(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066596
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】土砂採取装置
(51)【国際特許分類】
E21D 9/093 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
E21D9/093 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176057
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】森野 弘之
(72)【発明者】
【氏名】中本 淳
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】松原 健太
(72)【発明者】
【氏名】武田 厚
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054AC04
2D054CA01
2D054CA04
2D054DA03
2D054FA03
2D054GA10
2D054GA15
2D054GA17
2D054GA52
2D054GA67
2D054GA68
2D054GA69
2D054GA93
(57)【要約】
【課題】土砂性状を変化させることなく土砂を採取でき、採取する土砂の場所を調整することができる土砂採取装置を提供する。
【解決手段】シールド掘進機におけるカッターヘッドと隔壁8との間に形成されたチャンバー2に充満された土砂を採取する土砂採取装置20であって、隔壁8に形成された開口13を開閉するシャッター22と、開口13の周縁部から機内9の方向に延出するガイド筒21と、ガイド筒21の内周に沿って軸方向にスライド移動し、開口13からチャンバー2に進入して土砂を採取する土砂採取部30と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド掘進機におけるカッターヘッドと隔壁との間に形成されたチャンバーに充満された土砂を採取する土砂採取装置であって、
前記隔壁に形成された開口を開閉するシャッターと、
前記開口の周縁部から機内の方向に延出するガイド筒と、
前記ガイド筒の内周に沿って軸方向にスライド移動し、前記開口から前記チャンバーに進入して土砂を採取する土砂採取部と、を備えることを特徴とする土砂採取装置。
【請求項2】
前記土砂採取部は、前記チャンバーの土砂を取り入れて収納する土砂収納部を備えることを特徴とする請求項1に記載の土砂採取装置。
【請求項3】
前記土砂採取部は、前記チャンバーから土砂を取り入れる土砂取入口を開閉する、前記機内から開閉を操作可能な土砂取入口開閉蓋を備えることを特徴とする請求項2に記載の土砂採取装置。
【請求項4】
前記土砂採取部は、円筒状の外筒部と、前記土砂収納部となる前記外筒部に挿入された円筒状の内筒部と、を備え、
前記外筒部の前記チャンバーの側に位置する先端面には、前記土砂取入口が形成され、
前記内筒部の前記チャンバーの側に位置する先端面には、前記外筒部の前記土砂取入口を開閉する前記土砂取入口開閉蓋が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の土砂採取装置。
【請求項5】
前記土砂採取部は、筒状の外筒部と、前記外筒部の内部を軸方向にスライド可能なピストン機構と、を備え、
前記ピストン機構は、第1ピストンと、第2ピストンと、前記第1ピストンと前記第2ピストンとが間隔を空けて固定されたピストンロッドと、を備え、
前記外筒部と前記第1ピストンと前記第2ピストンで囲まれた空間が前記土砂収納部となり、
前記外筒部の周面が前記土砂取入口開閉蓋となることを特徴とする請求項3に記載の土砂採取装置。
【請求項6】
前記土砂採取部は、筒状の外筒部と、前記外筒部の内部を軸方向にスライド可能なピストン機構と、を備え、
前記ピストン機構は、第1ピストンと、前記第1ピストンが固定されたピストンロッドと、を備え、
前記外筒部の先端面から引き込んだ位置に前記第1ピストンが配置された状態で、前記第1ピストンを底面とする前記外筒部の周面で囲まれたコップ状の空間が前記土砂収納部となることを特徴とする請求項2に記載の土砂採取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機のチャンバー内に充満された土砂を採取する土砂採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
土圧式シールド工法は、シールド前面のカッターで掘削した土砂を、チャンバー内(切羽と隔壁間の空間)に充満させ、当該充填土砂の加圧状態を保持することで切羽の安定を図りながら掘進し、隔壁を貫通して配置しているスクリューコンベヤで排土する工法である。
【0003】
