(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066615
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 7/00 20060101AFI20240509BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A47B7/00 Z
A47B13/00 Z
A47B13/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176106
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000140007
【氏名又は名称】株式会社稲葉製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 健太
(72)【発明者】
【氏名】今村 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】河手 遥
(72)【発明者】
【氏名】立川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 治宣
(72)【発明者】
【氏名】松井 香代子
(72)【発明者】
【氏名】高澤 彩香
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NN04
3B053NP02
(57)【要約】
【課題】天板に対する脚体の取付構造が大型化することがなく、天板に対する脚体の取り付けに関して少ないボルト本数によって所要の取付強度を得ること。
【解決手段】天板12の角部(脚体取付部)16に水平方向に外向きに開口した係合用開口52Aが設けられ、脚体18には上端部から天板12の角部16に互いに隣接する両辺部に沿うべく延出し、天板12にボルト46により締結された結合片部30Cが設けられ、更に、脚体18の上端部に固定され且つ係合用開口52Aに突入する突部50Cを備えた取付補助部材50を有する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、前記天板に取り付けられて前記天板を支持する複数の脚体とを備えたテーブルであって、
前記天板に対して前記脚体の各々が取り付けられる前記天板の脚体取付部には、水平方向に外向きに開口した係合用開口がそれぞれ設けられ、
前記脚体の各々には上端部から前記天板の前記脚体取付部に互いに隣接する両辺部に沿うべく延出し、前記天板に締結具により締結された結合片部が設けられ、
更に、前記脚体の各々の上端部に固定され且つ対応する前記係合用開口に突入する突部を備えた取付補助部材を有するテーブル。
【請求項2】
前記脚体取付部は前記天板の角部に設けられ、前記係合用開口は前記角部の両辺部に各々設けられ、前記突部は各係合用開口に対応して複数設けられ、各突部が対応する前記係合用開口に突入する請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記脚体の各々は前記上端部が内向きに開口したチャンネル形状部を有し、
前記取付補助部材は、対応する前記チャンネル形状部内に嵌入された垂下部と、前記垂下部から前記天板の下部に当接すべく延出した当接片部とを有する請求項1又は2に記載のテーブル。
【請求項4】
前記脚体の各々は、対応する前記取付補助部材の前記垂下部に密接すべく、前記チャンネル形状部の両片から延出したリップ片部を含む請求項3に記載のテーブル。
【請求項5】
前記取付補助部材の前記垂下部がボルトにより前記脚体に固定されている請求項3に記載のテーブル。
【請求項6】
前記取付補助部材は樹脂製である請求項1又は2に記載のテーブル。
【請求項7】
前記天板は前記両辺部に沿って延在する部分を含む溝形断面形状の補強部材を有し、前記係合用開口は前記補強部材に設けられている請求項1又は2に記載のテーブル。
【請求項8】
前記脚体は、各々、その全長に亘って内向きに開口したチャンネル形状部を有する脚体主体と、前記脚体主体の開口部を閉じるべく前記脚体主体に取り付けられたカバー部材とを含み、
前記脚体主体と前記カバー部材とにより脚延在方向に連続した中空部を画定しており、
