乗客に促すメニュー画面を、車内端末23あるいは乗客の端末24に出力してもよい。例えば、図2及び図4に例示するように、特定部14により特定された対象物が富士山である場合、出力部15は、富士山の登山ルートを表す情報、富士山周辺の観光地に関する案内情報、富士山の噴火の歴史を表す情報等の少なくともいずれかを選択することを乗客に促すメニュー画面を出力する。この場合、車内端末23あるいは乗客の端末24の表示画面に表示された当該メニュー画面において、対象物を説明する情報177に含まれる少なくともいずれかの情報を選択する乗客による入力操作が行われる。
【0065】
受付部11は、乗客によって上述の通りに行われた入力操作を表す情報を、車内端末23あるいは乗客の端末24から受け付ける。
【0066】
出力部15は、受付部11によって受け付けられた情報に応じて、乗客によって選択された(即ち乗客が所望する)対象物を説明する情報177に含まれる情報を、プロジェクタ22、車内端末23、及び乗客の端末24の少なくともいずれかに出力する。
【0067】
出力部15は、また、乗客の属性情報178に応じて、上述したメニュー画面及び乗客によって選択された対象物を説明する情報177に含まれる情報を変更してもよい。出力部15は、例えば、上述したメニュー画面及び乗客によって選択された情報を、属性情報178によって示される乗客の国籍に応じた言語で出力してもよい。
【0068】
受付部11は、また、車内端末23あるいは乗客の端末24において行われた、乗客に提供された対象物を説明する情報177を継続して表示する(ピン止めする)ことを指示する操作入力を表す情報を受け付けてもよい。この場合、出力部15は、受付部11が受け付けた情報にしたがって、対象物を説明する情報177を継続して表示することを指示する情報を、プロジェクタ22、車内端末23、及び乗客の端末24の少なくともいずれかに出力する。
【0069】
次に図6A及び6Bのフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報提供制御装置10が乗客の視線の先に存在する対象物を特定し、特定した対象物に関する対象物を説明する情報177を乗客に提供する動作の動作(処理)について詳細に説明する。
【0070】
受付部11は、外部装置25から、列車の外の対象物に関する詳細情報250を受け付け、対象物に関する詳細情報250に含まれる対象物の位置情報173及び対象物を説明する情報177を、記憶部17に格納する(ステップS201)。受付部11は、車内カメラ21から、乗客の人物画像171を、撮像した乗客の座席を識別可能な情報とともに受け付けて、受け付けた人物画像171を乗客の座席を識別可能な情報と関連付けて記憶部17に格納する(ステップS202)。受付部11は、車内カメラ21が乗客の人物画像171を撮像した撮像方向174を受け付け、受け付けた撮像方向174を記憶部17に格納する(ステップS203)。検出部12は、人物画像171に含まれる、撮像方向174に対する乗客の視線の相対方向175を既存の視線検出技術を用いて検出し、検出した視線の相対方向175を、乗客の座席を識別可能な情報と関連付けて記憶部17に格納する(ステップS204)。算出部13は、撮像方向174と視線の相対方向175とに基づいて、乗客の視線の方向176を算出し、算出した視線の方向176を、乗客の座席を識別可能な情報と関連付けて記憶部17に格納する(ステップS205)。
【0071】
受付部11は、列車内におけるGNSS受信機によって取得された列車の位置情報と、当該GNSS受信機の設置場所と乗客の座席との位置関係から、乗客の座席の位置情報172を受け付け、座席の位置情報172を乗客の座席を識別可能な情報と関連付けて記憶部17に格納する(ステップS206)。特定部14は、座席の位置情報172と対象物の位置情報173とによって示される、乗客から視認可能な対象物のうち、乗客から視認される対象物の方向と視線の方向176とを照合することによって、乗客の視線の先に存在する対象物を特定する(ステップS207)。出力部15は、特定部14によって特定された対象物が、所定の時間以上同一であるか否かを判定する(ステップS208)。
【0072】
特定部14によって特定された対象物が、所定の時間以上同一ではない場合(ステップS209でNo)、処理はステップS202へ戻る。特定部14によって特定された対象物が、所定の時間以上同一である場合(ステップS209でYes)、出力部15は、特定部14によって特定された対象物に関する対象物を説明する情報177に含まれる情報の中から所望する情報を乗客に選択させるためのメニュー画面を、乗客の属性情報178に応じて、車内端末23及び乗客の端末24の少なくともいずれかの表示画面に表示する(ステップS210)。
【0073】