土圧式シールド工法では、チャンバー内に充満された土砂に流動性と止水性を付与することを主目的に、地山条件に応じて、添加材(粘土、ベントナイト、気泡、水溶性高分子、など)をカッター前面や隔壁から注入している。添加材の注入によってチャンバー内の土砂に流動性と止水性を付与するためには、チャンバー内の土砂性状を確認する必要がある。
【0004】
土砂性状の確認のために、チャンバー内の土砂を採取する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、隔壁に入口側開閉弁を介して接続された筒状のケーシングと、ケーシングの内部に回転自在に配置されたスクリュウ羽根とを備え、スクリュウ羽根の回転によって土砂をケーシング内に取り込んで土砂取出口から排出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、隔壁に形成された開口からケーシング内に取り込んだ土砂をスクリュウ羽根の回転によって土砂取出口まで搬送しているため、搬送過程で土砂にスクリュウ羽根による圧力が作用し、土砂性状が変化してしまうという問題点があった。また、採取可能な土砂は、隔壁に近接した領域のものに限定されてしまう。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消し、土砂性状を変化させることなく土砂を採取でき、採取する土砂の場所を調整することができる土砂採取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の土砂採取装置は、シールド掘進機におけるカッターヘッドと隔壁との間に形成されたチャンバーに充満された土砂を採取する土砂採取装置であって、前記隔壁に形成された開口を開閉するシャッターと、前記開口の周縁部から機内の方向に延出するガイド筒と、前記ガイド筒の内周に沿って軸方向にスライド移動し、前記開口から前記チャンバーに進入して土砂を採取する土砂採取部と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明の土砂採取装置において、前記土砂採取部は、前記チャンバーの土砂を取り入れて収納する土砂収納部を備えても良い。
さらに、本発明の土砂採取装置において、前記土砂採取部は、前記チャンバーから土砂を取り入れる土砂取入口を開閉する、前記機内から開閉を操作可能な土砂取入口開閉蓋を備えても良い。
さらに、本発明の土砂採取装置において、前記土砂採取部は、円筒状の外筒部と、前記土砂収納部となる前記外筒部に挿入された円筒状の内筒部と、を備え、前記外筒部の前記チャンバーの側に位置する先端面には、前記土砂取入口が形成され、前記内筒部の前記チャンバーの側に位置する先端面には、前記外筒部の前記土砂取入口を開閉する前記土砂取入口開閉蓋が形成されても良い。
さらに、本発明の土砂採取装置において、前記土砂採取部は、筒状の外筒部と、前記外筒部の内部を軸方向にスライド可能なピストン機構と、を備え、前記ピストン機構は、第1ピストンと、第2ピストンと、前記第1ピストンと前記第2ピストンとが間隔を空けて固定されたピストンロッドと、を備え、前記外筒部と前記第1ピストンと前記第2ピストンで囲まれた空間が前記土砂収納部となり、前記外筒部の周面が前記土砂取入口開閉蓋となっても良い。
さらに、本発明の土砂採取装置において、前記土砂採取部は、筒状の外筒部と、前記外筒部の内部を軸方向にスライド可能なピストン機構と、を備え、前記ピストン機構は、第1ピストンと、前記第1ピストンが固定されたピストンロッドと、を備え、前記外筒部の先端面から引き込んだ位置に前記第1ピストンが配置された状態で、前記第1ピストンを底面とする前記外筒部の周面で囲まれたコップ状の空間が前記土砂収納部となっても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、チャンバーに進入して土砂を採取できるため、採取時の圧力変化で土砂性状を変化させることなく土砂を採取できる。また、本発明は、土砂採取部のチャンバーに進入量(突出長)によって、採取する土砂の場所を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る土砂採取装置の実施形態が取り付けられるシールド掘進機の構成を示す構成図である。
【
図2】
図1に示す土砂採取装置の第1実施形態の構成を示す模式図である。
【
図3】
図2に示す土砂採取部の先端面の構成を示す図である。
【
図4】
図2に示す土砂採取装置の土砂採取動作を示す図である。
【
図5】土砂採取装置の第2実施形態の構成を示す模式図である。
【
図6】
図5に示す土砂採取部の先端面の構成を示す図である。
【
図7】
図5に示す土砂採取装置の土砂採取動作を示す図である。
【
図8】土砂採取装置の第3実施形態の構成を示す模式図である。
【
図9】
図8に示す土砂採取部の先端面の構成を示す図である。
【
図10】
