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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024066619
(43)【公開日】2024-05-16
(54)【発明の名称】半導体回路および半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240509BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20240509BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/00 C
H02M3/155 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176115
(22)【出願日】2022-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】和智 貴嗣
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA02
5H730AA20
5H730AS05
5H730BB13
5H730DD04
5H730FG05
5H730ZZ01
5H730ZZ04
5H730ZZ09
5H730ZZ11
5H730ZZ15
(57)【要約】
【課題】 複数のアーム回路を含むハーフブリッジ回路の構成に起因したノイズの影響を低減することが可能な半導体回路と、当該半導体回路を具備する半導体装置とを提供する。
【解決手段】 半導体回路A10は、入力コンデンサC1と、第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2を含む第1アーム回路101と、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4を含む第2アーム回路102と、シールド20とを備える。シールド20は、平面視において少なくとも第2アーム回路102の一部に重なる。第2アーム回路102の第2経路L2の長さは、第1アーム回路101の第1経路L1の長さよりも大きい。平面視において第2アーム回路102に重なり、かつ第2経路L2に沿ったシールド20の区間の長さは、平面視において第1アーム回路101に重なり、かつ第1経路L1に沿ったシールド20の区間の長さよりも大きい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極および第2電極を有する入力コンデンサと、
互いに直列接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を含むとともに、前記第1スイッチング素子が前記第1電極に導通し、かつ前記第2スイッチング素子が前記第2電極に導通する第1アーム回路と、
互いに直列接続された第3スイッチング素子および第4スイッチング素子を含むとともに、前記第3スイッチング素子が前記第1電極に導通し、かつ前記第4スイッチング素子が前記第2電極に導通する第2アーム回路と、
平面視において少なくとも前記第2アーム回路の一部に重なるとともに、外部に接地されたシールドと、を備え、
前記第1アーム回路は、前記第1電極と電位が等しい第1ノードから前記第2電極と電位が等しい第2ノードに至る第1経路を有し、
前記第2アーム回路は、前記第1ノードから前記第2ノードに至る第2経路を有し、
前記第2経路の長さは、前記第1経路の長さよりも大きく、
前記平面視において前記第2アーム回路に重なり、かつ前記第2経路に沿った前記シールドの区間の長さは、前記平面視において前記第1アーム回路に重なり、かつ前記第1経路に沿った前記シールドの区間の長さよりも大きい、半導体回路。
【請求項2】
前記平面視において、前記シールドは、前記第2アーム回路の全体に重なっている、請求項1に記載の半導体回路。
【請求項3】
前記第1アーム回路は、前記第1ノードと前記第1スイッチング素子とを導通する第1配線と、前記第2ノードと前記第2スイッチング素子とを導通する第2配線と、を含み、
前記第2アーム回路は、前記第1ノードと前記第3スイッチング素子とを導通する第3配線と、前記第2ノードと前記第4スイッチング素子とを導通する第4配線と、を含み、
前記平面視において、前記シールドは、少なくとも前記第3配線および前記第4配線に重なっている、請求項1に記載の半導体回路。
【請求項4】
前記シールドは、互いに離れた第1シールドおよび第2シールドを含み、
前記平面視において、前記第1シールドは、前記第3配線に重なっており、
前記平面視において、前記第2シールドは、前記第4配線に重なっている、請求項3に記載の半導体回路。
【請求項5】
前記平面視において、前記第1シールドは、前記第1配線に重なっており、
前記平面視において、前記第2シールドは、前記第2配線に重なっている、請求項4に記載の半導体回路。
【請求項6】
前記平面視において、前記シールドは、前記入力コンデンサ、前記第1配線、前記第2配線、前記第3配線および前記第4配線の各々に重なっている、請求項3に記載の半導体回路。
【請求項7】
前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、前記第3スイッチング素子および前記第4スイッチング素子に導通するインダクタをさらに備え、
前記平面視において、前記インダクタは、前記シールドの外方に位置する、請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体回路。
【請求項8】
前記インダクタに導通する出力コンデンサをさらに備え、
前記平面視において、前記出力コンデンサは、前記シールドの外方に位置する、請求項7に記載の半導体回路。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体回路と、
前記半導体回路を搭載する基材と、を備える、半導体装置。
【請求項10】
前記第1アーム回路および前記第2アーム回路の各々の一部は、前記基材に収容されており、
前記入力コンデンサは、前記基材に導電接合されている、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、前記第3スイッチング素子および前記第4スイッチング素子を含む半導体素子をさらに備え、
前記半導体素子は、前記基材に導電接合されている、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
少なくとも前記半導体素子を覆う封止樹脂をさらに備える、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記基材は、第1方向において前記半導体素子に対向する主面と、前記第1方向において前記主面とは反対側を向く裏面を有し、
前記シールドは、前記裏面から外部に露出している、請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記シールドは、前記主面から外部に露出している、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記シールドの一部は、前記封止樹脂に収容されている、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記封止樹脂は、前記入力コンデンサを覆っている、請求項14または15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記裏面から外部に露出する複数の端子をさらに備え、
複数の端子の各々は、前記入力コンデンサ、前記第1アーム回路および前記第2アーム回路の少なくともいずれかに導通している、請求項13ないし15のいずれかに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体回路と、当該半導体回路を具備する半導体装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、降圧型のDC-DCコンバータにかかる電源回路の一例が開示されている。当該電源回路は、2つのトランジスタを含む。当該電源回路においては、2つのトランジスタにより1つのアーム回路が構成されている。当該アーム回路は、ハーフブリッジ回路を構成する。2つのトランジスタの各々が駆動し、かつ当該ハーフブリッジ回路に導通するインダクタおよび出力コンデンサにより、当該電源回路に入力された電源電圧は所定の電圧にまで降圧される。
【0003】