受付部11は、車内端末23あるいは乗客の端末24から、乗客による選択結果を表す情報を受け付ける(ステップS211)。出力部15は、乗客による選択結果に基づいて、特定された対象物を説明する情報177を、プロジェクタ22を介して、乗客の座席の窓に、属性情報178に応じて投影するとともに、車内端末23及び乗客の端末24の少なくともいずれかの表示画面に、属性情報178に応じて表示し(ステップS212)、処理はステップS202へ戻る。
【0074】
本実施形態に係る情報提供制御装置10は、移動体の中の人物が移動体から見える対象物に興味を示した場合に、当該人物に対して当該対象物に関する情報を適切かつ迅速に提供することができる。その理由は、情報提供制御装置10は、列車(移動体)の中の乗客(人物)の視線の方向176を算出して視線の先にある対象物を特定し、特定した対象物に関する対象物を説明する情報177を乗客に提供するからである。
【0075】
以下に、本実施形態に係る情報提供制御装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0076】
鉄道あるいはバス等の移動体の中の人物乗客が、例えば窓から見えるある対象物(景色、建物等)に興味を示したときに、当該対象物に関する情報を、その人物に適切かつ迅速に提供することによって、その人物の満足度を向上させることが課題である。
【0077】
このような問題に対して、本実施形態に係る情報提供制御装置10は、列車に乗っている乗客を撮像した人物画像171、乗客の座席の位置情報172、列車の外にある対象物の位置情報173、及び、人物画像171を撮像した撮像方向174を受け付ける。情報提供制御装置10は、人物画像171に含まれる、撮像方向174に対する乗客の視線の相対方向175を検出する。情報提供制御装置10は、撮像方向174と視線の相対方向175とに基づいて、乗客の視線の方向176を算出する。情報提供制御装置10は、座席の位置情報172と対象物の位置情報173とによって示される乗客から視認される対象物の方向と、視線の方向176とを照合することによって、当該視線の先に存在する特定の対象物を特定する。そして、情報提供制御装置10は、乗客に情報を提供する提供装置(プロジェクタ22、車内端末23、乗客の端末24の少なくともいずれか)に、特定した対象物を説明する情報177を出力する。これにより、情報提供制御装置10は、移動体の中の人物が移動体から見える対象物に興味を示した場合に、当該人物に対して当該対象物に関する情報を適切かつ迅速に提供することができる。
【0078】
また、本実施形態に係る情報提供制御装置10は、乗客の視線の相対方向175を例えば継続して追跡し、継続して求められた乗客の視線の方向176から特定される特定の対象物が所定の時間以上同一である場合に、その特定の対象物に関する対象物を説明する情報177を出力する。即ち情報提供制御装置10は、乗客の視線がある対象物に所定の時間以上固定されていることをもって、当該乗客が当該対象物に興味を示していると見做し、当該対象物に関する対象物を説明する情報177を当該乗客に提供する。これにより、情報提供制御装置10は、乗客が興味を示した対象物に関する情報の提供をより適切に行うことができる。
【0079】
また、本実施形態に係る情報提供制御装置10は、乗客に関する属性情報178を、座席の位置情報172と関連付けて取得し、属性情報178に関連する、特定された対象物に関する対象物を説明する情報177を乗客に提供する。これにより、情報提供制御装置10は、乗客が興味を示した対象物に関する情報の提供を、乗客の属性をふまえてより適切に行うことができる。
【0080】
また、本実施形態に係る情報提供制御装置10は、特定された対象物に関する対象物を説明する情報177に含まれる複数の情報のうちの少なくともいずれかを選択することを乗客に促す情報を、車内端末23及び乗客の端末24の少なくともいずれかに出力する。そして情報提供制御装置10は、乗客による入力操作によって選択された対象物を説明する情報177に含まれる情報を、プロジェクタ22、車内端末23、及び乗客の端末24の少なくともいずれかに出力する。これにより、情報提供制御装置10は、乗客が興味を示した対象物に関して乗客が所望する情報を、適切に提供することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る情報提供制御装置10は、特定された対象物に関する詳細情報250が記憶された外部装置25のアドレスを表す、例えばQRコード等の情報を、乗客に提供する。これにより、情報提供制御装置10は、乗客が興味を示した対象物に関して乗客が詳細な情報を取得できるように支援することができる。
【0082】