図8に示す土砂採取装置の土砂採取動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態の土砂採取装置20は、
図1に示すシールド掘進機1のチャンバー2に充満される掘削土砂を採取する装置である。シールド掘進機1は、土圧式シールド掘進機であり、筒体状のスキンプレート3と、スキンプレート3の進行方向先端に回転自在に取り付けられたカッターヘッド4とを備えている。スキンプレート3の前部には、回転リング5がベアリング等の軸受け部を介して回転自在に支持されている。そして、回転リング5は、連結ビーム6を介してカッターヘッド4が連結されている。スキンプレート3には、回転リング5を回転させる複数のカッター旋回モータ7が装着されている。これにより、カッター旋回モータ7を回転駆動すると、連結ビーム6を介してカッターヘッド4が回転する。
【0013】
スキンプレート3には、カッターヘッド4の後方に位置する鋼板製の隔壁8が設けられ、カッターヘッド4と隔壁8との間にチャンバー2が形成される。チャンバー2は、カッターヘッド4によって掘削された土砂が充満される空間であり、隔壁8は、掘削土砂が充満されるチャンバー2と、作業員が立ち入る機内9とを隔離している。
【0014】
シールド掘進機1は、隔壁8を貫通し、カッターヘッド4の前面やチャンバー2に添加材(粘土、ベントナイト、気泡、水溶性高分子など)を供給する掘削添加剤注入管10を備えている。添加材は、チャンバー2に充満された土砂に流動性と止水性を付与することを目的に、地山条件に応じたものが用いられる。
【0015】
カッターヘッド4によって掘削された土砂は、泥土としてチャンバー2内に充満され、カッターヘッド4の設けられた練混ぜ棒11によって撹拌された後、スクリューコンベヤ12により後方側に搬出される。
【0016】
土砂採取装置20は、
図2を参照すると、隔壁8に形成された円形の開口13の周縁部から機内9の方向に延出する円筒状のガイド筒21と、ガイド筒21の内周に沿って軸方向にスライド移動し、開口13からチャンバー2内に進入して土砂を採取する土砂採取部30と、を備える。
【0017】
ガイド筒21には、開口13を開閉する鋼板等で構成されたシャッター22が設けられている。シャッター22を開けることで、土砂採取部30は、開口13を介してチャンバー2内に進入可能になる。シャッター22を閉じることで、機内9側に収納した土砂採取部30は、チャンバー2と隔離される。
【0018】
ガイド筒21の内周には、土砂採取部30との隙間をシールするシール材23が設けられている。シール材23は、例えば、シリコーンゴムで構成することができる。
【0019】
ガイド筒21の周面のシャッター22とシール材23との間には、気体や液体を注入するための注入口24が形成され、注入口24に接続された配管には、注入用バルブ25が設けられている。
【0020】
ガイド筒21の周面のシャッター22とシール材23との間には、気体や液体を排出するための排出口26が形成され、排出口26に接続された配管には、排出用バルブ27が設けられている。
【0021】
土砂採取部30は、円筒状の外筒部40と、外筒部40に挿入された円筒状の内筒部50とからなる二重管構造で構成される。
【0022】
外筒部40は、ガイド筒21に挿入可能な外径に構成され、外筒部40の外周面とガイド筒21の内周面との間隙がシール材23によってシールされる。外筒部40のチャンバー2側に位置する先端面には、
図3(a)に示すように、チャンバー2内の土砂を取り入れる外筒土砂取入口41が形成されている。外筒土砂取入口41は、外筒部40における内周の底面積の1/2以下に設定され、本実施形態では、内径を半径とする半円状に形成されている。外筒部40の先端面において、外筒土砂取入口41以外の領域は、土砂の流入を遮蔽する外筒遮蔽面42となる。外筒部40の機内9側に位置する後端面は、開放され、外筒部40の後端面から内筒部50が挿入されている。
【0023】
内筒部50は、採取した土砂を収納部として機能し、外筒部40に挿入可能で、軸周りに回転可能な外径に構成されている。内筒部50は、内部全体が土砂を収納する土砂収納部Aとなる。内筒部50のチャンバー2側に位置する先端面には、
図3(b)に示すように、チャンバー2内の土砂を取り入れる内筒土砂取入口51が形成されている。内筒部50の先端面において、内筒土砂取入口51以外の領域は、土砂の流入を遮蔽する内筒遮蔽面52となる。内筒遮蔽面52は、外筒土砂取入口41を遮蔽可能な形状及び面積で構成されている。本実施形態において、内筒土砂取入口51は、内筒部50の内径を半径とする半円状に形成され、内筒遮蔽面52は、内筒部50の外径を半径とする半円状に形成されている。
【0024】
図3(c)に示すように、外筒部40の外筒土砂取入口41と、内筒部50の内筒遮蔽面52とが重なった状態では、外筒土砂取入口41は、内筒遮蔽面52によって遮蔽され、土砂が内筒部50の土砂収納部Aに流入されることがない。
【0025】
内筒部50を軸周りに回転させ、