ここで、特許文献1に開示されている電源回路において、より大きな電流を流すことが求められる場合、複数のアーム回路を含むハーフブリッジ回路を構成する必要がある。この場合において、複数のアーム回路の各々の導電経路の長さが大きく異なると、複数のアーム回路の各々から発生する磁界の大きさに差異が生じる。これにより、相互インダクタンスによる複数のアーム回路の磁界の打ち消し効果が十分に発揮されず、複数のアーム回路の各々から発生するノイズの度合いに偏りが生じる。これにより、当該ノイズがハーフブリッジ回路に与える影響がより大きくなるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-132514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は上記事情に鑑み、複数のアーム回路を含むハーフブリッジ回路に起因したノイズの影響を低減することが可能な半導体回路と、当該半導体回路を具備する半導体装置とを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される半導体回路は、第1電極および第2電極を有する入力コンデンサと、互いに直列接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を含むとともに、前記第1スイッチング素子が前記第1電極に導通し、かつ前記第2スイッチング素子が前記第2電極に導通する第1アーム回路と、互いに直列接続された第3スイッチング素子および第4スイッチング素子を含むとともに、前記第3スイッチング素子が前記第1電極に導通し、かつ前記第4スイッチング素子が前記第2電極に導通する第2アーム回路と、平面視において少なくとも前記第2アーム回路の一部に重なるとともに、外部に接地されたシールドと、を備え、前記第1アーム回路は、前記第1電極と電位が等しい第1ノードから前記第2電極と電位が等しい第2ノードに至る第1経路を有し、前記第2アーム回路は、前記第1ノードから前記第2ノードに至る第2経路を有し、前記第2経路の長さは、前記第1経路の長さよりも大きく、前記平面視において前記第2アーム回路に重なり、かつ前記第2経路に沿った前記シールドの区間の長さは、前記平面視において前記第1アーム回路に重なり、かつ前記第1経路に沿った前記シールドの区間の長さよりも大きい。
【0007】
本開示の第2の側面によって提供される半導体装置は、本開示の第1の側面によって提供される半導体回路と、前記半導体回路を搭載する基材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる半導体回路が具備する構成によれば、複数のアーム回路を含むハーフブリッジ回路に起因したノイズの影響を低減することが可能となる。
【0009】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の第1実施形態にかかる半導体回路の構成図である。
図2図2は、本開示の第1実施形態にかかる半導体装置の平面図であり、封止樹脂の一部を透過している。
図3図3は、図2に示す半導体装置の平面図であり、封止樹脂の図示を省略し、シールド、入力コンデンサおよび半導体素子を透過している。
図4図4は、図2に示す半導体装置の底面図である。
図5図5は、図3のV-V線に沿う断面図である。
図6図6は、図3のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図7は、図3のVII-VII線に沿う断面図である。
図8図8は、図3のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図9図9は、図3のIX-IX線に沿う断面図である。
図10図10は、図3のX-X線に沿う断面図である。
図11図11は、本開示の第2実施形態にかかる半導体回路の構成図である。
図12図12は、本開示の第2実施形態にかかる半導体装置の平面図である。
図13図13は、図12に示す半導体装置の底面図である。
図14図14は、図12のXIV-XIV線に沿う断面図である。
図15図15は、図12のXV-XV線に沿う断面図である。
図16図16は、図12のXVI-XVI線に沿う断面図である。
図17図17は、図12のXVII-XVII線に沿う断面図である。
図18図18は、図12のXVIII-XVIII線に沿う断面図である。
図19図19は、本開示の第3実施形態にかかる半導体回路の構成図である。
図20図20は、本開示の第3実施形態にかかる半導体装置の平面図である。
図21図21は、図20に示す半導体装置の底面図である。
図22図22は、図20のXXII-XXII線に沿う断面図である。
図23図23は、図20のXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
図24図24は、図20のXXIV-XXIV線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示を実施するための形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0012】
〔第1実施形態(半導体回路A10)〕
図1に基づき、本開示の第1実施形態にかかる半導体回路A10について説明する。半導体回路A10は、降圧型のDC-DCコンバータの回路の一部を構成する。半導体回路A10は、入力コンデンサC1、第1アーム回路101、第2アーム回路102、シールド20、複数の端子50、インダクタLおよび出力コンデンサC2を備える。図1では、シールド20に相当する部分を複数点の領域で示している。
【0013】
入力コンデンサC1は、図1に示すように、第1電極C11および第2電極C12を有する。第1電極C11は、入力コンデンサC1の正極である。第2電極C12は、入力コンデンサC1の負極である。入力コンデンサC1の静電容量は、比較的大きいことが求められる。入力コンデンサC1は、たとえばセラミックコンデンサである。
【0014】
第1アーム回路101は、図1に示すように、互いに直列接続された第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2を含む。第2アーム回路102は、図1に示すように、互いに直列接続された第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4を含む。第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々は、半導体回路A10においてハーフブリッジ回路を構成する。
【0015】
半導体回路A10においては、第1スイッチング素子M1、第2スイッチング素子M2、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4は、nチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。ただし、第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2は、pチャネル型のMOSFETに替えることができる。本開示においては、第1スイッチング素子M1、第2スイッチング素子M2、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4がいずれもnチャネル型のMOSFETである場合を対象とする。
【0016】
図1に示すように、半導体回路A10の構成要素として、第1ノードN1および第2ノードN2を含む。第1ノードN1は、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々の起点に相当する。入力コンデンサC1の第1電極C11は、第1ノードN1に導通している。第1ノードN1の電位は、第1電極C11の電位と等しい。第2ノードN2は、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々の終点に相当する。入力コンデンサC1の第2電極C12は、第2ノードN2に導通している。第2ノードN2の電位は、第2電極C12の電位と等しい。
【0017】
図1に示すように、第1アーム回路101においては、第1スイッチング素子M1のドレインは、第1ノードN1を介して入力コンデンサC1の第1電極C11に導通している。あわせて、第2スイッチング素子M2のソースは、第2ノードN2を介して入力コンデンサC1の第2電極C12に導通している。したがって、第1アーム回路101は、入力コンデンサC1に対して並列接続されている。
【0018】
図1に示すように、第2アーム回路102においては、第3スイッチング素子M3のドレインは、第1ノードN1を介して入力コンデンサC1の第1電極C11に導通している。あわせて、第4スイッチング素子M4のソースは、第2ノードN2を介して入力コンデンサC1の第2電極C12に導通している。したがって、第2アーム回路102は、入力コンデンサC1に対して並列接続されている。