また、本実施形態に係る情報提供制御装置10は、人物画像171と事前に登録された乗客の顔画像とを用いて、乗客に関する顔認証を行い、顔認証が成功した場合、その乗客に関する属性情報261を外部装置26から取得して、取得した属性情報261を乗客の座席と関連付けた属性情報178を生成する。これにより、情報提供制御装置10は、各座席にいる乗客に関する属性情報178を効率的に取得することができる。
【0083】
また、本実施形態に係る情報提供制御装置10は、乗客が列車の指定席を購入する際に開示したその乗客を識別可能な情報と関連付けられている属性情報261を外部装置26から取得して、取得した属性情報261を、当該指定席によって示される乗客の座席と関連付けた属性情報178を生成する。これにより、情報提供制御装置10は、各座席にいる乗客に関する属性情報178を効率的に取得することができる。
【0084】
また、本実施形態に係るプロジェクタ22は、乗客の視線が通過する列車の窓に、特定された対象物に関する対象物を説明する情報177を投影する。これにより、プロジェクタ22は、対象物を説明する情報177を、乗客が窓から見る対象物に重畳して表示するので、乗客が興味を示した対象物に関する情報を、乗客にわかりやすく提供することができる。
【0085】
<第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る情報提供制御装置40の構成を示すブロック図である。本実施形態は、本発明の最小構成を表す。
【0086】
本実施形態に係る情報提供制御装置40は、受付部41、検出部42、算出部43、特定部44、出力部45を備えている。受付部41、検出部42、算出部43、特定部44、出力部45は、順に、受付手段、検出手段、算出手段、特定手段、出力手段の一例である。
【0087】
受付部41は、移動体に乗っている人物を撮像した人物画像411、その人物の座席の位置情報412、当該移動体の外にある対象物の位置情報413、及び、人物画像411を撮像した撮像方向414を表す情報を受け付ける。人物画像411は、例えば、第1の実施形態に係る人物画像171と同様な画像である。座席の位置情報412は、例えば、第1の実施形態に係る座席の位置情報172と同様な情報である。対象物の位置情報413は、例えば、第1の実施形態に係る対象物の位置情報173と同様な情報である。撮像方向414は、例えば、第1の実施形態に係る撮像方向174と同様な情報である。受付部41は、例えば、第1の実施形態に係る受付部11と同様に動作する。
【0088】
検出部42は、人物画像411に含まれる、撮像方向414に対する当該人物の視線の相対方向420を検出する。視線の相対方向420は、例えば、第1の実施形態に係る視線の相対方向175と同様な情報である。検出部42は、例えば、第1の実施形態に係る検出部12と同様に動作する。
【0089】
算出部43は、撮像方向414と視線の相対方向420とに基づいて、人物の視線の方向430を算出する。視線の方向430は、例えば、第1の実施形態に係る視線の方向176と同様な情報である。算出部43は、例えば、第1の実施形態に係る算出部13と同様に動作する。
【0090】
特定部44は、座席の位置情報412と対象物の位置情報413とによって示される当該人物から視認される対象物の方向と、視線の方向430とを照合することによって、当該視線の先に存在する特定の対象物を特定する。特定部44は、例えば、第1の実施形態に係る特定部14と同様に動作する。
【0091】
出力部45は、当該人物に情報を提供する提供装置50に、特定の対象物に関する情報450を出力する。提供装置50は、例えば、第1の実施形態に係るプロジェクタ22、車内端末23、あるいは乗客の端末24と同様な装置である。特定の対象物に関する情報450は、例えば、第1の実施形態に係る対象物を説明する情報177と同様な情報である。出力部45は、例えば、第1の実施形態に係る出力部15と同様に動作する。
【0092】
次に図8のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報提供制御装置40の動作(処理)について詳細に説明する。
【0093】
受付部41は、人物画像411、座席の位置情報412、対象物の位置情報413、撮像方向414を受け付ける(ステップS301)。検出部42は、人物画像411に含まれる、撮像方向414に対する人物の視線の相対方向420を検出する(ステップS302)。算出部43は、撮像方向414と視線の相対方向420とに基づいて、視線の方向430を算出する(ステップS303)。
【0094】
特定部44は、座席の位置情報412と対象物の位置情報413とによって示される人物から視認される対象物の方向と、視線の方向430とを照合することによって、視線の先に存在する特定の対象物を特定する(ステップS304)。出力部45は、提供装置50に、特定の対象物に関する情報450を出力し(ステップS305)、全体の処理は終了する。