前記脚体の上部及び下部に前記中空部に連通するケーブル出入用開口を含む請求項1又は2に記載のテーブル。
【請求項9】
前記脚体主体の下部に、天板高さ調節のためのアジャスタの取付部材及び前記取付部材を前記開口部の側から見て隠蔽する部分を含む内部板部材を有し、
前記内部板部材は下端部に前記脚体主体の底部側から前記開口部に向けて下向きに傾斜した傾斜面を含む請求項8に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルに関し、更に詳細にはテーブルの脚体の取付構造とその構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板の下部に複数のボルトにより取り付けられたフランジ部と、フランジ部から延出した係合柱部を含むブラケットとを有し、脚体が中空筒状の押出成形品により構成され、係合柱部が脚体の上端部から脚体の中空部に突入し、係合柱部が脚体の上端に複数のボルトにより固定されたテーブルが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、天板の下部に複数のボルトにより取り付けられた取付板と、天板の下部に取り付けられた補強部材から取付板に向けて延出し且つ取付板に溶接された連結板とを有し、脚体の上端に形成されているスリットに連結板が突入し、脚体がブラケット及び連結板に溶接されたテーブルが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-90801号公報
【特許文献2】特開2022-28373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来のテーブルでは、脚体が天板に十分な取付強度、特に、テーブルの使用時に天板から脚体に作用する曲げモーメントに対して十分な取付強度を確保するためには、外形寸法の大きなフランジ部や取付板を用い、フランジ部や取付板の天板に対する固定部(ボルト締結部)を、ブラケットや連結板の脚体に対する固定部から離れた位置に設定する必要がある。このため、従来のテーブルでは、天板に対する脚体の取付構造が大型化すると共に多くの本数のボルトを必要とする。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、天板に対する脚体の取付構造が大型化することがなく、天板に対する脚体の取り付けに関して少ないボルト本数によって所要の取付強度を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、天板(12)と、前記天板に取り付けられて前記天板を支持する複数の脚体(18)とを備えたテーブル(10)であって、前記天板に対して前記脚体の各々が取り付けられる前記天板の脚体取付部(16)には、水平方向に外向きに開口した係合用開口(52A、52C)がそれぞれ設けられ、前記脚体の各々には上端部から前記天板の前記脚体取付部に互いに隣接する両辺部に沿うべく延出し、前記天板に締結具により締結された結合片部(30C)が設けられ、更に、前記脚体の各々の上端部に固定され且つ対応する前記係合用開口に突入する突部(50C)を備えた取付補助部材(50)を有する。
【0008】
この態様によれば、天板に対する脚体の取付構造が大型化することがなく、天板に対する脚体の取り付けに関して少ないボルト本数によって所要の取付強度を得ることが可能になる。
【0009】
上記の態様において、前記脚体取付部は前記天板の角部(16)に設けられ、前記係合用開口(52A、52C)は前記天板の前記角部の両辺部に各々設けられ、前記突部(50C)は各係合用開口に対応して複数設けられ、各突部が対応する前記係合用開口に突入していてもよい。
【0010】
この態様によれば、脚体に対する天板の浮き上がりが効率よく抑制され、脚体の取付強度が向上するのと同時に、天板に対する脚体の取付位置も明確になるため、施工性の向上も図れる。
【0011】
上記の態様において、前記脚体(18)の各々は、対応する前記上端部が内向きに開口したチャンネル形状部(24A)を有し、前記取付補助部材は対応するチャンネル形状部(24A)内に嵌入された垂下部(50A)と、前記垂下部から前記天板に当接すべく延出した当接片部(50D)を有していてもよい。
【0012】
この態様によれば、テーブルの使用時に天板から脚体に作用する力の曲げモーメントに対する脚体の取付強度が向上する。
