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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066599
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】薬味供給装置
(51)【国際特許分類】
   A23B 7/10 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
A23B7/10 D
A23B7/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176062
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】522430039
【氏名又は名称】有限会社百珍物産
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】李 珍京
【テーマコード(参考)】
4B169
【Fターム(参考)】
4B169DA01
4B169DA02
4B169DA20
4B169DC01
(57)【要約】
【課題】キムチの材料に薬味を効果的に混ぜることができるようにした薬味供給装置を提供する。
【解決手段】キムチの材料を搬送する材料搬送部5と、この材料搬送部5で搬送される材料に薬味を供給する薬味供給部6とを具備し、材料搬送部5は、略水平軸を中心に回転する搬送ドラム7と、この搬送ドラム7の中心部と外周縁とを連結し、材料の収容部14を形成する多数の隔壁13と、収容部14に材料を受入れる材料受入部17と、収容部14から材料を排出する材料排出部18とを備え、薬味供給部6は、材料受入部17と材料排出部18との間の収容部14に対向して設けられ、収容部14に収容された材料に薬味を供給する噴射ノズル25を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キムチの材料を搬送する材料搬送部と、
該材料搬送部で搬送される材料に薬味を供給する薬味供給部と、
を具備し、
前記材料搬送部は、
略水平軸を中心に回転し、材料を回転方向に搬送する搬送ドラムと、
該搬送ドラムの中心部と外周縁とを連結し、材料の収容部を形成する多数の隔壁と、
前記収容部に材料を受入れる材料受入部と、
前記収容部から材料を排出する材料排出部と、
を備え、
前記薬味供給部は、
前記材料受入部と前記材料排出部との間の前記収容部に対向して設けられ、前記収容部に収容された材料に薬味を供給する供給ノズルを備えた、
ことを特徴とする薬味供給装置。
【請求項2】
前記収容部は、前記搬送ドラムの外周縁側を広く、中心部側を狭く、構成したことを特徴とする請求項1に記載の薬味供給装置。
【請求項3】
前記供給ノズルは、薬味を噴射する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の薬味供給装置。
【請求項4】
前記供給ノズルから供給される薬味の飛散を阻止するカバーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬味供給装置。
【請求項5】
前記カバーは、前記搬送ドラムに対し接離可能に設け、接近状態で薬味の飛散を阻止する構成としたことを特徴とする請求項4に記載の薬味供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キムチの製造に用いられる薬味供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の薬味供給装置としては、従来、次のようなものも提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、薬味配合ドラム、スクリューおよび攪拌羽根を備えた薬味配合装置が開示されている。
【0004】
前記スクリューは、薬味配合ドラムの内部に、薬味配合ドラムと一緒に回転するように配置されている。
【0005】
また、前記攪拌羽根は、薬味配合ドラムの内面において中央側に突出し、スクリューの隣接した刃同士を連結し、間隔を一部塞ぐダム状に形成されている。
【0006】
そして、これらスクリューおよび攪拌羽根は、薬味配合ドラムの内部に供給されたキムチの材料と、薬味供給部から注入される薬味とを均一に攪拌させながら後段の装置へ送るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-148062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この薬味配合装置では、単にスクリューおよび攪拌羽根によってキムチの材料と薬味とを攪拌させながら後段の装置へ送る構成になっているため、キムチの材料と薬味とが混ざり難く、キムチの材料として特に白菜などの葉物では、葉が1枚1枚広がらず、葉と葉の間に薬味が入り難いという問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、キムチの材料に薬味を効果的に混ぜることができるようにした薬味供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