【0019】
図1に示すように、第1アーム回路101は、第1経路L1を有する。第1経路L1は、第1ノードN1から第2ノードN2に至る第1アーム回路101の導電経路に相当する。第2アーム回路102は、第2経路L2を有する。第2経路L2は、第1ノードN1から第2ノードN2に至る第2アーム回路102の導電経路に相当する。第2経路L2の長さは、第1経路L1の長さよりも大きい。
【0020】
図1に示すように、第1アーム回路101は、第1配線11および第2配線12を含む。第1配線11は、第1ノードN1と、第1スイッチング素子M1のドレインとを導通する。第2配線12は、第2ノードN2と、第2スイッチング素子M2のソースとを導通する。第1配線11および第2配線12は、第1経路L1の主要素である。
【0021】
図1に示すように、第2アーム回路102は、第3配線13および第4配線14を含む。第3配線13は、第1ノードN1と、第3スイッチング素子M3のドレインとを導通する。第4配線14は、第2ノードN2と、第4スイッチング素子M4のソースとを導通する。第3配線13および第4配線14は、第2経路L2の主要素である。第3配線13の長さは、第1配線11の長さよりも大きい。第4配線14の長さは、第2配線12の長さよりも大きい。
【0022】
図1に示すように、半導体回路A10の構成要素として第1入力配線15、第2入力配線16および出力配線17を含む。第1入力配線15は、第1ノードN1につながっている。したがって、第1入力配線15は、入力コンデンサC1の第1電極C11と、第1スイッチング素子M1のドレインと、第3スイッチング素子M3のドレインとに導通している。第2入力配線16は、第2ノードN2につながっている。したがって、第2入力配線16は、入力コンデンサC1の第2電極C12と、第2スイッチング素子M2のソースと、第4スイッチング素子M4のソースとに導通してきる。出力配線17は、第1スイッチング素子M1および第3スイッチング素子M3の各々のソースと、第2スイッチング素子M2および第4スイッチング素子M4の各々のドレインとに導通している。
【0023】
図1に示すように、半導体回路A10の構成要素として第1ゲート配線18および第2ゲート配線19を含む。第1ゲート配線18は、第1スイッチング素子M1の第1ゲートG1と、および第3スイッチング素子M3の第3ゲートG3とに導通している。第2ゲート配線19は、第2スイッチング素子M2の第2ゲートG2と、第4スイッチング素子M4の第4ゲートG4とに導通している。
【0024】
複数の端子50は、図1に示すように、第1入力端子50A、第2入力端子50B、出力端子50C、第1ゲート端子50Dおよび第2ゲート端子50Eを含む。第1入力端子50Aは、第1入力配線15に導通している。第2入力端子50Bは、第2入力配線16に導通している。第1入力端子50Aには、降圧対象となる入力電圧Vinが印加される。第2入力端子50Bは、入力電圧Vinに対する接地である。出力端子50Cは、出力配線17に導通している。出力端子50Cから、第1スイッチング素子M1、第2スイッチング素子M2、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4の駆動により変換された電圧が出力される。
【0025】
第1ゲート端子50Dは、第1ゲート配線18に導通している。第1ゲート端子50Dには、第1スイッチング素子M1の第1ゲートG1と、第3スイッチング素子M3の第3ゲートG3とが作動するためのゲート電圧が印加される。第2ゲート端子50Eは、第2ゲート配線19に導通している。第2ゲート端子50Eには、第2スイッチング素子M2の第2ゲートG2と、第4スイッチング素子M4の第4ゲートG4とが作動するためのゲート電圧が印加される。第1ゲート端子50Dおよび第2ゲート端子50Eは、外部に設けられた制御回路(図示略)に接続されている。
【0026】
図1に示すように、インダクタLは、出力端子50Cに導通している。したがって、インダクタLは、出力配線17を介して、第1スイッチング素子M1および第3スイッチング素子M3の各々のソースと、第2スイッチング素子M2および第4スイッチング素子M4の各々のドレインとに導通している。
【0027】
図1に示すように、出力コンデンサC2は、インダクタLに導通している。より具体的には、出力コンデンサC2の正極がインダクタLに導通している。出力コンデンサC2の負極は、外部に接地されている。半導体回路A10において、インダクタLおよび出力コンデンサC2は、ローパスフィルタを構成する。
【0028】
次に、半導体回路A10の動作について説明する。第1入力端子50Aに降圧対象となる入力電圧Vinが印加されている場合において、第1スイッチング素子M1および第3スイッチング素子M3を駆動させる。これにより、出力端子50Cにおいて、パルス化された入力電圧Vinが得られる。この際、第1ゲート端子50Dには、PWM(Pulse Width Modulation)制御に基づきゲート電圧が印加される。この場合において、入力コンデンサC1は、パルス化された入力電圧Vinの波形の安定化に寄与する。次いで、第2スイッチング素子M2および第4スイッチング素子M4を駆動させる。これにより、パルス化された入力電圧Vinは、インダクタLおよび出力コンデンサC2により平滑化されるため、降圧された出力電圧Voutに変換される。出力電圧Voutは、外部に出力される。したがって、半導体回路A10は、同期整流方式をとる。
【0029】
次に、半導体回路A10が具備するシールド20について説明する。図1に示すように、シールド20は、平面視において少なくとも第2アーム回路102の一部に重なっている。シールド20は、外部に接地されている。シールド20は、導体である。シールド20は、金属を含む材料からなる。
【0030】
図1に示すように、平面視において第2アーム回路102に重なり、かつ第2経路L2に沿ったシールド20の区間の長さは、平面視において第1アーム回路101に重なり、かつ第1経路L1に沿ったシールド20の長さよりも大きい。
【0031】
図1に示すように、平面視において、シールド20は、第2アーム回路102の全体に重なっている。したがって、平面視において、シールド20は、第3スイッチング素子M3、第4スイッチング素子M4、第3配線13および第4配線14の各々の全体に重なっている。さらに平面視において、シールド20は、第1ノードN1と、第2ノードN2と、第1アーム回路101の第1配線11および第2配線12とにも重なっている。
【0032】
図1に示すように、平面視において、インダクタLおよび出力コンデンサC2は、シールド20の外方に位置する。
【0033】
〔第1実施形態(半導体装置B10)〕
次に、図2図10に基づき、本開示の第1実施形態にかかる半導体装置B10について説明する。半導体装置B10は、降圧型のDC-DCコンバータを具備する電子機器に使用される。半導体装置B10は、当該電子機器の配線基板に表面実装される。半導体装置B10は、半導体回路A10(ただし、インダクタLおよび出力コンデンサC2を除く。)、基材30、半導体素子40および封止樹脂60を備える。ここで、図2は、理解の便宜上、後述する封止樹脂60の第3部63を透過している。図3は、理解の便宜上、封止樹脂60の図示を省略し、かつシールド20、入力コンデンサC1および半導体素子40の各々を透過している。図2では、透過した封止樹脂60の第3部63を想像線(二点鎖線)で示している。図3では、透過したシールド20、入力コンデンサC1および半導体素子40の各々を想像線で示している。
【0034】
半導体装置B10の説明においては、便宜上、後述する基材30の第1絶縁層31の主面31Aの法線方向を「第1方向z」と呼ぶ。第1方向zに対して直交する方向を「第2方向x」と呼ぶ。第1方向zおよび第2方向xの双方に対して直交する方向を「第3方向y」と呼ぶ。「第1方向zに沿って視て」は、「平面視」に相当する。
【0035】
半導体素子40は、図2に示すように、半導体回路A10が具備する第1アーム回路101の第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2を含む。さらに半導体素子40は、半導体回路A10が具備する第2アーム回路102の第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4を含む。したがって、半導体素子40は、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々の一部を構成する。半導体素子40は、フリップチップ実装により基材30に導電接合されている。