【0095】
本実施形態に係る情報提供制御装置40は、移動体の中の人物が移動体から見える対象物に興味を示した場合に、当該人物に対して当該対象物に関する情報を適切かつ迅速に提供することができる。その理由は、情報提供制御装置40は、移動体の中の人物の視線の方向430を算出して視線の先にある対象物を特定し、特定した特定の対象物に関する情報450を乗客に提供するからである。
【0096】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において図1、及び、図7に示した情報提供制御装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、図1、及び、図7において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・受付部11及び41、
・検出部12及び42、
・算出部13及び43、
・特定部14及び44、
・出力部15及び45、
・認証部16、
・記憶部17における記憶制御機能。
【0097】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、図9を参照して説明する。
【0098】
図9は、本発明の各実施形態に係る情報提供制御装置を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、図9は、図1及び図7に示した情報提供制御装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0099】
図9に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニタやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0100】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。
【0101】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、図9に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(図1及び図7)における上述した構成、或いはフローチャート(図5図6A図6B、及び図8)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0102】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0103】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0104】
尚、上述した各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。しかしながら、上述した各実施形態により例示的に説明した本発明は、以下には限られない。
【0105】
(付記1)
移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出する検出手段と、
前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出する算出手段と、
前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定する特定手段と、
前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する出力手段と、
を備える情報提供制御装置。
【0106】
(付記2)
前記検出手段は、前記視線の前記相対方向を追跡し、
前記出力手段は、前記視線の方向から特定される前記特定の対象物が所定の時間以上同一である場合に、前記特定の対象物に関する情報を出力する、
付記1に記載の情報提供制御装置。
【0107】
(付記3)
前記受付手段は、前記人物に関する属性情報を、前記座席の位置情報と関連付けて取得し、
前記出力手段は、前記属性情報に関連する、前記特定の対象物に関する情報を前記提供装置に出力する、
付記1または付記2に記載の情報提供制御装置。
【0108】
(付記4)
前記属性情報は、前記人物の国籍及び年齢の少なくともいずれかを表し、
前記出力手段は、前記人物の国籍に応じて前記特定の対象物に関する情報を表す言語を変更し、前記人物の年齢が児童あるいは生徒に該当する場合、前記特定の対象物に関して学習するための情報を前記提供装置に出力する、
付記3に記載の情報提供制御装置。
【0109】
(付記5)
前記受付手段は、前記人物により入力装置を介して入力された情報を受け付け、