る薬味供給装置は、キムチの材料を搬送する材料搬送部と、この材料搬送部で搬送される材料に薬味を供給する薬味供給部とを具備し、材料搬送部は、略水平軸を中心に回転する搬送ドラムと、この搬送ドラムの中心部と外周縁とを連結し、材料の収容部を形成する多数の隔壁と、収容部に材料を受入れる材料受入部と、収容部から材料を排出する材料排出部とを備え、薬味供給部は、材料受入部と材料排出部との間の収容部に対向して設けられ、収容部に収容された材料に薬味を供給する供給ノズルを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、キムチの材料に薬味を効果的に混ぜることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の一実施形態に係る薬味供給装置を用いたキムチ製造機を示す斜視図。
図2】同キムチ製造機を他の方向から示す斜視図。
図3】同キムチ製造機を示す正面図。
図4】同キムチ製造機を一部断面にして示す正面図。
図5】同キムチ製造機を示す平断面図。
図6】同キムチ製造機を一部断面にして示す平面図。
図7】同キムチ製造機を示す側面図。
図8】同キムチ製造機を反対方向から示す側面図。
図9】同薬味供給装置に用いられる飛散防止カバーの作用を説明するための斜視図。
図10】同じく同飛散防止カバーの作用を説明するための斜視図。
図11】同じく同飛散防止カバーの作用を説明するための正面図。
図12】同じく同飛散防止カバーの作用を説明するための側面図。
図13】同キムチ製造機の作用を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1図3中、符号1は、本発明の一実施形態に係る薬味供給装置を用いたキムチ製造機を示している。
【0015】
このキムチ製造機1は、キムチ材料供給装置(薬味供給装置)2、ミキシング装置3および移送装置4を備えている。
【0016】
キムチ材料供給装置2は、図4にも示すように、キムチのたとえば白菜などの材料および薬味を搬送する材料搬送部5と、この材料搬送部5で搬送される材料に薬味を供給する薬味供給部6を備えている。
【0017】
材料搬送部5は、略水平軸を中心に回転し、材料および薬味を回転方向に搬送する搬送ドラム7を有している。
【0018】
すなわち、この搬送ドラム7は、フレーム8に水平に支持された回転軸9に回転自在に支持され、チェーン10を介して駆動モータ11によって回転駆動されるようになっている。
【0019】
また、この搬送ドラム7は、回転軸9に間隔をあけて取付られた円板状の一対の側板を有している。
【0020】
これら側板12,12の間には、多数の隔壁13が設けられている。
【0021】
この隔壁13は、搬送ドラム7の中心部と外周縁とを連結するように一対の側板12に支持され、これら一対の側板12とともに材料の収容部14を区画形成するようになっている。
【0022】
したがって、この収容部14は、搬送ドラム7の外周縁側が広く、中心部側が狭くなっている。
【0023】
また、各隔壁13は、搬送ドラム7の径方向の中途部で屈曲され、搬送ドラム7の中心部から中途部までが径方向外方に向けて延びる径方向板部15、中途部から周縁部までが搬送ドラム7の搬送方向後方へ傾斜した傾斜板部16となっている。
【0024】
このように構成された搬送ドラム7は、収容部14が上昇する部分が収容部14に材料を受入れる材料受入部17、収容部14が下降する部分が収容部14から材料を排出する材料排出部18となっている。
【0025】
また、搬送ドラム7の下方には、収容部14からの残留物を回収する回収ボックス19および残留物を回収ボックス19へ案内する排出ガイド20が設けられている。
【0026】
この排出ガイド20は、材料受入部17側から材料排出部18側へ傾斜して設けられ、材料受入部17側が上部傾斜部21、材料排出部18側が下部傾斜部22、上部傾斜部21と下部傾斜部22との中間が中間傾斜部23となっている。
【0027】
薬味供給部6は、図5図8にも示すように、薬味をミキシングして圧送するポンピン部24、このポンピン部24から圧送された薬味を噴射する噴射ノズル(供給ノズル)25およびこの噴射ノズル25とポンピン部24とを連絡するホース26を備えている。
【0028】
ポンピン部24は、薬味をミキシングするミキシング部27と、このミキシングされた薬味をホース26を介して噴射ノズル25に圧送するポンプ28を有している。
【0029】
噴射ノズル25は、材料受入部17と材料排出部18との間の収容部14すなわち搬送ドラム7の頂部に位置した収容部14に対向するようにフレーム8に支持され、この収容部14に収容された材料に薬味を噴射して供給するようになっている。
【0030】
また、搬送ドラム7の上方には、図10および図11にも示すように、噴射供給ノズル25から供給される薬味の飛散を阻止するカバー31が設けられている。
【0031】
このカバー31は、フレーム8に固定されたシリンダ32のロッド33に取付けられ、シリンダ32の駆動によって昇降動され、これにより搬送ドラム7に対して接離されるように構成されている。
【0032】
そして、図11および図12にも示すように、搬送ドラム7に対し接近状態で薬味の飛散を阻止するようになっている。
【0033】