【0036】
図2および図5に示すように、半導体素子40は、第1入力電極411、第2入力電極412および第1出力電極421を有する。第1入力電極411、第2入力電極412および第1出力電極421は、基材30に対向している。第1出力電極421は、第2方向xにおいて第1入力電極411と第2入力電極412との間に位置する。第1入力電極411、第2入力電極412および第1出力電極421は、第1アーム回路101の一部を構成する。第1入力電極411は、第1スイッチング素子M1のドレインに導通している。第2入力電極412は、第2スイッチング素子M2のソースに導通している。第1出力電極421は、第1スイッチング素子M1のソースと、第2スイッチング素子M2のドレインとに導通している。
【0037】
図2および図6に示すように、半導体素子40は、第3入力電極413、第4入力電極414および第2出力電極422を有する。第3入力電極413、第4入力電極414および第2出力電極422は、基材30に対向している。第3入力電極413、第4入力電極414および第2出力電極422は、第3方向yにおいて第1入力電極411、第2入力電極412および第1出力電極421を基準として入力コンデンサC1とは反対側に位置する。第3入力電極413は、第3方向yにおいて第1入力電極411の隣に位置する。第4入力電極414は、第3方向yにおいて第2入力電極412の隣に位置する。第2出力電極422は、第2方向xにおいて第3入力電極413と第4入力電極414との間に位置する。第3入力電極413、第4入力電極414および第2出力電極422は、第2アーム回路102の一部を構成する。第3入力電極413は、第3スイッチング素子M3のドレインに導通している。第4入力電極414は、第4スイッチング素子M4のソースに導通している。第2出力電極422は、第3スイッチング素子M3のソースと、第4スイッチング素子M4のドレインとに導通している。
【0038】
図2および図5に示すように、半導体素子40は、第1ゲート電極431および第2ゲート電極432を有する。第1ゲート電極431は、第2方向xにおいて第1入力電極411と第1出力電極421との間に位置する。第2ゲート電極432は、第2方向xにおいて第2入力電極412と第1出力電極421との間に位置する。第1ゲート電極431および第2ゲート電極432は、第1アーム回路101の一部を構成する。第1ゲート電極431は、第1スイッチング素子M1の第1ゲートG1に導通している。第2ゲート電極432は、第2スイッチング素子M2の第2ゲートG2に導通している。
【0039】
図2および図6に示すように、半導体素子40は、第3ゲート電極433および第4ゲート電極434を有する。第3ゲート電極433は、第2方向xにおいて第3入力電極413と第2出力電極422との間に位置する。第4ゲート電極434は、第2方向xにおいて第4入力電極414と第2出力電極422との間に位置する。第3ゲート電極433および第4ゲート電極434は、第2アーム回路102の一部を構成する。第3ゲート電極433は、第3スイッチング素子M3の第3ゲートG3に導通している。第4ゲート電極434は、第4スイッチング素子M4の第4ゲートG4に導通している。
【0040】
基材30は、半導体回路A10(ただし、インダクタLおよび出力コンデンサC2を除く。)を搭載している。基材30は、たとえばPWB(Printed Wiring Board)である。図3図10に示すように、基材30は、第1絶縁層31、第2絶縁層32、複数のパッド層33、複数のコンタクト層34、複数のゲートパッド層35、複数のゲートコンタクト層36、および複数の連絡配線層39を有する。
【0041】
図5図7に示すように、第1絶縁層31は、第1方向zにおいて第2絶縁層32と、入力コンデンサC1および半導体素子40との間に位置する。第1絶縁層31は、第2絶縁層32に積層されている。第1絶縁層31は、たとえばエポキシ樹脂を含む材料からなる。第1絶縁層31は、第1方向zを向く主面31Aを有する。主面31Aは、入力コンデンサC1および半導体素子40に対向している。
【0042】
図5図10に示すように、第2絶縁層32は、第1方向zにおいて第1絶縁層31の主面31Aとは反対側を向く裏面32Aを有する。第2絶縁層32は、たとえばエポキシ樹脂を含む材料からなる。
【0043】
図5図10に示すように、半導体回路A10を構成する第1配線11、第2配線12、第3配線13、第4配線14、第1入力配線15、第2入力配線16、出力配線17、第1ゲート配線18および第2ゲート配線19は、第1絶縁層31と第2絶縁層32との間に挟まれている。第1方向zに視て、これらの配線は、第1絶縁層31および第2絶縁層32の各々の周縁よりも内方に位置する。このため、これらの配線は、基材30に収容されている。ここで、第1配線11および第2配線12は、第1アーム回路101の一部を構成する。第3配線13および第4配線14は、第2アーム回路102の一部を構成する。したがって、半導体装置B10においては、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々の一部は、基材30に収容されている。第1配線11、第2配線12、第3配線13、第4配線14、第1入力配線15、第2入力配線16、出力配線17、第1ゲート配線18および第2ゲート配線19は、たとえば銅(Cu)を含む材料からなる。
【0044】
図3、および図5図7に示すように、複数のパッド層33は、第1絶縁層31の主面31Aに配置されている。複数のパッド層33は、たとえば銅を含む材料からなる。複数のパッド層33は、第1パッド331、第2パッド332、第3パッド333、第4パッド334、第5パッド335、第6パッド336、第7パッド337および第8パッド338を含む。
【0045】
図3に示すように、第1パッド331および第2パッド332は、第2方向xにおいて互いに離れて位置する。第1方向zに視て、第1パッド331は、第1入力配線15に重なっている。第1方向zに視て、第2パッド332は、第2入力配線16に重なっている。図7および図9に示すように、入力コンデンサC1の第1電極C11は、接合層49を介して第1パッド331に導電接合されている。接合層49は、たとえばハンダである。図7および図10に示すように、入力コンデンサC1の第2電極C12は、接合層49を介して第2パッド332に導電接合されている。したがって、入力コンデンサC1は、基材30に導電接合されている。
【0046】
図3に示すように、第3パッド333、第4パッド334および第7パッド337は、第2方向xに沿って配列されている。第7パッド337は、第2方向xにおいて第3パッド333と第4パッド334との間に位置する。第1方向zに視て、第3パッド333は、第1配線11に重なっている。第1方向zに視て、第4パッド334は、第2配線12に重なっている。第1方向zに視て、第7パッド337は、出力配線17に重なっている。
【0047】
図5に示すように、半導体素子40の第1入力電極411は、接合層49を介して第3パッド333に導電接合されている。半導体素子40の第2入力電極412は、接合層49を介して第4パッド334に導電接合されている。半導体素子40の第1出力電極421は、接合層49を介して第7パッド337に導電接合されている。
【0048】
図3に示すように、第5パッド335、第6パッド336および第8パッド338は、第3方向yにおいて第3パッド333、第4パッド334および第7パッド337を基準として第1パッド331および第2パッド332とは反対側に位置する。第5パッド335、第6パッド336および第8パッド338は、第2方向xに沿って配列されている。第5パッド335は、第3方向yにおいて第3パッド333の隣に位置し、かつ第1方向zに視て第3配線13に重なっている。第6パッド336は、第3方向yにおいて第4パッド334の隣に位置し、かつ第1方向zに視て第4配線14に重なっている。第8パッド338は、第2方向xにおいて第5パッド335と第6パッド336との間に位置し、かつ第1方向zに視て出力配線17に重なっている。
【0049】
図6に示すように、半導体素子40の第3入力電極413は、接合層49を介して第5パッド335に導電接合されている。半導体素子40の第4入力電極414は、接合層49を介して第6パッド336に導電接合されている。半導体素子40の第2出力電極422は、接合層49を介して第8パッド338に導電接合されている。
【0050】
図5図6図9および図10に示すように、複数のコンタクト層34は、第1絶縁層31に収容されている。複数のコンタクト層34は、たとえば銅を含む材料からなる。複数のコンタクト層34は、第1コンタクト341、第2コンタクト342、第3コンタクト343、第4コンタクト344、第5コンタクト345、第6コンタクト346、および2つの第7コンタクト347を含む。