図3(d)に示すように、外筒部40の外筒土砂取入口41と、内筒部50の内筒土砂取入口51とが一部もしくは全部で重なると、土砂が外筒土砂取入口41及び内筒土砂取入口51を介して内筒部50の土砂収納部Aに流入可能な状態となる。
【0026】
土砂採取部30は、
図2を参照すると、外筒部40を軸方向にスライド移動させるシリンダ60と、内筒部50を軸周りで回転させるモータ70と、を備える。
【0027】
シリンダ60は、外筒部40に取り付けられたピストンロッド600を伸縮させる複動片ロッドシリンダであり、外筒部40を軸方向にスライド移動させる外筒部スライド手段として機能する。シリンダ60は、ピストンロッド600を伸ばすことで外筒部40の先端面をチャンバー2内にスライド移動させ、ピストンロッド600を縮めることで外筒部40の先端面をチャンバー2から退出させる。シリンダ60の動力には、限定はない。シリンダ60は、モータ及びラックアンドピニオン等のスライド機構に変えても良く、手動に変えても良い。
【0028】
モータ70は、内筒部50を軸周りに回転させる内筒部回転手段として機能する。モータ70は、内筒部50(外筒部40)の軸心と回転軸71の軸心とが一致する状態で、外筒部40の後端側に延設されたモータ取付部44に固定されている。モータ70の回転軸71は、内筒部50の後端面を閉塞する後端板53に取り付けられている。これにより、内筒部50は、シリンダ60によって外筒部40と共にスライド移動される。モータ70は、ギアやベルト等を介して、内筒部50を回転させても良い。内筒部50は、モータ70の代わりに手動で回転させても良い。
【0029】
後端板53には、土砂収納部Aと外部とを連通する連通口54が形成され、連通口54に接続された配管には、連通用バルブ55が設けられている。
【0030】
次に、土砂採取装置20による土砂採取動作について
図4を参照して詳細に説明する。
第1工程は、
図3(c)に示すように、外筒部40の外筒土砂取入口41と、内筒部50の内筒遮蔽面52とが重なった状態で、
図4(a)に示すように、シャッター22を開放する。シャッター22の開放によって、チャンバー2内の土砂は、開口13を通ってガイド筒21内に流入する。しかし、外筒土砂取入口41は、内筒遮蔽面52によって遮蔽されているため、土砂が土砂収納部Aに流入されることがない。また、シール材23によって、ガイド筒21の内周と土砂採取部30(外筒部40の外周)との隙間がシールされているため、土砂が機内9内に至ることがない。
【0031】
第2工程は、シリンダ60によって土砂採取部30(外筒部40+内筒部50)をチャンバー2の方向にスライド移動させ、
図4(b)に示すように、土砂採取部30の先端部をチャンバー2内に突出させる。土砂採取部30の先端面の突出長Lは、土砂採取部30のスライド移動量によって適宜調整することができる。
【0032】
第3工程は、モータ70によって内筒部50を軸周りに回転させ、
図3(d)に示すように、外筒部40の外筒土砂取入口41から内筒部50の内筒遮蔽面52を移動させ、外筒部40の外筒土砂取入口41と、内筒部50の内筒土砂取入口51とを重ねる。これにより、チャンバー2の土砂は、
図4(c)に示すように、外筒土砂取入口41及び内筒土砂取入口51を介して土砂収納部Aに流入する。すなわち、内筒部50の内筒遮蔽面52は、土砂収納部Aに土砂を取り入れる土砂取入口(外筒土砂取入口41)を開閉する、機内9から開閉を操作可能な土砂取入口開閉蓋として機能する。
【0033】
土砂の土砂収納部Aへの流入時に、連通用バルブ55は、開放状態とすると良い。連通用バルブ55を開放状態とすることで、土砂の流入と共に土砂収納部Aの空気が連通口54から排出されるため、チャンバー2内の土砂は、スムーズに土砂収納部Aに流入する。
【0034】
第3工程で十分な量の土砂が土砂収納部Aに流入されると、第4工程を実行する。第4工程は、モータ70によって内筒部50を軸周りに回転させ、
図3(c)に示すように、外筒部40の外筒土砂取入口41と、内筒部50の内筒遮蔽面52とを重ねて外筒土砂取入口41を遮蔽する。また、連通用バルブ55は、閉塞状態とする。これにより、
図4(d)に示すように、土砂は、土砂収納部Aに収納された状態となる。
【0035】
第5工程は、シリンダ60によって土砂採取部30(外筒部40+内筒部50)を機内9の方向にスライド移動させ、
図4(e)に示すように、土砂採取部30をチャンバー2から機内9に退出させ、シャッター22を閉塞する。これにより、チャンバー2内で収納された土砂は、圧力等の外力が加わることなく、そのままの状態で機内9に搬送される。
【0036】
第6工程は、
図4(f)に示すように、後端板53とモータ70とを外筒部40から取り外し、土砂収納部Aに収納された土砂を内筒部50の後端面から取り出す。なお、土砂の取り出し口は、内筒部50及び外筒部40の周面に形成しても良い。
【0037】