また、カバー31には、搬送ドラム7に近接したときに搬送ドラム7の一対の側板12の周縁部が入り込む一対の切開部34が形成されている。
【0034】
すなわち、このカバー31は、シリンダ32のロッド33に取付けられた天板35と、この天板35から一対の側板12の外側に垂下する一対の側面部36と、天板35から一対の側面部36間の材料受入部17側に垂下する受入面部37と、天板35から一対の側面部36間の材料排出部18側に垂下する排出面部38とを有し、下方が開放した箱状に形成されている。
【0035】
受入面部37と排出面部38は、可撓性を有する部材で形成され、側面部36より短くなっている。
【0036】
また、上述の一対の切開部34は、これら受入面部37と排出面部38にそれぞれ形成され、受入面部37と排出面部38の一対の切開部34間は搬送ドラム7の隔壁13の傾斜板部16に係合して撓む可撓部39となっている。
【0037】
さらに、搬送ドラム7の両側には一対の薬味ドラム41が搬送ドラム7の回転軸9と同軸に設けられている。
【0038】
各薬味ドラム41は、搬送ドラム7の側板12に連接される筒状の胴部42と、この胴部42から径方向に延出する円板状のフランジ部43を有している。
【0039】
この胴部42は、搬送ドラム7側よりフランジ部43側が大径に形成され、搬送ドラム7の側板12の外側に飛散した薬味を外側(フランジ部43側)から内側(側板12側)に向けて案内しながら排出ガイド20に案内するようになっている。
【0040】
なお、カバー31の下降時には、側面部36の下端部分が側板12とフランジ部43との間に位置するようになっている。
【0041】
ミキシング装置3は、水平軸を中心に回転自在に設けられた筒状のミキシングドラム51を有し、このミキシングドラム51は駆動モータ52によってチェーン53を介して回転駆動されるようになっている。
【0042】
このミキシングドラム51の一端には、材料排出部18から排出された材料および薬味を受入れる受入口54が形成されている。
【0043】
また、ミキシングドラム51の内周面にはスパイラル状のブレード55が軸心方向に向けて突出して設けられ、受入口54から受入れた材料および薬味をミキシングしながら軸方向へ搬送するようになっている。
【0044】
さらに、ミキシングドラム51の他端には、ブレード55によって搬送された材料および薬味を移送装置4に排出する排出口56が形成されている。
【0045】
移送装置4は、排出口29から排出された材料および薬味を後段の処理装置に搬送する搬送コンベヤ57を備えている。
【0046】
このように構成したキムチ製造機1でたとえば塩漬けした白菜を材料としてキムチを製造する場合は、図13に示すように、白菜を2等分または4等分に切って搬送ドラム7の材料受入部17から収容部14に入れる。
【0047】
収容部14は、図4に示したように、搬送ドラム7の外周縁側が広く、中心部側が狭く構成されているため、白菜の茎側が搬送ドラム7の中心部側、白菜の葉側が搬送ドラム7の外周縁側を向き、搬送ドラム7の搬送に伴って白菜の葉と葉が自然に広がる。
【0048】
白菜が搬送ドラム7の上部に搬送されると、噴射ノズル25から薬味が噴射され、白菜の葉と葉の間に供給される。
【0049】
この白菜は材料排出部18から排出され、ミキシング装置3によって白菜と薬味がミキシングされながら移送装置4へ送られる。
【0050】
以上の構成によれば、白菜の葉と葉の間に薬味を確実に供給することができる。
【0051】
すなわち、キムチの材料に薬味を効果的に混ぜることができる。
【0052】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0053】
すなわち、本発明に係る薬味供給装置は、キムチの材料を搬送する材料搬送部と、この材料搬送部で搬送される材料に薬味を供給する薬味供給部とを具備し、材料搬送部は、略水平軸を中心に回転する搬送ドラムと、この搬送ドラムの中心部と外周縁とを連結し、材料の収容部を形成する多数の隔壁と、収容部に材料を受入れる材料受入部と、収容部から材料を排出する材料排出部とを備え、薬味供給部は、材料受入部と材料排出部との間の収容部に対向して設けられ、収容部に収容された材料に薬味を供給する供給ノズルを備えたことを特徴とするものである。
【0054】
上記本発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。該実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
【0055】
(1)収容部は、搬送ドラムの外周縁側を広く、中心部側を狭く構成する。
【0056】
(2)供給ノズルは、薬味を噴射する構成とする。
【0057】
(3)供給ノズルから供給される薬味の飛散を阻止するカバーを備える。
【0058】
(4)カバーは、搬送ドラムに対し接離可能に設け、接近状態で薬味の飛散を阻止する構成とする。
【符号の説明】
【0059】
1 キムチ製造機
2 薬味供給装置(キムチ材料供給装置)
5 材料搬送部
6 薬味供給部
7 搬送ドラム
13 隔壁
14 収容部
17 材料受入部
18 材料排出部
25 供給ノズル(噴射ノズル)
31 カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13