【0013】
上記の態様において、前記脚体(18)の各々は、前記取付補助部材(50)の前記垂下部(50A)に密接すべく、前記チャンネル形状部(24A)の両片から各々延出したリップ片部(24B)を含んでいてもよい。
【0014】
この態様によれば、取付補助部材の垂下部が脚体に外囲されるようにして脚体に対して水平方向に変位することが抑制される。この場合、取付補助部材の垂下部は、脚体の上端部の横断面形状と略一致する横断面形状を有し、脚体の上端から脚体の上端部内に挿入されればよい。
【0015】
上記の態様において、前記取付補助部材(50)の前記垂下部(50A)がボルト(54)により前記脚体の上端部に固定されている。
【0016】
この態様によれば、脚体に対する取付補助部材の取付強度が向上する。
【0017】
上記の態様において、前記脚体(18)が金属製で、前記取付補助部材(50)は樹脂製であってもよい。
【0018】
この態様によれば、脚体と取付補助部材とが異素材で構成されているため、天板に対する脚体の取付部のきしみ等による異音の発生が抑制される。
【0019】
上記の態様において、前記天板は前記両辺部に沿って延在する部分を含む溝形断面形状の補強部材(52)を有し、前記係合用開口は前記補強部材に設けられている。
【0020】
この態様によれば、係合用開口が設けられる部分の強度が向上する。
【0021】
上記の態様において、前記脚体は、各々、その全長に亘って内向きに開口したチャンネル形状部(24A)を有する脚体主体(24)と、前記脚体主体の開口部(24C)を閉じるべく前記脚体主体に取り付けられたカバー部材(26)とを含み、前記脚体主体と前記カバー部材とにより脚延在方向に連続した中空部(44)を画定しており、前記脚体の上部及び下部に前記中空部に連通するケーブル出入用開口(26D、26E)を含んでいてもよい。
【0022】
この態様によれば、床面から天板に配線した際における美観の向上と、使用中におけるケーブル等の断線防止に寄与する。また、この構成によれは、脚体の中空部にケーブルを通すことを、脚体主体からカバー部材を取り外した状態で行うことできるから、脚体の中空部にケーブルを通す作業性が向上する。
【0023】
上記の態様において、前記脚体主体の下部に、天板高さ調節のためのアジャスタ(42)の取付部材(40)及び前記取付部材を前記開口部の側から見て隠蔽する部分を含む内部板部材(34)を有し、前記内部板部材は下端部に前記脚体主体の底部側から前記開口部に向けて下向きに傾斜した傾斜面(34D)を含んでいてもよい。
【0024】
この態様によれば、ケーブル出入用開口から中空部に対してケーブルを出し入れする作業性が向上する。
【発明の効果】
【0025】
以上の態様によれば、天板に対する脚体の取付構造が大型化することがなく、天板に対する脚体の取り付けに関して少ないボルト本数によって所要の取付強度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明によるテーブルの1つの実施形態を示す斜視図
【
図2】本実施形態によるテーブルの脚取付部の斜視図
【
図3】本実施形態によるテーブルに用いられる脚体の斜視図
【
図4】本実施形態によるテーブルに用いられる脚体及び取付補助部材の縦断面図
【
図5】本実施形態によるテーブルに用いられる脚体の分解斜視図
【
図6】本実施形態によるテーブルに用いられる脚体の横断面図
【
図7】本実施形態によるテーブルに用いられる取付補助部材の取付部分の斜視図
【
図8】本実施形態によるテーブルの脚取付部の拡大斜視図
【
図9】本実施形態によるテーブルに用いられる取付補助部材の取付部分の断面斜視図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明に係るテーブルの実施形態について説明する。尚、以下の説明において、材料についての記載がない部材は全て金属製である。
【0028】
図1に示されているように、テーブル10は、略矩形の天板12と、天板12の4個の各角部16にそれぞれ対応するように配置され、天板12を略水平に支持する4個の脚体18とを有する。本実施形態では、天板12の各角部16が天板12に対して各脚体18が取り付けられる天板12の脚体取付部である。
【0029】
天板12は、