【0051】
第1コンタクト341は、半導体回路A10を構成する第1ノードN1に相当する。図3および図9に示すように、第1コンタクト341は、第1パッド331および第1入力配線15につながっている。これにより、第1入力配線15は、入力コンデンサC1の第1電極C11に導通している。
【0052】
図3に示すように、第1コンタクト341は、第1パッド331および第1配線11につながっている。図5に示すように、第3コンタクト343は、第3パッド333および第1配線11につながっている。これにより、第1アーム回路101の第1スイッチング素子M1のドレインは、第1入力配線15と、入力コンデンサC1の第1電極C11とに導通している。したがって、第1配線11は、第1コンタクト341と、第1スイッチング素子M1のドレインとを導通している。
【0053】
図3および図9に示すように、第1コンタクト341は、第1パッド331および第3配線13につながっている。図6に示すように、第5コンタクト345は、第5パッド335および第3配線13につながっている。これにより、第2アーム回路102の第3スイッチング素子M3のドレインは、第1入力配線15と、入力コンデンサC1の第1電極C11とに導通している。したがって、第3配線13は、第1コンタクト341と、第3スイッチング素子M3のドレインとを導通している。
【0054】
第2コンタクト342は、半導体回路A10を構成する第2ノードN2に相当する。図3および図10に示すように、第2コンタクト342は、第2パッド332および第2入力配線16につながっている。これにより、第2入力配線16は、入力コンデンサC1の第2電極C12に導通している。
【0055】
図3に示すように、第2コンタクト342は、第2パッド332および第2配線12につながっている。図5に示すように、第4コンタクト344は、第4パッド334および第2配線12につながっている。これにより、第1アーム回路101の第2スイッチング素子M2のソースは、第2入力配線16と、入力コンデンサC1の第2電極C12に導通している。したがって、第2配線12は、第2コンタクト342と、第2スイッチング素子M2のソースとを導通している。
【0056】
図3および図10に示すように、第2コンタクト342は、第2パッド332および第4配線14につながっている。図6に示すように、第6コンタクト346は、第6パッド336および第4配線14につながっている。これにより、第2アーム回路102の第4スイッチング素子M4のソースは、第2入力配線16と、入力コンデンサC1の第2電極C12に導通している。したがって、第4配線14は、第2コンタクト342と、第4スイッチング素子M4のソースとを導通している。
【0057】
図3図5および図6に示すように、2つの第7コンタクト347は、第7パッド337および第8パッド338に個別につながっている。さらに2つの第7コンタクト347は、出力配線17につながっている。これにより、出力配線17は、第1スイッチング素子M1および第3スイッチング素子M3の各々のソースと、第2スイッチング素子M2よび第4スイッチング素子M4の各々のドレインとに導通している。
【0058】
図3図5および図6に示すように、複数のゲートパッド層35は、第1絶縁層31の主面31Aに配置されている。複数のゲートパッド層35は、たとえば銅を含む材料からなる。複数のゲートパッド層35は、2つの第1ゲートパッド351、および2つの第2ゲートパッド352を含む。
【0059】
図3に示すように、2つの第1ゲートパッド351は、第3方向yにおいて互いに離れて位置する。2つの第1ゲートパッド351は、第2方向xにおいて第3パッド333および第5パッド335と、第7パッド337および第8パッド338との間に位置する。第1方向zに視て、2つの第1ゲートパッド351は、第1ゲート配線18に重なっている。図5および図6に示すように、半導体素子40の第1ゲート電極431および第3ゲート電極433は、接合層49を介して2つの第1ゲートパッド351に個別に導電接合されている。
【0060】
図3に示すように、2つの第2ゲートパッド352は、第3方向yにおいて互いに離れて位置する。2つの第2ゲートパッド352は、第2方向xにおいて第4パッド334および第6パッド336と、第7パッド337および第8パッド338との間に位置する。第1方向zに視て、2つの第2ゲートパッド352は、第2ゲート配線19に重なっている。図5および図6に示すように、半導体素子40の第2ゲート電極432および第4ゲート電極434は、接合層49を介して2つの第2ゲートパッド352に個別に導電接合されている。
【0061】
図5および図6に示すように、複数のゲートコンタクト層36は、第1絶縁層31に収容されている。複数のゲートコンタクト層36は、たとえば銅を含む材料からなる。複数のゲートコンタクト層36は、2つの第1ゲートコンタクト361、および2つの第2ゲートコンタクト362を含む。
【0062】
図5および図6に示すように、2つの第1ゲートコンタクト361は、2つの第1ゲートパッド351に個別につながっている。さらに2つの第1ゲートコンタクト361は、第1ゲート配線18につながっている。これにより、第1ゲート配線18は、第1アーム回路101の第1スイッチング素子M1の第1ゲートG1と、第2アーム回路102の第3スイッチング素子M3の第3ゲートG3とに導通している。
【0063】
図5および図6に示すように、2つの第2ゲートコンタクト362は、2つの第2ゲートパッド352に個別につながっている。さらに2つの第2ゲートコンタクト362は、第2ゲート配線19につながっている。これにより、第2ゲート配線19は、第1アーム回路101の第2スイッチング素子M2の第2ゲートG2と、第2アーム回路102の第4スイッチング素子M4の第4ゲートG4とに導通している。
【0064】
図4図9および図10に示すように、半導体回路A10が具備する複数の端子50は、第2絶縁層32の裏面32Aに配置されている。複数の端子50は、裏面32Aから外部に露出している。複数の端子50は、たとえば銅を含む材料からなる。
【0065】
図4に示すように、複数の端子50は、第1入力端子50A、第2入力端子50B、出力端子50C、第1ゲート端子50Dおよび第2ゲート端子50Eを含む。第1入力端子50Aおよび第2入力端子50Bは、基材30の第3方向yの一方側に位置する。第1入力端子50Aおよび第2入力端子50Bは、第2方向xにおいて互いに離れている。第1方向zに視て、第1入力端子50Aは、入力コンデンサC1および第1入力配線15に重なっている。第1方向zに視て、第2入力端子50Bは、入力コンデンサC1および第2入力配線16に重なっている。
【0066】
図4に示すように、出力端子50Cは、第3方向yにおいて後述するシールド20の第2シールド部22を基準として、第1入力端子50Aおよび第2入力端子50Bとは反対側に位置する。第1方向zに視て、出力端子50Cは、出力配線17に重なっている。第1ゲート端子50Dおよび第2ゲート端子50Eは、第2方向xにおいて第1入力端子50Aと第2入力端子50Bとの間に位置する。第1方向zに視て、第1ゲート端子50Dは、第1ゲート配線18に重なっている。第1方向zに視て、第2ゲート端子50Eは、第2ゲート配線19に重なっている。
【0067】
図7図9および図10に示すように、複数の連絡配線層39は、第2絶縁層32に収容されている。複数の連絡配線層39は、たとえば銅を含む材料からなる。複数の連絡配線層39の各々は、複数の端子50に個別につながっている。さらに複数の連絡配線層39は、第1入力配線15、第2入力配線16、出力配線17、第1ゲート配線18および第2ゲート配線19に個別につながっている。
【0068】
これにより、第1入力端子50Aは、第1入力配線15を介して入力コンデンサC1の第1電極C11、第1アーム回路101の第1スイッチング素子M1のドレイン、および第2アーム回路102の第3スイッチング素子M3のドレインに導通している。第2入力端子50Bは、第2入力配線16を介して入力コンデンサC1の第2電極C12、第1アーム回路101の第2スイッチング素子M2のソース、および第2アーム回路102の第4スイッチング素子M4のソースに導通している。出力端子50Cは、出力配線17を介して第1スイッチング素子M1および第3スイッチング素子M3の各々のソースと、第2スイッチング素子M2および第4スイッチング素子M4の各々のドレインに導通している。第1ゲート端子50Dは、第1ゲート配線18を介して第1スイッチング素子M1の第1ゲートG1、および第3スイッチング素子M3の第3ゲートG3に導通している。第2ゲート端子50Eは、第2ゲート配線19を介して第2スイッチング素子M2の第2ゲートG2、および第4スイッチング素子M4の第4ゲートG4に導通している。したがって、複数の端子50の各々は、入力コンデンサC1、第1アーム回路101および第2アーム回路102の少なくともいずれかに導通している。