図4(e)に示すように、土砂採取部30をチャンバー2から機内9に退出させ、シャッター22を閉塞すると、シャッター22と外筒部40との間に土砂が流入する。シャッター22と外筒部40との間は、注入用バルブ25及び排出用バルブ27を解放し、注入口24から空気や洗浄液を注入して排出口26から排出することで洗浄できる。
【0038】
以上のように、第1実施形態は、チャンバー2内に突出させた土砂収納部Aに、チャンバー2内の所望の位置の土砂を収納でき、収納した土砂をそのままの状態で機内9に搬送できる。第1の実施形態は、内筒部50の内部全体を土砂収納部Aとすることができるため、多量の土砂を試料として採取できる。第1の実施形態は、内筒土砂取入口51が、最大でも断面の半分となるため、チャンバー2内の同社の流動性が良い場合に有効である。
【0039】
(第2実施形態)
第2実施形態の土砂採取装置20aは、
図5を参照すると、隔壁8に形成された開口13の周縁部から機内9の方向に延出する筒状のガイド筒21と、ガイド筒21の内周に沿って軸方向にスライドし、開口13からチャンバー2内に進入して土砂を採取する土砂採取部30aと、を備える。
【0040】
ガイド筒21には、開口13を開閉する鋼板等で構成されたシャッター22が設けられている。シャッター22を開けることで、土砂採取部30aは、開口13を介してチャンバー2内に進入可能になる。シャッター22を閉じることで、機内9側に収納した土砂採取部30aは、チャンバー2と隔離される。
【0041】
ガイド筒21の内周には、土砂採取部30aとの隙間をシールするシール材23が設けられている。シール材23は、例えば、シリコーンゴムで構成することができる。
【0042】
ガイド筒21の周面のシャッター22とシール材23との間には、気体や液体を注入するための注入口24が形成され、注入口24に接続された配管には、注入用バルブ25が設けられている。
【0043】
ガイド筒21の周面のシャッター22とシール材23との間には、気体や液体を排出するための排出口26が形成され、排出口26に接続された配管には、排出用バルブ27が設けられている。
【0044】
土砂採取部30aは、筒状の外筒部40aと、外筒部40aの内部を軸方向にスライド可能なピストン機構80と、で構成される。ピストン機構80は、第1ピストン81と、第2ピストン82と、第1ピストン81と第2ピストン82とが間隔を空けて固定されたピストンロッド83と、を備える。土砂採取部30aにおいて、外筒部40aと第1ピストン81と第2ピストン82で囲まれた空間は、土砂を収納する土砂収納部Bとして機能する。
【0045】
外筒部40aは、ガイド筒21に挿入可能な外形に構成され、外筒部40aの外周面とガイド筒21の内周面との間隙がシール材23によってシールされる。
【0046】
外筒部40aのチャンバー2側に位置する先端面は、開放面となっている。
図6(a)に示すように、外筒部40aの先端面に第1ピストン81が配置された状態では、土砂収納部Bは、閉塞された状態となる。
図6(b)に示すように、外筒部40aの先端面に第2ピストン82が配置された状態では、土砂収納部Bは、最大限に開放された状態となる。
【0047】
図5を参照すると、外筒部40aの機内9側に位置する後端面には、ピストンロッド83を軸方向にスライド可能に支持するロッド支持板45が取り付けられている。また、外筒部40aの下方側周面には、土砂排出口46が形成されている。土砂排出口46は、採取した土砂の排出口であり、排出用バルブ47が接続されている。外筒部40aの土砂排出口46に対抗する上方側周面には、気体や液体を注入するための注入口48が形成され、注入口48に接続された配管には、注入用バルブ49が設けられている。
【0048】
土砂採取部30aは、外筒部40aを軸方向にスライド移動させるシリンダ61と、ピストン機構80を軸方向にスライド移動させるシリンダ62と、シリンダ61及びシリンダ62を軸方向にスライド移動させるシリンダ63と、を備える。シリンダ61~63の動力には、限定はない。シリンダ61~63は、モータ及びラックアンドピニオン等のスライド機構に変えても良く、手動に変えても良い。
【0049】
シリンダ61は、外筒部40aに取り付けられたピストンロッド610を伸縮させる複動片ロッドシリンダであり、外筒部40aを軸方向にスライド移動させる外筒部スライド手段として機能する。シリンダ62は、ピストン機構80のピストンロッド83を伸縮させる複動片ロッドシリンダであり、ピストン機構80を軸方向にスライド移動させるピストン機構スライド手段として機能する。
【0050】
シリンダ63は、シリンダ61及びシリンダ62が固定されたシリンダ固定部64に取り付けられたピストンロッド630を伸縮させる複動片ロッドシリンダである。シリンダ63は、シリンダ61及びシリンダ62(土砂採取部30a:外筒部40a+ピストン機構80)を軸方向にスライド移動させる土砂採取部スライド手段として機能する。
【0051】