図2に示されているように、略矩形の平板状の天板主体20と、天板主体20の2つの辺部(外縁)の各々に沿ってそれぞれ延在する辺部補強部材22とを含む。辺部補強部材22の各々は、溝形断面形状を有し、天板主体20の下面に溶接される。角部16は略90°の角度を有することから、互いに隣接する辺部補強部材22は角部16において略90°の角度をもって突き合わされている。辺部補強部材22は天板主体20に結合されることにより、天板主体20と協働して中空の閉じ断面形状(溝形中空断面形状)を構成する。尚、天板12は木製や樹脂製等であってもよい。
【0030】
各脚体18は、
図3及び
図4に示されているように、脚体主体24及びカバー部材26を含む。尚、
図2は脚体主体24からカバー部材26が取り外された状態を示す。
【0031】
各脚体主体24は、
図2~
図8に示されているように、上下方向に直線状に延在する鉛直部材28と、鉛直部材28の上端部に溶接された上端部材30とを有する。これより以降、脚体主体24と云う場合は、鉛直部材28と上端部材30との結合体の全体を指す。
【0032】
各脚体主体24は、内向きに開口したL字形断面(鉤形断面)によるチャンネル形状部24A及びチャンネル形状部24Aの両辺部から互いに近付く方向に、換言すると、各脚体主体24は、後述の取付補助部材50の垂下部50Aに対して内方から密接すべく、折曲形成されたリップ片部24Bを含む。脚体主体24は両側のリップ片部24B間にテーブル10の内側に向けて開口した縦長の開口部24C(
図6参照)を有する。開口部24Cは、脚体主体24の全長に亘って延在する。
【0033】
各鉛直部材28の上端部及び上端部材30には、L字形断面(鉤形断面)を有する補強板32(
図5及び
図6参照)設けられている。補強板32は、鉛直部材28及び上端部材30の内側に重ね合わせられるように溶接により接合され、鉛直部材28と上端部材30との接合部の補強を行う。
【0034】
各鉛直部材28及び上端部材30の内側には、鉛直部材28の略全長に亘って延在する内部板部材(
図5及び
図6参照)34が配置されている。内部板部材34は、開口部24C側に向く対向面部34A及び対向面部34Aの両側縁から屈曲して延出した結合片34Bを含む。内部板部材34は、各結合片34Bをチャンネル形状部24Aの対応する片部に各々溶接等により結合されることにより、鉛直部材28及び上端部材30に固定される。内部板部材34は補強板32と共に鉛直部材28と上端部材30との接合部の補強を行う。
【0035】
各鉛直部材28の下端部の内側には、
図4、
図5に示されているように、アジャスタ取付部材40が取り付けられている。アジャスタ取付部材40は、三角形状の底板部40Aと、底板部40Aの2個の各辺から起立し且つチャンネル形状部24Aの両辺部に各々溶接等により結合された起立片40Bとを有する。底板部40Aにはナット41が溶接されている。ナット41には、テーブル10の天板高さ調節のためのアジャスタ42のねじ部42Aがねじ係合している。アジャスタ取付部材40は鉛直部材28の下端部の補強材としても作用する。
【0036】
内部板部材34は、アジャスタ取付部材40よりも開口部24Cの側にあって、アジャスタ取付部材40を開口部24Cの側から見て隠蔽する。これにより、アジャスタ取付部材40が脚体18の外部から目視されることがない。
【0037】
カバー部材26は、脚体主体24の開口部24Cを閉じるべく縦長矩形をした平板部26Aと、平板部26Aからチャンネル形状部24A側に折曲した折曲部26Bと、折曲部26Bの上下2箇所に形成された取付爪26C(
図4~
図6参照)とを有する。内部板部材34の対向面部34Aの上下2箇所にはスリット状の係合孔34Cが形成されている。カバー部材26は、各取付爪26Cが対応する係合孔34Cに各々係合することにより、脚体主体24に固定される。
【0038】
脚体主体24とカバー部材26とは、カバー部材26により脚体主体24の開口部24Cが閉じられることにより、互いに協働して脚延在方向に連続した中空部44(
図3参照)を構成する。カバー部材26の上端及び下端には、
図3に示されているように、ケーブル出入用切欠き26D、26Eが形成されている。ケーブル出入用切欠き26D、26Eは、脚体18の上部及び下部において中空部44に連通するケーブル出入用開口をなす。これより以降、ケーブル出入用切欠き26D、26Eをケーブル出入用開口26D、26Eと呼ぶことがある。