【0069】
封止樹脂60は、図5図10に示すように、第1絶縁層31の主面31Aに配置されている。封止樹脂60は、電気絶縁性を有する。封止樹脂60は、第1部61、第2部62および第3部63を含む。第1部61、第2部62および第3部63の各々は、第1絶縁層31の主面31Aに接している。
【0070】
図2図5および図6に示すように、第1部61は、半導体素子40を覆っている。図5および図6に示すように、第1部61は、第3パッド333、第4パッド334、第5パッド335、第6パッド336、第7パッド337、第8パッド338、および複数のゲートパッド層35をさらに覆っている。
【0071】
図2図7図9および図10に示すように、第2部62は、入力コンデンサC1、第1パッド331および第2パッド332を覆っている。第2部62は、第1部61から離れている。
【0072】
図5図10(ただし、図8は除く。)に示すように、第3部63は、第1部61および第2部62を覆っている。第3部63のガラス転移点は、第1部61および第2部62の各々のガラス転移点よりも低い。
【0073】
図2および図4に示すように、半導体回路A10が具備するシールド20は、第1シールド部21、第2シールド部22および連絡部23を有する。シールド20は、金属を含む材料からなる。
【0074】
図2図5図6図9および図10に示すように、第1シールド部21は、第1絶縁層31の主面31Aの一部と、封止樹脂60の第1部61および第2部62の各々の一部とを覆っている。さらに、第1シールド部21は、封止樹脂60の第3部63に覆われている。第1部61の一部を覆う第1シールド部21の部分は、第1部61と第3部63とに挟まれている。第2部62の一部を覆う第1シールド部21の部分は、第2部62と第3部63とに挟まれている。したがって、第1部61および第2部62の各々の一部を覆う第1シールド部21の部分は、封止樹脂60に収容されている。
【0075】
図4図5図6図9および図10に示すように、第2シールド部22は、第2絶縁層32の裏面32Aの一部を覆っている。第2シールド部22は、裏面32Aから外部に露出している。
【0076】
図2および図4に示すように、第1方向zに視て、第1シールド部21および第2シールド部22の各々は、第3スイッチング素子M3、第4スイッチング素子M4、第3配線13、第4配線14、第1コンタクト341および第2コンタクト342の各々の全体に重なっている。したがって、平面視において、シールド20は、第2アーム回路102の全体に重なっている。さらに第1方向zに視て、第1シールド部21および第2シールド部22の各々は、第1配線11、第2配線12および入力コンデンサC1の各々の一部に重なっている。
【0077】
図5に示すように、連絡部23は、第1絶縁層31および第2絶縁層32に収容されている。連絡部23は、第1シールド部21および第2シールド部22につながっている。これにより、第1シールド部21および第2シールド部22は、互いに導通している。半導体装置B10を配線基板に実装する際、第2シールド部22は、外部に接地される。
【0078】
次に、半導体回路A10および半導体装置B10の作用効果について説明する。
【0079】
半導体回路A10は、入力コンデンサC1と、第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2を含む第1アーム回路101と、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4を含む第2アーム回路102と、シールド20とを備える。シールド20は、平面視において少なくとも第2アーム回路102の一部に重なるとともに、外部に接地されている。第2アーム回路102の第2経路L2の長さは、第1アーム回路101の第1経路L1の長さよりも大きい。平面視において第2アーム回路102に重なり、かつ第2経路L2に沿ったシールド20の区間の長さは、平面視において第1アーム回路101に重なり、かつ第1経路L1に沿ったシールド20の区間の長さよりも大きい。本構成をとることにより、半導体回路A10においては、第2アーム回路102の導電経路長が第1アーム回路101の導電経路長よりも大きいため、第1アーム回路101よりも第2アーム回路の方がより大きな磁界が発生する。この場合において、シールド20により抑制される磁界の大きさは、第1アーム回路101よりも第2アーム回路102の方が大きい。これにより、これにより、第1アーム回路101と第2アーム回路102との相互による磁界の打ち消し効果が発揮されるため、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々から発生するノイズの度合いが均等な状態に近づく。したがって、本構成によれば、半導体回路A10においては、複数のアーム回路を含むハーフブリッジ回路に起因したノイズの影響を低減することが可能となる。
【0080】
半導体回路A10においては、平面視において、シールド20は、第2アーム回路102の全体に重なっている。本構成をとることにより、第2アーム回路102から発生する磁界の総量が抑制されるため、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々から発生するノイズの度合いを、より均等な状態に近づけることができる。
【0081】
半導体回路A10においては、平面視において、シールド20は、第1アーム回路101の第1配線11および第2配線12の各々に重なっている。本構成をとることにより、第2アーム回路102から発生する磁界の総量と、第1アーム回路101から発生する磁界の一部とが抑制される。これにより、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々から発生するノイズの度合いを、さらに均等な状態に近づけることができる。
【0082】
半導体回路A10は、第1スイッチング素子M1、第2スイッチング素子M2、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4に導通するインダクタLと、インダクタLに導通する出力コンデンサC2とをさらに備える。平面視において、インダクタLおよび出力コンデンサC2は、シールド20の外方に位置する。本構成をとることにより、半導体回路A10において、インダクタLおよび出力コンデンサC2の各々から発生するノイズが第1アーム回路101および第2アーム回路102に到達することを抑制しつつ、シールド20の効率的な配置を図ることができる。
【0083】
半導体装置B10は、半導体回路A10を搭載する基材30を備える。第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々の一部は、基材30に収容されている。本構成をとることにより、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々が受けるノイズの影響を基材30により低減することができる。
【0084】
半導体装置B10は、第1スイッチング素子M1、第2スイッチング素子M2、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4を含む半導体素子40をさらに備える。半導体素子40は、基材30に導電接合されている。本構成をとることにより、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々がよりコンパクトになる。このことは、半導体装置B10の小型化に寄与する。
【0085】
基材30は、第1方向zにおいて半導体素子40に対向する主面31Aと、第1方向zにおいて主面31Aとは反対側を向く裏面32Aとを有する。半導体装置B10は、裏面32Aから外部に露出する複数の端子50をさらに備える。複数の端子50の各々は、入力コンデンサC1、第1アーム回路101および第2アーム回路102のいずれかに導通している。本構成をとることにより、半導体装置B10を配線基板に表面実装することができる。
【0086】
半導体装置B10は、少なくとも半導体素子40を覆う封止樹脂60をさらに備える。シールド20の一部は、封止樹脂60に収容されている。本構成をとることにより、半導体素子40とともにシールド20の一部を、外的因子から保護することができる。
【0087】
〔第2実施形態(半導体回路A20)〕