次に、土砂採取装置20aによる土砂採取動作について
図7を参照して詳細に説明する。
第1工程は、
図6(a)に示すように、外筒部40aの先端面に第1ピストン81が配置された状態で、
図7(a)に示すように、シャッター22を開放する。シャッター22の開放によって、チャンバー2内の土砂は、開口13を通ってガイド筒21内に流入する。しかし、外筒部40aの先端面は、第1ピストン81によって遮蔽されているため、土砂が土砂収納部Bに流入されることがない。また、シール材23によって、ガイド筒21の内周と土砂採取部30a(外筒部40aの外周)との隙間がシールされているため、土砂が機内9内に至ることがない。
【0052】
第2工程は、シリンダ63によって土砂採取部30aをチャンバー2の方向にスライド移動させ、
図7(b)に示すように、土砂採取部30aの先端部をチャンバー2内に突出させる。土砂採取部30a(外筒部40a)の先端面の突出長Lは、土砂採取部30aのスライド移動量によって適宜調整することができる。
【0053】
第3工程は、シリンダ61によって外筒部40aを機内9の方向にスライド移動させ、
図6(b)に示すように、外筒部40aの先端面に第2ピストン82が配置された状態にする。これにより、チャンバー2の土砂は、
図7(c)に示すように、土砂収納部Bに流入する。すなわち、外筒部40aの周面は、土砂収納部Bに土砂を取り入れる土砂取入口を開閉する、機内9から開閉を操作可能な土砂取入口開閉蓋として機能する。
【0054】
第4工程は、土砂の土砂収納部Bへの流入後、シリンダ61によって外筒部40aをチャンバー2の方向にスライド移動させ、
図6(a)に示すように、外筒部40aの先端面に第1ピストン81が配置された状態にする。これにより、
図7(d)に示すように、土砂は、土砂収納部Bに収納された状態となる。
【0055】
第5工程は、シリンダ63によって土砂採取部30aをチャンバー2の方向にスライド移動させ、
図7(e)に示すように、土砂採取部30aをチャンバー2から機内9に退出させ、シャッター22を閉塞する。これにより、チャンバー2内で収納された土砂は、圧力等の外力が加わることなく、そのままの状態で機内9に搬送される。
【0056】
第6工程は、
図4(f)に示すように、シリンダ62によってピストン機構80を機内9の方向にスライド移動させ、土砂収納部Bを土砂排出口46まで移動させる。これにより、排出用バルブ47を解放することで、土砂収納部Bに収納された土砂を土砂排出口46から取り出すことができる。なお、土砂排出時において、注入用バルブ49を解放することで、土砂収納部Bの土砂は、スムーズに排出される。また、土砂排出後は、注入口48から空気や洗浄液を注入することで、土砂収納部Bを洗浄できる。
【0057】
図7(e)に示すように、土砂採取部30aをチャンバー2から機内9に退出させ、シャッター22を閉塞すると、シャッター22と第1ピストン81との間に土砂が流入する。シャッター22と第1ピストン81との間は、注入用バルブ25及び排出用バルブ27を解放し、注入口24から空気や洗浄液を注入して排出口26から排出することで洗浄できる。
【0058】
以上のように、第2実施形態は、チャンバー2内に突出させた土砂収納部Bに、チャンバー2内の所望の位置の土砂を収納でき、収納した土砂をそのままの状態で機内9に搬送できる。第2実施形態は、土砂収納部Bへの土砂取入口を大面積とすることができるため、チャンバー2内の土砂が大粒径での流動性が悪くても対応できる。
【0059】
(第3実施形態)
第3実施形態の土砂採取装置20bは、
図8を参照すると、隔壁8に形成された開口13の周縁部から機内9の方向に延出する筒状のガイド筒21bと、ガイド筒21bの内周に沿って軸方向にスライドし、開口13からチャンバー2内に進入して土砂を採取する土砂採取部30bと、を備える。
【0060】
ガイド筒21bには、開口13を開閉する鋼板等で構成されたシャッター22が設けられている。シャッター22を開けることで、土砂採取部30bは、開口13を介してチャンバー2内に進入可能になる。シャッター22を閉じることで、機内9側に収納した土砂採取部30bは、チャンバー2と隔離される。
【0061】
ガイド筒21bの内周には、土砂採取部30bとの隙間をシールするシール材23が設けられている。シール材23は、例えば、シリコーンゴムで構成することができる。
【0062】
ガイド筒21bの下方側周面のシャッター22とシール材23との間には、土砂排出口28が形成されている。土砂排出口28は、採取した土砂の排出口であり、排出用バルブ29が接続されている。外筒部40bの土砂排出口28に対抗する上方側側面には、気体や液体を注入するための注入口24が形成され、注入口24に接続された配管には、注入用バルブ25が設けられている。
【0063】
土砂採取部30bは、筒状の外筒部40bと、外筒部40bの内部を軸方向にスライド可能なピストン機構80bと、で構成される。ピストン機構80bは、第1ピストン81と、第1ピストン81が固定されたピストンロッド83と、を備える。