【0039】
ケーブル出入用開口26D、26Eは、中空部44に通されるケーブル100の中空部44に対する出し入れを行うための開口である。中空部44にケーブル100を通す作業は、カバー部材26が脚体主体24から取り外された状態で行われてよい。これにより、中空部44にケーブル100を通す作業性が向上する。
【0040】
内部板部材34は、
図3に示されているように、その下端に、脚体主体24の底部側から開口部24Cに向けて下向きに傾斜した傾斜面34Dと、傾斜面34Dの下端から鉛直に延在する鉛直面34Eとを含む。傾斜面34Dは下部側のケーブル出入用開口26Eに対向している。傾斜面34Dは、中空部44からケーブル出入用開口26Eを通して外部に取り出されるケーブル100或いは外部からケーブル出入用開口26Eを通して中空部44に取り入れるケーブル100の案内を行う。これにより、カバー部材26が脚体主体24に取り付けられた状態で中空部44にケーブルを通す作業性が向上する。また、ケーブル出入用開口26Eにおいてケーブル100が急激に折り曲がることが回避される。
【0041】
上端部材30は、
図2、
図5、
図7~
図9に示されているように、鉛直部材28に連続する鉛直基部30Aと、鉛直基部30Aから略水平に折曲した水平部30Bとを含む。水平部30Bはチャンネル形状部24Aの各リップ片部24Bに連続する2個の水平な結合片部30Cを含む。各結合片部30Cは天板12の角部16において互いに隣接する両辺部補強部材22の下部に沿う。
【0042】
各結合片部30Cにはボルト貫通孔30Dが形成されている。各結合片部30Cはボルト貫通孔30Dに通されたボルト(締結具)46によって対応する辺部補強部材22に締結されている。換言すると、脚体18は、各結合片部30Cのボルト貫通孔30Dに通された2箇所のボルト46の辺部補強部材22に対する締結によって天板12に固定される。
【0043】
脚体18の上端部には、
図4、
図7~
図9に示されているように、取付補助部材50が設けられている。取付補助部材50は、樹脂成形品である。取付補助部材50は、脚体18の上端部内に嵌入されてチャンネル形状部24A及びリップ片部24Bに外囲される垂下部(基部)50Aと、垂下部50Aから上方に向けて延在し、天板12の角部16において互いに隣接する辺部補強部材22に外側面に当接するスカート部50B(
図4参照)と、垂下部50Aとスカート部50Bとの間から天板12の角部16において辺部補強部材22の下部(下面)に当接する当接片部50Dとを有する。垂下部50Aはチャンネル形状部24Aの両片から延出したリップ片部24Bに内方から密接する。これにより、取付補助部材50の脚体18に対する水平方向の変位が確実に抑制される。
【0044】
取付補助部材50の垂下部50Aは、脚体18の上端部のチャンネル形状部24A及びリップ片部24Bの横断面形状と略一致する横断面形状を有し、脚体18の上端から脚体18の上端部内に挿入される。
【0045】
天板12の角部16において互いに隣接する辺部補強部材22は、
図10に示されているように、その互いの突き合わせ部分に切欠による切欠部22Aを有する。切欠部22Aの内側には、辺部補強部材22に溶接等によって結合された角部補強部材52が設けられている。角部補強部材52は、上述の突き合わせ部分の形状に倣ったL字形をしており、天板12の角部16の補強を行う。角部補強部材52は、切欠部22Aから辺部補強部材22の外側に露出している。
【0046】
角部補強部材52の両辺部には各々水平方向に外向きに開口した角穴による係合用開口52Aが形成されている。角部補強部材52は角部に舌片52Bを有する。舌片52Bは、角部補強部材52の角部に形成された開口に画定されており、舌片52Bの上側に水平方向に外向きに開口した係合用開口52Cが形成されている。
【0047】
取付補助部材50のスカート部50Bは、
図7に示されているように、辺部補強部材22に突き合わせ部分の外形形状に倣って折曲した形状をしている。スカート部50Bは、角部補強部材52の係合用開口52A、52Cに各々に対応する突部50Cを備えている。各突部50Cは、対応する係合用開口52A、52Cに、嵌合、挿入されている。換言すると、各突部50Cは対応する係合用開口52A、52Cに突入している。この突入により、天板12に対する取付補助部材50の上下方向の移動が拘束され、脚体18に対する天板12の浮き上がりが効率よく抑制される。