前記出力手段は、前記特定の対象物に関する複数の情報のうちの少なくともいずれかを選択することを前記人物に促す情報を前記提供装置に出力したのち、前記受付手段によって受け付けられた、前記人物によって入力された情報が示す、前記特定の対象物に関して選択された情報を前記提供装置に出力する、
付記1または付記2に記載の情報提供制御装置。
【0110】
(付記6)
前記出力手段は、前記特定の対象物に関する情報が記憶された外部装置のアドレスを表す情報を、前記提供装置に出力する、
付記1または付記2に記載の情報提供制御装置。
【0111】
(付記7)
前記人物画像と事前に登録された前記人物の顔画像とを用いて、前記人物に関する顔認証を行う認証手段をさらに備え、
前記受付手段は、前記認証手段による顔認証が成功した場合、前記人物と関連付けられている前記属性情報を、前記座席の位置情報と関連付けて取得する、
付記3に記載の情報提供制御装置。
【0112】
(付記8)
付記1または付記2に記載の情報提供制御装置から前記特定の対象物に関する情報を出力される前記提供装置であって、
前記視線が通過する前記移動体の窓に、前記特定の対象物に関する情報を投影する、
提供装置。
【0113】
(付記9)
前記受付手段は、前記人物画像を撮像する撮像装置の位置情報を、前記座席の位置情報として受け付ける、
付記1または付記2に記載の情報提供制御装置。
【0114】
(付記10)
前記人物画像と事前に登録された前記人物の顔画像とを用いて、前記人物に関する顔認証を行う認証手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記認証手段による顔認証が成功した場合、前記人物と関連付けられている前記提供装置に前記特定の対象物に関する情報を出力する、
付記1または付記2に記載の情報提供制御装置。
【0115】
(付記11)
前記受付手段は、前記人物が前記移動体の指定席を購入する際に開示した前記人物を識別可能な情報と関連付けられている前記属性情報を、前記指定席を表す前記座席の位置情報と関連付けて取得する、
付記3に記載の情報提供制御装置。
【0116】
(付記12)
情報処理装置によって、
移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付け、
前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出し、
前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出し、
前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定し、
前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する、
情報提供制御方法。
【0117】
(付記13)
移動体に乗っている人物を撮像した人物画像、前記人物の座席の位置情報、前記移動体の外にある対象物の位置情報、及び、前記人物画像を撮像した撮像方向を表す情報の入力を受け付ける受付処理と、
前記人物画像に含まれる、前記撮像方向に対する前記人物の視線の相対方向を検出する検出処理と、
前記撮像方向と前記相対方向とに基づいて、前記人物の視線の方向を算出する算出処理と、
前記座席の位置情報と対象物の位置情報とによって示される前記人物から視認される対象物の方向と、前記視線の方向とを照合することによって、前記視線の先に存在する特定の対象物を特定する特定処理と、
前記人物に情報を提供する提供装置に、前記特定の対象物に関する情報を出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるための情報提供制御プログラム。
【符号の説明】
【0118】
1 情報提供制御システム
10 情報提供制御装置
11 受付部
12 検出部
13 算出部
14 特定部
15 出力部
16 認証部
17 記憶部
171 人物画像
172 座席の位置情報
173 対象物の位置情報
174 撮像方向
175 視線の相対方向
176 視線の方向
177 対象物を説明する情報
178 属性情報
179 端末管理情報
21 車内カメラ
22 プロジェクタ
23 車内端末
24 乗客の端末
25 外部装置
250 対象物に関する詳細情報
26 外部装置
261 属性情報
262 顔認証情報
30 通信ネットワーク
40 情報提供制御装置
41 受付部
411 人物画像
412 座席の位置情報
413 対象物の位置情報
414 撮像方向
42 検出部
420 視線の相対方向
43 算出部
430 視線の方向
44 特定部
45 出力部
450 特定の対象物に関する情報
50 提供装置
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9