図11に基づき、本開示の第2実施形態にかかる半導体回路A20について説明する。本図において、先述した半導体回路A10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0088】
半導体回路A20においては、シールド20の構成が、半導体回路A10の当該構成と異なる。
【0089】
図11に示すように、シールド20は、互いに離れた第1シールド20Aおよび第2シールド20Bを含む。第1シールド20Aおよび第2シールド20Bの各々は、外部に接地されている。平面視において、第1シールド20Aは、第1アーム回路101の第1配線11と、第2アーム回路102の第3配線13とに重なっている。平面視において、第2シールド20Bは、第1アーム回路101の第2配線12と、第2アーム回路102の第4配線14とに重なっている。ただし、平面視において、第2アーム回路102の第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4は、第1シールド20Aおよび第2シールド20Bの各々の外方に位置する。
【0090】
図11に示すように、平面視において第2アーム回路102に重なり、かつ第2経路L2に沿った第1シールド20Aの区間の長さは、平面視において第1アーム回路101に重なり、かつ第1経路L1に沿った第1シールド20Aの区間の長さよりも大きい。あわせて、平面視において第2アーム回路102に重なり、かつ第2経路L2に沿った第2シールド20Bの区間の長さは、平面視において第1アーム回路101に重なり、かつ第1経路L1に沿った第2シールド20Bの区間の長さよりも大きい。
【0091】
〔第2実施形態(半導体装置B20)〕
次に、図12図18に基づき、本開示の第2実施形態にかかる半導体装置B20について説明する。これらの図において、先述した半導体装置B20と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0092】
半導体装置B20は、半導体回路A10に替えて半導体回路A20(ただし、インダクタLおよび出力コンデンサC2を除く。)を備える。これにより、半導体装置B20においては、シールド20および封止樹脂60の構成が、半導体装置B10の当該構成と異なる。
【0093】
図12図18に示すように、シールド20は、第2方向xにおいて互いに離れた第1シールド20Aおよび第2シールド20Bを含む。第1シールド20Aおよび第2シールド20Bの各々は、第1シールド部21、第2シールド部22および連絡部23を有する。第1方向zに視て、第1シールド20Aの第1シールド部21および第2シールド部22の各々は、半導体回路A20を構成する第1配線11および第3配線13に重なっている。第1方向zに視て、第2シールド20Bの第1シールド部21および第2シールド部22の各々は、半導体回路A20を構成する第2配線12および第4配線14に重なっている。第1方向zに視て、第1シールド20Aおよび第2シールド20Bの各々は、入力コンデンサC1および半導体素子40から離れている。
【0094】
図12、および図14図18に示すように、封止樹脂60は、第1部61のみを含む。したがって、第1部61および入力コンデンサC1は、外部に露出している。さらに、第1シールド20Aおよび第2シールド20Bの各々の第1シールド部21は、第1絶縁層31の主面31Aから外部に露出している。
【0095】
次に、半導体回路A20の作用効果について説明する。
【0096】
半導体回路A20は、入力コンデンサC1と、第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2を含む第1アーム回路101と、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4を含む第2アーム回路102と、シールド20とを備える。シールド20は、平面視において少なくとも第2アーム回路102の一部に重なるとともに、外部に接地されている。第2アーム回路102の第2経路L2の長さは、第1アーム回路101の第1経路L1の長さよりも大きい。平面視において第2アーム回路102に重なり、かつ第2経路L2に沿ったシールド20の区間の長さは、平面視において第1アーム回路101に重なり、かつ第1経路L1に沿ったシールド20の区間の長さよりも大きい。したがって、本構成によれば、半導体回路A20においても、複数のアーム回路を含むハーフブリッジ回路の構成に起因したノイズの影響を低減することが可能となる。
【0097】
半導体回路A20においては、互いに離れた第1シールド20Aおよび第2シールド20Bを含む。平面視において、第1シールド20Aは、第2アーム回路102の第3配線13に重なっている。平面視において、第2シールド20Bは、第2アーム回路102の第4配線14に重なっている。本構成をとることにより、第1アーム回路101の導電経路長と、第2アーム回路102の導電経路長との差分に相当する配線から発生する磁界をシールド20により局所的に抑制できる。本構成は、第1アーム回路101の導電経路長に対して第2アーム回路102の導電経路長が比較的大きい場合において、シールド20の配置の効率化を図る上で有益である。
【0098】
半導体回路A20においては、平面視において、第1シールド20Aは、第1アーム回路101の第1配線11に重なっている。平面視において、第2シールド20Bは、第1アーム回路101の第2配線12に重なっている。本構成をとることにより、第1アーム回路101の導電経路長に相当する配線と、第2アーム回路102の導電経路長に相当する配線との各々から発生する磁界をシールド20により抑制できる。これにより、第1アーム回路101と第2アーム回路102との相互による磁界の打ち消し効果がさらに向上する。
【0099】
〔第3実施形態(半導体回路A30)〕
図19に基づき、本開示の第3実施形態にかかる半導体回路A30について説明する。本図において、先述した半導体回路A10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0100】
半導体回路A30においては、シールド20の構成が、半導体回路A10の当該構成と異なる。
【0101】
図19に示すように、平面視において、シールド20は、入力コンデンサC1、第1アーム回路101の第1配線11および第2配線12、第2アーム回路102の第3配線13および第4配線14の各々に重なっている。さらに平面視において、シールド20は、第1ノードN1および第2ノードN2の各々に重なっている。ただし、平面視において、第2アーム回路102の第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4は、シールド20の外方に重なる。
【0102】
図19に示すように、平面視において第2アーム回路102に重なり、かつ第2経路L2に沿ったシールド20の区間の長さは、平面視において第1アーム回路101に重なり、かつ第1経路L1に沿ったシールド20の区間の長さよりも大きい。
【0103】
〔第3実施形態(半導体装置B30)〕
次に、図20図24に基づき、本開示の第3実施形態にかかる半導体装置B30について説明する。これらの図において、先述した半導体装置B10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0104】
半導体装置B30は、半導体回路A10に替えて半導体回路A30(ただし、インダクタLおよび出力コンデンサC2を除く。)を備える。これにより、半導体装置B30においては、シールド20および封止樹脂60の構成が、半導体装置B10の当該構成と異なる。
【0105】
図20図24に示すように、第1方向zに視て、第1シールド部21および第2シールド部22の各々は、半導体回路A30を構成する入力コンデンサC1、第1配線11、第2配線12、第3配線13および第4配線14の各々に重なっている。さらに第1方向zに視て、第1シールド部21および第2シールド部22の各々は、半導体回路A10を構成する第1ゲート配線18、第2ゲート配線19、第1コンタクト341および第2コンタクト342の各々に重なっている。第1方向zに視て、シールド20は、半導体素子40から離れている。
【0106】
図20、および図22図24に示すように、封止樹脂60は、第1部61および第2部62のみを含む。したがって、第1部61および第2部62は、外部に露出している。さらに、シールド20の第1シールド部21は、第1絶縁層31の主面31Aから外部に露出している。第1シールド部21は、第2部62の一部を覆い、かつ第2部62において外部に露出している。
【0107】
次に、半導体回路A30の作用効果について説明する。
【0108】