【0064】
外筒部40bは、ガイド筒21bに挿入可能な外形に構成され、外筒部40bの外周面とガイド筒21bの内周面との間隙がシール材23によってシールされる。
【0065】
外筒部40bのチャンバー2側に位置する先端面は、開放面となっている。
図9(a)に示すように、外筒部40bの先端面に第1ピストン81が配置された状態では、外筒部40bの先端面は、閉塞された状態となる。
図9(b)に示すように、外筒部40bの先端面から引き込んだ位置に第1ピストン81が配置された状態では、第1ピストン81を底面とする外筒部40bで囲まれたコップ状の空間は、土砂を収納する土砂収納部Cとなる。
【0066】
図8を参照すると、外筒部40bの機内9側に位置する後端面には、ピストンロッド83を軸方向にスライド可能に支持するロッド支持板45が取り付けられている。
【0067】
土砂採取部30bは、外筒部40bを軸方向にスライド移動させるシリンダ61bと、ピストン機構80bを軸方向にスライド移動させるシリンダ62bと、シリンダ61b及びシリンダ62bを軸方向にスライド移動させるシリンダ63bと、を備える。シリンダ61b~63bの動力には、限定はない。シリンダ61b~63bは、モータ及びラックアンドピニオン等のスライド機構に変えても良く、手動に変えても良い。
【0068】
シリンダ61bは、外筒部40bに取り付けられたピストンロッド610を伸縮させる複動片ロッドシリンダであり、外筒部40bを軸方向にスライド移動させる外筒部スライド手段として機能する。シリンダ62bは、ピストン機構80bのピストンロッド83を伸縮させる複動片ロッドシリンダであり、ピストン機構80bを軸方向にスライド移動させるピストン機構スライド手段として機能する。
【0069】
シリンダ63bは、シリンダ61及びシリンダ62が固定されたシリンダ固定部64に取り付けられたピストンロッド630を伸縮させる複動片ロッドシリンダである。シリンダ63bは、シリンダ61b及びシリンダ62b(土砂採取部30b:外筒部40b+ピストン機構80b)を軸方向にスライド移動させる土砂採取部スライド手段として機能する。
【0070】
次に、土砂採取装置20aによる土砂採取動作について
図10を参照して詳細に説明する。
第1工程は、
図9(a)に示すように、外筒部40bの先端面に第1ピストン81が配置された状態で、
図10(a)に示すように、シャッター22を開放する。シャッター22の開放によって、チャンバー2内の土砂は、開口13を通ってガイド筒21b内に流入する。しかし、外筒部40bの先端面は、第1ピストン81によって遮蔽されているため、土砂が外筒部40bの内部に流入されることがない。また、シール材23によって、ガイド筒21bの内周と土砂採取部30b(外筒部40bの外周)との隙間がシールされているため、土砂が機内9内に至ることがない。
【0071】
第2工程は、シリンダ63bによって土砂採取部30bをチャンバー2の方向にスライド移動させ、
図10(b)に示すように、土砂採取部30bの先端部をチャンバー2内に突出させる。土砂採取部30b(外筒部40b)の先端面の突出長Lは、土砂採取部30bのスライド移動量によって適宜調整することができる。
【0072】
第3工程は、シリンダ61bによって外筒部40bをチャンバー2の方向にスライド移動させ、
図9(b)に示すように、外筒部40bの先端面から引き込んだ位置に第1ピストン81が配置された状態とする。これにより、土砂収納部Cが形成され、チャンバー2の土砂は、
図10(c)に示すように、土砂収納部Cに流入する。
【0073】
第4工程は、土砂の土砂収納部Cへの流入後、シリンダ63bによって土砂採取部30bをチャンバー2の方向にスライド移動させ、
図10(d)に示すように、土砂採取部30bをチャンバー2から機内9に退出させ、シャッター22を閉塞する。これにより、チャンバー2内で収納された土砂は、圧力等の外力が加わることなく、そのままの状態で機内9に搬送される。土砂収納部C内の土砂は、外筒部40bの先端面にチャンバー2内の土圧が作用するため、入れ替わることなく機内9内まで搬送される。
【0074】
第5工程は、シリンダ63bによって土砂採取部30bをチャンバー2の方向にスライド移動させ、
図10(e)に示すように、外筒部40bの先端面を土砂排出口28よりも機内9側に配置させる。これにより、排出用バルブ29を解放することで、土砂収納部Cに収納された土砂を土砂排出口28から取り出すことができる。なお、土砂排出時において、注入用バルブ25を解放することで、土砂収納部Cの土砂は、スムーズに排出される。土砂収納部Cに収納された土砂は、第1ピストン81のスライド移動によって押出しても良い。また、土砂排出後は、注入口48から空気や洗浄液を注入することで、土砂収納部Cを洗浄できる。
【0075】