【0048】
係合用開口52A、52Cは、天板12の角部16の頂点(天板12の対角線上)及び、互い直交する辺部補強部材22の各辺上に設けられる。このことにより、各方向から外力に対して、変形を最も効率的に抑えることがことできる。換言すると、各方向から外力に対して、最も変形を効率的に抑えることができる箇所に係合用開口52A、52Cが設けられていることにより、各方向から外力に対して、変形を最も効率的に抑えることができる。
【0049】
取付補助部材50の垂下部50A及びスカート部50Bには、上下2箇所のねじ通し孔50E、50F(
図2、
図4参照)が形成されている。ねじ通し孔50E、50Fはテーパ状の開口(テーパ開口)を含んでいる。ねじ通し孔50E、50Fにはテーパ開口に嵌合するテーパ部を含む皿ねじ(ボルト)54(
図2、
図4、
図9参照)が挿入されている。上下の各皿ねじ54は内部板部材34の対向面部34Aに形成されたねじ孔34F、34Gにねじ係合している。このねじ係合により取付補助部材50は脚体18に固定される。
【0050】
皿ねじ54の使用により、取付補助部材50のねじ通し孔50E、50Fの中心と脚体18のねじ孔34F、34Gの中心とが揃い、脚体18に対する突部50Cの位置がずれ難くなる。これにより、突部50Cが係合用開口52A、52Cの正規の位置に突入するようになり、天板12に対して脚体18が正規の位置に収まりつつ、浮き上がりが抑制され、天板12に対して脚体18強固に固着される。
【0051】
取付補助部材50は、天板12と脚体18との間にあって、脚体18に作用する外力に対し、脚体18が変形することを抑制する。特に、垂下部50Aが脚体18の上端部に嵌合し、垂下部50Aとは直交する方向に延在する当接片部50Dが辺部補強部材22の下部に当接することにより、強い取付構造になる。換言すると、取付補助部材50が設けられていることにより、取付補助部材50が設けられてない場合に比して天板12に対する脚体18の取付強度が向上する。
【0052】
上述の構成により、天板12に対する脚体18の取付構造が大型化することがなく、天板12に対する脚体18の取り付けに関して少ないボルト本数によって所要の取付強度を得ることができる。
【0053】
取付補助部材50は、樹脂製で、脚体18とは異素材によって構成されているため、脚体18と取付補助部材50との間で分子同士の結合が起こり難い。このため、天板12に対する脚体18の取付部のきしみ等による異音の発生が抑制される。
【0054】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。取付補助部材50は樹脂成形品に代えてアルミニウム製等であってもよい。天板12の形状は、矩形に限られることはなく、円形等であってもよい。円形等の天板の場合には、四角状枠状の補強部材が天板の下部に取り付けられ、補強部材に脚体が取り付けられればよい。
【符号の説明】
【0055】
10 :テーブル
12 :天板
16 :角部
18 :脚体
20 :天板主体
22 :辺部補強部材
22A :切欠部
24 :脚体主体
24A :チャンネル形状部
24B :リップ片部
24C :開口部
26 :カバー部材
26A :平板部
26B :折曲部
26C :取付爪
26D :ケーブル出入用切欠き(ケーブル出入用開口)
26E :ケーブル出入用切欠き(ケーブル出入用開口)
28 :鉛直部材
30 :上端部材
30A :鉛直基部
30B :水平部
30C :結合片部
30D :ボルト貫通孔
32 :補強板
34 :内部板部材
34A :対向面部
34B :結合片
34C :係合孔
34D :傾斜面
34E :鉛直面
34F :ねじ孔
34G :ねじ孔
40 :アジャスタ取付部材
40A :底板部
40B :起立片
41 :ナット
42 :アジャスタ
42A :ねじ部
44 :中空部
46 :ボルト
50 :取付補助部材
50A :垂下部
50B :スカート部
50C :突部
50D :当接片部
50E :ねじ通し孔
50F :ねじ通し孔
52 :角部補強部材
52A :係合用開口
52B :舌片
52C :係合用開口
54 :皿ねじ
100 :ケーブル