半導体回路A30は、入力コンデンサC1と、第1スイッチング素子M1および第2スイッチング素子M2を含む第1アーム回路101と、第3スイッチング素子M3および第4スイッチング素子M4を含む第2アーム回路102と、シールド20とを備える。シールド20は、平面視において少なくとも第2アーム回路102の一部に重なるとともに、外部に接地されている。第2アーム回路102の第2経路L2の長さは、第1アーム回路101の第1経路L1の長さよりも大きい。平面視において第2アーム回路102に重なり、かつ第2経路L2に沿ったシールド20の区間の長さは、平面視において第1アーム回路101に重なり、かつ第1経路L1に沿ったシールド20の区間の長さよりも大きい。したがって、本構成によれば、半導体回路A30においても、複数のアーム回路を含むハーフブリッジ回路の構成に起因したノイズの影響を低減することが可能となる。
【0109】
半導体回路A30においては、平面視において、シールド20は、入力コンデンサC1と、第1アーム回路101の第1配線11および第2配線12と、第2アーム回路102の第3配線13および第4配線14との各々に重なっている。本構成をとることにより、第1アーム回路101の導電経路長に相当する配線と、第2アーム回路102の導電経路長に相当する配線との各々から発生する磁界をシールド20により抑制できる。さらに、入力コンデンサC1から発生するノイズをシールド20により抑制できる。これにより、これにより、第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々から発生するノイズの度合いを、さらに均等な状態に近づけつつ、入力コンデンサC1から第1アーム回路101および第2アーム回路102の各々へのノイズの影響を抑制することができる。本構成は、第1アーム回路101の導電経路長と、第2アーム回路102の導電経路長との各々が比較的大きく、かつ入力コンデンサC1の静電容量が比較的大きい半導体回路A30である場合において有益である。
【0110】
本開示は、先述した実施形態に限定されるものではない。本開示の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0111】
本開示は、以下の付記に記載した実施形態を含む。
[付記1]
第1電極および第2電極を有する入力コンデンサと、
互いに直列接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を含むとともに、前記第1スイッチング素子が前記第1電極に導通し、かつ前記第2スイッチング素子が前記第2電極に導通する第1アーム回路と、
互いに直列接続された第3スイッチング素子および第4スイッチング素子を含むとともに、前記第3スイッチング素子が前記第1電極に導通し、かつ前記第4スイッチング素子が前記第2電極に導通する第2アーム回路と、
平面視において少なくとも前記第2アーム回路の一部に重なるとともに、外部に接地されたシールドと、を備え、
前記第1アーム回路は、前記第1電極と電位が等しい第1ノードから前記第2電極と電位が等しい第2ノードに至る第1経路を有し、
前記第2アーム回路は、前記第1ノードから前記第2ノードに至る第2経路を有し、
前記第2経路の長さは、前記第1経路の長さよりも大きく、
前記平面視において前記第2アーム回路に重なり、かつ前記第2経路に沿った前記シールドの区間の長さは、前記平面視において前記第1アーム回路に重なり、かつ前記第1経路に沿った前記シールドの区間の長さよりも大きい、半導体回路。
[付記2]
前記平面視において、前記シールドは、前記第2アーム回路の全体に重なっている、付記1に記載の半導体回路。
[付記3]
前記第1アーム回路は、前記第1ノードと前記第1スイッチング素子とを導通する第1配線と、前記第2ノードと前記第2スイッチング素子とを導通する第2配線と、を含み、
前記第2アーム回路は、前記第1ノードと前記第3スイッチング素子とを導通する第3配線と、前記第2ノードと前記第4スイッチング素子とを導通する第4配線と、を含み、
前記平面視において、前記シールドは、少なくとも前記第3配線および前記第4配線に重なっている、付記1に記載の半導体回路。
[付記4]
前記シールドは、互いに離れた第1シールドおよび第2シールドを含み、
前記平面視において、前記第1シールドは、前記第3配線に重なっており、
前記平面視において、前記第2シールドは、前記第4配線に重なっている、付記3に記載の半導体回路。
[付記5]
前記平面視において、前記第1シールドは、前記第1配線に重なっており、
前記平面視において、前記第2シールドは、前記第2配線に重なっている、付記4に記載の半導体回路。
[付記6]
前記平面視において、前記シールドは、前記入力コンデンサ、前記第1配線、前記第2配線、前記第3配線および前記第4配線の各々に重なっている、付記3に記載の半導体回路。
[付記7]
前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、前記第3スイッチング素子および前記第4スイッチング素子に導通するインダクタをさらに備え、
前記平面視において、前記インダクタは、前記シールドの外方に位置する、付記1ないし6のいずれかに記載の半導体回路。
[付記8]
前記インダクタに導通する出力コンデンサをさらに備え、
前記平面視において、前記出力コンデンサは、前記シールドの外方に位置する、付記7に記載の半導体回路。
[付記9]
付記1に記載の半導体回路と、
前記半導体回路を搭載する基材と、を備える、半導体装置。
[付記10]
前記第1アーム回路および前記第2アーム回路の各々の一部は、前記基材に収容されており、
前記入力コンデンサは、前記基材に導電接合されている、付記9に記載の半導体装置。
[付記11]
前記第1スイッチング素子、前記第2スイッチング素子、前記第3スイッチング素子および前記第4スイッチング素子を含む半導体素子をさらに備え、
前記半導体素子は、前記基材に導電接合されている、付記10に記載の半導体装置。
[付記12]
前記半導体素子を覆う封止樹脂をさらに備える、付記11に記載の半導体装置。
[付記13]
前記基材は、第1方向において前記半導体素子に対向する主面と、前記第1方向において前記主面とは反対側を向く裏面を有し、
前記シールドは、前記裏面から外部に露出している、付記12に記載の半導体装置。
[付記14]
前記シールドは、前記主面から外部に露出している、付記13に記載の半導体装置。
[付記15]
前記シールドの一部は、前記封止樹脂に収容されている、付記13に記載の半導体装置。
[付記16]
前記封止樹脂は、前記入力コンデンサを覆っている、付記14または15に記載の半導体装置。
[付記17]
前記裏面から外部に露出する複数の端子をさらに備え、
複数の端子の各々は、前記入力コンデンサ、前記第1アーム回路および前記第2アーム回路の少なくともいずれかに導通している、付記13ないし15のいずれかに記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0112】
A10,A20,A30:半導体回路
B10,B20,B30:半導体装置
C1:入力コンデンサ
C11:第1電極
C12:第2電極
C2:出力コンデンサ
L:インダクタ
101:第1アーム回路
102:第2アーム回路
M1:第1スイッチング素子
M2:第2スイッチング素子
M3:第3スイッチング素子
M4:第4スイッチング素子
N1:第1ノード
N2:第2ノード
L1:第1経路
L2:第2経路
11:第1配線
12:第2配線
13:第3配線
14:第4配線
15:第1入力配線
16:第2入力配線
17:出力配線
18:第1ゲート配線
19:第2ゲート配線
20:シールド
20A:第1シールド
20B:第2シールド
21:第1シールド部
22:第2シールド部
23:連絡部
30:基材
31:第1絶縁層
31A:主面
32:第2絶縁層
32A:裏面
33:パッド層
331~338:第1パッド~第8パッド
34:コンタクト層
341~347:第1コンタクト~第7コンタクト
35:ゲートパッド層
351:第1ゲートパッド
352:第2ゲートパッド
36:ゲートコンタクト層
361:第1ゲートコンタクト
362:第2ゲートコンタクト
39:連絡配線層
40:半導体素子
411:第1入力電極
412:第2入力電極
413:第3入力電極
414:第4入力電極
421:第1出力電極
422:第2出力電極
431:第1ゲート電極
432:第2ゲート電極
433:第3ゲート電極
434:第4ゲート電極
49:接合層
50:端子
50A:第1入力端子
50B:第2入力端子
50C:出力端子
50D:第1ゲート端子
50E:第2ゲート端子
60:封止樹脂
61:第1部
62:第2部
63:第3部
z:第1方向
x:第2方向
y:第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24