以上のように、第3実施形態は、チャンバー2内に突出させた土砂収納部Cに、チャンバー2内の所望の位置の土砂を収納でき、収納した土砂をそのままの状態で機内9に搬送できる。第3実施形態は、土砂収納部Cへの土砂取入口を外筒部40bの断面とすることができるため、チャンバー2内の土砂が大粒径での流動性が悪くてもある程度対応できる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態は、シールド掘進機1におけるカッターヘッド4と隔壁8との間に形成されたチャンバー2に充満された土砂を採取する土砂採取装置20であって、隔壁8に形成された開口13を開閉するシャッター22と、開口13の周縁部から機内9の方向に延出するガイド筒21と、ガイド筒21の内周に沿って軸方向にスライド移動し、開口13からチャンバー2に進入して土砂を採取する土砂採取部30と、を備える。
この構成により、本実施形態は、チャンバー2に進入して土砂を採取できるため、土砂性状を変化させることなく土砂を採取できる。また、土砂採取部30のチャンバー2に進入量(突出長)によって、採取する土砂の場所を調整することができる。
【0077】
さらに、本実施形態において、土砂採取部30は、チャンバー2の土砂を取り入れて収納する土砂収納部Aを備える。
この構成により、本実施形態は、土砂収納部Aに土砂を収納した状態で機内9まで搬送できるため、土砂性状を変化させることなく土砂を採取できる。
【0078】
さらに、本実施形態において、土砂採取部30は、チャンバー2から土砂を取り入れる土砂取入口を開閉する、機内9から開閉を操作可能な土砂取入口開閉蓋(内筒部50の内筒遮蔽面52、外筒部40aの周面)を備える。
この構成により、本実施形態は、土砂収納部A、Bにチャンバー2内の土圧が作用しない状態で土砂を収納できるため、土砂性状を変化させることなく土砂を採取できる。
【0079】
さらに、第1実施形態において、土砂採取部30は、円筒状の外筒部40と、土砂収納部Aとなる外筒部40に挿入された円筒状の内筒部50と、を備え、外筒部40のチャンバー2の側に位置する先端面には、土砂取入口(外筒土砂取入口41)が形成され、内筒部50のチャンバー2の側に位置する先端面には、外筒部40の外筒土砂取入口41を開閉する土砂取入口開閉蓋(内筒部50の内筒遮蔽面52)が形成されている。
この構成により、第1実施形態は、機内9で内筒部50を回転させるだけで、土砂取入口開閉蓋を開閉できる。
【0080】
さらに、第2実施形態において、土砂採取部30aは、筒状の外筒部40aと、外筒部40aの内部を軸方向にスライド可能なピストン機構80と、を備え、ピストン機構80は、第1ピストン81と、第2ピストン82と、第1ピストン81と第2ピストン82とが間隔を空けて固定されたピストンロッド83と、を備え、外筒部40aと第1ピストン81と第2ピストン82で囲まれた空間が土砂収納部Bとなり、外筒部40aの周面が土砂取入口開閉蓋となる。
この構成により、第2実施形態は、機内9でピストンロッド83をスライド移動させるだけで、土砂取入口開閉蓋を開閉できる。
【0081】
さらに、第3実施形態において、土砂採取部30bは、筒状の外筒部40bと、外筒部40bの内部を軸方向にスライド可能なピストン機構80bと、を備え、ピストン機構80bは、第1ピストン81と、第1ピストン81が固定されたピストンロッド83と、を備え、外筒部40bの先端面から引き込んだ位置に第1ピストン81が配置された状態で、第1ピストン81を底面とする外筒部40bの周面で囲まれたコップ状の空間が土砂収納部Cとなる。
この構成により、第3実施形態は、機内9でピストンロッド83をスライド移動させるだけで、土砂収納部Cに土砂を収納できる。
【0082】
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0083】
1 シールド掘進機
2 チャンバー
3 スキンプレート
4 カッターヘッド
5 回転リング
6 連結ビーム
7 カッター旋回モータ
8 隔壁
9 機内
10 掘削添加剤注入管
11 練混ぜ棒
12 スクリューコンベヤ
13 開口
20、20a、20b 土砂採取装置
21、21b ガイド筒
22 シャッター
23 シール材
24 注入口
25 注入用バルブ
26 排出口
27 排出用バルブ
28 土砂排出口
29 排出用バルブ
30、30a、30b 土砂採取部
40、40a、40b 外筒部
41 外筒土砂取入口
42 外筒遮蔽面
44 モータ取付部
45 ロッド支持板
46 土砂排出口
47 排出用バルブ
48 注入口
49 注入用バルブ
50 内筒部
51 内筒土砂取入口
52 内筒遮蔽面
53 後端板
54 連通口
55 連通用バルブ
60、61、61b、62、62b、63、63b シリンダ
64 シリンダ固定部
70 モータ
71 回転軸
80、80b ピストン機構
81 第1ピストン
82 第2ピストン
83、600、610、630 ピストンロッド
A、B、C 土砂収納部
L 突出長